JP2009166308A - 多層剥離フィルム - Google Patents

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JP2009166308A JP2008005433A JP2008005433A JP2009166308A JP 2009166308 A JP2009166308 A JP 2009166308A JP 2008005433 A JP2008005433 A JP 2008005433A JP 2008005433 A JP2008005433 A JP 2008005433A JP 2009166308 A JP2009166308 A JP 2009166308A
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幸一 柳瀬
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Abstract

【課題】剥離剤の塗布を行わないタイプの剥離フィルムであって、かつ、粘着フィルムの粘着性への悪影響がない剥離フィルムを得ること。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂にシリコーン化合物がグラフト重合されてなるシリコーン系樹脂(B)とを含む層(X)、および結晶性熱可塑性樹脂(D)を含む層(Z)が、低結晶性オレフィン樹脂(C)を含む層(Y)を介して積層された粘着フィルム用剥離フィルムであり、粘着フィルムの粘着性に対して悪影響を与えることがなく、さらに安価に剥離フィルムを得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は粘着フィルム用の剥離フィルムに関する。
粘着フィルムは、例えば、包装用・梱包用、固定用・結束用、表面保護用などの種々の用途に用いられており、帯状の形態のものについては粘着テープと呼ばれる場合もある。粘着フィルムは一般的に比較的剛性の高い基材層と、この層に隣接して設けられた粘着性を有する粘着層から構成されている。粘着フィルムにおいては、粘着層の被着体と接する面(粘着面)には、粘着フィルムを巻き取る際に互着防止、粘着面への異物付着防止等の観点から、通常、剥離フィルムが貼合されている。剥離フィルムは粘着フィルムを使用する際、すなわち被着体に貼合される際に剥離される。
剥離フィルムは、例えば特許文献1のように、シリコーン系化合物などの離型剤を含む層が粘着面と接する面となるよう、離型剤が塗工され、これにより粘着フィルムの粘着面から容易に剥離できるようになる。しかしながら、シリコーン系化合物の塗布には大きな費用を要し、また、塗布には有機溶剤等を用いる必要があるため環境への悪影響が指摘されるなど、近年、シリコーン系化合物などの塗布を行わないタイプの剥離フィルムが求められている。例えば、特許文献2には、フィルムを構成する樹脂原料にシリコーン系化合物を直接配合することにより剥離性を発現させる方法が示されている。
特開平11−323033公報 特開平6−31865号公報
しかしながら、こうした方法によれば剥離性は得られるものの、シリコーン系化合物の一部が粘着フィルムの粘着面に移行し、剥離フィルムを剥がした後、粘着フィルムの粘着力が低下してしまう場合があった。
かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、剥離剤の塗布を行わないタイプの剥離フィルムであって、かつ、粘着フィルムの粘着性への悪影響がない剥離フィルムを得ることにある。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂にシリコーン化合物がグラフト重合されてなるシリコーン系樹脂(B)とを含む層(X)、および結晶性熱可塑性樹脂(D)を含む層(Z)が、低結晶性オレフィン樹脂(C)を含む層(Y)を介して積層された粘着フィルム用剥離フィルムに関するものである。
本発明によれば、粘着フィルムの粘着性に対して悪影響を与えることがなく、さらに安価に剥離フィルムを得ることができる。
本発明の粘着フィルム用剥離フィルムの層(X)は、熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂にシリコーン化合物がグラフト重合されてなるシリコーン系樹脂(B)とを含むものである。
熱可塑性樹脂(A)としては、特に限定されるものではなく、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボーネート樹脂等を適用可能であるが、フィルム加工の容易性の観点からオレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂とは、炭素数2〜10のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する、熱可塑性の、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体、または少なくとも1種のα−オレフインと他のモノマーとの共重合体を意味する。該α−オレフィンとしては、具体的に、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1を例示することができ、他のモノマーとしては、共役ジエン、例えばブタジエンやイソプレンを例示することができる。オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂、これら樹脂の混合物、またはそれらのリサイクル樹脂を挙げることができる。
エチレン系樹脂とは、エチレンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する、熱可塑性の、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体、またはエチレンと少なくとも1種の他のモノマーとの共重合を意味する。該α−オレフィンとしては、具体的に、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1を例示することができる。他のモノマーとしては、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、または酢酸ビニルを例示することができる。
エチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、または高密度ポリエチレンのいずれでもよく、もしくはエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体でもよい。具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体が挙げられる。さらに、エチレン系樹脂として、エチレンと共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)との共重合体、エチレンと非共役ジエン(例えば1,4ペンタジエン)との共重合体、アクリル酸、メタクリル酸または酢酸ビニルなどと、エチレンとの共重合体でもよい。また、エチレン系樹脂は、上記の樹脂を、α、β−不飽和カルボン酸やその誘導体(例えばアクリル酸やアクリル酸メチル)、または脂環族カルボン酸やその誘導体(例えば無水マレイン酸)で変性(例えばグラフト変性)してもよい。
プロピレン系樹脂とは、プロピレンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する、熱可塑性の、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素数2〜10のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の他のモノマーとの共重合を意味する。該α−オレフィンとしてエチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1を例示することができる。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)を例示することができる。
プロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等で例示される少なくとも1種の炭素数2〜10のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合体を挙げることができる。該共重合体はランダム共重合体またはブロック共重合体のいずれであってもよい。
ブテン系樹脂とは、ブテンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する、熱可塑性の、ブテンの単独重合体またはブテンと少なくとも1種の他のモノマーとの共重合を意味する。他のモノマーとしては、炭素数2〜10のα−オレフィン(但し、ブテンを除く)、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1を例示することができる。α−オレフィン以外の他のモノマーとしては、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)を例示することができる。
本発明の剥離フィルムに用いるオレフィン系樹脂の種類は特に制限されないが、フィルムの剛性および透明性の観点から、プロピレン系樹脂が好ましい。
シリコーン系樹脂(B)に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、フィルムの透明性の観点から熱可塑性樹脂(A)と同じ熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
本発明のシリコーン系樹脂(B)とは、熱可塑性樹脂とシリコーン化合物をグラフト重合して得られるものである。該熱可塑性樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などを好適に用いることができる。また、グラフトさせるシリコーン化合物は、特に制限はなく、シロキサン単位を骨格とする化合物であればよい。
シリコーン系樹脂(B)におけるシリコーン化合物単位の含有量は、好ましくは20〜60重量%であり、より好ましくは30〜50重量%である。剥離性をより高める観点から、該含有量は多い方が好ましいが、含有量が多すぎるとフィルムの透明性に劣ることがある。
シリコーン系樹脂(B)の中では、シートの透明性の観点から、プロピレン系樹脂とシリコーン化合物をグラフト重合したシリコーングラフトプロピレン系樹脂が好ましい。
シリコーン系樹脂(B)としては、公知の製造方法(例えば特開平8−127660号公報)により製造されたものを用いてもよく、東レ・ダウコーニング社製BY27−200番台シリーズなどの市販品を用いることもできる。
熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂にシリコーン化合物がグラフト重合されてなるシリコーン系樹脂(B)との配合割合は、特に制限はないが、剥離性とフィルム透明性との観点から、熱可塑性樹脂(A):シリコーン系樹脂(B)=99.5(wt%):0.5(wt%)〜80(wt%):20(wt%)、好ましくは、99.0(wt%):1.0(wt%)〜90.0(wt%):10.0(wt%)の範囲である。配合の方法としてはフィルム成形工程においてペレット配合してもよく、予め溶融混練を行ってもよい。
本発明の粘着フィルム用剥離フィルムの層(Y)は、低結晶性オレフィン樹脂(C)を含むものである。
低結晶性オレフィン樹脂(C)は、α−オレフィン単量体単位を含有する重合体であって、示差走査熱量測定(DSC)による、−100〜200℃の結晶の融解熱量が30J/g以下である重合体である。
該重合体のα−オレフィン単位の含有量は、全単量体単位を100モル%として、30モル%以上、好ましくは40モル%以上、更に好ましくは50モル%以上であり、含有量が少なすぎると、粘着性、透明性が劣ることがある。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が例示され、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンであり、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンであり、更に好ましくはプロピレン、1−ブテンである。
該重合体は、α−オレフィン以外の単量体単位を含有していてもよく、該単量体単位としては、例えば、エチレン、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等があげられる。該単量体単位の含有量は、非晶性オレフィン系重合体中の全単量体単位を100モル%として、70モル%以下であることが好ましい。
上記ポリエン化合物としては、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物などをあげることができる。共役ポリエン化合物としては、脂肪族共役ポリエン化合物および脂環族共役ポリエン化合物などがあげられ、これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基などを有していてもよい。
上記環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等があげられる。
上記ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等があげられる。
該重合体として、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとエチレンとの共重合体であり、より好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体であり、さらに好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体であり、特に好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体であり、最も好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体であり、上記重合体の中では、プロピレン単位の含有量が30モル%以上の重合体(ただし、各重合体中の全単量体単位を100モル%とする。)がより好ましい。また、上記重合体は、1種で用いてもよく、2種以上組み合わせで用いてもよい。
135℃のテトラリン中で測定される該重合体の極限粘度[η]は0.5〜10dl/gであり、好ましくは0.7〜7dl/gであり、より好ましくは1.5〜5dl/gである。[η]が小さすぎると、フィルムにおいてブロッキングを生じることがあり、[η]が大きすぎるとフィルム成形が困難になる場合がある。
該重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、粘着特性の観点から3以下である。ここで、非晶性オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
該重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。これらの中でも好ましくは、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等であり、該錯体系触媒としては、例えば特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平10−508055号公報、特開平11−80233号公報、もしくは特表平10−508055号公報などに記載のメタロセン系触媒、または特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、もしくは特開表11−71420号公報などに記載の非メタロセン系の錯体触媒を例示することができる。これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン系触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン系触媒の例としては、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対称構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン系触媒を用いた製造方法の特に好ましい例として、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を例示することができる。
本発明の粘着フィルム用剥離フィルムの層(Y)は、低結晶性オレフィン樹脂(C)だけでなく、他の結晶性オレフィン系重合体を含むこともできる。
該結晶性オレフィン系重合体としては、オレフィン単量体の単独重合体または共重合体をあげることができ、これらは1種または2種以上使用される。該オレフィン単量体としては、エチレン、α−オレフィンがあげられ、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等があげられる。結晶性オレフィン系重合体の中では、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体であり、より好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体であり、更に好ましくはプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体である。
上記の結晶性オレフィン系重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
上記結晶性オレフィン系重合体のメルトフローメート(MFR)は、通常0.1〜50g/10分であり、成型加工性の観点から好ましくは0.5〜30g/10分である。なお、該MFRは、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定される。
本発明の粘着フィルム用剥離フィルムの層(Z)は、結晶性熱可塑性樹脂(D)を含むものである。
結晶性熱可塑性樹脂(D)は、炭素数2〜10のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する、熱可塑性の、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体、または少なくとも1種のα−オレフインと他のモノマーとの共重合体を意味する。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1を例示することができ、他のモノマーとしては、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)を例示することができる。オレフィン系樹脂として、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂、これら樹脂の混合物、およびそれらのリサイクル樹脂を挙げることができる。ここで、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂は、上記熱可塑性樹脂(A)で挙げたものと同様のものを用いることができる。
本発明の剥離フィルムは、熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂にシリコーン化合物がグラフト重合されてなるシリコーン系樹脂(B)とを含む層(X)、低結晶性オレフィン樹脂(C)を含む層(Y)、結晶性熱可塑性樹脂(D)を含む層(Z)が、(X)/(Y)/(Z)の順に積層されてなる。
各層の積層の方法としては、特に制限はなく、予め各層を単層フィルムとして押出成形した後、それらを貼り合わせる方法、予め(Z)層をフィルムとして成形した後、その上に(Y)層および(X)層を押出ラミネート成形する方法、各樹脂層を共押出成形する方法等、公知の方法が挙げられるが、成形の利便性を考慮すると共押出成形方が好ましい。共押出成形法としては、公知の共押出Tダイフィルム成形法、共押出インフレーションフィルム成形法等が挙げられ、共押出Tダイフィルム成形法が特に有用である。
本発明の剥離フィルム全体の厚み、および各層の厚み比に特に制限はない。フィルム全体の厚みとしては扱いやすさの観点から、10〜80μmが好ましく、15〜60μmであればさらに好ましい。各層の厚み比は、(Z)層が全体の40〜70(%)を占める構成が好ましく、(Y)層が全体の10〜30%を占める構成が好ましく、(X)層が全体の5〜30%を占める構成が好ましい。好適な厚み構成として、(X)/(Y)/(Z)=5〜15μm/5〜15μm/15〜25μmが挙げられる。
本発明の剥離フィルムの各層には、公知の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等が挙げられる。
本発明の剥離フィルムは、粘着フィルムの剥離フィルムとして用いられる。粘着フィルムは、通常、粘着性を有しない基材層と粘着性を有する粘着層とから構成され、具体的には、光学用または化粧板保護用の粘着フィルム等が挙げられ、好ましくは、光学用のプロテクトフィルムである。本発明のフィルムは、(X)層からなる面を該粘着フィルムの粘着面にあてがうように貼合して用いられる。貼合方法としては、公知の方法、すなわち粘着フィルムと剥離フィルムをニップロールによって連続的に貼合する方法、あるいは所定の大きさに裁断後に貼合する方法等が挙げられる。本発明の剥離フィルムが貼合された粘着フィルムは、剥離フィルムが粘着フィルムから剥がされて用いられる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例および比較例で使用した各樹脂を以下に示した。
☆少なくとも、樹脂(B)および(C)については、もう少し、具体的な情報を載せる必要があると思います。例えば、シリコーン化合物の含有量や、タフセレンの融解熱量や、α−オレフィン単位の含有量など。
(1)熱可塑性樹脂(A)
住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」:プロピレン単独重合体
(2)シリコーン系樹脂(B)
東レダウコーニング社製「BY201」 シリコーン化合物含量:40(wt%)
(3)低結晶性オレフィン樹脂(C)
住友化学(株)社製「タフセレンT5922A」 融解熱量:21(J/g)
(4)結晶性熱可塑性樹脂(D)
住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」:プロピレン単独重合体
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおりに行った。
(1)標準粘着フィルムの被着体に対する粘着力(単位:N/25mm)
厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材に、厚み24μmのアクリル系粘着層が設けられた粘着フィルム(藤森工業(株)製「NBO−0424」を標準粘着フィルムとして用意した。23℃の恒温室において、JIS Z 0237に従い、標準粘着フィルムを短冊状(幅25mm、長さ150mm)に切り出し、アクリル板上に両面テープで固定した偏光板上に、質量2kgのゴム被覆ローラーで貼合速度300mm/分で1往復させて圧着させ、これを50℃で3日間放置する。23℃の雰囲気中、剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件で、偏光板から粘着フィルムを剥離させるのに要する力を、(株)島津製作所製オートグラフAGS−500Dによって測定し、これを標準粘着力T1とした。
(2)粘着力低下量
上記標準粘着フィルムに本発明の剥離フィルムを23℃の恒温室において、JIS Z 0237に従い、質量2kgのゴム被覆ローラーで貼合速度300mm/分で1往復させて圧着させ、これを50℃で3日間放置する。その後、剥離フィルムを剥がして取り去り、その標準フィルムについて再び、前記(1)の要領で粘着力を測定した。この粘着力をT2とした。T1−T2を算出し、これを粘着力低下量ΔTとした。
実施例1
[剥離フィルムの製造]
製膜装置として、住友重機械モダン社製共押出Tダイフィルム製膜機(押出機構成:φ40mm/φ50mm/φ40mm、フィードブロック型3種3層構成)を用いた。
熱可塑性樹脂(A)として、住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」98wt%、シリコーン系樹脂(B)として、東レダウコーニング社製「BY201」2wt%配合したものをφ40mm押出機に、低結晶性オレフィン樹脂(C)として、住友化学(株)社製「タフセレンT5922A」をφ50mm押出機に、結晶性熱可塑性樹脂(D)として、住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」をφ40mm押出機へ供給し、樹脂温度250℃、引取速度24m/分、冷却ロール30℃で押出成形を行い、(X)/(Y)/(Z)=10μm/10μm/20μmの構成のフィルムを得た。
[剥離性の評価]
前記の方法により、粘着力T1およびT2を測定し、両者から粘着力低下量ΔTを求めた。
実施例2
[フィルムの製造]
熱可塑性樹脂(A)の配合量を、住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」を97wt%にし、シリコーン系樹脂(B)の配合量を、東レダウコーニング社製「BY201」を3wt%とした以外は、実施例1と同様にフィルムを得た。
[剥離性の評価]
実施例1と同様に測定を実施した。結果を表1に示す。
実施例3
[フィルムの製造]
フィルムの層構成を(X)/(Y)/(Z)=10μm/10μm/40μmとした他は実施例2と同様にフィルムを得た。
[剥離性の評価]
実施例1と同様に測定を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
[フィルムの製造]
製膜装置として、住友重機械モダン社製共押出Tダイフィルム製膜機(押出機構成:φ40mm/φ50mm/φ40mm、フィードブロック型3種3層構成)を用いた。
熱可塑性樹脂(A)として、住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」98wt%、シリコーン系樹脂(B)として、東レダウコーニング社製「BY201」2wt%配合したものをφ40mm押出機に、低結晶性オレフィン樹脂(C)として住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」をφ50mm押出機に、結晶性熱可塑性樹脂(D)として、住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」をφ40mm押出機へ供給し、樹脂温度250℃、引取速度24m/分、冷却ロール30℃で押出成形を行い、(X)/(Y)/(Z)=10μm/10μm/20μmの構成のフィルムを得た。
[剥離性の評価]
実施例1と同様に測定を実施した。結果を表1に示す。
比較例2
[フィルムの製造]
熱可塑性樹脂(A)の配合量を、住友化学(株)社製「ノーブレンFLX80E4」を97wt%にし、シリコーン系樹脂(B)の配合量を、東レダウコーニング社製「BY201」を3wt%とした以外は、比較例1と同様にフィルムを得た。
[剥離性の評価]
実施例1と同様に測定を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2009166308

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂にシリコーン化合物がグラフト重合されてなるシリコーン系樹脂(B)とを含む層(X)、および結晶性熱可塑性樹脂(D)を含む層(Z)が、低結晶性オレフィン樹脂(C)を含む層(Y)を介して積層された粘着フィルム用剥離フィルム。
  2. 粘着フィルムが光学用プロテクトフィルムである、請求項1記載の粘着フィルム用剥離フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101246001B1 (ko) 2010-10-13 2013-03-20 박희대 종이 이형지를 대체할 수 있는 폴리에틸렌계 이형필름

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JPH05338087A (ja) * 1992-06-08 1993-12-21 Dainippon Printing Co Ltd 離型シート及びその製造方法
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