JP2009166165A - 工作機械及びその制御方法 - Google Patents

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昌浩 横田川
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Abstract

【課題】主軸内に挿入されたワーク排出部材の待機位置の調整を容易にする。
【解決手段】工作機械に、挿入されたワークW1を解放可能に把持する把持手段60を設けた主軸50と、該主軸内に挿入され、前記ワークW1を押し出す前進方向D2、及び、該前進方向D2の反対方向D3へ移動可能なワーク排出部材70と、該ワーク排出部材70を少なくとも前記前進方向D2へ駆動するアクチュエータ80と、前記把持手段60に把持された前記ワークW1の前記主軸50内への挿入長さを認識する認識手段と、前記ワークW1の加工中には前記ワーク排出部材70を前記認識手段で認識された前記挿入長さに応じた待機位置に待機させて該ワークW1の加工後に該ワークW1を前記主軸50外に押し出す位置へ前記ワーク排出部材70を前進させる駆動制御を前記アクチュエータ80に対して行う制御手段とを設ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、主軸を備える工作機械及びその制御方法に関する。
主軸端に取り付けた把持具でワークを把持して加工を行う旋盤には、加工後のワーク、すなわち、製品を排出するため、主軸内にワーク排出部材が挿入されている。把持具は、ワークを加工前に把持し、加工後に解放する。把持具の把持から製品が解放されると、ワーク排出部材が前進することにより製品を押し出す。ワーク排出部材を前進させる機構には、ワーク排出部材を前進方向及び後退方向へ駆動するエアシリンダがある。
エアシリンダは、ワークの加工前にワーク排出部材をワークから後方へ離間した所定の待機位置に停止させ、該ワークの加工後にワークを主軸外へ押し出す所定の押し出し位置までワーク排出部材を前記待機位置から前進させる。
特許文献1には、上記ワーク排出部材に相当するノックアウト棒をシリンダで駆動する旋盤が記載されている。この旋盤のノックアウト棒は、先端にノズルが固定され、異常検知駒、圧縮ばね、第2作動板、第1作動板を介して作動ロッドに連結されている。第1作動板は、シリンダの先端に固定され、シリンダの作動ロッドと平行に配置された2本のガイド棒に摺動自在に設けられている。これらのガイド棒には、それぞれストッパ駒がねじで固定されている。これらのねじを回してストッパ駒を動かすことにより、ノックアウト棒の位置を調整することができる。
特開平2−100801号公報
エアシリンダでワーク排出部材を駆動する旋盤は、ワーク排出部材の停止位置が上記待機位置及び上記押し出し位置に固定されている。これにより、把持具に把持されるワークの主軸内への最大挿入長さに合わせて待機位置を設定する必要がある。最大挿入長さよりも短い挿入長さとなるワークの加工品が押し出されるとき、ワーク排出部材は待機位置からワーク後部まで移動した後に加工品を押し出すことになる。従って、最大挿入長さに合わせた待機位置からワーク排出部材がワーク後部まで移動する時間が常に必要となる。
特許文献1に記載の旋盤は、部品の種類毎にノックアウト棒の停止位置を調整することができるものの、ノックアウト棒の停止位置を調整するためにねじを回してストッパ駒を動かす操作をする必要がある。
以上を鑑み、本発明は、主軸内に挿入されたワーク排出部材の待機位置の調整を容易にすることを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の工作機械は、挿入されたワークを解放可能に把持する把持手段を設けた主軸と、該主軸内に挿入され、前記ワークを押し出す前進方向、及び、該前進方向の反対方向へ移動可能なワーク排出部材と、該ワーク排出部材を少なくとも前記前進方向へ駆動するアクチュエータと、前記把持手段に把持された前記ワークの前記主軸内への挿入長さを認識する認識手段と、前記ワークの加工中には前記ワーク排出部材を前記認識手段で認識された前記挿入長さに応じた待機位置に待機させるとともに該ワークの加工後には該ワーク排出部材を該ワークが前記主軸外に押し出される位置まで前進させる駆動制御を前記アクチュエータに対して行う制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の工作機械の制御方法は、挿入されたワークを解放可能に把持する把持手段を設けた主軸と、該主軸内に挿入され、前記ワークを押し出す前進方向、及び、該前進方向の反対方向へ移動可能なワーク排出部材と、該ワーク排出部材を少なくとも前記前進方向へ駆動するアクチュエータと、を備える工作機械の制御方法であって、前記把持手段に把持された前記ワークの前記主軸内への挿入長さを認識し、前記ワークの加工中には前記ワーク排出部材を前記認識手段で認識された前記挿入長さに応じた待機位置に待機させるとともに該ワークの加工後には該ワーク排出部材を該ワークが前記主軸外に押し出される位置まで前進させる駆動制御を前記アクチュエータに対して行うことを特徴とする。
すなわち、上記認識手段により、把持手段に把持されたワークの主軸内への挿入長さが認識される。上記アクチュエータは、上記制御手段の駆動制御により、ワークの加工中にはワーク排出部材を認識手段で認識された挿入長さに応じた待機位置に待機させ、該ワークの加工後にはワーク排出部材をワークが主軸外に押し出される位置まで前進させる。これにより、把持手段から解放された加工後のワークが主軸外へ押し出される。
加工するワークの種類が変わっても、把持手段に把持されたワークの主軸内への挿入長さに応じた待機位置でワーク排出部材が待機する。従って、ワーク加工中のワーク排出部材の待機位置を調整することが容易になる。
例えば、上記待機位置をワーク排出部材がワークに接触又は近接する位置にすれば、本工作機械は、ワーク加工後速やかにワーク加工品を押し出すことができる。さらに、加工するワークの種類が変わってもワーク加工中のワーク排出部材の待機位置を調整する作業を不要にさせることも可能となる。また、ワークの長手方向(主軸軸線方向)に貫通穴があっても、ワーク加工時にごみや切削油が主軸内に侵入することが抑止される。
ところで、上記主軸には、正面主軸台に設けられる正面主軸、背面主軸台に設けられる背面主軸、等が含まれる。
上記把持手段には、コレットや爪等と呼ばれる種々の把持具でワークを把持するものが含まれる。
上記ワーク排出部材は、棒状(筒状を含む)の本体部材の先端部に排出ピンを着脱可能に取り付けた部材でもよいし、単一の部品からなる部材でもよい。
上記アクチュエータには、電動シリンダ、サーボモータ、等が含まれる。また、上記アクチュエータは、ワーク排出部材を前進方向とともに後退方向へ駆動してもよいし、ワーク排出部材を前進方向へのみ駆動してもよい。ワーク排出部材を後退させる手段は、ばねといった弾性部材等でもよい。
上記認識手段は、ワーク供給手段が主軸にワークを供給した時の該ワーク供給手段の位置、及び、前記主軸の位置に基づいてワークの主軸内への挿入長さを認識してもよい。前記ワーク供給手段には、主軸にワークを供給するローダー、背面主軸にワークを渡す正面主軸、等が含まれる。ワーク供給手段や主軸の位置は、例えば、所定の原点から主軸の中心軸上の座標等の情報や信号、ある位置から主軸の軸方向の距離の情報や信号、等で表すことができる。ワーク供給手段や主軸の位置の情報や信号には、ワーク供給手段や主軸の位置を検出する手段から得られる検出値や検出信号、ワーク供給手段や主軸に対して指令する位置の情報や信号、等が含まれる。
また、上記認識手段は、主軸内へ挿入された部分のワークの長さを検出することにより挿入長さを認識してもよい。
請求項1、請求項3に係る発明によれば、主軸内に挿入されたワーク排出部材の待機位置の調整を容易にすることが可能になる。
請求項2、請求項4に係る発明では、ワークの挿入長さを検出する手段を別途設けなくてもワークの挿入長さを認識することが可能になる。
(1)工作機械の説明:
図1は本発明の一実施形態に係る旋盤(工作機械)1の構成の概略を示す平面図、図2は旋盤1の電気回路の概略を示すブロック図、図3は正面主軸21及び背面主軸50の動作の概略を示す図、図4はワーク挿入長さを説明するための図、図5,7,8,9は旋盤1の要部を一部断面視して示す平面図、図6は旋盤1が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示すように、旋盤1は、ワークを回転させる正面主軸21を備えた正面主軸台20、ガイドブッシュ29、工具32を備えた刃物台30、ワークを回転させる背面主軸50を備えた背面主軸台40、NC(Numerical Control;数値制御)装置10、等が設けられている。
正面主軸21は、背後から供給される長尺な円柱状の材料W0(ワークの一種)を解放可能に把持するコレット(把持具)22が取り付けられ、図示しない正面主軸用モータにより回転駆動される。また、正面主軸21は、図2に示す正面主軸送りモータ26でZ1方向、すなわち、正面主軸21の軸方向へ駆動される。
ガイドブッシュ29は、正面主軸21を貫通した材料W0をZ1方向に摺動可能に把持し、該材料W0を貫通させた状態で正面主軸21と同じ回転軸を中心として回転可能とされている。ガイドブッシュ29は、例えば図示しないガイドブッシュ用モータにより正面主軸21と同期して回転駆動される。
工具32は、図2に示す工具主軸送りモータ36でX3方向(図1の上下方向)及びY3方向(図1の紙面に対して直交する方向)及びZ3方向(図1の左右方向)へ駆動される。むろん、工具32は、X3方向やY3方向やZ3方向とは異なる方向に駆動されてもよいし、X3方向にのみ駆動されてもよい。刃物台30には、正面加工用のバイト、突切バイト、背面加工用のバイト、といった複数の工具が同時に取り付けられてもよいし、これらの工具が交換可能に取り付けられてもよい。
背面主軸50は、挿入されたワークW1を解放可能に把持するコレット61(把持手段60)が設けられ、図示しない背面主軸用モータにより回転駆動される。また、背面主軸50は、図2に示す背面主軸送りモータ46でZ2方向(背面主軸50の軸方向)及びX2方向(図1の上下方向)へ駆動される。むろん、背面主軸50は、Z2方向やX2方向とは異なる方向に駆動されてもよいし、Z2方向にのみ駆動されてもよい。
背面主軸台40には、電動シリンダ(アクチュエータ)80が固定されている。このシリンダ80は、図5等に示すワーク排出部材70を背面主軸50の軸方向へ駆動する。
なお、旋盤を構成する各部の配置は、図1に示す配置以外にも様々考えられる。例えば、ガイドブッシュ29や背面主軸台40の上に刃物台30が配置されてもよい。
図2に示すように、NC装置10は、内部のバス10gに、CPU(Central Processing Unit)10a、半導体メモリ10b,10c、タイマ回路10d、I/F(インターフェイス)回路10e、I/O(入出力)回路10f、等が接続されたコンピュータとされている。RAM(Random Access Memory)10bには、加工プログラムPや各種データDが記憶されている。ROM(Read Only Memory)10cには、アプリケーションプログラムAPLが書き込まれている。CPU10aは、RAM10bをワークエリアとして利用しながら、アプリケーションプログラムAPLや加工プログラムPに従って各種サーボアンプや各種アクチュエータ等を数値制御する。
I/F回路10eに接続された操作パネル12は、操作部12aや表示部12bを備え、NC装置10のユーザインターフェイスとして機能する。操作部12aは、例えば、利用者から操作入力を受け付けるためのボタンやタッチパネルから構成される。表示部12bは、例えば、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や旋盤1に関する各種情報を表示するディスプレイで構成される。
NC装置のI/O回路10fには、正面主軸用サーボ回路24、正面側コレット開閉用アクチュエータ23、工具主軸用サーボ回路34、背面主軸用サーボ回路44、背面側コレット開閉用アクチュエータ69、電動シリンダ80、等が接続されている。
正面主軸用サーボ回路24は、サーボアンプ24aやパルス検出回路24b等を備え、NC装置10と正面主軸送りモータ26との間の情報伝達を仲介する。サーボアンプ24aは、NC装置10から入力される指令量に従って、正面主軸21をZ1方向へ移動させるように正面主軸送りモータ26を駆動する。パルス検出回路24bは、正面主軸送りモータ26に備えられたパルスコーダからの出力をNC装置10へ送信する。NC装置10は、パルス検出回路24bから受信したデータをもとに正面主軸21の現在位置を演算する。
正面側コレット開閉用アクチュエータ23は、NC装置10から入力される指令に従って、正面側コレット22を閉じる方向又は開く方向にシフターを駆動する。
工具主軸用サーボ回路34は、サーボアンプ34aやパルス検出回路34b等を備え、NC装置10と工具主軸送りモータ36との間の情報伝達を仲介する。サーボアンプ34aは、NC装置10から入力される指令量に従って、工具32をX3方向やY3方向やZ3方向へ移動させるように工具主軸送りモータ36を駆動する。パルス検出回路34bは、工具主軸送りモータ36に備えられたパルスコーダからの出力をNC装置10へ送信する。NC装置10は、パルス検出回路34bから受信したデータをもとに工具32の現在位置を演算する。
背面主軸用サーボ回路44は、サーボアンプ44aやパルス検出回路44b等を備え、NC装置10と背面主軸送りモータ46との間の情報伝達を仲介する。サーボアンプ44aは、NC装置10から入力される指令量に従って、背面主軸50をZ2方向やX2方向へ移動させるように背面主軸送りモータ46を駆動する。パルス検出回路44bは、背面主軸送りモータ46に備えられたパルスコーダからの出力をNC装置10へ送信する。NC装置10は、パルス検出回路44bから受信したデータをもとに背面主軸50の現在位置を演算する。
背面側コレット開閉用アクチュエータ69は、NC装置10から入力される指令に従って、背面側コレット61を閉じる方向又は開く方向にシフター67(図5参照)を駆動する。
電動シリンダ80は、ピストン81やサーボ機構82を備え、NC装置10から入力される指令に従って、ワーク排出部材70をZ2方向へ駆動する。サーボ機構82は、NC装置10から指令された停止位置にピストン81を停止させる。従って、ピストン81の先端に連結されたワーク排出部材70が指令に応じた停止位置で停止する。
以上の構成を有する旋盤1では、本発明にいうワーク供給手段が正面主軸台20及びNC装置10で構成され、本発明にいう主軸が背面主軸50で構成され、本発明にいう認識手段が各モータに備えられたパルスコーダ及びパルス検出回路24b,44b及びNC装置10で構成され、本発明にいう制御手段がNC装置10で構成される。
次に、図3を参照して、長尺な材料W0の先端部を背面主軸50に渡して突っ切る時の正面主軸21及び背面主軸50の動作を説明する。ここで、同図に示すように、Z1軸のある点を原点Oとして位置をZ1座標で表すことにする。同図に示すように、突切バイト32aにより切断された材料W0の先端の位置をZ10、加工原点位置L11にある正面主軸21の先端の位置をZ11、正面加工完了後の前進位置L12にある正面主軸21の先端の位置をZ12、所定の後退位置L13にある背面主軸50の先端の位置をZ20、所定の最前進位置L14にある背面主軸50の先端の位置をZ21、所定の把持位置L15にある背面主軸50の先端の位置をZ22とする。
正面加工の際、図3(b)に示すように、正面主軸21が材料W0を把持して加工原点位置L11から前進位置L12へ移動する。このとき、材料の先端の位置Z13は、
13 = Z10 + ( Z12 − Z11 ) …(1)
となる。
正面加工終了後、図3(c)に示すように、背面主軸50が後退位置L13から所定の把持位置L15へ移動する。このとき、材料W0の背面主軸50内への挿入長さZ23は、
23 = Z13 − Z22
= Z12 − Z22 + Z10 − Z11 …(2)となる。
背面主軸50が正面加工後の材料W0を把持した後、突切バイト32aが材料W0を突っ切る。従って、背面主軸50に把持されるワークW1の背面主軸50内への挿入長さは、上記式(2)で表されるZ23となる。ここで、Z10は突切バイト32aの位置で定まっており、Z11は正面主軸の加工原点位置L11で定まっているので、ワーク挿入長さZ23は、正面主軸21(ワーク供給手段)が背面主軸50にワークW1を供給した時の正面主軸21の位置Z12、及び、背面主軸50の位置Z22から求まる。
本旋盤1は、ワーク挿入長さZ23を自動的に認識し、背面主軸50に挿入されたワーク排出部材70を背面加工中に挿入長さZ23に応じた待機位置に待機させてワークの背面加工後にワーク排出部材を前進させる駆動制御を電動シリンダ80に対して行う。
背面主軸50に把持されたワークW1は、正面加工された部分が後側とされ、前側部分が背面加工される。背面加工の際、背面主軸50は把持位置L15から後退する。背面加工終了後、背面主軸50は、所定の製品排出位置へ移動し、背面加工後のワークを解放して図示しない製品受けへ排出する。製品排出位置は、後退位置L13でもよいし、X2方向へずれた位置でもよい。一方、正面主軸21は、図3(d)に示すように、材料W0を解放して前進位置L12から加工原点位置L11に戻る。
旋盤1は、図3(a)〜(d)に示した動作を繰り返すことにより、ワークの加工を連続して行う。
ワークの背面主軸内への挿入長さは、正面主軸(ワーク供給手段)が背面主軸にワークを供給した時の正面主軸の相対的な移動量、及び、背面主軸の相対的な移動量に基づいても求めることができる。むろん、本発明にいう位置は、相対的な位置を含む。従って、正面主軸の移動量は本発明にいうワーク供給手段の位置に含まれ、背面主軸の移動量は本発明にいう主軸の位置に含まれる。
図4は、ワーク挿入長さを説明するための平面図であり、旋盤1の要部を一部断面視して示している。図中、aは、加工原点位置L11から正面加工完了迄に正面主軸21が前進した前進量(移動量Z12−Z11)である。bは、後退位置L13から把持位置L15まで前進するときの背面主軸50の前進量(移動量Z20−Z22)であり、加工プログラムに含まれる正の値である。cは、背面主軸50がワークW1を掴んでいる部分の長さ、すなわち、ワーク挿入長さZ23であり、a,bから求められる正の値である。dは、背面主軸50の最大移動量Z20−Z21であり、予め決められた正の値である。eは、背面主軸50が最も前進したときの背面主軸先端とガイドブッシュ29との間隔であり、予め決められた正の値である。fは、突切バイト32aとガイドブッシュ29との間隔であり、予め決められた正の値である。gは、背面主軸50で把持したワークW1の後端と排出ピン74(ワーク排出部材70)の先端との間隔であり、利用者から設定入力を受け付ける0以上の値である。むろん、gは、予め決められた値でもよい。iは、電動シリンダ80が最も後退したときの排出ピン74の先端から背面主軸50の先端までの距離であり、予め決められた正の値である。
ワーク挿入長さcは、
c = a − ( e − f ) − ( d − b ) …(3)
である。ここで、d,e,fは予め決められた値であるので、ワーク挿入長さcは、正面主軸の前進量a、及び、背面主軸の前進量bから求まる。
ワーク挿入長さcが求まると、背面加工時の電動シリンダ80の前進量、すなわち、排出ピン74の前進量hは、
h = i − c − g …(4)
から求まる。
本NC装置10は、ワークの背面加工時に排出ピン74の前進量をhとする駆動制御を電動シリンダ80に対して行う。
図5は、本発明にいう主軸となる背面主軸50を含む旋盤1の要部を示している。図に示すように、背面主軸台40の上には、背面主軸50、把持手段60、ワーク排出部材70、電動シリンダ80、等が設けられている。
背面主軸50は、背面主軸台40に対してベアリング53を介して回転可能に取り付けられ、ワーク排出部材70を軸方向D1へ挿入可能とされている。すなわち、背面主軸50は、ワーク排出部材70の周りで回転軸AX1を中心として回転する。背面主軸50は、NC装置10の制御に従ったタイミングで背面主軸用モータにより回転駆動される。
把持手段60は、背面側コレット(把持具)61、コレット保持部材62、コレット開閉機構63〜69、を備え、背面主軸50に挿入されたワークW1を加工前に把持して加工後に解放する。
コレット61は、背面主軸50の先端部に取り付けられ、前方から供給されるワークW1を解放可能に把持し、背面主軸50とともに回転するようにされている。コレット61は、後側となるほど細くなるテーパ部分61aが形成され、このテーパ部分の複数の箇所(例えば3箇所)にすりわりが形成されている。従って、テーパ部分61aが締め付けられるとワークが把持され、テーパ部分61aが緩められるとワークが解放される。
コレット保持部材62は、背面主軸50の先端部に取り付けられ、該背面主軸50の先端部にコレット61を保持する。
コレット開閉機構は、コレット閉じ部材63、コレット開き用のコイルばね64、延長部材65、爪開閉機構66、シフター67、シフターレバー68、背面側コレット開閉用アクチュエータ69、を有している。コレット閉じ部材63は、コレットのテーパ部分61aに接触し、背面主軸50の軸方向D1へスライドするようにされている。コイルばね64は、前進方向D2側の端部がコレット61に掛止され、後退方向D3側の端部がコレット閉じ部材63の内周面に掛止されて、コレット閉じ部材63を後退方向D3へ付勢している。延長部材65は、コレット閉じ部材63の後端部に接触し、軸方向D1へスライドするようにされている。爪開閉機構66は、背面主軸50と共に回転動作可能な爪部材66aと、この爪部材66aを背面主軸50に保持するホルダ66bとを有している。爪部材66aの基部66a1は、延長部材65の後端部に接触している。シフター67は、後側となるほど細くなるテーパ部分67aが形成され、軸方向D1へスライドするようにされている。シフターのテーパ部分67aは、爪部材66aの先端部66a2に接触している。シフターレバー68は、アクチュエータ69の駆動によりシフター67を軸方向D1へスライドさせる。アクチュエータ69は、コレット61を締め付けるための駆動力をNC装置10の制御に従って発生させる。
以上の構成により、シフター67を後退方向D3へ移動させる駆動力をアクチュエータ69がシフターレバー68へ伝えると、後退したシフター67が爪部材先端部66a2を拡げるように爪部材66aを回転動作させる。すると、爪部材の基部66a1が延長部材65を介してコレット閉じ部材63を前進方向D2へスライドさせ、コレット61が締め付けられる。これにより、コレット61でワークW1が把持される。一方、シフター67を前進方向D2へ移動させる駆動力をアクチュエータ69がシフターレバー68へ伝えると、コレット開き用ばね64の付勢力によりコレット閉じ部材63及び延長部材65が後退し、爪部材先端部66a2が狭まるように爪部材66aが回転動作する。これにより、コレット61が緩められ、ワークW1がコレット61から解放される。
ワーク排出部材70は、前進方向D2及び後退方向D3へ移動可能に背面主軸50内へ挿入され、背面主軸50の回転軸AX1を中心として回転可能とされている。ここで、前進方向D2はワークW1を軸方向D1に沿って背面主軸50の前方外部へ押し出す方向であり、後退方向D3は前進方向D2の反対方向である。本ワーク排出部材70は、軸方向D1へ貫通した貫通穴72cを有する略円筒状のワーク排出軸72と、このワーク排出軸の先端部72aに対して着脱可能に取り付けられた排出ピン74とを有する構成とされている。
電動シリンダ80は、背面主軸台40に取り付けられ、ピストン81を前進方向D2へ突出させている。ピストン81の先端は、ワーク排出軸72の後端に連結されている。電動シリンダ80は、停止位置の制御が可能なアクチュエータとされ、NC装置10の制御に従ってワーク排出部材70を前進方向D2及び前記後退方向D3へ駆動する。
以上の他、背面主軸台40には、ワークW1に切削油を供給する切削油供給機構55、コレット61のすりわりから背面主軸50内に切削くずや油が入らないように抑止するための圧空を背面主軸50内に供給するブロー用エア供給機構56、ベアリング53部分の油が主軸内に入らないように抑止するための圧空を供給するシール用エア供給機構57、等も設けられている。
なお、正面主軸21にも、背面主軸の把持手段60と同様の把持手段が設けられているものとする。
以上の構成を有する旋盤1は、NC装置10が図6に示すフローチャートに従った処理を行うことにより、長尺な材料W0を加工して製品を連続生産する。以下、旋盤1の動作、作用、効果を説明する。
(2)工作機械の動作、作用、効果:
NC装置10は、例えば、操作部12aから加工開始の操作入力を受け付けると、図6に示す処理を開始する。なお、図3(b)に示すように、長尺な材料W0が正面主軸21及びガイドブッシュ29を貫通し、正面主軸21が前進位置L12に存在し、背面主軸50が後退位置L13に存在するものとする。また、図5に示すように、排出ピン74は、所定の後退位置L1に存在するものとする。
最初のステップS102(以下、「ステップ」の記載を省略)では、突切バイト32aで材料W0の先端を切断する指令を工具主軸用のサーボアンプ34aに対して出力する。すると、材料W0の先端位置が突切バイト32aの位置Z10となる。
次のS104では、正面側コレット22を開く側にシフターを駆動する指令を正面側コレット開閉用アクチュエータ23に対して出力する。すると、正面側コレット22が開き、材料W0が正面側コレット22から解放される。
次のS106では、正面主軸21を前進位置L12から加工原点位置L11まで移動させる指令を正面主軸用のサーボアンプ24aに対して出力する。すると、正面主軸送りモータ26により、図3(a)に示すように、正面主軸21が加工原点位置L11へ移動する。NC装置10は、随時サーボ回路24から情報を取得して演算することで、常に正面主軸21の位置を把握しており、正面主軸21の加工原点位置L11への移動に応じて加工原点位置L11の位置情報をRAM10bに保存する。むろん、加工プログラムPに記載されている加工原点への移動指令の指令値を読み出してRAM10bに保存しても良い。
次のS108では、正面側コレット22を閉じる側にシフターを駆動する指令を正面側コレット開閉用アクチュエータ23に対して出力する。すると、正面側コレット22が閉じ、材料W0が正面側コレット22に把持される。
次のS110では、工具32で材料W0の正面側を加工する指令を工具主軸用サーボアンプ34aや正面主軸用サーボアンプ24aに対して出力する。すると、正面主軸用送りモータ26により正面主軸21が駆動されながら工具主軸送りモータ36により工具32が駆動され、材料W0が正面加工される。このとき、図3(b)に示すように、正面主軸21は、加工原点位置L11から前進位置L12まで前進量a分前進する。この前進量aは、正面主軸送りモータ26に設けられたパルスコーダからの出力をNC装置10がサーボ回路24を介して取得し、取得したデータを元にCPU10aが演算することで得られる値である。具体的には、正面主軸21の正面加工完了時の位置からRAM10bに保存した加工原点位置L11を減算することで得られる。CPU10aは、この正面主軸21の前進量aの情報をRAM10bに一時的に保存する。
次のS112では、背面側コレット61を開く側にシフター67を駆動する指令を背面側コレット開閉用アクチュエータ69に対して出力する。すると、図5に示すように、シフター67が前進方向D2へ移動し、コレット開き用ばね64の付勢力により背面側コレット61が開く。
なお、S112の処理は、初回の正面加工を行った場合に行われ、2回目以降の正面加工を行った場合には行われないようにしてもよい。
次のS114では、背面主軸50を後退位置L13から把持位置L15まで前進させる指令を背面主軸用のサーボアンプ44aに対して出力する。すると、図3(c)に示すように、背面主軸50が把持位置L15となる。このとき、NC装置10は、背面主軸用のパルス検出回路44bから受信したデータをもとに背面主軸50の前進位置である把持位置L15を演算し、前進前の背面主軸の位置と前進後の背面主軸の位置との差を前進量bとしてRAM10bに一時保存する。むろん、NC装置は、加工プログラムPから背面主軸の前進量bを読み出してRAM10bに保存してもよい。
次のS116では、背面側コレット61を閉じる側にシフター67を駆動する指令を背面側コレット開閉用アクチュエータ69に対して出力する。すると、アクチュエータ69の駆動力により、図7に示すように、シフター67が後退方向D3へ移動し、背面側コレット61が閉じる。これにより、材料W0が背面側コレット61に把持される。
次のS118では、突切バイト32aで材料W0を切断する指令を工具主軸用のサーボアンプ34aに対して出力する。すると、正面加工後の材料W0が突切バイト32aで突っ切られ、分離されたワークW1が背面側コレット61で把持された状態となる。
次のS120では、S118で行った突っ切り動作の回数に応じて処理を分岐させる。突っ切り回数が初回であればS122〜S126の処理を行った後にS128へ進み、突っ切り回数が2回以上であれば即座にS128へ進む。
S122では、コレット61(把持手段60)に把持されたワークW1の背面主軸50内への挿入長さcを計算する。この挿入長さcは、正面主軸の前進量a、背面主軸の前進量b、予め決められた値d,e,fを上記式(3)に代入することにより求まる。
次のS124では、ワーク挿入長さcに応じた待機位置L2まで排出ピン74を前進させるのに必要な前進量hを計算する。この前進量hは、ワーク挿入長さc、ワークW1と排出ピン74との間隔g、後退位置L1にある排出ピン74の先端から背面主軸50の先端までの距離iを上記式(4)に代入することにより求まる。
次のS126では、排出ピン74(ワーク排出部材70)を前進量h分前進させる指令を電動シリンダ80に対して出力する。すると、電動シリンダ80の前進駆動により、図8に示すように、ワークW1後部に近接する待機位置L2まで排出ピン74が前進する。
その後、S128では、工具32でワークW1の背面側を加工する指令を工具主軸用サーボアンプ34aや背面主軸用サーボアンプ44aに対して出力する。すると、背面主軸用送りモータ46により背面主軸50が駆動されながら工具主軸送りモータ36により工具32が駆動され、ワークW1が背面加工される。
次のS130では、背面主軸50を製品排出位置に移動させる指令を背面主軸用サーボアンプ44aに対して出力する。すると、背面主軸送りモータ46により、背面主軸50が製品排出位置へ移動する。このとき、背面主軸50は、後退位置L13まで後退している。
次のS132では、背面側コレット61を開く側にシフター67を駆動する指令を背面側コレット開閉用アクチュエータ69に対して出力する。すると、コレット開き用ばね64の付勢力により背面側コレット61が開き、背面加工後のワークW1がコレット61から解放される。
次のS134では、背面加工後のワークW1を背面主軸50外に押し出す所定の押し出し位置L3へ排出ピン74(ワーク排出部材70)を前進させる指令を電動シリンダ80に対して出力する。すると、電動シリンダ80の前進駆動により、図9に示すように、押し出し位置L3まで排出ピン74が前進する。これにより、加工後のワークW1が背面主軸50から押し出されて製品受けへ排出される。なお、この例では、押し出し位置L3は、排出ピン74の先端が背面主軸50の先端と等しくなる位置としている。むろん、S136で排出ピンの後退量を変更することを前提として、押し出し位置にあるときの排出ピンの先端が背面主軸の先端とは異なる位置とされてもよい。
次のS136では、後退量(i−h)分後退した待機位置、すなわち、ワーク挿入長さcに応じた待機位置L2まで排出ピン74を後退させる指令を電動シリンダ80に対して出力する。すると、電動シリンダ80の後退駆動により、排出ピン74が待機位置L2まで後退する。
最後のS138では、ワークの加工を終了するか否かを判断する。設定数の製品を生産したり、材料W0が無くなって正面側コレット22が材料W0を把持することができなくなったりすると、NC装置10は、条件成立と判断して処理を終了する。一方、NC装置10は、条件不成立と判断すると、S104〜S120,S128〜S138の処理を繰り返す。これにより、ワークが連続して加工される。
なお、上述したS102〜S110,S118の処理は本発明にいうワーク供給手段に対応し、S110の前進量aの保存の処理及びS114,S120〜S122の処理は本発明にいう認識手段に対応し、S124〜S138の処理は本発明にいう制御手段に対応している。
すなわち、S120〜S122の処理により、把持手段60に把持されたワークW1の背面主軸50内への挿入長さcが認識される。また、S124〜S138の処理により、電動シリンダ80は、ワークW1の加工中にはワーク排出部材70をワーク挿入長さcに応じた待機位置L2に待機させ、該ワークW1の加工後にワークW1を背面主軸外に押し出す位置L3へワーク排出部材70を前進させる。すると、把持手段60から解放された加工後のワークW1が背面主軸外へ押し出される。
以上より、本実施形態の旋盤1は、排出ピン74の先端を任意の位置に停止させることができる。また、加工するワークの種類が変わっても、把持手段60に把持されたワークの背面主軸内への挿入長さcに応じた待機位置でワーク排出部材70が待機する。従って、旋盤1として例示した本発明によると、ワーク排出部材の待機位置の調整を容易にすることが可能になる。
例えば、背面主軸内へ挿入される部分の短いワークの場合、本実施形態のワーク排出部材の待機位置は、背面主軸内へ挿入される部分の長いワークの場合に背面主軸内で待機するワーク排出部材の位置よりも前進側の位置となる。これにより、製品を排出する時に排出ピンの無駄な動きがほぼ無くなり、製品を排出する時間が短くなる。また、特許文献1に記載の旋盤のように加工品の種類毎にワーク排出部材の待機位置を調整する作業が不要になる。
さらに、図4に示す間隔gをワークW1と排出ピン74とが接触又は近接する位置に設定すれば、ワークの背面加工後速やかにワーク加工品を押し出すことができる。また、ワークの長手方向に貫通穴があっても、ワーク背面加工時にごみや切削油が背面主軸内に侵入することが抑止される。
加えて、正面主軸が背面主軸にワークを供給した時の正面主軸の位置、及び、背面主軸の位置に基づいてワークの主軸内への挿入長さcが認識されるので、ワーク挿入長さを認識するためにワーク挿入長さを検出する手段を別途設ける必要が無い。
(3)変形例:
ところで、本発明は正面加工を行う部分の旋盤等にも適用可能であるため、本発明にいう主軸が正面主軸で構成されてもよい。この場合、正面主軸にワークを供給するワーク供給手段をローダー等で構成すればよい。むろん、加工対象のワークは、長尺な材料以外でなく、製品に合わせた長さの短い材料でもよい。
ワーク排出部材は、単一の部品からなる棒状(筒状を含む)の部材でもよい。
ワーク排出部材を駆動するアクチュエータは、前進方向及び後退方向へワーク排出部材を駆動するアクチュエータでなく、前進方向へのみワーク排出部材を駆動するアクチュエータでもよい。例えば、ワーク排出部材を後退方向へ付勢するばねやゴム等の弾性部材が主軸内に設けられると、この弾性部材によりワーク排出部材が後退する。この場合、図6のフローチャートに示すS136では、排出ピン74を弾性部材により一旦後退位置L1まで後退させ、その後排出ピン74をアクチュエータにより待機位置L2まで前進させる処理を行えばよい。
ワーク排出部材の待機位置への移動は、ワーク加工前でもよいし、ワーク加工中でもよい。この待機位置は、常に変わらない位置でなく、ワーク加工中徐々にワークへ近づくような位置など、ワーク加工中に変わるような位置でもよい。
ワーク挿入長さcや排出ピン前進量hの計算は、各ワークの加工毎に行われてもよい。
NC装置は、正面主軸や背面主軸の移動量からではなく、Z1軸上又はZ2軸上の座標値で表される正面主軸や背面主軸の位置情報からワーク挿入長さを計算してもよい。
さらに、NC装置は、主軸内へ挿入された部分のワークの長さを検出する外部の検出手段からワーク挿入長さを入手してもよい。この場合、本発明にいう認識手段が検出手段で構成される。むろん、NC装置が検出手段と協働してワーク挿入長さを認識する場合には、本発明にいう認識手段が検出手段及びNC装置で構成される。このような検出手段には、主軸内へ挿入されたワークで押された移動量を電圧信号又は抵抗値信号に変換して出力するポテンショメータ等がある。
また、主軸にワークを把持した状態でサーボ機構付きアクチュエータによりワーク排出部材を前進させると、ワーク排出部材の先端がワーク後部に接触した時点でアクチュエータのトルクが上昇する。そこで、NC装置がアクチュエータのトルクを監視し、トルクが上昇した時点のワーク排出部材の位置をNC装置が入手すれば、入手したワーク排出部材の位置に基づいてNC装置はワーク挿入長さを計算することができる。
ところで、上述した実施形態や変形例から把握される本発明の付加的な側面を、以下に記載する。
本発明の付加的な側面の一つとして、前記認識手段は、前記ワーク供給手段が前記主軸にワークを供給した時の該ワーク供給手段の位置に対する前記主軸の相対的な位置から前記挿入長さを認識することが挙げられる。
上記式(2)を
23 = Z10 − Z11 − ( Z22 − Z12
と書き換えると、(Z22−Z12)がワーク供給手段の位置に対する主軸の相対的な位置となる。従って、認識手段は、相対的な位置関係からワーク挿入長さを認識している。
本発明の付加的な側面の一つとして、前記制御手段は、前記把持手段に把持された前記ワークと前記ワーク排出部材との間に設ける隙間及び前記挿入長さに基づいて前記待機位置を求め、前記ワークの加工中に前記ワーク排出部材を当該求めた待機位置に待機させる駆動制御を前記アクチュエータに対して行うことが挙げられる。前記制御手段は、前記挿入長さに前記隙間を加えて前記待機位置を計算してもよい。これにより、ワーク加工中にワーク排出部材を適切な位置に待機させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
旋盤の構成の概略を示す平面図。 旋盤の電気回路の概略を示すブロック図。 正面主軸及び背面主軸の動作を示す図。 ワーク挿入長さを説明するための図。 ワーク排出部材を後退位置で停止させた旋盤の要部を一部断面視して示す平面図。 NC装置が行う処理の一例を示すフローチャート。 コレットでワークを把持した旋盤の要部を一部断面視して示す平面図。 ワーク排出部材を待機位置で停止させた旋盤の要部を一部断面視して示す平面図。 ワーク排出部材を押し出し位置へ移動させた旋盤の要部を一部断面視して示す平面図。
符号の説明
1…旋盤(工作機械)、
10…数値制御装置(ワーク供給手段の一部、認識手段の一部、制御手段)、
20…正面主軸台(ワーク供給手段の一部)、
21…正面主軸、22…正面側コレット、23…正面側コレット開閉用アクチュエータ、
24…サーボ回路、24a…サーボアンプ、24b…パルス検出回路(認識手段の一部)、
26…正面主軸送りモータ、
29…ガイドブッシュ、
30…刃物台、32…工具、32a…突切バイト、
34…サーボ回路、34a…サーボアンプ、34b…パルス検出回路、
36…工具主軸送りモータ、
40…背面主軸台、
44…サーボ回路、44a…サーボアンプ、44b…パルス検出回路(認識手段の一部)、
46…背面主軸送りモータ、
50…背面主軸、
60…把持手段、61…背面側コレット、69…背面側コレット開閉用アクチュエータ、
70…ワーク排出部材、72…ワーク排出軸、74…排出ピン、
80…電動シリンダ(アクチュエータ)、
AX1…回転軸、D1…軸方向、D2…前進方向、D3…後退方向、
L1…後退位置、L2…待機位置、L3…押し出し位置、
W0…材料、W1…ワーク、

Claims (4)

  1. 挿入されたワークを解放可能に把持する把持手段を設けた主軸と、
    該主軸内に挿入され、前記ワークを押し出す前進方向、及び、該前進方向の反対方向へ移動可能なワーク排出部材と、
    該ワーク排出部材を少なくとも前記前進方向へ駆動するアクチュエータと、
    前記把持手段に把持された前記ワークの前記主軸内への挿入長さを認識する認識手段と、
    前記ワークの加工中には前記ワーク排出部材を前記認識手段で認識された前記挿入長さに応じた待機位置に待機させるとともに該ワークの加工後には該ワーク排出部材を該ワークが前記主軸外に押し出される位置まで前進させる駆動制御を前記アクチュエータに対して行う制御手段とを備えることを特徴とする工作機械。
  2. 前記主軸にワークを供給するワーク供給手段をさらに備え、
    前記認識手段は、前記ワーク供給手段が前記主軸にワークを供給した時の該ワーク供給手段の位置、及び、前記主軸の位置に基づいて前記挿入長さを認識することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 挿入されたワークを解放可能に把持する把持手段を設けた主軸と、
    該主軸内に挿入され、前記ワークを押し出す前進方向、及び、該前進方向の反対方向へ移動可能なワーク排出部材と、
    該ワーク排出部材を少なくとも前記前進方向へ駆動するアクチュエータと、を備える工作機械の制御方法であって、
    前記把持手段に把持された前記ワークの前記主軸内への挿入長さを認識し、前記ワークの加工中には前記ワーク排出部材を前記認識手段で認識された前記挿入長さに応じた待機位置に待機させるとともに該ワークの加工後には該ワーク排出部材を該ワークが前記主軸外に押し出される位置まで前進させる駆動制御を前記アクチュエータに対して行うことを特徴とする工作機械の制御方法。
  4. 前記主軸にワークを供給するワーク供給手段が前記主軸にワークを供給した時の該ワーク供給手段の位置、及び、前記主軸の位置に基づいて前記挿入長さを認識することを特徴とする請求項3に記載の工作機械の制御方法。
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