以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明を第1種パチンコ機として具現化した第1の実施形態を例示している。図1〜図3において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
7は発射用の遊技球を貯留する上皿で、前面板5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。また、9は余剰球等を貯留する下皿、10は灰皿で、これらは前面板5の下側で前枠3の前側に左右に配置され、下皿カバー11により覆われている。12は遊技盤で、前枠3の窓孔6に対応するように、前枠3の裏側の遊技盤装着枠13に裏側から着脱自在に装着され、窓孔6の下部側で前枠3の裏側に装着された支持板14により下側から支持されている。
15は発射手段で、下皿9の一側で前枠3の前側に設けられた発射ハンドル16と、支持板14の前側に装着された発射レール17と、前枠3の裏側に配置された発射モータ18及び打撃槌19等を備え、発射ハンドル16を操作したときに、発射モータ18により打撃槌19が作動して、前面板5の裏側に装着された図外の球送り手段により上皿7から発射レール17上に1個ずつ供給される遊技球を遊技盤12側に発射させるようになっている。
発射ハンドル16、発射モータ18、打撃槌19等は、取り付け板20を介して前枠2の裏面側に装着されている。また、例えば発射モータ18の裏側には、発射制御基板21を収納する発射基板ケース22が着脱自在に装着されている。なお、発射ハンドル16には、遊技者の把持を検出する接触検出スイッチ(図示省略)が設けられている。
遊技盤12の前面側には、図2に示すように、発射手段15により発射された遊技球を案内するガイドレール23が略環状に装着されると共に、そのガイドレール23の内側の遊技領域24内には、センター手段25、第2図柄始動手段(始動入賞手段)26、大入賞手段27、第1図柄始動手段28、普通入賞手段29等の各種遊技部品が配置されている。更に、遊技領域24内の最下部には、アウト口30が設けられている。
センター手段25は、その略中央部分に液晶表示手段32を、上部に普通入賞手段29と第1図柄表示手段33とを夫々備えている。液晶表示手段32は第2図柄表示手段(図柄表示手段)34を構成している。
第1図柄表示手段33は、1個又は複数個、例えば1個の第1図柄を表示可能な例えば7セグメント等の表示手段により構成され、第1図柄始動手段28が遊技球を検出することを条件に、第1図柄が乱数制御により所定時間変動して、所定の当たり態様又はそれ以外の外れ態様で停止するようになっている。
第1図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を使用可能であり、この実施形態では「0」〜「9」までの10種類の数字図柄が使用されている。なお、第1図柄表示手段33の変動表示中に第1図柄始動手段28が遊技球を検出した場合には、その検出個数が所定個数、例えば4個を限度として記憶されるようになっている。
第2図柄表示手段34は、液晶表示手段32上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第2図柄を変動表示可能に構成され、第2図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、第2図柄を上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンに従って変動表示して、所定の大当たり態様又は外れ態様となるように左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
第2図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を使用可能であり、本実施形態では「0」〜「9」までの10種類の数字図柄が使用されている。また、本実施形態では、3つの第2図柄が同一となる図柄態様、即ち「0・0・0」「1・1・1」…「9・9・9」の10種類を大当たり態様とする。更に、大当たり態様には特別大当たり態様とそれ以外の通常大当たり態様とがあり、本実施形態では、10種類の大当たり態様のうち、「1・1・1」「7・7・7」等、奇数図柄よりなる5種類の大当たり態様を特別大当たり態様、「2・2・2」「8・8・8」等、偶数図柄よりなる5種類の大当たり態様を通常大当たり態様とする。
なお、第2図柄表示手段34の変動表示中に第2図柄始動手段26が遊技球を検出した場合には、その検出個数が所定個数、例えば4個を限度として記憶されるようになっている。
第1図柄始動手段28は、例えば通過ゲートにより構成され、遊技球が通過するときに、その遊技球を検出するようになっている。なお、第1図柄始動手段28は、遊技球が入賞する入賞手段により構成してもよい。
第2図柄始動手段26は、遊技球が入賞可能な閉状態とこの閉状態よりも入賞容易な開状態とに変動可能に構成され、図4及び図5に示すように、装着飾り板35、上部通過ゲート36、下部入賞手段37、案内樋38、開閉手段39等を備えている。
装着飾り板35は、遊技盤12に設けられた装着孔12aの前側を覆う板状に形成されており、遊技盤12に対してネジ止め、圧入等により着脱自在に装着されている。
上部通過ゲート36は、装着飾り板35の上部側に配置され、遊技領域24の上部側から落下してきた遊技球が通過可能な前向きの突出状に形成されている。上部通過ゲート36内には、この上部通過ゲート36を通過する遊技球を検出可能な第1検出スイッチ(第1検出手段)36aが、例えば装着飾り板35の裏側から前向きに装着されている。
下部入賞手段37は、装着飾り板35の下部側で且つ上部通過ゲート36の下側に配置され、遊技領域24の上部側から落下してきた遊技球が入賞可能な上向き開口状の下部入賞口40を備えている。
また、装着飾り板35には、下部入賞手段37の下部側に対応して排出口41が形成され、その排出口41の後側に対応して案内樋38が裏面側に設けられており、例えばその案内樋38の下側に、下部入賞口40に入賞した遊技球を検出可能な第2検出スイッチ(第2検出手段)37aが、例えば装着飾り板35の裏側から前向きに装着されている。
下部入賞口40から下部入賞手段37に入賞した遊技球は、排出口41、案内樋38を介して遊技盤12の裏側に案内され、第2検出スイッチ37aに検出された後に遊技盤12の下部側に落下するようになっている。
また、上部通過ゲート36と下部入賞手段37との間には、その左右に少なくとも遊技球1個分の側部連通口42が形成されており、下部入賞手段37には、上部通過ゲート36を通過した遊技球の他、その側部連通口42を通過した遊技球も入賞可能となっている。
開閉手段39は、側部連通口42を開閉するためのもので、下部入賞手段37の上部側に設けられ且つ前後方向の軸廻りに揺動可能な左右一対の開閉爪39aと、装着飾り板35の裏側等に設けられ且つ開閉爪39aを開閉駆動するソレノイド等よりなる開閉駆動手段43とを備えている。
開閉爪39aは、外側に開いた開状態(図4に実線で示す)では上部側からの遊技球を側部連通口42を介して内側の下部入賞口40へと案内し、内側に閉じた閉状態(図4に二点鎖線で示す)では側部連通口42を略閉鎖して側部連通口42から下部入賞口40への遊技球の入賞を阻止するようになっている。
即ち、下部入賞手段37は、開閉爪39aが開状態のときには上部通過ゲート36を通過した遊技球と側部連通口42を通過した遊技球との何れも入賞可能であり、開閉爪39aが閉状態のときには上部通過ゲート36を通過した遊技球のみが入賞可能で側部連通口42側からは入賞不可能となっている。
開閉爪39aは、第1図柄表示手段33の変動後の停止図柄が当たり態様となることを条件に発生する第1利益状態のときに所定時間開状態に変化するように制御される。
なお、本実施形態では、遊技球が上部通過ゲート36又は側部連通口42を介して下部入賞手段37に入賞することを単に第2図柄始動手段(始動入賞手段)26への遊技球の入賞といい、また開閉爪39aによる側部連通口42の開閉を単に第2図柄始動手段(始動入賞手段)26の開閉というものとする。
大入賞手段27は、いわゆるアタッカーを構成するもので、遊技者に有利な開状態と不利な閉状態とに変換可能な開閉式入賞手段により構成されている。即ち、この大入賞手段27は、例えば下部側の横軸廻りに開閉自在な開閉板27aを備え、第2図柄表示手段34の変動後の停止図柄が大当たり態様となることを条件に発生する第2利益状態のときに、開閉板27aが前側に開放するようになっている。
大入賞手段27は、開閉板27aの開放後に所定時間が経過するか、それまでに所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板27aを閉じると共に、入賞した遊技球が特定領域44を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
遊技盤12の裏側には、図3に示すように、センター手段25等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー51が装着されている。裏カバー51の裏側には、主制御基板52を収納する主基板ケース53と、音声ランプ制御基板54を収納する音声ランプ基板ケース55とが着脱自在に装着されている。
遊技盤装着枠13は門形状であって、前枠3の窓孔6に沿って前枠3の裏側に固定されており、この遊技盤装着枠13の下端部間には、前面板5の裏側に対応するように支持板14が前枠3の裏側に固定されている。遊技盤装着枠13には、遊技盤12を裏側から押圧して固定する裏機構板56が開閉自在に枢着され、4個の締結具56aにより遊技盤装着枠13に締結されている。
裏機構板56には、その中央部に裏カバー51が嵌合する開口部57が形成され、この開口部57の上側に遊技球タンク58とタンクレール59とが、左右一側に払い出し手段60が、下側に通路ユニット61と設置部62とが夫々設けられており、後述の払い出し制御基板63からの払い出し要求に基づいて遊技球タンク58内の遊技球をタンクレール59を経て払い出し手段60により払い出し、その遊技球を通路ユニット61を経て上皿7等に案内するようになっている。
設置部62には、払い出し制御基板63を収納する払い出し基板ケース64と、電源基板65を収納する電源基板ケース66とが裏側から着脱自在に取り付けられている。
図6は本パチンコ機の制御系のブロック図である。この制御系は、主制御基板52、図柄制御基板67、払い出し制御基板63、音声ランプ制御基板54等を備えている。図柄制御基板67は、例えばセンター手段25の裏面側等に装着されている。
主制御基板41は、主として遊技盤12側の遊技動作の制御を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等の電子部品により構成される第1処理手段71、第2処理手段72、特別遊技状態発生手段73、制御コマンド送信手段74等を備えている。
第1処理手段71は、第1図柄始動手段28による遊技球の検出に基づく各種の処理を行うもので、第1抽選手段75、第1判定手段76、第1利益状態発生手段77等を備えている。
第1抽選手段75は、変動後の第1図柄が当たり態様となる確率が例えば1/10のときに0〜9までの10個の当たり判定用乱数を発生する等、その確率に応じて所定数の当たり判定用乱数乱数値を発生し、第1図柄始動手段28が遊技球を検出することを条件に、その何れかの当たり判定用乱数値を抽選するようになっている。
第1判定手段76は、第1抽選手段75での抽選乱数値に基づいて変動後の第1図柄を当たり態様とするか否か、即ち第2図柄始動手段26を開状態にする第1利益状態を発生させるか否かを判定するためのもので、第1抽選手段75で抽選された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には当たり態様の判定結果を、一致しない場合には外れ態様の判定結果を夫々出力すると共に、第1図柄表示手段33の第1図柄を所定時間変動表示させて、その判定結果に対応する当たり態様又は外れ態様で停止させるよう、制御コマンド送信手段74を介して図柄制御基板67側に第1図柄の変動制御コマンドを送信するようになっている。
第1利益状態発生手段77は、第1判定手段76の判定結果が当たり態様判定となり、第1図柄表示手段33の変動後の第1図柄が当たり態様となったとき、第2図柄始動手段26の開閉爪39aを所定時間開放させる第1利益状態を発生させるようになっている。
第2処理手段72は、第2図柄始動手段26による遊技球の検出に基づく各種の処理を行うもので、賞球数選択手段78、第2抽選手段79、第2判定手段80、停止図柄態様選択手段81、変動パターン選択手段82、第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)83等を備えている。
賞球数選択手段78は、第2図柄始動手段26への遊技球の入賞毎にその入賞に対する賞球数を選択するためのもので、第2図柄始動手段26の第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの各検出信号に基づいて、図7に示す賞球数選択処理を、所定時間毎(例えば4msec毎)に行われる定期割り込みにおいて行うようになっている。
即ち、まず第1検出スイッチ36aがONになったか否か(第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S1)、ONになっておれば(S1:Yes)、検出カウンタのカウント値に1が加算される(S2)。
続いて、第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S3)、ONになっておれば(S3:Yes)、更に検出カウンタ値が0よりも大であるか否かが判定される(S4)。
ここで、検出カウンタ値が0よりも大であれば(S4:Yes)、検出カウンタ値が1減算されると共に(S5)、賞球数が例えば4個に設定され(S6)、検出カウンタ値が0よりも大でなければ(S4:No)、賞球数がS6の場合よりも大の例えば6個に設定される(S7)。
第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値が0よりも大であるということは、遊技球が上部通過ゲート36を介して入賞したことを意味し、これは遊技球の入賞時に第2図柄始動手段26が開状態と閉状態との何れの場合にも生じうる。一方、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値が0よりも大でないということは、遊技球が側部連通口42を介して入賞したことを意味し、これは遊技球の入賞時に第2図柄始動手段26が開状態にある場合にしか生じ得ない。
本実施形態では、上述のように、第2図柄始動手段26に遊技球が検出したとき(第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出があったとき)に、その賞球数を、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出があった場合よりもなかった場合の方が大となるように設定することにより、開状態にある第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の少なくとも一部の場合の賞球数が、閉状態にある第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の賞球数よりも大となるようにしている。
また、第2検出スイッチ37aがONになれば(S3:Yes)、以上のような賞球数の設定処理(S4〜S7)と共に、後述する第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S8)。
このように、本実施形態では、第2図柄始動手段26への遊技球の入賞を、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出により判断するようになっており、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出を契機として、第2図柄始動手段26への遊技球の入賞に対する賞球の払い出し、及び第2図柄の変動表示を開始させるようになっている。
第2検出スイッチ37aの検出の有無に関する処理(S3〜S8)が終了すると、エラータイマー値が0よりも大であるか否かが判定され(S9)、0よりも大であれば(S9:Yes)エラータイマー値が1減算され(S10)、0よりも大でなければ(S9:No)検出カウンタ値に0が代入される。
そして、検出カウンタ値が0よりも大であるか否か、第2検出スイッチ37aがONになっているか否かが判定され(S12,S13)、検出カウンタ値が0よりも大でない場合(S12:No)、及び検出カウンタ値が0よりも大で且つ第2検出スイッチがONになった場合(S12:Yes、S13:Yes)には、エラータイマー値に初期値(例えば250)が代入される(S14)。
以上のS9〜S14の処理により、第1検出スイッチ36aが遊技球を検出した後、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出するまでの間、初期値(例えば250)に設定されたエラータイマー値が1ずつ減算され、エラータイマー値が0になったとき、即ち第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出後、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出がないままに所定時間(例えば1秒)経過したときに検出カウンタ値が強制的に0に戻される。これにより、例えば上部通過ゲート36を通過した遊技球が下部入賞手段37に入賞することなく側部連通口42から外に出てしまったような場合にも、その後の処理(S1〜S8の処理)を不具合なく進めることができる。
第2抽選手段79は、変動後の第2図柄が大当たり態様となる確率が例えば1/300のときに0〜299までの300個の大当たり判定用乱数を発生する等、その確率に応じて所定数の大当たり判定用乱数等を発生し、第2図柄始動手段26が遊技球を検出すること(本実施形態では、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出すること)を条件に、その何れかの大当たり判定用乱数値等を抽選するようになっている。
第2判定手段80は、第2抽選手段79での抽選乱数値に基づいて変動後の第2図柄を大当たり態様とするか否か、即ち大入賞手段27を開状態にする第2利益状態を発生させるか否かを判定するためのもので、第2抽選手段79で抽選された大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には大当たり態様の判定結果を、一致しない場合には外れ態様の判定結果を夫々出力するようになっている。
停止図柄態様選択手段81は、第2図柄表示手段34の変動後の停止図柄態様を選択するためのもので、第2判定手段80の判定結果が大当たり態様判定のときに複数種類の大当たり態様の中から1つを、第2判定手段80の判定結果が外れ態様判定以外のときに、複数種類の外れ態様の中から1つを、夫々乱数抽選により選択するようになっている。
変動パターン選択手段82は、第2判定手段80の判定結果と、停止図柄態様選択手段81の選択結果との少なくとも一方に基づいて、複数の変動パターンの中から1つを乱数抽選により択一的に選択するためのもので、第2判定手段80の判定結果が大当たり態様判定のときに、大当たり態様に対応する複数種類の大当たり変動パターンの何れかを、外れ態様判定のときに、外れ態様に対応する複数種類のリーチなし/リーチ外れ変動パターンの何れかを、夫々乱数抽選により選択するようになっている。
第2利益状態発生手段83は、第2判定手段80の判定結果が大当たり態様判定となり、第2図柄表示手段34の変動後の停止図柄が大当たり態様となったとき、遊技者に有利な第2利益状態を発生させるようになっている。この第2利益状態では、大入賞手段27の開閉板27aが前側に開放して遊技球が容易に入賞可能な状態となる。
大入賞手段27は、その開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、それまでに所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板27aを閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域44を通過した場合には、再度開閉板27aが開放し、最大所定回数(例えば16回)までこの開閉動作を繰り返すようになっている。
特別遊技状態発生手段73は、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、通常遊技状態とは異なる遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、確率変動手段84、第2図柄変動時間短縮手段85、第1図柄変動時間短縮手段86、開放延長手段87等を備えており、第2判定手段80が大当たり態様と判定し、停止図柄態様選択手段81が複数種類の大当たり態様のうちの特別大当たり態様を選択して、変動後の第2図柄が特別大当たり態様となることを条件に、第2利益状態の終了後(又は発生後)に作動を開始し、その後に第2図柄が通常大当たり態様となって次の第2利益状態が発生するか、それまでに第2図柄が予め定められた所定回数変動する等の所定の終了条件が成立したときにその作動を終了するようになっている。
確率変動手段84は、特別遊技状態中に、第2図柄が大当たり態様となる確率を通常確率状態(例えば1/300の低確率)から高確率状態(例えば1/60程度)へと変化させるもので、例えば第2判定手段80の大当たり判定値の数を増加させることによりその大当たり態様の発生確率を高くするようになっている。
第2図柄変動時間短縮手段85は、特別遊技状態中に、第2図柄表示手段34による第2図柄の変動時間を通常よりも短縮するものである。第2図柄の変動時間が短くなれば、第2図柄の変動中に保留個数がその上限値(例えば4個)を超える確率が低くなって単位時間当たりの第2図柄の変動回数、即ち大当たり(第2利益状態発生)の抽選回数が増加するため、遊技者は通常よりも有利な状態で遊技を行うことができる。
第1図柄変動時間短縮手段86は、特別遊技状態中に、第1図柄表示手段33による第1図柄の変動時間を通常よりも短縮するものである。第1図柄の変動時間が短くなれば、第1図柄の変動中に保留個数がその上限値(例えば4個)を超える確率が低くなって単位時間当たりの第1図柄の変動回数、即ち当たり(第1利益状態発生)の抽選回数が増加するため、遊技者は通常よりも有利な状態で遊技を行うことができる。
開放延長手段87は、特別遊技状態中に、1回の第1利益状態における第2図柄始動手段26の開放時間及び/又は開放回数を増加させるものである。第2図柄始動手段26の開放時間や開放回数が増加すれば、第2図柄始動手段26に遊技球が入賞する確率が高くなって単位時間当たりの第2図柄の変動回数、即ち大当たり(第2利益状態発生)の抽選回数が増加するため、遊技者は通常よりも有利な状態で遊技を行うことができる。
また、第1図柄変動時間短縮手段86、及び開放延長手段87の作動によって第2図柄始動手段26に遊技球が入賞する確率が高くなることにより、その入賞により得られる賞球数も通常よりも多くなるため、特別遊技状態中は遊技者は持ち球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
更に、上述したように、第2図柄始動手段26は、その開放中に遊技球が入賞したときの少なくとも一部の場合(側部連通口42を介して入賞した場合)の賞球数が閉鎖中に入賞したときの賞球数よりも大に設定されているため、開放延長手段87が作動して通常よりも第2図柄始動手段26の開放時間及び/又は開放回数が増加している特別遊技状態中は更に遊技者の持ち球は減少しにくくなる。
制御コマンド送信手段74は、所定の制御コマンドを一方向通信により図柄制御基板67、音声ランプ制御基板54、払い出し制御基板63等のサブ制御基板側へと送信するためのもので、第1図柄始動手段28が遊技球を検出したときに、第1判定手段76の判定結果に基づいて第1図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板67側へと送信する機能、第2図柄始動手段26の第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに、変動パターン選択手段82で選択された変動パターンに基づく変動パターンコマンド、停止図柄態様選択手段81で選択された停止図柄態様に基づく停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の第2図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板67等に送信する機能、遊技球が各入賞手段に入賞したときに、その入賞毎の賞球数に対応する払い出しコマンドを払い出し制御基板63側に送信する機能等を有している。
図柄制御基板67は、第1図柄表示手段33、第2図柄表示手段34等の表示制御を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等の電子部品により構成される第1図柄制御手段91、第2図柄制御手段92等を備えている。
第1図柄制御手段91は、第1図柄表示手段33の表示制御を行うもので、主制御基板52側からの第1図柄の変動制御コマンドに基づいて第1図柄表示手段33の第1図柄を所定時間変動させて、第1判定手段76の判定結果が当たり態様判定のときに当たり態様で、外れ態様判定のときに外れ態様で、第1図柄を停止させるようになっている。
第2図柄制御手段92は、第2図柄表示手段34の表示制御を行うもので、主制御基板52側からの第2図柄の変動制御コマンド(変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等)に基づいて、変動パターンコマンドに基づく所定の変動パターンに従って第2図柄表示手段34の第2図柄を所定時間変動させた後、停止図柄コマンドで指定された停止図柄態様で第2図柄を停止させるようになっている。
音声ランプ制御基板54は、スピーカ等の音声出力手段93による音声出力制御、ランプ94の発光制御等を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等の電子部品により構成される音声制御手段95、ランプ制御手段96等を備えている。
音声制御手段95は、音声出力手段93の音声出力制御を行うもので、第2図柄の変動制御コマンド等、主制御基板52側からの各種制御コマンドに基づいて、遊技状態に応じた所定の効果音等を音声出力手段93から出力させるようになっている。なお、音声出力手段93は、例えば前枠3の裏側等の適宜箇所に配置されている。
ランプ制御手段96は、ランプ94の発光制御を行うもので、第2図柄の変動制御コマンド等、主制御基板52側からの各種制御コマンドに基づいて、遊技状態に応じた所定のパターンでランプ94を発光させるようになっている。なお、ランプ94は、遊技盤12上、遊技盤12の周辺部にあたる前枠3の前側等の適宜箇所に配置されている。
払い出し制御基板63は、払い出し手段60による賞球、貸球等の払い出し制御を行うもので、例えば主制御基板52側からの払い出しコマンドに基づいて、所定数の賞球を払い出させるべく払い出し手段60を動作させるようになっている。
次に上記パチンコ機における動作について説明する。ゲームに際して発射手段15により遊技球を発射すると、その遊技球はガイドレール23を経て遊技領域24に入った後、その遊技領域24内を落下する間に普通入賞手段29等に入賞するか、第1図柄始動手段28を通過しながら下方へと落下する。
遊技球が第1図柄始動手段28を通過すると、第1抽選手段75が当たり判定用乱数値を抽選して、第1判定手段76がその当たり判定用乱数値から当たり態様か否かを判定し、その判定結果に基づいて制御コマンド送信手段74から図柄制御基板67側に第1図柄の変動制御コマンドが送信される。そして、第1判定手段76の判定結果が当たり態様判定のときには、図柄制御基板67側の第1図柄制御手段91の制御により、第1図柄表示手段33の第1図柄が所定時間変動した後に「7」等の当たり態様で停止する。第1判定手段47の判定結果が当たり態様判定以外であれば、変動後の第1図柄が外れ態様で停止する。
第2図柄始動手段26は、通常状態では開閉爪39aが閉じて側部連通口42を閉鎖しており、上部通過ゲート36からの入賞のみが可能となっているが、第1図柄表示手段33の第1図柄が所定時間変動した後に「7」等の当たり態様で停止すると、第1利益状態発生手段77の制御により、第2図柄始動手段26の開閉爪39aが外側に揺動して側部連通口42を開放し、上部通過ゲート36だけでなく側部連通口42からの入賞も可能となって、この第2図柄始動手段26に遊技球が入賞し易くなる。
この開放中の第2図柄始動手段26に側部連通口42を介して遊技球が入賞すると、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに、賞球数選択手段78により賞球数が例えば6個に設定され(図7のS7)、制御コマンド送信手段74から払い出し制御基板63側に賞球6個に対応する払い出しコマンドが送信されて、払い出し手段60により6個の賞球が上皿7に払い出される。
一方、第2図柄始動手段26の開放中と閉鎖中とに関係なく、上部通過ゲート36を介して第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合には、第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値に1が加算された後(図7のS1→S2)、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときにその検出カウンタ値が1減算されると共に(S3→S4→S5)、賞球数が例えば4個に設定され(S6)、払い出し手段60により4個の賞球が上皿7に払い出される。
なお、例えば第2図柄始動手段26の開放中に上部通過ゲート36を通過した遊技球が、下部入賞手段37に入賞することなく側部連通口42から外に出てしまったような場合には、第2検出スイッチ37aはONにならないために賞球は払い出されず、またS8等の第2図柄の変動表示に関する処理も行われないために第2図柄も変動しない。更に、S9〜S14の処理により、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出後、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出がないままに所定時間(例えば1秒)経過したときに検出カウンタ値が強制的に0に戻されるため、その後の処理(S1〜S8の処理)を不具合なく進めることができる。
第2図柄始動手段26に遊技球が入賞し、第2検出スイッチ37aがその遊技球を検出すると、第2抽選手段79が大当たり判定用乱数値等を抽選し(S8)、第2判定手段80がその大当たり判定用乱数値から大当たり態様か否かを判定する。
そして、停止図柄態様選択手段81が、第2判定手段80の判定結果が大当たり態様判定となった場合には複数種類の大当たり態様の中の1つを、外れ態様判定となった場合には複数種類の外れ態様の中の1つを、乱数抽選により選択すると共に、変動パターン選択手段82が、第2判定手段80の判定結果と停止図柄態様選択手段81の選択結果との少なくとも一方に基づいて、複数の変動パターンの中から1つを乱数抽選により選択する。
そして、制御コマンド送信手段74により、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等、第2図柄の変動制御コマンドが一方向通信により図柄制御基板67等のサブ制御基板側へと送信され、図柄制御基板67側の第2図柄制御手段92の制御により、第2図柄表示手段34の第2図柄が所定の変動パターンで変動表示された後、「7・7・7」等の大当たり態様、又はそれ以外の外れ態様で停止表示される。
変動後の第2図柄が大当たり態様で確定すると、その後に第2利益状態発生手段83が作動して第2利益状態が発生し、大入賞手段27の開閉板27aが前側に開放する。大入賞手段27は、開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、それまでに所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板27aを閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域44を通過すれば、再度開閉板27aが開放し、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返す。
このため、第2利益状態が発生すれば、大入賞手段27に多数の遊技球が入賞する可能性があり、遊技者はその入賞球数に応じて賞球の払い出しを受けることができ、多大な利益を享受することができる。
また、第2図柄が大当たり態様のうちの特別大当たり態様となった場合には、第2利益状態の終了後、特別遊技状態発生手段73が作動して特別遊技状態が発生する。特別遊技状態中は、確率変動手段84により、第2図柄が大当たり態様となる確率が通常確率状態(例えば1/300の低確率)よりも高い高確率状態(例えば1/60程度)へと切り換えられ、第2図柄変動時間短縮手段85により、第2図柄表示手段34による第2図柄の変動時間が通常よりも短縮され、第1図柄変動時間短縮手段86により、第1図柄表示手段33による第1図柄の変動時間が通常よりも短縮され、開放延長手段87により、1回の第1利益状態における第2図柄始動手段26の開放時間及び/又は開放回数が増加されるため、遊技者は通常よりも格段に有利な状態で遊技を行うことができる。
また、第1図柄変動時間短縮手段86、開放延長手段87の作動によって第2図柄始動手段26に遊技球が入賞する確率が高くなることにより、その入賞により得られる賞球数も通常よりも多くなるため、特別遊技状態中は遊技者は持ち球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
更に、上述したように、第2図柄始動手段26は、その開放中に遊技球が入賞したときの少なくとも一部の場合(側部連通口42を介して入賞した場合)の賞球数(6個)が閉鎖中に入賞したときの賞球数(4個)よりも大に設定されているため、開放延長手段87が作動して通常よりも第2図柄始動手段26の開放時間及び/又は開放回数が増加している特別遊技状態中は更に遊技者の持ち球が減少しにくくなる。一方で、第2図柄始動手段26の閉鎖中に入賞したときの賞球数(4個)を開放中に遊技球が入賞したときの少なくとも一部の場合(側部連通口42を介して入賞した場合)の賞球数(6個)よりも少なくすることにより、特定遊技状態以外の通常状態での賞球数を少なく抑えているため、遊技全体を通しての賞球数は略一定にすることができる。これにより、遊技性の向上と遊技ホール側の利益とを両立させることができる。
以上説明したように、本実施形態では、開状態にある第2図柄始動手段(始動入賞手段)26に遊技球が入賞した場合の少なくとも一部の場合(側部連通口42を介して入賞した場合)の賞球数を、閉状態にある第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の賞球数よりも大としているため、例えば第2図柄始動手段26が開状態となる時間が通常よりも長い特別遊技状態中に遊技者が持ち球をあまり減少させることなく遊技を行えることによる遊技性の向上と、その特別遊技状態中等以外の通常状態での賞球数を抑えることによる遊技ホール側の利益とを両立させることが可能となる。
また、少なくとも閉状態にある第2図柄始動手段26に入賞した遊技球を検出可能な第1検出スイッチ36aと、第2図柄始動手段26に入賞した遊技球を全て検出可能な第2検出スイッチ37aとを備え、第2図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数を、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出があった場合(検出カウンタ値が0よりも大の場合)よりもなかった場合の方が大となるようにしているため、1つの第2図柄始動手段26上に2つの検出スイッチ36a,37aを設けるだけでよく、例えば常に入賞可能な状態にある第1の始動入賞手段と、開放中にのみ遊技球が入賞可能な第2の始動入賞手段とを別個に設け、第2の始動入賞手段の賞球数を第1の始動入賞手段の賞球数よりも大とする場合と比べて部品点数を少なくでき、また第2図柄始動手段26を小型化できる利点がある。
更に、第2図柄始動手段26への遊技球の入賞に対する賞球の払い出しを、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出に基づいて行うように構成しているため、例えば第2図柄始動手段26の開放中に第1検出スイッチ36aにより検出された遊技球が、第2検出スイッチ37aで検出される前に第2図柄始動手段26から飛び出してしまったような場合に、賞球の払い出しが行われてしまう不具合を防止できる。
第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出後、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出がないままに所定時間が経過することを条件に、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出情報としての検出カウンタ値をクリアするように構成されているため、例えば上部通過ゲート36を通過した遊技球が下部入賞手段37に入賞することなく側部連通口42から外に出てしまったような場合にも、その後の処理(S1〜S8の処理)を不具合なく進めることができる。
第2図柄始動手段26は、遊技球が通過可能な上部通過ゲート36と、この上部通過ゲート36の下側に配置され且つ遊技球が入賞可能な下部入賞手段37と、上部通過ゲート36と下部入賞手段37との間に遊技球通過可能に形成された側部連通口42を開閉可能な開閉手段39とを備え、第1検出スイッチ36aは上部通過ゲート36を通過する遊技球を検出可能に設けられ、第2検出スイッチ37aは下部入賞手段37に入賞した遊技球を検出可能に設けられているため、例えば第2図柄始動手段26の開放中に入賞した遊技球を遊技盤裏側に案内する案内通路と閉鎖中に入賞した遊技球を遊技盤裏側に案内する案内通路とを別々に設ける場合と比べて構成を簡単にすることができ、例えば部品の低コスト化、小型化が可能となる。
図8は本発明の第2の実施形態を例示し、第2図柄始動手段26への遊技球の入賞に対する賞球の払い出しを、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出があった場合にはこれに基づいて、なかった場合には第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出に基づいて行うように構成すると共に、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出に基づく賞球数よりも、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出に基づく賞球数の方が大となるようにした場合の、賞球数選択手段78による処理例を示している。
本実施形態では、賞球数選択手段78が、第2図柄始動手段26の第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの各検出信号に基づいて、図8に示す賞球数選択処理を所定時間毎(例えば4msec毎)に行われる定期割り込みにおいて行うようになっている。
即ち、まず第1検出スイッチ36aがONになったか否か(第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S21)、ONになっておれば(S21:Yes)、検出カウンタのカウント値に1が加算され(S22)、賞球数が例えば4個に設定され(S23)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S24)。
続いて、第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S25)、ONになっておれば(S25:Yes)、検出カウンタ値が0よりも大の場合(S26:Yes)、即ち第1検出スイッチ36aが遊技球を検出して既に賞球数の設定や第2図柄の変動表示に関する処理が行われている場合には、検出カウンタ値が1減算され(S27)、検出カウンタ値が0よりも大でない場合(S26:No)、即ち第1検出スイッチ36aが遊技球を検出していない場合には、ここで賞球数がS23で設定された値よりも大の例えば6個に設定され(S28)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S29)。
以上のように、本実施形態では、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出があった場合にはこれに基づいて、なかった場合には第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出に基づいて、賞球数を選択して賞球の払い出しを行うようになっており、また第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出に基づく賞球数よりも、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出に基づく賞球数の方が大となるように設定することにより、開状態にある第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の少なくとも一部の場合の賞球数が、閉状態にある第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の賞球数よりも大となるようにしている。
これにより、第1の実施形態と同様、例えば第2図柄始動手段26が開状態となる時間が通常よりも長い特別遊技状態中に遊技者が持ち球をあまり減少させることなく遊技を行えることによる遊技性の向上と、その特別遊技状態中等以外の通常状態での賞球数を抑えることによる遊技ホール側の利益とを両立させることが可能となる。また、1つの第2図柄始動手段26上に2つの検出スイッチ36a,37aを設けるだけでよく、例えば常に入賞可能な状態にある第1の始動入賞手段と、開放中にのみ遊技球が入賞可能な第2の始動入賞手段とを別個に設け、第2の始動入賞手段の賞球数を第1の始動入賞手段の賞球数よりも大とする場合と比べて部品点数を少なくでき、また第2図柄始動手段26を小型化できる利点がある。
S30〜S35の処理は、第1の実施形態におけるS9〜S14と同じであるため詳しい説明は省略するが、このS30〜S35の処理により、例えば上部通過ゲート36を通過した遊技球が下部入賞手段37に入賞することなく側部連通口42から外に出てしまったような場合にも、その後の処理(S1〜S8の処理)を不具合なく進めることができる。但し、本実施形態の場合には、第1の実施形態の場合と異なり、例えば上部通過ゲート36を通過した遊技球が下部入賞手段37に入賞することなく側部連通口42から外に出てしまった場合でも、その遊技球は第2図柄始動手段26に入賞したものと見なされ、賞球の払い出しや第2図柄の変動表示が行われる。
図9及び図10は本発明の第3の実施形態を例示し、第2図柄始動手段26が開状態にあるか否かの判定を行い、第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合には、その判定において開状態にあると判定された場合の賞球数を、開状態にないと判定された場合の賞球数よりも大となるようにした例を示している。
本実施形態では、例えば賞球数選択手段78により、図9に示す賞球数選択処理と、図10に示す始動口開放確認処理とが、所定時間毎(例えば4msec毎)の定期割り込みにおいて行われるようになっている。
図10に示す始動口開放確認処理においては、まず開放タイマー値が0よりも大であるか否かが判定され(S51)、開放タイマー値が0よりも大であれば(S51:Yes)その開放タイマー値が1減算され(S52)、0よりも大でなければ(S51:No)始動口開放確認フラグがOFFに設定される(S53)。
そして、第2図柄始動手段26が開放中であるか否かが判定され(S54)、開放中であれば(S54:Yes)、開放タイマー値に初期値、例えば250が代入され(S55)、始動口開放確認フラグがONに設定される(S56)。
以上の始動口開放確認処理により、第2図柄始動手段26の開放中、及び第2図柄始動手段26が閉鎖してから所定時間(例えば1秒)経過するまでの間、始動口開放確認フラグがONに設定される。
図9に示す賞球数選択処理においては、まず第1検出スイッチ36aがONになったか否か(第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S41)、ONになっておれば(S41:Yes)、始動口開放確認フラグがONでないことを条件に(S42:No)検出カウンタ値に1が加算される(S43)。
続いて、第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S44)、ONになっておれば(S44:Yes)、更に検出カウンタ値が0よりも大であるか否かが判定されると共に(S45)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S49)。
S45において、検出カウンタ値が0よりも大であれば(S45:Yes)、検出カウンタ値が1減算されると共に(S46)、賞球数が例えば4個に設定され(S47)、検出カウンタ値が0よりも大でなければ(S45:No)、賞球数がS47の場合よりも大の例えば6個に設定される(S48)。
本実施形態の場合、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値が0よりも大であるということは、第2図柄始動手段26の閉鎖中に遊技球が上部通過ゲート36を介して入賞したことを意味する。一方、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値が0よりも大でないということは、第2図柄始動手段26の開放中に遊技球が上部通過ゲート36又は側部連通口42を介して入賞したことを意味する。
本実施形態では、上述のように、第2図柄始動手段26が開状態にあるか否かの判定を行い、第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合には、その判定において開状態にあると判定された場合の賞球数を、開状態にないと判定された場合の賞球数よりも大となるように設定している。これにより、第1の実施形態と同様、例えば第2図柄始動手段26が開状態となる時間が通常よりも長い特別遊技状態中に遊技者が持ち球をあまり減少させることなく遊技を行えることによる遊技性の向上と、その特別遊技状態中等以外の通常状態での賞球数を抑えることによる遊技ホール側の利益とを両立させることが可能となる。
また、1つの第2図柄始動手段26上に2つの検出スイッチ36a,37aを設けるだけでよく、例えば常に入賞可能な状態にある第1の始動入賞手段と、開放中にのみ遊技球が入賞可能な第2の始動入賞手段とを別個に設け、第2の始動入賞手段の賞球数を第1の始動入賞手段の賞球数よりも大とする場合と比べて部品点数を少なくでき、また第2図柄始動手段26を小型化できる利点がある。
なお、本実施形態では、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出後、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出までのタイムラグを考慮して、図10に示す始動口開放確認処理により、第2図柄始動手段26の開放中、及び第2図柄始動手段26が閉鎖してから所定時間(例えば1秒)経過するまでの間、始動口開放確認フラグがONに設定されるようにしているが、その所定時間を指定するための開放タイマー値の初期値は適宜変更可能である。また、第1検出スイッチ36aによる遊技球の検出後、第2検出スイッチ37aによる遊技球の検出までのタイムラグを無視し得る場合には、図10に示す始動口開放確認処理を省略して、例えばS42において第2図柄始動手段26が開放中であるか否かを判定するようにしてもよい。
図11は、第3の実施形態を一部変更した第4の実施形態を例示している。本実施形態では、図11に示す賞球数選択処理と、図10に示す始動口開放確認処理とが、所定時間毎(例えば4msec毎)の定期割り込みにおいて行われるようになっている。図11に示す賞球数選択処理は、図9に示す賞球数選択処理に対して、始動口開放確認フラグがONであるか否かの判断の位置が異なっている。なお、図10に示す始動口開放確認処理については、第3の実施形態と同じであるためここでは説明は省略する。
図11に示す賞球数選択処理においては、まず第1検出スイッチ36aがONになったか否か(第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S61)、ONになっておれば(S61:Yes)、検出カウンタ値に1が加算される(S62)。
続いて、第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S63)、ONになっておれば(S63:Yes)、更に検出カウンタ値が0よりも大であるか否かが判定されると共に(S64)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S69)。
S64において、検出カウンタ値が0よりも大であれば(S64:Yes)、検出カウンタ値が1減算されると共に(S65)、賞球数が例えば4個に設定される(S66)。一方、検出カウンタ値が0よりも大でなければ(S64:No)、始動口開放確認フラグがONでなければ(S67:No)賞球数が例えば4個に設定され(S66)、始動口開放確認フラグがONであれば(S67:Yes)賞球数がS66の場合よりも大の例えば6個に設定される(S68)。
以上のように、始動口開放確認フラグがONであるか否かの判断を、賞球数の設定(選択)の際に行うようにしてもよい。
図12は本発明の第5の実施形態を例示し、特別遊技状態発生手段73の作動中に第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の賞球数を、特別遊技状態発生手段73の非作動中のそれよりも大に設定するようにした例を示している。
本実施形態では、賞球数選択手段78が、第2図柄始動手段26の第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの各検出信号、及び特別遊技状態発生手段73の作動状態に基づいて、図12に示す賞球数選択処理を所定時間毎(例えば4msec毎)に行われる定期割り込みにおいて行うようになっている。
即ち、まず第1検出スイッチ36aがONになったか否か(第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S71)、ONになっておれば(S71:Yes)、特別遊技状態発生手段73が作動中でないことを条件に(S72:No)検出カウンタ値に1が加算される(S73)。
続いて、第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S74)、ONになっておれば(S74:Yes)、更に検出カウンタ値が0よりも大であるか否かが判定されると共に(S75)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S79)。
S75において、検出カウンタ値が0よりも大であれば(S75:Yes)、検出カウンタ値が1減算されると共に(S76)、賞球数が例えば4個に設定され(S77)、検出カウンタ値が0よりも大でなければ(S75:No)、賞球数がS77の場合よりも大の例えば6個に設定される(S78)。
本実施形態の場合、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値が0よりも大であるということは、第2図柄始動手段26の閉鎖中に遊技球が上部通過ゲート36を介して入賞したことを意味する。一方、第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したときに検出カウンタ値が0よりも大でないということは、特別遊技状態発生手段73の作動中に遊技球が上部通過ゲート36又は側部連通口42を介して入賞したことを意味する。
本実施形態では、上述のように、特別遊技状態発生手段73が作動中であるか否か、即ち特別遊技状態中であるか否かの判定を行い、第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合には、その判定において特別遊技状態中であると判定された場合の賞球数を、特別遊技状態中でないと判定された場合の賞球数よりも大となるように設定している。これにより、第1の実施形態と同様、特別遊技状態中に遊技者が持ち球をあまり減少させることなく遊技を行えることによる遊技性の向上と、その特別遊技状態中以外の通常状態での賞球数を抑えることによる遊技ホール側の利益とを両立させることが可能となる。また、1つの第2図柄始動手段26上に2つの検出スイッチ36a,37aを設けるだけでよく、例えば常に入賞可能な状態にある第1の始動入賞手段と、開放中にのみ遊技球が入賞可能な第2の始動入賞手段とを別個に設け、第2の始動入賞手段の賞球数を第1の始動入賞手段の賞球数よりも大とする場合と比べて部品点数を少なくでき、また第2図柄始動手段26を小型化できる利点がある。
図13は、第5の実施形態を一部変更した第6の実施形態を例示している。本実施形態では、図13に示す賞球数選択処理が、所定時間毎(例えば4msec毎)の定期割り込みにおいて行われるようになっている。図13に示す賞球数選択処理は、図12に示す賞球数選択処理に対して、特別遊技状態発生手段73が作動中であるか否かの判断の位置が異なっている。
図13に示す賞球数選択処理においては、まず第1検出スイッチ36aがONになったか否か(第1検出スイッチ36aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S81)、ONになっておれば(S81:Yes)、検出カウンタ値に1が加算される(S82)。
続いて、第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S83)、ONになっておれば(S83:Yes)、更に検出カウンタ値が0よりも大であるか否かが判定されると共に(S84)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S89)。
S84において、検出カウンタ値が0よりも大であれば(S84:Yes)、検出カウンタ値が1減算されると共に(S85)、賞球数が例えば4個に設定される(S86)。一方、検出カウンタ値が0よりも大でなければ(S84:No)、特別遊技状態発生手段73が作動中でなければ(S87:No)賞球数が例えば4個に設定され(S86)、特別遊技状態発生手段73が作動中であれば(S87:Yes)賞球数がS86の場合よりも大の例えば6個に設定される(S88)。
以上のように、特別遊技状態発生手段73が作動中であるか否かの判断は、賞球数の設定(選択)の際に行うようにしてもよい。
図14及び図15は本発明の第7の実施形態を例示している。第3,第4の実施形態のように、第2図柄始動手段26が開状態にあるか否かの判定を行い、第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合には、その判定において開状態にあると判定された場合の賞球数を、開状態にないと判定された場合の賞球数よりも大となるように構成する場合には、必ずしも第2図柄始動手段26に第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの2つの検出手段を設ける必要はなく、図14に示すように、第1検出スイッチ36a及び上部通過ゲート36を省略して第2検出スイッチ37aのみを設けた第2図柄始動手段26を用い、例えば図10に示す始動口開放確認処理、及び図15に示す賞球数選択処理を行うようにしてもよい。なお、図10に示す始動口開放確認処理については、第3の実施形態と同じであるためここでは説明は省略する。
図15に示す賞球数選択処理においては、まず第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S91)、ONになっておれば(S91:Yes)、始動口開放確認フラグがONでなければ(S92:No)賞球数が例えば4個に設定され(S93)、始動口開放確認フラグがONであれば(S92:Yes)賞球数がS93の場合よりも大の例えば6個に設定されると共に(S94)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S95)。
以上のように、第2図柄始動手段26が開放中であるか否かを判断して賞球数を選択する場合には、必ずしも第2図柄始動手段26に第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの2つの検出手段を設ける必要はなく、入賞した遊技球を検出する1つの検出スイッチがあればよい。
図16は本発明の第8の実施形態を例示している。第5,第6の実施形態のように、特別遊技状態発生手段73の作動中に第2図柄始動手段26に遊技球が入賞した場合の賞球数を、特別遊技状態発生手段73の非作動中のそれよりも大に設定するように構成する場合についても、必ずしも第2図柄始動手段26に第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの2つの検出手段を設ける必要はなく、図14に示すような、第1検出スイッチ36a及び上部通過ゲート36を省略して第2検出スイッチ37aのみを設けた第2図柄始動手段26を用い、例えば図16に示す賞球数選択処理を行うようにしてもよい。
図16に示す賞球数選択処理においては、まず第2検出スイッチ37aがONになったか否か(第2検出スイッチ37aが遊技球を検出したか否か)が判定され(S101)、ONになっておれば(S101:Yes)、特別遊技状態発生手段73の作動中でなければ(S102:No)賞球数が例えば4個に設定され(S103)、特別遊技状態発生手段73の作動中であれば(S102:Yes)賞球数がS103の場合よりも大の例えば6個に設定されると共に(S104)、第2抽選手段79による大当たり判定用乱数の抽選を初めとする第2図柄の変動表示に関する処理が開始される(S105)。
以上のように、特別遊技状態発生手段73が作動中であるか否かを判断して賞球数を選択する場合には、必ずしも第2図柄始動手段26に第1検出スイッチ36aと第2検出スイッチ37aとの2つの検出手段を設ける必要はなく、入賞した遊技球を検出する1つの検出スイッチがあればよい。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はそれら各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、特別遊技状態作動手段73により発生する特別遊技状態は、確率変動、第2図柄の変動時間短縮、第1図柄の変動時間短縮、第2図柄始動手段の開放延長のうちの幾つかであってもよいし、更にそれらとは異なる特別遊技状態を発生させるようにしてもよい。
また、大当たり図柄の種類や遊技状態に応じて異なる種類(又は一部異なる種類)の特別遊技状態が発生するようにしてもよいし、例えば確率変動等の特別遊技状態の終了後に、図柄変動時間短縮等、異なる種類(又は一部異なる種類)の特別遊技状態を発生させるようにしてもよい。
第2図柄始動手段26の第2検出スイッチ37aを、側部連通口42を通過する遊技球を検出可能な構成としてもよい。この場合には、例えば第1検出スイッチ36aにより遊技球が検出された場合には賞球数を例えば4個に設定し、第2検出スイッチ37aにより遊技球が検出された場合には賞球数を例えば6個に設定するようにすればよい。
賞球数選択手段78により選択された賞球数を報知する賞球数報知手段を設けてもよい。この賞球数報知手段は、液晶表示手段32により構成してもよいし、専用の7セグメント式等の表示手段により構成してもよいし、音声出力手段、ランプ等により構成してもよい。
更に、実施形態では第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、第2種,第3種パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等のその他の弾球遊技機でも同様に実施可能であることは言うまでもない。