本発明の移動通信システムは、複数の基地局と接続した交換局と、単一又は複数の前記基地局の無線ゾーンからなる位置登録エリア対応に移動局の位置情報を管理する位置管理手段とを含む移動通信システムであって、基地局の無線ゾーン対応の在圏移動局数を集計し、移動局の呼出し時に在圏高確率の無線ゾーンから順に行う構成を備えている。
図1は移動通信システムの説明図であり、1は移動局(MS)、2は基地局(BS)、3は交換局、4は加入者データベース(HLR)、AR1,AR2,・・・ARnは位置登録エリアを示す。複数の基地局2と接続した交換局3と、単一又は複数の無線ゾーンからなる位置登録エリアAR1〜ARn対応に移動局1の位置情理手段を含む移動通信システムであって、移動局1の位置登録要求に従って、この移動局1の移動前の位置登録エリアと移動後の位置登録エリアとを組として位置登録要求の発生回数を管理する移動管理テーブルと、この移動管理テーブルの位置登録要求発生回数が所定値を超えた移動後の位置登録エリアと組の移動前の位置登録エリアに、移動後の位置登録エリアの全部又は移動前の位置登録エリアに隣接する移動後の位置登録エリアの一部を統合するエリア統合手段とを備えている。
又交換局3に接続した加入者データベース4は、例えば、移動局1対応の加入者番号、移動局番号、位置登録要求を行った位置登録エリアの位置情報、課金情報等を保持するもので、前述の位置管理手段に相当する。又交換局3は、基地局制御機能や通話路設定機能等を含むものであり、それぞれの機能毎の装置として構成することも可能であるが、統合した機能として図示しており、複数の基地局2及び加入者データベース4と接続すると共に、図示を省略した他の交換局と接続している。又位置登録エリアAR1,AR,・・・ARnは、それぞれ単一或いは複数の基地局2の無線ゾーンによって構成されており、交換局3は、この位置登録エリアの統合,分離による構成変更を制御し、又位置登録エリアの統合,分離の構成変更に伴う多数の新たな位置登録要求を規制する。
又交換局3は、位置登録エリアの構成変更制御の為のエリア統合手段を備え、移動局の位置登録要求等の動的トラヒック情報を収集して分析する機能、即ち、位置登録エリア内の単純な移動局数を求めるものではなく、移動局1の位置登録エリア間の移動傾向を分析し、その分析結果によって、統合すべき位置登録エリアを判別し、位置登録エリアの構成変更を行う機能を含むものである。その為に、移動局1の移動前の位置登録エリアと移動後の位置登録エリアとを組として、位置登録要求の発生回数をカウントする移動管理テーブル等を設けている。又基地局2から送出する報知情報に含まれる規制情報を利用して、位置登録エリアの構成変更に伴って旧位置登録エリアと新位置登録エリアとの位置情報が異なった時の位置登録要求を規制する制御機能を備えている。それにより、位置登録エリアの構成変更に伴う位置登録要求の急増を回避する。
又移動局1と基地局2とは、PDC方式,PHS方式,W−CDMA方式等の各種の通信方式に対応した送受信機能を備えており、基地局2は、移動局1との間で無線通信を行う機能と共に、交換局3からの指示に従って、報知情報に含まれる位置登録エリア識別用の位置情報の変更及び旧位置登録エリアの位置情報を基にした位置登録要求を規制する規制情報を、移動局1へ送出する機能を備えている。
又移動局1は、報知情報に含まれる位置登録エリア識別用の位置情報と、保持していた位置情報とを比較し、不一致の時に位置登録要求を送出するものであるが、報知情報に含まれる規制情報で指示されている位置登録要求規制の旧位置登録エリアの位置情報と、保持していた位置情報とを比較して、一致した場合は、位置登録要求を行わない機能を備えている。即ち、規制情報に従って、旧位置登録エリアから新位置登録エリアに移動しても位置登録要求を行わないように構成する。
図2は交換局の説明図であり、11,12はインタフェース部、13は通話路、14は主制御部、15はメインメモリ、16は通話路制御部、4は加入者データベース(HLR)を示す。インタフェース部11に基地局を接続し、インタフェース部12に加入者データベース4と上位交換局とを接続し、インタフェース部11,12間の通話路13を主制御部14の通話路制御部16により制御し、移動局間又は移動局と固定加入者との間の通話を可能とする一般的な構成及び機能を備えている。
又主制御部14は、通話路13を制御する通話路制御部16と共に、動的トラヒック収集部、動的トラヒック分析部、位置情報更新制御部等の機能及び位置登録エリアの構成変更制御機能等を備えている。又メインメモリ15は、交換制御に必要な各種の制御情報,加入者情報等の領域と共に、(a)位置登録エリア間を移動した移動局からの位置登録要求の回数をカウントする位置登録要求回数テーブル、(b)閾値テーブル、(c)在圏高確率テーブル、(d)迂回ゾーン選択テーブル、(e)収容条件テーブル、(f)基地局エリア毎の要求テーブル等の領域を備えている。
図3は交換局のソフトウェア構成説明図であり、11は発信,着信等のイベント受付部、12は呼接続制御部、13は動的トラヒック制御部、14は動的トラヒック分析部、15は位置情報更新制御部、16は通話路制御部、17は課金処理部、18はイベント送信部、19はコマンド制御部、20は実行管理部を示し、又メインメモリ15(図2参照)に形成される(a)位置登録要求回数テーブル、(b)閾値テーブル、(c)在圏高確率テーブル、(d)迂回ゾーン選択テーブル、(e)収容条件テーブル、(f)基地局エリア毎の要求テーブルに対するリードR及びライトWの経路を示している。
動的トラヒック収集部13は、イベント受付部11による位置登録要求,発信,着信等のイベントを受付けた情報を基に、位置登録要求の場合は、(a)位置登録要求回数テーブルの対応領域の回数をカウントアップする。即ち、位置登録要求回数テーブルは、移動前と移動後との位置登録エリアを組とした領域に、位置登録要求の回数をカウントアップして、位置登録エリア間の移動傾向の判定を可能とするものである。
又この位置登録要求と着信,発信とを処理した基地局の番号を基に、(b)在圏高確率テーブルに、基地局の無線ゾーン対応の在圏数が多いものから順に無線ゾーンを在圏数と共に格納し、又無線ゾーン対応のチャネルの使用量を基に、(d)迂回ゾーン選択テーブルに、隣接無線ゾーンを迂回ゾーンとして格納する。又(f)基地局エリア毎の要求テーブルに、基地局エリア(無線ゾーン)対応の位置登録要求数を格納する。又(b)閾値テーブルは、動的トラヒック情報の収集,分析に於ける閾値を設定したテーブルである。又(e) 収容条件テーブルは、位置登録エリアの設定条件等を格納したテーブルである。
動的トラヒック分析部14は、実行管理部20により周期的に起動されて、収集した動的トラヒック情報を分析し、移動局の移動傾向を判定し、或る位置登録エリア(A)から隣接する他の位置登録エリア(B)への移動が多くなったと判定すると、位置登録エリア(B)を位置登録エリア(A)に統合し、それにより拡大した新位置登録エリアに構成変更すべく、位置情報更新制御部15を起動して、イベント送信部18から統合される位置登録エリア内の基地局に対して、位置登録エリアの構成変更に伴う位置情報の変更(位置登録エリア(B)から位置登録エリア(A)への位置情報の変更)を指示する。それにより、位置登録エリア(A)から旧位置登録エリア(B)への移動に伴う位置登録要求が発生しなくなる。
図4は移動局の説明図であり、21は共用器、22は無線受信部、23は無線送信部、24は制御処理部、25は表示部、26はスピーカ、27はマイクロホン、28はメモリ、29は入力操作部、30はマイクロプロセッサを示す。無線受信部22及び無線送信部23は、前述の各種の通信方式に対応して既に知られている各種の符号化,復号化構成や変復調構成を適用することができる。又テンキー等の入力操作部29、液晶パネル等の表示部25、スピーカ26、マイクロホン27、メモリ28等も、既に知られている携帯電話機等に於ける構成を適用することができる。
又メモリ28は、移動通信の為の各種のプログラムや加入者番号,移動局番号等と共に、位置登録エリアを識別する位置情報を保持するものであり、基地局からの報知情報に含まれる位置情報を制御処理部24に於いて抽出し、メモリ28に保持した位置情報と比較し、比較不一致の場合で、位置登録要求規制が行われていない場合に、位置登録要求を無線送信部23と共用器21とを介してアンテナから送出し、且つメモリ28に記憶した位置情報を、今回受信した位置情報に更新する。
図5は位置登録制御のシーケンス説明図であり、基地局から位置登録の可否を示す規制情報と、位置登録エリアを識別する位置情報等を含む報知情報を定期的に送信するものであり、この基地局の無線ゾーン内に移動した移動局は、この基地局から送出した報知情報の位置情報と、メモリ28に保持されている位置情報とを前述のように比較し、比較不一致の場合で、且つ規制情報が位置登録可を示す場合のみ、位置登録要求を送出する。この位置登録要求には、加入者番号MSN(Mobile Subscriber Number)と移動局番号MSI(Mobile Station Identity)とが含まれている。
基地局は、移動局からの位置登録要求を交換局に転送する。交換局は、位置登録要求に含まれている加入者番号MSNと移動局番号MSIとを付加した認証情報読出要求を、加入者データベースに送出し、且つ基地局を介して、認証乱数の演算要求を含む認証要求を送出する。移動局は、この認証要求に従って、認証キーと認証乱数との演算結果を認証応答として送出する。
加入者データベースは、交換局からの認証情報読出要求に対して、認証キー情報を、認証情報応答として送出する。交換局は、この認証キーと認証乱数との演算を行い、その演算結果と、移動局からの認証応答としての演算結果とを照合し、照合不一致の場合は、契約以外の移動局と判定して、位置登録拒否を移動局に通知する。又照合一致の場合は、移動局に位置登録受付を通知し、且つ加入者番号MSNと移動局番号MSIと位置情報とルーチング番号PRN(Pursuit Routing Number)とを付加して、加入者データベースに対して位置登録指示を行う。加入者データベースは、この指示に従って位置情報を更新する。
前述の位置登録要求は、位置登録エリア間を移動局が移動した場合又は電源投入により発生するものであり、或る交換局に於ける24時間にわたる位置登録要求の回数は、例えば、図6に示す傾向があった。その場合に、特定の隣接する或る位置登録エリア間についてみると、斜線を施した領域の傾向があった。即ち、6時から9時の時間帯では、出勤,ビジネス開始等の要因により位置登録要求の回数が増加し、又18時から20時の時間帯では、ビジネス終了,帰宅等の要因により位置登録要求の回数が増加している。即ち、多数の移動局が移動することを示している。
そこで、本発明は、動的トラヒック情報の収集,分析を行い、移動局の移動傾向に従った位置登録エリアの統合,分離の構成変更を行い、又位置登録エリアの構成変更に伴う位置登録要求の急増を回避するように、位置登録要求の規制を行うものである。この動的トラヒック情報の収集は、例えは、移動局の移動前の位置登録エリアと、移動後の位置登録エリアとの関係、即ち、移動方向を含めて位置登録要求の回数をカウントする手段により行うことができる。
位置登録エリアが、例えば、図7の(A)の丸付き数字の1,2,3,・・・(以下、(丸付き数字)を数字に付記して表示する)のような構成の場合に、位置登録エリア(丸付き数字)1,2間の矢印a,b方向の移動と、位置登録エリア(丸付き数字)1,4間の矢印c,d方向の移動と、位置登録エリア(丸付き数字)2,4間の矢印e,f方向の移動と、位置登録エリア(丸付き数字)2,5間の矢印g,h方向の移動とに対応して、図7の(B)に示すように、移動前の位置登録エリアと移動後の位置登録エリアとについて集計する。なお、矢印と同一の符号で集計する領域を示し、前述の移動管理テーブルに相当する。なお、図2及び図3の(a)位置登録要求回数テーブルにも相当するものである。
例えば、位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)2へ、矢印a方向の移動による位置登録要求があると、移動前の位置登録エリア(丸付き数字)1と移動後の位置登録エリア(丸付き数字)2との交点の領域aのカウントアップを行う。同様に、位置登録エリア(丸付き数字)5から位置登録エリア(丸付き数字)2への矢印h方向の移動による位置登録要求があると、移動前の位置登録エリア(丸付き数字)5と移動後の位置登録エリア(丸付き数字)2との交点の領域hのカウントアップを行う。なお、他の位置登録エリア間の移動についても同様に集計する。
従って、移動後の位置登録エリア(丸付き数字)1,2,3,・・・対応の領域の縦方向の合計は、各位置登録エリア(丸付き数字)1,2,3,・・・に於ける移動局の在圏数の概数を示すことになり、又移動後の位置登録エリア(丸付き数字)1,2,・・と、移動前の位置登録エリア(丸付き数字)2〜7の交点の領域のカウント値は、位置登録エリア間の移動傾向を示すことが判る。
そこで、前述のように、位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)2への移動による位置登録要求の回数(aの値)が所定値を超えた時に、位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)2への移動傾向が大きくなったと判定して、この移動後の位置登録エリア(丸付き数字)2を、移動前の位置登録エリア(丸付き数字)1に一点鎖線で示すように統合する位置登録エリアの構成変更を行う。その後に、旧位置登録エリア(丸付き数字)1から旧位置登録エリア(丸付き数字)2へ多数の移動局が移動しても、統合された新位置登録エリアは、旧位置登録エリア(丸付き数字)1と同一の位置情報を報知情報に付加しているから、位置登録要求が発生しないことになる。
このような動的トラヒック情報の収集,分析により、例えば、位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)2への移動傾向が大きくなったと判定した時に、位置登録エリア(丸付き数字)2を位置登録エリア(丸付き数字)1に統合する。その場合、図7の(B)に示す動的トラヒック情報の収集に於いても、位置登録エリア(丸付き数字)1,2を統合して、集計を行うか、又は旧位置登録エリア(丸付き数字)1,2についての基地局を介した移動局からの位置登録要求を、加入者データベースによって何れの旧位置登録エリア(丸付き数字)1,2の移動局からかを識別することができるので、それを基に、旧位置登録エリア(丸付き数字)1,2毎に位置登録要求回数の収集を継続することができる。
又旧位置登録エリア(丸付き数字)1,2内の在圏移動局数は、それぞれのエリア内の基地局に於ける着信及び発信の移動局数を基地局識別番号により交換局に於いて認識できるから、位置登録エリアの構成変更後に、例えば、統合前の旧位置登録エリア(丸付き数字)1の在圏移動局数が多くなった時に、元の位置登録エリアの構成に戻すことができる。なお、位置登録エリアの構成変更後に、例えば、位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)4への移動傾向が大きくなった場合、この位置登録エリア(丸付き数字)4も位置登録エリア(丸付き数字)1に統合し、旧位置登録エリア(丸付き数字)2,4を、同一位置情報の位置登録エリア(丸付き数字)1として、位置登録エリア(丸付き数字)1の位置情報を報知することにより、旧位置登録エリア(丸付き数字)1から旧位置登録エリア(丸付き数字)2,4への移動局数が急増した場合、移動局かの位置登録要求を抑制することができる。
又位置登録エリアの構成変更に伴って、前述の場合は、統合前の旧位置登録エリア(丸付き数字)2の在圏移動局は、統合後の新位置登録エリア(丸付き数字)1の位置情報を受信することになるから、保持していた位置情報と異なることになる。なお、任意の手段を適用して、位置登録エリアの構成変更を行った場合でも、保持していた位置情報と、報知情報の位置情報とが異なる移動局が存在することになる。従って、そのままでは、旧位置登録エリア(丸付き数字)2の在圏移動局からの位置登録要求が発生する。そこで、旧位置登録エリア(丸付き数字)2の在圏移動局に対しては、旧位置登録エリア(丸付き数字)2の位置情報と、位置登録否の規制情報を含む報知情報を送出することにより、位置登録要求の発生を規制する。
例えば、図8の(A)に示すように、位置登録エリア(丸付き数字)1の移動局a,b,c,dと、位置登録エリア(丸付き数字)2の移動局e,fとが存在する場合に、位置登録エリア(丸付き数字)2を位置登録エリア(丸付き数字)1に統合する構成変更の指示があると、(B)に示すように、移動局a,b,c,d,e,fは新位置登録エリア(丸付き数字)1の配下となり、旧位置登録エリア(丸付き数字)2の移動局e,fは、新位置登録エリア(丸付き数字)1の位置情報に従って、前述のように位置登録要求が発生することになる。そこで、旧位置登録エリア(丸付き数字)2配下の移動局e,fに対して、新位置登録エリア(丸付き数字)1への位置登録要求を規制する。
基地局から送出する報知情報に含まれる規制情報は、例えば、優先移動局位置登録可否のビットと、優先移動局発信可否のビットと、一般移動局位置登録規制有無のビットと、一般移動局発信規制有無のビットや、規制群指定等を含む構成を有するものであるから、一般移動局位置登録規制有りとし、且つ規制する位置情報を規制群指定情報等によって設定することができる。
従って、前述の旧位置登録エリア(丸付き数字)2の位置情報と、位置登録否とを含む報知情報を送出することにより、旧位置登録エリア(丸付き数字)2から移動しない移動局は、新位置登録エリア(丸付き数字)1に構成変更されても、位置登録否を示す規制情報によって位置登録要求を送出しないように規制される。それにより、位置登録エリアの構成変更に伴った位置登録要求発生の急増を回避することができる。
又旧位置登録エリア(丸付き数字)2の移動局e,fが、位置登録エリアの統合後も移動しない場合であっても、発信,着信等のオペレーションが行われることがある。この発信の過程で行われる位置登録については、位置登録の規制対象外とし、移動局e,fが発信した場合に、統合された新位置登録エリア(丸付き数字)1に位置登録することができる。この場合の位置登録は、移動局の発信がランダム的であるから、位置登録の輻輳が生じることはない。
又図8の(C)に示すように、旧位置登録エリア(丸付き数字)1,2の在圏比率が、例えば、4:2の場合、旧位置登録エリア(丸付き数字)2配下の移動局e,fに対しての位置登録否の規制情報の送出を継続する。従って、移動局e,fは、旧位置登録エリア(丸付き数字)2内に存在し、且つ着信も発信もしない場合、旧位置登録エリア(丸付き数字)2の位置情報を継続して保持し、且つ加入者データベースも変更されない。
そして、旧位置登録エリア(丸付き数字)2配下の移動局eの発着信又は旧位置登録エリア(丸付き数字)1への移動により、図8の(D)に示すように、旧位置登録エリア(丸付き数字)2配下の移動局fと新位置登録エリア(丸付き数字)1配下の移動局a,b,c,d,eとの比率が、例えば、1:5となると、旧位置登録エリア(丸付き数字)2配下の移動局数が少なくなったと判定して、位置登録否の規制情報を解除する。それにより、移動局fも新位置登録エリア(丸付き数字)1に従った位置登録要求を送出し、図8の(E)に示すように、新位置登録エリア(丸付き数字)1の配下とすることができる。このような在圏比率は、発着信基地局の識別番号等を基に加入者データベースを交換局からアクセスすることにより、容易に求めることができる。
前述のような動的トラヒック情報の収集,分析により、位置登録エリアを動的に統合,分離の構成変更を行うことによって、例えば、図6の斜線を施した部分の位置登録要求回数を、図7の(A)に示す位置登録エリア(丸付き数字)1,2間の移動局の移動によるものとし、6時〜9時の時間帯に、位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)2への移動傾向が大きくなったことを判定して、位置登録エリア(丸付き数字)2を位置登録エリア(丸付き数字)1に統合すると、この位置登録エリアの構成変更後の位置登録エリア(丸付き数字)1から位置登録エリア(丸付き数字)2への移動による位置登録要求がなくなる。その結果として、6時〜9時の時間帯の位置登録要求回数は、0時〜6時の時間帯程度の位置登録要求回数となるように低減することができる。
この場合、位置登録要求の総数の例えば1/10を閾値として、図2,図3の(b)閾値テーブルに設定し、この閾値を超える位置登録エリア間の移動による位置登録要求が集中した時に、移動前の位置登録エリアに、移動後の位置登録エリアを統合する位置登録エリアの構成変更を行うことができる。又統合した位置登録エリアへの移動による位置登録要求回数が、前述の閾値より小さい他の閾値と比較し、それより少なくなった時に、位置登録エリアを元に戻す構成変更を行うことができる。なお、この位置登録エリアの分離による構成変更に伴って、前述の場合と同様に、位置登録要求の規制を行うことができる。このように、図6に示す位置登録要求回数の変化が24時間中に生じる場合に、6時〜9時の時間帯及び18時〜20時の時間帯に於いて位置登録エリアの統合を行うことにより、位置登録要求回数を低減させることができる。
図9は位置登録制御のエリア間の要求回数収集シーケンス説明図であり、移動局と基地局と交換局と加入者データベースとについて示し、基地局から通常の報知情報を送出する。この報知情報は、位置登録エリアを識別する位置情報を含むと共に、位置登録要求等を規制する規制情報は、位置登録可を示すものとなっている。移動局は、この報知情報の位置情報と、メモリ28(図4参照)に保持した位置情報とを比較し、不一致の場合のみ、位置登録要求を送出する。
基地局は、この位置登録要求を交換局に転送する。この位置登録要求には、前述のように、加入者番号MSNと移動局番号MSIとを含むもので、交換局は、この加入者番号MSNと移動局番号MSIとを基に、加入者データベースに対して認証情報読出要求を行い、且つ移動局に対する認証乱数を含む認証要求を行う。又加入者データベースは、加入者番号MSNと移動局番号MSIとに対応した認証キー情報を収集し、且つ旧位置情報を収集して、交換局へ返送する。
移動局は、認証キーと認証乱数との演算結果を認証応答として基地局を介して交換局に送出する。交換局は、加入者データベースから読出した認証キーと認証乱数との演算結果と、移動局からの演算結果とを照合し、演算結果の照合不一致の場合は、移動局に対して位置登録拒否を送出する。又照合一致の場合は、旧位置登録エリアxから新位置登録エリアyへの移動のカウント制御を行う。例えば、図7の(B)に示す移動前の位置登録エリアと移動後の位置登録エリアとを組として、位置登録要求の発生回数を管理する移動管理テーブルによって、移動局の移動方向を考慮した位置登録要求の回数を収集する。
そして、交換局は、移動局に対して位置登録受付けを通知し、又加入者データベースに対して、加入者番号MSNと移動局番号MSIと新位置登録エリアの位置情報とルーチング番号PRNとを含む位置登録指示を行う。加入者データベースは、この位置登録指示に従って、位置登録要求を行った移動局対応に位置情報の更新を行うものである。
又交換局に於ける動的トラヒック情報収集手段として、オペレーション毎の要求回数収集は、位置登録要求オペレーションと、発信受付オペレーションと、着信受付オペレーションとがあり、位置登録要求オペレーションによる動作の概要を図10に示す。即ち、移動局が位置登録要求を行うまでは、図9に示す場合と同様であるが、交換局は、要求元基地局エリア収集及び要求テーブルへ回数をカウントアップする。即ち、加入者番号MSNと移動局番号MSIとを含む位置登録要求を転送した発アドレスを基に基地局を識別して、その基地局対応の要求テーブルに回数のカウントアップを行う。
そして、交換局は、移動局に対して認証要求を行い、加入者データベースに対して認証情報読出要求を行い、認証照合の一致により、以下前述の図9に示す場合と同様の位置登録要求に対する加入者データベースの更新が行われる。
又発信受付オペレーションによる動作の概要を図11に示す。移動局が発信操作を行うと、発番号と着番号と位置情報と移動局番号MSI等を含む発信無線状態報告とSETUPとの情報を送出する。基地局は、これを交換局へ転送する。交換局は、この発信受付オペレーションの発アドレスを基に要求元基地局を識別し、その基地局対応の要求テーブルへ回数をカウントアップする。そして、移動局の認証処理を行い、認証照合一致の場合に、発番号を基に着信加入者の呼出しの処理を行うものであるが、これらの詳細は既に知られている制御によって行うことができる。
又着信受付オペレーションによる動作を図12に示す。交換局に、移動局に対する着信アドレス信号IAMが加えられると、着移動局の加入者状態の分析等を行うと共に、位置登録エリア内の基地局に対して呼出しを指示し、且つ着信アドレス信号IAMの送信側に応答信号ACMを送出する。交換局からの呼出しは、位置情報と移動局番号MSIとを含み、位置情報により指示された位置登録エリア内の基地局から移動局番号MSIを含む呼出信号が送出される。
移動局番号MSIにより指示された移動局は、移動局種別等の情報を含む着信無線状態報告を送出する。基地局は、交換局に対して、位置情報と移動局番号MSIとを含む一斉呼出応答を送出する。交換局は、要求元基地局エリアを収集し、要求テーブルへ回数をカウントアップする。即ち、移動局からの呼出応答を受信した基地局は、一斉呼出応答を交換局へ送出し、交換局は、この基地局の無線ゾーン対応の要求テーブル(図2,図3の(f)基地局エリア毎の要求テーブル)へ回数をカウントアップする。そして、着移動局と発加入者との間の通話路を形成する処理は、既に知られている制御によって行うことができる。
図13は分析処理を含む位置登録エリアの更新シーケンス説明図であり、交換局は、前述の動的トラヒック情報の収集の後、収集した動的トラヒック情報の分析に移行する。この動的トラヒック分析は、実行管理部20(図3参照)によって周期的に起動される動的トラヒック分析部14(図3参照)に於いて行うもので、ステップ(1)〜(16)について以下説明する。
即ち、周期的に実行管理を行い(1)、加入者在圏リスト収集要求を加入者データベースに対して行い(2)、加入者データベースからの加入者在圏リスト応答を受信すると(3)、位置登録要求回数テーブル(図3の(a)位置登録要求回数テーブル及び図7の(B)参照)の全照合を行い(4)、位置登録要求回数テーブルの位置登録エリア対応の位置登録要求回数が閾値を超えているか否かを判定する(5)。この場合の閾値は、図3の(b)閾値テーブルに格納されている。
位置登録要求回数が閾値を超えていない場合は、ステップ(15)に移行し、又位置登録要求回数が閾値を超えている場合は、位置登録エリアについて在圏比率を求め、この在圏比率が一定値を超えているか否かを判定する(6)。例えば、位置登録要求回数が閾値を超えた位置登録エリアxと位置登録エリアyとの在圏比率(x/y)又は(y/x)を求め、(x/y)>一定値又は(y/x)>一定値か否かを判定する。この在圏比率が一定値を超えていない場合は、ステップ(10)に移行し、又在圏比率が一定値を超える位置登録エリアが存在すると、その位置登録エリアが規制状態か否かを判定する(7)。
その位置登録エリアが規制状態でなければ、ステップ(15)に移行し、位置登録否の規制状態であると、位置情報更新制御に移行する(8)。即ち、図3の位置状態更新制御部15を動的トラヒック分析部14から起動し、アクセス解除要求、即ち、基地局へ規制解除を行う為の情報を送出する(9)。基地局は、報知情報の規制情報を位置登録可として送出する。即ち、図8の(B),(C)の状態から(D)状態となった時に、規制を解除して(E)の状態とする。
そして、ステップ(10)に於いては、位置登録要求回数が閾値を超えていることにより(ステップ(5)参照)、移動局が相互に移動する位置登録エリアx,yのそれぞれの位置登録要求回数X,Yを比較する。そして、X>Yの場合、y→xとして示すように位置登録エリアyに位置登録エリアxを統合し(11)、又X<Yの場合は、x→yとして示すように位置登録エリアxに位置登録エリアyを統合する(12)。そして、位置情報更新制御を行う(13)。即ち、ステップ(8)と同様に、位置情報更新制御部15を起動する。そして、位置登録エリア変更要求を基地局に送出する(14)。この位置登録エリア変更要求には、新位置情報と、規制情報(旧位置情報保持の移動局に対する位置登録否)等を付加する。
基地局は、位置登録エリア変更要求に従って、報知情報の規制情報として、位置登録否と、位置登録否の位置情報(旧位置登録エリアの位置情報)とを付加する。例えば、位置登録エリアyに統合された旧位置登録エリアxの位置情報を保持している移動局は、位置登録エリアの構成変更後の報知情報には、新位置登録エリアの位置情報が付加されているから、保持している位置情報と異なることになる。しかし、位置登録否の規制情報が、例えば、旧位置登録エリアxの位置情報を含む場合に、旧位置登録エリアxの在圏移動局は、制御処理部24(図4参照)の制御によって位置登録要求を送出しない。なお、位置登録否でない場合、位置登録要求を送出する。又交換局は、位置登録エリア変更要求(14)を行った後、全エリア間の照合が済んだか否かを判定し(15)、済んでいない場合は、次の位置登録エリア間を参照し(16)、ステップ(4)に移行する。
そして、動的トラヒック収集部13(図3参照)による収集結果を、周期的に起動される動的トラヒック分析部14により分析し、その分析結果、位置登録エリアの構成変更が必要と判断すると、変更前位置登録エリア(旧位置情報)と、変更後位置登録エリア(新位置情報)とを指定して、位置情報更新制御部15を起動する。起動された位置情報更新制御部15は、構成変更により統合される位置登録エリアに属する全基地局或いは統合される位置登録エリアの一部で且つ統合する位置登録エリアに隣接した任意数の基地局に対して位置登録エリア変更を指示する。
位置登録エリア変更を指示された基地局は、旧位置情報から新位置情報に位置登録規制状態とし、報知情報に、前述のように、旧位置情報と位置登録否とを含む規制情報を付加して送出する。従って、旧位置情報をメモリ28(図4参照)に保持している移動局は、新位置情報を報知する旧位置登録エリア内を移動しても、旧位置情報と位置登録否との規制情報を受信するから、制御処理部24(図4参照)は、位置登録要求の制御を行わない。このような位置登録否の規制情報によって、位置登録エリアの構成変更に伴う位置登録要求の多発を回避することができる。
又交換局は、旧位置情報を保持している移動局数(旧位置登録エリアの在圏数)と、新位置情報を保持している移動局数(新位置登録エリアの在圏数)との比率を求める。例えば、加入者データベースをアクセスして、旧位置情報対応の移動局と新位置情報対応の移動局とを収集することにより、比率を求めることができる。そして、旧位置情報を保持している移動局数が少なくなった時に、位置登録否を位置登録可に変更する。それにより、旧位置情報を保持している移動局は、新位置情報に従った位置登録要求を送出し、総て新位置登録エリアとして管理することになる。その場合、旧位置情報を保持している移動局数は、発信等のオペレーションによる位置登録によって少なくなっているから、位置登録要求は多発しないことになる。
図14及び図15は、位置登録エリアの更新シーケンス説明図であり、基地局は報知情報に位置情報と位置登録可否を示す規制情報等とを付加して送出し、移動局は、報知情報の位置情報と、メモリ28(図4参照)に保持している位置情報とを、制御処理部24により比較し、比較不一致により位置登録要求を送出する制御は、図9等に示す場合と同様である。そして、前述のように、位置登録エリアの構成変更を必要と判断した時に、変更前の位置登録エリアと、変更後の位置登録エリアとを指定して、位置登録エリアの構成変更を行うことになり、交換局は、加入者在圏リスト要求を加入者データベースに対して行う。
移動局の位置管理手段としての加入者データベースは、収容加入者の全在圏リストを作成し、その全在圏リストを交換局へ送出する。この全在圏リストは、位置登録エリア対応の在圏数を示すから、交換局は、変更前の位置登録エリア(旧位置登録エリア)と、変更後の位置登録エリア(新位置登録エリア)との在圏加入者の比率を判定する。この在圏加入者の比率は、最初は大きくない場合が一般的である。
そして、位置登録エリア変更要求を基地局へ送出する。この位置登録エリア変更要求には、旧位置情報と、新位置情報と、規制情報(位置登録否)等を含むものである。それにより、統合された位置登録エリア対応の基地局は、報知情報として、位置登録否と旧位置情報とを含む規制情報と、新位置情報等を付加して送出する。そして、基地局は、交換局に対して位置登録エリア変更応答を送出する。一方、統合する位置登録エリア対応の基地局は、統合前と同一の位置情報を報知情報に付加して送出する。
移動局は、保持情報(保持している位置情報)と、報知情報の位置情報とを比較し(図15参照)、不一致の場合、従来例では、位置登録要求を行うものであるが、本発明に於いては、位置登録可否の判定を行い、保持情報(保持している位置情報)と、規制情報の位置登録否の場合の位置情報とを比較し、一致の場合は、位置登録要求を送出しない。しかし、位置登録否の位置情報を保持していない場合は、報知情報の新位置情報に従って位置登録要求を送出する。
交換局は、加入者データベースの加入者在圏リスト収集要求を行い、収容加入者全在圏リストを交換局へ返送する。交換局は、再び、旧位置登録エリアと、統合後の位置登録エリアとの在圏加入者比率を求め、例えば、図8の(D)に示すように、旧位置登録エリア(丸付き数字)2の在圏加入者数と、統合後の位置登録エリア(丸付き数字)1の在加入者数との比率が、例えば、1:5となった場合、規制解除要求を基地局へ送出する。
基地局は、これにより、規制情報の位置登録の可否を可に変更し、且つ交換局に対して規制解除応答を送出する。旧位置登録エリア(丸付き数字)2の位置情報を保持している移動局は、位置登録可となるから、新位置登録エリア(丸付き数字)1の位置情報に従った位置登録要求を送出する。それにより、新位置登録エリア(丸付き数字)1内の報知情報受信可能移動局は、新位置登録エリア(丸付き数字)1の位置情報を保持することになる。なお、移動局の呼出しは、統合された位置登録エリアを含む新位置登録エリア内の総ての基地局から行うこともできるが、広範囲の位置登録エリア内の総ての基地局からの呼出しの代わりに、後述の手段を適用して、効率の良い呼出しも可能である。
図16は無効呼出抑制制御の説明図であり、(a)に示す位置登録エリア内に複数の基地局対応のゾーンが存在し、各ゾーンは一部重なった構成であり、位置登録エリアの統合により広大な位置登録エリアとなった時に、無駄な呼出しを低減する為に、ピンポイント呼出制御を行う。
その場合のゾーンA〜Fの在圏数を、例えば、A=0,B=3,C=5,D=1,E=4,F=2とすると、在圏高確率順にゾーンを並べた時、C>E>B>F>D>Aとなる。従って、(b)に示す在圏高確率テーブル(図2及び図3の(c)参照)は、在圏確率の高い順にC,E,B,F,D,Aが格納される。このような在圏数は、例えば、前述の移動局のオペレーション(位置登録要求,着信,発信)のゾーン対応の集計値で在圏数を把握し、動的トラヒック情報から在圏高確率テーブルを作成することができる。
在圏高確率のゾーンは、チャネル数の逼迫が懸念されるから、移動局側からのオペレーションを優先的に行えるように、ゾーン構成が一部オーバーラップしていることを利用して、チャネル使用状況と、迂回ゾーンとしての隣接ゾーン一覧をゾーン対応に管理する迂回ゾーン選択テーブル(図2及び図3の(d)参照)を図16の(c)に示すように形成する。即ち、ゾーンAは、迂回ゾーンとしてB,n、ゾーンBは、迂回ゾーンとしてA,Cが選択される。なお、横方向に基地局が配列された場合を示すが、一般的にはメッシュ状に配列されるから、チャネル使用量の少ない隣接ゾーンを選択するものである。
移動局に対する着信時の呼出しを位置登録エリア内の各ゾーンに於いて行う場合、在圏ゾーンのみ有効呼出しとなり、他のゾーンは無駄な呼出しとなる。そこで、在圏高確率テーブルを参照して、在圏確率の高いゾーン(この場合、ゾーンC)から順に呼出しを行う。又そのゾーンのチャネル使用量が多い場合、迂回ゾーンを選択して呼出しを行う(この場合、ゾーンB又はD)。従って、在圏確率が高く、且つチャネル使用量が少ないゾーンを選択して呼出しを行うものであるから、移動局のオペレーションを阻害することなく、且つ無駄な呼出しを低減した移動局の呼出しが可能となる。
又在圏確率の高いゾーンから順次呼出しを行う時に、高在圏確率のゾーンの呼出しを継続しながら、次の在圏確率の高いゾーンの呼出しを開始するように、最終的には、全ゾーンについての呼出しを行うことも可能であり、又各ゾーン対応に高在圏確率のゾーンから順次呼出しを行うことも可能である。
図17は在圏高確率順の呼出制御シーケンス説明図であり、交換局は、着信アドレス信号IAMにより、着信加入者状態の分析等を行い(21)、応答信号ACMを送出する。そして、在圏情報(位置情報)内の全基地局エリア(ゾーン)をリストアップし(22)、図16の(b)に示すような在圏高確率テーブルを形成して、在圏高確率順に呼出制御を実施する(23)。
その場合、選択ゾーンのCH(チャネル)使用状況が基準値以上か否かを比較判定し(24)、基準値以上の場合は、図16の(c)に示すような迂回ゾーン選択テーブルを参照して、隣接ゾーンを選択して(25)、呼出しを行う。そして、選択したゾーンに対して総て呼出制御を実施したか否かを判定し(26)、完了していない場合は、ステップ(23)に移行する。
又選択したゾーンのチャネル使用量が基準値以下の場合、その選択ゾーンに対して呼出制御を実施し、そして、選択したゾーンに対して総て呼出制御を実施したか否かを判定し(27)、完了していない場合は、呼出応答受信の有無を判定し(28)、呼出応答が未受信の場合、ステップ(23)に移行する。又呼出応答を受信した場合は、一斉呼出応答受信以外の呼出しを実施した基地局(ゾーン)を総て抽出し(29)、選択したゾーンの総てについて実施したか否かを判定し(30)、未完了の場合はステップ(29)に移行する。
交換局から基地局への呼出情報は、位置情報と移動局番号MSI等を含み、基地局から移動局に対する呼出しは、移動局番号MSI等を含むものである。又これに応答した移動局は、移動局種別情報等を含む着信無線状態報告を送出し、基地局は、移動局の位置情報と移動局番号MSI等を含む一斉呼出応答を交換局へ送出する。
本発明は、前述の各実施の形態にのみ限定されるものではなく、種々付加変更することが可能であり、隣接する位置登録エリアを順次統合して拡大した新位置登録エリアに構成変更することも可能であり、その場合、各ゾーンの在圏数比率等に従って順次分離することができる。又各種の位置登録エリアの統合を行った場合に、統合された位置登録エリアの在圏移動局に対して、統合した位置登録エリアの位置情報が付加された報知情報が送出されるが、これに対しての位置登録要求を規制することができる。この規制により、位置登録エリアの統合時の位置登録要求の輻輳を回避することができる。