JP2009164980A - 受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】LNAを備えない受信機においても受信感度および妨害特性の改善を両立させることができるようにする。
【解決手段】第1のミキサ1aを備えた第1のFE回路1と第2のミキサ2aを備えた第2のFE回路2とを設け、受信した高周波信号に含まれる妨害波のレベルに応じて、第1のFE回路1と第2のFE回路2との何れかを選択的に使用することにより、妨害波のレベルが所定の閾値より小さいとき(妨害特性よりも受信感度の改善が重要なとき)は、相互コンダクタンスが大きな第1のミキサ1aを使用することによって受信感度を高くできるようにするとともに、妨害波のレベルが所定の閾値以上のとき(受信感度よりも妨害特性の改善が重要なとき)は、相互コンダクタンスが小さな第2のミキサ2aを使用することによって妨害特性を良好にできるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のミキサ1aを備えた第1のFE回路1と第2のミキサ2aを備えた第2のFE回路2とを設け、受信した高周波信号に含まれる妨害波のレベルに応じて、第1のFE回路1と第2のFE回路2との何れかを選択的に使用することにより、妨害波のレベルが所定の閾値より小さいとき(妨害特性よりも受信感度の改善が重要なとき)は、相互コンダクタンスが大きな第1のミキサ1aを使用することによって受信感度を高くできるようにするとともに、妨害波のレベルが所定の閾値以上のとき(受信感度よりも妨害特性の改善が重要なとき)は、相互コンダクタンスが小さな第2のミキサ2aを使用することによって妨害特性を良好にできるようにする。
【選択図】 図1
Description
本発明は受信機に関し、特に、当該受信機の受信感度および妨害特性を改善する技術に関するものである。
受信機の性能を評価する指標として、受信感度(雑音指数:NF)や選択度(妨害排除能力)が広く知られている。受信感度は、S/N比や歪み率などによって規定されるものであり、受信機に定められた条件の出力を得るために必要な最小の入力信号レベルを言う。選択度は妨害特性とも呼ばれ、目的とする周波数帯域の信号を受信している際に他の周波数帯域の妨害信号が与えられたときに、それを不要なものとして排除する能力を言う。
フロントエンド部のミキサによって周波数変換を行う受信機の場合、選択度に関する妨害受信には、スプリアス受信やインタ・モジュレーション(相互変調妨害)が存在する。スプリアス受信は、目的周波数の信号と一定の周波数関係にある、本来不要な周波数帯域の信号を受信してしまう現象を言う。いわゆるイメージ妨害もスプリアス受信の一種である。インタ・モジュレーションは、回路の入出力特性が非直線性であるために生じる歪み成分のスプリアス周波数と目的信号の周波数とが重なった場合に、目的信号の受信を妨げてしまう現象を言う。
一般に、受信機はアンテナ入力段のフロントエンド部にLNA(Low Noise Amplifier)およびミキサを備え、その後段にバンドパスフィルタ(BPF)、IF(Intermediate Frequency)アンプ、復調回路などの回路を複数段にわたって更に備えている。各段の回路でノイズ(信号の歪み)を生じるが、受信機の初段に位置するLNAのゲインが大きいほど、それより後段に接続されている回路の雑音指数の影響は小さくなり、LNAの雑音指数が受信機全体の雑音指数に対して支配的になる。また、LNA自身の雑音指数も、ゲインが大きくなるほど改善される。よって、受信機全体の受信感度を上げるためには、LNAのゲインを大きくするのが良いとされている。
ところが、ゲインの大きいLNAを用いると、LNAのダイナミックレンジの制限などにより、妨害特性を悪化させてしまう不都合が生じる。すなわち、受信感度を改善するためにゲインの大きいLNAを用いると、妨害特性が悪化してしまう。逆に、妨害特性を改善するためにゲインの小さいLNAを用いると、受信感度が悪化してしまう。このように、固定ゲインのLNAを用いて受信感度および妨害特性の改善を両立させることは困難であった。
なお、受信信号のレベルを検出して、検出した受信レベルに応じてLNAの利得を可変にするAGC(Automatic Gain Control)という技術が存在する。例えばRF(Radio Frequency)−AGC回路は、受信レベルに応じてLNAのゲインを可変制御することにより、アンテナで受信された高周波信号の利得を調節している(例えば、特許文献1参照)。
WO2005/053171号公報
車載用オーディオ装置に搭載される受信機の場合、受信感度と妨害特性とを両立することが困難な場合が多い。すなわち、受信感度を高めるために、一般的にはLNAを用いる必要がある。その一方、妨害特性を高めるためにLNAを用いず、受信信号をミキサに直接入力する手段をとることがある。しかしながら、この場合はLNAがないので、受信感度が悪化してしまう。そこで、ミキサの雑音指数を良くするための手段がとられることがあるが、そうすると今度は妨害特性が悪化してしまう。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、LNAを備え得ない受信機においても受信感度および妨害特性の改善を両立させることができるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、第1のミキサを備えた第1のフロントエンド回路と第2のミキサを備えた第2のフロントエンド回路と設け、当該第1のミキサおよび第2のミキサを、各ミキサを構成する回路の相互コンダクタンスが第2のミキサに比べて第1のミキサの方が大きくなるように構成する。そして、受信した高周波信号に含まれる妨害波のレベルに応じて、第1のフロントエンド回路と第2のフロントエンド回路との何れかを選択的に使用する。
上記のように構成した本発明によれば、例えば、妨害波のレベルが所定の閾値より小さいときは第1のフロントエンド回路が選択され、妨害波のレベルが所定の閾値以上のときは第2のフロントエンド回路が選択される。妨害波のレベルが所定の閾値より小さいときは妨害特性よりも受信感度の改善が重要となるが、このとき選択される第1のフロントエンド回路が備える第1のミキサは、相互コンダクタンスが比較的大きくなるように構成されている。よって、第2のフロントエンド回路を選択する場合に比べて受信感度を高くすることができる。
一方、妨害波のレベルが所定の閾値以上のときは受信感度よりも妨害特性の改善が重要となるが、このとき選択される第2のフロントエンド回路が備える第2のミキサは、相互コンダクタンスが比較的小さくなるように構成されている。よって、第1のフロントエンド回路を選択する場合に比べて妨害特性を良好にすることができる。このように、本発明によれば、LNAがなくてAGC動作を行えない環境においても、妨害波のレベルに応じて受信感度の改善と妨害特性の改善とを両立させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による受信機の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態による受信機は、第1のフロントエンド(FE)回路1、第2のFE回路2、アンテナ3、バンドパスフィルタ(BPF)5、IFアンプ6、第1のA/D変換回路7、整流回路8、第2のA/D変換回路9、DSP(Digital Signal Processor)10およびインタフェース回路11を備えて構成されている。これらの構成(アンテナ3を除く)は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスにより1つの半導体チップに集積されている。
第1のFE回路1は、アンテナ3で受信した高周波信号(RF信号)を周波数変換する第1のミキサ1aを備えている。第1のミキサ1aは、アンテナ3で受信したRF信号と、図示しない局部発振回路から供給される局部発振信号とを混合し、周波数変換を行って中間周波信号(IF信号)を生成して出力する。この第1のFE回路1は、いわゆるダイレクトミキサ方式のフロントエンド回路であり、LNAなどの高周波増幅回路を備えずにアンテナ3とBPF5との間を接続する(アンテナ3と第1のミキサ1aとの間にLNAを備えない)ように構成されている。
第2のFE回路2は、アンテナ3で受信したRF信号を周波数変換する第2のミキサ2aを備えている。第2のミキサ2aは、アンテナ3で受信したRF信号と、図示しない局部発振回路から供給される局部発振信号とを混合し、周波数変換を行ってIF信号を生成して出力する。第2のFE回路2も、いわゆるダイレクトミキサ方式のフロントエンド回路であり、LNAなどの高周波増幅回路を備えずにアンテナ3とBPF5との間を接続する(アンテナ3と第2のミキサ2aとの間にLNAを備えない)ように構成されている。
図2は、第1のFE回路1が備える第1のミキサ1aの回路構成例を示す図である。図2に示すように、第1のミキサ1aはダブルバランス・ミキサであり、RF信号VRFを入力する高周波信号入力端子対の間に、1対のトランジスタM1,M2から成る差動入力回路51を備えている。この差動入力回路51は、差動対トランジスタM1,M2の各ソースが共通に接続されたコモンソースの構成となっており、そのコモンソース点には定電流回路S1が接続されている。また、差動対トランジスタM1,M2の各ゲートにRF信号VRFが入力されるようになっている。なお、差動対トランジスタM1,M2の各ゲートに入力されるRF信号VRFが逆相で位相が180°ずれていれば、定電流回路S1は必ずしも設ける必要はない。
差動入力回路51のバイアスは、バイアス回路53から供給される。バイアス回路53は、バイアス電圧を発生するバイアス発生回路53aと、バイアス電圧の供給の有無を切り替えるためのスイッチ回路53b(トランジスタで構成される)とを備えている。スイッチ回路53bをオフにすると、差動入力回路51へのバイアスの供給が断たれて第1のミキサ1aはフローティング状態となり、信号処理系統から切り離される。
また、局部発振信号VLOを入力するローカル信号入力端子対の間に、2組の差動対トランジスタ{(M3,M4),(M5,M6)}から成るダブルバランス回路52が配置されている。ダブルバランス回路52は、具体的には以下のように構成されている。
すなわち、一方の差動対トランジスタM3,M4のソース同士および他方の差動対トランジスタM5,M6のソース同士がそれぞれ共通接続されている。差動対トランジスタM3,M4の共通ソースは、差動入力回路51を構成する一方のトランジスタM1のドレインに接続されている。また、差動対トランジスタM5,M6の共通ソースは、差動入力回路51を構成するもう一方のトランジスタM2のドレインに接続されている。
また、トランジスタM3のゲートとトランジスタM5のゲートとが共通に接続され、トランジスタM4のゲートとトランジスタM6のゲートとが共通に接続されている。そして、これらの各ゲートに局部発振信号VLOが入力されるようになっている。
さらに、トランジスタM3のドレインとトランジスタM6のドレインとが共通に接続されるとともに、トランジスタM4のドレインとトランジスタM5のドレインとが共通に接続されている。そして、これら2組の共通ドレインが、周波数変換後のIF信号VIFを出力する中間周波信号出力端子対に接続されている。また、上記2組の共通ドレインはそれぞれ抵抗R1,R2を介して電源VDDに接続されている。
図3は、第2のFE回路2が備える第2のミキサ2aの回路構成例を示す図である。なお、この図3において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。図3に示すように、第2のミキサ2aは、第1のミキサ1aの構成に加えて抵抗R3,R4を備えている。
抵抗R3,R4は、それぞれの一端が差動対トランジスタM1,M2のソースに接続されており、他端が定電流回路S1に共通に接続されている。その他の部分は図2に示した第1のミキサ1aと同様である。このように、第2のミキサ2aでは、差動入力回路51を構成する差動対トランジスタM1,M2のソースに抵抗R3,R4を接続することにより、回路全体の相互コンダクタンスが第1のミキサ1aに比べて小さくなるように構成されている。
回路の相互コンダクタンスを大きくすることによって低雑音を実現することができるため、受信感度を高めることができる。つまり本実施形態では、受信感度の改善に有用な回路として、相互コンダクタンスの大きい第1のミキサ1aを構成している。また、妨害特性の改善に有用な回路として、相互コンダクタンスの小さい第2のミキサ2aを構成している。
第1のミキサ1aが備えるバイアス回路53に含まれているスイッチ回路53bおよび、第2のミキサ2aが備えるバイアス回路53に含まれているスイッチ回路53bは、第1のFE回路1(第1のミキサ1a)と第2のFE回路2(第2のミキサ2a)との何れかを、使用するフロントエンド回路として選択するための回路として機能する。このスイッチ回路53bの切替動作は、インタフェース回路11により制御する(詳しくは後述する)。
図1に戻って説明する。BPF5は、第1のFE回路1または第2のFE回路2の何れかより供給されたIF信号に対して帯域制限を行い、希望波周波数のみが含まれる狭帯域のIF信号を抽出する。IFアンプ6は、BPF5より出力された狭帯域IF信号を増幅する。第1のA/D変換回路7は、IFアンプ6より出力された狭帯域IF信号をアナログ−デジタル変換する。このようにしてデジタルデータとされた狭帯域のデジタルIF信号は、DSP10に入力される。
DSP10は、その機能構成として、復調部10a、第1のレベル検出部10b、第2のレベル検出部10cおよび制御部10dを備えている。復調部10aは、第1のA/D変換回路7より入力された狭帯域のデジタルIF信号をベースバンド信号に復調して出力する。
整流回路8は、第1のFE回路1または第2のFE回路2の何れかより出力された広帯域のIF信号を整流する。整流回路8の後段には平滑用のコンデンサCが接続されている。第2のA/D変換回路9は、整流回路8および平滑コンデンサCにより直流とされた広帯域IF信号をアナログ−デジタル変換する。このようにしてデジタルデータとされた広帯域のデジタルIF信号は、DSP10に入力される。
DSP10の第1のレベル検出部10bは、第1のA/D変換回路7より入力される狭帯域デジタルIF信号に基づいて、アンテナ3で受信されたRF信号に含まれる希望波周波数の受信電界強度(希望波のアンテナレベル)を検出する。また、第2のレベル検出部10cは、本発明の妨害波検出部に相当するものであり、第1のA/D変換回路7より入力される狭帯域デジタルIF信号と、第2のA/D変換回路9より入力される広帯域デジタルIF信号とに基づいて、アンテナ3で受信したRF信号に含まれる妨害波周波数の受信電界強度(妨害波のアンテナレベル)を検出する。
ここで、DSP10による希望波のアンテナレベルおよび妨害波のアンテナレベルの検出方法について説明する。まず、希望波のアンテナレベルVDは、次の(式1)に示す演算によって求めることができる。
VD=VIFN+GRF+GIF ・・・(式1)
ただし、
VIFN:希望波のIFアンプ出力レベル
GRF:RF段(FE回路1,2のうち選択されている方)の利得
GIF:IFアンプ6の利得
VD=VIFN+GRF+GIF ・・・(式1)
ただし、
VIFN:希望波のIFアンプ出力レベル
GRF:RF段(FE回路1,2のうち選択されている方)の利得
GIF:IFアンプ6の利得
なお、第1のA/D変換回路7からDSP10に入力されるIF信号は、希望波周波数のみが含まれる狭帯域のIF信号である。したがって、第1のA/D変換回路7からDSP10に入力されるIF信号のレベルを第1のレベル検出部10bが検出することにより、希望波のIFアンプ出力レベルVIFNは簡単に求めることができる。
また、第1のFE回路1および第2のFE回路2は両方ともLNAを備えておらず、AGC動作を行わないことから、RF段の利得GRFは固定である。よって、RF段の利得GRFをDSP10においてあらかじめ把握しておくことが可能である。また、図示はしていないが、第1のA/D変換回路7の最大入力を超えないようにDSP10によってIFアンプ6の利得GIFが調整されているため、IFアンプ6の利得GIFはDSP10が把握している。
一方、第2のA/D変換回路9からDSP10に入力される広帯域デジタルIF信号は、希望波周波数および妨害波周波数の両方が含まれる広帯域のIF信号である。したがって、その信号レベルVIFWは、次の(式2)で表される。
VIFW=√{(VD(GRF+GREC))2+(VUD(GRF+GREC))2} ・・・(式2)
ただし、
VUD:妨害波のアンテナレベル
GREC:整流回路8の利得
VIFW=√{(VD(GRF+GREC))2+(VUD(GRF+GREC))2} ・・・(式2)
ただし、
VUD:妨害波のアンテナレベル
GREC:整流回路8の利得
ここで、整流回路8の利得GRECは固定値であるから、これをDSP10においてあらかじめ把握しておくことが可能である。したがって、上記(式1)および(式2)から、広帯域デジタルIF信号のレベルVIFWと希望波のIFアンプ出力レベルVIFNとが分かれば、妨害波のアンテナレベルVUDを求めることができる。上述のように、DSP10は、第1のA/D変換回路7から入力されるIF信号のレベルを検出することにより、希望波のIFアンプ出力レベルVIFNを簡単に求めることができる。また、DSP10は、第2のA/D変換回路9から入力されるIF信号のレベルを検出することにより、広帯域デジタルIF信号のレベルVIFWを簡単に求めることができる。
DSP10の制御部10dは、第2のレベル検出部10cにより検出された妨害波のアンテナレベルVUDに基づいて、第1のFE回路1および第2のFE回路2の何れかを選択するための制御信号を発生し、これをインタフェース回路11に供給する。インタフェース回路11は、DSP10から供給される制御信号に基づいて、第1のミキサ1aおよび第2のミキサ2aがそれぞれ備えるスイッチ回路53bをスイッチングする。制御部10d、インタフェース回路11およびスイッチ回路53bにより、本発明の選択部が構成される。
選択部は、第2のレベル検出部10cにより検出された妨害波のアンテナレベルVUDが所定の閾値より小さいときは第1のFE回路1を選択する。すなわち、第1のミキサ1aが備えるスイッチ回路53bをオンとし、第2のミキサ2aが備えるスイッチ回路53bをオフとする。一方、第2のレベル検出部10cにより検出された妨害波のアンテナレベルVUDが所定の閾値以上のときは第2のFE回路2を選択する。すなわち、第1のミキサ1aが備えるスイッチ回路53bをオフとし、第2のミキサ2aが備えるスイッチ回路53bをオンとする。
妨害波のアンテナレベルVUDが所定の閾値より小さいときは、妨害特性よりも受信感度の改善が重要となる。このときスイッチ回路53bにより選択される第1のFE回路1が備える第1のミキサ1aは、第2のFE回路2が備える第2のミキサ2aに比べて相互コンダクタンスが大きくなるように構成されている(図2参照)。よって、第2のFE回路2を選択して使用する場合に比べて受信感度を高くすることができる。
一方、妨害波のアンテナレベルVUDが所定の閾値以上のときは、受信感度よりも妨害特性の改善が重要となる。このときスイッチ回路53bにより選択される第2のFE回路2が備える第2のミキサ2aは、第1のFE回路1が備える第1のミキサ1aに比べて相互コンダクタンスが小さくなるように構成されている(図3参照)。よって、第1のFE回路1を選択して使用する場合に比べて妨害特性を良好にすることができる。
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、フロントエンド回路にLNAがなくてAGC動作を行えない環境においても、受信感度および妨害特性の改善を両立させることができる。
なお、上記実施形態では、FE回路1,2が何れもLNAを備えないダイレクトミキサ方式の構成について説明した。本実施形態はAGC動作を行うことができないダイレクトミキサ方式のフロントエンド回路を備えた受信機に特に有効であるが、フロントエンド回路がLNAを備えた受信機にも適用することが可能である。
また、上記実施形態で示した妨害波レベルVUDの検出方法は単なる一例に過ぎず、これ以外の方法によって妨害波レベルVUDを検出するようにしても良い。例えば、上記実施形態ではDSP10のデジタル信号処理によって妨害波レベルVUDを検出しているが、アナログ信号処理によって妨害波レベルVUDを検出するようにしても良い。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、ミキサを含むフロントエンド回路を備えた受信機に有用であり、例えば、ラジオ受信機、テレビジョン受像機、携帯電話機などの無線受信機に適用することが可能である。
1 第1のFE回路
1a 第1のミキサ
2 第2のFE回路
2a 第2のミキサ
10 DSP
10c 第2のレベル検出部
10d 制御部
11 インタフェース回路
53b スイッチ回路
1a 第1のミキサ
2 第2のFE回路
2a 第2のミキサ
10 DSP
10c 第2のレベル検出部
10d 制御部
11 インタフェース回路
53b スイッチ回路
Claims (4)
- アンテナで受信した高周波信号を周波数変換する第1のミキサを備えた第1のフロントエンド回路と、
上記アンテナで受信した上記高周波信号を周波数変換する第2のミキサを備えた第2のフロントエンド回路と、
上記アンテナで受信した上記高周波信号に含まれる妨害波のレベルを検出する妨害波検出部と、
上記妨害波検出部により検出された上記妨害波のレベルに応じて、上記第1のフロントエンド回路および上記第2のフロントエンド回路の何れかを選択する選択部とを備え、
上記第1のミキサは、上記第2のミキサに比べて回路の相互コンダクタンスが大きくなるように構成されていることを特徴とする受信機。 - 上記選択部は、上記妨害波検出部により検出された上記妨害波のレベルが所定の閾値より小さいときは上記第1のフロントエンド回路を選択し、上記妨害波検出部により検出された上記妨害波のレベルが上記所定の閾値以上のときは上記第2のフロントエンド回路を選択することを特徴とする請求項1に記載の受信機。
- 上記第1のフロントエンド回路は、LNAを備えずに上記アンテナと上記第1のミキサとの間を接続するように構成され、
上記第2のフロントエンド回路は、LNAを備えずに上記アンテナとの間を接続するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信機。 - 上記第1のミキサは、1対のトランジスタから成る差動入力回路を備えて構成され、
上記第2のミキサは、1対のトランジスタから成る差動入力回路と、上記1対のトランジスタのソースに接続された抵抗とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信機。
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