JP2009163047A - 定着装置、画像形成装置およびコイルの発熱抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 定着ヒータ駆動回路に搭載したコイルを大きくすることなく、コイルの発熱を抑制することができる定着装置を提供する。
【解決手段】 この定着装置は、定着ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、検出された温度と加熱目標温度とから、定着ヒータへ供給する電力量を計算する計算手段と、定着ヒータへ供給する電力を制御するために電圧を降下させ、定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動させるPWM駆動手段と、PWM駆動により生じるスイッチングノイズを除去するノイズフィルタと、計算された電力量に応じて、定着ヒータの温度制御周期内に、定着ヒータへ供給する電力の電圧波形または電流波形の波高値を、PWM駆動手段によって電圧降下およびPWM駆動させて制御する波高値制御と、電圧降下およびPWM駆動させない半波導通制御とを組み合わせて実行し定着ヒータへ通電する通電手段とを含む。
【選択図】 図6
【解決手段】 この定着装置は、定着ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、検出された温度と加熱目標温度とから、定着ヒータへ供給する電力量を計算する計算手段と、定着ヒータへ供給する電力を制御するために電圧を降下させ、定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動させるPWM駆動手段と、PWM駆動により生じるスイッチングノイズを除去するノイズフィルタと、計算された電力量に応じて、定着ヒータの温度制御周期内に、定着ヒータへ供給する電力の電圧波形または電流波形の波高値を、PWM駆動手段によって電圧降下およびPWM駆動させて制御する波高値制御と、電圧降下およびPWM駆動させない半波導通制御とを組み合わせて実行し定着ヒータへ通電する通電手段とを含む。
【選択図】 図6
Description
本発明は、定着ヒータ駆動回路が備えるコイルを大きくすることなく、コイルの発熱を抑制することができる定着装置およびその定着装置を備える画像形成装置、そのコイルの発熱を抑制するための方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラム上に潜像を形成し、それを転写ベルトに転写し、定着装置で用紙に定着させることにより印刷して出力する。定着装置は、転写ベルト上に転写されたトナーを溶融するための定着ヒータと、溶融したトナーを用紙へ押しつけて定着させる定着ローラとを備えている。
定着ヒータは、定着温度がある目標温度で一定となるように制御される。定着ヒータへの給電は、商用電源の半波長を最小単位とし、その整数倍にて行われ、定着温度の制御は、その整数倍からなる温度制御を行う単位時間あたりに通電を行う時間と無通電時間との割合(DUTY)を制御することにより行われる。
ここで、図1に、商用電源の半波長を最小単位として、商用電源の半波長の整数倍にて、温度制御を行う単位時間当たりの通電時間と無通電時間のDUTYを制御する定着装置の構成例を示す。AC電源1は、AC電源ラインからのノイズを除去するノイズフィルタ2に接続され、ノイズフィルタ2に接続されるゼロクロス信号検出回路3および定着部4へ電力を供給する。ゼロクロス信号検出回路3は、商用電源電圧が0V付近になった時にLO電圧を制御部5へ出力する。定着部4は、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等の発熱源を有し、定着部4の温度は、サーミスタ6によりサーミスタ信号として検出され、検出されたサーミスタ信号は、制御部5へ入力されて温度換算される。制御部5は、定着部4の温度によって定着部4へ供給する電力を決定し、定着ヒータ駆動回路7へヒータ制御信号を入力する。定着ヒータ駆動回路7は、制御部5により入力されたヒータ制御信号を受けて、定着部4が備える定着ヒータへ供給する電力を生成する。
図2に、定着部4の温度を検出した結果により、定着部4が備える定着ヒータへ通電するDUTYを決定し、定着ヒータへ通電した場合の動作波形を示す。温度制御を行う単位時間は、商用電源の10の半波が入力される時間とされている。AC電源1から供給される電力は、AC入力で示すように連続して供給されるが、制御部5により入力されたヒータ制御信号により、定着ヒータへの通電時間が、単位時間として設定された時間の60%、30%、10%の時間だけ通電され、これにより6つ、3つ、1つの半波の電力が供給されている。
上記の定着装置の構成では、フリッカーが発生したり、きめ細かな電力制御ができないといった問題があった。そこで、この問題を解決するために、定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動することが提案されている。PWMとは、パルス波のDUTY比を変化させて変調することをいい、DUTY比は、周期的なパルス波を出したときの周期とパルス幅の比であり、方形波の場合、パルス幅を周期で除した値として定義される。商用電源の周波数より高い周波数でPWM駆動することにより、フリッカーを抑え、きめ細かな電力制御を行うことができる。しかしながら、このPWM駆動では、ノイズが発生し、このノイズによってコンダクションが発生する。このため、LCフィルタを搭載し、ノイズを抑制している。LCフィルタは、高周波数成分を減衰させるコイルLと、低周波数成分を減衰させるコンデンサCとを組み合わせた、ある周波数(カットオフ周波数)から急峻な減衰特性を有するフィルタである。
図3には、商用電源周波数より高い周波数でPWM駆動する場合の定着装置の構成例を示し、図4には、定着部の温度を検出した結果により、定着ヒータへ通電するDUTYを決定し、定着ヒータへ通電した場合の電流波形を示す。図3に示す定着ヒータ駆動回路8は、図1に示す定着ヒータ駆動回路7とは異なり、AC電源1から供給される電力がダイオードブリッジ(DB)9により全波整流された後に入力される。
定着ヒータ駆動回路8は、コイルL1とコンデンサC1とから構成されるLCノイズフィルタ10と、コイルL2とコンデンサC2とダイオードD1と電界効果トランジスタ(FET)Q1とから構成される降圧回路11と、FET駆動回路12とを含む。降圧回路11に入力された電圧は、制御部5から出力されるヒータ制御信号によってFET駆動回路12を駆動し、電界効果トランジスタQ1によりスイッチングされ、ヒータ制御信号に応じた電圧に制御されて定着部4に電圧が入力される。ヒータ制御信号は、20kHz以上のPWM信号で、PWMDUTYが0〜100%まで可変可能である。このPWMDUTYを制御することにより、ヒータへ入力する電圧を制御することができ、ヒータへの供給電力を制御することができる。ここで、ヒータ制御信号を20kHz以上のPWM信号としているのは、コイルが周波数に応じた通電を行った場合に振動することがあり、その振動による異音の原因となる可能性があるため、人間の可聴領域以上の周波数にしている。LCノイズフィルタ10は、ヒータのPWM駆動によるパルス電流の高い周波数のノイズが電流側に漏れるのを防止するために設けられる。
図4に示すように、定着ヒータの温度制御を行う各単位時間内にPWMDUTYが60%、30%、10%にされると、ヒータ通電電流の電流波形における半波の波高は、PWMDUTYが100%時の60%、30%、10%となり、各単位期間では各波高の半波が連続する通電パターンで通電される。
ヒータへの電力を制御する定着装置として、例えば、定着ヒータに供給する交流電流波形の波の数を制御する波数制御と、定着ヒータに供給する交流電流波形の振幅を制御する波高値制御との組み合わせによりヒータの多段階電力制御を行う定着装置が提案されている(特許文献1参照)。この定着装置では、ヒータへの供給可能な最大電力のW(%)の電力でヒータを制御する場合、交流電源の電源電圧のN半波長分を周期としてN波(1≦N≦M)で波数制御し、W×M/N(%)で波高値制御することにより、ヒータへの電力供給を制御している。
特開2006−184418号公報
定着ヒータへ供給する電力を制御する定着ヒータ駆動回路を備える定着装置は、PWM駆動によるノイズによりコンダクションが発生することから、LCフィルタを搭載してノイズを抑制しているが、PWM駆動を長時間継続して動作させると、LCフィルタを構成するコイルのスイッチング時の抵抗成分による損失により温度上昇が大きくなり、その結果、コイルの形状を大きくし、放熱効果を高める必要があった。このようにコイルを大きくすると、装置が大きくなり、装置コストが上昇するといった問題があった。
これは、上記の波数制御と波高値制御との組み合わせによりヒータの多段階電力制御を行う定着装置でも同様である。すなわち、波高値制御を行う必要がある場合は、波高値制御が連続して行われ、連続してPWM駆動されるからである。
したがって、定着ヒータ駆動回路に搭載されたコイルを大きくすることなく、コイルの発熱を抑制することができる装置や方法の提供が望まれている。
本発明の発明者は、鋭意検討の結果、波高値制御を行わない半波導通ではコイルによる損失がコイルの直流抵抗分のみ、すなわち線材の抵抗分のみであるため非常に小さく、コイルの発熱が小さいことから、温度制御を行う単位時間内に、定着ヒータへ必要な電力を、この波高値制御を行わない場合の電圧波形または電流波形における半波と波高値制御を行う場合の電圧波形または電流波形における半波とを組み合わせて形成された通電パターンにしたがって供給することにより、単位時間あたりのコイルのスイッチング損失による発熱を抑えることができ、かつフリッカーに対しても、全灯時間がないため効果的で、電力供給に対してもきめ細かく制御することができることを見出した。
本発明は、上記のことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明の定着装置および画像形成装置を提供することにより解決することができる。
すなわち、本発明によれば、定着ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、検出された温度と加熱目標温度とから、定着ヒータへ供給する電力量を計算する計算手段と、定着ヒータへ供給する電力を制御するために電圧を降下させ、定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動させるPWM駆動手段と、PWM駆動により生じるスイッチングノイズを除去するノイズフィルタとを含む定着装置であって、計算された電力量に応じて、定着ヒータの温度制御周期内に、定着ヒータへ供給する電力の電圧波形または電流波形の波高値を、PWM駆動手段によって電圧降下およびPWM駆動させて制御する波高値制御と、電圧降下およびPWM駆動させない半波導通制御とを実行し定着ヒータへ通電する通電手段を含む、定着装置が提供される。
この定着装置は、ノイズフィルタおよび定着ヒータ駆動手段が備えるコイルの温度を検出するコイル温度検出手段を含み、通電手段は、コイル温度に応じて、温度制御周期内において波高値制御を実行するか、または波高値制御と半波導通制御とを組み合わせて実行し定着ヒータへ通電する。温度閾値を設け、その温度閾値を超えるか否かによっていずれの制御を実行するかを決定することができる。具体的には、温度閾値以下である場合には、波高値制御のみとし、温度閾値を超える場合は、それらの両方を組み合わせた制御とする。
通電手段は、PWM駆動させる場合に入力されるパルス波の周期に対するパルス幅の割合であるPWMDUTYに応じて、温度制御周期内において波高値制御または波高値制御と半波導通制御とを組み合わせて実行し定着ヒータへ通電することもできる。この場合も同様に、DUTY閾値を設け、そのDUTY閾値を超えるか否かによっていずれの制御を実行するかを決定することができる。具体的には、DUTY閾値以下である場合には、波高値制御のみとし、DUTY閾値を超える場合は、それらの両方を組み合わせた制御とする。
上記の温度制御周期は、商用電源の半周期を最小単位とし、その半周期の2以上の整数倍とされる。
また、この定着装置は、上記で計算された電力量から、温度制御周期内における半波導通制御を実行すべき期間を算出し、その期間から商用電源の半周期の数を算出し、温度制御周期内において半周期分の半波導通制御を実行する時点を割り振る割振手段を含むことができる。割り振りは、温度制御周期内において均等に割り振ることが好ましく、例えば、温度制御周期が10の半周期からなり、半周期分の半波導通制御の数が2つであれば、1つ目の半周期分の半波導通制御を行い、次に4つの半周期分の波高値制御を行い、続いて2つ目の半周期分の半波導通制御を行い、次に4つの半周期分の波高値制御を行うように、半周期分の半波導通制御を実行する時点を割り振ることができる。このように割り振ることで、通電パターンを形成することができ、この通電パターンにしたがって定着ヒータへ通電することができる。
さらに、コイル温度が温度閾値に達しないように、PWM駆動させる場合に入力されるパルス波の周期に対するパルス幅の割合であるPWMDUTYと比較され、波高値制御のみを実行するか、または波高値制御と半波導通制御とを組み合わせた制御を実行するかを決定するために使用されるDUTY閾値を変更するDUTY閾値変更手段を含むことができる。DUTY閾値以下では波高値制御が行われ、これに伴いコイルが温度上昇するため、DUTY閾値を変更し、低い値に設定することで、PWM駆動しない半波導通制御が行われる期間を長くし、コイルの温度上昇を抑制することができる。
通電手段は、コイル温度が温度閾値に達しないように、波高値制御を停止し、半波導通制御へ移行することもできる。このように強制的に移行することで、コイルの温度上昇を抑制することができる。
また、通電手段は、コイル温度が温度閾値に達しないように、温度制御周期内において波高値制御から波高値制御と半波導通制御とを組み合わせた制御へと移行することもできる。このように半波導通制御を含む制御に切り換えることにより、コイルの温度上昇を抑制することができる。
また、本発明によれば、上記の定着装置を含む画像形成装置を提供することもできる。さらに、コイルの発熱を抑制するための方法も提供することができる。これらの装置および方法を提供することにより、コイルを大型化することなく、コイルの発熱を抑制することができ、装置の大型化および高コスト化を抑制することができる。
図5は、本発明の画像形成装置の構成例を示した図である。この画像形成装置は、搬送ベルトに沿って画像形成部が直列に並んだタンデム方式のカラー画像形成装置である。画像形成部は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)といった異なる各色の画像をそれぞれ形成するために、各色に対してそれぞれ設けられ、記録紙20を搬送する搬送ベルト21に沿って一列に配置される。
搬送ベルト21は、一方が駆動ローラで、他方が従動ローラである搬送ローラ22、23間に張架されており、搬送ローラ22、23の回転により回転駆動される。搬送ベルト21の下部には、記録紙20が収納された給紙トレイ24が設けられている。記録紙20に画像を形成する場合、給紙トレイ24に収納された記録紙20のうち最上部にある記録紙が給紙され、静電吸着によって搬送ベルト21上に吸着され、直列に並ぶ画像形成部へ向けて搬送される。
図5に示す画像形成装置は、記録紙20の給紙側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で画像を形成する画像形成部が配置されている。画像形成部はそれぞれ、感光体30、帯電ユニット31、露光装置32、現像装置33、感光体クリーナ34から構成されている。図5では、各色に対して画像形成部が設けられ、それらを区別するために、Y、M、C、Kを符号に付記している。
まず、帯電ユニット31が感光体30の表面を一様に帯電し、露光装置32が各色に対応したレーザ光を露光し、感光体30上に静電潜像を形成する。現像装置33は、静電潜像を現像、すなわち感光体30上にトナーを付着させ、感光体30上にトナー像を形成する。感光体30は、搬送ベルト21の移動に伴って回転し、感光体30上に形成されたトナー像は、搬送ベルト21上に吸着された記録紙20上に、転写ユニット40によって転写され、単色の画像が形成される。トナー像の転写が終了した感光体30は、感光体クリーナ34によって表面に残留するトナーが除去され、次の画像形成に備える。
このようにして、画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を重ね合せて転写し、記録紙20上にカラー画像を形成する。この時点では、各トナーが記録紙20上に載った状態であるため、搬送ベルト21から剥離し、定着装置50へ送り、記録紙20に定着させる。記録紙20への定着後、排紙される。
図6は、図5に示す画像形成装置が備える定着装置の1つの構成例を示した図である。定着装置50は、記録紙20上に転写されたトナー像を、熱および圧力を加えて定着させる定着部51と、定着部51の温度を検出するためのサーミスタ52と、定着部51に電力を供給するAC電源53と、ACラインからのノイズを除去するノイズフィルタ54と、商用電源電圧が0V付近になった時にLO電圧を出力するゼロクロス信号検出回路55と、定着部51が備える定着ヒータへ供給する電力を生成する定着ヒータ駆動回路56と、サーミスタ52により検出したサーミスタ信号を温度に換算し、定着ヒータ駆動回路56を動作させるためのヒータ制御信号を生成する制御部57とを含んで構成されている。
定着ヒータ駆動回路56は、制御部57からのヒータ制御信号の入力を受けて動作し、ヒータ制御信号に応じた電圧に制御し、定着部51にその制御した電圧を入力する。定着ヒータ駆動回路56の構成は、図3で示した構成と同様で、ヒータ制御信号も20kHz以上のPWM信号で、PWM駆動させる場合に入力されるパルス波の周期に対するパルス幅の割合であるPWMDUTYを0〜100%まで可変可能とされる。
図7は、PWM駆動させた場合の定着装置の電圧および電流波形を例示した図である。図7(a)は、AC入力電流およびAC入力電圧の波形を示し、図7(b)は、整流後の電流および電圧を示し、図7(c)は、PWM信号を示している。また、図7(d)は、電界効果トランジスタQ1におけるソース−ドレイン間電圧の波形を示し、図7(e)は、ヒータへ供給する電流の波形を示し、図7(f)は、ヒータへ供給する電圧の波形を示している。
AC電源53から出力された電流および電圧は、図7(a)、(b)の波形を示すが、DB58により全波整流されると、交流の正弦波の正の部分は正の部分として、負の部分は正負が逆の正の部分として取り出される。
制御部57は、サーミスタ52により検出したサーミスタ信号を温度に換算し、定着ヒータ駆動回路56を動作させるためのヒータ制御信号を生成し、そのヒータ制御信号を定着ヒータ駆動回路56へ入力する。換算された温度が加熱目標温度より高い場合には、定着ヒータへの通電時間を短くし、加熱目標温度より低い場合には、通電時間を長くするように、ヒータ制御信号を生成する。なお、この加熱目標温度は、温度データとして制御部57が保持する。
通電時間は、PWM信号により調節することができ、これは、ソース−ドレイン間の電流を制御する電界効果トランジスタQ2により行われる。この電界効果トランジスタQ2におけるソース−ドレイン間の電圧波形は、図7(b)に示す整流後の電圧と図7(c)に示すPWM信号とにより、図7(d)に示す波形となる。定着部51に供給される電流および電圧は、ヒータ制御信号に応じた電流および電圧として、力率が向上して高周波電流および高周波電圧が低減され、図7(e)、(f)に示す正弦波に近似した波形となる。力率とは、交流電力の効率に関して定義された値であって、単位時間に電流がする仕事量、すなわち皮相電力に対する有効電力の割合である。
定着部51への入力電流は、PWMDUTYを増減することにより制御することができ、その結果、消費電力をこのPWMDUTYにより高精度に制御することができる。
ここで、PWM駆動させた場合のPWMDUTYと定着部51における消費電力との関係について説明する。定着部51が備える定着ヒータは、抵抗体として考えることができ、この抵抗体の抵抗値をRとする。このRは、定着ヒータの定格電圧V、定着ヒータの定格電圧時の入力電流Iから算出することができる。
定着部51の定着ヒータへの入力電圧をVhtとし、その入力電流をIhtとし、AC電源53の入力電圧をVinとし、PWMDUTYをP%として動作させた場合、定着部51が備える定着ヒータへの入力電圧Vhtおよび入力電流Ihtは、式1および式2のようになる。
このことから、DUTYをP%で動作させた場合の定着部51が備える定着ヒータへの入力電力Wpは、式3のようになる。
また、PWMDUTYを100%で動作させた場合の定着ヒータの電力をQとすると、式3は式4のように表すことができる。
このことから、定着ヒータへの入力電力がWpである場合のPWMDUTYは、100%時の電力Qを用いて式5のように表すことができる。
次に、コイルの発熱について説明する。コイルが発熱する要因として銅損と鉄損とがある。銅損とは、コイルの導線にある電気抵抗によって失われる電気エネルギー(損失)であり、鉄損とは、磁性材料の鉄心(コア)にコイルを巻き、交流で磁化した時に失われる電気エネルギーである。この鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損との和で表される。ヒステリシス損は、鉄心の磁区が時間と共に大きさと方向が変化を繰り返す交番磁界によって磁界の向きを変えるときの損失であり、渦電流損は、鉄心の中に生じる渦電流によって生じる損失である。
図8は、磁界Hと磁束密度Bとの関係を示した図であるが、ヒステリシス損の大きさは、ヒステリシス曲線で囲まれた部分の面積に比例する。このヒステリシス損は、磁界H、磁束密度Bとともに、電流にも依存する。
図9は、電界効果トランジスタQ2がON−OFF制御されるときのコイルL4に流れる電流を示した図である。定着ヒータ駆動回路56では、図9に示すように、電界効果トランジスタQ2がONにされるとコイルL4へ流れる電流が増加し、OFFにされるとコイルL4へ流れる電流が低下する。なお、上記のヒステリシス損が最大となるのは、電流が変化するとき、すなわちONからOFFまたはOFFからONへ切り換わるときである。
コイルL4のインダクタンスおよびコンデンサC4の定数(静電容量)は、定着ヒータを制御するために使用されるPWM周波数および定着ヒータの抵抗値により、上記のヒステリシス損を考慮して決定される。ここでは、コイルL4のインダクタンスおよびコンデンサC4の定数が、PWMDUTYが約50%の場合に磁界の変化幅と磁束の変化幅が最大となるように決定される。なお、インダクタンスを小さくするとピーク電流が大きくなり、電界効果トランジスタQ2の損失が大きくなる。また、銅損を同一にしたままでインダクタンスを大きくすると、コイル形状が大きくなる。
このように決定すると、ヒステリシス損は約50%の場合に最大値をとり、約50%から離れていくにつれて損失が低減されてくる。これは、50%以上となると、電界効果トランジスタQ2がOFFの時に、電流が0になる前に次のONがやってきて、図8で示したヒステリシス曲線が小さくなるからである。
図10に示すPWMDUTYとL4損失との関係から、PWM駆動を行わない、すなわちPWMDUTYが100%である半波動通制御の場合、商用電源の半周期でほとんど電流の変化がないので、ヒステリシス損がほとんどなくなり、ほぼ銅損のみとなる。また、銅損は、直流抵抗であるため、電流値が大きくなればなるほど大きくなっていく。
装置構成等によりコイルの発熱が異なってくるため、実際に使用する条件にてコイルL2の温度とPWMDUTYとの関係を事前評価し、コイルL4の定格温度またはコイルL4の定格温度に対してマージンをもってPWMDUTY範囲における出力禁止領域が決定される。このコイルL4の定格温度またはこの定格温度に対してマージンをもった温度は、温度閾値として設定される。この温度閾値もデータとして制御部57が保持する。また、コイルL4は、波高値制御を行わない半波導通制御で連続通電させた場合に定格温度を超えないもの、またはコイルL4の定格温度に対してマージンをもってその定格温度を超えないものを選定する。なお、PWMDUTYの出力禁止領域は、定着装置にデータとして保持される。図6に示す回路構成では、コイルL3とコンデンサC3からなるLCフィルタは、コイルL4とコンデンサC4と電界効果トランジスタQ2とからなる降圧回路により、入力と出力とにほとんど変動がないため、コイルL3の温度上昇は、コイルL4と比較した場合に小さくなる。
次に、定着ヒータへの通電について説明する。上述したようにして求めたPWMDUTY範囲における出力禁止領域を、例えば、A%<PWMDUTY<100%とする。なお、このA%は、DUTY閾値として設定され、これもデータとして制御部57が保持する。また、温度制御周期内において、波高値制御を行わない半波導通制御で連続導通した場合の定着ヒータ電力をWa、温度制御周期内の定着ヒータへの供給電力をWbとすると、PWM駆動させる場合のPWMDUTYは、上記式5を用いて式6で表すことができる。
ここで、√(Wb/Wa)%≦A%、すなわちDUTY閾値以下であれば、温度制御周期内の定着ヒータの電力供給は、PWM駆動で行う。一方、√(Wb/Wa)%>A%、すなわちDUTY閾値を超える場合には、PWMDUTY範囲の出力禁止領域であるのでPWMDUTYによる連続通電ができなくなる。したがって、波高値制御を行わない半波導通制御と波高値制御とを組み合わせて実行し電力を供給する。温度制御周期T内において波高値制御を行わない半波導通制御を実行して電力を供給する割合は、(Wb−Wc)/Waとなる。
商用電源の半波分を、波高値制御を行わない半波導通制御を実行する場合の電力を100%とすると、PWMDUTYがA%で導通させた場合の電力Wcは、式7で表すことができる。
温度制御周期T内のPWMDUTYがA%である場合に供給電力Wcで動作させる割合をYとすると、ヒータへの供給電力WbとPWMDUTYをA%とした場合の供給電力Wcと波高値制御を行わない半波導通制御を実行する場合の電力Waとの関係は、式8および式9で表すことができる。ただし、下記式8のYは、0≦Y<1である。
上記式8および式9から、温度制御周期T内のPWMDUTYをA%とした場合の供給電力Wcで動作させる割合Yは、式10で表すことができる。
上記のようにして求めた割合Yを温度制御周期T内に反映させるために、定着装置は、温度制御周期T内における半波導通制御を実行すべき期間に関連して商用電源の半周期の数を算出し、温度制御周期T内において半周期分の半波導通制御を実行する時点を割り振る手段を含む。この手段は、制御部57に含まれ、制御部57において通電パターンを形成し、ヒータ制御信号として定着ヒータ駆動回路56に与え、その通電パターンにしたがって通電を行わせることができる。温度制御周期Tは、商用電源の半周期の2以上の整数倍に設定される。この温度制御周期Tは、波高値制御を行い、PWM駆動する期間Y×Tと、波高値制御を行わない半波導通制御を実行する期間(1−Y)×Tとに分けることができる。商用電源の周期をFとすると、温度制御周期Tでは、T/(F/2)回の商用電源が全波整流された半波が入力される。これらのことから、半波導通制御を実行すべき期間における商用電源の半周期の数は、(1−Y)×/F/(F/2)回である。このようにして、波高値制御を行わない半波導通制御を実行すべき期間における商用電源の半周期の数を、波高値制御を行わない半波の導通回数として表1に示すように決定する。
また、温度制御周期T内では、半波の導通回数に応じて、半波導通制御させる半波が電力制御において均等になるように供給される。すなわち、上記の割振手段により、温度制御周期T内において半周期分の半波導通制御を実行する時点を均等に割り振る。具体例を、図11を参照して説明する。図11では、温度制御周期T内に入る半波数が常に一定であるため、波高値制御を行わない半波導通制御における半波の数によって温度制御周期T内のどこの半波に入れるかを固定で割り振っている。ここでは、波高値制御を行わない半波導通制御における半波が3つで、波高値制御における半波を2つはさんで2つおきに割り振っている。なお、均等に割り振らなくてもよいが、均等に割り振らない場合、波高値制御が連続して行われ、その間コイル温度は上昇し続けることになる。大きく上昇したコイル温度を下げるには時間がかかり、場合によってはコイルの定格温度を超え、磁気飽和を起こして著しく効率が悪化するおそれがある。したがって、コイルの温度上昇を適宜抑制して、コイル温度を大きく上昇させないために均等に割り振ることが好ましい。
定着制御において行われる処理を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。S1200で処理を開始し、S1210において、定着部51の温度をサーミスタ52により検出する。検出した温度は、サーミスタ信号として制御部56へ送られ、S1220において、制御部56が定着ヒータへの供給電力を計算する。すなわち、定着部51の加熱目標温度に対して、検出結果をもとに定着ヒータへの必要な電力量を計算する。
S1230において、決定された供給電力から定着ヒータへの給電が必要か否かを判断する。計算された電力が0Wで、給電が必要ない場合には、定着ヒータへの通電は行わず、S1210へ戻り、再び定着部51の温度を検出する。これに対し、計算された電力Wbが0Wより大きい値を示し、給電が必要である場合には、S1240へ進み、出力すべきPWMDUTYを計算するための処理を行う。出力すべきPWMDUTYは、√(Wb/Wa)%として計算される。
S1250において、出力すべきPWMDUTYである√(Wb/Wa)%がA%以下、すなわちDUTY閾値以下か否かを判断する。すなわち、√(Wb/Wa)%が、記憶装置に保存されたPWMDUTYの出力禁止範囲にあるか否かの判断を行う。PWMDUTYの出力禁止範囲にないA%以下である場合には、S1260へ進み、温度制御周期T内を√(Wb/Wa)%のPWMDUTYで連続通電し、S1270で処理を終了する。一方、PWMDUTY出力禁止範囲にある、A%を超える場合は、S1280へ進み、波高値制御を行わない半波導通制御における半波の数(導通回数)を計算する。そして、S1290において、その波高値制御を行わない半波導通制御における半波を温度制御周期T内に割り振って通電パターンを形成し、その通電パターンをセットする。この通電パターンのセット後、S1260へ進み、その通電パターンにしたがって通電を行う。
このように、波高値制御を行わない半波導通制御における半波を温度制御周期T内に割り振り、通電パターンを形成して通電を行うことにより、コイルの発熱を抑えることができ、その結果、コイルの大型化を抑制でき、また、フリッカー、高調波、コンダクションの抑制も可能となる。
図13は、定着装置の別の構成例を示した図である。この定着装置は、図6に示す定着装置50に、コイルL4の温度を検出するためのサーミスタ60が追加された構成とされている。一般的にコイルは、定格温度を有し、その定格温度以上になると、コイルが磁気飽和を起こし、著しく効率が悪化する。このため、サーミスタ60によってコイルL4の温度を検出し、定格温度に達しないようにPWMDUTYの出力禁止範囲を適用または不適用にし、また、出力禁止範囲を変更し、さらに、必要に応じて波高値制御を行わない半波導通制御に移行することができる。
具体的には、サーミスタ60が上記の定格温度またはその定格温度にマージンを持たせた温度といった温度閾値を超えたことを検出した場合、これまで波高値制御を実行しているのであれば、制御部57はPWMDUTYの出力禁止範囲を適用した制御に移行させるヒータ制御信号を出力し、定着ヒータ駆動回路56に、波高値制御と半波導通制御とを組み合わせて実行し定着ヒータへ通電させることができる。また、その温度閾値以上あるいは予め設定したある規定値以上である場合に、波高値制御を行わない半波導通制御に移行することもできる。
コイル温度が温度閾値に達しないように、PWMDUTYと比較され、波高値制御のみを実行するか、または波高値制御と半波導通制御とを組み合わせた制御を実行するかを決定するために使用される上記のA%といったDUTY閾値を変更することもできる。また、コイル温度が温度閾値に達しないように、波高値制御を停止し、半波導通制御へ移行することもできる。さらに、コイル温度が温度閾値に達しないように、温度制御周期内において波高値制御から波高値制御と半波導通制御とを組み合わせた制御へと移行することもできる。このように制御を行うことで、コイルの温度は定格温度以下に抑えることができ、また、1枚のプリント等の少量の枚数を印刷する際のフリッカーを効果的に抑制することができる。
本発明は、所定期間内の電力制御について、波高値制御を行わない導通回数(全角導通回数ともいう。)を求め、温度制御周期T内にその回数分の半波を割り振って通電パターンを形成し、その通電パターンにしたがって連続導通による電力制御を行い、所定期間内で上記制御を行うことができない期間については、PWMDUTYを100%未満にして連続通電を行うために、上記実施形態の構成を採用するものである。これにより、温度制御周期Tといった単位時間あたりのコイルLのスイッチング損失による発熱が抑えられ、コイルLの形状を大きくすることなく、放熱効果を高めることができる。
しかしながら、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1…AC電源、2…ノイズフィルタ、3…ゼロクロス信号検出回路、4…定着部、5…制御部、6…サーミスタ、7、8…定着ヒータ駆動回路、9…DB、10…LCノイズフィルタ、11…降圧回路、12…FET駆動回路、20…記録紙、21…搬送ベルト、22、23…搬送ローラ、24…給紙トレイ、30…感光体、31…帯電ユニット、32…露光装置、33…現像装置、34…感光体クリーナ、40…転写ユニット、50…定着装置、51…定着部、52…サーミスタ、53…AC電源、54…ノイズフィルタ、55…ゼロクロス信号検出回路、56…定着ヒータ駆動回路、57…制御部、58…DB、60…サーミスタ、L1、L2、L3、L4…コイル、C1、C2…コンデンサ、D1、D2…ダイオード、Q1、Q2…電界効果トランジスタ
Claims (16)
- 定着ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、検出された前記温度と加熱目標温度とから、前記定着ヒータへ供給する電力量を計算する計算手段と、前記定着ヒータへ供給する電力を制御するために電圧を降下させ、前記定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動させるPWM駆動手段と、PWM駆動により生じるスイッチングノイズを除去するノイズフィルタとを含む定着装置であって、
計算された前記電力量に応じて、前記定着ヒータの温度制御周期内に、前記定着ヒータへ供給する電力の電圧波形または電流波形の波高値を、前記PWM駆動手段によって電圧降下およびPWM駆動させて制御する波高値制御と、電圧降下およびPWM駆動させない半波導通制御とを実行し前記定着ヒータへ通電する通電手段を含む、定着装置。 - 前記ノイズフィルタおよび前記PWM駆動手段が備えるコイルの温度を検出するコイル温度検出手段を含み、
前記通電手段は、前記コイル温度に応じて、前記温度制御周期内において前記波高値制御または前記波高値制御と前記半波導通制御とを組み合わせて実行し前記定着ヒータへ通電する、請求項1に記載の定着装置。 - 前記通電手段は、PWM駆動させる場合に入力されるパルス波の周期に対するパルス幅の割合であるPWMDUTYに応じて、前記温度制御周期内において前記波高値制御または前記波高値制御と前記半波導通制御とを組み合わせて実行し前記定着ヒータへ通電する、請求項1に記載の定着装置。
- 前記温度制御周期は、商用電源の半周期の2以上の整数倍とされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記計算された電力量から前記温度制御周期内における前記半波導通制御を実行すべき期間を算出し、前記期間から前記商用電源の半周期の数を算出し、前記温度制御周期内において半周期分の前記半波導通制御を実行する時点を割り振る割振手段を含む、請求項4に記載の定着装置。
- 前記通電手段は、前記コイル温度が温度閾値に達しないように、前記波高値制御を停止し、前記半波導通制御へ移行する、請求項2に記載の定着装置。
- 前記通電手段は、前記コイル温度が温度閾値に達しないように、前記温度制御周期内において前記波高値制御から前記波高値制御と前記半波導通制御とを組み合わせた制御へと移行する、請求項2に記載の定着装置。
- 前記ノイズフィルタおよび前記PWM駆動手段が備えるコイルの温度を検出するコイル温度検出手段と、前記コイルの温度が温度閾値に達しないように、前記PWMDUTYと比較され、前記波高値制御のみを実行するか、または前記波高値制御と前記半波導通制御とを組み合わせて実行するかを決定するために使用されるDUTY閾値を変更するDUTY閾値変更手段とを含む、請求項3に記載の定着装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置を含む画像形成装置。
- 定着ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、検出された前記温度と加熱目標温度とから、前記定着ヒータへ供給する電力量を計算する計算手段と、前記定着ヒータへ供給する電力を制御するために電圧を降下させ、前記定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動させるPWM駆動手段と、PWM駆動により生じるスイッチングノイズを除去するノイズフィルタとを含む定着装置の前記PWM駆動手段および前記ノイズフィルタが備えるコイルの発熱を抑制するための方法であって、
前記コイルの温度を検出するステップと、
検出されたコイル温度が温度閾値を超えるか否かを判定するステップと、
前記コイル温度が前記温度閾値以下と判定された場合、前記定着ヒータの温度制御周期内に、前記定着ヒータへ供給する電力の電圧波形または電流波形の波高値を、前記PWM駆動手段によって電圧降下およびPWM駆動させて制御する波高値制御を実行し前記定着ヒータへ通電するステップと、
前記コイル温度が前記温度閾値を超えると判定された場合、前記波高値制御と、電圧降下およびPWM駆動させない半波導通制御とを実行し前記定着ヒータへ通電するステップとを含む、方法。 - 定着ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、検出された前記温度と加熱目標温度とから、前記定着ヒータへ供給する電力量を計算する計算手段と、前記定着ヒータへ供給する電力を制御するために電圧を降下させ、前記定着ヒータをパルス幅変調(PWM)駆動させるPWM駆動手段と、PWM駆動により生じるスイッチングノイズを除去するノイズフィルタとを含む定着装置の前記PWM駆動手段および前記ノイズフィルタが備えるコイルの発熱を抑制するための方法であって、
前記計算された電力量から、PWM駆動させる場合に入力されるパルス波の周期に対するパルス幅の割合であるPWMDUTYを算出するステップと、
算出された前記PWMDUTYがDUTY閾値を超えるか否かを判定するステップと、
前記PWMDUTYが前記DUTY閾値以下と判定された場合、前記定着ヒータの温度制御周期内に、前記定着ヒータへ供給する電力の電圧波形または電流波形の波高値を、前記PWM駆動手段によって電圧降下およびPWM駆動させて制御する波高値制御を実行し前記定着ヒータへ通電するステップと、
前記PWMDUTYが前記DUTY閾値を超えると判定された場合、前記波高値制御と、電圧降下およびPWM駆動させない半波導通制御とを実行し前記定着ヒータへ通電するステップとを含む、方法。 - 前記温度制御周期は、商用電源の半周期の2以上の整数倍とされる、請求項10または11に記載の方法。
- 前記計算された電力量から、前記温度制御周期内における前記半波導通制御を実行すべき期間を算出し、前記期間から商用電源の半周期の数を算出するステップと、前記温度制御周期内において半周期分の前記半波導通制御を実行する時点を割り振るステップとを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記コイル温度が温度閾値に達しないように、前記波高値制御を停止し、前記半波導通制御へ移行するステップを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記コイル温度が温度閾値に達しないように、前記温度制御周期内において前記波高値制御から前記波高値制御と前記半波導通制御とを組み合わせた制御へと移行するステップを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記コイルの温度が温度閾値に達しないように、前記PWMDUTYと比較され、前記波高値制御のみを実行するか、または前記波高値制御と前記半波導通制御とを組み合わせて実行するかを決定するために使用されるDUTY閾値を変更するステップを含む、請求項11に記載の方法。
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JP2015038428A (ja) * | 2013-08-17 | 2015-02-26 | 株式会社リガク | 分析装置用炉体の温度制御装置及び熱分析装置 |
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2008
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