JP2009162407A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009162407A
JP2009162407A JP2007340517A JP2007340517A JP2009162407A JP 2009162407 A JP2009162407 A JP 2009162407A JP 2007340517 A JP2007340517 A JP 2007340517A JP 2007340517 A JP2007340517 A JP 2007340517A JP 2009162407 A JP2009162407 A JP 2009162407A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
temperature
intermediate pressure
pressure
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007340517A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Sakae
覚 阪江
Masaaki Takegami
雅章 竹上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2007340517A priority Critical patent/JP2009162407A/ja
Publication of JP2009162407A publication Critical patent/JP2009162407A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】高圧ドーム型圧縮機を備えた冷凍装置において、低流量領域でも圧縮機の出口ガス温度を高精度に制御すること。
【解決手段】過冷却熱交換器(28)で蒸発した冷媒が圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧縮室へ注入されるインジェクション管(37,37a,37b,37c)を備えている。圧縮機(21a,21b,21c)の吸入過熱度SHと高圧HPとの関係から圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度が推測される。その推測値が所定範囲となる圧縮機(21a,21b,21c)の目標中間圧MPが定められる。インジェクションされる冷媒の圧力が目標中間圧MPとなるように過冷却用膨張弁(29)の開度が調節される。
【選択図】図2

Description

本発明は、いわゆるエコノマイザシステムを備えた冷凍装置に関し、圧縮機の吐出ガス温度の制御に係るものである。
従来より、冷凍装置の冷媒として、冷凍・冷蔵の分野では例えば特許文献1に開示されるように吐出ガス温度の上がりにくいR404Aが用いられている。しかしながら、このR404Aは、他の代表的なHFC系冷媒に比べてGWP(地球温暖化係数)が高い、理論COPが悪い、高コスト、圧力損失が大きいなどの欠点を有しており、あまり優れた冷媒とはいえない。
これに対して、従来より空調の分野で広く用いられている高圧冷媒のR410Aは、上記R404Aに比べてGWPが低く、理論COPが良く、圧力損失が小さいなど、該R404Aに対して有利な点が多い。
特開2000−193328号公報
しかしながら、上記R410Aは、その物性からR404Aに比べて吐出ガス温度が高くなるため、冷凍・冷蔵分野で用いるためには吐出ガス温度(出口ガス温度)を確実に低減する対策を講じる必要がある。
出口ガス温度を低減する対策としては、例えば圧縮機の吸入側に液冷媒をインジェクション(いわゆる液インジェクション)するなどの湿り制御を行うことが考えられる。一般的に、この湿り制御では、圧縮機の吐出管の温度を検出してその温度に基づいてインジェクション量が調節される。ところが、吐出管が高圧ドームに接続されている高圧ドーム型の圧縮機の場合、高圧ドーム内の温度変化に対して吐出管の温度が遅れて変化する。そのため、実際よりも遅れたタイミングで湿り制御が行われるという問題があった。さらに、流量の少ない低循環量領域では、上述した吐出管温度の応答性の遅れが顕著になるため、出口ガス温度を高精度に制御することは困難であった。
また、上記湿り制御においては、圧縮機の吸入冷媒の過熱度(吸入過熱度)と吐出圧力(高圧)を用いて出口ガス温度を推測し、その推測値に基づいてインジェクション量を調節する方法も行われている。ところが、この場合は、圧縮機の吸入側を液インジェクションによって湿らせると、正確な吸入過熱度を設定しづらくなり、正確な出口ガス温度を推測することが困難となる。その結果、出口ガス温度を高精度に制御することが困難となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧ドーム型の圧縮機を備えた冷凍装置において、低流量領域でも圧縮機の出口ガス温度を精度良く制御することである。
第1の発明は、高圧ドーム型の圧縮機(21a,21b,21c)と、熱源側熱交換器(25)と、利用側熱交換器(53)とが接続された冷媒回路(10)を備えた冷凍装置を前提としている。そして、本発明の冷凍装置は、上記圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧縮室にガス冷媒をインジェクションするインジェクション回路(37,37a,37b,37c)と、上記圧縮機(21a,21b,21c)の吸入冷媒の過熱度と吐出圧力とに基づいて該圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度を推測し、その推測値(第1推測値Tpa)が所定範囲内となるように上記インジェクション回路(37,37a,37b,37c)のインジェクション量を調節する制御手段(80)とを備えているものである。
上記の発明では、インジェクション回路(37,37a,37b,37c)によって圧縮機(21a,21b,21c)の圧縮室に中間圧冷媒がインジェクションされる。この中間圧冷媒の温度は、圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度よりも低い。したがって、圧縮機(21a,21b,21c)に中間圧冷媒がインジェクションされると、出口ガス温度が低下する。このように、本発明の冷媒回路(10)はいわゆるエコノマイザシステム(エコノマイザ回路)を有している。
そして、本発明の冷凍装置では、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入冷媒の過熱度および吐出圧力から出口ガス温度の第1推測値Tpaが推測される。この第1推測値Tpaは、予め吸入冷媒の過熱度および吐出圧力との関係から定められた値である。つまり、実際の出口ガス温度に即した値として第1推測値Tpaが設定される。そして、その第1推測値Tpaが所定範囲内となるようにインジェクション回路(37,37a,37b,37c)のインジェクション量が調節される。つまり、第1推測値Tpaが所定範囲よりも下回っている場合は、実際の出口ガス温度が低すぎると判断してインジェクション量が減少される。これにより、出口ガス温度が上昇する。逆に、第1推測値Tpaが所定範囲よりも上回っている場合は、実際の出口ガス温度が高すぎると判断してインジェクション量が増大される。これにより、出口ガス温度が低下する。
第2の発明は、上記第1の発明において、過冷却用膨張弁(29)が設けられ、上記冷媒回路(10)の液管(32,33)の液冷媒が分岐して流れる分岐管(34)と、上記液管(32,33)に設けられると共に上記分岐管(34)の分岐冷媒が流入し、該分岐冷媒によって上記液管(32,33)の液冷媒を過冷却するように構成された過冷却熱交換器(28)とを備えているものである。一方、上記インジェクション回路(37,37a,37b,37c)は、上記過冷却熱交換器(28)に接続され、過冷却後の分岐冷媒がインジェクション用の冷媒として流入するように構成され、上記制御手段(80)は、上記過冷却用膨張弁(29)の開度を制御することによって上記インジェクション回路(37,37a,37b,37c)のインジェクション量を調節するように構成されているものである。
上記の発明では、熱源側熱交換器(25)で凝縮した液冷媒が液管(32,33)を介して利用側熱交換器(53)へ流れて蒸発する。ところで、液管(32,33)を流れる液冷媒の一部(分岐冷媒)は、分岐管(34)へ流れて過冷却用膨張弁(29)によって減圧される。減圧された分岐冷媒は、過冷却熱交換器(28)で液管(32,33)の液冷媒と熱交換して蒸発する。これにより、液管(32,33)の液冷媒が過冷却される。過冷却された液冷媒は利用側熱交換器(53)へ流れて蒸発する。ここで、利用側熱交換器(53)へ流れる冷媒の流量は減少するが、過冷却されている分冷媒の熱量が増大している。したがって、利用側熱交換器(53)における冷媒の蒸発能力(冷却能力)が低下することはない。
過冷却熱交換器(28)で蒸発した分岐冷媒は、インジェクション回路(37,37a,37b,37c)を通じて圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧縮室へインジェクションされる。このインジェクション量は過冷却用膨張弁(29)の開度制御によって調節される。つまり、過冷却用膨張弁(29)の開度が大きくなるとインジェクション量が増大し、逆に過冷却用膨張弁(29)の開度が小さくなるとインジェクション量が減少する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記過冷却用膨張弁(29)を通過した後の上記分岐管(34)の分岐冷媒の圧力を検出する圧力検出手段(71)を備えている。そして、上記制御手段(80)は、上記出口ガス温度の第1推測値Tpaが所定範囲内となる上記圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の目標値(目標中間圧MP)を定め、上記圧力検出手段(71)の検出値が上記目標中間圧MPとなるように上記過冷却用膨張弁(29)の開度を制御するものである。
上記の発明では、分岐管(34)において過冷却用膨張弁(29)で減圧された後の分岐冷媒の圧力が圧力検出手段(71)によって検出される。この検出圧力は、圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧に相当する。そして、本発明の冷凍装置では、圧力検出手段(71)の検出圧力が目標中間圧MPとなるように過冷却用膨張弁(29)が開度制御される。
具体的には、圧力検出手段(71)の検出圧力が目標中間圧MPよりも低い場合、過冷却用膨張弁(29)の開度が増大される。これにより、圧力検出手段(71)の検出圧力が上昇すると共にインジェクション量が増大する。よって、出口ガス温度が低下する。つまり、この制御は、第1推測値Tpaが所定範囲よりも高い場合に行われる。逆に、圧力検出手段(71)の検出圧力が目標中間圧MPよりも高い場合、過冷却用膨張弁(29)の開度が減少される。これにより、圧力検出手段(71)の検出圧力が低下すると共にインジェクション量が減少する。よって、出口ガス温度が上昇する。つまり、この制御は、第1推測値Tpaが所定範囲よりも低い場合に行われる。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記分岐管(34)の過冷却用膨張弁(29)を通過した後であって過冷却前の分岐冷媒の温度を検出する温度検出手段(69)を備えている。そして、上記制御手段(80)は、上記出口ガス温度の第1推測値Tpaが所定範囲内となる上記圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧力相当飽和温度(目標中間圧力相当飽和温度Tm)を定め、上記温度検出手段(69)の検出値が上記目標中間圧力相当飽和温度Tmとなるように上記過冷却用膨張弁(29)の開度を制御するものである。
上記の発明では、出口ガス温度の第1推測値Tpaが所定範囲となる圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧が定められ、その中間圧の圧力相当飽和温度が目標値(目標中間圧力相当飽和温度Tm)として定められる。そして、本発明の冷凍装置では、温度検出手段(69)の検出温度が目標中間圧力相当飽和温度Tmとなるように過冷却用膨張弁(29)が開度制御される。
具体的には、温度検出手段(69)の検出温度が目標中間圧力相当飽和温度Tmよりも低い場合、過冷却用膨張弁(29)の開度が増大される。これにより、温度検出手段(69)の検出温度が上昇すると共にインジェクション量が増大する。よって、出口ガス温度が低下する。つまり、この制御は、第1推測値Tpaが所定範囲よりも高い場合に行われる。逆に、温度検出手段(69)の検出温度が目標中間圧力相当飽和温度Tmよりも高い場合、過冷却用膨張弁(29)の開度が減少される。これにより、温度検出手段(69)の検出温度が低下すると共にインジェクション量が減少する。よって、出口ガス温度が上昇する。つまり、この制御は、第1推測値Tpaが所定範囲よりも低い場合に行われる。
第5の発明は、上記第3または第4の発明において、上記圧縮機(21a,21b,21c)の高圧ドーム内の冷媒の温度を検出する温度検出手段(66)を備えている。そして、上記制御手段(80)は、上記温度検出手段(66)の検出値に基づいて上記出口ガス温度を推測し、その推測値(第2推測値Tpb)を加味して上記目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを補正するものである。
上記の発明では、圧縮機(21a,21b,21c)において圧縮機構からケーシング内へ吐出されたガス冷媒の温度が温度検出手段(66)によって検出される。その検出温度に基づいて出口ガス温度の第2推測値Tpbが推測される。つまり、第2推測値Tpbは、温度検出手段(66)の検出誤差等はあっても、実際の出口ガス温度に一層即した推測値となる。そして、本発明の冷凍装置では、第2推測値Tpbも考慮されて、目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmが補正される。その補正後の目標中間圧MP等に基づいて過冷却用膨張弁(29)の開度が調節される。
第6の発明は、上記第5の発明において、上記制御手段(80)は、上記第2推測値Tpbに基づいて算出した上記圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒の過熱度が所定値よりも低い場合、上記目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを減少させる補正をし、上記吐出冷媒の過熱度が上記所定値以上の場合で且つ上記第1推測値Tpaおよび第2推測値Tpbのうち大きい方の推測値が所定値よりも大きい場合、上記目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを増加させる補正をするものである。
上記の発明では、より実際の出口ガス温度に即した第2推測値Tpbおよび圧縮機(21a,21b,21c)の吐出圧力から吐出冷媒の過熱度が算出される。そして、吐出冷媒の過熱度が所定値よりも低いと、出口ガス温度はそれ程高くない(即ち、所定範囲よりも低い)と判断して、インジェクション量が減少するように目標中間圧MP等を減少させる。これにより、出口ガス温度が上昇する。また、吐出冷媒の過熱度が上記所定値以上であって且つ第1推測値Tpaおよび第2推測値Tpbの大きい方が所定値よりも大きいと、出口ガス温度は高い(即ち、所定範囲よりも高い)と判断して、インジェクション量が増大するように目標中間圧MP等を増大させる。これにより、出口ガス温度が低下する。
以上のように、本発明によれば、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入冷媒の過熱度等から出口ガス温度を推測し、その推測値(第1推測値Tpa)が所定範囲となるように圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧縮室へのインジェクション量を調節するようにした。したがって、従来の吐出管温度とは異なり出口ガス温度の推測値に基づいて制御するため、出口ガス温度の変化に対する応答遅れをなくすことができる。その結果、低流量領域においても出口ガス温度を高精度に制御することができる。
また、出口ガス温度の推測値は、吸入冷媒の過熱度および吐出圧力との関係に基づいて定めている。ここで、圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧縮室にインジェクションしているので、吸入側にインジェクションする場合に比べて、吸入冷媒の過熱度の検出精度が高くなる。したがって、出口ガス温度の推測値の正確性が高くなり、一層高精度に出口ガス温度を制御することができる。
また、第2の発明によれば、過冷却熱交換器(28)における過冷却後の蒸発した分岐冷媒を利用して中間圧縮室へインジェクションしている。したがって、簡易な構成にも拘わらず、過冷却により冷媒の熱量を稼ぐと共にインジェクションにより出口ガス温度の制御も行うことができる。そして、過冷却用膨張弁(29)の開度制御によりインジェクション量を調節するため、容易に出口ガス温度を制御することができる。
また、第3の発明によれば、出口ガス温度の第1推測値Tpaに基づいて目標中間圧MPを定め、第4の発明によれば、出口ガス温度の第1推測値Tpaに基づいて目標中間圧力相当飽和温度Tmを定め、これらを制御目標として過冷却用膨張弁(29)の開度を制御するようにした。したがって、過冷却用膨張弁(29)の開度を確実に且つ正確に調節することができる。よって、一層高精度に出口ガス温度を制御することができる。
また、第5の発明によれば、高圧ドーム内の冷媒温度を検出し、その検出温度に基づいて推測した出口ガス温度の第2推測値Tpbを加味して目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを補正するようにした。実際の出口ガス温度に一層即した第2推測値Tpbに基づいて目標中間圧MP等を減少または増加させるので、これら目標中間圧MP等の正確性が高められる。これにより、出口ガス温度をより高精度に制御することができる。
また、第6の発明によれば、目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmの補正(増減)について具体的な基準を定めるようにしたので、確実に目標中間圧MP等を補正することができる。これにより、出口ガス温度の高精度制御を確実に構築することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈全体構成〉
図1に示すように、本実施形態の冷凍装置(1)は、1台の庫外ユニット(2)と、該庫外ユニット(2)に並列接続された2台の庫内ユニット(3)と、コントローラ(80)とを備えている。この冷凍装置(1)は、庫外ユニット(2)と庫内ユニット(3)とが液側連絡配管(14)とガス側連絡配管(15)によって接続されたいわゆるセパレートタイプのもので、冷蔵倉庫内を冷却するものである。
上記庫外ユニット(2)には庫外回路(20)が、各庫内ユニット(3)には庫内回路(50)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(1)では、庫外回路(20)に対して各庫内回路(50)が上述した連絡配管(14,15)で接続されることによって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を構成している。本実施形態では、冷媒回路(10)にR410Aの冷媒が充填されている。
上記庫外回路(20)の端部には、それぞれ閉鎖弁(11,12)が設けられている。一方の閉鎖弁(11)には、液側連絡配管(14)の一端が接続されている。この液側連絡配管(14)の他端は、2つに分岐して各庫内回路(50)の液側端に接続されている。他方の閉鎖弁(12)には、ガス側連絡配管(15)の一端が接続されている。このガス側連絡配管(15)の他端は、2つに分岐して各庫内回路(50)のガス側端に接続されている。
〈庫外ユニット〉
上記庫外ユニット(2)の庫外回路(20)には、3台の圧縮機(21a,21b,21c)、四路切換弁(24)、庫外熱交換器(25)、レシーバ(27)、過冷却熱交換器(28)、過冷却用膨張弁(29)および庫外膨張弁(31)が設けられている。
上記3台の圧縮機(21a,21b,21c)は、可変容量圧縮機(21a)、第1固定容量圧縮機(21b)および第2固定容量圧縮機(21c)であり、互いに並列に接続されている。これら圧縮機(21a,21b,21c)は、何れも全密閉式高圧ドーム型のスクロール圧縮機により構成されている。つまり、各圧縮機(21a,21b,21c)は、図示しないが、スクロール型圧縮機構およびそれを駆動するための電動機が主としてケーシング内に収納されている。そして、各圧縮機(21a,21b,21c)では、後述する吸入管(23a,23b,23c)から直接圧縮機構の圧縮室へ流入した吸入冷媒が圧縮された後、一旦ケーシングの内部空間へ吐出されてから後述する吐出管(22a,22b,22c)へ流出する。可変容量圧縮機(21a)は、インバータの出力周波数を変化させることで電動機の回転数が変化し、その容量が可変となっている。第1固定容量圧縮機(21b)および第2固定容量圧縮機(21c)は、電動機が常に一定の回転数で運転され、その容量が変更不能となっている。
上記各圧縮機(21a,21b,21c)の吐出側には、それぞれ吐出管(22a,22b,22c)が接続されている。各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ逆止弁(CV)が設けられている。これらの吐出管(22a,22b,22c)は、吐出合流管(22)を介して四路切換弁(24)の第1ポートに接続されている。上記の逆止弁(CV)は、各圧縮機(21a,21b,21c)から吐出合流管(22)へ向かう冷媒の流れのみを許容する弁である。
上記各圧縮機(21a,21b,21c)の吸入側には、それぞれ吸入管(23a,23b,23c)が接続されている。これらの吸入管(23a,23b,23c)は、吸入合流管(23)を介して四路切換弁(24)の第2ポートに接続されている。
上記四路切換弁(24)の第3ポートには庫外熱交換器(25)の一端(ガス側端)が、四路切換弁(24)の第4ポートには閉鎖弁(12)がそれぞれ接続されている。この四路切換弁(24)は、第1ポートと第3ポートが互いに連通し且つ第2ポートと第4ポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが互いに連通し且つ第2ポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記庫外熱交換器(25)の他端(液側端)は、第1液管(32)を介してレシーバ(27)の頂部に接続されている。庫外熱交換器(25)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、熱源側熱交換器を構成している。庫外熱交換器(25)の近傍には、庫外ファン(26)が設けられている。そして、庫外熱交換器(25)は、冷媒が庫外ファン(26)によって送られた庫外空気と熱交換するように構成されている。第1液管(32)には、レシーバ(27)へ向かう方向への冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV)が設けられている。
上記過冷却熱交換器(28)は、高圧側流路(28a)と低圧側流路(28b)を備えている。高圧側流路(28a)の流入端は、レシーバ(27)の底部に接続されている。また、高圧側流路(28a)の流出端は、第2液管(33)を介して閉鎖弁(11)に接続されている。第2液管(33)には、閉鎖弁(11)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV)が設けられている。一方、低圧側流路(28b)の流入端は、本発明に係る分岐管である第1分岐管(34)を介して第2液管(33)に接続されている。第1分岐管(34)は、第2液管(33)における逆止弁(CV)の上流側から分岐している。第1分岐管(34)には、過冷却用膨張弁(29)が設けられている。この過冷却用膨張弁(29)は、開度可変な電子膨張弁により構成されている。低圧側流路(28b)の流出端には、インジェクション管(37)の一端(流入端)が接続されている。この過冷却熱交換器(28)は、例えばプレート型熱交換器であり、高圧側流路(28a)および低圧側流路(28b)を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。
上記インジェクション管(37)の他端(流出端)は、3つの分岐インジェクション管(37a,37b,37c)に分岐している。これら3つの分岐インジェクション管(37a,37b,37c)は、それぞれ各圧縮機(21a,21b,21c)に接続され、中間圧の圧縮室に連通している。つまり、これらインジェクション管(37,37a,37b,37c)は、過冷却熱交換器(28)から各圧縮機(21a,21b,21c)の圧縮機構における中間圧の圧縮室へガス冷媒を注入するインジェクション回路を構成している。そして、これらの構成がいわゆるエコノマイザシステムとして構成されている。なお、固定容量圧縮機(21b,21c)に接続される分岐インジェクション管(37b,37c)には、圧縮機(21b,21c)側から順に逆止弁(CV)および電磁弁(SV)がそれぞれ設けられている。
上記レシーバ(27)は、上述したように庫外熱交換器(25)と過冷却熱交換器(28)との間に配置され、庫外熱交換器(25)で凝縮した高圧冷媒を一時的に貯留できるようになっている。また、レシーバ(27)の頂部には、電磁弁(SV)を有するガス抜き管(41)の一端が接続されている。ガス抜き管(41)の他端は、インジェクション管(37)の途中に接続されている。このガス抜き管(41)は、電磁弁(SV)を開状態とすることで、レシーバ(27)からインジェクション管(37)へガス冷媒が流れる。
上記第2液管(33)における逆止弁(CV)と閉鎖弁(11)の間には、第2分岐管(35)の一端が接続されている。第2分岐管(35)の他端は、第1液管(32)における逆止弁(CV)の下流側に接続されている。第2分岐管(28)には、第1液管(32)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV)が設けられている。また、第1液管(32)と第2液管(33)との間には、レシーバ(27)および過冷却熱交換器(28)をバイパスする第3分岐管(36)が接続されている。つまり、第3分岐管(36)の一端は第1液管(32)における逆止弁(CV)の上流側に接続され、他端は第2液管(33)における第1分岐管(34)の接続部よりも上流側に接続されている。この第3分岐管(36)には、庫外膨張弁(31)が設けられている。庫外膨張弁(31)は、開度が調節可能な電子膨張弁であり、熱源側膨張弁を構成している。
上記各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ逆止弁(CV)の上流側に油分離器(38a,38b,38c)が設けられている。油分離器(38a,38b,38c)は、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。そして、各油分離器(38a,38b,38c)には、それぞれ油戻し管(39a,39b,39c)が接続されている。これら3つの油戻し管(39a,39b,39c)は、油戻し合流管(39)の一端(流入端)に合流している。油戻し合流管(39)の他端(流出端)は、インジェクション管(37)におけるガス抜き管(41)の接続部に接続されている。つまり、油戻し合流管(39)は、各圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室に連通している。また、可変容量圧縮機(21a)に対応する油戻し管(39a)には、キャピラリチューブ(CP)が設けられている。固定容量圧縮機(21b,21c)に対応する各油戻し管(39b,39c)には、油分離器(38b,38c)側から逆止弁(CV)およびキャピラリチューブ(CP)が順に設けられている。これら逆止弁(CV)は、油戻し合流管(39)へ向かう冷凍機油の流れのみを許容する弁である。
上記各油戻し管(39a,39b,39c)および油戻し合流管(39)は、各油分離器(38a,38b,38c)で分離された冷凍機油を各圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へ戻す油戻し通路を構成している。このように、油分離器(38a,38b,38c)からの冷凍機油は、吸入管(23a,23b,23c)ではなく中間圧の圧縮室へ戻されるため、低圧冷媒によって冷却されて粘度が上昇するようなことはない。
上記庫外回路(20)には、各種センサや圧力スイッチが設けられている。具体的に、各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ吐出管温度センサ(61)と高圧圧力スイッチ(62)が設けられている。吐出管温度センサ(61)は吐出管(22a,22b,22c)の温度を検出するものであり、高圧圧力スイッチ(62)は吐出圧力を検出して異常高圧時には冷凍装置(1)を緊急停止させるものである。吸入合流管(23)には、該吸入合流管(23)の温度を検出するための吸入管温度センサ(63)が設けられている。各吐出管(22a,22b,22c)の合流箇所(即ち、吐出合流管(22)の流入端)には、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出圧力を検出するための吐出圧力センサ(64)が設けられている。各吸入管(23a,23b,23c)の合流箇所には、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入圧力を検出するための吸入圧力センサ(65)が設けられている。庫外ファン(26)の近傍には、外気温度を検出するための外気温センサ(67)が設けられている。
また、上記第2液管(33)には、第1液温度センサ(68)が設けられている。第1分岐管(34)における過冷却用膨張弁(29)の下流側には、第2液温度センサ(69)と液圧力センサ(71)が設けられている。各液温度センサ(68,69)は、液冷媒の温度を検出するものである。液圧力センサ(71)は、冷媒の圧力を検出するものである。
さらに、本実施形態では、各圧縮機(21a,21b,21c)のケーシング内にそれぞれ吐出ガス温度センサ(66)が設けられている。この吐出ガス温度センサ(66)は、圧縮機構からケーシングの内部空間へ吐出された直後、即ち圧縮機構から吐出されて電動機の隙間を流通する前のガス冷媒の温度を検出するものである。
〈庫内ユニット〉
上記2つの庫内ユニット(3)は同様に構成されている。各庫内ユニット(3)には、庫内回路(50)が設けられている。庫内回路(50)は、液側端からガス側端へ向かって順に、加熱用配管(51)、庫内膨張弁(52)および庫内熱交換器(53)が設けられている。
上記庫内膨張弁(52)は、開度が調節可能な電子膨張弁であり、利用側膨張弁を構成している。庫内熱交換器(53)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、利用側熱交換器を構成している。庫内熱交換器(53)の近傍には、庫内ファン(54)が設けられている。そして、庫内熱交換器(53)は、冷媒が庫内ファン(54)によって送られた庫内空気と熱交換するように構成されている。
また、上記庫内熱交換器(53)の下方には、加熱用配管(51)が配設されたドレンパン(55)が設けられている。このドレンパン(55)は、庫内熱交換器(53)から滴下する結露水を回収するものである。ドレンパン(55)では、結露水が凍結して生成される氷塊を加熱用配管(51)を流通する冷媒の熱を利用して融解する。
また、上記庫内回路(50)には、3つの温度センサが設けられている。具体的に、庫内熱交換器(53)の伝熱管には、冷媒の蒸発温度を検出するための蒸発温度センサ(72)が設けられている。庫内回路(50)におけるガス側端の近傍には、ガス冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサ(73)が設けられている。庫内ファン(54)の近傍には、庫内の温度を検出するための庫内温度センサ(74)が設けられている。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(80)は、圧縮機(21a,21b,21c)およびファン(26,54)の駆動制御を行うと共に、各種の弁(24,29,31,52,SV)の切換や開度調節を行い、冷凍装置(1)の運転を制御するものである。また、コントローラ(80)は、上述した各センサ(61〜69,71〜74)および高圧圧力スイッチ(62)の検出値が入力され、本発明に係る制御手段を構成している。
そして、上記コントローラ(80)は、本発明の特徴として、各圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧(即ち、インジェクション管(37)を流れる冷媒の圧力)を制御して、各圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度を制御するように構成されている。ここでいう、圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度は、圧縮機構の吐出口からケーシング内へ吐出された直後のガス冷媒の温度である。このコントローラ(80)の具体的な制御動作については後述する。
−運転動作−
以下に、上記冷凍装置(1)の運転動作について説明する。冷凍装置(1)は、冷蔵倉庫内を所定温度(例えば、5℃)に維持する冷却運転を行うように構成されている。3台の圧縮機(21a,21b,21c)のうち少なくとも1台が運転されて、各庫内ユニット(3)で庫内の冷却が行われる。
〈冷却運転〉
この冷却運転では、3台の圧縮機(21a,21b,21c)のうち少なくとも1台が駆動されて、各庫内ユニット(3)で庫内が冷却される。ここでは、3台全ての圧縮機(21a,21b,21c)を駆動する場合について説明する。また、この冷却運転において、四路切換弁(24)は第1状態に設定される。また、過冷却用膨張弁(29)および庫内膨張弁(52)の開度が適宜調節される一方、庫外膨張弁(31)が全閉状態に設定される。各電磁弁(SV)は、運転状態に応じて開閉される。
この冷却運転では、冷媒回路(10)において、庫外熱交換器(25)が凝縮器として機能し且つ各庫内熱交換器(53)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。つまり、3台の圧縮機(21a,21b,21c)が駆動されると、冷媒回路(10)において図2に示す実線の矢印の方向に冷媒が流れる。
具体的に、各圧縮機(21a,21b,21c)では、圧縮機構で圧縮された高温高圧のガス冷媒がケーシング内へ吐出される。この吐出されたガス冷媒は、電動機等の隙間を通って吐出管(22a,22b,22c)へ流出する。各吐出管(22a,22b,22c)のガス冷媒は、吐出合流管(22)に流入する。その際、各油分離器(38a,38b,38c)では、流入した吐出冷媒から冷凍機油が分離されて貯留する。各油分離器(38a,38b,38c)に貯留された冷凍機油は、各油戻し管(39a,39b,39c)および油戻し合流管(39)を通ってインジェクション管(37)へ流入する。
吐出合流管(22)に流入した冷媒は、四路切換弁(24)を介して庫外熱交換器(25)へ流入する。庫外熱交換器(25)では、冷媒が庫外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、第1液管(32)、レシーバ(27)および過冷却熱交換器(28)の高圧側流路(28a)を順に介して第2液管(33)へ流入する。第2液管(33)に流入した冷媒は、一部が第1分岐管(34)へ流れ、残りが液側連絡配管(14)へ流れる。
第1分岐管(34)へ流れた冷媒(分岐冷媒)は、過冷却用膨張弁(29)で減圧された後、過冷却熱交換器(28)の低圧側流路(28b)へ流入する。過冷却熱交換器(28)では、高圧側流路(28a)の冷媒と低圧側流路(28b)の冷媒(分岐冷媒)とが熱交換する。これにより、高圧側流路(28a)の冷媒が過冷却される一方、低圧側流路(28b)の冷媒が蒸発する。低圧側流路(28b)で蒸発したガス冷媒は、インジェクション管(37)へ流れる。したがって、液側連絡配管(14)へは、過冷却熱交換器(28)で過冷却された液冷媒が流入することとなる。
このように、庫外熱交換器(25)で凝縮した冷媒の一部がインジェクション管(37)へ流れるため、液側連絡配管(14)へ流入する冷媒の流量が減少する。ところが、その液側連絡配管(14)へ流入する液冷媒は過冷却された分その熱量が増大しているので、後述する庫内熱交換器(53)における冷却能力が減少することはない。
液側連絡配管(14)へ流れた冷媒は、各庫内回路(50)へ分流する。庫内回路(50)へ流入した冷媒は、加熱用配管(51)を流通する。その際、ドレンパン(55)では、加熱用配管(51)を流れる冷媒によって結露水が凍結した氷塊が加熱用配管(51)の冷媒によって融解される。これにより、加熱用配管(51)を流れる冷媒がさらに過冷却される。加熱用配管(51)を流出した冷媒は、庫内膨張弁(52)で減圧された後、庫内熱交換器(53)へ流入する。庫内熱交換器(53)では、冷媒が庫内空気と熱交換して蒸発する。これにより、庫内空気が冷却される。
各庫内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡配管(15)を介して再び庫外回路(20)へ流入する。庫外回路(20)へ流入した冷媒は、四路切換弁(24)を介して吸入合流管(23)へ流れ、吸入管(23a,23b,23c)から各圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入される。圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入された冷媒は、圧縮された後再び吐出され、この循環が繰り返される。
一方、インジェクション管(37)へ流れたガス冷媒は、油戻し合流管(39)から流入した冷凍機油と共に、各分岐インジェクション管(37a,37b,37c)を経て各圧縮機(21a,21b,21c)の圧縮機構における中間圧の圧縮室へ流入する。つまり、ガス冷媒と冷凍機油が中間圧の圧縮室へインジェクションされる。このガス冷媒のインジェクション量は、過冷却用膨張弁(29)の開度によって調節される。このように、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒の温度よりも低いガス冷媒がインジェクションされることで、圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度が低下することとなる。
〈コントローラの動作〉
コントローラ(80)は、本発明の特徴として、図3および図4に示すフローに基づいて各圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧を制御して、各圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度を所定範囲内に制御する。
先ず、図3のフローがスタートすると、ステップS1において、現在の出口ガス温度の推測値として第1推測値Tpaが求められる。具体的には、吸入管温度センサ(63)の検出値(以下、吸入管温度という。)と、吸入圧力センサ(65)の検出値(以下、低圧LPという。)とから、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入冷媒の過熱度(以下、吸入過熱度SH(吸入スーパーヒート)という。)が求められる。そして、吸入過熱度SHおよび吐出圧力センサ(64)の検出値(以下、高圧HPという。)との関係について予め入力された関数またはテーブルから第1推測値Tpaが求められる。
続いて、ステップS2では、第1推測値Tpaに基づいて中間圧(圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧)の目標値として目標中間圧MPが決定される。この目標中間圧MPは、第1推測値Tpaが設定範囲内となるための中間圧の目標値であり、第1推測値Tpaとの関係について予め入力された関数やテーブルから求められる。つまり、目標中間圧MPは、圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度が所定範囲内におさまるであろう中間圧の制御目標値である。
なお、このステップS2では、目標中間圧MPの代わりに、目標中間圧力相当飽和温度Tm若しくは過冷却用膨張弁(29)のパルスPlsを決定するようにしてもよい。目標中間圧力相当飽和温度Tmは、目標中間圧MPに対する圧力相当飽和温度である。過冷却用膨張弁(29)のパルスPlsは、開度を定めるための指令値であり、その値が大きいほど開度が大きくなる。このパルスPlsは、目標中間圧MPに対応して予め設定されている。
目標中間圧MPが決定されると、ステップS3に移行して、液圧力センサ(71)の検出値(圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧に相当)が目標中間圧MPとなるように過冷却用膨張弁(29)の開度が制御される。具体的には、液圧力センサ(71)の検出値が目標中間圧MPよりも低い場合、過冷却用膨張弁(29)のパルスPlsが増大されて開度が大きくなる。そうすると、液圧力センサ(71)の検出値が目標中間圧MPに向かって上昇する。これにより、圧縮機(21a,21b,21c)において、中間圧の圧縮室に対するガス冷媒のインジェクション量が増大するため、出口ガス温度が低下して所定範囲内となる。逆に、液圧力センサ(71)の検出値が目標中間圧MPよりも高い場合、過冷却用膨張弁(29)のパルスPlsが減少されて開度が小さくなる。そうすると、液圧力センサ(71)の検出値が目標中間圧MPに向かって低下する。これにより、圧縮機(21a,21b,21c)において、中間圧の圧縮室に対するガス冷媒のインジェクション量が減少するため、出口ガス温度が上昇して所定範囲内となる。
なお、ステップS2で目標中間圧力相当飽和温度Tmを決定した場合、第2液温度センサ(69)の検出値(圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧冷媒の温度に相当)が目標中間圧力相当飽和温度Tmとなるように過冷却用膨張弁(29)の開度が制御される。具体的には、第2液温度センサ(69)の検出値が目標中間圧力相当飽和温度Tmよりも低い場合、過冷却用膨張弁(29)の開度が増大される。そうすると、第2液温度センサ(69)の検出値が目標中間圧力相当飽和温度Tmに向かって上昇する。逆に、第2液温度センサ(69)の検出値が目標中間圧力相当飽和温度Tmよりも高い場合、過冷却用膨張弁(29)の開度が減少される。そうすると、第2液温度センサ(69)の検出値が目標中間圧力相当飽和温度Tmに向かって低下する。また、ステップS2で過冷却用膨張弁(29)のパルスPlsを決定した場合、そのパルスPlsに応じて過冷却用膨張弁(29)の開度が設定される。
続いて、ステップS4では、ステップS2で決定された目標中間圧MP(または、目標中間圧力相当飽和温度Tm若しくは過冷却用膨張弁(29)のパルスPls)が補正される。詳細な補正内容については後述する。
目標中間圧MPが補正されると、ステップS5に移行して、過冷却用膨張弁(29)の開度が再度制御される。つまり、液圧力センサ(71)の検出値が補正後の目標中間圧MPとなるように、過冷却用膨張弁(29)の開度が制御される。その結果、圧縮機(21a,21b,21c)において、中間圧の圧縮室に対するガス冷媒のインジェクション量が微調整され、出口ガス温度がより確実に所定範囲内となる。以上により、コントローラ(80)の制御が終了する。
次に、ステップS4における目標中間圧MPの補正について、図4のフローを参照しながら説明する。
ステップS4に移行して補正のフローがスタートすると、先ず、ステップS11において、出口ガス温度の第2の推測値(以下、第2推測値Tpbという。)が求められる。具体的には、吐出ガス温度センサ(66)の検出値との関係について予め入力された関数やテーブルから出口ガス温度の第2推測値Tpb(第2推測値Tpb1〜第2推測値Tpb3)が求められる。ここで、上記関数やテーブルは低圧LPの値によって異なる。本実施形態では、低圧LP<1.0kgfの場合(第2推測値Tpb1)と、1.0kgf≦低圧LP<5.0kgfの場合(第2推測値Tpb2)と、5.0kgf≦低圧LPの場合(第2推測値Tpb3)とで異なる3種類の関数等が入力されている。つまり、このステップS11では、吐出ガス温度センサ(66)の検出値から出口ガス温度を推測している。このように、出口ガス温度を直に検出しその検出誤差等を考慮して推測しているため、第2推測値Tpbは、第1推測値Tpaに比べて実際の出口ガス温度に一層即した値となる。
続くステップS12では、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒の過熱度(以下、吐出過熱度TpaSH(吐出スーパーヒート)という。)が所定値T1より低いか否かが判定される。なお、吐出過熱度TpaSHは、高圧HPと第1推測値Tpaとに基づいて求めることができる。また、上記所定値T1は、低圧LPの値によって異なる。本実施形態では、低圧LP<1.0kgfの場合は所定値T1が30℃に設定され、1.0kgf≦低圧LP<5.0kgfの場合は所定値T1が20℃に設定され、5.0kgf≦低圧LPの場合は所定値T1が10℃に設定されている。つまり、低圧LPが低いほど、所定値T1が高く設定されている。
ステップS12において、吐出過熱度TpaSHが所定値T1よりも低いと、ステップS13へ移行する。ステップS13では、ステップS2で決定した目標中間圧MP(または、目標中間圧力相当飽和温度Tm若しくは過冷却用膨張弁(29)のパルスPls)が所定量だけ減少される。その後、補正のフローが終了する。つまり、このステップS13では、吐出過熱度TpaSHが低すぎると出口ガス温度も低いと予測して、圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へのインジェクション量を減少させるようにしている。これにより、出口ガス温度が上昇してより確実に所定範囲内におさまる。
一方、ステップS12において、吐出過熱度TpaSHが所定値T1以上であると、ステップS14へ移行する。ステップS14では、第1推測値Tpaおよび第2推測値Tpbのうち高い方の推測値が所定値T2(本実施形態では、130℃)より高いか否かが判定され、所定値T2より高いとステップS15へ移行する。逆に、高い方の推測値が所定値T2以下の場合は、そのまま補正のフローが終了する。つまり、この場合、目標中間圧MPは補正されない。
ステップS15では、ステップS2で決定した目標中間圧MP(または、目標中間圧力相当飽和温度Tm若しくは過冷却用膨張弁(29)のパルスPls)が所定量だけ増加される。その後、補正のフローが終了する。つまり、このステップS15では、出口ガス温度の推測値(第1推測値Tpaまたは第2推測値Tpb)が高すぎると実際の出口ガス温度も高いと予測して、圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へのインジェクション量を増大させるようにしている。これにより、出口ガス温度が低下してより確実に所定範囲内におさまる。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、いわゆるエコノマイザシステムを備えた冷媒回路(10)において、出口ガス温度を推測しその推測値が所定範囲となる中間圧の目標値(目標中間圧MP)を定め、その目標値に向かって中間圧を制御するようにした。つまり、中間圧のインジェクション量を調節して、出口ガス温度を制御するようにした。したがって、出口ガス温度の推測値に基づいてインジェクション量を調節するため、従来の吐出管温度に基づいて制御する場合に比べて、出口ガス温度の変化に対する応答遅れをなくすことができる。その結果、低流量領域においても出口ガス温度を高精度に制御することができる。
また、本実施形態では、吸入過熱度SHおよび高圧HPとの関係に基づいて出口ガス温度(第1推測値Tpa)を推測している。ここで、圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧縮室にインジェクションしているので、吸入側にインジェクションする場合に比べて、吸入過熱度SHの検出精度が高い。よって、出口ガス温度の第1推測値Tpa引いては目標中間圧MPの正確性が高くなり、一層高精度に出口ガス温度を制御することができる。
さらに、本実施形態では、吐出ガス温度センサ(66)によって出口ガス温度を直に検出して実際の出口ガス温度を推測し、その推測値も考慮して目標中間圧MPを補正するようにした。したがって、より正確な目標中間圧MPを設定することができ、その結果、出口ガス温度をより高精度に制御することができる。
また、本実施形態では、各油分離器(38a,38b,38c)から冷凍機油を各圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へ戻すようにした。したがって、油分離器から圧縮機の吸入側に戻す場合に比べて、各圧縮機(21a,21b,21c)の吸入冷媒量を減少させることなく圧縮機(21a,21b,21c)へ冷凍機油を戻すことができる。その結果、冷媒回路(10)における冷媒循環量が変化しないため、冷凍装置(1)の運転能力の低下を防止することができる。
また、油分離器(38a,38b,38c)から冷凍機油を圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へ戻すため、圧縮機の吸入側に戻す場合に比べて、冷凍機油が圧縮機構の高圧側へ行き渡りやすくなる。よって、圧縮機構の高圧側において冷凍機油の不足を抑制することができ、圧縮機構の潤滑性能を向上させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、圧縮機(21a,21b,21c)において圧縮機構からケーシング内へ吐出された直後の冷媒の温度を検出する吐出ガス温度センサ(66)を設けるようにしたが、それを省略するようにしてもよい。つまり、本発明は、吸入過熱度SHおよび高圧HPとの関係から求めた出口ガス温度の第1推測値Tpaのみを考慮して目標中間圧MP(または、目標中間圧力相当飽和温度Tm若しくは過冷却用膨張弁(29)のパルスPls)を決定するようにしてもよい。その場合でも、比較的正確な目標中間圧MP等を設定できるので、高精度な出口ガス温度制御を行うことができる。
また、上記実施形態では、各油分離器(38a,38b,38c)の冷凍機油を圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へ戻すようにしたが、これに代えて、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入側に戻すようにしてもよい。
また、上記実施形態では、庫外回路(20)において3台の圧縮機(21a,21b,21c)を設けるようにしたが、圧縮機の台数は1台、2台または4台以上であっても同様の作用効果を得ることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、いわゆるエコノマイザシステムを有し、高圧冷媒を用いて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置として有用である。
実施形態に係る冷凍装置の構成を示す配管系統図である。 実施形態に係る冷却運転時の冷媒流れを示す配管系統図である。 実施形態に係るコントローラの制御動作を示すフロー図である。 実施形態に係るコントローラの制御動作を示すフロー図である。
符号の説明
1 冷凍装置
10 冷媒回路
21a 可変容量圧縮機(圧縮機)
21b 第1固定容量圧縮機(圧縮機)
21c 第2固定容量圧縮機(圧縮機)
25 庫外熱交換器(熱源側熱交換器)
28 過冷却熱交換器
29 過冷却用膨張弁
32 第1液管(液管)
33 第2液管(液管)
34 第1分岐管(分岐管)
37 インジェクション管(インジェクション回路)
37a〜37c 分岐インジェクション管(インジェクション回路)
53 庫内熱交換器(利用側熱交換器)
66 吐出ガス温度センサ(温度検出手段)
69 第2液温度センサ(温度検出手段)
71 液圧力センサ(圧力検出手段)
80 コントローラ(制御手段)

Claims (6)

  1. 高圧ドーム型の圧縮機(21a,21b,21c)と、熱源側熱交換器(25)と、利用側熱交換器(53)とが接続された冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、
    上記圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧縮室にガス冷媒をインジェクションするインジェクション回路(37,37a,37b,37c)と、
    上記圧縮機(21a,21b,21c)の吸入冷媒の過熱度と吐出圧力とに基づいて該圧縮機(21a,21b,21c)の出口ガス温度を推測し、その推測値(第1推測値Tpa)が所定範囲内となるように上記インジェクション回路(37,37a,37b,37c)のインジェクション量を調節する制御手段(80)とを備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    過冷却用膨張弁(29)が設けられ、上記冷媒回路(10)の液管(32,33)の液冷媒が分岐して流れる分岐管(34)と、
    上記液管(32,33)に設けられると共に上記分岐管(34)の分岐冷媒が流入し、該分岐冷媒によって上記液管(32,33)の液冷媒を過冷却するように構成された過冷却熱交換器(28)とを備える一方、
    上記インジェクション回路(37,37a,37b,37c)は、上記過冷却熱交換器(28)に接続され、過冷却後の分岐冷媒がインジェクション用の冷媒として流入するように構成され、
    上記制御手段(80)は、上記過冷却用膨張弁(29)の開度を制御することによって上記インジェクション回路(37,37a,37b,37c)のインジェクション量を調節するように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記過冷却用膨張弁(29)を通過した後の上記分岐管(34)の分岐冷媒の圧力を検出する圧力検出手段(71)を備え、
    上記制御手段(80)は、上記出口ガス温度の第1推測値Tpaが所定範囲内となる上記圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の目標値(目標中間圧MP)を定め、上記圧力検出手段(71)の検出値が上記目標中間圧MPとなるように上記過冷却用膨張弁(29)の開度を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2において、
    上記分岐管(34)の過冷却用膨張弁(29)を通過した後であって過冷却前の分岐冷媒の温度を検出する温度検出手段(69)を備え、
    上記制御手段(80)は、上記出口ガス温度の第1推測値Tpaが所定範囲内となる上記圧縮機(21a,21b,21c)の中間圧の圧力相当飽和温度(目標中間圧力相当飽和温度Tm)を定め、上記温度検出手段(69)の検出値が上記目標中間圧力相当飽和温度Tmとなるように上記過冷却用膨張弁(29)の開度を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項3または4において、
    上記圧縮機(21a,21b,21c)の高圧ドーム内の冷媒の温度を検出する温度検出手段(66)を備え、
    上記制御手段(80)は、上記温度検出手段(66)の検出値に基づいて上記出口ガス温度を推測し、その推測値(第2推測値Tpb)を加味して上記目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを補正する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項5において、
    上記制御手段(80)は、上記第2推測値Tpbに基づいて算出した上記圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒の過熱度が所定値よりも低い場合、上記目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを減少させる補正をし、上記吐出冷媒の過熱度が上記所定値以上の場合で且つ上記第1推測値Tpaおよび第2推測値Tpbのうち大きい方の推測値が所定値よりも大きい場合、上記目標中間圧MPまたは目標中間圧力相当飽和温度Tmを増加させる補正をする
    ことを特徴とする冷凍装置。
JP2007340517A 2007-12-28 2007-12-28 冷凍装置 Pending JP2009162407A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007340517A JP2009162407A (ja) 2007-12-28 2007-12-28 冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007340517A JP2009162407A (ja) 2007-12-28 2007-12-28 冷凍装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009162407A true JP2009162407A (ja) 2009-07-23

Family

ID=40965235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007340517A Pending JP2009162407A (ja) 2007-12-28 2007-12-28 冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009162407A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018047898A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 ダイキン工業株式会社 冷凍装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018047898A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 ダイキン工業株式会社 冷凍装置
JP2018044685A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 ダイキン工業株式会社 冷凍装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110174005A1 (en) Refrigerating apparatus
US8408018B2 (en) Refrigeration apparatus
EP3252402B1 (en) Heat pump
JP4905018B2 (ja) 冷凍装置
WO2013073064A1 (ja) 冷凍装置
JP4479828B2 (ja) 冷凍装置
WO2005024313A1 (ja) 冷凍装置
EP3282208B1 (en) Refrigeration apparatus
JP5062039B2 (ja) 冷凍装置
WO2015076331A1 (ja) 空気調和機
JP5956326B2 (ja) 冷凍装置及び冷凍サイクル装置
JP4868049B2 (ja) 冷凍装置
JP2009144967A (ja) 冷凍装置
WO2017056394A1 (ja) 冷凍装置
JP2009293887A (ja) 冷凍装置
JP2018173195A (ja) 冷凍装置
JP2009162407A (ja) 冷凍装置
JP2013036682A (ja) 冷凍装置
JP2013002678A (ja) コンデンシングユニットセット及び冷凍装置
JP5194842B2 (ja) 冷凍装置
EP3486578B1 (en) Refrigeration device
JP2018173194A5 (ja)
JP2017101858A (ja) 冷凍装置
JP5831134B2 (ja) 熱源ユニットセット及び冷凍装置
JP2014005949A (ja) 冷凍装置