JP2009162388A - 冷凍空調装置、冷凍空調装置の室外機および冷凍空調装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機3、凝縮器用熱交換器15、減圧装置10、蒸発器用熱交換器16が環状に接続された冷凍空調装置において、内部熱交換器14と、内部熱交換器14の熱交換量を検出する熱交換量検出手段12aと、圧縮機入り口の冷媒の過熱度を検出する過熱度検出手段12bと、内部熱交換量に基づいて蒸発器用熱交換器出口状態が飽和ガス状態となる、圧縮機入り口の冷媒の過熱度(目標過熱度)を求める目標過熱度演算手段12cと、圧縮機入り口の冷媒の過熱度が目標過熱度になるように減圧装置10の流量調整を行う制御装置12とを備える。
【選択図】図1
Description
まず、上記の特許文献1記載の従来例のように、再蒸発手段にヒータを用いる場合には入力増加による製品COPの低下、またコストの増加があった。再蒸発手段に、高低圧熱交を用いた場合には、熱交換量が冷媒の状態、すなわち冷媒温度、循環量によって変化するため、負荷条件の変化によるユニットの運転状態変化、圧縮機運転周波数変化等により熱交換量が変化するため、圧縮機入り口の冷媒状態を所定の目標過熱度に制御しても、蒸発器出口の冷媒状態は必ずしも目標の乾き度にならないため、性能の低下や信頼性の低下を招く恐れがあった。
以下この発明の実施の形態1を図1に示す。図1は、本実施の形態の冷凍空調装置の冷媒回路図であり、圧縮機3、凝縮器用熱交換器15、内部熱交換器14、減圧装置である第1膨張弁10および蒸発器用熱交換器16が環状に接続されている。第1膨張弁10は、開度が可変に制御される電子膨張弁である。また、凝縮器用熱交換器15および蒸発器用熱交換器16はファン(図示せず)等で送風される空気と熱交換する。
Q=Gr×Δh=Gr×SHm×Cp
ここで、Q:熱交換量[kJ]、Δh:エンタルピ差[kJ/kg]、Gr:冷媒循環量[kg/h]、SHm:吸入冷媒過熱度[℃]、Cp:定圧比熱[kJ/kg・℃]を示す。高圧冷媒のエンタルピ差については、内部熱交換器14入り口温度(温度センサ13l)と内部熱交換器14出口温度(温度センサ13d)より、各温度における飽和液エンタルピをそれぞれ算出し、その差を求めれば良い。また、定圧比熱[kJ/kg・℃]については蒸発器用熱交換器16の温度センサ13nの検知温度の飽和ガス状態の定圧比熱を算出すれば良い。以上の状態量が判れば、蒸発器用熱交換器16の出口冷媒の乾き度が1.0の飽和ガス状態での圧縮機3の吸入冷媒過熱度を求めることができるため、この値を膨張弁10の制御目標値とすれば良い。
(1)計測制御装置12(熱交換量検出手段12a)は、温度センサ13lおよび温度センサ13dの出力に基づいて飽和液エンタルピ(第1のエンタルピ、第2のエンタルピ)をそれぞれ算出し、そのエンタルピの差(Δh)を求める。そして、そのエンタルピ差(Δh)および冷媒循環量(Gr)に基づいて内部熱交換器14での熱交換量(Q)を求める。
(2)計測制御装置12(過熱度検出手段12b)は、温度センサ13e、13nの出力に基づいて内部熱交換器14により過熱された後の圧縮機3の吸入冷媒過熱度を検出する。
(3)計測制御装置12(目標過熱度算出手段12c)は、温度センサ13nの出力に基づいて飽和ガス状態の定圧比熱(Cp)を算出し、上記の熱交換量(Q)および定圧比熱(Cp)に基づいて蒸発器用熱交換器16の出口状態が飽和ガス状態となる場合の圧縮機3の吸入冷媒過熱度を求め、それを目標過熱度として設定する。
(4)計測制御装置12は、上記に算出された過熱度を目標過熱度とし、上記により検出された圧縮機3吸入冷媒過熱度が目標過熱度になるように膨張弁10の流量調整を行う。
次にこの発明の実施の形態2を図4に示す。図4は、本実施の形態の冷凍空調装置の冷媒回路図であり、室外機1内には圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器11、減圧装置である第1膨張弁10、内部熱交換器14、減圧装置である第2膨張弁8が搭載されている。圧縮機3はインバータにより回転数が制御され容量制御されるタイプである。また、第1膨張弁10および第2膨張弁8は開度が可変に制御される電子膨張弁である。また、室外熱交換器11はファン(図示せず)などで送風される外気と熱交換する。室内機2内には室内熱交換器6が搭載されている。ガス管5および液管7は室外機1と室内機2を接続する接続配管である。この冷凍空調装置の冷媒としては、HFC系の混合冷媒であるR410Aが用いられる(このことは後述の実施の形態2および3も同様である。)。
まず、冷房運転時の動作について図4および図5に示すPh線図をもとに説明する。冷房運転時には、四方弁4の流路は図1の実線方向に設定される。圧縮機3から吐出された高温高圧のガス冷媒(図5点1)は四方弁4を経て凝縮器となる室外熱交換器11に流入し、ここで放熱しながら凝縮液化し、高圧低温の冷媒となる(図5点2)。室外熱交換器11を出た冷媒は第1膨張弁10で若干減圧された後で(図5点3)、内部熱交換器14で、圧縮機3に吸入される冷媒と熱交換し冷却される(図5点4)。その後第2膨張弁8で低圧まで減圧され二相冷媒となった後で(図5点5)、室外機1を流出し、液管7を経て室内機2に流入する。そして、蒸発器となる室内熱交換器6に流入し、そこで吸熱し、蒸発ガス化(図5点6)しながら室内機2側の空気や水などの負荷側媒体に冷熱を供給する。室内熱交換器6を出た低圧ガス冷媒は室内機2を出て、ガス管5を経て室外機1に流入し、四方弁4を経た後で、内部熱交換器14で高圧冷媒と熱交換し加熱された後で(図5点7)、圧縮機3に吸入され高圧まで圧縮され吐出される(図5点1)。
以下この発明の実施の形態3を図6に示す。図6は実施の形態3における冷凍空調装置の冷媒回路図であり、室外機1内に内部熱交換機能付き中圧レシーバ(以下、中圧レシーバという)9が設けられ、その内部に圧縮機3吸入配管が貫通している。この貫通部分の冷媒と中圧レシーバ9内の冷媒が熱交換可能な構成となっており、実施の形態1および2における内部熱交換器14と同じ機能を実現する。
一般の冷凍サイクルの蒸発器においては熱交換器内での冷媒圧損を低減するため多パス化されており、パス毎の冷媒流量調整用の毛細管等の減圧調整手段を使用している。しかし、蒸発器出口状態を乾き度1の飽和ガス状態に制御しようとすると、パスによっては循環量不足により冷媒が過熱ガス状態となってしまい伝熱性能が低下する状態となる場合がある。このような状態ではパス毎の冷媒流量のバランス、いわゆるパスバランスがくずれ、最終的には性能低下につながる。またそのような状態が起きた場合には、過熱ガスとなった伝熱管周囲を通過する室内空気は除湿されないため、高湿度の状態で蒸発器用熱交換器を通過してしまい、蒸発器内部や吹き出し口部で結露の原因となり室内空間へ水滴となって滴下、飛散する、いわゆる露飛びの原因となり、信頼性を損ねる可能性がある。そこでこのような不具合を防ぐために、蒸発器出口冷媒状態を乾き度が1よりも若干低め(0.9〜1.0)の湿り状態で制御するのが望ましい場合もある。具体的な方法としては先ほど説明した中圧レシーバ9での熱交換量より算出した目標冷媒過熱度の値に対し、1〜2℃低くした値を制御目標値とすれば良い。
また、室外機1は、室内機2から必要な温度情報を受け取っているので、室内機2の形態によらず同様に、露飛び等の不具合を回避する信頼性の高い運転を実現することができる。
また、上記の実施の形態1〜3の冷凍空調装置の計測制御装置12に着目すると、例えば機器の故障等により室内機2や室外機1の交換を行った場合等でも、計測制御装置12を流用する事により同様に高効率な運転を実現することができるとともに、露飛び等の不具合を回避する信頼性の高い運転を実現することができる。
Claims (13)
- 圧縮機、凝縮器、減圧装置及び蒸発器が環状に接続された冷凍空調装置において、
前記凝縮器と前記減圧装置との間の冷媒と、前記蒸発器と前記圧縮機との間の冷媒とを熱交換する内部熱交換器と、
前記内部熱交換器での熱交換量を検出する熱交換量検出手段と、
前記内部熱交換器により過熱された後の前記圧縮機入り口の冷媒の過熱度を検出する過熱度検出手段と、
前記内部熱交換量より蒸発器出口状態が飽和ガス状態となる場合の圧縮機入り口の冷媒の過熱度を算出する目標過熱度演算手段と、
前記目標過熱度演算手段により算出された過熱度を目標過熱度とし、前記過熱度検出手段が検出した圧縮機入り口の冷媒の過熱度が前記目標過熱度になるように前記減圧装置の流量調整を行う制御装置と
を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。 - 前記内部熱交換器は、前記凝縮器と前記減圧装置との間に配置されたレシーバを備え、前記レシーバ内の冷媒と、前記蒸発器と前記圧縮機との間の冷媒とを熱交換することを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
- 圧縮機、凝縮器、第1の減圧装置、第2の減圧装置及び蒸発器が環状に接続された冷凍空調装置において、
前記第1の減圧装置と前記第2の減圧装置の間の冷媒と、前記蒸発器と前記圧縮機との間の冷媒とを熱交換する内部熱交換器と、
前記凝縮器出口の冷媒の過冷却度を検出する過冷却度検出手段と、
前記過冷却度検出手段により検出された過冷却度が予め定められた値となるように前記第1の減圧装置の流量調整を行う第1の制御手段と、
前記内部熱交換器での熱交換量を検出する熱交換量検出手段と、
前記内部熱交換器により過熱された後の前記圧縮機入り口の冷媒の過熱度を検出する過熱度検出手段と、
前記熱交換量検出手段により検出された前記内部熱交換量より前記蒸発器出口の冷媒が飽和ガス状態となる場合の圧縮機入り口の冷媒の過熱度を算出する目標過熱度算出手段と、
前記過熱度算出手段により算出された過熱度を目標過熱度とし、前記過熱度検出手段が検出する圧縮機入り口の冷媒の過熱度が前記目標過熱度に近づくように前記第2の減圧装置の流量調整を行う第2の制御装置と
を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。 - 前記内部熱交換器は、前記第1の減圧装置と前記第2の減圧装置の間に配置されたレシーバを備え、前記レシーバ内の冷媒と、前記蒸発器と前記圧縮機との間の冷媒とを熱交換することを特徴とする請求項3記載の冷凍空調装置。
- 前記熱交換量検出手段は、高温側冷媒の内部熱交換器入口エンタルピ及び出口エンタルピをそれぞれ検出し、それらのエンタルピ差(Δh)に基づいて前記内部熱交換器での熱交換量(Q)を求める
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の冷凍空調装置。 - 前記熱交換量検出手段は、
前記凝縮器出口の冷媒温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記内部熱交換器出口の冷媒温度を検出する第2の検出手段と、
を備え、
前記第1の温度検出手段の検出温度に基づいて高温側冷媒の内部熱交換器入口の冷媒の第1のエンタルピを求め、
前記第2の温度検出手段の検出温度に基づいて高温側冷媒の内部熱交換器出口の冷媒の第2のエンタルピを求め、
前記第1のエンタルピと前記第2のエンタルピとのエンタルピ差(Δh)を求め、前記エンタルピ差(Δh)に基づいて前記内部熱交換器での熱交換量(Q)を求める
ことを特徴とする請求項5記載の冷凍空調装置。 - 前記目標過熱度算出手段は、前記熱交換量(Q)及び低温側冷媒の内部熱交換器入口での定圧比熱(Cp)に基づいて圧縮機入り口の冷媒の過熱度を算出する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の冷凍空調装置。 - 前記目標過熱度算出手段は、前記蒸発器内の冷媒温度を検出する第3の温度検出手段を備え、前記第3の温度検出手段の検出温度に基づいて冷媒の飽和ガス状態での前記定圧比熱(Cp)を求めることを特徴とする請求項7記載の冷凍空調装置。
- 前記蒸発器出口の冷媒の乾き度の目標値を1より小さくしたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の冷凍空調装置。
- 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、第1の減圧装置及び第2の減圧装置を搭載した冷凍空調装置の室外機において、
前記第1の減圧装置と前記第2の減圧装置の間の冷媒と、前記四方弁と前記圧縮機との間の冷媒とを熱交換する内部熱交換器と、
冷房運転時は、前記室外機熱交換器の中間冷媒温度及び出口冷媒温度を使用し、暖房運転時は、室内機より送られてくる室内熱交換器の中間冷媒温度及び出口冷媒温度を使用して、前記圧縮機の出口冷媒の過冷却度を検出する過冷却度検出手段と、
前記過冷却度が予め定められた値となるように前記第1の減圧装置の流量調整を行う第1の制御装置と、
前記内部熱交換器での熱交換量を検出する熱交換量検出手段と、
前記内部熱交換器により過熱された後の前記圧縮機入り口の冷媒の過熱度を検出する過熱度検出手段と、
前記熱交換量検出手段により検出された前記内部熱交換量より前記蒸発器出口の冷媒が飽和ガス状態となる場合の圧縮機入り口の冷媒の過熱度を算出する目標過熱度算出手段と、
前記目標過熱度算出手段により算出された過熱度を目標過熱度とし、前記過熱度検出手段が検出する圧縮機入り口過熱度が前記目標過熱度になるように前記第2の減圧装置の流量調整を行う第2の制御装置と
を備えたことを特徴とする冷凍空調装置の室外機。 - 冷房運転時は室内機熱交換器出口の冷媒の乾き度の目標値を1より小さくし、暖房運転時は前記室外熱交換器出口の冷媒の乾き度の目標値を1より小さくすることを特徴とする請求項10記載の冷凍空調装置の室外機。
- 圧縮機、室外熱交換器、第1の減圧装置、内部熱交換器、第2の減圧装置及び室内熱交換器が環状に接続され、前記第1の減圧装置と前記第2の減圧装置の間の冷媒と、前記室内熱交換器と前記圧縮機との間の冷媒とを熱交換する内部熱交換器を備えた冷凍空調装置の制御装置において、
(a)暖房運転時は前記室内機熱交換器の中間冷媒温度及び出口冷媒温度情報より、冷房運転時は前記室外機熱交換器の中間温度および出口温度情報より、前記凝縮器の出口冷媒の過冷却度を算出し、その値があらかじめ定められた目標値に近づくように、前記第1の減圧装置による流量調整を行い、
(b)暖房時は前記室内機熱交換器の出口温度情報を、冷房時は前記室外機熱交換器の出口冷媒温度情報をそれぞれ用いて、前記内部熱交換器の高圧冷媒入り口エンタルピを算出し、前記内部熱交換器の出口冷媒温度情報より高圧冷媒出口エンタルピを算出し、前記高圧冷媒入り口エンタルピと前記高圧冷媒出口エンタルピとのエンタルピ差(Δh)を算出し、
(c)冷房時は前記室内機熱交換器の温度情報より、暖房時は前記室外機熱交換器の温度情報より、飽和ガス状態での定圧比熱(Cp)を算出し、
(d)前記エンタルピ差(Δh)及び前記定圧比熱(Cp)に基づいて前記蒸発器の出口冷媒の乾き度が所定値となる状態での過熱ガス度を算出し、
(e)前記過熱ガス度を前記第2減圧装置の制御目標値とし、前記圧縮機の吸入冷媒温度情報と、冷房時は前記室内機熱交換器の温度情報から、暖房時は前記室外機熱交換器の温度情報から、それぞれ圧縮機入り口の冷媒の過熱度を算出し、その値が前記目標値となるように、前記第2の減圧装置の流量調整を行う
ことを特徴とする冷凍空調装置の制御装置。 - 冷房運転時は、前記室内機熱交換器の出口冷媒の乾き度の目標値を1より小さくして前記目標過熱度を設定し、
暖房運転時は、前記室外熱交換器の出口冷媒の乾き度の目標値を1より小さくして前記目標過熱度を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の冷凍空調装置の制御装置。
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