JP2009161144A - プリテンショナ及びシートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の後部座席に設けたプリテンショナであっても、車両の急減速時、シートベルトを引き込み角を大きくして引き込み可能とする。
【解決手段】プリテンショナのハウジング14の前端部に、シリンダ13の軸線に沿った開口部18を形成し、該開口部にシートベルトバックルに接続されたワイヤ11をシリンダ方向に案内するブッシュ15を配設して、ブッシュを車両の前方側に移動自在に設けた。ブッシュのシリンダ側の外周面に接触するシェアピン19を設けてブッシュの移動を拘束する。そしてプリテンショナが作動したときに、シェアピンをワイヤからブッシュを介して掛かる力で折損して、ブッシュの拘束を解除し、ワイヤによってブッシュを移動させる。バックル部のアンカレッジポイントが車両の前方側に位置するので、シートベルトの引き込み角が大きくなる。
【選択図】 図3
【解決手段】プリテンショナのハウジング14の前端部に、シリンダ13の軸線に沿った開口部18を形成し、該開口部にシートベルトバックルに接続されたワイヤ11をシリンダ方向に案内するブッシュ15を配設して、ブッシュを車両の前方側に移動自在に設けた。ブッシュのシリンダ側の外周面に接触するシェアピン19を設けてブッシュの移動を拘束する。そしてプリテンショナが作動したときに、シェアピンをワイヤからブッシュを介して掛かる力で折損して、ブッシュの拘束を解除し、ワイヤによってブッシュを移動させる。バックル部のアンカレッジポイントが車両の前方側に位置するので、シートベルトの引き込み角が大きくなる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車両の急減速時にシートベルトを引き込むことで、シートベルトにより乗員を拘束するためのプリテンショナ及びシートベルト装置に関する。
従来から、車両用座席には、車両の急停止や衝突などの急減速時に、乗員が慣性力により前方へ飛び出してしまうことを抑止するための乗員拘束用のシートベルト装置が設けられている。このようなシートベルト装置は、通常の運転時には乗員の動作を拘束せず、車両の急減速時にのみシートベルトの巻取軸をロックして、それ以上のシートベルトの繰り出しを阻止する緊急時自動ロック式リトラクタ(以下ELRと略す)が設けられることが通例である。このELRは、所定値以上の減速度を検知したときに、極めて短時間のうちに巻取軸をロックすることで、シートベルトがそれ以上繰り出されないようにするものである。
しかし、上述したELRのように巻取軸をロックするだけのものでは、乗員を拘束した状態でシートベルトが繰り出されずに巻取軸に緩く巻き取られている場合には、巻取軸をロックしたとしても、ある程度のシートベルトが繰り出されてしまう。また、シートベルトが緩く巻き取られていないとしても、所定値以上の減速度が検知されてから巻取軸をロックするまでの間はシートベルトが繰り出されてしまう。
このようなシートベルトの緩みや、巻取軸がロックされるまでの時差に伴うシートベルトの繰り出しは、なるべく少ない方が良いことは勿論である。
そこで、このようなシートベルトの緩みや巻取軸がロックされるまでの時差に伴うシートベルトの繰り出しをある程度相殺する装置として、巻取軸のロック作動と同様の所定の減速度が検出された場合には、シートベルトを引き込むようにしたプリテンショナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプリテンショナは、一端部がシートベルトバックルに取り付けられ、他端部がシリンダ内のピストンに取り付けられたワイヤと、ワイヤの中間部を屈曲させてシリンダの方向に案内する案内部材と、シリンダに取り付けられたガス発生器とを備え、車両の急減速時に、ガス発生器で高圧ガスを発生させてシリンダ内に噴射することにより、シリンダ内をピストンが摺動してワイヤを介してシートベルトを引き込むというものである。
上記プリテンショナには、ワイヤとシートベルトバックルとの取付部を案内部材に案内するために、該取付部を摺動自在に装着する溝穴を開設したバックル板(ブラケット)が設けられている。案内部材はバックル板の下部に螺着した装着ボルトの外周面に形成され、バックル板は装着ボルトにより車体側に取り付けられる。シリンダ内には、ピストンとの間でワンウエイ機構(ラッチェット機構)が形成されており、引き込んだワイヤがシートベルトに生じた張力で引き戻されるのをなくして、シートベルトが緩むのを防止し、シートベルトにより十分な拘束力で乗員を拘束可能としている。
特開平3−208752号公報(図1,図2)
ところで、プリテンショナの案内部材は、バックル部(シートベルトバックルと案内部材との間の部分)のアンカレッジポイント(ワイヤの屈曲部の受け点)となっているが、このバックル部のアンカレッジポイントが車両のより後方側に位置し過ぎると、シートベルトの引き込み時、シートベルトの引き込み角(バックル部のワイヤが水平となす角度)が小さくなって、乗員の腰部の箇所でシートベルトが横方向に寝た姿勢になる。このためシートベルトが乗員の腰部を下方に抑える力が弱くなって、乗員の腰部がシートベルトから外れしまい、乗員がシートベルトの下部から前方へすり抜ける所謂サブマリン現象が生じる。
このサブマリン現象の発生を防ぐためには、バックル部をより立てた姿勢に設ければよいが、車両の後部では、座席がタイヤハウスの上部に位置する関係から下にスペースをあまりとれない。このため、上記従来技術にあっては、後部座席用のプリテンショナは、シートベルトの引き込み角を大きくすることが困難になる問題があった。
以上のような問題は、シートベルト装置のシートベルトバックル側に設けられるバックルプリテンショナだけでなく、シートベルトのラップベルト部先端を車両の床等へ固定するアンカ部材等に設けられるラッププリテンショナにおいても同様に生じる。
したがって、本発明の課題は、車両の後部座席に設けたものであっても、車両の急減速時、引き込み角を大きくしてシートベルトを引き込むことを可能としたプリテンショナ及びシートベルト装置を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の発明は、車両の急減速時にシートベルトを引き込むことで、シートベルトにより乗員を拘束するためのプリテンショナにおいて、一端部にシートベルトが接続されたワイヤと、前記ワイヤの他端部に接続された該ワイヤを介してシートベルトを引き込むための、プリテンショナ本体に設けられた引き込み装置と、前記プリテンショナ本体の前記引き込み装置の反対側に設けられ前記ワイヤを掛け回すことによって該ワイヤを前記引き込み装置の方向に案内するための案内部材とを備え、前記案内部材を前記引き込み装置方向に移動自在に設けるとともに、前記プリテンショナ本体に前記案内部材の移動を拘束する拘束部材を車両の急減速時の前記ワイヤの移動により解除可能に設けたことを特徴とする。
第1の発明では、車両の急減速時に引き込み装置によりワイヤを引き込むと、ワイヤの移動により拘束部材による案内部材の拘束が解除されて、案内部材が引き込み装置の方向、すなわち車両の前方側に移動する。これにより、プリテンショナがバックル部を立てた姿勢に設けづらい後部座席用であっても、プリテンショナの作動時、案内部材を車両のより前方向側に位置して、バックル部を立てた姿勢とすることができ、シートベルトの引き込み角を大きくできる。したがって、シートベルトにより乗員の腰部を十分な力で下方に抑え込んで、乗員がシートベルトの下部から前方へすり抜けるサブマリン現象が発生するのを防止することができる。
第2の発明は、前記拘束部材が、前記プリテンショナ本体に前記案内部材の前記引き込み装置側の外周面に接触するように突設したピンであり、該ピンを車両の急減速時の前記ワイヤによる前記案内部材の引っ張りにより折損可能に形成したことを特徴とする。
これにより、車両の急減速時、引き込み装置によるワイヤの引き込みで、拘束部材による案内部材の拘束を解除して、案内部材を車両の前方側に移動することができる。
第3の発明は、前記拘束部材が、前記プリテンショナ本体に前記案内部材を固定した溶接部であり、前記ワイヤと前記案内部材とを該案内部材の周面の一所で固定して、該溶接部を車両の急減速時の前記ワイヤによる前記案内部材の回転により破損可能に形成したことを特徴とする。
これにより、車両の急減速時、引き込み装置によるワイヤの引き込みで、拘束部材による案内部材の拘束を解除して、案内部材を車両の前方側に移動することができる。
第4の発明は、前記シートベルトと前記ワイヤとが、前記シートベルトに設けられたタングと前記ワイヤの一端部に設けられたシートベルトバックルとの結合により接続され、又は前記シートベルトの一端に設けられたアンカと前記ワイヤの一端部に設けられたラッチ式固定手段との結合、前記シートベルトの一端に設けられたアンカと前記ワイヤの一端部に設けられた固定具とのボルト結合、若しくは前記シートベルトの一端と前記ワイヤの一端部との直接結合により接続されることを特徴とする。
これにより、プリテンショナとして、シートベルトのタングとワイヤの一端部のシートベルトバックルの結合によりシートベルトとワイヤとが接続されるバックルプリテンショナ、あるいはシートベルトの一端のアンカとワイヤの一端部のラッチ式固定手段の結合、又はシートベルトの一端のアンカとワイヤの一端部の固定具のボルト結合、若しくはシートベルトの一端とワイヤの一端部との直接結合によりシートベルトとワイヤとが接続されるラッププリテンショナに適用することができる。
第5の発明は、前記ワイヤの前記一端部をループを形成するように折り返し、該折り返し部の先端を前記プリテンショナ本体に固定するとともに、該ループ部を前記シートベルトバックル、前記ラッチ式固定手段、前記固定具又は前記シートベルトの前記一端に摺動自在に取り付けたことを特徴とする。
これにより、プリテンショナとして、このような取り付け法でワイヤとシートベルトバックルとを接続したバックルプリテンショナ、ワイヤとラッチ式固定手段、ワイヤと固定具又はシートベルトとワイヤとを接続したラッププリテンショナに適用することができる。
第6の発明は、前記シートベルトが、車両の後部座席の乗員の拘束用であることを特徴とする。
これにより、プリテンショナを車両の後部座席用のシートベルトに適用することができる。
第7の発明は、シートベルトと、このシートベルトを巻き取るリトラクタと、前記シートベルトに設けられたタングと、このタングが着脱されるシートベルトバックルと、車両の衝撃発生時に前記シートベルトを引き込むことで、前記シートベルトにより乗員を拘束するためのプリテンショナを備えたシートベルト装置であって、前記プリテンショナは、一端部にシートベルトが接続されたワイヤと、前記ワイヤの他端部に接続された該ワイヤを介してシートベルトを引き込むための、プリテンショナ本体に設けられた引き込み装置と、前記プリテンショナ本体の前記引き込み装置の反対側に設けられ前記ワイヤを掛け回すことによって該ワイヤを前記引き込み装置の方向に案内するための案内部材とを備え、前記案内部材を前記引き込み装置方向に移動自在に設けるとともに、前記プリテンショナ本体に前記案内部材の移動を拘束する拘束部材を車両の急減速時の前記ワイヤの移動により解除可能に設けたことを特徴とする。
このようなシートベルト装置においては、後部座席用であっても、上述したプリテンショナを備えることにより、プリテンショナの作動時、案内部材を車両のより前方向側に位置して、引き込み角を大きくしてシートベルトを引き込むことができ、シートベルトにより乗員の腰部を十分な力で下方に抑え込んで、乗員がシートベルトの下部から前方へすり抜けるサブマリン現象の発生を防止することができる。
本発明によれば、車両の後部座席に設けたプリテンショナであっても、車両の急減速時、引き込み角を大きくしてシートベルトを引き込むことができる。
以下、本発明に係るプリテンショナ及びシートベルト装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のプリテンショナを備えたシートベルト装置を示す車両の後部座席部の透視図である。以下では、バックルプリテンショナについて説明するが、本発明はこれに限られない。
同1図において、車両1の車室後部の床面5には、タイヤハウス1aに近接した位置に後部座席2が設けられ、後部座席2にシートベルト装置3が設置されている。シートベルト装置3は、図示しないリトラクタから繰り出される乗員拘束用のシートベルト4を備えている。リトラクタは、シートベルト4を巻き取る装置であり、車室後部の床面5に図示しない取付部を介して固設されている。リトラクタから車体上方へと繰り出されたシートベルト4は、座席2のバックシート2aの上部内のアンカー部材を経由して、バックシート2aの前方下方に向けて折り返される。そして、シートベルト4の先端部は、バックシート2aの下端から座席2の後方に導出されて、車室後部の床面5にアンカープレートを介して固定されている。
シートベルト4には、これを挿通させたタング6が設けられており、タング6は、座席2の車両内側の位置に配置されたシートベルトバックル7に着脱自在に嵌着される。乗員8が座席2に着座してシートベルト4の肩ベルト部4aを肩部から腰部にかけ、ラップベルト部4bを腰部にかけて、タング6をシートベルトバックル7に嵌着することにより、シートベルト4が乗員8に装着される。
シートベルトバックル7には、本実施形態のプリテンショナ(バックルプリテンショナ)10が保持されている。本実施形態では、プリテンショナ10のバックル部のアンカレッジポイントを移動可能にするために、図2のブッシュ15を可動可能に設けており、このためプリテンショナ10をブッシュ15の位置で座席又は車体に固定せずに、図2に示すように、プリテンショナ10のハウジング14の例えば先端部下部の両側に取付部21を突設して、ボルト21aにより取付部21を介してプリテンショナ10を座席床面5(クッションシート部2bでもよい)に固定している。
プリテンショナ10は、図3に示すように、図示しないOリング及びシールリング等を介してピストン12を摺動自在に収容するシリンダ13と、シリンダ13を基端部に保持するハウジング14と、ハウジング14のシリンダ13とは反対側の先端部に設けられた円筒状の上記ブッシュ(案内部材)15と、ハウジング14の上記先端部上に取り付けられたケーシング17と、ハウジング14の中間部に取り付けられたガス発生器20とを備え、ピストン12、シリンダ13及びガス発生器20によりワイヤ11の引き込み装置を構成している。ブッシュ15には、シートベルトバックル7に一端部が取り付けられたワイヤ11が掛け回され、掛け回されたワイヤ11の他端部がシリンダ13の軸線方向に導かれて、シリンダ13内のピストン12に取り付けられている。ピストン12とシリンダ13との間には、ピストン12の移動で引き込んだワイヤ11が引き戻されるのを防止する公知のワンウエイ機構(ラッチェット機構)を形成することができる。
プリテンショナ10は、車両1の急停止や衝突などの急減速時、図示しないセンサが車両1の急減速を検出すると、ガス発生器20が高圧ガスを発生してシリンダ13内に噴射する。これによりピストン12が移動してワイヤ11を引き込み、シートベルトバックル7を介してシートベルト4を引き込むことで、シートベルト4により乗員が拘束される。
本実施形態によれば、ハウジング14の先端部上部に、シリンダ13の軸線に沿って長手の開口部18をシリンダ13の近くまで形成して、この開口部18にブッシュ15を配設し、ブッシュ15をシリンダ13の方向、すなわち車両1の前方向側に移動自在に設けている。したがって、バックル部(シートベルトバックル7とブッシュ15との間の部分)のアンカレッジポイントを車両1の前方側に移動可能である。開口部18の車両前方側の部分を区画するハウジング14の面は、ブッシュ15の移動を停止するストッパ部14aに形成されている。
このブッシュ15をプリテンショナ10の作動前に固定しておくために、ハウジング14及びケーシング17からなるプリテンショナ本体の該ケーシング17に、開口部18に向けたシェアピン19を突設して、シェアピン19をブッシュ15のシリンダ13側の外周面に接触させて、ブッシュ15を拘束している。このシェアピン19は、プリテンショナ10が作動したときにブッシュ15の拘束を解くために、シートベルト4の引き込みでシートベルト4に発生した張力により、ワイヤ11からブッシュ15を介してシェアピン19に掛かる力(言い換えればシートベルト4の張力に比例した力)で折損する強度に形成されている。ブッシュ15は、シートベルト4が引き込まれてシェアピン19が折損すると、ブッシュ15に掛け回されたワイヤ11によりに引っ張られ、ワイヤ11の車両前方側への移動とともにシリンダ13の方向に移動される。
ブッシュ15に掛け回されたワイヤ11の一端部は、シートベルトバックル7内の図示しないアンカ部に掛け回してブッシュ15の方向に折り返されている。ケーシング17は内側にガイドブロック16を備え、ワイヤ11の折り返し部11aをガイドブロック16に設けられた溝16aに収容して、折り返し部11aの先端を溝16aの下端のホルダ部16bに固定している。ブッシュ15の移動時にワイヤ11が車両前方側に横方向にも移動するので、図4に示すようにワイヤ11を配置して、その折り返し部11aと衝突するのを防止する。すなわち、ワイヤ11の折り返し部11aを除く部分をガイドブロック16の壁部16cの内表面に沿わせて配置する一方、折り返し部11aを配設する溝16a及びホルダ部16bを壁部16cの内表面に開口した形態に設けて、ワイヤ11の折り返し部11aを除く部分の移動上の位置が折り返し部11aの位置と干渉しないようにしてある。
以上のように構成されたプリテンショナ10によれば、車両の急減速時、ワイヤ11を介してシートベルト4が引き込まれると、図5(a)に示すように、シートベルト4に発生した張力でワイヤ11を掛け回したブッシュ15が引っ張られて、図5(b)に示すように、ワイヤ11からブッシュ15を介して掛かる力でシェアピン19が折損する。それと同時に、ワイヤ11とともにブッシュ15が開口部18をシリンダ13の方向に動き、ハウジング14のストッパ部14aに突き当たる位置まで移動する。そしてブッシュ15がストッパ部14aに突き当たった移動方向前端位置に保持される。
すなわち、バックル部を立てた姿勢に設けづらい後部座席2のプリテンショナ10であっても、プリテンショナ10の作動時、ブッシュ15の位置、換言すればバックル部のアンカレッジポイントを車両1のより前方向側に位置できるので、バックル部を立てた姿勢とすることができ、大きな引き込み角でシートベルト4を引き込むことができる。したがって、シートベルト4により乗員8の腰部を十分な力で下方に抑え込んで、乗員8がシートベルト4の下部から前方へすり抜けるサブマリン現象が発生するのを防止することができる。
本発明の他の実施形態を図6により説明する。本実施形態では、図6(a)に示すように、プリテンショナ10のブッシュ15をプリテンショナ本体の一所のケーシング17に溶接して、ブッシュ15を溶接部22で拘束するとともに、ブッシュ15とワイヤ11とをかしめ金具23で締結して、ワイヤ11の引き込みによる移動でブッシュ15が回転するようにしている。この溶接部22は、図6(b)に示すように、ワイヤ11の引き込みによるブッシュ15の回転で溶接部22に掛かる力(言い換えればシートベルト4の張力に比例した力)で破損する強度に形成されている。
これによりプリテンショナ10が作動したときに、溶接部22によるブッシュ15の拘束が解かれて、ワイヤ11とともにブッシュ15が開口部18をシリンダ13の方向に移動して、ハウジング14のストッパ部14aに突き当たり、ブッシュ15がストッパ部14aに突き当たった移動方向前端位置に保持される。
したがって、本実施形態によっても、プリテンショナ10がバックル部を立てた姿勢に設けづらい後部座席2に設けた場合に、プリテンショナ10が作動した際、ブッシュ15を移動することによって、バックル部のアンカレッジポイントを車両1のより前方向側に位置させて、バックル部を立てた姿勢とすることができ、大きな引き込み角でシートベルト4を引き込むことができる。したがって、シートベルト4により乗員8の腰部を十分な力で下方に抑え込んで、乗員8がシートベルト4の下部から前方へすり抜けるサブマリン現象が発生するのを防止することができる。
以上の実施形態では、いずれも、バックル部は、ワイヤ11の一端部を折り返して、折り返し部11aの先端をケーシング17に固定し、折り返し部11aのループ部をシートベルトバックル7に摺動自在に取り付けた形式のものを示したが、図7に示すように、ワイヤ11の一端部を折り返さず、該ワイヤ11の一端部を保持したホルダリング24を取り付けて、該ホルダリング24をシートベルトバックル7内の壁部にリベット止めする形式のものであってもよい。
また以上の実施形態では、ワイヤ11とシートベルトバックル7との接続は、ワイヤ11をシートベルト7に直接接続する形式の場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、シートベルトバックル7に引っ張り用ベルトを接続し、この引っ張り用ベルトを巻き取るリールの駆動部にワイヤ11を取り付けて、ワイヤ11の引き込みによるリールの回転で引っ張り用ベルトを介してシートベルト4を引っ張るようにした間接接続形式のものであってもよい。
さらにプリテンショナ10は、車両1の後部座席2のシートベルト装置3に設けたが、本発明はこれに限られず、車両の前部座席のシートベルト装置に設けてもよい。またプリテンショナ10は、シートベルトバックル7に設けるバックルプリテンショナとしたが、シートベルト4のラップベルト部4bの先端に設けるラッププリテンショナであってもよい。ラッププリテンショナでは、シートベルトの一端(ラップベルト部4bの先端)に設けられたアンカとワイヤの一端部に設けられたラッチ式固定手段との結合、あるいはシートベルトの一端に設けられたアンカとワイヤの一端部に設けられた固定具とのボルト結合、若しくはシートベルトの一端とワイヤの一端部との直接結合により、シートベルトとワイヤとが接続される。いずれの場合も、上記と同様な作用効果を奏する。
1 車両
2 後部座席
3 シートベルト装置
4 シートベルト
6 タング
7 シートベルトバックル
8 乗員
10 プリテンショナ
11 ワイヤ
13 シリンダ
14 ハウジング
15 ブッシュ
17 ケーシング
18 開口部
19 シェアピン
22 溶接部
23 かしめ金具
24 リングホルダ
2 後部座席
3 シートベルト装置
4 シートベルト
6 タング
7 シートベルトバックル
8 乗員
10 プリテンショナ
11 ワイヤ
13 シリンダ
14 ハウジング
15 ブッシュ
17 ケーシング
18 開口部
19 シェアピン
22 溶接部
23 かしめ金具
24 リングホルダ
Claims (7)
- 車両の急減速時にシートベルトを引き込むことで、シートベルトにより乗員を拘束するためのプリテンショナにおいて、
一端部にシートベルトが接続されたワイヤと、
前記ワイヤの他端部に接続された該ワイヤを介してシートベルトを引き込むための、プリテンショナ本体に設けられた引き込み装置と、
前記プリテンショナ本体の前記引き込み装置の反対側に設けられ前記ワイヤを掛け回すことによって該ワイヤを前記引き込み装置の方向に案内するための案内部材とを備え、
前記案内部材を前記引き込み装置方向に移動自在に設けるとともに、前記プリテンショナ本体に前記案内部材の移動を拘束する拘束部材を車両の急減速時の前記ワイヤの移動により解除可能に設けたことを特徴とするプリテンショナ。 - 前記拘束部材が、前記プリテンショナ本体に前記案内部材の前記引き込み装置側の外周面に接触するように突設したピンであり、該ピンを車両の急減速時の前記ワイヤによる前記案内部材の引っ張りにより折損可能に形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリテンショナ。
- 前記拘束部材が、前記プリテンショナ本体に前記案内部材を固定した溶接部であり、前記ワイヤと前記案内部材とを該案内部材の周面の一所で固定して、該溶接部を車両の急減速時の前記ワイヤによる前記案内部材の回転により破損可能に形成したことを特徴とする請求項1に記載のプリテンショナ。
- 前記シートベルトと前記ワイヤとが、前記シートベルトに設けられたタングと前記ワイヤの一端部に設けられたシートベルトバックルとの結合により接続され、又は前記シートベルトの一端に設けられたアンカと前記ワイヤの一端部に設けられたラッチ式固定手段との結合、前記シートベルトの一端に設けられたアンカと前記ワイヤの一端部に設けられた固定具とのボルト結合、若しくは前記シートベルトの一端と前記ワイヤの一端部との直接結合により接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリテンショナ。
- 前記ワイヤの前記一端部をループを形成するように折り返し、該折り返し部の先端を前記プリテンショナ本体に固定するとともに、該ループ部を前記シートベルトバックル、前記ラッチ式固定手段、前記固定具又は前記シートベルトの前記一端に摺動自在に取り付けたことを特徴とする請求項4記載のプリテンショナ。
- 前記シートベルトが、車両の後部座席の乗員の拘束用であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリテンショナ。
- シートベルトと、
このシートベルトを巻き取るリトラクタと、
前記シートベルトに設けられたタングと、
このタングが着脱されるシートベルトバックルと、
車両の衝撃発生時に前記シートベルトを引き込むことで、前記シートベルトにより乗員を拘束するためのプリテンショナを備えたシートベルト装置であって、
前記プリテンショナは、
一端部にシートベルトが接続されたワイヤと、
前記ワイヤの他端部に接続された該ワイヤを介してシートベルトを引き込むための、プリテンショナ本体に設けられた引き込み装置と、
前記プリテンショナ本体の前記引き込み装置の反対側に設けられ前記ワイヤを掛け回すことによって該ワイヤを前記引き込み装置の方向に案内するための案内部材とを備え、
前記案内部材を前記引き込み装置方向に移動自在に設けるとともに、前記プリテンショナ本体に前記案内部材の移動を拘束する拘束部材を車両の急減速時の前記ワイヤの移動により解除可能に設けたことを特徴とするシートベルト装置。
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---|---|---|---|
JP2008003084A JP2009161144A (ja) | 2008-01-10 | 2008-01-10 | プリテンショナ及びシートベルト装置 |
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JP2018069794A (ja) * | 2016-10-25 | 2018-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用シート |
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2008
- 2008-01-10 JP JP2008003084A patent/JP2009161144A/ja not_active Withdrawn
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