JP2009160672A - マニピュレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車部品を歯面に当接するガイド鋼球で支持する支持台に効率よく装着する。
【解決手段】ハンド部14は、歯車部品であるワーク16を把持する3個の爪58を有する。3個の爪58のそれぞれが径方向外に向けてにスライドして、ワークの円筒面20に当接し、これを把持する。爪58は、回動自在に支持されたローラ74を有する。ワークは、このローラを介して支持されるため、ハンド部14に把持されている状態であっても回転自在となっている。
【選択図】図1
【解決手段】ハンド部14は、歯車部品であるワーク16を把持する3個の爪58を有する。3個の爪58のそれぞれが径方向外に向けてにスライドして、ワークの円筒面20に当接し、これを把持する。爪58は、回動自在に支持されたローラ74を有する。ワークは、このローラを介して支持されるため、ハンド部14に把持されている状態であっても回転自在となっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワークを把持して所定の位置に運ぶマニピュレータに関する。
製造業の生産ラインにおいて、ワークに所定の加工を行うために、この加工内容に合わせてワークを治具や加工機の支持台に固定する作業が行われる。加工作業と同様、この固定作業においても、ワークを取出し位置で把持し、固定位置へと運ぶマニピュレータによる自動化が進められている。下記特許文献1には、対象物に形成された穴にワークを挿入する装置が記載されている。
歯車の部分を有するワークの加工においては、歯車の歯面を基準にした加工がしばしば行われる。歯面を基準にするために、歯の間の谷間に挿入され、谷の両側の歯面に当接するガイド球を用いるワークの位置決め方法が採用されている。ガイド球の位置が特定されていれば、歯車部品の、歯の回転方向の位置(位相)も含め、位置合わせを行うことができる。
歯車の歯の間にガイド球が挿入されるようにするために、歯車の回転方向の位置合わせ、すなわち歯の位相をガイド球の位置に合わせる作業が必要となる。歯車部分を撮影して画像を取得し、画像に基づき位置合わせを行うことが考えられるが、装置規模が大きくなり、また、作業時間の短縮もさほど期待できない。
本発明は、歯車の部分を有するワーク(以下、歯車部品)を所定の位置に、特に歯の位相合わせを、簡易な構成の装置により実現することを目的とする。
本発明に係るマニピュレータの対象となる部品は、周面に形成された歯と円筒面を有する歯車部品である。マニピュレータは、この歯車部品を把持して、歯車部品を歯面基準で支持する支持台に渡す。マニピュレータは、開閉する複数の爪を含むハンド部を有し、この爪を開いて、または閉じて歯車部品の円筒面を把持する。また、マニピュレータは、把持した歯車部品の円筒面の軸線に沿って、この歯車部品が移動するように駆動する並進駆動部と、前記軸線周りに歯車部品が回動するように駆動する回動駆動部と、前記軸線に交差する面内で開閉駆動する爪駆動部と、これらの駆動部を制御する制御部とを有する。爪は、回動自在に支持された回動要素を含み、この回動要素を介して前記歯車部品の円筒面を把持し、これにより歯車部品が、ハンド部に対して、その円筒面の軸線周りに回動することが許容される。制御部は、並進駆動部を制御して歯車部品を前記支持台へと進出させ、歯の側面が前記ガイドに当接したときには、歯車部品を進出方向に付勢した状態で回動駆動部を制御して歯車部品を回動させる。
前記爪は略円柱形状とすることができ、前記回動要素は、前記円柱形状の軸線周りに回動可能に支持されたローラとできる。このローラにより前記円柱形状の側面が形成される。
また、前記制御部は、歯車部品を支持具に渡す際に爪駆動部を制御して歯車部品を把持する力を低下させるようにできる。
また、前記ガイドは、歯の谷に位置して谷の両側の歯面に当接して歯面を支持するガイド球と、ガイド球が歯の谷に導かれるように歯に当接して歯車部品を誘導する、くさび形状のガイド爪を含むものとできる。制御部は、歯の側面がガイドに当接したときに、回動駆動部を制御して、歯車部品を、歯車のピッチ円上の歯厚の1/2回動させるようにできる。
歯車部品を、歯面支持する支持台に速やかに渡すことができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のマニピュレータ10の要部構成を示す図である。マニピュレータ10は、多軸ロボットアーム12と、このアーム12の先端に装着されたハンド部14を含む。多軸ロボットアーム12は、汎用のものを使用することができ、少なくとも図1の左右方向にハンド部14を移動させる制御軸と、ハンド部14を左右方向の軸周りに回動させる制御軸と、これらの軸を制御する制御部を有するものである。ハンド部14は、ワーク16を把持し、図1おける右方向に位置する支持台に向けて移動してワークを渡す。支持台は、ワーク16の加工時にこれを支持するものである。この支持台に対して進退する方向を、以降ハンド部並進方向と呼ぶ。対象となるワーク16は、周面に歯が形成された歯車部品である。特に、ここで説明するのは、部品の外周面に歯18が形成され、内周面として円筒面20が形成された歯車部品である。外周面に形成された歯18のピッチ円の軸線と円筒面20の軸線は一致している。また、はすば歯車として説明するが、平歯車等であってもよい。ワーク16は、その円筒面の軸線方向がハンド部並進方向と一致するように、また円筒面の軸線周りにハンド部14により回動駆動できるように、ハンド部14に把持される。
ハンド部14は、位相確認用フローティング機構部22、ワーク有無確認用フローティング機構部24および三爪チャック部26を有する。図2は、位相確認用フローティング機構部22およびワーク有無確認用フローティング機構部24の要部断面図であり、図3は、三爪チャック部26およびワーク有無確認用フローティング機構部24の一部を図1の右方向より見た図である。
位相確認用フローティング機構部22は、多軸ロボットアーム12の端に固定されるベース板28と、第1支持軸30と、ベース板28に第1支持軸30を介して支持されるフローティング板32を含む。第1支持軸30は、周方向に3個が等間隔に配置されているが、図面では簡略のために1個のみ示している。第1支持軸30の詳細が図2に示されている。第1支持軸30は、ベース板28に固定されるブッシュ34と、ブッシュ34を貫通し、これにスライド可能に支持されるスライド軸36と、ブッシュ34の端とフローティング板32の間に配置され、これらを離す方向に付勢するばね38とを含む。ばね38は、スライド軸36と同軸配置されるコイルばねとすることが好ましい。スライド軸36の一端(図2において右端)は、フローティング板32に固定され、他端には、円筒形または厚板円板形状の第1ドグ40が固定される。第1ドグ40は、1個の第1支持軸30に備えられていればよい。ベース板28には、ブラケットを介して位相確認スイッチ42が固定されている。この位相確認スイッチ42は、第1ドグ40が移動して正面に来ると、これを検知し、ON信号を出力する。
ブッシュ34とスライド軸36の相対運動により、フローティング板32は、ベース板28に対するハンド部並進方向の移動を許容されている。図1および図2に示される状態は、ベース板28とフローティング板32が最も離れた状態を示す。この状態よりフローティング板32がベース板28に近接する方向に移動すると、これに伴って、スライド軸36およびこれに固定されている第1ドグ40も移動する。この移動により、第1ドグ40が位相確認スイッチ42の検知範囲に入ると、スイッチ42はON信号を出力する。すなわち、位相確認スイッチ42のON信号の出力は、フローティング板32がベース板28に近づく方向に移動したことを示す。後に詳述するが、このON信号の出力が、位相が合わずにワーク16が支持台に渡せない状態であることを示す。
ワーク有無確認フローティング機構部24は、フローティング板32と、第2支持軸44と、フローティング板32に第2支持軸44を介して支持される当接板46を含む。当接板46は、ハンド部14がワーク16を把持しているとき、ワーク16に当接している。第2支持軸44は周方向に3個が等間隔に配置され、また第1支持軸30の周方向位置とずれて配置されている。図においては、簡略のために1個のみ示している。第2支持軸44の詳細が図2に示されている。第2支持軸44の構成は、第1支持軸30のものと類似している。第2支持軸44は、フローティング板32に固定されるブッシュ48と、このブッシュを貫通し、これにスライド可能に支持されるスライド軸50と、ブッシュ48の端と当接板46の間に配置され、これらを離す方向に付勢するばね52とを含む。図示する例では、二つのばね52が直列配置されているが、長い単一のばねを用いることも当然できる。ばね52は、スライド軸50と同軸に配置されるコイルばねとすることが好ましい。スライド軸50の一端(図2において右端)は、当接板46に固定され、他端には、円筒形または厚板円板形状の第2ドグ54が固定される。第2ドグ54は、1個の第2支持軸44に備えられていればよい。フローティング板32には、ブラケットを介してワーク有無確認スイッチ56が固定されている。このワーク有無確認スイッチ56は、第2ドグ54が移動して正面に来ると、これを検知し、ON信号を出力する。
ブッシュ48とスライド軸50の相対運動により、当接板46は、フローティング板32に対するハンド部並進方向の移動を許容されている。図1および図2に示される状態は、ハンド部14がワーク16を正常に把持した状態であり、このときにはフローティング板32と当接板46は、ワーク16を把持していないときに比べて近接した位置にある。また、このときは、第2ドグ54が、ワーク有無確認スイッチ56の検出範囲内に位置し、スイッチ56はON信号を出力する。一方、ハンド部14がワーク16を把持していない状態では、第2ドグ54は、ワーク有無確認スイッチ56の検出範囲の外にある。すなわち、ワーク有無確認スイッチ56のON信号の出力は、ハンド部14がワーク16を正常に把持している状態であることを示す。
三爪チャック部26は、円周上に配置された3個の爪が、それぞれ半径方向に移動して全体として開閉し、ワーク16を把持するものである。シリンダ部60には、半径方向にスライドする3個のエアチャック62が設けられ、個々のエアチャック62に爪58が支持されている。3個の爪58は、当接板46の開口64(図3参照)を通ってハンド部14の回動軸に平行に延びる。エアチャック62の駆動は、流体圧、好適には空気圧を利用して行われる。シリンダ部60には、爪58の動作確認のためのスイッチを内蔵することができる。この実施形態の場合、ワーク16が無いのに3個の爪58が開くと、開き側の端までスライドする。これを検知する第1のスイッチを設けることができる。また、ワーク16を把持し、予定された位置で爪58が達し、ここで止まったことを検知する第2のスイッチを設けることができる。さらに、ワーク16を離すとき、爪58が閉じ側の端までスライドしたことを検知する第3のスイッチを設けることができる。
図4は、爪58の構造を示す断面図である。エアチャック62の台座66に爪軸68がボルトにより固定されている。爪軸68は段付きの軸であり、この爪軸68にブッシュ70,72を介してローラ74が装着されている。爪軸68とローラ74は共通の軸線を有し、ローラ74は、爪軸68の周りに回動自在に支持されている。爪軸68の先端(図4中では右端)には、ローラ74の抜けを防止するためのスペーサ76が固定されている。スペーサ76は太径部と細径部を有し、この太径部の端面と先端側の配置されたブッシュ72の端面との間に、ローラ74の回動が許容されるよう隙間cが形成されている。ブッシュ72の先端側にはフランジ78が形成され、このフランジ78により、ローラ74の図中右方向への動きが阻止される。ローラ74の先端には、ワーク16の抜けを防止するためのフランジ80が設けられている。このフランジ80がワーク円筒部分の端面に掛かってワーク16が脱落することを防止する。
図5は、ワーク16を加工時に支持する支持台82を示す図である。図面を簡略にするために、ワーク16は、歯の部分のみ示し、また支持台82もワーク16が固定される固定面84とワーク16を歯面基準で把持するための把持ブロック86のみを示す。図6、図7は、把持ブロック86の要部を示す図である。固定面84上の3カ所、ワーク16の外側となる位置に、把持ブロック86が設けられている。把持ブロック86のワーク16に対向する面には、ガイド爪88とガイド鋼球90が配置されている。ガイド鋼球90は、鋼球を数珠のようにワイヤ92で連ねたものである(図6参照)。この鋼球が連なる方向は、歯車のヘリカルアングルに対応している。ガイド爪88は、図6に示す矢印Aに挿入されるワーク16の歯間の谷に入り込み、ガイド鋼球90が歯間の谷に誘導されるよう、ワーク16の挿入を案内する。ワーク16が固定面84に当接すると、把持ブロック86は、周囲よりワーク16を把持する。このとき、ガイド鋼球90を介して把持することにより、歯面基準で、かつ歯の位相も整合した状態でワーク16を固定することができる。また、ガイド爪88は、把持ブロック86の間の位置にも配置してよい。
図8は、ガイド爪88の概略形状を示す斜視図である。ガイド爪88の先端(図8中左端)は、軸方向に徐々に細くなっていき、また挿入されてくるワーク16に対向する面94(図中上側の面)は、反対側の面に比べて細くなっている。したがって、ガイド爪88の先端を、先端方向から見たときには、挿入されてくるワーク16に対向する面が幅が細く、反対側の面の幅が広い、概略的にくさび形状となっている。
図9は、三爪チャック部26のエアチャック62を駆動する流体圧回路の回路図である。本実施形態では流体として空気が使用できる。エアチャック62は、シリンダ部60内に備えられるエアシリンダ96により開閉する。シリンダ96内には、ピストンで仕切られた第1エア室100、第2エア室102が形成され、第1エア室100に空気が送られるとピストン98は、図中左方向に移動する。ピストン98が可動範囲の端まで移動すると、スライド弁104が第1エア室100内の圧力を開放する。一方、第2エア室102に空気が送られるとピストン98は右方向に移動し、可動範囲の端に達するとスライド弁104が、第2エア室102の圧力を開放する。このピストン98の動きに連動してエアチャック62が開閉動作する。エアシリンダ96の二つのエア室100,102への空気の供給を切り換えるのが、チャック開閉ソレノイド弁106である。
チャック開閉ソレノイド弁106に供給される空気は、エア源108からの圧力を維持して供給される場合と、減圧弁110を通過させて減圧してから送られる場合とがある。これを切り換えるのが、供給エア圧変更ソレノイド弁112である。供給エア圧変更ソレノイド弁112から直接チャック開閉ソレノイド弁106に至る経路、および減圧弁110を介してチャック開閉ソレノイド弁106に至る経路の双方に逆止弁113が設けられている。
三爪チャック部26によりワーク16を把持して支持台82の位置までこれを移動する際には、高いエア圧で空気を供給し、エアチャック62によるワーク把持力を高め、ワーク16の落下を防止する。一方、ワークを支持台82に装着する際には、エア圧を下げ把持力を低くする。これにより、ローラ74の摩擦力が小さくなり、回転しやすくなって、ワーク16自体のハンド部14に対する回転も容易になる。
図10〜図17を参照して、マニピュレータ10の動作を説明する。図10は、ロボットアーム12を有するロボット114、支持台82およびワーク取出し台116の配置を示す平面図である。ロボット114は、ロボットアーム12に装着されたハンド部14を、原点位置118からワーク16が置かれるワーク取出し台116の上方位置120に移動させ、そこから下降してワークを把持する把持位置122と移動させる。ワーク16を把持した後、ワーク16が支持台82に正対する正対位置124へとハンド部14を移動させる。さらに、ワーク16が支持台82に向けて移動するようにハンド部14を進出させ、装着位置126まで進出させる。このとき、支持台82に対して歯車の位相が整合されていれば、ワーク16は支持台82に装着される。位相がずれている場合、ロボット114は、ロボットアーム12を制御して、ハンド部14を、歯車部分の軸線周りに回動させ、位相あわせを行い、再度、ワーク16の装着を試行する。装着後、ハンド部14を原点位置118に退避させる。
図11は、ハンド部14が原点位置118にあるときの状態を示している。ハンド部14は下方を向いている。ベース板28とフローティング板32は最も離れた状態(距離a1)となっており、またフローティング板32と当接板46も最も離れた状態(距離b1)となっている。このため、第1および第2ドグ40,54は、対応する位相およびワーク有無確認スイッチ42,56の検知範囲外にあり、これらのスイッチ42,56はOFFになっている。
図12は、ハンド部14が、ワーク16が載置されたワーク取出し台116の上方の位置(取出し台上方位置)120に移動したときの状態を示している。ここから、ロボットアーム12は、ハンド部14を、ワークに向けて鉛直方向にプログラムにより定められた位置まで降下させる。図13は、ハンド部14が降下して、当接板46がワーク16の端面に当接し、爪58がワークの内筒面20の内側に進入した状態を示している。降下過程において、まず当接板46がワーク16に当接し、当接後もハンド部14は降下する。当接板46は、これ以上降下できないため、ばね52が圧縮され、フローティング板32と当接板46の距離が短縮される。距離がb2に短縮されると、第2ドグ54がワーク有無確認スイッチ56の検知範囲に進入し、スイッチ56はON信号を出力する。前記の定められた位置まで降下したときに、このON信号が出力されていれば、ワーク16が存在すると判断され、三爪チャック部26により、3個の爪58が展開し、ワークの円筒面20に内側から当接する。このとき、エアチャック62は高いエア圧で駆動される。また、定められた位置まで降下したときに、前記ON信号が出力されていなければ、ワークが存在しないと判断されて、作業者等にこれを報知する処理が実行される。爪58の展開によりワーク16を把持した状態で、ハンド部14は上昇し、さらに横に移動して正対位置124に向けて移動する。なお、当接板46がワークに当接後、第2支持軸44に属するばね52が圧縮されるのは、このばね52のばね定数が、第1支持軸30に属するばね38のばね定数より十分小さいものと設定されているためである。また、ばね52の付勢力に抗してワーク16を把持しておくために、爪58とワークの円筒面20の間に十分な摩擦力が働くよう、エアチャック62を駆動するエア圧が設定されている。また、爪58のローラに設けられたフランジ80も、ばね52の付勢力によるワーク16の脱落の抑止に寄与している。
図14は、ハンド部14が正対位置124にある状態を示す。正対位置124においては、ハンド部14は、それまでの下向きの状態から水平方向の状態に向きを変えている。これにより、ワーク16の爪58が当接している円筒面20の軸線が、ハンド部並進方向に一致する。また、三爪チャック部26に供給されるエア圧を減圧し、3個の爪58によるワーク16の把持力を低減する。このときには、ワーク16を横向きにして把持した状態となっているので、ワーク16に作用する重力に対抗する必要がなくなり、大きな把持力は必要なくなる。また、把持力が小さくなることにより摩擦力が低下して、爪58のローラ74が回転しやすくなる。正対位置124からハンド部14をハンド部並進方向に支持台82に向けて移動させる。支持台82のガイド爪88と歯車部分の歯が干渉しなければ、ワーク16は支持台の固定面84に当接するまで送られる(図15)。このとき歯面がガイド爪88に案内され、ワーク16が回転しながら送られる。このワーク16の回転は、爪58のローラ74が回動自在に支持されていることにより許容される。また、歯車の歯の側面とガイド爪88が若干ずれた状態で当接するときも、ワーク16が回転を許容されていることで、歯とガイド爪88の干渉が解消され、ワーク16が装着されやすい。
歯とガイド爪88が干渉した状態、すなわちワーク16がガイド爪88に当接し、これ以上送ることができなくなった状態が図16に示されている。ワーク16が当接した後、ハンド部14を進出させると、フローティング板32とベース板28の距離が縮められる。これは、ワーク16をハンド部14により把持したとき、すでに、第2支持軸44が短縮されており、これ以上短縮されない状態となっているためである。距離がa2まで短縮すると、第1ドグ40が位相確認スイッチ42の検出範囲に入り、このスイッチ42がON信号を出力する。この信号により、ワーク16の装着が失敗したことが検知される。これに基づき、ロボットアーム12は、ハンド部14をワークの円筒面20の軸線を中心に回転させる。つまり、手首をねじるような動作を行う。回転量は、歯車のピッチ円上の歯厚の約1/2とすることが好適である。ワーク16をガイド爪88に押し当てた状態で、歯厚の1/2、ステップ的に、すなわちじわじわと回転させるのではなく速やかに回転させる。回転方向は、あらかじめ定めておくことができる。ワーク16をガイド爪88に対して押し当てる力は、主に第1支持軸30のばね38の付勢力により発生される。この回転により歯とガイド爪の干渉が解消され、ワーク16が支持台82に装着される。これにより、ベース板28とフローティング板32の距離はa1に広がり、位相確認スイッチ42の出力はOFFになる。
上記より、ワーク16の支持台82への装着は、ワークが正規に装着されたときの位置にハンド部14が位置し、位相確認スイッチ42の出力がOFFとなっていることにより判断できることが分かる。
ワーク16を支持台の固定面84に当接するまで送り込むことができたら、3個の爪58を閉じてワーク16とハンド部14の係合を解く。この状態から、ロボットアーム12はハンド部14を退避させる方向に移動させる。この状態が図17に示されている。このとき、第2ドグ54は、ワーク有無確認スイッチ56の検知範囲から外れ、このスイッチ56の出力がOFFとなる。これにより、ワーク16が支持台82に渡されたことが検知される。
図18には、本実施形態の効果を示す図が示されている。ハンド部の爪に回動自在なローラを装着したものと、回動しない固定の爪としたもの、そしてそれぞれに対し、最初にワーク16を装着できなかったとき(再試行時)に、ワーク16を歯厚の1/2回転させた場合と、歯厚だけ回転させた場合のそれぞれの頻度を示している。4つの条件に対し、100回装着動作を繰り返した。例えば、ローラ爪を装着し、再試行時には歯厚だけワーク16を回転させる仕様においては、1回で装着できた例が77、再試行で装着できた例が23である。さらに、再試行の例に関して1回の再試行で装着できた例が17例、2回繰り返した例が5例、3回繰り返した例が1例となっている。
ローラを装着した爪(ローラ爪)は、計200例のうち173例(86.5%)が1回で、すなわち再試行を行わずに装着できたのに対し、ローラを持たない固定円筒爪では1回で装着できたのは38例(19%)であった。このようにローラ爪を採用することで、1回で装着される回数を大幅に削減できることが分かる。また、再試行についても、ローラ爪を採用することで1回で済む頻度が高まることが分かる。固定円筒爪の場合、3回以上の再試行を繰り返す例が非常に多いことが分かる。
また、再試行時の回転量については、ローラ爪の場合も、固定円筒爪の場合も、歯厚の1/2回転させた方が再試行の回数が減少していることが分かる。本実施形態の場合、前述のように、ガイド爪がくさび形状であり、挿入されてくるワークに対向する面の幅が、歯厚に比して、十分小さくなっているため、歯厚の1/2程度回転させることで、良好な結果が得られたものと考えられる。なお、この試験例において用いた歯車の歯厚は、ピッチ円上で約3.6mm、ガイド爪88のテーパ形状先端の幅は、約1.5mmである。
本実施形態では、外周に歯が形成された外歯歯車部品について説明したが、内周に歯が形成された内歯歯車部品についても本発明を適用できる。また、内周の円筒面でなく、外周の円筒面を把持するようにもできる。
10 マニピュレータ、12 ロボットアーム、14 ハンド部、16 ワーク(歯車部品)、18 歯、20 円筒面、22 位相確認用フローティング機構部、24 ワーク有無確認用フローティング機構部、26 三爪チャック部、28 ベース板、32 フローティング板、40 第1ドグ、42 位相確認スイッチ、46 当接板、54 第2ドグ、56 ワーク有無確認スイッチ、58 爪、74 ローラ、82 支持台、86 把持ブロック、88 ガイド爪、90 ガイド鋼球。
Claims (4)
- 周面に形成された歯と円筒面を有する歯車部品を、前記歯の歯面に当接するガイドによって歯面基準で支持する支持台に渡すマニピュレータであって、
開閉する複数の爪により前記円筒面を把持するハンド部と、
把持された歯車部品の前記円筒面の軸線に沿って当該歯車部品が移動するようにハンド部を駆動する並進駆動部と、
前記円筒面の軸線周りに歯車部品が回動するようにハンド部を駆動する回動駆動部と、
前記爪を、前記円筒面の軸線に交差する面内で開閉駆動する爪駆動部と、
並進駆動部、回動駆動部および爪駆動部を制御する制御部と、
を有し、
前記爪は、回動自在に支持された回動要素を含み、この回動要素を介して前記歯車部品を把持することで、この歯車部品が前記円筒面の軸線周りに回動することが許容され、
制御部は、並進駆動部を制御して、歯車部品を前記支持台へと進出させ、歯の側面が前記ガイドに当接したときには、歯車部品を進出方向に付勢した状態で回動駆動部を制御して歯車部品を回動させる、
マニピュレータ。 - 前記爪は略円柱形状であり、前記回動要素は、前記円柱形状の軸線周りに回動可能に支持されたローラであり、このローラにより前記略円柱形状の側面が形成される、請求項1に記載のマニピュレータ。
- 前記制御部は、歯車部品を支持具に渡す際に爪駆動部を制御して歯車部品を把持する力を低下させる、請求項1または2に記載のマニピュレータ。
- 前記ガイドは、歯の谷に位置して谷の両側の歯面に当接して歯面を支持するガイド球と、ガイド球が歯の谷に導かれるよう、歯面に当接して、歯車部品を誘導する、くさび形状のガイド爪を含み、
制御部は、歯の側面がガイドに当接したときに、回動駆動部を制御して、歯車部品を、歯車のピッチ円上の歯厚の1/2回動させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
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JP2007340435A JP2009160672A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | マニピュレータ |
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