JP2009160152A - 針一体型測定装置 - Google Patents

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Takeshi Fujimura
剛 藤村
Tomoko Ishikawa
智子 石川
Hideaki Nakamura
秀明 中村
Masao Goto
正男 後藤
Masao Karube
征夫 輕部
Shingo Kaimori
信吾 改森
Takahiko Kitamura
貴彦 北村
Hiroto Nakajima
裕人 中嶋
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Abstract

【課題】穿刺具およびバイオセンサチップを同時に駆動して穿刺および試料採取を行った際に、簡単な構造でバイオセンサチップと装置本体との電気的導通を図ることができる針一体型測定装置を提供する。
【解決手段】針一体型測定装置100は、バイオセンサカートリッジAを装填して穿刺及び測定を行う装置本体Cと、装置本体Cに対して移動可能に設けられ、バイオセンサカートリッジAが着脱可能に装着されるコネクタ73と、コネクタ73に設けられ、カートリッジを装着した時にバイオセンサチップと電気的に導通する一対のコネクタ側電極80a,80bと、装置本体Cに設けられた一対の本体側電極82a,82bと、コネクタ側電極80a,80bと本体側電極82a,82bとを電気的に導通させる導電性の弾性部材Dと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、針一体型測定装置に関し、例えばバイオセンサチップに収容した試薬を用いて化学物質の測定や分析を行う針一体型測定装置に関するものである。
従来より、バイオセンサチップとランセットを一体化したバイオセンサが開示されている(例えば特許文献1参照)。
図8(A)は特許文献1に記載されているバイオセンサの斜視図、図8(B)はバイオセンサの分解斜視図である。
図8に示すように、ランセット一体型のバイオセンサ100は、チップ本体101、ランセット103及び保護カバー105を有してなる。チップ本体101は、カバー101aと基板101bとを開閉可能に有しており、カバー101aの内面には内部空間102が形成されている。内部空間102は、ランセット103を移動可能に収納できる形状をしている。
ランセット103の先端に設けられている針104は、ランセット103の移動に伴って、チップ本体101の内部空間102の前端部に形成されている開口部102aから出没可能となっている。
内部空間101aの形状は、突起103aが位置する端部において、その幅がランセット103より若干狭くなるよう湾曲しており、互いの押圧力や摩擦力によってランセット103がチップ本体101に係止されるようになっている。
保護カバー105は針104を挿嵌する管部105aを有しており、針104の移動に伴って管部105aもチップ本体101の内部に収納可能となっている。
従って、使用前の状態では、保護カバー105を針104に被せて、針104を保護するとともに誤って使用者を傷付けないようにしている。尚、基板101bには、一対の電極端子106が設けられており、測定装置(図示省略)に電気的に接続できるようになっている。
使用時には、保護カバー105を外して、ランセット103を押して針104をチップ本体101から突出させる。この状態で被検体を穿刺した後、針104をチップ本体101内部に収納し、チップ本体101の前端に設けられている開口部102aを被検体の穿刺口に近づけて、流出した血液を採取する。
ところで、前述した特許文献1に記載のランセット一体型のバイオセンサ100においては、チップ本体101の内部空間102をランセット103が移動する構造となっており、構造が複雑になっている。このため、製造が面倒であるとともにバイオセンサ100の大型化を招いて製造コストが高くなるという不都合があった。
そこで、チップ本体の先端に穿刺針が突出するように、穿刺針をチップ本体に一体的に設けることにより、構造が簡単で小型化されたバイオセンサチップが考案されるようになってきた(例えば特許文献2参照)。
WO02−056769号公報 特開2007−155622号公報
しかしながら、前述した特許文献2に記載の針一体型バイオセンサチップを先端に取り付けて使用する測定装置においては、穿刺時および試料採取時にバイオセンサチップが測定装置に対して前方へ移動することになるので、バイオセンサチップが前方へ移動して試料を採取した後に、バイオセンサチップと測定装置との間の電気的導通を確保する必要がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、穿刺具およびバイオセンサチップを同時に駆動して穿刺および試料採取を行った際に、簡単な構造でバイオセンサチップと装置本体との電気的導通を図ることができる針一体型測定装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、穿刺具とバイオセンサチップを一体に備えたバイオセンサカートリッジを装填して穿刺及び測定を行う装置本体を備えた針一体型測定装置であって、
前記装置本体に対して移動可能に設けられ、前記バイオセンサカートリッジが着脱可能に装着されるコネクタと、
前記コネクタに設けられ、前記バイオセンサカートリッジを装着した時に前記バイオセンサチップと電気的に導通するコネクタ側電極と、
前記コネクタ側電極に対応して前記装置本体に設けられた本体側電極と、
前記コネクタ側電極と前記本体側電極とを電気的に導通させる導電性の弾性部材と、
を備えたことを特徴とする針一体型測定装置により達成される。
上記構成の針一体型測定装置によれば、バイオセンサカートリッジがコネクタに装着されると、バイオセンサチップがコネクタのコネクタ側電極に導通する。コネクタ側電極は、導電性の弾性部材を介して装置本体の本体側電極と電気的に導通可能となっているので、バイオセンサチップはコネクタの移動位置に関わらず、装置本体と電気的に接続されることになる。
また、導電性の弾性部材は、過度の変形を繰り返すことによる断線や、バイオセンサチップを移動させる為の機構の中に巻き込まれることによる故障や、束ねる等の工程が必要なることによる組立性の低下などを生じる虞がない。
従って、穿刺および試料の採取を行いながら、装置本体に対し移動可能なコネクタを介して、バイオセンサチップと装置本体との良好な電気的導通を図ることができる。
なお、上記構成の針一体型測定装置において、前記弾性部材が、穿刺後に前記コネクタを介して前記バイオセンサカートリッジを穿刺方向に付勢する押し当てバネとして構成されることが望ましい。
このような構成の針一体型測定装置によれば、試料の採取中にバイオセンサカートリッジの先端部を穿刺方向に付勢し、バイオセンサチップの試料採取口に連通する貫通穴を備えたバイオセンサカートリッジの先端部を被検体に押し当てる為の押し当てバネと導電性の弾性部材とを兼用することができ、部品点数の増加を抑制できる。
また、上記構成の針一体型測定装置において、前記弾性部材が、前記コネクタを介して前記バイオセンサカートリッジを穿刺駆動する穿刺バネとして構成されることが望ましい。
このような構成の針一体型測定装置によれば、穿刺具を被検体に穿刺駆動する為の穿刺バネと導電性の弾性部材とを兼用することができ、部品点数の増加を抑制できる。
また、上記構成の針一体型測定装置において、前記弾性部材が、圧縮コイルバネであることが望ましい。
このような構成の針一体型測定装置によれば、弾性部材は予めコイル形状とされることで、意図しない形に変形することがなく、穿刺方向に沿ってコンパクトに配設可能となる。また、弾性部材は自身の弾性復元力により、コネクタ側電極及び本体側電極に対して電気的な導通状態を良好に維持することができる。更に、弾性部材が穿刺バネとして構成される場合には、コネクタの穿刺方向となる直線方向に沿って、弾性復元力(すなわち、穿刺駆動力)を直接的に取り出せ、駆動損失が少なく、高効率の穿刺駆動力が得られる。
また、上記構成の針一体型測定装置において、前記コネクタの中心軸を中心とした円周上に、複数の前記弾性部材が配設されることが望ましい。
このような構成の針一体型測定装置によれば、全ての圧縮コイルバネの伸縮中心軸が、コネクタの中心軸から等距離に配置され、多数の圧縮コイルバネが偏り無くコンパクトに収容可能となる。
また、上記構成の針一体型測定装置において、前記コネクタの中心軸と前記穿刺具の中心軸とが同一中心に配置されることが望ましい。
このような構成の針一体型測定装置によれば、穿刺時に、コネクタの中心軸と穿刺具の中心軸との軸芯ズレによるモーメントが発生せず、穿刺具の中心軸に弾性部材の付勢方向が一致して、穿刺具による穿刺の直進性を高めることができる。
また、上記構成の針一体型測定装置において、前記コネクタの中心軸を中心に、点対称に複数対の前記弾性部材が配設されることが望ましい。
このような構成の針一体型測定装置によれば、複数対の弾性部材が点対称に配置されることで、偶数個の弾性部材による弾性復元力(すなわち、付勢力)が、半円周上ごとに等分割され、穿刺具による穿刺の直進性をより高めることができる。
本発明に係る針一体型測定装置によれば、装置本体に対して移動可能に設けられたコネクタのコネクタ側電極は、導電性の弾性部材を介して装置本体の本体側電極と電気的に導通可能となっている。そこで、穿刺および試料の採取を行いながら、装置本体に対し移動可能なコネクタを介して、センサチップの動作確認やカートリッジの装着状態の確認、或いは採取した試料の情報等をバイオセンサチップから装置本体に良好に伝達できる。
以下、添付図面に基づいて本発明に係る針一体型測定装置の好適な実施形態を詳細に説明する。
尚、今回開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、下記する意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は本発明に係る針一体型測定装置の構成図、図2は図1に示したバイオセンサセットの分解斜視図、図3は図1に示した針一体型測定装置のI−I矢視を模式的に表した断面図、図4は図3のIII−III矢視を模式的に表した断面図である。
本実施形態に係る針一体型測定装置100は、図1に示すように、後述する穿刺具25とバイオセンサチップ23を一体に備えたバイオセンサカートリッジAと、バイオセンサカートリッジ9を収容保持する筒状収容ケースBと、バイオセンサカートリッジAを装填して穿刺及び測定を行う装置本体Cと、を有する。
更に、本実施形態に係る針一体型測定装置100は、図1乃至図3に示すように、装置本体Cに対して移動可能に設けられ、バイオセンサカートリッジAが着脱可能に装着されるコネクタ73と、コネクタ73に設けられ、バイオセンサカートリッジAを装着した時にバイオセンサチップ23と電気的に導通する一対のコネクタ側電極80a,80bと、コネクタ側電極80a,80bにそれぞれ対応して装置本体Cに設けられた一対の本体側電極82a,82bと、コネクタ側電極80a,80bと本体側電極82a,82bとを電気的に導通させる導電性の弾性部材Dと、コネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAを穿刺駆動する穿刺バネEと、穿刺後にコネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAの先端部を穿刺方向に付勢する押し当てバネFと、を備える。これら弾性部材D及び押し当てバネFは、穿刺バネEに比べて弱いバネ力とされている。
図2は図1に示したバイオセンサカートリッジの分解斜視図である。
図2に示すように、バイオセンサカートリッジAは、外装カバー11を有する。外装カバー11の内部には、弾性体37を先端に装着するバイオセンサチップ23と、穿刺具25とが挟持固定される。
本実施形態の外装カバー11は、上蓋部11aと下蓋部11bとをヒンジ部11cとによって接続した一体構造で形成されているが、上蓋部11aと下蓋部11bとをヒンジ部11cで切り離した別体構成としてもよい。
上蓋部11aの内面には通気・余剰血排出路12が前後端に渡って形成され、通気・余剰血排出路12は不図示の減圧式採血補助機構に連通して負圧が付与される。すなわち、装置本体Cの内部には減圧式採血補助機構に連通する不図示の気密室が形成され、気密室の負圧は計測開口39に挿着されたバイオセンサカートリッジAの通気・余剰血排出路12を介して被検体の穿刺口から流出した血液を吸引し、バイオセンサカートリッジAの試料採取口29に効果的に導入する。
上蓋部11aと下蓋部11bの先端内面にはチップ押さえリブ13,13が突設され、チップ押さえリブ13は、上蓋部11aと下蓋部11bとが接合された状態で、弾性体37の切欠部37aに進入してバイオセンサチップ23を直接表裏面から挟持する。
また、上蓋部11aと下蓋部11bの先端内面には抜け止めピン14,14が突設され、これら抜け止めピン14は、上蓋部11aと下蓋部11bとが接合された状態で、弾性体37に押圧されて外装カバー11からの弾性体37の抜けを規制する。これにより、バイオセンサチップ23と弾性体37とは、接着剤を使用せずに外装カバー11によって強固に一体固定される。
上蓋部11aと下蓋部11bには接合凸部13aと接合凹部13bが形成され、接合凸部13aと接合凹部13bは、上蓋部11aと下蓋部11bとが接合された状態で嵌合して相互に熱融着される。
そこで、バイオセンサカートリッジAは、上蓋部11aと下蓋部11bの上下から力を加えながら、これら接合凸部13aと接合凹部13bを熱融着することで、複数(本実施形態では4箇所)の接合部で、弾性体37及びバイオセンサチップAを強固に挟み込む構造となっている。
なお、バイオセンサカートリッジAの外周部には、係合手段41を構成する4つの係止突起45が突設され、各係止突起45は筒状収容ケースBに設けられた係合凹部47と係合する。
バイオセンサチップ23は、図2に示すように、樹脂材料により板状に形成した穿刺具25の上面に収容される。弾性体37は、バイオセンサチップ23を収容した穿刺具25の先端に挿着される。
穿刺具25は矩形板状に形成され、長手方向一端に穿刺用器具Nが突出される。穿刺用器具Nとしては、例えば中空の注射針や、ランセット(lancet;槍状刀)針や、カニューレ(cannula;套管)等が挙げられる。これらの針は、樹脂に固着されていても良いし、樹脂で一体化(針自体も樹脂で成形)されていても良い。本実施形態では、穿刺用器具Nの一例として樹脂にランセット針が固着されたものが例示されている。
穿刺具本体21の上面には、バイオセンサチップ23を載置する収容部21aが周壁21bによって形成されている。バイオセンサチップ23は、周壁21bに包囲された状態で収容部21aに収容され、接着剤を使用しないで簡単に組み付けされるようになっている。
周壁21bは、穿刺具本体21の先端で切欠開口部21cとなって開口される。この切欠開口部21cには、穿刺用器具Nの直上に下り勾配で傾斜する傾斜導入面21dが形成されている。
傾斜導入面21dは、下り傾斜の下端が穿刺用器具Nの根元に近接し、上端がバイオセンサチップ23の先端に近接する。つまり、傾斜導入面21dの上端近傍には試料採取口33aが配置される。また、試料採取口33aを挟み傾斜導入面21dの反対側には外装カバー11の上蓋部11aに設けた通気・余剰血排出路12が配置される。
これにより、傾斜導入面21dと反対側に位置する通気・余剰血排出路12に負圧が付与されると、試料採取口33aへ到達する主流路が形成されて、穿刺用器具Nの根元に到達した血液が試料採取口33aへ効率よく導入されるようになっている。
また、両側周壁21b,21bの略中央部には、内側に係止突起22,22が突設され、係止突起22,22はバイオセンサチップ23に形成された係止凹部26,26を係止してバイオセンサチップ23の穿刺時における軸線方向の移動を規制するようになっている。
バイオセンサチップ23は、互いに対向する2枚の基板27a,27bと、この2枚の基板27a,27b間に挟装されるスペーサ層28を有している。基板27aのスペーサ層28側の表面には、検知用電極31a,31bが設けられており、先端部(図2において左下端部)は互いに対向する方向へL字状に曲げられて、所定間隔を保持している。
バイオセンサチップ23の後端部27cにおいては、基板27aが基板27bおよびスペーサ層28よりも延設されており、検知用電極31a,31bが基板27a上に露出している。
バイオセンサチップ23の先端から、2つの検知用電極31a,31bが対向している部分にかけて、2枚の基板27a,27b及びスペーサ層28により中空反応部33が形成されている。
この中空反応部33の先端には、被検体に穿刺用器具Nを穿刺して採取した試料としての血液を中空反応部33に導入する試料採取口33aが開口して設けられている。この試料採取口33aは穿刺用器具Nに近接して配置され、少量の試料でも確実に採取することができ、使用者の負担を軽減することができるようになっている。
中空反応部33においては、検知用電極31a,31bは露出しており、中空反応部33における検知用電極31a,31bの直上或いは近傍に、例えば酵素とメディエータを固定化し試料中の成分(例えば、血液中のグルコース)と反応して電流を発生する試薬35が設けられている。従って、中空反応部33は、試料採取口33aから採取された例えば血液等の試料が、試薬35と生化学反応する部分となる。
試薬35の例としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)やグリコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、コレステロールオキシダーゼ、ウリガーゼ等の酵素と、フェリシアン化カリウム、フェロセン、ベンゾキノン等の電子受容体が挙げられる。また、血液を試料とする場合には、被検体の採血負担を考慮すると、中空反応部33の容積は1μL(マイクロリットル)以下が好ましく、特に300nL(ナノリットル)以下であることが好ましい。このような微小な中空反応部33であると、チップ本体の直径は小さくても検体の充分な血液量が採取可能となる。また、穿刺針は、直径が1000μm以下であることが好ましい。
基板27a,27bおよびスペーサ層28の材質としては、絶縁性材料のフィルムが選ばれ、絶縁性材料としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等のプラスチック材料を例示することができる。機械的強度、柔軟性、及びチップの作製や加工の容易さ等から、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が好ましい。代表的なPET樹脂としては、メリネックスやテトロン(以上、商品名、帝人デュポンフィルム株式会社製)、ルミラー(商品名、東レ株式会社製)等が挙げられる。
バイオセンサカートリッジAの先端に装着される弾性体37の前端面37bには、図2に示すように、環状凹部38が形成されており、環状凹部38は中央底部に円柱状の突出部40を形成している。
突出部40の中心には弾性体37を貫通する貫通穴42が穿設され、貫通穴42には穿刺用器具Nが挿通する。貫通穴42は、穿刺用器具Nの外径より大きく形成される。弾性体37の軸線方向の寸法は、穿刺用器具Nの先端までを覆う長さとなっている。つまり、穿刺用器具Nは、貫通穴42の内部に収納される。
この弾性体37は、前端面37bが軸線方向に押圧されることで圧縮変形される。また、同様の押圧力が作用した際に、突出部40も環状凹部38の底面近傍まで潰れるように変形する。この圧縮変形が生じることにより、穿刺用器具Nが弾性体37の前端面37bから相対的に突出される。この押圧力は、後述する穿刺バネE(図3参照)によって付与される。
このように、バイオセンサカートリッジAは、先端に装着された弾性体37を被検体に押し付けると、弾性体37が圧縮変形し、内部に挿通された穿刺用器具Nが相対的に突出して被検体を穿刺する。そして、押し付け力が弱められると、弾性体37の復元力によって穿刺用器具Nが被検体から抜かれ、穿刺口から試料が流出し、一回の押圧動作のみで流出試料の採取が可能となっている。
なお、本実施形態において、弾性体37は、軸線直交方向の断面形状が楕円形状で形成されている。弾性体37は、断面楕円形状となることで、断面円形状よりもクッション体積を小さくして(圧縮変形の力を小さくして)、少ない駆動力での穿刺を可能としている。また、流出試料の採取中には、後述する押し当てバネF及び弾性部材Dの弾性付勢力により、バイオセンサチップ23の試料採取口33aに連通する貫通穴42を備えた弾性体37(バイオセンサカートリッジAの先端部)は、被検体に適度に押し当てられる。
弾性体37は、少なくとも天然ゴム、合成ゴム、スポンジのいずれか一つを必須材料として含有する。弾性体37の主材料として、少なくとも天然ゴム、合成ゴム、スポンジのいずれかが使用されることで、原材料の入手が容易となり、所望硬度の弾性体37を、良好な成形性によって安価に生産できる。また、弾性体37は、ブリードによる染みだし物質の被検体への付着を阻止するコーティング材にて表面が覆われてもよい。これにより、染みだし物質が採取試料に混入することによる測定成功率の低下が抑止できるとともに、被検体への影響も防止できる。
また、弾性体37の貫通穴42の内壁面には不図示の界面活性剤が塗布され、界面活性剤は試料採取口33aへの試料の導入を容易にしている。なお、この界面活性剤は、試料採取口33a及び中空反応部33の内壁にも塗布されている。
筒状収容ケースBは、両端開口部の一方が装置外に突出するようにバイオセンサカートリッジAと伴に装置本体Cの計測開口39(図3参照)に挿着される。筒状収容ケースBとバイオセンサカートリッジAとの間には、バイオセンサカートリッジAが装置本体Cに装着された後、バイオセンサカートリッジAに対しての保持を解除可能とする係合手段41が設けられている。
筒状収容ケースBは、両端の開口した透明性を有する樹脂材からなる円筒状に形成され、バイオセンサカートリッジAを同一軸線上に保持する。収容ケースBは、バイオセンサカートリッジ全体を完全に収容保持するものではなく、少なくとも弾性体37および穿刺用器具Nを覆うように保持するものである。
筒状収容ケースBの装置挿入側開口部43における内周面には、前述の4つの係止突起45と伴に係合手段41を構成する4つの係合凹部47が凹設されている。また、筒状収容ケースBの装置挿入側開口部43における外周面には、装置本体Cの計測開口39に挿入されて穿刺および測定を行う際の位置決めおよび抜け止めとして機能する環状溝49が凹設されている。
バイオセンサカートリッジAを保持した筒状収容ケースBは、バイオセンサカートリッジAと伴に装置本体Cの計測開口39に挿入される(図5(b)参照)。
筒状収容ケースBとバイオセンサカートリッジAとの間に設けられた係合手段41は、後に詳述するように、バイオセンサカートリッジAの後端部27cがコネクタ73の端子挿入部51(図3参照)に保持固定された状態で筒状収容ケースBを先端開口部53側へ相対移動させることによって、筒状収容ケースBのバイオセンサカートリッジAに対する保持を解除することができる。
筒状収容ケースBは、使用時に、バイオセンサカートリッジAを抜脱する装置挿入側開口部43から突出している後端部27cを装置本体Cの端子挿入部51に挿着するようにして、バイオセンサカートリッジAを装置本体Cの計測開口39に装着する。そして、装置本体Cに挿入された筒状収容ケースB自体が、被検体の当接部として利用可能となる。
即ち、これら筒状収容ケースBおよびバイオセンサカートリッジAからバイオセンサセット55が構成されている。
バイオセンサセット55は、図示しない包装フィルム内に個別に密閉包装されることにより、バイオセンサカートリッジAを無菌状態に保持する。また、筒状収容ケースBに収容されていることで、使用者はバイオセンサカートリッジAの弾性体37や穿刺用器具N(図2参照)に触れることもなく、安全性が確保されている。
このバイオセンサセット55は、筒状収容ケースBが、バイオセンサカートリッジAの挿着補助手段、被検体に対する当接部、およびバイオセンサカートリッジAを挿着した装置本体Cの保護キャップとしても機能することとなる。また、バイオセンサセット55は、バイオセンサカートリッジAの使用後の廃棄用ケースとしても使用可能である。バイオセンサセット55は、衛生面から使い捨てされることが好ましい。
係合手段41は、筒状収容ケースBの装置挿入側開口部43における内周面に凹設された4つの係合凹部47と、バイオセンサカートリッジAの外周部に突設され、4つの係合凹部47にそれぞれ圧入嵌合する4つの係止突起45とからなる。
バイオセンサカートリッジAは、図1および図3に示すように、筒状収容ケースBの内周面に凹設した係合凹部47に、バイオセンサカートリッジAの外周部に突設した係止突起45が圧入嵌合することで、軸線方向の移動が規制されて、筒状収容ケースB内に保持されている。
そして、バイオセンサカートリッジAの後端部27cが端子挿入部51に保持固定された状態で筒状収容ケースBが先端開口部53側へ相対移動されると、図6(a)に示すように、係合凹部47から係止突起45が離脱し、軸線方向の移動規制が解除される。
即ち、バイオセンサカートリッジAが筒状収容ケースBに保持された状態で装置本体Cの計測開口39に挿入され、後端部27cを端子挿入部51に保持固定させた状態で筒状収容ケースBのみを相対移動させることで、係合手段41による保持が解除される。つまり、バイオセンサカートリッジAを直接触らずに挿着が行えるようになっている。
そして、先端開口部53側へ相対移動させられた筒状収容ケースBは、図6(a)に示すように、装置挿入側開口部43の外周面に凹設された環状溝49が、計測開口39の開口部に配設されたOリング57に嵌合し、位置決めおよび抜け止めされる。
この状態では、バイオセンサカートリッジAの後端部27cが後述するコネクタ73の端子挿入部51に挿着状態となっていることから、筒状収容ケースBとの係合が解除されたバイオセンサカートリッジAは、筒状収容ケースBの軸線方向に相対移動し、穿刺用器具Nが穿刺可能となる。
装置本体Cは、装着したバイオセンサカートリッジAにて採取した試料の電気的特性を計測する測定制御部67と、装置本体Cに対してバイオセンサカートリッジAの穿刺方向に移動自在なコネクタ73と、コネクタ73に設けられバイオセンサカートリッジAが着脱可能に装着される上記端子挿入部51と、コネクタ73に設けられバイオセンサカートリッジAを装着した時にバイオセンサチップ23と電気的に導通する一対のコネクタ側電極80a,80bと、装置本体Cに設けられた一対の本体側電極82a,82bと、コネクタ73を装置本体Cに対して穿刺駆動すると共に、コネクタ側電極80a,80bと本体側電極82a,82bとを電気的に導通させる導電性の弾性部材Dと、コネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAを穿刺駆動する穿刺バネEと、穿刺後にコネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAの先端部を穿刺方向に付勢する押し当てバネFと、を備える。
更に、装置本体Cには、端子挿入部51を装置本体Cに対して穿刺駆動するコネクタ73を起動させるための穿刺スイッチ63、電源65、表示部69が設けられており、これらが互いに電気的に接続されている。
コネクタ73の先端部には、バイオセンサカートリッジAの後端部27cを挿入して固定するとともに、検知用電極31a,31bと導通する接続端子を備えた端子挿入部51が設けられており、端子挿入部51はバイオセンサチップ23を取り付けた状態で、穿刺方向である前方(図1において下方)に駆動される。
弾性部材Dの一端を支持するコネクタ73の基端部には、例えばプリント配線やリード線等の導体79a,79bによって端子挿入部51の接続端子に接続された一対のコネクタ側電極80a,80bが設けられている。また、弾性部材Dの他端を支持する装置本体Cのハウジング70には、例えばプリント配線やリード線等の導体81a,81bによって装置本体Cの測定制御部67に接続された一対の本体側電極82a,82bが設けられている。
そして、これらコネクタ側電極80a,80bと本体側電極82a,82bとを電気的に導通させる一対の弾性部材Dが、コネクタ73の基端部と装置本体Cのハウジング70との間に圧縮された状態で介装されている。
本実施形態では、上記のように導電性を有する弾性部材Dとして圧縮コイルバネが用いられている。この圧縮コイルバネとしては、例えば燐青銅等の導電性及びバネ性を兼ね備える金属が好適に用いられる。このように、予めコイル形状とされることで、圧縮コイルバネから成る弾性部材Dは意図しない形状に変形することがなく穿刺方向に沿ってコンパクトに配設可能となる。また、弾性部材Dは自身の弾性復元力により、コネクタ側電極80a,80b及び本体側電極82a,82bに対して電気的な導通状態を良好に維持することができる。更に、本実施形態の弾性部材Dは、試料の採取中にバイオセンサカートリッジAの先端部を穿刺方向に付勢する押し当てバネとしての機能も有している。
本実施形態の針一体型測定装置100では、図3に示すように、コネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAを穿刺駆動する穿刺バネEが、圧縮コイルバネにより構成されている。穿刺バネEは、コネクタ73の基端部から延設された軸部71の後端部と装置本体Cのハウジング70との間に介装されている。
また、バイオセンサチップ23の試料採取口33aに連通する貫通穴42を備えた弾性体37の貫通穴42を被検体に押し当てる為の押し当てバネFが、弾性部材Dと同様の圧縮コイルバネにより構成されている。押し当てバネFは、弾性部材Dと伴にコネクタ73の基端部と装置本体Cのハウジング70との間に圧縮された状態で介装されている。従って、押し当てバネFと導電性の弾性部材Dとを兼用することができ、部品点数の増加を抑制できる。
そして、図3に示すようなコネクタ後退前の状態では、穿刺バネEが付勢力を発生せず、押し当てバネF及び弾性部材Dがコネクタ73を穿刺方向へ付勢している。
本実施形態の弾性部材Dは、図4に示すように、コネクタ73の中心軸75を中心とした円周77上に、一対の押し当てバネFと伴に複数(図例では2つ)が配設される。これにより、全ての弾性部材D及び押し当てバネFの伸縮中心軸が、コネクタ73の中心軸75から等距離に配置され、4つの圧縮コイルバネが偏り無くコンパクトに収容されている。
また、コネクタ73の中心軸75と穿刺具25の中心軸とが同一中心に配置されている。これにより、穿刺時に、コネクタ73の中心軸75と、穿刺具25の中心軸との軸芯ズレによるモーメントが発生せず、穿刺用器具Nの中心軸に弾性部材Dの付勢方向が一致して、穿刺用器具Nによる穿刺の直進性が高められるようになっている。
さらに、本実施形態において、弾性部材D及び押し当てバネFは、コネクタ73の中心軸75を中心に、点対称に複数対(図例では2対)が配設されている。複数対の圧縮コイルバネが点対称に配置されることで、偶数個の圧縮コイルバネによる弾性復元力(すなわち、付勢力)が、半円周上ごとに等分割され、穿刺用器具Nによる穿刺の直進性がより高められている。
尚、弾性部材Dとしては、図示例の圧縮コイルバネの他、板バネや導電性ゴム等の弾性体が挙げられる。また、本記実施形態の針一体型測定装置100においては、弾性部材Dと押し当てバネFとをそれぞれ一対ずつ別に用いたが、弾性部材Dが押し当てバネとしての機能も有しているので、押し当てバネFを省略することもできる。そこで、コネクタ側電極と本体側電極が、例えば4対設けられた場合には、それぞれに導通する4つの弾性部材Dを配設することができる。勿論、弾性部材Dに押し当てバネとしての機能を持たせないように構成することもできる。
このように、装置本体Cに対して穿刺方向に移動自在に配設されたコネクタ73の端子挿入部51におけるコネクタ側電極80a,80bは、弾性部材Dを介して装置本体Cの測定制御部67に電気的に接続されており、バイオセンサチップ23の検知用電極31a,31bによって得られた試料と試薬35との反応電流が、測定制御部67に伝達されるようになっている。
次に、血糖値測定を例に挙げて、上記した針一体型測定装置100の動作を説明する。
図5は図1に示した穿刺測定装置による試料採取の手順を表す説明図であり、(a)はコネクタ後退前の状態を示し、(b)はコネクタ後退後の状態を示す。図6は図1に示した穿刺測定装置による試料採取の手順を表す説明図であり、(a)はバイオセンサセットの装着完了状態を示し、(b)は穿刺完了後の状態を示す。
この針一体型測定装置(血糖値測定装置)100は、小型であり、例えば、使用者が片手で持つことが可能なハンディタイプとなり、使用者が自分で操作できるようになっている。
本実施形態に係る針一体型測定装置100を使用するには、先ず、密閉包装されたバイオセンサセット55を包装フィルムから出し、筒状収容ケースBの側部を手指で摘み、図5(a)に示すように、バイオセンサカートリッジAの後端部27cをコネクタ73の端子挿入部51に差し込む。
すると、バイオセンサカートリッジAの検知用電極31a,31b(図2参照)が、コネクタ73の端子挿入部51に挿着され、バイオセンサチップ23が測定制御部67(図3参照)と電気的に接続状態となる。
そこで、装置本体Cは、端子挿入部51に装着されたバイオセンサカートリッジAの検出が可能となる。即ち、本実施形態に係る針一体型測定装置100は、穿刺動作前においてもバイオセンサチップ11の動作確認や装着状態の確認が可能となる。
更に、バイオセンサセット55を計測開口39内の奥側へ押し入れることにより、図5(b)に示すように、弾性部材D及び押し当てバネFと共に穿刺バネEが圧縮され、不図示の係止手段によってコネクタ73の移動が規制されることで、該コネクタ73が穿刺可能状態に保持される。
次いで、筒状収容ケースBが先端開口部53側へ相対移動されることにより、係合凹部47が係止突起45から外れ、図6(a)に示すように、環状溝49がOリング57に嵌合して位置決めおよび抜け止めされる。これにより、バイオセンサカートリッジAは、筒状収容ケースBに対して軸線方向の相対的な移動が可能となって、穿刺可能状態となる。
この状態で、図6(b)に示すように、筒状収容ケースBの先端に被検体Mを当てて、筒状収容ケースBの先端開口部53を塞ぐ。計測開口39に挿入された筒状収容ケースBは、突出され先端開口部53が、被検体Mである例えば指に押し当てられることで、内方のバイオセンサカートリッジAにて穿刺を行う際の位置決め手段として利用される。
この状態で穿刺スイッチ63(図1参照)を押圧すると、不図示の係止手段によるコネクタ73の移動規制が解除され、主に穿刺バネEの付勢力によってコネクタ73が穿刺方向に移動される。このコネクタ73の移動によってバイオセンサカートリッジAが押し出される。
押し出されたバイオセンサカートリッジAは、図6(b)に示すように、弾性体37が被検体Mに押し付けられて圧縮変形されるので、相対的に突出した穿刺用器具N(図2参照)によって穿刺を行う。
押し付け力によって変形した弾性体37は、復元力によって元の形状に戻る。これに伴ってバイオセンサカートリッジAは、若干後退され、穿刺用器具Nが被検体Mから抜かれる。
被検体Mから穿刺用器具Nが抜かれると、その穿刺穴から流出する血液が、図2に示すバイオセンサチップ23の先端に開口する試料採取口33aへ導かれ、試料採取口33aから中空反応部33へと流入する。このような流出試料の採取中には、穿刺バネEの付勢力は殆ど作用しないが、押し当てバネF及び弾性部材Dの弾性付勢力によって、弾性体37が被検体Mに適度に押し当てられた状態となる。そこで、弾性体37の貫通穴42は、血液を試料採取口33aへ良好に導くことができる。
尚、本実施形態に係る針一体型測定装置100は、穿刺スイッチ63を押下する直前に、不図示の減圧式採血補助機構から負圧を装置本体C内に付与し、計測開口39を介してバイオセンサカートリッジAに作用させる。これにより、穿刺穴から流出する血液が効率よくバイオセンサチップ23の試料採取口29に吸引される。
バイオセンサチップ(血糖値センサチップ)23は、GOD又はGDHの酵素とフェリシアン化カリウムを試薬35として、中空反応部33に設けている。そこで、中空反応部33に流入した血液が試薬35と反応すると、電流が発生し、この電流が基板27aの検知用電極31a,31bに流れ、導体79a,79b、弾性部材D、導体81a,81bを介して測定制御部67に入力される。これにより、血液中の成分が計測され、その計測結果が装置本体Cの表示部69に表示される。
このように、バイオセンサチップ23が取り付けられた端子挿入部51は、導電性を有する弾性部材Dを介して測定制御部67に電気的に接続され、導通状態を維持しながら移動自在となる。
そこで、バイオセンサチップ23は装置本体Cと電気的に常時接続されることになり、任意の移動位置において接触状態を維持することができ、常に安定した接触となるので電気的な接続信頼性が高まる。
即ち、上述した本実施形態の針一体型測定装置100によれば、バイオセンサカートリッジAを収容保持した筒状収容ケースBを装置本体Cの計測開口39に挿着するだけで、バイオセンサカートリッジAを装置本体Cに装着でき、穿刺スイッチ63の一回の操作で、穿刺、採取、測定までが行える。
更に、筒状収容ケースBに保持されたバイオセンサカートリッジAは、検知用電極31a,31bを備えた後端部27cが露出しているので、装置本体Cの計測開口39に挿着する際の挿入が容易となる。
また、バイオセンサセット55を計測開口39内へ押し入れて穿刺バネEを圧縮し、コネクタ73を穿刺可能状態に保持した後、筒状収容ケースBが先端開口部53側へ相対移動されて位置決めおよび抜け止めされるので、コネクタ73に保持されたバイオセンサカートリッジAの先端部と筒状収容ケースBの先端開口部53との間には、充分な移動ストロークを確保することができ、良好な穿刺動作が可能となる。
そして、本実施形態の針一体型測定装置100によれば、コネクタ73に設けられバイオセンサチップ23に導通するコネクタ側電極80a,80bと、コネクタ側電極80a,80bに対応して装置本体Cに設けられた本体側電極82a,82bと、コネクタ側電極80a,80bと本体側電極82a,82bとを電気的に導通させる導電性の弾性部材Dと、を備えたので、穿刺具25およびバイオセンサチップ23を同時に駆動して穿刺および試料採取を行った際に、簡単な構造でバイオセンサチップ23と装置本体Cとの電気的導通を図ることができる。
これにより、一般的なビニル被覆電線を用いた接続構造における硬過ぎる電線に起因する駆動抵抗の増大を防止して、スムースな穿刺動作が可能になる。そこで、駆動抵抗を低減させるために細い電線(軟配線)を用いた場合の電気抵抗の上昇を防止できる。
また、軟配線による接続構造において生じる変形疲労による断線も防止できる。また、軟配線が移動するコネクタ73に巻き込まれることによって生じる装置本体Cの故障、測定不良も防止できる。
従って、本実施形態の針一体型測定装置100は、穿刺用器具Nとバイオセンサチップ23を一体に備えたバイオセンサカートリッジAを、コネクタ73により駆動して穿刺および試料の採取を行いながら、採取した試料の情報をバイオセンサチップ23から装置本体Cに確実に伝達でき、短時間且つ容易な測定を可能にして、使用者の負担を軽減することができる。特に、糖尿病の患者では、一日に数回血糖値を測定する必要があるので、その効果は大きい。
図7は、本発明の他の実施形態に係る針一体型測定装置200を示す要部断面図である。但し、上記実施形態の針一体型測定装置100と同様の構成部材については、同符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示した針一体型測定装置200では、コネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAを穿刺駆動する穿刺バネEが、弾性部材Dと同様の圧縮コイルバネにより構成されている。穿刺バネEは、弾性部材Dと伴にコネクタ73の基端部と装置本体Cのハウジング70との間に圧縮された状態で介装されている。従って、穿刺バネEと導電性の弾性部材Dとを兼用することができ、部品点数の増加を抑制できる。
また、本実施形態の弾性部材Dは、コネクタ73を介してバイオセンサカートリッジAを穿刺駆動する穿刺バネとしての機能も有している。そこで、穿刺バネEを省略することもできる。即ち、弾性部材Dは、コネクタ側電極80a,80bと本体側電極82a,82bとを電気的に導通させると共に、コネクタ73を装置本体Cに対して穿刺駆動することもできる。勿論、弾性部材Dに穿刺バネとしての機能を持たせないように構成することもできる。
尚、上記の各実施形態では、穿刺スイッチ63を押下することで、コネクタ73が穿刺方向に移動されるように構成したが、被検体Mに筒状収容ケースBの先端が押し付けられると、これを検知してコネクタ73が穿刺方向に移動されるように構成しても良い。
本発明に係る針一体型測定装置の構成図である。 図1に示したバイオセンサセットの分解斜視図である。 図1に示した針一体型測定装置のI−I矢視を模式的に表した断面図である。 図3のIII−III矢視を模式的に表した断面図である。 図1に示した穿刺測定装置の試料採取の手順を表す説明図であり、(a)はコネクタ後退前の状態を示し、(b)はコネクタ後退後の状態を示す。 図1に示した穿刺測定装置の試料採取の手順を表す説明図であり、(a)はバイオセンサセットの装着完了状態を示し、(b)は穿刺完了後の状態を示す。 (a)は本発明の他の実施形態に係る針一体型測定装置の要部断面図であり、(b)は(a)のVII−VII矢視を模式的に表した断面図である。 (A)は従来のバイオセンサチップを示す斜視図であり、(B)は従来のバイオセンサチップを示す分解斜視図である。
符号の説明
23…バイオセンサチップ
25…穿刺具
51…端子挿入部
67…測定制御部
73…コネクタ
75…コネクタの中心軸
77…円周
80a,80b…コネクタ側電極
82a,82b…本体側電極
100…針一体型測定装置
A…バイオセンサカートリッジ
C…装置本体
D…弾性部材

Claims (7)

  1. 穿刺具とバイオセンサチップを一体に備えたバイオセンサカートリッジを装填して穿刺及び測定を行う装置本体を備えた針一体型測定装置であって、
    前記装置本体に対して移動可能に設けられ、前記バイオセンサカートリッジが着脱可能に装着されるコネクタと、
    前記コネクタに設けられ、前記バイオセンサカートリッジを装着した時に前記バイオセンサチップと電気的に導通するコネクタ側電極と、
    前記コネクタ側電極に対応して前記装置本体に設けられた本体側電極と、
    前記コネクタ側電極と前記本体側電極とを電気的に導通させる導電性の弾性部材と、
    を備えたことを特徴とする針一体型測定装置。
  2. 前記弾性部材が、穿刺後に前記コネクタを介して前記バイオセンサカートリッジを穿刺方向に付勢する押し当てバネとして構成されることを特徴とする請求項1に記載の針一体型測定装置。
  3. 前記弾性部材が、前記コネクタを介して前記バイオセンサカートリッジを穿刺駆動する穿刺バネとして構成されることを特徴とする請求項1に記載の針一体型測定装置。
  4. 前記弾性部材が、圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の針一体型測定装置。
  5. 前記コネクタの中心軸を中心とした円周上に、複数の前記弾性部材が配設されることを特徴とする請求項4に記載の針一体型測定装置。
  6. 前記コネクタの中心軸と前記穿刺具の中心軸とが同一中心に配置されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の針一体型測定装置。
  7. 前記コネクタの中心軸を中心に、点対称に複数対の前記弾性部材が配設されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の針一体型測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105596015A (zh) * 2016-02-04 2016-05-25 天津九安医疗电子股份有限公司 一种采血针及连续采血装置

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