JP2009159863A - コロッケ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】おからコロッケの製造方法において、コロッケの成形性を良くし、ジャガイモコロッケと同様の食味及び食感を再現する。
【解決手段】おからコロッケは、おから1と、このおから1と略同重量の水とを混和して成る混和物を摩砕しておから摩砕スラリーを作製する工程S1と、摩砕スラリーの水分を脱水しておから摩砕ペーストを作製する工程S2と、摩砕ペーストにミンチ肉等を混和してコロッケ生地を作製する工程S3と、コロッケ生地の表面に小麦粉及びパン粉を含むころもを形成して生コロッケを作製する工程S4とを含む製造方法により作製される。おからを摩砕することにより、おからの細胞壁のセルロース、ヘミセルロースはすり潰されて、おからの細胞内成分が細胞外に流出する。そのため、摩砕されたおからは粘度が高く、しなやかな状態になり、コロッケとしての成形性を良くすることができ、ジャガイモコロッケと同様の食味及び食感を再現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、おからを主原料として用いたコロッケ及びその製造方法に関する。
おからは、豆腐製造工程において、原料の大豆から豆乳を搾ったあとに生じる残りかすであり、その多くは廃棄処分されている。しかし、おからには多くの栄養成分が含まれており、例えば、おから100g中には、たんぱく質6.1g、脂質3.6g、炭水化物13.8g、各種ミネラル、ビタミンのほか、食物繊維11.5gが含まれることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。おからのたんぱく質は、アミノ酸組成に優れ、人の成長や発育に必要な必須アミノ酸を多く含んでいる。また、飽食の現代においては食物繊維の摂取量の減少が進み、肥満や生活習慣病等の増加が懸念されているが、おからには、便通を整え、有害物質の排泄を促進することにより肥満や生活習慣病等の予防や改善に効果がある植物繊維が豊富に含まれている。更に、細胞の新陳代謝を促進し、神経細胞や脳細胞を活性化する働きがある大豆レシチンや、骨粗しょう症や更年期障害を防ぎ、コレステロール値や血圧、及び動脈硬化を改善する効果がある大豆イソフラボン等の成分は、豆乳又はその豆乳から製造される豆腐よりも、残りかすであるおからにより多く含まれている。
このような豊富な栄養成分を有するおからを廃棄処分することは、貴重な食料の損失につながり、食品リサイクル法及び今日の循環型社会の精神にも反するものである。そこで、近年では、おからを食品として有効利用するための種々の試みがなされている。その一例として、おからをコロッケ生地の一部として利用したおからコロッケ及びその製造方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。コロッケは、多くの家庭及び外食産業等で愛用されている代表的な惣菜の一つであり、コロッケ生地におからを利用すれば、おからに含まれる種々の栄養成分等を効果的に摂取でき、しかも廃棄物としての処理されていたおからを有効活用することができる。
しかし、おからは、ボソボソ、ザラザラとした独特の食感があり、また、パサパサしているのでコロッケとしての成形性が悪い。そのため、一般的なコロッケ生地の主原料であるジャガイモに代えておからを使用しても、ジャガイモコロッケと同等の食感を有する美味しいコロッケを製造することはできない。そこで、上記特許文献1に記載されたコロッケは、コロッケ生地にすり潰した山芋やチーズを添加することにより、食感を滑らかにすると共に、コロッケとしての成形性を持たせている。
また、主原料のおからに、豆乳、クリームコーンを加えてカッターで攪拌し、更にジャガイモや、コーン粉末を添加してコロッケ生地を製造するコロッケ生地の製法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、ジャガイモの一部又は全部に代えて、おからを加温下で粉砕して製造したおから粉砕物(粒径100〜200μm)を用いることにより、おから特有のザラザラとした食感を低減し、コロッケ生地にラードや山芋粉末を加えることにより、ジャガイモコロッケに似た食味とした生コロッケの製造方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
五訂日本食品標準成分表(平成12年;科学技術庁資源調査会編) 特開2007−209290号公報 特開昭62−186771号公報 特開2006−61033号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に記載されたコロッケ等の製造方法においては、山芋やチーズ等のおから以外の材料をコロッケ生地に添加しているので、コロッケ生地中に占めるおからの割合が少なく、おからの有効に利用しているとは言えない。また、コロッケ生地の製造過程において、山芋やチーズ等のおからに比べてはるかに高価な材料を添加する工程を含むので、材料費及び加工費等が高くなり、コロッケの製造コストが非常に高くなる虞がある。
更に、特許文献3には、山芋やラードを添加したおからコロッケは、これらを添加していないコロッケに比べて形状保持性が高く、油で揚げたり、油で揚げた後に崩れることが少なかったとする記載がある。この記載は、山芋やラードを添加していないコロッケは、油で揚げたり、油で揚げた後に崩れるケースがある、すなわち、サイレントカッターで粉砕したおから粉砕物だけでは、コロッケとしての十分な粘性が得られないことを示唆するものである。
そこで、本件発明者は、特許文献3に記載されたコロッケの製造方法に従い、サイレントカッター(マドー社製、型番:MTK662)を用いて、おからを粉砕し、粒径50〜500μmとしたおから粉砕物を用いてコロッケを試作する再現実験を行った。その結果、試作されたコロッケのうち、山芋やラードを添加していないコロッケは、その形状が崩れてしまうことがあり、また、必ずしもジャガイモを用いたコロッケと同等の食感及び食味を再現したものとは言えなかった。
図4に、上記サイレントカッターを用いて粉砕したおから粉砕物の顕微鏡写真を示す。サイレントカッターは、おから粒子を鋭利な刃物でカットすることにより粉砕するので、図4に示したように、おから粒子は、細胞の損傷が少なく、細胞内に含まれている各種成分(例えば、たんぱく質、脂質、糖質、及び大豆レシチン等)の細胞外への流出は少ない。そのため、サイレントカッターによるおから粉砕物を用いたコロッケは、コロッケ生地の粘度が低くなり、形状保持性が悪く、また、マッシュしたジャガイモ独特の滑らかな食感を再現することができない。
おからコロッケは、上述した特許文献以外にも複数の先行例が存在している。しかし、おからコロッケの知名度は未だ低く、スーパーや百貨店の惣菜売り場等における定番商品とされているケースは殆どない。その要因として、これらの先行例に示されるおからコロッケは、何れもおから独特の食感が強く、多くの人に好まれる水準に達していないためと考えられる。従って、おからを主原料としたコロッケにおいて、ジャガイモコロッケと同様の食感及び食味を再現できれば、おからコロッケの需要が伸びると共に、従来は廃棄処分されていたおからの多くを有効利用できるようになると期待される。
本発明は、上記課題を解決するものであり、一般的なコロッケの主原料であるジャガイモに代えておからを使用し、ジャガイモコロッケと同様の食感及び食味を再現し、しかも成形性の良いおからコロッケ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、おからを主原料とするコロッケの製造方法であって、おからと、該おからと略同重量の水とを混和して成る混和物を摩砕して、おから摩砕スラリーを作製する摩砕工程と、前記摩砕工程により得られたおから摩砕スラリーの水分を脱水して、おから摩砕ペーストを作製する脱水工程と、前記脱水工程により得られたおから摩砕ペーストに、少なくともミンチ肉、玉葱及び調味料を混和してコロッケ生地を作製するコロッケ生地作製工程と、前記コロッケ生地の表面に、少なくとも小麦粉及びパン粉を含むころもを形成して生コロッケを作製する生コロッケ作製工程と、を含み、ジャガイモを主原料とするコロッケと同様の食感及び食味を有するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコロッケの製造方法であって、前記摩砕工程において、生成されるおから摩砕スラリーに含まれるおから摩砕物は、該おから摩砕物の重量中、粒径略0〜50μmのものが略10〜30%含まれるように摩砕されているものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載のコロッケの製造方法であって、前記摩砕工程において、生成されるおから摩砕スラリーに含まれるおから摩砕物は、該おから摩砕物の重量中、粒径略0〜50μmのものが略15〜25%、粒径略50〜200μmのものが略20〜45%、粒径略200〜400μmのものが略30〜40%、粒径略400〜700μmのものが略10〜20%となるように摩砕されているものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコロッケの製造方法であって、前記脱水工程において、前記おから摩砕スラリーの重量の略10〜50%の水分が脱水されるものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコロッケの製造方法であって、前記脱水工程に代えて、乾燥マッシュポテトを添加しておから摩砕ペーストを生成するおから粘度調整工程を含むものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のコロッケの製造方法であって、前記コロッケ生地作製工程において、前記おから摩砕ペーストに、加熱したジャガイモをマッシュして作製したマッシュポテトが添加されるものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載されたコロッケの製造方法によって製造されるコロッケである。
請求項1の発明によれば、おからを摩砕することにより、おから粒子中の大豆細胞の細胞壁を構成するセルロース、ヘミセルロースがすり潰され、各おから粒子は角張ることなく、しなやかな状態になる。それと同時に、摩砕されたおからは、すり潰されることにより、細胞内成分が細胞外に押し出されるので、ジャガイモのような滑らかな食感を再現することができる。また、摩砕されたおからは、例えば、カッターで粉砕されたおから粉砕物よりも高い粘度を有し、コロッケとして形成する際の成形性及び形状保持性を良くすると共に、ミンチ肉や玉葱等の具材を添加して作製されたコロッケを、ジャガイモを主成分とするコロッケに似た食味とすることができる。
請求項2の発明によれば、おから摩砕物中に粒径50μm以下のものが略20%含まれることにより、滑らかな食感を再現できる。
請求項3の発明によれば、おからの粒径を調節することにより、よりジャガイモに似た食感のコロッケとすることができる。
請求項4の発明によれば、水分を調節することにより、コロッケ生地の成形性を良くすることができる。
請求項5の発明によれば、乾燥マッシュポテトを添加して、おから摩砕ペーストの粘度を調整することにより、おからに含まれる栄養成分の一部が脱水液中に流出するのを抑制することができる。
請求項6の発明によれば、ジャガイモが添加されるので、おからに含まれる各種栄養成分だけでなく、ジャガイモに含まれるビタミンCを摂取できるおからコロッケを作製することができる。
請求項7の発明によれば、良質のたんぱく質、食物繊維に加え、大豆イソフラボンや、大豆レシチンといったおからに含まれる各種の栄養成分を容易に、しかも美味しく摂取することができる。また、食品としてのおからの利用可能性を高めることができ、従来は廃棄処分されていたおからの有効活用に貢献することができる。
本発明の一実施形態に係るコロッケの製造方法及びその製造方法によって作製されるコロッケについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のコロッケの製造方法における各工程を示す。本実施形態のコロッケの製造方法は、おから1と、このおから1と略同重量の水とを混和して成る混和物を摩砕して、おから摩砕スラリーを作製する摩砕工程S1と、摩砕工程S1により得られたおから摩砕スラリーの水分を脱水して、おから摩砕ペーストを作製する脱水工程S2と、脱水工程S2により得られたおから摩砕ペーストに、少なくともミンチ肉、玉葱及び調味料を混和してコロッケ生地を作製するコロッケ生地作製工程S3と、コロッケ生地の表面に、少なくとも小麦粉及びパン粉を含むころもを形成して生コロッケ10を作製する生コロッケ作製工程S4と、を含む。以下、上記各工程について詳述する。
摩砕工程S1における、おから1と水との混和物の摩砕は、少なくとも2個の碾き石から成る碾き臼を機械化したマスコロイダー(登録商標)と呼ばれる装置を用いて行われる。マスコロイダーは、固定された碾き石と回転駆動する碾き石との間に材料を投入し、これら2つの碾き石をすり合わせることにより材料を摩砕して、摩砕スラリーを生成するものである。上記2つの碾き石の間隔を調整することにより、摩砕スラリーに含まれる材料の粒径を自在に調整することができる。また、碾き石の表面は粗面であるので、摩砕された材料の粒径は必ずしも均一にはならない。この性質を利用し、上述した碾き石の間隔を適宜に調整することにより、摩砕された材料の粒度分布を調節することができる。
好ましくは、摩砕工程S1において生成されるおから摩砕スラリーに含まれるおから摩砕物は、おから摩砕物の重量中、粒径略0〜50μmのものが略10〜30%含まれるように摩砕されている。より具体的には、粒径略0〜50μmのものが略15〜25%、粒径略50〜200μmのものが略20〜45%、粒径略200〜400μmのものが略30〜40%、粒径略400〜700μmのものが略10〜20%となるよう調整される。
図2は、上述の摩砕工程S1により得られたおから摩砕物の粒度分布を3回繰り返し測定し、その平均値を示す。おから摩砕物の作製にはスーパーマスコロイダー(登録商標)(増幸産業製、品番:MKZA10−15)を用い、碾き石間隔を、2.5目盛りに設定した。粒度分布は、光学的手法を用い、光散乱により測定した。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置(製品名:MICROTRAC FRA)を用いて測定した。本実施形態により作製されたおから摩砕物の粒径は、略50〜400μmの範囲にあるものが全体の過半数を超えて最も多く含まれる。また、粒径50μm以下の微粒のものが略10〜30%含まれることも本実施形態で作製されたおから摩砕物の特徴である。たとえ粒径700μm近くの粒子が存在しても、微粒になるよう摩砕された摩砕物を含むことにより、特に、粒径が50μm以下の摩砕物が混和されていることにより、ざらつきを感じさせることなく、ジャガイモと同様の滑らかな食感を有するおからコロッケを製造することができる。
図3に、おからスラリーに含まれるおから摩砕物の顕微鏡写真を示す。おから摩砕物は、おから粒子がすり潰されて大豆細胞が破壊される。上述した従来技術のように、サイレントカッターでカットしたおからは、粒子は細かくなるが、大豆細胞の細胞壁を構成するセルロース、ヘミセルロースが鋭利な刃物によって切断され、細胞の損傷は少ない(図4参照)。そのため、おから粒子内に含まれている各種成分(たんぱく質、脂質、糖質、及び大豆レシチン等を含む)の粒子外への流出は少ない。これにより、サイレントカッターによるおから粉砕物の粘度は低くなる。
これに対して、マスコロイダーで摩砕されたおから摩砕物は、碾き石により強い力ですり潰されているので、粒子が小さくなるだけでなく、細胞壁のセルロース、ヘミセルロースがすり潰され、しなやかな状態になる。それと同時に、細胞内成分(たんぱく質、脂質、糖質、大豆レシチン等を含む)が細胞外に押し出され、すり混ぜられる。細胞内成分の中でも、大豆レシチンは強い乳化力を持ち、おから摩砕スラリーに含まれる水分とおからの油分とを乳化する。また、大豆たんぱく質の8割以上を占めるグリシニン及びコングリシニンは、強い親水基と弱い疎水基を持っているので、これらたんぱく質も乳化される。マスコロイダーでおからをすり潰すと、小さくなったしなやかなおから粒子が作られるだけでなく、同時に、乳化物が形成され、これらがすり混ざり合った状態で形成される。そのため、マスコロイダーによって摩砕されたおから摩砕物は、カッターで粉砕されたおから粉砕物よりも高い粘度を有し、コロッケとして形成されたときに形状保持性が良く、マッシュしたジャガイモと同様の食感を再現することができる。
次に、生成されたおから摩砕スラリーを、布製の袋に詰め、これを脱水機にかけて、おから摩砕スラリーに含まれる水分を脱水する。脱水機の排水口に目盛り付き容器を配置して、脱水液の液量を測り、その液量が所定量に達したときに脱水を終了する(脱水工程S2)。脱水が十分でなければ、コロッケ生地の成形性が悪くなる。一方で、脱水し過ぎると、コロッケ生地の成形性が悪くなる。本実施形態においては、おから摩砕スラリーの重量の略10〜50%の水分が脱水される。この脱水工程S2により得られたおから摩砕ペーストを用いることにより、コロッケ生地の成形性を良くすることができる。なお、脱水工程S2において得られた脱水液に、乾燥マッシュポテトを添加して、これらの混和物をおから摩砕ペーストに加えてもよい。こうすれば、脱水液を廃棄することなく有効利用することができる。
上記脱水工程S2により得られたおから摩砕ペーストには、少なくともミンチ肉、玉葱及び調味料等が混和され、これを所定の形状に成形してコロッケ生地を作製する(コロッケ生地作製工程S3)。ミンチ肉は、牛肉又は牛・豚の合い挽きミンチ等、特に限定されない。ミンチ肉に代えて、又はミンチ肉に加えて、鮭、ホタテ、蟹、海老等を適宜に添加してもよい。玉葱は、例えば、粗微塵切りされて添加される。また、野菜具として、人参、グリンピース、コーンやきのこ等を加えてもよく、一般的なジャガイモコロッケに添加される任意の具材を加えてもよい。上記のミンチ肉等の材料は、好ましくは加熱された後に、更に好ましくは油等で炒められた後に、おから摩砕ペーストに混和される。調味料としては、塩や胡椒等が挙げられ、適宜に微量のマヨネーズを添加してもよい。マヨネーズには、よりジャガイモの食味に近づける効果がある。コロッケ生地の形状は、例えば、小判型や俵型が一般的であるが、これらの形状に限られず、任意の形状を含む。作製されたコロッケ生地は、好ましくは室温以下の温度に冷却される。
次に、コロッケ生地の表面に、小麦粉を薄くまぶした後、水及び小麦粉等から成るバッター液にくぐらせる。その後、これにパン粉をつけることにより、生コロッケ10が作製される(生コロッケ作製工程S4)。作製された生コロッケ10は、直ぐに、油で揚げられることにより、惣菜売り場等で販売されるコロッケに、又は冷凍されて冷凍コロッケになる。
本実施形態のコロッケ製造方法においては、上述した脱水工程S2に代えて乾燥マッシュポテトを添加して、おから摩砕ペーストを生成するおから粘度調整工程を実施してもよい。このように、乾燥マッシュポテトを添加することにより、おから摩砕ペーストの粘度を調整すれば、脱水液からおからの栄養成分の一部が流出することを抑制できる。なお、おから摩砕ペーストの粘度を調整できるものであれば、必ずしも上記の乾燥マッシュポテトに限られない。
コロッケ生地作製工程S3においては、おから摩砕スラリーに、ジャガイモを加熱してマッシュすることにより作製されるマッシュポテトを更に添加してもよい。本実施形態のコロッケ製造方法によるおからコロッケは、上述した通り、ジャガイモを添加しなくても、ジャガイモを主原料とするコロッケと同様の食感を再現することができる。そのため、本来的には材料としてのジャガイモの添加は不要である。しかし、おから摩砕スラリーに、マッシュポテトを添加することにより、おからに含まれる各種栄養成分だけでなく、ジャガイモに含まれるビタミンCを摂取できるおからコロッケを作製することができる。
以下、本実施形態のコロッケの製造方法及びこの製造方法により製造されるコロッケの具体的な実施例について説明する。20kgのおからと同重量の水を添加してこれらを混和した後、この混和物を摩砕した。摩砕は、スーパーマスコロイダー(登録商標)(増幸産業製、品番:MKZA10−15)を用い、碾き石間隔を、2.5目盛りに設定しておから摩砕スラリーを作製した。得られたおから摩砕スラリーを布製の袋に詰め、袋ごと脱水機(回転数1300rpm、バケット径56cm、深さ28cm)に投入して脱水して、おから摩砕ペーストを得た。
上述のようにして作製されたおから摩砕ペーストには、炒めたミンチ肉、粗微塵切りした玉葱、及び人参が添加され、塩及び胡椒で味付けして、これらを十分に混和させ、この混和物を小判型の形状に成形してコロッケ生地を作製した。続いて、作製されたコロッケ生地の表面に、小麦粉を薄くまぶした後、バッター液にくぐらせ、これにパン粉をつけることにより、生コロッケが作製された。更に、作製された生コロッケを、約160〜180℃に熱した油で揚げることにより、本実施形態のおからコロッケを作製した。
上述した本実施形態のコロッケ製造方法によって作製されたおからコロッケについて、試食試験を行った。試食試験は、姫路独協大学の協力を得て、同大学の学生(70人)に、上記おからコロッケを試食してもらい、コロッケの材料が何かであるかを回答用紙に記載してもらうことにより行った。その結果を下記の表1に示す。
表1から明らかなように、約83%の学生が、本実施形態のコロッケ製造方法によるおからコロッケを、ジャガイモを材料とするコロッケと認識した。従来から提案されているおからコロッケの製造方法は、何れも発明者自身による主観的評価のみを記載しており、客観的に効果があるとは判断し難いものであった。上記の結果は、本実施形態のコロッケ製造方法によるおからコロッケが、ジャガイモを主原料とするコロッケと同様の食味を有することを客観的に示すものである。
このように、本実施形態のコロッケ製造方法によるおからコロッケは、ジャガイモを主原料とするコロッケと同様の食感及び食味を有するので、良質のたんぱく質、食物繊維に加え、大豆イソフラボンや、大豆サポニン、大豆レシチンといったおからに含まれる各種の栄養成分を容易に、しかも美味しく摂取することを可能とする。
また、本実施形態のおからコロッケは、山芋やチーズ等のおから以外の材料を添加する必要がないので、コロッケ生地中に占めるおからの割合が多い。2007年版惣菜白書(社団法人日本惣菜協会)によれば、コロッケは、惣菜中における購入頻度が一位であり、日本国内におけるコロッケの消費量は非常に多い。このような消費量の多いコロッケの主原料としておからを多く用い、しかもおからコロッケを一般的なジャガイモコロッケと同様の食感及び食味を有するようにしたことは、おからの食品としての利用可能性を高め、廃棄物としての処理されていたおからを有効活用する上でも非常に効果的である。
上記実施形態で説明したコロッケの製造方法は、おからを主原料とするコロッケにおいて、ジャガイモを主原料とするコロッケと同様の食感及び食味を再現するために開発されたものであり、上述した各工程の何れかをコロッケ以外の食品の製造に適用することは本発明の意図するものではない。しかし、少なくとも、上述した摩砕工程S1、脱水工程S2、コロッケ生地作製工程S3、及び生コロッケ作製工程S4を含むものであれば、各種調味料、例えば、マヨネーズや香辛料等を添加するような付加的工程が含まれていても、本発明の実施形態に含まれる。
本発明の一実施形態に係るコロッケの製造方法を説明する図。 同製造方法の摩砕工程により作製されるおから摩砕物の粒度分布を示す図。 同おから摩砕物の顕微鏡写真を示す図。 サイレントカッターを用いた従来のおから粉砕物の顕微鏡写真を示す図。
符号の説明
1 おから
10 生コロッケ
S1 摩砕工程
S2 脱水工程
S3 コロッケ生地作製工程
S4 生コロッケ作製工程

Claims (7)

  1. おからを主原料とするコロッケの製造方法であって、
    おからと、該おからと略同重量の水とを混和して成る混和物を摩砕して、おから摩砕スラリーを作製する摩砕工程と、
    前記摩砕工程により得られたおから摩砕スラリーの水分を脱水して、おから摩砕ペーストを作製する脱水工程と、
    前記脱水工程により得られたおから摩砕ペーストに、少なくともミンチ肉、玉葱及び調味料を混和してコロッケ生地を作製するコロッケ生地作製工程と、
    前記コロッケ生地の表面に、少なくとも小麦粉及びパン粉を含むころもを形成して生コロッケを作製する生コロッケ作製工程と、を含み、
    ジャガイモを主原料とするコロッケと同様の食感及び食味を有するようにしたことを特徴とするコロッケの製造方法。
  2. 前記摩砕工程において、生成されるおから摩砕スラリーに含まれるおから摩砕物は、該おから摩砕物の重量中、粒径略0〜50μmのものが略10〜30%含まれるように摩砕されていることを特徴とする請求項1に記載のコロッケの製造方法。
  3. 前記摩砕工程において、生成されるおから摩砕スラリーに含まれるおから摩砕物は、該おから摩砕物の重量中、粒径略0〜50μmのものが略15〜25%、粒径略50〜200μmのものが略20〜45%、粒径略200〜400μmのものが略30〜40%、粒径略400〜700μmのものが略10〜20%となるように摩砕されていることを特徴とする請求項1に記載のコロッケの製造方法。
  4. 前記脱水工程において、前記おから摩砕スラリーの重量の略10〜50%の水分が脱水されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコロッケの製造方法。
  5. 前記脱水工程に代えて、乾燥マッシュポテトを添加しておから摩砕ペーストを生成するおから粘度調整工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコロッケの製造方法。
  6. 前記コロッケ生地作製工程において、前記おから摩砕ペーストに、加熱したジャガイモをマッシュして作製したマッシュポテトが添加されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のコロッケの製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載されたコロッケの製造方法によって製造されるコロッケ。
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JP2010246471A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Machiko Tanaka ジャガイモコロッケと同等の食感及び食味を再現したおからコロッケ及びその製造方法

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