JP2008154473A - 全粒粉を用いた油揚げの製造方法 - Google Patents

全粒粉を用いた油揚げの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全粒粉を用いた油揚げの新規な製造方法の提供。
【解決手段】油揚げの製造方法において、大豆の全粒粉と水とを1:1〜1:3の重量比で、蛋白質結合酵素及び増粘多糖類と共に均一に混合して、大豆粉ペーストを調製し;前記大豆ペーストを所望の厚さを有する板状に成形し;30℃〜60℃の温度で30分間〜200分間熟成させるか、又は3℃〜10℃の温度で10時間〜24時間熟成させ;上記の熟成後の板状ペーストを、所望の大きさに切断し;そして食用油で揚げる;ことを特徴とする油揚げの製造方法。この方法によれば、大豆の全成分を有効に利用し、はるかに少ない水の使用量で、蛋白質、炭水化物、カリウムなどの無機塩類、及び食物繊維に富む油揚げが得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、油揚げの全く新規な製造方法、及び全く新規な油揚げに関する。
従来から、油揚げは、大豆を一夜水に浸漬して膨潤させ、破砕して破砕物を加熱煮沸した後、蛋白質の変性を防止するために、破砕物即ち「ご」の加熱煮沸したものに冷水を一気に加えて温度を70℃以下に低下せしめ、「おから」を除去した後、蛋白質以外の成分を除去するため、蛋白質濃度が約2%になるように水を加え、これに「にがり」などの蛋白質凝固剤を加えて蛋白質を凝固させ、濾過して脱水した後、その蛋白質を結着させシート状に成形した後、適宜切断して食用油で揚げることにより製造されている。
この方法によれば、製造の過程で豆乳を大量の水で希釈するため、元来大豆に含まれていた栄養成分や、繊維質、ミネラルなどその他の機能性成分の大部分が流失する。
また、大量の排水を排出し、この処理を行なう必要がある。通常、従来の油揚げ製造法によれば、原料大豆60kgに対し25倍の約1.5トンの水が使用され、その殆どが排水として排出される。
更に、従来の油揚げ製造法では、「おから」を完全除去しなければ品質の良い油揚げは得られず、栄養に富む不溶性成分が「おから」として除去されていた。更に可溶性成分の糖類なども完全に近い形で除去されていた。
従って、本発明は、大豆の全粒を有効に利用して、従来の油揚げと比べて遜色の無い事は勿論、特に皮の著しく軟らかい異質な品質の油揚げを製造する新規な方法により、上記の如き従来技術の問題点を一挙に解決しようとするものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々検討を行った結果、蛋白質結合酵素及び増粘多糖類を利用することにより、大豆の外皮を含めた全成分を有効に利用して、おからの除去及び栄養成分の流失を伴わないで、油揚げを製造することが出来ることを見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明は、全粒粉を用いた油揚げの製造方法において、
(1)大豆の全粒粉と水とを1:1〜1:3の重量比で、蛋白質結合酵素及び増粘多糖類と共に均一に混合して、大豆粉ペーストを調製し;
(2)前記大豆ペーストを所望の厚さを有する板状に成形し;
(3)30℃〜60℃の温度で30分間〜200分間熟成させるか、又は3℃〜10℃の温度で10時間〜24時間熟成させ;
(4)上記の熟成後の板状ペーストを、所望の大きさに切断し;そして
(5)食用油で揚げる;
ことを特徴とする油揚げの製造方法、
を提供する。
油揚げに気孔性(スポンジ性)を付与するには、前記工程(1)において、膨張剤、例えば重炭酸ナトリウムを更に添加することが出来る。前記蛋白質結合酵素は、好ましくはトランスグルタミナーゼであり、その添加量は好ましくは全粒粉1kg当り0.04g〜0.2gである。前記増粘多糖類は、好ましくはキサンタンガムであり、その添加量は、好ましくは全粒粉1kg当り5g〜30gである。
本願発明はまた、上記の方法により製造される全く新規な油揚げに関する。
本発明は、従来の伝統的な油揚げ製造法が有する種々の問題点を一挙に解決するものであり、特に、従来「おから」として排除されていた大豆成分を油揚げの成分として維持することが出来、また、従来法においては流失していた、栄養的、医学的に有用な、澱粉、ミネラル、その他の種々の機能性成分を油揚げの成分として維持することが出来、資源の有効利用の観点から極めて理想的である。
また、水の使用量、従ってまた排水量は、従来の方法に比べて1/20〜1/30となり、排水処理コストと環境保護の観点からも極めて有利である。
全粒大豆粉
本発明において、「全粒大豆粉」は、全く脱皮されていない大豆から製造される大豆粉を意味する。脂肪細胞が破壊されるほど過度に機械的破砕がなされていない大豆粉がよく、また、粉砕の程度も過度に微粉砕されることなく、平均粒径20μ〜100μが望ましい。
増粘多糖類
増粘多糖類は、製品としての油揚げに「しっとり感」を付与するために必要である。増粘多糖類は特に限定されず、食品用増粘多糖類として入手可能な任意の像粘多糖類を単独で又は複数種類組み合わせて使用することができる。典型的な増粘多糖類はキサンタンガムである。増粘多糖類の添加量は、全粒粉1kg当り3g〜30gであり、好ましくは5g〜20g、例えば10g程度である。
大豆粉ペーストの調製
大豆粉ペーストは大豆粉と水とを所定の比率で均一に混合すことにより調製され、この際、よく混合することが肝要である。大豆粉ペースト中の水分含量が油揚げの膨張に大きな影響を与え、水の量が多すぎると取り扱いが困難であり、他方少な過ぎると膨張が不足する傾向がある。大豆粉と水との重量比は1:1〜1:3の範囲である。この比は、好ましくは1:1.5〜1:2.8であり、更に好ましくは1:1.9〜1:2.4であり、例えば1:2.2である。
前記大豆粉ペーストの調製の際に、蛋白質結合酵素及び増粘多糖類を添加する。
蛋白質結合酵素による処理
大豆粉ペーストに蛋白質結合酵素を混入することにより、大豆粉ペーストから形成されるシートに、取り扱いに便利な程度の適当な硬さを与えると共に、膨張剤による膨張を助け、製品としての油揚げに適当な硬さを与える。蛋白質結合酵素の量が少な過ぎるとシートの硬化が不十分となってシートの取り扱いが困難となり、膨張を助ける効果も十分でない。他方、蛋白質結合酵素の量が多すぎると膨張が過剰となり、油調の際に生地の薄い部分や脆い部分が出来て破れ、破損した油揚げができることになる。
前記蛋白質結合酵素は、典型的にはトランスグルタミナーゼであり、通常、微生物由来のトランスグルタミナーゼが使用される。トランスグルコシダーゼの量は、全粒粉1kg当り、純粋な酵素蛋白質として0.04g〜1.0gであり、好ましくは0.08g〜1.0gであり、例えば0.4g程度である。
膨張剤による処理
膨張剤は、必須成分ではないが、油揚げに適当な膨らみと柔らかさを付与するために好ましい。膨脹剤は、典型的には重炭酸ナトリウム(重曹)であり、油調による加熱の際に分解して二酸化炭素を発生させ、生地の膨脹と、製品としての油揚げの膨らみと柔らかさをもたらす。膨脹剤が少な過ぎるとこれらの効果が十分に得られず、中身の硬い油揚げが得られる。他方、膨脹剤が多すぎると、油揚げの膨れが過多となるのみならず、膨脹剤として重曹を使用する場合には、製品としての油揚げに重曹臭が残り、品質のよい油揚げが得られない。
膨脹剤として重曹を使用する場合、その使用量は、全粒粉1kg当り10g〜50gであり、好ましくは20g〜40gであり、例えば30g程度である。
大豆粉ペースト(生地)の熟成
大豆粉、水、蛋白質結合酵素及び膨脹剤を均一の混合することにより調製した大豆粉ペースト(生地)は、適当な平面上に広げて、適当な厚さ、例えば5mm〜15mmの、シートに成形する。
次に、主として蛋白質結合酵素の作用を進行させる目的で、また幾分の膨脹剤の作用を進行させるため、生地の熟成を行なう。この熟成は、高温においては短時間、低温においては長時間行なう。典型的には、30℃〜60℃で30分間〜200分間行う。このような温度及び時間の範囲内においても、低温の場合は長時間、高温の場合は短時間の熟成を行なう。
あるいは、3℃〜10℃の低温、例えば5℃程度の冷蔵庫の温度で、15時間〜25時間の熟成を行なう。
油調
油調は、油揚げの生地を食用油で揚げることであり、「のばし」と「からし」に分けられる。「のばし」は、油に入れられ一旦沈んだ生地が油の表面に浮き上がるまでの油調を意味し、この間の油の温度は100℃〜110℃であり、時間は5分間〜20分間である。「からし」は、「のばし」の後、油揚げの表面が褐色になるまでの油調を意味し、160℃〜180℃で、1分間〜5分間行なわれる。
次に、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1.
全粒大豆粉(完全無脱皮大豆粉)100gに水230gを加えて均質化し、大豆ペーストを調製した。これに、重炭酸ナトリウム(重曹)3g、キサンタンガム0.7g、及びトランスグルタミナーゼ酵素剤(純粋な酵素蛋白質を1%含有)0.4gを加え、せん断力のある羽根を有する混合機で、1000rpmの回転速度で2〜3分間混合し、大豆粉ペースト(生地)を調製した。
次に、上記の大豆粉ペーストを底が平らな容器に入れて延ばし、厚さ7mmのシートを形成した。このシートを35℃にて90分間熟成させた。
次に、熟成したシートを4cm×8cmの長方形に切断し、約105℃に加熱した食用油に入れ、約3分間、油揚げが油の表面に浮上するまで揚げた(のばし)。次に、浮上した油揚げをすくい上げ、別途準備しておいた約170℃に加熱した油に入れ、油揚げの表面が褐色になるまで約1分間揚げた。
上記の油揚げを、20人のパネラーによる官能試験にかけたところ、下記の結果が得られた。
Figure 2008154473
以上のとおり、従来の油揚げより著しく皮の軟らかい油揚げが得られた。
次に、実施例1で製造した本発明の油揚げの成分と、従来の油揚げの成分を比較したところ、下記にとおりであった。
Figure 2008154473
上記のとおり、本発明の方法により、蛋白質、炭水化物、カリウムなどの無機塩類、及び食物繊維に富む油揚げが得られた。
実施例2.
実施例1と同様にし、但し、熟成を35℃にて90分間ではなく、冷蔵庫(約5℃)で一昼夜行い、実施例1の場合と同様な品質の油揚げを得た。

Claims (10)

  1. 全粒粉を用いた油揚げの製造方法において、
    (1)大豆の完全全粒粉と水とを1:1〜1:3の重量比で、蛋白質結合酵素及び増粘多糖類グルテンと共に均一に混合して、大豆粉ペーストを調製し;
    (2)前記大豆ペーストを所望の厚さを有する板状に成形し;
    (3)30℃〜60℃の温度で30分間〜200分間熟成させるか、又は3℃〜10℃の温度で10時間〜24時間熟成させ;
    (4)上記の熟成後の板状ペーストを、所望の大きさに切断し;そして
    (5)食用油で揚げる;
    ことを特徴とする油揚げの製造方法。
  2. 前記工程(1)において、膨張剤を更に添加する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記蛋白質結合酵素が、トランスグルタミナーゼである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記蛋白質結合酵素の量が全粒粉1kg当り0.04g〜1.0gである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ローカストビーンガムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記増粘多糖類の量が全粒粉1kg当り3g〜30gである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記膨張剤が、重炭酸ナトリウム、天然重炭酸カルシウムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記膨張剤の量が全粒粉1kg当り10g〜50gである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記工程(5)を、100℃〜130℃の温度で5分間〜20分間の「のばし」と、160℃〜180℃の温度で2分間〜10分間の「からし」により行なう、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により製造される油揚げ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009150841A1 (ja) 2008-06-12 2009-12-17 パナソニック株式会社 コンテンツ再生装置およびコンテンツ再生方法
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