JP2009158244A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下でも集電体の耐腐食性を確保することができる鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】鉛電池は、極板群が収容された電槽を有している。極板群は、正極板1と負極板2とがセパレータを介して交互に積層されている。正極板1、負極板2は、それぞれ、集電体17を有している。集電体17には、Pb−Ca合金の溶融体を噴霧することで形成した略球状のアトマイズ粉末が用いられている。集電体17は、Pb−Ca合金のアトマイズ粉末を金型で加圧しシート状に形成されている。アトマイズ粉末の平均粒径をp(mm)とし、集電体17の厚みをt(mm)としたときに、平均粒径pに対する厚みtの比がt/p>10を満たしている。厚みtに対して平均粒径pが小さく制限され、集電体17の単位重量あたりの結晶総粒界長が長くなる。
【選択図】なし

Description

本発明は鉛蓄電池に係り、特に、集電体に活物質が保持された極板を備えた鉛蓄電池に関する。
リチウム二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池のなかでも鉛蓄電池は、低コストで信頼性が高いという特徴を有するため、自動車用のバッテリ、ゴルフカート等の電動車両の動力源、更には、産業機器用の無停電電源装置等として広く使用されている。最近では、電気自動車用の主力電源としてだけでなく、ハイブリッド電気自動車や簡易ハイブリッド自動車等の起動電源や回生電流の回収用としても新たな機能が見直されており、更なる高入出力化が要求されている。
一方、鉛蓄電池は、単位体積あたりの重量がリチウム二次電池等に比べて重いため、エネルギー密度の点で遜色する。この原因は、リチウム二次電池等と比較して比重の大きい鉛電極を使用すること、および、比重の大きい硫酸を電解液に使用することにある。鉛電極を極力薄くして単位重量あたりの電極面積を広くすれば、鉛蓄電池の軽量化、高エネルギー密度化を図ることが期待できる。すなわち、鉛蓄電池を軽量化、高エネルギー密度化し、高出力化を図るためには、集電体を薄膜化し、同一重量の鉛または鉛合金でできるだけ大面積の集電体を作製し電池を構成する必要がある。ところが、鉛蓄電池では、集電体が電池使用環境で腐食する、という問題がある。集電体を薄膜化するほど腐食が早期に生じるため、寿命低下を早め信頼性を低下させることとなる。
従来鉛蓄電池の集電体には、鉛−アンチモン系合金からなる鋳造格子が用いられてきたが、生産性の向上やメンテナンスフリー性の向上を目的として、アンチモンを含有しない鉛−カルシウム−スズ合金シートをエキスパンド加工したエキスパンド格子が普及している。このエキスパンド格子では、合金組織が非常に細かないわゆる繊維状の圧延組織を呈するため、腐食しても粒界での腐食破断が起きづらく、耐腐食性に優れた格子である。ところが、このような圧延組織は高温環境下に置かれると再結晶化が進行するため、繊維状の圧延組織が徐々に大きくなる。すなわち、結晶粒が大きくなるため、粒界腐食の進行が早くなってしまい、格子が腐食破断してしまうこととなる。集電体の耐腐食性を向上させる技術として、例えば、鉛−カルシウム−スズ合金にビスマスを添加する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開平7−65822号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ビスマスを添加することで鉛合金の再結晶化が抑制されるものの進行を止めることはできない。すなわち、長期にわたる使用では、上述したように腐食が生じるうえに、高温環境下での耐腐食性は十分とはいえない。また、充放電を繰り返すことで電解液中に溶出したビスマスが負極上に析出し、負極の水素過電圧を低下させるため、メンテナンスフリー性を低下させる、という問題もある。
本発明は上記事案に鑑み、高温環境下でも集電体の耐腐食性を確保することができる鉛蓄電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、集電体に活物質が保持された極板を備えた鉛蓄電池において、前記集電体は、鉛粉末または鉛合金粉末が加圧されシート状に形成されたものであり、前記鉛粉末または鉛合金粉末の粒径をp(mm)とし、前記集電体の厚みをt(mm)としたときに、前記粒径pに対する前記厚みtの比がt/p>10を満たすことを特徴とする。
本発明では、集電体が鉛粉末または鉛合金粉末が加圧されシート状に形成されているため、鉛粉末または鉛合金粉末の表面に存在する酸化物層の一部が破壊されて露出した鉛同士または鉛合金同士が圧着され一体化され、結晶粒界に残存する酸化物により鉛または鉛合金の再結晶化が抑制されるので、集電体の腐食を抑制することができると共に、鉛粉末または鉛合金粉末の粒径pに対する集電体の厚みtの比がt/p>10を満たすことで、厚みtに対して粒径pが制限されることから、集電体の単位重量あたりの結晶総粒界長が長くなり腐食しろが長くなるので、高温環境下でも耐腐食性を確保することができる。
この場合において、集電体を粒径pに対する厚みtの比がt/p≧20を満たすようにすることが好ましい。また、集電体を粒径pに対する厚みtの比がt/p<200を満たすようにすることが好ましい。鉛粉末または鉛合金粉末を球状とすれば、加圧による鉛粉末間または鉛合金粉末間の密着性が向上するので、耐腐食性を向上させることができる。また、集電体を格子状に形成されたものとすることができる。このような集電体がエキスパンド加工または穴あけ加工を施されていてもよい。また、集電体が格子状の金型で加圧され形成されていてもよい。
本発明によれば、集電体が鉛粉末または鉛合金粉末が加圧されシート状に形成されているため、鉛粉末または鉛合金粉末の表面に存在する酸化物層の一部が破壊されて露出した鉛同士または鉛合金同士が圧着され一体化され、結晶粒界に残存する酸化物により鉛または鉛合金の再結晶化が抑制されるので、集電体の腐食を抑制することができると共に、鉛粉末または鉛合金粉末の粒径pに対する集電体の厚みtの比がt/p>10を満たすことで、厚みtに対して粒径pが制限されることから、集電体の単位重量あたりの結晶総粒界長が長くなり腐食しろが長くなるので、高温環境下でも耐腐食性を確保することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した鉛電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の鉛電池(鉛蓄電池)20は、電池容器となる直方体状の電槽7を有している。電槽7には、18個の極板群(セル)4が9個×2列となるように収容されている。電槽7の材質には、成形性、絶縁性および耐久性等の点で優れる、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルブタジエンスチレン等の高分子樹脂を選択することができる。電槽7の上部は、ポリエチレン等の高分子樹脂製で水平断面が長方形状の上蓋10に接着ないし溶着されている。上蓋10には、一側短辺の両端部に外部へ電力を供給するための正極端子8および負極端子9がそれぞれ立設されている。なお、上蓋10には図示を省略した排気弁(制御弁)が設けられており、鉛電池20は制御弁式鉛電池である。
極板群4は、矩形状の正極板1と矩形状の負極板2とがガラス繊維製等のセパレータ3を介して積層されている。セパレータ3の厚さは、10〜600μmに設定することが好ましく、本例では、約200μmに設定されている。極板群4では、電槽7内で正極板1および負極板2のそれぞれ上部に位置する一辺から集電タブが上蓋10側に突出している。集電タブは、極板群4の上部で一側に正極、他側に負極がそれぞれ配列するように設けられている。正極板1の各集電タブおよび負極板2の各集電タブの各突出端部には、それぞれ正極ストラップ5、負極ストラップ6が設けられている。18個の極板群4は、図示しない接続部材で直列接続されている。18個の極板群4のうち、電槽7内で一側短辺の一側に位置する極板群4の正極ストラップ5が正極端子8に接続されており、他側に位置する極板群4の負極ストラップ6が負極端子9に接続されている。
図2に示すように、正極板1、負極板2は、それぞれ、鉛粉末または鉛合金粉末が加圧されシート状に形成された集電体17を有している。集電体17は、エキスパンド加工が施されることで格子状に形成されている。集電体17は、本例では、鉛−カルシウム合金(Pb−Ca合金)の粉末が加圧されシート状に形成されている。正極板1、負極板2では、それぞれ、集電体17の両面および格子骨格の間に形成された空隙に、正極活物質、負極活物質が保持されている。
正極板1、負極板2をそれぞれ構成する集電体17は、Pb−Ca合金の粉末を金型に投入し加圧することで作製されたものである。集電体17を形成するPb−Ca合金粉末は、Pb−Ca合金の溶融体を空気中や水中に噴霧することによって略球状の急冷凝固粉末を生成するガスアトマイズ法や水アトマイズ法で形成される(以下、アトマイズ法で形成された粉末をアトマイズ粉末と呼称する。)。得られたPb−Ca合金のアトマイズ粉末は、平均粒径が、例えば、10μmとなるように分級される。分級されたアトマイズ粉末が略矩形状の金型に投入され、加圧されることで厚みが約0.5〜1.5mmの集電体17が形成される(図2参照)。このとき、Pb−Ca合金のアトマイズ粉末の平均粒径をp(mm)とし、集電体17の厚みをt(mm)としたときに、平均粒径pに対する厚みtの比が、200>t/p>10を満たすようにアトマイズ粉末の分級条件および加圧するときの加圧力が調整されている。
集電体17では、Pb−Ca合金のアトマイズ粉末が密度の偏りなく略均一に分散されている。アトマイズ粉末同士が圧着され、アトマイズ粉末間に金属結合部分が形成されることにより三次元ネットワーク構造が形成されている。アトマイズ粉末の表面には、通常、鉛の酸化物による皮膜(酸化物層)が形成されているが、集電体17では、アトマイズ粉末が加圧されることで、皮膜が部分的に破壊されて露出したPb−Ca合金同士が圧着されている。また、結晶粒界には、酸化物が僅かに残存している。
加圧成型された集電体17には、エキスパンド加工が施されている。エキスパンド加工では、カッタ等の刃物を使用し、矩形状の集電体17に、例えば、5mmの長さで1mmの間隔をあけて切開部を形成した後、両端を略均等に引っ張る。エキスパンド加工が施されることで、集電体17は、格子状を呈しエキスパンド格子を形成する。
集電体17には、正極活物質ペースト、負極活物質ペーストがそれぞれ塗布され正極板1、負極板2が形成される。正極活物質ペーストとして、本例では、次のように作製したものが使用されている。すなわち、酸化鉛を主成分とする鉛粉と、鉛丹、カットファイバ、硫酸、水とを混練することで作製される。集電体17の両面に正極活物質ペーストを塗布すると共に、格子骨格間に形成された空隙に充填してから、温度50℃、湿度95%中に18時間放置して熟成した後に、温度110℃で2時間放置して乾燥させ未化成の正極板1を作製する。換言すれば、正極板1では、集電体17の両面に正極活物質層13が形成されている(図2参照)。
一方、負極活物質ペーストは、本例では、酸化鉛を主成分とする鉛粉と、鉛丹、カットファイバ、硫酸、水とを混練することで作製される。集電体17の両面に負極活物質ペーストを塗布すると共に、格子骨格間に形成された空隙に充填してから、温度50℃、湿度95%中に18時間放置して熟成した後に、温度110℃で2時間放置して乾燥させ未化成の負極板2を作製する。換言すれば、負極板2では、集電体17の両面に負極活物質層14が形成されている(図2参照)。
(電池組立)
極板群4を電槽7に収容した後、化成することで鉛電池20を完成させる。未化成の正極板1の7枚と負極板2の8枚とをセパレータ3を介して積層し、同極性の極板同士を正極ストラップ5、負極ストラップ6でそれぞれ連結して極板群4を作製する。極板群4の18個を電槽7内に収容し18直列に接続してから、電槽7内に比重1.05(20℃)の希硫酸電解液を注液して未化成電池を作製する。この未化成電池を9Aで42時間化成した後に電解液を排出し、再び比重1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液する。正極端子8および負極端子9をそれぞれ溶接し、上蓋10で密閉して鉛電池20を完成させた。各極板群4の電圧(セル電圧)は2.0Vに設定されており、極板群4を18直列に接続した鉛電池20では平均放電電圧が36V(充電電圧が42V)、容量が18Ahである。
(作用等)
次に、本実施形態の鉛電池1の作用等について、集電体17の作用を中心に説明する。
本実施形態では、正極板1、負極板2をそれぞれ構成する集電体17がPb−Ca合金のアトマイズ粉末を加圧することで形成されている。アトマイズ粉末の表面は通常ごくわずかな酸化物層で覆われているが、アトマイズ粉末同士を加圧していくと、表面の酸化物層が破壊されて鉛合金が露出し、隣接する鉛合金同士が接触することで一体化される。このため、アトマイズ粉末を加圧して形成された集電体17では、アトマイズ粉末が密度の偏りなく略均一に分散されており、アトマイズ粉末間に金属結合部分が形成されることにより三次元ネットワーク構造が形成されている。このアトマイズ粉末が結晶粒を形成し、結晶粒界には表面酸化物層のわずかな酸化物が存在することになる。結晶粒界に存在するわずかな酸化物により高温で放置されたときの再結晶化がほぼ抑制されるので、集電体17の耐腐食性が向上し、腐食伸び等の変形を抑制することができる。これにより、鉛電池20では、集電体17の変形が抑制される分で寿命低下が抑制され、長期にわたり入出力性能を発揮することができる。
また、本実施形態では、集電体17を形成するPb−Ca合金のアトマイズ粉末の平均粒径をp(mm)とし、集電体17の厚みをt(mm)としたときに、平均粒径pに対する厚みtの比がt/p>10を満たしている。このため、厚みtに対して平均粒径pが小さく制限されることから、集電体17の単位重量、単位面積あたりの結晶総粒界長が長くなる。従来の鉛合金の圧延シートでは結晶粒界で再結晶化が進行して腐食が生じるのに対して、集電体17では結晶総粒界長が長くなることで腐食しろが長くなるので、高温環境下でも再結晶化を抑制し耐腐食性を確保することができる。この場合、厚みtに対して平均粒径pを小さく制限することで耐腐食性を向上させることができることから、高温環境下での耐腐食性の向上を考慮すれば、当該比がt/p≧20を満たすことが好ましい。また、本実施形態では、平均粒径pに対する厚みtの比がt/p<200を満たしている。これは、粒径が極端に小さなアトマイズ粉末では分級時の歩留まりが低く、実用的ではないため、極端に小さなアトマイズ粉末を排除することで、取扱いを容易にするためである。
更に、本実施形態では、Pb−Ca合金のアトマイズ粉末が略球状を呈している。このため、加圧成型時にアトマイズ粉末同士が密着しやすくなり確実に一体化されるので、耐腐食性を向上させることができる。また、アトマイズ粉末間の密着性が向上することで電子伝導性の低下や内部抵抗の増大が抑制されるので、集電体17の集電性能を確保し鉛電池20の高出力化を図ることができる。
また更に、本実施形態では、集電体17がエキスパンド加工で格子状に形成されている。このため、集電体17に正極活物質、負極活物質を確実に保持することができ、格子骨格間に形成された空隙に充填される分で活物質保持量を増やすことができる。これにより、集電体17を用いた鉛電池20の出力性能を確保することができる。従って、鉛電池20では、集電体17の寿命低下が抑制され、出力性能が確保されるので、電力の安定供給および鉛電池の高信頼化を図ることができる。
従来鉛電池では、集電体として、鉛合金等が焼結等の熱処理でシート状に形成された金属シートが用いられている。鉛等の融点の低い金属では、再結晶化により結晶粒が粗大化し、粒子同士が結合して大粒子になりやすいため、得られる金属シート中では粒子の分散状態が変化する。このような集電体では、集電体を形成する鉛合金の結晶粒界で生じる粒界侵食により腐食が進行することから、結晶粒が粗大化することで、結晶粒界での腐食が進行しやすくなる。このため、腐食伸びや腐食減肉が生じ、セパレータや電槽を破損して出力や寿命を低下させることがある。また、結晶粒が粗大化すると、粒界腐食の進行が早くなってしまい、集電体の格子が腐食破断してしまうこととなる。本実施形態は、これらの問題を解決することができる鉛電池である。
なお、本実施形態では、平均放電電圧が36V(充電電圧が42V)の鉛電池20を例示したが、本発明は、電圧域に制限されるものではない。直列接続する極板群4の数を変えることで、例えば、平均放電電圧が12V(充電電圧が14V)の鉛電池も作製可能であり、本発明の種々の特性は電圧域で変るものではない。また、鉛電池20の容量を18Ahとする例を示したが、本発明は電池容量についても特に制限されるものではない。
また、本実施形態では、集電体17を形成するアトマイズ粉末としてPb−Ca合金を使用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カルシウム以外に、スズやアルミニウム等の元素を含むようにしてもよい。もちろん、鉛単独で形成したアトマイズ粉末を使用することも可能である。また、集電体17の形成時に、鉛または鉛合金のアトマイズ粉末に加えて、酸化鉛や酸化アルミニウム等の粉末を混合するようにしてもよい。アンチモンを添加することも可能であるが、アンチモンの水素過電圧が鉛の水素過電圧より低いことから、電解液の水分解反応が促進される自己放電反応により水が減少するため、メンテナンス上、吸水(水の補充)の頻度を高くする必要があることを考慮すれば、アンチモンを添加しないことが好ましい。
更に、本実施形態では、集電体17の作製時に金型で加圧する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アトマイズ粉末を加圧しシート状に形成することができればよい。例えば、上部に開口が形成され下部にスリット状の排出口を有するホッパと、ホッパの排出口に近接配置され互いに押圧しあう一対の圧延ローラとを備えた粉末圧延装置を使用して形成するようにしてもよい。この場合、ホッパ内に投入したアトマイズ粉末をホッパの排出口を経て圧延ローラ間に連続的に供給し、圧延ローラで略均等に加圧することで集電体17が形成される。また、塑性変形可能な容器にアトマイズ粉末を充填して容器ごとプレス成型するようにしてもよい。
また更に、本実施形態では、集電体17にエキスパンド加工を施し格子状に形成する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、穿孔用工具を使用して穴あけ加工を施すようにしてもよい。また、格子状の金型を使用することでアトマイズ粉末を加圧するときに格子状に形成することも可能である。
以下、本実施形態に従い作製した鉛電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、平均粒径pが0.010mmとなるように分級したPb−Ca合金のアトマイズ粉末を用いて厚みtが1.0mmの集電体17を作製した。このため、粒径pに対する厚みtの比t/pが100となる。なお、表1において、鉛合金粉末の粒径は、Pb−Ca合金のアトマイズ粉末の粒径を示している。
Figure 2009158244
(実施例2〜実施例5)
表1に示すように、実施例2〜実施例5では、アトマイズ粉末の平均粒径pを変える以外は実施例1と同様にした。すなわち、実施例2では0.025mm、実施例3では0.040mm、実施例4では0.050mm、実施例5では0.060mmとした。粒径pに対する厚みtの比t/pは、実施例2では40、実施例3では25、実施例4では20、実施例5では17となる。
(比較例1〜比較例3)
表1に示すように、比較例1〜比較例3では、アトマイズ粉末の平均粒径pを変える以外は実施例1と同様にした。すなわち、比較例1では0.100mm、比較例2では0.200mm、比較例3では0.500mmとした。粒径pに対する厚みtの比t/pは、比較例1では10、比較例2では5、比較例3では2となる。
(比較例4)
表1に示すように、比較例4では、アンチモンを含有しない鉛−カルシウム合金で形成した連続シートにエキスパンド加工を施した集電体を用いる以外は実施例1と同様にして鉛電池を得た。すなわち、比較例4の鉛電池は従来の鉛電池である。
(評価)
各実施例および比較例の鉛電池について、日本工業規格の軽負荷寿命試験(JIS D 5301)に準拠した方法にて、試験温度が75℃の環境下で充放電を繰り返したときの寿命回数を測定した。この試験では、集電体の耐食性が電池の寿命モードとなる。寿命回数の測定結果は、表1に合わせて示した。
表1に示すように、従来の鉛電池の比較例1では、寿命回数が100回であった。また、平均粒径pに対する厚みtの比t/pを10以下とした比較例1〜比較例3の鉛電池では、寿命回数がいずれも100回以下であった。これに対して、比t/pが10を超える実施例1〜実施例5では、いずれも寿命回数が100回を超える結果となった。中でも、比t/pが20以上の実施例1〜実施例4では、比較例1の従来の鉛電池と比較して、寿命回数が10%以上向上する結果を示した。これは、高温環境下での使用中に、各比較例の鉛電池では集電体の結晶粒が再結晶化することで粒界腐食が進行し寿命回数が低下したのに対し、各実施例の鉛電池20では集電体17の結晶粒の再結晶化が抑制されることで耐食性が向上し寿命回数が増加したためと考えられる。
本発明は高温環境下でも集電体の耐腐食性を確保することができる鉛蓄電池を提供するため、鉛電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の鉛電池を一部破断して示す斜視図である。 実施形態の鉛電池を構成する正極板、負極板を示す断面図である。
符号の説明
1 正極板
2 負極板
13 正極活物質
14 負極活物質
17 集電体
20 鉛電池

Claims (7)

  1. 集電体に活物質が保持された極板を備えた鉛蓄電池において、前記集電体は、鉛粉末または鉛合金粉末が加圧されシート状に形成されたものであり、前記鉛粉末または鉛合金粉末の粒径をp(mm)とし、前記集電体の厚みをt(mm)としたときに、前記粒径pに対する前記厚みtの比がt/p>10を満たすことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記集電体は、前記粒径pに対する前記厚みtの比がt/p≧20を満たすことを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記集電体は、前記粒径pに対する前記厚みtの比がt/p<200を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記鉛粉末または鉛合金粉末は球状であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記集電体は格子状に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  6. 前記集電体はエキスパンド加工または穴あけ加工が施されたことを特徴とする請求項5に記載の鉛蓄電池。
  7. 前記集電体は格子状の金型で加圧され形成されたことを特徴とする請求項5に記載の鉛蓄電池。
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