JP5600940B2 - 鉛電池 - Google Patents

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Description

本発明は鉛電池に係り、特に、集電体に活物質を保持した極板を備えた鉛電池に関する。
リチウム二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池のなかでも鉛電池は、特に低温特性に優れ、電池特性とコスト面とでバランスのとれた二次電池である。このため、自動車用をはじめとして、ポータブル機器用やコンピュータのバックアップ用の電源にも広く普及している。最近では、電気自動車用の主力電源としてだけでなく、ハイブリッド電気自動車や簡易ハイブリッド自動車等の起動電源や回生電流の回収用としても新たな機能が見直されている。これらの用途では、高出力性能、高入力性能が要求されている。
一方、鉛電池は、単位体積あたりの重量がリチウム二次電池等に比べて重いため、エネルギー密度の点で遜色する。この原因は、リチウム二次電池等と比較して比重の大きい鉛電極を使用すること、および、比重の大きい硫酸を電解液に使用することにある。鉛電極を極力薄くして単位重量あたりの電極面積を広くすれば、鉛電池の軽量化、高エネルギー密度化を図ることが期待できる。すなわち、鉛電池を軽量化、高エネルギー密度化し、高出力化を図るためには、集電体を薄膜化し、同一重量の鉛または鉛合金でできるだけ大面積の集電体を作製し電池を構成する必要がある。
ところが、鉛電池では、集電体が電池使用環境で腐食して腐食伸びを生じるため、電気的なショートや電槽の貫通等のトラブルを引き起こし、最終的には電池機能停止に到る。集電体を薄膜化するほど腐食伸びが早期に生じるため、寿命低下を早め信頼性を低下させることとなる。集電体の耐食性を向上させ集電体を薄膜化する技術として、本出願人は、鉛粉末または鉛合金粉末を主体とする粉末を圧延してシート状に形成した粉末圧延シートの技術を開示している(例えば、日本国特開2006−66173号公報参照)。また、鉛電池の高出力化を図るために、活物質と鉛合金粉末とを含み、鉛合金粉末が無秩序に配置した構造を有する電極を用いた鉛電池の技術を開示している(日本国特開2007−172999号公報参照)。
しかしながら、日本国特開2006−66173号公報の技術では、鉛合金等の粉末の平均粒径を20〜30μmとしているものの、粒度分布によっては粉末粒子間の密着性が不十分となるおそれがある。このため、腐食伸びの抑制が不十分となり、安定した出力を確保することが難しくなる。また、日本国特開2007−172999号公報の技術では、鉛合金等の粉末の粒度分布が0.01〜500μmのため、微細粒子や巨大粒子が混在することで粉末粒子間の密着性が損なわれ電子伝導性の低下や内部抵抗の増大を招きやすくなる。粉末粒子間の密着性が損なわれると耐食性の向上が不十分となるおそれがある。
本発明は上記事案に鑑み、集電体の腐食を抑制し高出力化を図ることができる鉛電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、集電体に活物質を保持した極板を備えた鉛電池において、前記集電体は鉛または鉛合金の粒状体が圧延形成またはプレス形成されたものであり、前記粒状体は、前記鉛または鉛合金の溶融体を噴霧することで急冷凝固させたアトマイズ粉末のうち、該アトマイズ粉末の粒径の平均をd、標準偏差をσとしたときに、d+σで表される粒径を最大粒径とするアトマイズ粉末であって該最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末が分別されて用いられたことを特徴とする。
本発明では、集電体が鉛または鉛合金の溶融体を噴霧することで急冷凝固させたアトマイズ粉末から分別された粒状体が圧延形成またはプレス形成されたため、粒状体間に金属結合が形成され粒状体同士が略均等な分散状態で圧着されるので、再結晶化や結晶粒界の影響を抑制して腐食を抑制することができると共に、粒状体に、アトマイズ粉末の粒径の平均をd、標準偏差をσとしたときに、d+σで表される粒径を最大粒径とするアトマイズ粉末であって該最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末が分別されて用いられることから、粒状体間の密着性が向上するので、内部抵抗を低減し高出力化を図ることができる。
この場合において、粒状体として、粒径の平均dが50μm、標準偏差σが45μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σのアトマイズ粉末が分別され使用されてもよい。また、粒状体として、粒径の平均dが30μm、標準偏差σが25μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σのアトマイズ粉末が分別され使用されてもよい。アトマイズ粉末がスズを含む鉛合金の溶融体で形成したものとすることができる。このとき、鉛合金がカルシウム、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ストロンチウム、ビスマス、銀、セレン、ヒ素から選択される一種以上の元素を含むようにしてもよい。集電体の厚さを0.5mm〜1.0mmの範囲とすることができる。集電体が穴あけ加工またはエキスパンド加工を施されていてもよい。
本発明によれば、集電体が鉛または鉛合金の溶融体を噴霧することで急冷凝固させたアトマイズ粉末から分別された粒状体が圧延形成またはプレス形成されたため、粒状体間に金属結合が形成され粒状体同士が略均等な分散状態で圧着されるので、再結晶化や結晶粒界の影響を抑制して腐食を抑制することができると共に、粒状体に、アトマイズ粉末の粒径の平均をd、標準偏差をσとしたときに、d+σで表される粒径を最大粒径とするアトマイズ粉末であって該最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末が分別されて用いられることから、粒状体間の密着性が向上するので、内部抵抗を低減し高出力化を図ることができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の鉛電池を一部破断して示す斜視図である。 実施形態の鉛電池を構成する正極板、負極板を示す断面図である。 鉛電池の正極板、負極板を構成する集電体の作製手順を模式的に示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した鉛電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の鉛電池20は、電池容器となる直方体状の電槽7を有している。電槽7には、18個の極板群(セル)4が9個×2列となるように収容されている。電槽7の材質には、成形性、絶縁性および耐久性等の点で優れる、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルブタジエンスチレン等の高分子樹脂を選択することができる。電槽7の上部は、ポリエチレン等の高分子樹脂製で水平断面が長方形状の上蓋10に接着ないし溶着されている。上蓋10には、一側短辺の両端部に外部へ電力を供給するための正極端子8および負極端子9がそれぞれ立設されている。なお、上蓋10には図示を省略した排気弁(制御弁)が設けられており、鉛電池20は制御弁式鉛電池である。
極板群4は、矩形状の正極板1の5枚と矩形状の負極板2の6枚とがガラス繊維製等のセパレータ3を介して積層されている。セパレータ3の厚さは、10〜600μmに設定することが好ましく、本例では、約200μmに設定されている。極板群4では、電槽7内で正極板1および負極板2のそれぞれ上部に位置する一辺から集電タブが上蓋10側に突出している。集電タブは、極板群4の上部で一側に正極、他側に負極がそれぞれ配列するように設けられている。正極板1の各集電タブおよび負極板2の各集電タブの各突出端部には、それぞれ正極ストラップ5、負極ストラップ6が設けられている。18個の極板群4は、図示しない接続部材で直列接続されている。18個の極板群4のうち、電槽7内で一側短辺の一側に位置する極板群4の正極ストラップ5が正極端子8に接続されており、他側に位置する極板群4の負極ストラップ6が負極端子9に接続されている。
図2に示すように、正極板1、負極板2は、それぞれ、鉛または鉛合金の粒状体が圧延されてシート状に形成された集電体27を有している。集電体27は、穴あけ(穿孔)加工またはエキスパンド加工が施されることで格子状に形成されている。集電体27は、本例では、スズ(Sn)を1.5重量%含む鉛合金(Pb−Sn系合金)の粒状体が圧延されてシート状に形成されている。集電体27では、両面と格子骨格の間に形成された空隙とに、それぞれ正極活物質、負極活物質が保持されている。
正極板1、負極板2をそれぞれ構成する集電体27は、粉末圧延装置により次のようにして作製されたものである。粉末圧延装置は、図3に示すように、断面略三角状で上部に開口が形成され下部にスリット状の排出口を有するホッパ22、互いに押圧しあう一対の圧延ローラ24および不図示の巻取ローラを備えている。圧延ローラ24は、ホッパ22の下部(の排出口)に近接して配置されている。
集電体27を形成する粒状体の原料には、鉛粉末または鉛合金粉末から、所定の粒径範囲の粉末が分別され使用されている。鉛粉末または鉛合金粉末は、鉛または鉛合金の溶融体を空気中や水中に噴霧することによって急冷凝固粉末を生成するガスアトマイズ法や水アトマイズ法で形成される(以下、アトマイズ法で形成された粉末をアトマイズ粉末と呼称する。)。得られたアトマイズ粉末の粒径の平均値をdμmとし、粒径の標準偏差をσμmとしたときに、d+σで表される最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末が分別され、原料の粒状体として使用されている。本例では、Pb−Sn系合金で生成された粒径の平均dが50μm、標準偏差が45μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σのアトマイズ粉末が分別され使用されている。すなわち、原料の粒状体の粒径範囲は5〜95μmである。
図3に示すように、原料の粒状体26がコンベア(不図示)等で搬送されホッパ22内に上部の開口から供給される。ホッパ22内の粒状体26が、下部の排出口から排出され、圧延ローラ24間に連続的に供給される。ホッパ22の排出口の寸法は、本例では、スリット幅1mm、長さ約150mmに設定されている。ホッパ22から排出された粒状体26が圧延ローラ24間で略均等に押圧され引き出されることで圧延され、厚さ約0.5〜1.0mm、幅約150mmの帯状の集電体27が形成される。本例では、集電体27の厚さが約200μmとなるように圧延ローラ24の押圧力が設定されている。得られた集電体27は、不図示の巻取ローラでロール状に巻き取られる。正極板1、負極板2の作製時には、得られた集電体27が引き出され所望の大きさに裁断される。
集電体27では、Pb−Sn系合金の粒状体26が密度の偏りなく微粒子の状態で略均一に分散している。粒状体26同士が圧着され、粒状体26間に金属結合部分が形成されることにより三次元ネットワーク構造が形成されている。この集電体27は、粒状体26が圧延されることで、アスペクト比が3〜13の特定方向に配向した結晶粒を有している。また、結晶粒界、結晶粒内には、酸化鉛(PbO)または過酸化鉛(PbO)の少なくとも一方が含まれている。
集電体27は、穴あけ加工またはエキスパンド加工が施される。穴あけ加工では、穿孔用工具を使用し、矩形状の集電体27に、例えば、直径が5mmの穿孔を形成する。また、エキスパンド加工では、カッタ等の刃物を使用し、矩形状の集電体27に、例えば、5mmの長さで1mmの間隔をあけて切開部を形成した後、両端を略均等に引っ張る。穴あけ加工またはエキスパンド加工が施されることで、集電体27は、格子状を呈し打ち抜き(パンチング)格子またはエキスパンド格子を形成する。
集電体27には、正極活物質ペースト、負極活物質ペーストがそれぞれ塗布され正極板1、負極板2が形成される。正極活物質ペーストとして、本例では、次のように作製したものが使用されている。すなわち、リグニンの0.3重量%、硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムの0.2重量%、カーボン粉末の0.1重量%、残部鉛粉を混練機で混練した混合物に水を12重量%加えて混練し、さらに、この混練した鉛粉に希硫酸(20℃での比重1.26)の13重量%を加えて混練することで作製される。集電体27の両面に正極活物質ペーストを塗布すると共に、格子骨格間に形成された空隙に充填してから、温度50℃、湿度95%中に18時間放置して熟成した後に、温度110℃で2時間放置して乾燥させ未化成の正極板1を作製する。未化成の正極板1は、本例では、厚さが1.0mmとなるように成型する。
一方、負極活物質ペーストは、本例では、リグニンの0.3重量%、硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムの0.2重量%、カーボン粉末の0.1重量%、残部鉛粉を混練機で混練した混合物に水を12重量%加えて混練し、さらに、この混練した鉛粉に希硫酸(20℃での比重1.26)の13重量%を加えて混練することで作製される。集電体27の両面に負極活物質ペーストを塗布すると共に、格子骨格間に形成された空隙に充填してから、温度50℃、湿度95%中に18時間放置して熟成した後に、温度110℃で2時間放置して乾燥させ未化成の負極板2を作製する。未化成の負極板2は、本例では、厚さが1.0mmとなるように成型する。
(電池組立)
極板群4を電槽7に収容した後、化成することで鉛電池20を完成させる。未化成の正極板1の5枚と負極板2の6枚とをセパレータ3を介して積層し、同極性の極板同士を正極ストラップ5、負極ストラップ6でそれぞれ連結して極板群4を作製する。極板群4の18個を電槽7内に収容し18直列に接続してから、電槽7内に比重1.05(20℃)の希硫酸電解液を注液して未化成電池を作製する。この未化成電池を9Aで42時間化成した後に電解液を排出し、再び比重1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液する。正極端子8および負極端子9をそれぞれ溶接し、上蓋10で密閉して鉛電池20を完成させた。各極板群4の電圧(セル電圧)は2.0Vに設定されており、極板群4を18直列に接続した鉛電池20では平均放電電圧が36V(充電電圧が42V)、容量が18Ahである。
(作用等)
次に、本実施形態の鉛電池1の作用等について、集電体27の作用を中心に説明する。
本実施形態では、正極板1、負極板2をそれぞれ構成する集電体27がPb−Sn系合金の粒状体26を圧延することで形成されている。従来のように集電体として焼結等の熱処理でシート状に形成された金属シートを用いる場合、鉛等の融点の低い金属では再結晶化により結晶粒が粗大化し、粒子同士が結合して大粒子になりやすいため、得られる金属シート中では粒子の分散状態が変化する。このため、集電体に用いたときに、結晶粒界での腐食が進行しやすくなり、腐食伸びや腐食減肉が生じることで、セパレータや電槽を破損して出力や寿命を低下させることがある。これに対して、集電体27では、Pb−Sn系合金の粒状体26が直接圧延されてシート状に形成されるため、粒状体26が密度の偏りなく微粒子の状態で略均一に分散している。粒状体26同士は圧着されており、粒状体26間に金属結合部分が形成されることにより三次元ネットワーク構造が形成されている。このため、再結晶化や結晶粒界の影響が抑制されるので、集電体27の耐食性が向上し、腐食伸び等の変形を抑制することができる。これにより、鉛電池20では、集電体27の変形が抑制される分で寿命低下が抑制され、長期にわたり入出力性能を発揮することができる。
また、本実施形態では、集電体27を形成する粒状体26として、Pb−Sn系合金のアトマイズ粉末から、粒径の平均をd、標準偏差をσとしたときに、d+σで表される最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末が分別されて使用されている。特に、平均dが50μm、標準偏差が45μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σのアトマイズ粉末が分別されて使用されている。すなわち、粒径範囲が粒径の平均dに対する標準偏差σにより制限されている。このため、粒径がd+σより大きい粒子、d−σより小さい粒子が排除されるので、得られる集電体27では粒状体26間の密着性が向上することから、電子伝導性の低下や内部抵抗の増大を抑制することができる。これにより、集電体27の集電性能が確保されるので、鉛電池20の高出力化を図ることができる。
更に、本実施形態では、集電体27に穴あけ加工またはエキスパンド加工が施されている。このため、集電体27に正極活物質、負極活物質を確実に保持することができ、格子骨格間に形成された空隙に充填される分で活物質保持量を増やすことができる。これにより、集電体27を用いた鉛電池20の出力性能を確保することができる。従って、鉛電池20では、集電体28の寿命低下が抑制され、出力性能が確保されるので、電力の安定供給および鉛電池の高信頼化を図ることができる。
また更に、従来の金属シートの集電体では、結晶粒界が外部の腐食因子の影響を受けると粒界腐食が進行しやすくなり、特に、金属偏析物等が存在すると、偏析元素、偏析化合物接触部を起点として腐食反応が進行しやすくなる。これに対して、集電体27では、粒径範囲が制限された粒状体26が直接圧延されるため、アスペクト比3〜13の特定方向に配向した結晶粒を有している。このため、粒状体26間に金属結合部分が形成され、粒状体26同士の境界には偏析元素が極端に少ない境界層が形成される。これにより、集電体27の腐食が抑制されるので、腐食伸びを抑えることができる。
なお、本実施形態では、平均放電電圧が36V(充電電圧が42V)の鉛電池20を例示したが、本発明は、電圧域に制限されるものではない。直列接続する極板群4の数を変えることで、例えば、平均放電電圧が12V(充電電圧が14V)の鉛電池も作製可能であり、本発明の種々の特性は電圧域で変るものではない。また、鉛電池20の容量を18Ahとする例を示したが、本発明は電池容量についても特に制限されるものではない。
また、本実施形態では、集電体27を形成する粒状体26としてPb−Sn系合金のアトマイズ粉末から分別して使用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。鉛のアトマイズ粉末から分別してもよく、スズ以外に、カルシウム、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ストロンチウム、ビスマス、銀、セレン、ヒ素から選択される一種以上の元素を含む鉛合金のアトマイズ粉末から分別するようにしてもよい。また、集電体27の形成時に、鉛または鉛合金のアトマイズ粉末から分別した粒状体26に加えて、酸化鉛や酸化アルミニウム等の粉末を混合するようにしてもよい。酸化鉛等の粉末についても粒状体26と同様の粒径のものを分別して使用する。このようにすれば、結晶粒の粗大化が抑制されるため、集電体27の耐食性を向上させることができる。
更に、本実施形態では、集電体27の作製に粉末圧延装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。粒状体26を押圧してシート状に形成することができる装置であればいかなる装置も使用することができる。また、一定形状の金型に粒状体26を充填してプレス成型することで形成するようにしてもよく、塑性変形可能な容器に粒状体26を充填して容器ごとプレス成型するようにしてもよい。
また更に、本実施形態では、粒状体26として、アトマイズ粉末から、d+σで表される最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末、特に、平均dが50μm、標準偏差が45μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σ(50±45μm)のアトマイズ粉末を分別して使用する例を示した。粒径が小さすぎると、圧延作業時に飛遊しやすくなり、取扱いが難しくなるため、使用を避けることが好ましい。また、集電体27を形成したときの粒状体26の密着性を一層向上させ、集電性能を向上させることを考慮すれば、粒径の平均dが30μm、標準偏差が25μmのアトマイズ粉末から粒径範囲がd±σ(30±25μm)のアトマイズ粉末を分別して使用することが好ましい。より好ましくは、平均dが25μm、標準偏差が20μmのアトマイズ粉末から粒径範囲がd±σ(25±20μm)のアトマイズ粉末を分別して使用する。
本発明は集電体の腐食を抑制し高出力化を図ることができる鉛電池を提供するため、鉛電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 集電体に活物質を保持した極板を備えた鉛電池において、前記集電体は鉛または鉛合金の粒状体が圧延形成またはプレス形成されたものであり、前記粒状体は、前記鉛または鉛合金の溶融体を噴霧することで急冷凝固させたアトマイズ粉末のうち、該アトマイズ粉末の粒径の平均をd、標準偏差をσとしたときに、d+σで表される粒径を最大粒径とするアトマイズ粉末であって該最大粒径が200μm以下のアトマイズ粉末が分別されて用いられたことを特徴とする鉛電池。
  2. 前記粒状体は、前記粒径の平均dが50μm、標準偏差σが45μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σのアトマイズ粉末が分別され使用されたことを特徴とする請求項1に記載の鉛電池。
  3. 前記粒状体は、前記粒径の平均dが30μm、標準偏差σが25μmのアトマイズ粉末のうち、粒径範囲がd±σのアトマイズ粉末が分別され使用されたことを特徴とする請求項1に記載の鉛電池。
  4. 前記アトマイズ粉末は、スズを含む鉛合金の溶融体で形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の鉛電池。
  5. 前記鉛合金は、カルシウム、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ストロンチウム、ビスマス、銀、セレン、ヒ素から選択される一種以上の元素を含むことを特徴とする請求項4に記載の鉛電池。
  6. 前記集電体は、厚さが0.5mm〜1.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の鉛電池。
  7. 前記集電体は、穴あけ加工またはエキスパンド加工を施されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛電池。
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