JP2009158211A - 直流コンセント - Google Patents
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Abstract
【課題】直流機器側の小型化、ひいては配電システムのコストの低廉化を図り得る直流コンセントを提供する。
【解決手段】直流電源に電圧制御部3を介して接続された正極用と負極用の栓刃受部4,5と、電圧制御部3にて正極用と負極用の栓刃受部4,5間に印加する電圧値を変更可能にする電圧設定手段6とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】直流電源に電圧制御部3を介して接続された正極用と負極用の栓刃受部4,5と、電圧制御部3にて正極用と負極用の栓刃受部4,5間に印加する電圧値を変更可能にする電圧設定手段6とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流電力の供給を受けて動作する直流機器を接続させる直流コンセントに関するものである。
従来から、携帯電話機器やパソコン機器のような直流機器は、商用電源として交流電源ACが配電されるコンセントに対して接続して給電しているのであるが、この際には直流機器に内蔵又は付設したAC/DCコンバータにて所定の直流電力に変換した上で給電されている(たとえば特許文献1参照)。このように直流機器毎にAC/DCコンバータを備えることは直流機器の小型化を阻害するばかりか、数有るAC/DCコンバータによって配電構造のコストも増加してしまう。したがって、近年では、直流機器毎にAC/DCコンバータを備えることを回避可能にする、商用電源の交流電源ACをAC/DCコンバータで直流電力に変換してこの直流電力を、直流機器側のコンセントプラグを接続する直流コンセントにまで配電させる直流配電システムが、注目されてきている。
しかしながら、各種直流機器には正常動作を確保する固有電圧が有り、直流コンセントが一定の直流電圧を出力するものであると、直流機器側(直流機器又はこれが接続される給電線)にはコンセントから入力された電圧を固有の電圧にまで変換するDC/DCコンバータが必要になり、直流機器側の小型化、ひいては配電システムのコストの低廉化を阻害してしまうものであった。
更に言うと、直流機器にその正常動作を確保する固有電圧以外の電圧がかかると直流機器が破損してしまうものであるが、異なる形状の栓刃もその栓刃受部に挿入可能にされた特許文献1にあるようなコンセントを用いた場合には、上記直流機器側の破損を防ぐことができない、という問題もある。
特開平10−326656号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直流機器側の小型化、ひいては配電システムのコストの低廉化を図り得る直流コンセントを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために請求項1に係る直流コンセントにあっては、直流電源に電圧制御部3を介して接続された正極用と負極用の栓刃受部4,5と、電圧制御部3にて正極用と負極用の栓刃受部4,5間に印加する電圧値を変更可能にする電圧設定手段6とを備えて成ることを特徴とする。
これによると、接続する各種の直流機器2に対応してその正常動作を確保する所定の直流電圧を出力可能にし、直流機器2側にDC/DCコンバータを備える必要を無くして、直流電力の供給を受けて動作する直流機器2側の小型化、ひいては直流配電システムのコストの低廉化を図ることができる。
また、請求項2に係る直流コンセントにあっては、請求項1において、直流電力の供給を受けて動作する直流機器2に正常動作を行わせる電圧値の種類に応じて栓刃31の配置位置を異ならせた直流機器2側のコンセントプラグ30を接続させる直流コンセント1であって、電圧設定手段6で設定された所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5に、該所定の電圧値の種類に応じた配置位置にある栓刃31のみを導入する可動差込孔7aを備えたことを特徴とする。
これによると、電圧設定手段6で設定された所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5には、可動差込孔7aを通じて該所定の電圧値の種類に応じた配置位置にある栓刃31のみが導入されて接続されるのであり、つまり、誤って所定の電圧値以外の他種の直流機器2側のコンセントプラグ30の栓刃31が、所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5に接続されることを防止でき、直流機器2の破損防止を図ることができる。
また、請求項3に係る直流コンセントにあっては、請求項1において、直流電力の供給を受けて動作する直流機器2に正常動作を行わせる電圧値の種類に応じて係止部32を異なる位置に設けた直流機器2側のコンセントプラグ30を接続させる直流コンセント1であって、係止部32への係止状態にのみ栓刃受部4,5に栓刃31を接続可能にさせる被係止部8を移動自在に備え、この被係止部8を電圧設定手段6で栓刃受部4,5に印加した電圧値に応じた係止部32に対応する位置に位置規制する規制手段9を備えたことを特徴とする。
これによると、被係止部8は規制手段9によって電圧設定手段6で設定した所定の電圧値に応じた係止部32に対応する位置に位置規制されるのであり、所定の電圧値に応じた係止部32のみを被係止部8に係止させて栓刃31を栓刃受部4,5に接続させることができ、つまり、誤って所定の電圧値以外の他種の直流機器2側のコンセントプラグ30の栓刃31が、所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5に接続されることを防止でき、直流機器2の破損防止を図ることができる。
本発明にあっては、接続する各種の直流機器に対応してその正常動作を確保する所定の直流電圧を出力可能にすることで、直流機器側にDC/DCコンバータを備える必要を無くして、直流機器側の小型化、ひいては配電システムのコストの低廉化を図ることができる、という利点を有する。また、誤って所定の電圧値以外の他種の直流機器側のコンセントプラグの栓刃が、所定の電圧値が印加される栓刃受部に接続されることを防止でき、直流機器の破損防止を図ることができる、という利点を有する。
以下に説明する実施形態は、本発明を適用する建物として戸建て住宅の家屋を想定して説明するが、本発明の技術思想を集合住宅に適用することを妨げるものではない。家屋Hには、図19に示すように、直流電力を出力する直流電源となる直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷としての直流機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と直流機器2との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流供給線路Wdc上で直流電力供給部101から直流機器2への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器2(102)からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなるインターホンシステムK103、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102およびインターホンシステムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102とインターホンシステムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント1に接続される直流機器2(102)からなる情報機器システムK101が設けられる。
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
上述した直流コンセント1、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント1、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
これらの直流アウトレットは、直流機器102に直接設けた接触子(図示せず)または接続線を介して設けた接触子(たとえば後述の栓刃31)が差し込まれる差込式の接続口(たとえば後述の差込孔7)が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受け(たとえば後述の栓刃受部4,5)が器体に保持された構造を有している。すなわち、直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器2であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源および分散電源から直流機器2への電力の配分を制御する機能を有する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器22に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
ところで、本発明の直流コンセント1は、上述のような直流配電システムの建物側の末梢部を構成し、直流機器2側から延出されたコンセントプラグ30を適宜接続するための、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で使用されるコンセント器具である。そして、本発明の直流コンセント1は、接続する各種の直流機器2に対応してその正常動作を確保する所定の直流電圧を出力可能にし、直流機器2側の小型化、ひいては直流配電システムのコストの低廉化を図り得るような工夫が施されている。以下、詳述する。
図1乃至図5には本発明の実施形態の例の直流コンセント1を示す。本例の直流コンセント1は、直流電源に電圧制御部3を介して接続された正極用と負極用の栓刃受部4,5と、電圧制御部3にて正極用と負極用の栓刃受部4,5間に印加する電圧値を変更可能にする電圧設定手段6とを備えている。なお、負極用の栓刃受部5としては接地するものでもよい。
詳しくは、図1のように、直流コンセント1は外殻を形成するコンセント筐体10を有している。コンセント筐体10の正面部には直流機器2側のコンセントプラグ30の栓刃31を差し込むための差込孔7が開口している。栓刃受部4,5はコンセント筐体10の内部でこの差込孔7に臨むように配設され、差込孔7に差し込まれた栓刃31に弾接して栓刃31を保持可能にされており、詳しくは板状の栓刃31を両板面側から挟持して保持できるバネ性を有した一対の対向板部11を備えている。なお、負極用の栓刃受部5が臨む差込孔7はコンセント筐体10に直接穿設された固定差込孔7bで構成されているが、正極用の栓刃受部4はコンセント筐体10の正面部に露出する板状の摺動部材12に穿設した可動差込孔7aで構成されている。可動差込孔7a及び固定差込孔7bは対応して差し込む各栓刃31とそれぞれ略同断面状に形成されている。
ここで、摺動部材12は、図2のように、コンセント筐体10の正面部の裏面に沿って縦方向(矢印a)にスライド自在に設けられた板状部材であって可動差込孔7aと操作部挿通孔13とが横方向(矢印b)に並設されており、この可動差込孔7aと操作部挿通孔13とは、摺動部材12のスライド範囲で常時コンセント筐体10の正面部に横方向に並設された一対の縦長状の長孔14,15からそれぞれ外方へ露出されている。なお、操作部挿通孔13はコンセント筐体10内に配設したスイッチ部16の突起状の操作部17を嵌挿して長孔15を介して外方へ突出させるための孔であり、スイッチ部16は一対の差込孔7で構成されるプラグ接続部25の横脇部分に配置され、スイッチ部16の操作部17は縦方向にスライド自在に設けられている。
また、コンセント筐体10の正面部の横方向の両端には裏方へ凹んだ段部18が形成されており、建物の壁などに設けたコンセント配設孔に直流コンセント1をその正面部を嵌合させた状態で配置した際に、上記段部18をコンセント配設孔の裏縁に当接させることで、コンセント配設孔への直流コンセント1の位置決め配置を可能にしてある。
図3には本例の直流コンセント1のブロック図を示す。負極用の栓刃受部5と正極用の栓刃受部4とには直流配電システムの建物側からの直流電源が接続されている。各栓刃受部4,5にはコンセントプラグ30の栓刃31が極性を同期させて接続され、各栓刃受部4,5間の電圧値がコンセントプラグ30を経て直流機器2に印加されるようになっている。ここで、本例では正極用と負極用との一対の栓刃受部4,5を有しており、可動差込孔7aに臨む正極用の栓刃受部4は長孔14の長さ寸法と略同じ長さ寸法に形成されている。また、この正極用の栓刃受部4には直流電源が直流コンセント1に内蔵した電圧制御部3を介して接続されている。
電圧制御部3は、正極用と負極用の栓刃受部4,5間に印加される電圧値を適宜設定するDC/DCコンバータで構成されている。本例では電圧制御部3にはスイッチ部16が接続されており、スイッチ部16の操作部17の操作によって電圧制御部3の出力電圧、つまり正極用と負極用の各栓刃受部4,5間に印加する電圧値の設定を変更可能にしてあり、この機構が上記の電圧設定手段6を構成している。なお、図中19は電圧制御部3の電源入力部である。
コンセント筐体10の操作部17が挿通される長孔15の縁部には、操作部17のスライド方向(縦方向)に沿って栓刃受部4,5間に印加する電圧の目盛20が付されている。本例ではスイッチ部16の機能として48V,24V,12Vの3段階の設定が可能にされ、上記目盛20はスイッチ部16の設定機能に応じて該3段階の電圧値が列記されている。
上記直流コンセント1に備えた電圧設定手段6によると、コンセントプラグ30を接続する際にスイッチ部16の操作部17を使用者が操作することで、正極用と負極用の栓刃受部4,5間にコンセントプラグ30の種類(直流機器2の種類)に応じた所定の電圧を印加できる。したがって、直流機器2側にDC/DCコンバータを備える必要を無くすることができ、直流機器2側の小型化、ひいては直流配電システムのコストの低廉化を図ることが可能である、という利点を有している。
ここで、本例の直流コンセント1に接続するコンセントプラグ30は、図4のように、直流機器2の正常動作を確保する電圧値の種類によって、栓刃31の配置形状が各種設定されている。具体的には、各直流機器2の正常動作を確保する48V,24V,12Vの電圧値に対応した各コンセントプラグ30があり、各コンセントプラグ30では可動差込孔7aに差し込まれる正極用の栓刃31aの位置が縦方向にずれるように配置されている。
そして、本例の直流コンセント1では、図5のように、上記各種のコンセントプラグ30の栓刃31の位置に合わせて可動差込孔7aの位置を配置できるようにされている。可動差込孔7aは、スイッチ部16の操作部17へのスライド操作と共にスライド移動する摺動部材12によってスライド移動するのであり、つまり、可動差込孔7aは電圧設定手段6にて栓刃受部4,5に印加する電圧値に応じた位置に配置されるのであり、この可動差込孔7aの配置位置は該所定の電圧値のコンセントプラグ30における栓刃31の位置と対応する位置に位置するようになっている。
すなわち、可動差込孔7aは、電圧設定手段6で設定された所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5に、該所定の電圧値の種類に応じた配置位置にある栓刃31のみを導入できるものである。したがって、電圧設定手段6で設定された所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5には、可動差込孔7aを通じて該所定の電圧値の種類に応じた配置位置にある栓刃31のみが導入されて接続されるのであり、つまり、誤って所定の電圧値以外の他種の直流機器2側のコンセントプラグ30の栓刃31が、所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5に接続されることを防止でき、直流機器2の破損防止が図られている、という利点を有している。
以下、本発明の実施の形態の他例を列挙する。ここで、先例と同様部位には同符号を付して説明を省き、異なる部位につき説明する。
図6には実施形態の他例の直流コンセント1を示す。この例は先例(図1乃至図5)の電圧設定手段6を構成するスイッチ部16の機構を変更した例である。本例のスイッチ部16は正極用の栓刃受部4と電圧制御部3との間に設けられ、電圧制御部3から延出した出力電圧を違えた各種の複数の配電線21(本例では3本の配電線21)のうちの1つを選択して、栓刃受部4側に接続する機構を有している。このスイッチ部16の機構でも栓刃受部4,5間に印加する電圧値を適宜変更することができ、先例と同様の利点を備えることができる。
図7乃至図11には実施形態の他例の直流コンセント1を示す。この例は、印加される電圧値を違えた正極用の栓刃受部4を複数個、縦方向に並べて設けてあり、板状の摺動部材12から突設された突起状の操作部17を使用者が操作することで、摺動部材12と共に可動差込孔7aをスライド移動させ、複数個の栓刃受部4のうちの選択した1つの栓刃受部4が可動差込孔7aに臨むようにした構造を備え、この構造により電圧設定手段6を構成している。なお、本例の正極用の栓刃31a及び栓刃受部4は、負極用の栓刃31b及び栓刃受部5に対してその板面及び挟持面を略平行に配置していた先例とは異なり、図10や図11のように負極用の栓刃31b及び栓刃受部5に対してその板面及び挟持面を略直交するように配置してある。
つまり、本例の直流コンセント1は、使用者の操作部17の操作によって可動差込孔7aを移動させて、印加電圧値の異なる複数個の栓刃受部4,5のうちの1つをこれに臨ませ、所定位置にある栓刃31を所定電圧値が印加する栓刃受部4,5にのみ接続可能にしてあり、図3の電圧制御部3の出力電圧値を設定変更したり図6の配電線21の経路の設定変更をするスイッチ部16を廃して構成の簡略化を図りながらも、先例同様の利点を備えるものである。
図12には実施形態の更に他例の直流コンセント1を示す。本例の直流コンセント1は、電圧制御部3が直流コンセント1内に備えられていた先例(図1乃至図11)とは異なり、直流コンセント1に接続する建物側の直流配電システム内に備えられた電圧制御部3(113)から印加される電圧値の異なる複数本の配電線22が至り、この複数本の配電線22がそれぞれ複数個の正極用の栓刃受部4に接続されて構成されている。本例では、先例(図7乃至図11)のようにスイッチ部16を廃したこと加えて、直流コンセント1に内蔵する電圧制御部3を廃することができて、直流コンセント1の構成の簡略化を更に図りながらも、先例同様(図7乃至図11)の利点を備えるものである。
図13乃至図17には実施形態の更に他例の直流コンセント1を示す。本例の直流コンセント1は、直流機器2に正常動作を行わせる電圧値の種類に応じて係止部32を異なる位置に設けた直流機器2側のコンセントプラグ30を接続させる直流コンセント1であって、係止部32への係止状態にのみ栓刃受部4,5に栓刃31を接続可能にさせる被係止部8を移動自在に備え、この被係止部8を電圧設定手段6で栓刃受部4,5に印加した電圧値に応じた係止部32に対応する位置に位置規制する規制手段9を備えている。
詳しくは、本例のコンセント筐体10の正面部には、一対の固定差込孔7bで構成されるプラグ接続部25が裏方へ凹んだ凹溝状にして設けられている。凹溝状のプラグ接続部25の底面と、プラグ接続部25の縦脇部分とには、一対の横長状の長孔23,24が穿設されている。また、摺動部材12には操作部挿通孔13が穿設されると共に正面方向への突起状の被係止部8が設けられ、この摺動部材12は横方向に摺動自在に設けられている。スイッチ部16はプラグ接続部25の縦脇部分に配置されており、スイッチ部16に横方向にスライド自在に設けた操作部17は、摺動部材12の操作部挿通孔13、プラグ接続部25の縦脇にある長孔24を経て外方に突出されている。摺動部材12の被係止部8はプラグ接続部25にある長孔23を経て外方に突出されている。本例の突起状の被係止部8は凹溝状のプラグ接続部25内に収まる突出高さに形成されている。
なお、図15には本例の直流コンセント1のブロック図を示す。栓刃受部4,5は正極用及び負極用で一対設けられており、それぞれ固定差込孔7bに臨むものであって同部材を用いることができる。スイッチ部16には、操作部17のスライド動により電圧制御部3の出力電圧値が設定変更される機構のものが採用されている。
ここで、本例の直流コンセント1に接続するコンセントプラグ30には、図16のように一対の栓刃31が突出するプラグ筐体33の端面の縁部に切欠凹所状の係止部32が形成されている。この係止部32は上記被係止部8に嵌合する部位である。そして、コンセントプラグ30は、直流機器2の正常動作を確保する電圧値の種類によって、係止部32の配置形状が各種設定されている。具体的には、各直流機器2の正常動作を確保する48V,24V,12Vの電圧値に対応した各コンセントプラグ30があり、各コンセントプラグ30では係止部32がプラグ筐体33の端面の縁部で横方向に位置をずらすように配置されている。
上記のように被係止部8と操作部17とは摺動部材12と同期してスライド移動されるようになっている。なお、本例のスイッチ部16の機能としては、操作部17のスライド動作によって48V,24V,12Vの3段階の設定が可能にされている。したがって、被係止部8も、図17のように、3段階の操作部17のスライド動作に応じて摺動部材12を介し、横方向に3段階のスライド位置に位置される。そして、この摺動部材12を介した被係止部8のスライド位置は、直流機器2に正常動作を行わせる電圧値の種類に応じて、係止部32に係止可能な位置に設定されているのであり、つまり摺動部材12は上記規制手段9を構成している。
すなわち本例(図13乃至図17)では、被係止部8と係止部32への係止状態にのみ栓刃受部4,5に栓刃31が接続可能にされている。詳しくは、被係止部8は規制手段9によって電圧設定手段6で設定した所定の電圧値に応じた係止部32に対応する位置に位置規制されるのであり、所定の電圧値に応じた係止部32のみを被係止部8に係止させて栓刃31を栓刃受部4,5に接続できるようになっている。したがって、誤って所定の電圧値以外の他種の直流機器2側のコンセントプラグ30の栓刃31が、所定の電圧値が印加される栓刃受部4,5に接続されることを防止でき、直流機器2の破損防止が図られている、という利点を有している。
なお、本例(図13乃至図17)も、図1乃至図12の例と同様に、所定の電圧値に応じた栓刃31のみを所定の電圧値が印加された栓刃受部4,5に接続させて電圧値による直流機器2の破損防止を図ったものである。しかしながら、これを可能にするために、図1乃至図12の例では差込孔7に挿入されない栓刃31を差込孔7以外の摺動部材12の部位に当接させることで行われ、つまり導電部分である栓刃31に当接にかかる衝撃が直接負荷されるようになっているが、本例では導電部分ではない被係止部8のプラグ筐体33の端面への当接により行われ、つまり導電部分である栓刃31に力が直接負荷されないようになっており、すなわち、本例では、導電部分の保護も図りながら、電圧値による直流機器2の破損防止を図り得る、という利点も有している。
図18には実施形態の更に他例の直流コンセント1を示す。この例は先例(図13乃至図17)の電圧設定手段6を構成するスイッチ部16の機構を変更した例である。本例のスイッチ部16は正極用の栓刃受部4と電圧制御部3との間に設けられ、電圧制御部3から延出した出力電圧を違えた各種の複数の配電線21(本例では3本の配電線21)のうちの1つを選択して、栓刃受部4側に接続する機構を有している。この例の機構でも栓刃受部4,5間に印加する電圧値を適宜変更することができ、先例(図13乃至図17)と同様の利点を備えることができる。
なお、上記実施形態では、使用者が操作部17を操作して栓刃受部4,5に所定の電圧値を印加すると共に可動差込孔7aや被係止部8の位置を設定することで、栓刃31と栓刃受部4,5との接続に規制をかけて直流機器2の正常動作の確保を図っているが、たとえば、可動差込孔7aや係止部32の縁部に栓刃31や被係止部8を導入する傾斜面状のガイド部などを設け、直流コンセント1にコンセントプラグ30を接続させる際に、任意位置にある可動差込孔7aや被係止部8を栓刃31や係止部32の対応位置に導くようにすると、直流機器2側のコンセントプラグ30の接続時に自動的に所定の電圧値への電圧設定手段6の設定変更を伴う栓刃31の栓刃受部4,5への接続を行わせることが可能であり、つまり、速結端子のような容易な作業で不具合の無い直流コンセント1とコンセントプラグ30との接続を行うことができるようになって、好ましいものである。
1 直流コンセント
2 直流機器
3 電圧制御部
4 正極用の栓刃受部
5 負極用の栓刃受部
6 電圧設定手段
7 差込孔
7a 可動差込孔
7b 固定差込孔
8 被係止部
9 規制手段
12 摺動部材
16 スイッチ部
2 直流機器
3 電圧制御部
4 正極用の栓刃受部
5 負極用の栓刃受部
6 電圧設定手段
7 差込孔
7a 可動差込孔
7b 固定差込孔
8 被係止部
9 規制手段
12 摺動部材
16 スイッチ部
Claims (3)
- 直流電源に電圧制御部を介して接続された正極用と負極用の栓刃受部と、電圧制御部にて正極用と負極用の栓刃受部間に印加する電圧値を変更可能にする電圧設定手段とを備えて成ることを特徴とする直流コンセント。
- 直流電力の供給を受けて動作する直流機器に正常動作を行わせる電圧値の種類に応じて栓刃の配置位置を異ならせた直流機器側のコンセントプラグを接続させる直流コンセントであって、電圧設定手段で設定された所定の電圧値が印加される栓刃受部に、該所定の電圧値の種類に応じた配置位置にある栓刃のみを導入する可動差込孔を備えたことを特徴とする請求項1記載の直流コンセント。
- 直流電力の供給を受けて動作する直流機器に正常動作を行わせる電圧値の種類に応じて係止部を異なる位置に設けた直流機器側のコンセントプラグを接続させる直流コンセントであって、係止部への係止状態にのみ栓刃受部に栓刃を接続可能にさせる被係止部を移動自在に備え、この被係止部を電圧設定手段で栓刃受部に印加した電圧値に応じた係止部に対応する位置に位置規制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の直流コンセント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007333233A JP2009158211A (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | 直流コンセント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007333233A JP2009158211A (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | 直流コンセント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009158211A true JP2009158211A (ja) | 2009-07-16 |
Family
ID=40962013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007333233A Withdrawn JP2009158211A (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | 直流コンセント |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009158211A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011096654A (ja) * | 2009-10-12 | 2011-05-12 | Schneider Electric Industries Sas | 構成可能な検出装置 |
-
2007
- 2007-12-25 JP JP2007333233A patent/JP2009158211A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110301 |