JP2009156468A - 既設管路の補修用被覆体 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設管路の充分な補修効果が達成できかつ施工容易な管路の補修用被覆体を提供する。
【解決手段】既設管路内周面1aを被装して補修する既設管路1の補修用被覆体Cは、既設管路内周面1aに対向する円筒状のスリーブSを形成するために周方向に並べて配置されるスリーブ構成部材11と、スリーブSの外周上に被装され、スリーブSの外周面と既設管路内周面1aとの間に挟装される環状の弾性シート部材21と、既設管路1内で周方向に並べて配置されたスリーブ構成部材11の互いに対向する対向端部12間に介在させることにより、各スリーブ構成部材11で構成されるスリーブSで弾性シート部材21を既設管路内周面1aに押圧して密着させると共にスリーブ構成部材11同士を固定する固定部材31とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、既設管路内周面を被装して補修する既設管路の補修用被覆体に関する。
一般に、地中に埋設された下水管等の管路は、ヒューム管、陶管等が広く使用されている。これら管路は、長期間の使用によって内周面が硫化水素やその他の腐食ガス及び付着物等によって浸食され、かつ劣化して強度が低下している。また地圧や地盤沈下等によって管路の継目部がずれて隙間ができたり、上載荷重等によって管路の一部にクラックが発生している場合がある。
この対策として管路の内周面を補修用被覆体によって被覆する管路補修方法がある。この管路補修方法に使用される補修用被覆体は、例えば図14(a)に斜視図を示すように、ベース110及び筒状のスリーブ120を有し、ベース110は例えばステンレス鋼のような耐腐食性に優れる金属材料或いは合成樹脂製であって、一端部が他端部の内側となるように互いに重なる筒状、即ち渦巻状に形成されている。
更に、このベース110の外側となる他端部付近には互いに離間して係止片113が一端部111の端縁114に係止可能に切起こし加工によって内方に突出形成され、これら係止片113と端縁114によってベース110を拡開状態に保持する拡開保持手段115を形成している。ベース110の外周上に嵌挿する筒状のスリーブ120は、ゴム等のスリーブ本体121と、スリーブ本体121の両側外周に各々周方向に連続して延びる環状の止水体122によって構成されている。
一方、補修用被覆体100を管路の補修箇所に装着するための嵌合機130は、図14(b)に示すように、円筒状の本体131と、この本体131の外周に両端が帯状の固定具132によって固定される膨張部134とを有し、本体131と膨張部134との間に圧力流体、例えば圧縮空気を供給することにより膨張部134を風船状に膨張させるように構成されている。
そして、補修用被覆体100を管路の補修箇所に装着するには、先ず、補修用被覆体100を係止片113と端縁114が非係合状態に縮径し、かつ必要に応じてスリーブ120の一部が折り畳まれた状態に準備する。この縮径された状態で補修用被覆体100を図14(c)に示すように管路1の内周面1aが洗浄され、必要に応じて付着したモルタルや管路1内に侵入した木根を除くための表面処理が施された管路1内のクラック発生部や、ずれた継ぎ目部等の補修箇所へ搬入する。続いて膨張部134を収縮させた状態の嵌合機130を前記補修箇所に搬入された補修用被覆体100のベース110内に装着する。
そして地上に配置された供給源からホース等を介して供給される圧縮空気によって膨張部134を膨張させる。膨張部134の膨張により、補修用被覆体100のベース110を押し拡げ、端縁114に対応する係合片113が係合可能になる程度に拡径される。
その結果、ベース110の外周に配置されるスリーブ120は円筒状に拡げられ、ベース110によって管路内周面1aに止水体122及びスリーブ本体121が圧接して弾性変形することにより管路内周面1aとベース110との間に圧縮されたスリーブ本体121と止水体122によって隙間なく充填される。
次に膨張部134と本体131の間に供給された圧縮空気を排出して膨張部134を収縮させる。膨張部134が収縮すると、スリーブ本体121及び止水体122の復元力によってベース110にベース110を縮径させる力が作用し、係止片113が端縁114に係合する。これによりベース110は僅かに縮径されるが、この縮径分はスリーブ本体121及び止水体122が僅かに復元することにより吸収される。従って、スリーブ本体121及び止水体122は管路内周面1aとベース110とによって圧縮付与された状態に保持され、補修用被覆体100は管路1内に設置される。そして膨張部134が収縮した嵌合機130は管路1内から撤去される。
上記従来の補修用被覆体100を用いた管路補修方法によると、拡開状態に保持されたベースによりスリーブ120を管路内周面1aに圧接保持することから管路内周面1aがスリーブ120によって被覆された充分な補修効果が得られる。
しかしながら、これらの補修用被覆体100や嵌合機130を地上から管路1内に搬入するためのマンホールは、地上に開口する開口部が安全性を考慮して比較的小径に形成され、かつその開口部には開口部を閉塞するための蓋を係止固定する係止部等が内方に突出形成されて、その有効内径を更に小さくしている。
これに対して、嵌合機130は、補修すべき管路1に相応した円筒形状の本体131と、この本体外周に設けられる膨張部134を有する。従って、マンホールの開口部によって搬入可能な嵌合機の大きさが制限され、特に大径の管路の補修作業を困難にしている。また、補修用被覆体100のベース部110は、所定の剛性を有する1枚のシート状部材によって構成されていることから、単体でも大きく、また、重量も重い。従って、嵌合機130と同様にマンホールの開口部によって搬入可能な大きさが制限されるなど、マンホールの開口部からの搬入は容易ではなかった。
そして、補修用被覆体100のベース110の拡径は、嵌合機130の膨張部134の膨張により行うことから、拡径作業時に係止片113が端縁114に係合したか否かの確認を作業員が直接に目視ですることができない。従って、膨張後に圧縮空気を排出して嵌合機130の膨張部134を縮径させたときに、係止爪113の端縁114への係合が不十分であると判断されるおそれがあり、そのような場合には、再度、嵌合機130の膨張部134を膨張させて係合させる作業を行わなければならない。
また、嵌合機130は、補修用被覆体100を拡径させる際に、膨張部134によって管路内を塞ぐか管路の開口面積を狭める必要がある。従って、例えば近くに浄水場や下水処理場があり、常に大量の水が管路内を流れている場所では、管路内を流れている水を止めるか若しくは別ルートに迂回させる段取り作業が別途必要であった。また、そのような箇所を長時間止水しておくことは困難であり、作業時間も限られることから、補修作業は容易でなかった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設管路の充分な補修効果が達成できかつ施工容易な管路の補修用被覆体を提供することにある。
上記課題を解決する請求項1に記載の既設管路の補修用被覆体の発明は、既設管路内周面を被装して補修する既設管路の補修用被覆体において、既設管路内周面に対向する円筒状のスリーブを形成するため互いに周方向に複数並べて配置されるスリーブ構成部材と、スリーブの外周上に被装され、このスリーブの外周面と既設管路内周面との間に挟装される環状の弾性シート部材と、既設管路内で周方向に並べて配置されたスリーブ構成部材の互いに対向する対向端部間に介在させることにより、各スリーブ構成部材で構成されるスリーブで弾性シート部材を既設管路内周面に押圧して密着させると共に、スリーブ構成部材同士を接続する固定部材と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、既設管路内周面に対向する円筒状のスリーブを形成するためにスリーブ構成部材を周方向に複数並べて配置し、その外周上に環状の弾性シート部材を被装する。そして、既設管路内の補修箇所に配置して、各スリーブ構成部材の対向端部の間に固定部材を介在させ、各スリーブ構成部材で構成されるスリーブで弾性シート部材を既設管路内周面に押接して密着させると共に、スリーブ構成部材同士を接続するので、従来のような大がかりな嵌合機を必要とせず、補修用被覆体の既設管路内への取付けを容易に行うことができる。また、複数のスリーブ構成部材でスリーブを構成することから、各部材の大きさや重量を小さくすることができ、マンホールの開口部からの搬入を容易なものとすることができる。
また、固定部材の取付作業を作業者が直接行うことによって、作業状況を実際に目視で確認しながら施工することができる。従って、従来の嵌合機のように機械任せではなく、確実に施工することができ、また、施工を容易ならしめ、全体の作業時間を短縮することができる。また、従来の嵌合機のように作業時に管路内を閉塞したり、流路面積を大幅に縮小することがないので、管路の止水作業を省略することができる。従って、止水が困難な場所や大口径を有する管路、例えば処理場等に近い場所に設置されている管路の補修も容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の既設管路の補修用被覆体において、固定部材が、周方向に並べて配置されたスリーブ構成部材の対向端部間に側方から差し込まれ、その差し込み移動により各スリーブ構成部材で構成されるスリーブを拡径せしめ、弾性シート部材を既設管路内周面に押圧して密着させることを特徴とする。
この発明によると、固定部材を周方向に並べて配置されたスリーブ構成部材の対向端部間に側方から差し込み、その差し込み移動により各スリーブ構成部材で構成されるスリーブを拡径せしめ、弾性シート部材を既設管路内周面に押圧して密着させるので、従来のような大がかりな嵌合機を必要とせず、補修用被覆体の施工を容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の既設管路の補修用被覆体において、スリーブが、スリーブ構成部材を3枚配置して接続することによって形成されたことを特徴とする。
この発明によると、3枚のスリーブ構成部材で円筒状のスリーブを構成するので、径方向の剛性を適切に維持することができる。従って、例えば補修した部分に対して既設管路の外部から高い水圧が加えられた場合にもスリーブの変形を抑え、外部からの水の侵入を防止することができる。また、スリーブ構成部材がスリーブを3分割した大きさになることから、例えばマンホールの開口部よりも大口径の管路に用いられる補修用被覆体であっても、管路内に容易に搬入することができる。また、略水平方向に延在する管路内で、最上部にスリーブ構成部材の1の対向端部を配置するように設置することで、他の2カ所のスリーブ構成部材の対向端部を管路の最下部よりも上方位置に配置することができる。従って、例えば既設管路内に水が流れている場合でも、固定部材の取付作業を容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の既設管路の補修用被覆体において、周方向に並べられたスリーブ構成部材の対向端部間を覆うようにスリーブの外周面に沿って弾性シート部材との間に設けられる当板部材を有することを特徴とする。
この発明によると、周方向に並べられたスリーブ構成部材の対向端部間を覆うようにスリーブの外周面に沿って弾性シート部材との間に当板部材が設けられるので、径方向の力に対して脆弱部となるスリーブ構成部材同士の接続部分を補強することができる。また、スリーブ構成部材の対向端部間の間隙から弾性シート部材がスリーブの内径側に突出するのを防止することができる。これにより、例えば、管路のクラックから地下水が侵入して管路内周面と弾性シート部材との間に高圧が加えられた場合に、弾性シート部材がスリーブ構成部材の端部間の間隙から内径側に突出して風船状にふくらむのを防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の既設管路の補修用被覆体において、弾性シート部材が、スリーブの外周上を被装する筒状のベース部と、ベース部の両側の端縁部外周上に周方向に延在し、その頂部が既設管路の内周面に密着する環状の突条部と、を有することを特徴とする。この発明によると、弾性シート部材は、その頂部が既設管路の内周面に密着する環状の突条部を有するので、弾性シート部材を既設管路の内周面により確実に密着させることができる。従って、上述の例のように既設管路のクラックから、スリーブ外周面と既設管路内周面との間に地下水等が侵入した場合にもこれらの浸水経路を遮断し、充分な止水効果を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の既設管路の補修用被覆体において、弾性シート部材は、ベース部と突条部との間を周方向に延在する中空部と、中空部内に移動自在に封入された流動体とを有する押圧力均一化手段を備えることを特徴とする。
この発明によると、弾性シート部材は、ベース部と突条部との間に形成された中空部に流動体を移動自在に封入することによって構成された押圧力均一化手段を有しているので、例えば既設管路の位置が地震などによって移動して既設管路の継ぎ目部分に設置されたスリーブが既設管路内で径方向に偏移し、既設管路の内周面とスリーブの外周面との間隙が周方向に不均等となった場合に、中空部内を流動体が移動することによって、突条部を常に全周に亘って既設管路の内周面に均一な押圧力で押圧することができる。したがって、より確実に突条部を密着させることができ、接合部からの漏水や土砂の流入を確実に防止することができる。尚、上述の中空部に封入される流動体には、水などの液体、空気やガスなどの気体、ゲル状或いはビスコース状の粘性体も含まれる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の既設管路の補修用被覆体において、突条部は、突条部の両側端部分よりも中央部分の方が径方向外方に向かって突出する、縦断面が略円弧形状の基礎部と、基礎部の外周面に周方向に延在する複数本の環状突条を有することを特徴とする。
この発明によると、例えば既設管路の継ぎ目部分にスリーブを設置した状態で地震などにより既設管路が継ぎ目部分で斜めに折れ曲がるようにズレた場合でも、基礎部の縦断面形状が円弧形状を有しているので、管路内周面に対して常に突条部をより広い面積に亘って接面させることができる。したがって、高度な止水効果を得ることができ、弾性シート部材と管路内周面との間からの漏水、土砂の流入等を確実に防止することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の既設管路の補修用被覆体において、固定部材が、スリーブ構成部材の対向端部を挿入可能な間隔を有して互いに対向する2枚の平板部と、平板部の間に設けられ、対向端部間に差し込まれスリーブの拡径動作を行う楔部と、を有することを特徴とする。
この発明によると、スリーブ構成部材の対向端部間に固定部材を差し込むことによって、楔部によりスリーブ構成部材を周方向に互いに離間する方向に移動させることができる。従って、スリーブ構成部材で構成されるスリーブを拡径せしめ弾性シート部材を既設管路内周面に押圧して密着させることができる。従って、スリーブ構成部材を所定の押圧力で管路内周面に押圧させ、管路内に固定する作業を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明に係る既設管路の補修用被覆体によれば、スリーブ構成部材を周方向に並べて既設管路内周面に対向する円筒状のスリーブを形成し、その外周上に環状の弾性シート部材を被装して、既設管路内の補修箇所に配置し、各スリーブ構成部材の対向端部間に固定部材を介在させることによって、各スリーブ構成部材で構成されるスリーブで弾性シート部材を既設管路内周面に押圧して密着させると共に、スリーブ構成部材同士を接続するので、従来のような大がかりな嵌合機等を必要とせず、容易に補修用被覆体を既設管路内に取り付けて当該箇所の補修を行うことができる。また、複数のスリーブ構成部材でスリーブを構成することから、個々の部材の大きさや重量を小さくすることができ、マンホールの開口部からの搬入を容易なものとすることができる。従って、充分な補修効果を達成することができると共に、容易に施工することができる。
また、他の発明によれば、弾性シート部材は、ベース部と突条部との間に形成された中空部に流動体を移動自在に封入することによって構成された押圧力均一化手段を有しているので、例えば既設管路の位置が地震などによって移動して既設管路の継ぎ目部分に設置されたスリーブが既設管路内で径方向に偏移し、既設管路の内周面とスリーブの外周面との間隙が周方向に不均等となったときでも、中空部内を流動体が移動することによって、突条部を常に全周に亘って既設管路の内周面に均一な押圧力で押圧することができる。したがって、より確実に突条部を密着させることができ、接合部からの漏水や土砂の流入を確実に防止することができる。
本実施の形態を説明する説明図である。 補修用被覆体を分解状態で示す斜視図である。 スリーブ構成部材の斜視図である。 スリーブ構成部材の端部形状を説明する図である。 弾性シート部材の断面を示す図である。 固定部材の概略図である。 拡径治具を示す斜視図である。 組み立て状態を説明する図である。 拡径治具を用いたスリーブの拡径作業を説明する図である。 図9のX−X線方向から矢視した断面図である。 固定部材の取付作業を説明する説明図である。 固定部材の取り付け状態を説明する要部拡大図である。 カバーの説明図である。 従来説明図である。 第3の実施の形態におけるスリーブ構成部材の対向端部の形状を示す要部拡大図である。 弾性シート部材の構成を説明する図である。 突条部の他の形状を示す図である。 補修用被覆体の設置状態を説明する概略図である。 既設管路の継ぎ目部分の縦断面を拡大して概略的に示す図である。
(第1の実施の形態)次に、本発明の第1の実施の形態について図に基づいて説明する。図1の符号1は、地中に埋設された下水管等の既設の管路であり、直径が800mm〜1500mmのいわゆる中・大口径管といわれているものである。この管路1は、例えば長期間の使用により継目部がずれて隙間ができたり、或いは一部にクラックが発生して補修を要し、管路1の両端は、マンホール2に接続されている。
図2は、補修用被覆体Cを分解状態で示す斜視図である。補修用被覆体Cは、スリーブ構成部材11、弾性シート部材21、固定部材31によって構成されている。スリーブ構成部材11は、周方向に並べて配置されることによって、管路内周面1aを被覆する円筒状のスリーブSを構成するものであり、本実施の形態では、3枚を周方向に並べて配置することによってスリーブSを構成するように形成されている。
図3は、スリーブ構成部材11の斜視図である。スリーブ構成部材11は、例えばステンレスなどの金属製であって、ほぼ一定の曲率半径を有する円弧形状を有しており、その内周面には2本のリブ11Aが周方向に延在するように突出形成され、また、幅方向両端部にはフランジ11Bが周方向に連続するように径方向外側に折曲形成されて、剛性の向上が図られている。
図4は、スリーブ構成部材11の対向端部12の形状を説明する要部拡大図である。スリーブ構成部材11の対向端部12は、スリーブ構成部材11の幅方向に沿って延在するように一直線状に形成されており、幅方向両端部にはそれぞれテーパ状の傾斜部13が設けられている。また、幅方向中央部で一方のリブ11A寄り位置には、矩形の切欠部15が形成されており、該切欠部15から他方のリブに向かってテーパ状の傾斜部14が設けられている。
図中で符号17は、後述する拡径治具41(図8参照)を着脱自在に取り付けるための係止穴であり、スリーブ構成部材11の両方の対向端部近傍位置で幅方向に離間して対をなすように設けられている。また、一方の対向端部付近の外周面には、図3に示されるように、対向端部12から所定長さだけ周方向に突出するように当板部材18が取り付けられている。当板部材18は、スリーブ構成部材11の接続部分の強度を補強し、かつスリーブ構成部材11の対向端部12の間に形成された間隙から弾性シート部材21がスリーブSの内径側に突出するのを防止するものであり、スリーブ構成部材11よりも厚さが薄い、例えばステンレス製の金属板であって、図4に示すように、係止穴17を外周面から被覆すると共に、対向端部12に対向する他のスリーブ構成部材11の係止穴17も外周面側から被覆する大きさを有している。
一方、弾性シート部材21は、図2に示すように、スリーブ構成部材11によって形成されるスリーブSの外周上に被装され、スリーブSの外周面によって管路内周面1aに押圧されて密着される環状を有している。具体的には、図5(a)にその断面形状を示すように、スリーブSの外周上を被装する筒状のベース部22と、ベース部22の両端縁部外周上に各々周方向に沿って突出形成されて頂部が管路内周面1aに密着する環状の突条部23を有している。
突条部23は、本実施の形態では片側に4本ずつ、合計8本が設けられており、台形断面形状を有している。そして、図5(a)の要部(丸枠内)の拡大図である図5(b)に示すように、それぞれ片側4本の中央2本には、水分を吸収することによって膨潤する水膨潤ゴム24が使用されている。従って、管路内周面1aに接面されている状態で水分を吸収した場合には、スリーブSと管路内周面1aとの間で膨潤し、より密着することができる。尚、突条部23は、上記構成に限定されるものではなく、その本数を増減し、断面が半円形状であってもよい。
固定部材31は、例えばステンレスなどの錆びない金属製であって、周方向に並べて配置されたスリーブ構成部材11の互いに対向する対向端部12間に介在されることにより、各構成部材11で構成されるスリーブSで弾性シート部材21を管路内周面1aに押圧して密着させると共に、スリーブ構成部材11同士を互いに接続するものである。本実施の形態では、図2に示すように、1つの接続部分において計3個が取り付けられ、1つのスリーブSで合計で9個が使用される。
この固定部材31は、図6に示すように、スリーブ構成部材11の対向端部12を挿入可能な間隔を有して互いに対向する2枚の平板部(第1平板部33、第2平板部34)と、これらの間に設けられて互いに対向する対向端部12間に差し込まれることによってスリーブSの拡径動作を行う楔部32を有している。楔部32は、対向端部12の傾斜部13、14に対向して当接する一対の対向面32aを有しており、平面図である図6(a)に示すように、前端から後端に移行するに従って互いの間隔が漸次拡がるように形成されている。第1平板部33と第2平板部34は、先端側の角部が面取りされており、第1平板部33は、スリーブ構成部材11の内周面11aに対向し、第2平板部34は、スリーブ構成部材11の外周面11bに対向する。また、第2平板部34は、第1平板部33よりも厚さが薄く形成されており、側面図である図6(b)に示すように、前端から後端に亘って延在する両側縁には面取り加工が施されている。この固定部材31を、スリーブ構成部材11の幅方向両側から互いに接近する方向に向かって対向端部12の間に差し込むことにより、対向端部12を接続することができ、更に押し込むことによって、楔部32の対向面32a上で対向端部12の傾斜部13、14を滑動させて、各スリーブ構成部材11を周方向に互いに離間する方向に移動させることができる。これにより、スリーブSを容易に拡径させることができる。
次に、上記構成を有する補修用被覆体Cを用いた管路1の補修方法について説明する。このような既設管路1の補修作業は、先ず管路内周面1aを洗浄し、必要に応じて管路内周面1aに付着したモルタルや管路1内に侵入した木根等を取り除き、かつ管路内周面1aの形状をディスクグラインダ或いは削孔機等により整える。
それから、補修用被覆体Cを構成する各構成部材や組み立て設置作業に必要な工具類をマンホール2内に搬入し、マンホール2内で補修用被覆体Cの仮組みを行う。図7は、仮組みした補修用被覆体Cを示す図である。仮組みは、図7に示すように、3枚のスリーブ構成部材11を周方向に並べて配置し、3カ所の接続部分のうち、1カ所を予め固定部材31により接続し、他の2カ所の接続部分を互いに重なり合わせて、管路1の内径よりも小径の円筒形状とし、拡径治具41を用いてその円筒形状を維持するように仮固定を行い、その外周上に弾性シート部材21を被装することによって行われる。
拡径治具41は、図8に示すように、L字断面のアングル材によって構成されており、係止穴17に係入可能な突起部42と、この突起部42の係止穴17への係入によって内周面11a上に起立する腕部43を有しており、腕部43には、スリーブ構成部材11を仮固定するための仮固定ボルト44(図7参照)が挿通される貫通孔45が穿設されている。
仮固定は、各スリーブ構成部材11に拡径治具41を取り付け、腕部43の貫通孔45に、仮固定ボルト44を挿通して固定することによって行われる。これにより、補修用被覆体Cは、図7に示すように、スリーブ構成部材11の端部2カ所が重なり合わされ、管路1の内径よりも小さい外径を有した円筒形状とされる。
マンホール2内での仮組みが終了すると、補修用被覆体Cは図示していない台車等に乗せられて管路1内を補修箇所まで移動されて、補修箇所に対向し被覆する位置に配置される。ここでは、予め固定部材31によって接続されている部分が管路1内の最上部に位置するように配置される。これにより、最上部の接続部分の作業を省略し、他の下側2カ所の接続部分でのみの作業とすることができ、作業者の管路1内における作業姿勢を楽にし、施工作業を容易ならしめることができる。また、下側2カ所を管路1内の最下部よりも上方位置に配置することができ、最下部での作業を回避し、管路1内の最下部を水が流れている場合でも、補修用被覆体Cの取り付け作業を可能とすることができる。
そして、補修用被覆体Cを管路1内の補修箇所に固定する固定作業が行われる。まず最初に、スリーブ構成部材11の重ね合わされている部分を周方向に離間する方向に移動させる作業が行われる。図9は、拡径治具41を用いたスリーブSの拡径作業を説明する図、図10は、図9のX−X線方向から矢視した断面図である。
まず、拡径治具41によって仮固定されている2カ所の接続部分のうち、一方の接続部分を仮固定している仮固定ボルト44を取り外し、図9に示すように、対向する拡径治具41の腕部43の間に拡径用ジャッキ50をセットする。この拡径用ジャッキ50は、拡径治具41の腕部43の間に介在される一対の爪部51と、これらの爪部51を油圧の供給によって互いに離反する方向に移動させるシリンダ部52を有している。
この拡径用ジャッキ50を一人の作業者が保持し、他の作業者がその近傍位置で油圧供給装置Pを駆動することによって、拡径治具41を互いに離間する方向に付勢する。これにより、互いに重ね合わされているスリーブ構成部材11の対向端部12を、図10(a)に示す状態から図10(b)に示すように周方向に離間する方向に移動させ、対向端部12の間に所定の間隙を形成する。
次に、周方向に離間された対向端部12の間に固定部材31を取り付ける作業が行われる。固定部材31は、対向端部12の間に形成された間隙に、固定部材31の楔部32の先端が介在され、第1平板部33と第2平板部34の間に対向端部12が挿入されるように、スリーブ構成部材11の幅方向両側からそれぞれ差し込まれ、ハンマーなどで後端が叩打されることにより、対向端部12同士を仮接続する。そして、拡径用ジャッキ50と拡径治具41が取り外され、固定ジャッキ55によって正規の位置に圧入され、スリーブ構成部材11を相互に接続する。
図11は、固定部材31の圧入作業を説明する説明図、図12は、固定部材31を対向端部12の間に圧入した取り付け状態を説明する要部断面拡大図である。固定用ジャッキ55は、図11に示すように、スリーブ構成部材11の幅よりも広い間隔を有して対峙する一対の爪部56と、これらの爪部56を油圧の供給により互いに接近方向に移動させるシリンダ部57を有しており、これらの爪部56が固定部材31の基端にそれぞれ当接するように、一人の作業者が固定用ジャッキ55を両手で支持し、他の作業者がその近傍位置で油圧供給装置P(図9参照)を駆動することによって、各固定部材31をスリーブ構成部材11の幅方向で互いに接近方向に移動させる。
この移動により、固定部材31は、図12に示すように、第1平板部33と第2平板部34との間に対向端部12が挿入され、第2平板部34が対向端部12と当板部材18との間に挿入される形で圧入される。従って、スリーブ構成部材11は、対向端部12の傾斜部13が楔部32の対向面32aに当接して周方向に押圧され、更に互いに離間する方向に移動される。そして同様に、他方の接続部分を仮固定している拡径治具41の仮固定ボルト44が取り外され、拡径ジャッキ50で対向端部12の間に間隙が形成され、固定ジャッキ55により固定部材31が圧入される。
従って、各スリーブ構成部材11は、互いに周方向に離間する方向に移動され、結果としてスリーブSを拡径せしめ、管路内周面1aに所定の押圧力で押圧し、補修箇所に固定させる。そして、弾性シート部材21は、スリーブSによって管路内周面1aに押圧されて密着される。従って、管路1のクラックから地下水等が侵入してきた場合でも、浸水経路を遮断して充分な止水効果を確保できる。
上記のスリーブ構成部材11の拡径作業及び固定部材31の圧入作業は、作業員が実際に目視で確認しながら行うことができる。従って、補修用被覆体Cの施工を確実に行うことができ、全体の作業時間を短縮することができる。
尚、スリーブ構成部材11の接続部分の強度を補強すべく、スリーブ構成部材11の幅方向中央部にも固定部材31が取り付けられる。この固定部材31は、互いに対向する対向端部12の切欠部15によって形成された矩形の開口部から対向端部12の傾斜部14間に挿入され、固定用ジャッキ55によって圧入される。従って、当板部材18と共にスリーブ構成部材11の接続部分の強度を補強することができる。
図13(a)は、カバー部材61の取り付け状態を説明する図、図13(b)は、カバー部材61の斜視図である。スリーブ構成部材11の接続部分には、図13(a)に示すように、固定部材31の取り付け終了後、その接続部分を被覆するようにカバー部材61が取り付けられる。カバー部材61は、例えばステンレス製等の薄板の金属板を折り曲げ形成したものであり、作業員の手によって取り付けられる。このカバー部材61を取り付けることによって、管路1内を流れてきた異物が固定部材31やスリーブ構成部材11の端部等に引っかかるのを防止することができる。
上記構成を有する補修用被覆体Cによれば、複数のスリーブ構成部材11によってスリーブSを構成したことから、部材個々の大きさや重量を例えば一体的に構成されたスリーブ(図14参照)よりも小さくできる。従って、マンホール2内への搬入等を容易に行うことができ、大口径の管路1にも容易に適用することができる。また、スリーブ構成部材11は、拡径用ジャッキ50及び固定用ジャッキ55を用いて組み立てることができるので、従来のように嵌合機がマンホール2に搬入できないという不具合も生じない。
また、従来の嵌合機のように作業時に管路内を閉塞したり、流路面積を大幅に縮小することがないので、管路1の止水作業を省略することができ、止水が困難な場所や大口径を有する管路1、例えば処理場等に近い場所に設置されている管路1等の補修も容易に行うことができる。
更に、上述の実施の形態では、3枚のスリーブ構成部材11によってスリーブSを構成しているので、管路内周面1aの押圧力を全周に亘ってほぼ均一にすることができる。従って、例えば補修用被覆体Cによって被覆した管路1のクラック等に外部から高水圧が加えられた場合でもスリーブSの変形を防止し、管路1内への地下水等の漏洩を確実に阻止することができる。
(第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、管路内を例えば浄水、工業用水、農業用水、ダムから供給される水等の高圧水が流れる既設管路1の補修に補修用被覆体Cを用いたものであり、特徴的なことは、補修用被覆体Cによって管路内周面に密着される弾性シート部材21のベース部22と管路内周面1aとの間に、所定の剛性を有する剛性シート部材を介在させたことである。
ここで所定の剛性とは、例えば、スリーブSと弾性シート部材21との間に高圧水が侵入した場合に、その高圧水によりベース部22が変形して管路の補修箇所であるクラックに入り込むのを防止することができる程度の剛性である。
これにより、ベース部22がクラックから管路外に突出し風船状に膨らんで破けたり、クラックを更に拡げたりするのを防ぐことができる。剛性シート部材の例としては、ベース部22よりも硬質のゴムシート部材、アラミド繊維などの高弾性高強度を有する繊維シート部材などが挙げられる。
尚、本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、スリーブ構成部材が3枚の場合を例に説明したが、2枚や4枚以上であっても良い。また、固定部材31の形状も上述の形態に限定されるものではなく、スリーブSで弾性シート部材21を管路内周面1aに押圧して密着させると共にスリーブ構成部材11同士を接続することができる形状であればよい。
また、上述の実施の形態では、対向端部12間に固定部材31を固定用ジャッキ55で圧入する場合を例に説明したが、固定部材31を遊嵌可能な間隙を拡径用ジャッキ50で形成し、固定部材31を差し込んで完全に挿入した後に、拡径用ジャッキ50による拡径を緩めて、対向端部12間に固定部材31を介在させても良い。これによれば、固定用ジャッキ55で固定部材31を圧入する工程を省略することができ、更に作業の容易化を図ることができる。
(第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態について説明する。
図15は、スリーブ構成部材71の対向端部72の形状を示す要部拡大図、図16は、弾性シート部材81の構成を説明する図である。尚、上述の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
本実施の形態は、補修用被覆体Cを、上述の各実施の形態のように既設管路1の補修のために用いるのではなく、既設管路1の耐震強化のために用いたものであり、特徴的なことは、管路内周面1aに対して突条部83を常に全周に亘って均一な押圧力で押圧する押圧力均一化手段86を弾性シート部材81に設けたことである。
本実施の形態におけるスリーブ構成部材71は、第1の実施の形態におけるスリーブ構成部材11よりも幅が短く構成されており、対向端部72の幅方向両端部にはテーパ状の傾斜部73が形成され、一対の固定部材31によって固定される構造を有している。
弾性シート部材81は、スリーブ構成部材71によって形成されるスリーブSの外周上に被装され、スリーブSの外周面によって管路内周面1aに押圧されて密着される環状を有しており、図16(a)にその断面形状を示すように、スリーブSの外周上を被装する筒状のベース部82と、ベース部82の両端縁部外周上に各々周方向に沿って突出形成されて頂部が管路内周面1aに密着する環状の突条部83を有している。
そして、図16(b)に突条部83の要部拡大図を示すように、ベース部82と突条部83の間には、押圧力均一化手段86が設けられている。押圧力均一化手段86は、ベース部82と突条部83との間を周方向に延在する中空部84と、中空部84内に移動自在に封入された流動体85とを有しており、例えば既設管路1内でスリーブSが偏移して、既設管路1の管路内周面1aとスリーブSの外周面との間隙が周方向に不均等となった場合に、中空部84内を流動体85が移動することによって、突条部83を全周に亘って管路内周面1aに均一な押圧力で押圧することができるように構成されている。
中空部84に封入される流動体85の例としては、水・水溶液などの液体の他に、空気・ガスなどの気体や、ゲル状・ビスコース状の粘性体であってもよい。また、中空部84内に発泡ゴムを充填し、発泡ゴム内の気体を流動体85としてもよい。弾性シート部材81には、流動体85よりも高密度の材質のもの、例えば高密度ゴム等が使用され、流動体85が中空部84から漏れ出ないように構成されている。また、中空部84は、図16では平行に2本並べて設けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、1本でもよく、3本以上の複数本であってもよい。
突条部83は、図16(b)に示すように、両端部分よりも中央部分の方が径方向外方に向かって突出する、縦断面が略円弧形状の基礎部83aと、その基礎部83aの外周面に周方向に延在する複数本の環状突条83bを有している。環状突条83bは、本実施の形態では片側に8本ずつ、合計16本が設けられており、断面が略三角形状を有している。この環状突条83bは、上記構成に限定されるものではなく、その本数を増減し、断面が半円形状であってもよい。図17は、突条部83の他の形状を示す図である。この例では、突条部83は、3本の中空部84と9本の環状突条83bを有している。
図18は、補修用被覆体Cの設置状態を説明する概略図である。補修用被覆体Cは、管路1の継ぎ目、マンホール2の継ぎ目、マンホール2と管路1の継ぎ目などに設置されている。これにより、継ぎ目部分の強度を強化し、既設管路1の耐震化策として、所定震度までの地震に耐えうる耐震強度を確保している。したがって、継ぎ目部分のズレ防止と、ズレによる漏水・土砂の流入を防止することができる。
図19は、既設管路1の継ぎ目部分の上部を縦断面により示す要部拡大図であり、押圧力均一化手段86の作用効果を説明する説明図である。例えば、地震が発生し、既設管路1−1と既設管路1−2が、図19(a)に示す基本姿勢状態から、図19(b)に示すように、互いに斜めにズレた曲げ姿勢状態に偏移すると、既設管路1−2の管路内周面1aの上部とスリーブSの外周面との間隙が広くなる一方、図示していない管路内周面1aの下部とスリーブSの外周面との間隙は狭くなり、管路内周面1aと突条部83との間隙が周方向で不均等になる。
ここで、押圧力均一化手段86は、流動体85が中空部84内を移動して間隙が狭い方から広い方(本実施の形態では下方から上方)に移動し、突条部83を既設管路1の管路内周面1aに全周に亘って常に均一な押圧力で押圧することができる。また、突条部83の基礎部83aは、縦断面が略円弧形状を有しているので、既設管路1−2の管路内周面1aと補修用被覆体Cの延在方向が交差するように略「くの字」にズレた場合でも、管路内周面1aに対して、突条部83を常に広い面積に亘って接面させることができる。したがって、より高い止水効果を得ることができ、突条部83と管路内周面1aとの間からの漏水、土砂の流入等を確実に防止することができる。
尚、上述の第3の実施の形態は、補修用被覆体Cを既設管路1の管路と管路の継ぎ目部分に配置した場合を例に説明したが、既設管路1の折損部に適用してもよく、係る場合にも、押圧力均一化手段86により、突条部83を管路内周面1aに均一な押圧力で押圧することができ、高い止水効果を得ることができる。
1 管路
1a 管路内周面
11 スリーブ構成部材
12 対向端部
13、14 傾斜部
18 当板部材
21 弾性シート部材
22 ベース部
23 突条部
31 固定部材
32 楔部
33 第1平板部
34 第2平板部
41 拡径治具
42 突起部
43 腕部
C 補修用被覆体
S スリーブ
81 弾性シート部材(第3の実施の形態)
84 中空部
85 流動体
86 押圧力均一化手段

Claims (8)

  1. 既設管路内周面を被装して補修する既設管路の補修用被覆体において、前記既設管路内周面に対向する円筒状のスリーブを形成するため互いに周方向に複数並べて配置されるスリーブ構成部材と、前記スリーブの外周上に被装され、このスリーブの外周面と前記既設管路内周面との間に挟装される環状の弾性シート部材と、前記既設管路内で周方向に並べて配置された前記スリーブ構成部材の互いに対向する対向端部間に介在させることにより、前記各スリーブ構成部材で構成されるスリーブで前記弾性シート部材を前記既設管路内周面に押圧して密着させると共に、前記スリーブ構成部材同士を接続する固定部材と、を有することを特徴とする既設管路の補修用被覆体。
  2. 前記固定部材は、周方向に並べて配置された前記スリーブ構成部材の対向端部間に側方から差し込まれ、その差し込み移動により前記各スリーブ構成部材で構成されるスリーブを拡径せしめ、前記弾性シート部材を前記既設管路内周面に押圧して密着させることを特徴とする請求項1に記載の既設管路の補修用被覆体。
  3. 前記スリーブは、前記スリーブ構成部材を3枚配置して接続することによって形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管路の補修用被覆体。
  4. 前記周方向に並べられたスリーブ構成部材の前記対向端部間を覆うように前記スリーブの外周面に沿って前記弾性シート部材との間に設けられる当板部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の既設管路の補修用被覆体。
  5. 前記弾性シート部材は、前記スリーブの外周上を被装する筒状のベース部と、該ベース部の両側の端縁部外周上に周方向に延在し、その頂部が既設管路の内周面に密着する環状の突条部と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の既設管路の補修用被覆体。
  6. 前記弾性シート部材は、前記ベース部と前記突条部との間を周方向に延在する中空部と、該中空部内に移動自在に封入された流動体と、を有する押圧力均一化手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の既設管路の補修用被覆体。
  7. 前記突条部は、該突条部の両側端部分よりも中央部分の方が径方向外方に向かって突出する、縦断面が略円弧形状の基礎部と、該基礎部の外周面に周方向に延在する複数本の環状突条を有することを特徴とする請求項6に記載の既設管路の補修用被覆体。
  8. 前記固定部材は、前記スリーブ構成部材の前記対向端部を挿入可能な間隔を有して互いに対向する2枚の平板部と、該平板部の間に設けられ、前記対向端部間に差し込まれ前記スリーブの拡径動作を行う楔部と、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の既設管路の補修用被覆体。
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