JP2009156465A - 変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置 - Google Patents

変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シフト動作力伝達部の撓みによる影響を排除しつつ、シフトギヤイン終了位置とセンサ検出値との対応付けを、実態に即した正確なものにする。
【解決手段】t1よりΔT1経過時t3までの間、シフト荷重指令をシフトギヤイン荷重まで増大させ、カップリングスリーブを1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる。この間シフト位置センサ検出値が図示のごとくに増大する。1速シフトギヤイン終了位置へのシフト動作時t2以降、それ以上のシフト動作が不能であるが、シフト動作力伝達部の撓みによりセンサ検出値はt2以降も当該撓み分だけ増大する。t3にシフト荷重指令を上記の撓みが0になるような低減荷重まで低下させる。これにより上記の撓みが解消されてセンサ検出値がt3以降低下し、t4に1速シフトギヤイン終了位置対応値となる。ΔT3経過時t5よりΔT4期間中、センサ検出値を複数回読み込み、その平均値を1速シフトギヤイン終了位置として記憶する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動マニュアルトランスミッション等の変速機に用いられている選択噛合機構のシフト位置を検出するのに有用な、変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置に関するものである。
マニュアルトランスミッションの自動変速化を実現して自動マニュアルトランスミッションとなすに際しては、例えば特許文献1に記載のごとく、変速段(ギヤ列)を複数の変速段(ギヤ列)グループ(通常は、奇数変速段グループと、偶数変速段グループの2変速段グループ)に別け、変速段グループごとにクラッチを設けて、個々にエンジンからの回転を入力し得るよう構成する。
自動変速に際しては、発進のため第1速の選択を希望する場合、両変速段グループのクラッチが解放されている状態で、第1速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作(プリシフト)させ、その後、第1速の変速段グループに係わるクラッチを締結することで第1速伝動ギヤ列の選択状態を得る。
また、上記第1速へのプリシフトと同時に、第2速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第2速選択位置(2速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作させる第2速へのプリシフトも済ませておく。
第1速から第2速へのアップシフトに際しては、第2速の変速段グループに係わるクラッチを締結させつつ、この締結が或る程度進行したところで第1速の変速段グループに係わるクラッチを解放させる、両クラッチの掛け替え制御により第1速から第2速への変速(伝動ギヤ列の切り替え)を行う。
この1→2変速後、第3速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第3速選択位置(3速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作させる第3速へのプリシフトを行う。
第2速から第3速へのアップシフトに際しては、第3速の変速段グループに係わるクラッチを締結させつつ、この締結が或る程度進行したところで第2速の変速段グループに係わるクラッチを解放させる、両クラッチの掛け替え制御により第2速から第3速への変速(伝動ギヤ列の切り替え)を行う。
この2→3変速後、第4速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第4速選択位置(4速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作させる第4速へのプリシフトを行う。
同様なクラッチの掛け替え制御およびプリシフトを行うことにより、第3速から第4速へのアップシフト、第4速から第5速へのアップシフト、第5速から第6速へのアップシフト(伝動ギヤ列の切り替え)を行うことができ、また、
第6速から順次第1速へダウンシフトさせるに際しても、アップシフトと逆のクラッチの掛け替え制御およびプリシフトを行うことにより、所定のダウンシフト(伝動ギヤ列の切り替え)を行うことができる。
かかるマニュアルトランスミッションの変速制御に当たっては、各同期噛合機構(選択噛合機構)のシフト位置を検出して当該変速制御に資する必要があり、
そのための同期噛合機構のシフト位置検出装置としては従来、特許文献1にも記載されている通り、シフト位置変化に連動する永久磁石と、その磁束を検出するセンサとから成る磁気結合型のシフト位置検出装置が知られている。
特開2007−040407号公報
しかし、何れの型式のシフト位置検出装置を用いるにしても、同期噛合機構のシフト位置変化を逐一検出して連続的に変化するセンサ検出値を出力するシフト位置センサからのセンサ検出値により同期噛合機構のシフト位置を検出する場合、
製品のバラツキや、構造上のガタや、取り付け位置の誤差などによりシフト位置検出精度の低下を免れない。
この問題を解消するためには、同期噛合機構を一旦シフトアクチュエータによりシフトギヤイン終了位置にシフト動作させ、同期噛合機構がシフトギヤイン終了位置である時のセンサ検出値をシフトギヤイン終了位置と見なし、
この関係をもとに、シフト位置ごとのセンサ検出値を求めて、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップを作る、所謂キャリブレーションを行い、このマップをもとにセンサ検出値からシフト位置を検出することが考えられる。
従って、同期噛合機構のシフトギヤイン終了位置と、同期噛合機構がこのシフトギヤイン終了位置である時のセンサ検出値との正確な対応付けが要求され、
この対応付けが不正確だと、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表した上記のマップも実態に対応せず、シフト位置の検出も不正確になる。
ところで、同期噛合機構を一旦シフトアクチュエータによりシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時、シフトアクチュエータおよび同期噛合機構間におけるシフト動作力伝達部が撓む。
このため、同期噛合機構がシフトギヤイン終了位置に達してそれ以上は変位し得ない間も、センサ検出値は上記シフト動作力伝達部の撓み量に相当する分だけ変化し続けることになる。
しかも、当該シフト動作力伝達部の撓み量は変速機ごとの個体差によって異なり、
このこととも相まって、同期噛合機構のシフトギヤイン終了位置と、同期噛合機構がこのシフトギヤイン終了位置である時のセンサ検出値との正確な対応付けがなされ得ず、
シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップも実態に対応しないこととなって、シフト位置の検出が不正確になるという問題を生ずる。
本発明は、選択噛合機構をシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト動作力伝達部の撓みによる影響を排除しつつ、選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置と、同期噛合機構がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値との、実態に即した正確な対応付けを行い得るシフト位置検出装置を提案し、もって上述の問題を解消することを目的とする。
この目的のため、本発明による変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置は、請求項1に記載したごとくに構成する。
先ず本発明の適用対象たる変速機は、
複数のギヤ列を具え、ギヤ列ごとの選択噛合機構を、対応するシフトアクチュエータでシフトギヤイン終了位置へシフト動作させることにより、上記ギヤ列の1つを伝動ギヤ列として選択可能な変速機である。
かかる変速機に用いる本発明のシフト位置検出装置は、
上記選択噛合機構のシフト位置変化を逐一検出して連続的に変化するセンサ検出値を出力するシフト位置センサからのセンサ検出値により、選択噛合機構のシフト位置を検出するものを前提とするが、
特に、以下の第1シフト荷重指令手段、第2シフト荷重指令手段、およびシフトギヤイン終了位置記憶手段の3手段を具備した構成に特徴づけられるものである。
第1シフト荷重指令手段は、前記シフトアクチュエータが前記選択噛合機構を第1シフト荷重でシフトギヤイン終了位置へシフト動作させるよう該シフトアクチュエータに指令するものである。
また第2シフト荷重指令手段は、第1シフト荷重指令手段からの指令に応答した選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置へシフト動作後に、シフトアクチュエータから選択噛合機構へのシフト荷重を、第1シフト荷重よりも小さな第2シフト荷重へと低下させるよう該シフトアクチュエータに指令するものである。
シフトギヤイン終了位置記憶手段は、第2シフト荷重の指令時における前記センサ検出値を選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するものである。
上記した本発明による変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置にあっては、
シフトアクチュエータにより選択噛合機構をシフトギヤイン終了位置へシフト動作させた時のセンサ検出値を、そのまま選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するのではなく、
当該シフトギヤイン終了位置への選択噛合機構のシフト動作後、シフトアクチュエータから選択噛合機構へのシフト荷重を、シフトギヤイン終了位置へのシフト動作用の第1シフト荷重から、これよりも小さな第2シフト荷重へと低下させ、かかる第2シフト荷重へのシフト荷重低下時におけるセンサ検出値を選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するため、
選択噛合機構をシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト動作力伝達部の撓みによる影響を排除、若しくは少なくとも緩和しつつ、選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置と、同期噛合機構がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値とを、一層実態に近づくよう対応付けることができる。
従って、選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶したセンサ検出値をもとに、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップを作る時、
このマップが上記の撓みによる影響を受けることなく、若しくはこの影響を少なくとも緩和され、一層実態に近い正確なものとなって、当該マップに基づきセンサ検出値から求めるシフト位置の検出が正確になるという作用効果を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるシフト位置検出装置を具えたツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションを、その変速制御システムとともに示す骨子図である。
図1におけるツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッション、および、変速制御システムは、特許文献1におけると同じもので、本明細書においてはこれらの詳細説明を省略するが、自動変速作用は概略以下のようなものである。
前発進のため中立状態から第1速を選択するに際しては、両変速段グループのクラッチCA,CBが解放されている状態で、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2をシフトアクチュエータ3により図示の中立位置から左行させて第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)へシフト動作(プリシフト)させることにより、第1速出力歯車4をカウンターシャフト5に結合させて第1速伝動ギヤ列を選択する。
この状態で、第1速の変速段グループに係わるクラッチCAを締結することで第1速伝動ギヤ列を実現し得る。
また、上記第1速へのプリシフトと同時に、第2速用同期噛合機構(選択噛合機構)6のカップリングスリーブ7をシフトアクチュエータ8により図示の中立位置から左行させて第2速選択位置(2速シフトギヤイン終了位置)へシフト動作させることにより、第2速出力歯車9をカウンターシャフト5に結合させて第2速伝動ギヤ列を選択する第2速へのプリシフトも済ませておく。
第1速から第2速へのアップシフトに際しては、第2速の変速段グループに係わるクラッチCBを締結させつつ、この締結が或る程度進行したところで第1速の変速段グループに係わるクラッチCAを解放させる、両クラッチの掛け替え制御により第1速から第2速への変速(伝動ギヤ列の切り替え)を行うことができる。
この1→2変速後、第3速用同期噛合機構(選択噛合機構)10のカップリングスリーブ21をシフトアクチュエータ12により図示の中立位置から左行させて第3速選択位置(3速シフトギヤイン終了位置)へシフト動作させることにより、第3速入力歯車13を対応する入力軸14に結合させて第3速伝動ギヤ列を選択する第3速へのプリシフトを行う。
第2速から第3速へのアップシフトに際しては、第3速の変速段グループに係わるクラッチCBを締結させつつ、この締結が或る程度進行したところで第2速の変速段グループに係わるクラッチCAを解放させる、両クラッチの掛け替え制御により第2速から第3速への変速(伝動ギヤ列の切り替え)を行う。
この2→3変速後、第4速用同期噛合機構(選択噛合機構)6のカップリングスリーブ7をシフトアクチュエータ8により第2速選択位置(2速シフトギヤイン終了位置)から図示の中立位置に戻した後、更にこの中立位置から右行させて第4速選択位置(4速シフトギヤイン終了位置)へシフト動作させることにより、第4速出力歯車15をカウンターシャフト5に結合させて第4速伝動ギヤ列を選択する第4速へのプリシフトを行う。
同様なクラッチCA、CBの掛け替え制御および順次のプリシフトを行うことにより、第3速から第4速へのアップシフト、第4速から第5速へのアップシフト、第5速から第6速へのアップシフト(伝動ギヤ列の切り替え選択)を行うことができ、また、
第6速から順次第1速へダウンシフトさせるに際しても、アップシフトと逆のクラッチCA,CBの掛け替え制御および順次のプリシフトを行うことにより、所定のダウンシフト(伝動ギヤ列の切り替え)を行うことができる。
後発進のため中立状態から後退変速段を選択するに際しては、両変速段グループのクラッチCA,CBが解放されている状態で、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2をシフトアクチュエータ3により図示の中立位置から右行させて後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)へシフト動作(プリシフト)させることにより、後退出力歯車16をカウンターシャフト5に結合させて後退伝動ギヤ列を選択する。
この状態で、後退変速段の変速段グループに係わるクラッチCAを締結することで後退伝動ギヤ列を実現し得る。
かかるマニュアルトランスミッションの自動変速制御に当たっては、各同期噛合機構(選択噛合機構)のシフト位置を検出して当該変速制御に資する必要があり、
同期噛合機構のシフト位置検出に当たっては、シフト位置変化に連動する永久磁石と、その磁束を検出するセンサとから成る磁気結合型のシフト位置センサ(図1では、1−Rシフト位置センサのみに17の符号を付して示した)を用いる。
上記の変速に際しシフトアクチュエータ3,8,12等の作動(同期噛合機構1,6,10等のシフト動作)は、コントローラ21がアクチュエータ油圧モジュール22を介して以下のごとく個々に制御する。
例えば前発進のため中立状態から第1速へのプリシフトを行うこととなった場合につき説明すると、
コントローラ21は、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を図1に示す中立位置から左行させて第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作(プリシフト)させる電子制御指令を発する。
この指令を受けてアクチュエータ油圧モジュール22はシフトアクチュエータ3に対し、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作(プリシフト)させる油圧を出力し、
シフトアクチュエータ3はこの油圧に応動して、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)へシフト動作させることにより、要求通りのプリシフトを行うことができる。
この間コントローラ21は、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1のシフト位置を連続的に検出するシフト位置センサ17のセンサ検出値を読み込み、
このセンサ検出値が、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1の第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)に対応した値になるとき、コントローラ21は、第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1が第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)に達してプリシフトが終了したとの判断により、シフトアクチュエータ3の上記作動油圧を零にする指令を発する。
この指令を受けてアクチュエータ油圧モジュール22はシフトアクチュエータ3の作動油圧を零にし、シフトアクチュエータ3が第1速用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を第1速選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)に押し付けるシフト力を零にしてプリシフト制御を終わらせる。
次に、後発進のため中立状態から後退変速段へのプリシフトを行う場合につき説明すると、
コントローラ21は、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を図1に示す中立位置から右行させて後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)にシフト動作(プリシフト)させる電子制御指令を発する。
この指令を受けてアクチュエータ油圧モジュール22はシフトアクチュエータ3に対し、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)にシフト動作(プリシフト)させる油圧を出力し、
シフトアクチュエータ3はこの油圧に応動して、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)へシフト動作させることにより、要求通りのプリシフトを行うことができる。
この間コントローラ21は、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1のシフト位置を連続的に検出するシフト位置センサ17のセンサ検出値を読み込み、
このセンサ検出値が、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1の後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)に対応した値になるとき、コントローラ21は、後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1が後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)に達してプリシフトが終了したとの判断により、シフトアクチュエータ3の上記作動油圧を零にする指令を発する。
この指令を受けてアクチュエータ油圧モジュール22はシフトアクチュエータ3の作動油圧を零にし、シフトアクチュエータ3が後退用同期噛合機構(選択噛合機構)1のカップリングスリーブ2を後退選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)に押し付けるシフト力を零にしてプリシフト制御を終わらせる。
ここで、上記したプリシフトを行うに当たってカップリングスリーブ2に加えるプリシフト荷重を説明する。
カップリングスリーブ2をプリシフト用にシフトギヤイン終了位置へシフト動作させるためのシフトアクチュエータ3のプリシフト荷重は、カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置へシフト動作可能な大きさに定める必要があること勿論であるが、
プリシフト荷重が不必要に大きいと、1-R同期噛合機構1の耐久性を低下させたり、シフトギヤイン時に不快な異音や振動を発生させる原因になることから、プリシフト荷重は必要最小限のシフト荷重であるのが好ましい。
かかる要求を満足させるために本実施例においては、プリシフト荷重を以下のように定めることとする。
つまり、プリシフト荷重の初期値を、常温においてプリシフトがぎりぎり可能な小さい例えば200Nとし、かかるプリシフト荷重の初期値により、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置へのシフト動作を試みる。
そして、当該シフト動作の指令瞬時から設定時間(例えば、応答遅れに余裕時間を加算した時間)が経過しても未だシフト位置センサ17のセンサ検出値がシフトギヤイン終了位置を示す値にならないとき、カップリングスリーブ2がシフトギヤイン終了位置へシフト動作し得なかったと判定し、以下のようなシフトリトライ制御を実行する。
シフトリトライ制御に際しては、カップリングスリーブ2を中立位置へ戻し、プリシフト荷重を上記の初期値から所定量(例えば100N)だけ増大させ、この第1回増大プリシフト荷重により再度、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置へのシフト動作を試みる。
これによっても当該シフト動作が不能であれば、再びカップリングスリーブ2を中立位置へ戻し、プリシフト荷重を上記の第1回増大プリシフト荷重から所定量(例えば100N)だけ増大させ、この第2回増大プリシフト荷重により再度、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置へのシフト動作を試みる。
上記の試みを、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置へのシフト動作が成功するまで、つまりシフト位置センサ17のセンサ検出値がシフトギヤイン終了位置を示す値になるまで繰り返す。
以上のシフトリトライ制御により、プリシフト荷重は、カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置へシフト動作させるのに必要な最小限の値となり、
プリシフト荷重が不必要に大きくて、1-R同期噛合機構1の耐久性を低下させたり、プリシフト時に不快な異音や振動を発生させるという問題を回避することができる。
ちなみに、必要最小限のプリシフト荷重は、変速機作動油温が低いほど大きくなる。
その理由は、変速機作動油が低温であるほど高粘度となって、予定通りのシフト荷重を発生させることができなくなったり、シフトギヤイン時における歯車の相対回転に大きな回転抵抗を生じさせて要求シフト荷重が大きくなり、結果として上記シフトリトライの回数が多くなるためである。
以下、本発明に係わるシフト位置検出装置を、1−R用同期噛合機構(選択噛合機構)1のためのシフト位置検出装置につき、図2を併せ参照しつつ説明する。
1−R用同期噛合機構(選択噛合機構)1は図1,2に示すように、軸線Oの周りで回転するカウンターシャフト5に回転係合されているが、軸線方向へシフト動作可能なカップリングスリーブ2を具える。
カップリングスリーブ2は、カウンターシャフト5上に回転自在に設けた1速出力歯車4および後退出力歯車16間に配置し(図2では、これら歯車4,16を便宜上、図1と左右逆位置で示した)、これら1速出力歯車4および後退出力歯車16の対向側面にそれぞれクラッチギヤ4aa,16aを設ける。
1−R用同期噛合機構(選択噛合機構)1は、カップリングスリーブ2を図2の中立位置から右行させてクラッチギヤ4aaに噛合させるシフト動作時に、1速出力歯車4をカウンターシャフト5に駆動結合することで1速ギヤ列を伝動ギヤ列として選択するよう機能し、また、カップリングスリーブ2を図2の中立位置から左行させてクラッチギヤ16aに噛合させるシフト動作時に、後退出力歯車16をカウンターシャフト5に駆動結合することで後退ギヤ列を伝動ギヤ列として選択するよう機能する。
カップリングスリーブ2のシフト動作は、カップリングスリーブ2の外周条溝に係合してカップリングスリーブ2を軸線方向へストローク可能なシフトフォーク18(図1では便宜上、カップリングスリーブ2から切り離して示した)を介しシフトアクチュエータ3により行わせる。
このためシフトフォーク18は、変速機ケースにシフト動作方向へ延在させて横架したシフトロッド19上に摺動自在に嵌合し、シフトアクチュエータ3はそのアクチュエータロッド3aを、シフトフォーク18から径方向外方へ延在するよう突設したシフタ18aに連結する。
シフトアクチュエータ3は、ピストン・シリンダ型の往復動式アクチュエータとし、変速機ケースに固設した基板20にアクチュエータ本体3bを結合して取着する。
かくしてシフトアクチュエータ3は、アクチュエータロッド3aの図2に矢印で示す往復動によりシフタ18aおよびシフトフォーク18を介してカップリングスリーブ2を対応する軸線方向へシフト動作させ、カップリングスリーブ2をクラッチギヤ4aと噛合した1速ギヤ列選択位置(1速シフトギヤイン終了位置)またはクラッチギヤ16aと噛合した後退ギヤ列選択位置(後退シフトギヤイン終了位置)にすることができる。
自動マニュアルトランスミッションの1速プリシフトおよび後退プリシフトに不可欠なカップリングスリーブ2のシフト位置検出のために、このカップリングスリーブ2と共に変位するシフタ18aに永久磁石17aを取着し、該永久磁石17aの変位(従ってカップリングスリーブ2のシフト位置変化)を磁気的に検出して電圧信号に変換する磁気ピックアップ17bを基板20に固設し、これら永久磁石17aおよび磁気ピックアップ17bにより前記シフト位置センサ17を構成する。
磁気ピックアップ17b(シフト位置センサ17)は、永久磁石17aの変位(カップリングスリーブ2のシフト位置変化)を逐一磁気的に検出して、カップリングスリーブ2のシフト位置に応じて連続的に変化するセンサ検出値(電圧値)を出力するものとする。
カップリングスリーブ2のシフト位置と、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)とは比例関係にあり、従って、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)からカップリングスリーブ2のシフト位置を判定することができる。
しかし、カップリングスリーブ2のシフト位置変化に応じ連続的に変化するシフト位置センサ17からのセンサ検出値に基づいてカップリングスリーブ2のシフト位置を検出する場合、製品のバラツキや、構造上のガタや、取り付け位置の誤差などによる影響を受けてシフト位置検出精度が低下する。
この問題を解消するために図1のコントローラ21は、以下のようにしてカップリングスリーブ2のシフト位置を検出することが考えられる。
つまり、コントローラ21はカップリングスリーブ2を一旦シフトアクチュエータ3により、図2の右方向限界位置、つまり、カップリングスリーブ2が例えばクラッチギヤ4aの歯底に衝接するなどしてそれ以上は変位し得なくなった時の位置(1速シフトギヤイン終了位置)にシフト動作させ、カップリングスリーブ2が1速シフトギヤイン終了位置である時におけるシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)を1速シフトギヤイン終了位置と見なす。
またコントローラ21は、カップリングスリーブ2をシフトアクチュエータ3により、逆方向限界位置(図2の左方向限界位置)、つまり、カップリングスリーブ2が例えばクラッチギヤ16aの歯底に衝接するなどしてそれ以上は変位し得なくなった時の位置(後退シフトギヤイン終了位置)にシフト動作させ、カップリングスリーブ2が後退シフトギヤイン終了位置である時におけるシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)を後退シフトギヤイン終了位置と見なす。
これらの関係からコントローラ21は、両限界位置間におけるシフト位置とセンサ検出値との相関関係をマップ化するキャリブレーションを行い、このマップをもとにシフト位置センサ17のセンサ検出値からシフト位置を検出することが考えられる。
図3に基づき付言するに、同図は、縦軸にカップリングスリーブ2のシフト位置を目盛り、また、横軸にシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)を目盛り、これらの二次元座標上にカップリングスリーブ2のシフト位置と、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)との相関関係を図示化したものである。
カップリングスリーブ2が図2に示す中立位置から右方向へ1速シフトギヤイン終了位置までシフト動作する間、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は矢α1で示すように最大値Vmaxまで直線的に増大し、
逆にカップリングスリーブ2が1速シフトギヤイン終了位置から図2に示す中立位置へ戻る1速シフトギヤアウト中、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は矢α2で示すように所定のヒステリシス(図3では、判りやすくなるよう誇張して示した)をもって直線的に低下する。
カップリングスリーブ2が図2に示す中立位置から左方向へ後退シフトギヤイン終了位置までシフト動作する間、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は矢β1で示すように最小値Vminまで直線的に低下し、
逆にカップリングスリーブ2が後退シフトギヤイン終了位置から図2に示す中立位置へ戻る後退シフトギヤアウト中、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は矢β2で示すように所定のヒステリシス(図3では、判りやすくなるよう誇張して示した)をもって直線的に増大する。
1速シフトギヤイン終了位置とシフト位置センサ検出値(電圧値)との関係、および、後退シフトギヤイン終了位置とシフト位置センサ検出値(電圧値)との関係から図3に例示するごとくに求め得る、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップがあれば、
上記したヒステリシス分の誤差は避けられないものの、これをもとにシフト位置センサ検出値(電圧値)から現在のシフト位置を逐一検出して、自動マニュアルトランスミッションの変速制御に資することができる。
而してそのためには、カップリングスリーブ2の両シフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこれらシフトギヤイン終了位置である時のセンサ検出値との正確な対応付けが必要であり、
この対応付けが不正確だと、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表した上記のマップも実態に対応せず、シフト位置の検出も不正確になる。
ところで、カップリングスリーブ2を一旦シフトアクチュエータ3によりシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時、シフトアクチュエータ3(詳しくは、そのアクチュエータロッド3a)およびカップリングスリーブ2間におけるシフト動作力伝達部18,18aが撓み、カップリングスリーブ2がシフトギヤイン終了位置に達してそれ以上は変位し得ない間も、シフト位置センサ17のセンサ検出値が上記シフト動作力伝達部18,18aの撓み量に相当する分だけ変化し続ける。
つまり、カップリングスリーブ2がシフトアクチュエータ3により1速シフトギヤイン終了位置にシフト動作し終えているのに、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)が図3の1速シフトギヤイン終了位置対応値Vmaxよりも上記シフト動作力伝達部18,18aの撓み量に相当する分だけ更に大きくなり、
カップリングスリーブ2がシフトアクチュエータ3により後退シフトギヤイン終了位置にシフト動作し終えているのに、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)が図3の後退シフトギヤイン終了位置対応値Vminよりも上記シフト動作力伝達部18,18aの撓み量に相当する分だけ更に小さくなる。
しかも、当該シフト動作力伝達部18,18aの撓み量は変速機ごとの個体差によって異なり、このこととも相まって、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置である時のセンサ検出値との正確な対応付けがなされ得ず、
シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップも実態に対応しないこととなって、シフト位置の検出が不正確になるという問題を生ずる。
そこで本実施例においては、カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト動作力伝達部18,18aの撓みによる影響を緩和、若しくは排除しつつ、
カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時におけるシフト位置センサ17のセンサ検出値との対応付けを、一層実態に即した正確なものにするため、当該対応付けをコントローラ21が以下のように行うようになす。
なお以下では、カップリングスリーブ2の1速シフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2を1速シフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト位置センサ検出値との対応付けのみについて説明し、
後退シフトギヤイン終了位置とセンサ出力値との対応付けについては、同様であるためその説明を省略することとする。
つまりコントローラ21は図4に示すごとく、瞬時t1より1速シフトギヤイン期間ΔT1が経過する瞬時t3までの間、シフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令を図示のように、本発明の第1シフト荷重であるシフトギヤイン荷重まで増大させた後、このシフトギヤイン荷重に保持する。
ここで1速シフトギヤイン期間ΔT1は、カップリングスリーブ2を中立位置から1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させるのに必要な十分な時間とし、また、シフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)は、カップリングスリーブ2を中立位置から確実に1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させるのに必要な余裕のある十分大きな荷重値とする。
これによりシフトアクチュエータ3は、カップリングスリーブ2を中立位置から1速シフトギヤイン終了位置へとシフト動作させ、これに伴ってシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)が図示のごとくに増大する。
カップリングスリーブ2を1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させ終えた瞬時t2以降、カップリングスリーブ2はそれ以上の変位が不能で当該1速シフトギヤイン終了位置に止まるが、前記したシフト動作力伝達部18,18aの撓みによりシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は瞬時t2以降も図示のごとく当該撓み分だけ更に増大する。
1速シフトギヤイン期間ΔT1が経過する瞬時t3に、シフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令を図示のようにシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)から、上記シフト動作力伝達部18,18aの撓みがシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)に影響しなくなるほど小さくなるような(シフト動作力伝達部18,18aの撓みがほぼ0になるような)低減荷重(本発明における第2シフト荷重)までステップ状に低下させ、以後この低減荷重に保つ。
かかるシフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令の低下により、シフトアクチュエータ3がシフトフォーク18の押し力を低下する結果、上記シフト動作力伝達部18,18aの撓みが解消されてシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は瞬時t3以降、所定の応答遅れΔT2をもって図示のごとくに低下し、当該応答遅れΔT2の経過瞬時t4に1速シフトギヤイン終了位置対応値となる。
なお上記では、低減荷重(第2シフト荷重)を、上記シフト動作力伝達部18,18aの撓みがシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)に影響しなくなる(シフト動作力伝達部18,18aの撓みがほぼ0になる)シフト荷重としたが、
低減荷重(第2シフト荷重)は、シフト動作力伝達部18,18aの撓みがほぼ0にならないまでも、この撓みが小さくなるようなシフト荷重であっても、前記した問題を緩和することができる。
また、瞬時t3にシフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令をシフトギヤイン荷重から低下させるに際しては、図示のごとくステップ状に低下させるのではなく、応答遅れよりもゆっくりとした速度で徐々に低下させ、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)が低下しなくなった時におけるシフトアクチュエータ3のシフト荷重指令値を上記第2シフト荷重としての低減荷重(シフト動作力伝達部18,18aの撓みがほぼ0になるシフト荷重)とすることもできる。
この場合は、当該低減荷重(第2シフト荷重)を予め求めておく必要がない点で有利である。
シフト荷重指令低下瞬時t3から、上記の応答遅れΔT2よりも長く設定したシフト荷重低下待ち時間ΔT3が経過する瞬時t5より、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)を読み込み始め、この読み込みを、瞬時t5から所定のセンサ検出値平滑期間ΔT4が経過する瞬時t6まで継続する。
そして、瞬時t5からセンサ検出値平滑期間ΔT4中において読み込み続けたシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)の平均値を、カップリングスリーブ2の1速シフトギヤイン終了位置として記憶し、前記マップの作成に資する。
以上説明したところから明らかなように、コントローラ21(図1参照)は本発明における第1シフト荷重指令手段、第2シフト荷重指令手段、およびシフトギヤイン終了位置記憶手段を構成する。
上記した本実施例によるシフトギヤイン終了位置と、シフト位置センサ出力値との対応付け技術によれば、
カップリングスリーブ2をシフトアクチュエータ3によりシフトギヤイン終了位置へシフト動作させた時のセンサ検出値をそのままカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するのではなく、
当該シフトギヤイン終了位置へのカップリングスリーブ2のシフト動作後、シフトアクチュエータ3からカップリングスリーブ2へのシフト荷重を、シフトギヤイン終了位置へのシフト動作用のシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)から、これよりも小さな低減荷重(第2シフト荷重)へと低下させ、かかるシフト荷重低下時のセンサ検出値をカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するため、
カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト動作力伝達部18,18aの撓みによる影響を緩和しつつ、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のシフト位置センサ検出値とを、一層実態に近づくよう対応付けることができる。
従って、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶したセンサ検出値をもとに、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップを作る時、
このマップが上記の撓みによる影響を緩和され、一層実態に近い正確なものとなって、当該マップに基づきセンサ検出値から求めるシフト位置の検出が正確になるという作用効果を達成することができる。
なお、特に上記の低減荷重(第2シフト荷重)を、上記シフト動作力伝達部18,18aの撓みがほぼ0になる小さな値にすれば、
カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト動作力伝達部18,18aの撓みによる影響を排除しつつ、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のシフト位置センサ検出値とを、実態に全く符合するよう対応付けることができる。
また、シフトアクチュエータ3をシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)状態から低減荷重(第2シフト荷重)状態へと荷重低下させる指令を発した瞬時t3から、シフトアクチュエータ3の応答遅れΔT2よりも長い時間に定めた設定時間(シフト荷重低下待ち時間ΔT3)の経過後(瞬時t5以後)におけるセンサ検出値をカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するため、
前記の撓みが未だ残っているΔT2中のセンサ検出値を、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として誤学習することがなく、
カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値とを、実態に即して正確に対応付けることができるという前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
更に、シフトアクチュエータ3を前記した低減荷重(第2シフト荷重)状態にしている間の所定期間ΔT4中にシフト位置センサ17の検出値を複数回読み込み、これら複数のセンサ検出値の平均値をカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するため、
シフト位置センサ17の検出値が電気的な変動を生じていても、これを吸収して、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値とを、実態に即して正確に対応付けることができるという前記の作用効果を確実に奏することができる。
ところで上記実施例においては、図3につき前述したヒステリシスによる影響を受け、極僅かではあるが、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値との対応付けが当該ヒステリシス分だけ実態とずれるのを避けられない。
かかるヒステリシスによる僅かなずれさえも排除する必要がある場合、図1のコントローラ21は上記の対応付けを、図5に示すような態様で行うこととする。
図5において瞬時t1〜t3中(1速シフトギヤイン期間ΔT1中)は、図4の瞬時t1〜t3中におけると同様、シフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令を図示のようにシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)まで増大させた後このシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)に保持する。
これによりシフトアクチュエータ3は、カップリングスリーブ2を中立位置から1速シフトギヤイン終了位置へとシフト動作させ、これに伴ってシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)が図示のごとくに増大する。
カップリングスリーブ2を1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させ終えた瞬時t2以降、カップリングスリーブ2はそれ以上の変位が不能で当該1速シフトギヤイン終了位置に止まるが、前記したシフト動作力伝達部18,18aの撓みによりシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は瞬時t2以降も図示のごとく当該撓み分だけ更に増大する。
1速シフトギヤイン期間ΔT1が経過する瞬時t3に、シフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令を図示のようにシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)から、前記低減荷重(第2シフト荷重)よりも更に低い極低減荷重(図示例ではゼロ荷重)までステップ状に低下させ、以後この極低減荷重に保つ。
かかるシフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令の極低減荷重(ゼロ荷重)への低下により、シフトアクチュエータ3がシフトフォーク18の押し力をほぼゼロまで低下する結果、前記シフト動作力伝達部18,18aの撓みが解消されるのはもとより、
カップリングスリーブ2がガタ分だけ更に中立位置方向へ変位して、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は瞬時t3以降、所定の応答遅れΔT5をもって図示のごとくに低下し、
当該応答遅れΔT5の経過瞬時t4に、1速シフトギヤイン終了位置対応値から上記のガタ分を差し引いた値となる。
シフト荷重指令ゼロ低下瞬時t3から、上記の応答遅れΔT5よりも長く設定したシフト荷重ゼロ低下待ち時間ΔT6が経過する瞬時t5に、シフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令を図示のように極低減荷重(ゼロ荷重)から、前記した第2シフト荷重である低減荷重(前記シフト動作力伝達部18,18aの撓みをほぼ0にするための荷重)までステップ状に増大させ、以後この低減荷重に保つ。
かかるシフトアクチュエータ3へのシフト荷重指令の増大により、シフトアクチュエータ3がシフトフォーク18の押し力を増大して、カップリングスリーブ2を上記のガタ分だけ1速シフトギヤイン方向へシフト動作させる。
ところで、当該シフト荷重指令の増大が前記した第2シフト荷重である低減荷重(前記シフト動作力伝達部18,18aの撓みをほぼ0にするための荷重)への増大であるため、
カップリングスリーブ2はシフト動作力伝達部18,18aの撓みを殆ど生ずることのない荷重で1速シフトギヤイン終了位置にシフト動作されることとなる。
従って、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)は瞬時t5以降、所定の応答遅れΔT7をもって図示のごとくに増大し、当該応答遅れΔT7の経過瞬時t6に1速シフトギヤイン終了位置対応値となる。
シフト荷重指令増大瞬時t5から、上記の応答遅れΔT7よりも長く設定したシフト荷重増大待ち時間ΔT8が経過する瞬時t7より、シフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)を読み込み始め、この読み込みを、瞬時t7から所定のセンサ検出値平滑期間ΔT4が経過する瞬時t8まで継続する。
そして、瞬時t7からセンサ検出値平滑期間ΔT4中において読み込み続けたシフト位置センサ17のセンサ検出値(電圧値)の平均値を、カップリングスリーブ2の1速シフトギヤイン終了位置として記憶し、前記マップの作成に資する。
上記した本実施例によるシフトギヤイン終了位置とセンサ出力値との対応付け技術においても、
カップリングスリーブ2をシフトアクチュエータ3によりシフトギヤイン終了位置へシフト動作させた時のセンサ検出値をそのままカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するのではなく、
当該シフトギヤイン終了位置へのカップリングスリーブ2のシフト動作後、シフトアクチュエータ3を、該シフト動作のためのシフトギヤイン荷重状態(第1シフト荷重)から、シフトアクチュエータ3およびカップリングスリーブ2間におけるシフト動作力伝達部18,18aの撓みがセンサ検出値に影響しなくなるほど小さくなるような低減荷重状態(第2シフト荷重)へと荷重低下させた時のセンサ検出値をカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するため、
カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置にシフト動作させた時におけるシフト動作力伝達部18,18aの撓みによる影響を排除しつつ、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値とを、実態に即して正確に対応付けることができる。
従って、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶したセンサ検出値をもとに、シフト位置とセンサ検出値との相関関係を表したマップを作る時、このマップが上記の撓みによる影響を受けることなく実態に即した正確なものとなって、
当該マップに基づきセンサ検出値から求めるシフト位置の検出が正確になるという作用効果を達成することができる。
しかも本実施例によれば、シフトギヤイン終了位置へのカップリングスリーブ2のシフト動作後、シフトアクチュエータ3を、該シフト動作のためのシフトギヤイン荷重状態(第1シフト荷重)から低減荷重状態(第2シフト荷重)へと荷重低下させるのに先だって、シフトアクチュエータ3を一旦、低減荷重状態(第2シフト荷重状態)よりも更に低い極低荷重状態(図示例ではゼロ荷重状態)とした後に低減荷重状態(第2シフト荷重状態)となすため、
図3につき前述したヒステリシスによる僅かな影響さえ、これを排除しつつ、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値との対応付けを更に正確なものにし得て、上記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
更に本実施例によれば、シフトアクチュエータ3を極低荷重状態(荷重ゼロ状態)から低減荷重状態(第2シフト荷重状態)へと荷重増大させる指令を発した時t5から、シフトアクチュエータ3の応答遅れΔT7よりも長目に定めた所定時間ΔT8の経過後(瞬時t8以後)におけるセンサ検出値をカップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として記憶するため、
カップリングスリーブ2が前記ガタ分を詰め切らないΔT7中のセンサ検出値を、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置として誤学習することがない。
従って、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこのシフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値とを、実態に即して正確に対応付けることができるという前記の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
図2に示す1−R同期噛合機構1において、カップリングスリーブ2の1速シフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこの1速シフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値との対応付けを行うと共に、
カップリングスリーブ2の後退シフトギヤイン終了位置と、カップリングスリーブ2がこの後退シフトギヤイン終了位置にある時のセンサ検出値との対応付けを行うに当たって、図1のコントローラ21は図6に示すように当該対応付けを行うようにするのがよい。
つまり、シフトアクチュエータ3により、カップリングスリーブ2を1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる1速方向シフト動作と、後退シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる後退方向シフト動作とを、一定周期ΔT9で交互に繰り返し行わせ、
これらシフト動作の度に前記実施例のようにして、センサ検出値平滑期間ΔT4中におけるシフト位置センサ17の検出値の平均値、つまり、1速シフトギヤイン終了位置用のセンサ検出値の平均値Vmax1,Vmax2,Vmax3、および、後退シフトギヤイン終了位置用のセンサ検出値の平均値Vmin1,Vmin2,Vmin3を取得する。
そして、平均値Vmax1,Vmax2,Vmax3のうち最大値が最も実態に即した値であるから、平均値Vmax1,Vmax2,Vmax3のうち最大のものを、カップリングスリーブ2の1速シフトギヤイン終了位置として記憶し、
また、平均値Vmin1,Vmin2,Vmin3のうち最小値が最も実態に即した値であるから、平均値Vmin1,Vmin2,Vmin3のうち最小のものを、カップリングスリーブ2の後退シフトギヤイン終了位置として記憶する。
かようにすれば、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置とセンサ検出値との対応付けが更に正確になるほか、以下の作用効果をも奏し得られる。
つまり、前記した対応付けは、非走行レンジの選択によりクラッチCA,CBを共に解放させた停車状態(変速機出力軸固定状態)で行われるため、カップリングスリーブ2が1回目のシフト動作時にクラッチギヤ4a,16aの山に衝突して1速シフトギヤイン終了位置や後退シフトギヤイン終了位置に到達し得ないことがある。
しかし、カップリングスリーブ2を1速シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる1速方向シフト動作と、後退シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる後退方向シフト動作とを交互に繰り返し行わせることから、
カップリングスリーブ2が1回目のシフト動作時にクラッチギヤ4aまたは16aの山に衝突して1速シフトギヤイン終了位置または後退シフトギヤイン終了位置に到達し得なくても、カップリングスリーブ2が反対側へのシフト動作で後退シフトギヤイン終了位置または1速シフトギヤイン終了位置になるとき、次回はカップリングスリーブ2が1速シフトギヤイン終了位置または後退シフトギヤイン終了位置に到達し得るような状態となり、前記の対応付けが不能になる事態を回避することができる。
ところで上記した何れの実施例を採用するにしても、カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、センサ検出値との対応付けのために行うシフトギヤイン終了位置の記憶は、以下のような頻度で行うのが良い。
つまり、車両の出荷後であれば、所定インタバル後のイグニッションスイッチ投入時ごとに、シフトギヤイン終了位置を記憶し直すのが良い。
ここで所定インタバルとは、所定期間ごとや、所定走行距離ごとや、所定のイグニッションスイッチ投入回数ごとを意味する。
かようにすれば、車両出荷後におけるシフトギヤイン終了位置と、センサ検出値との対応付けの、経時劣化などによるずれを定期的に、しかも修理工場へ車両を持ち込むことなく自動的に補正することができ、常時プリシフトの制御精度を高く保っておくことができる。
しかし、上記した車両出荷後におけるシフトギヤイン終了位置の記憶は、非走行レンジが選択されていてクラッチCA,CBを共に解放されている停車状態である間に自動的に行われるため、運転者に当該記憶処理中であることを警報する必要がある。
その理由は、シフトギヤイン終了位置の記憶処理中に運転者がこのことを知らないで非走行レンジから走行レンジへセレクト操作すると、これに呼応して発進用のクラッチCAが締結される結果、当該記憶処理中に同期噛合機構がシフトギヤイン終了位置にされていることと相まって、車両が意図しない走行を開始するためである。
そこで図1に示すように、インジケータなどの警報手段23を設ける。
そしてコントローラ21はシフトギヤイン終了位置を記憶している間、シフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)を指令している間、および低減荷重(第2シフト荷重)を指令している間、この警報手段23を作動させて、シフトギヤイン終了位置の記憶処理中であることを警報する。
運転者は、警報手段23の作動によって、シフトギヤイン終了位置の記憶処理中であることを認識し、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作を行ってはいけないことを認知し得る。
なお、かかる警報にもかかわらず運転者が誤って非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作を行った場合でも、上記の問題を生ずることのないようにするため、
図1に示すように更に、既存のシフトロック機構などを用いたセレクト禁止手段24を設けるのが良い。
コントローラ21はシフトギヤイン終了位置を記憶している間、シフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)を指令している間、および低減荷重(第2シフト荷重)を指令している間、このセレクト禁止手段24を作動させて、
シフトギヤイン終了位置の記憶処理中は、運転者が非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作を行っても、非走行レンジから走行レンジへの切り替えが行われ得ないようにし、このレンジ切り替えにより車両が意図しない走行を開始することのないようにする。
カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、センサ検出値との対応付けのために行うシフトギヤイン終了位置の記憶は、車両の出荷前にも変速段ごとに行うようにする。
かかる車両出荷前におけるシフトギヤイン終了位置の記憶によれば、車両出荷後におけるプリシフトを保証することができる。
カップリングスリーブ2のシフトギヤイン終了位置と、センサ検出値との対応付けのために行うシフトギヤイン終了位置の記憶は、車両出荷後の定期点検などのための入庫時にも変速段ごとに行うようにする。
かかる入庫時におけるシフトギヤイン終了位置の記憶によれば、車両出荷後におけるシフトギヤイン終了位置と、センサ検出値との対応付けの、経時劣化などによるずれを、入庫時修理工場へ車両を持ち込むことで自動的に補正することができ、常時プリシフトの制御精度を高く保っておくことができる。
なお、カップリングスリーブ2をシフトギヤイン終了位置へシフト動作させるためのシフトアクチュエータ3のシフトギヤイン荷重(第1シフト荷重)は、カップリングスリーブ2を極低温下など如何なる条件下でも確実にシフトギヤイン終了位置へシフト動作可能な大きさに定める必要があり、
前記したシフトリトライにより定めたプリシフト荷重よりも大幅に大きな荷重値とし、例えば発生可能な上限値(例えば1000N)に定める。
本発明の一実施例になるシフト位置検出装置を具えたツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションを、その変速制御システムとともに示す骨子図である。 図1に示した自動マニュアルトランスミッションの1−R同期噛合機構を、そのシフト位置センサと共に示す概略側面図である。 図1,2に示すシフト位置センサのセンサ出力値と、カップリングスリーブのシフト位置との関係を示す特性線図である。 図1に示す自動マニュアルトランスミッションのコントローラが行う、シフトギヤイン終了位置とセンサ検出値との対応付け要領を示す動作タイムチャートである。 本発明の他の実施例による、シフトギヤイン終了位置とセンサ検出値との対応付け要領を示す、図4と同様な動作タイムチャートである。 本発明の更に他の実施例による、シフトギヤイン終了位置とセンサ検出値との対応付け要領を示す、図4と同様な動作タイムチャートである。
符号の説明
CA 奇数変速段クラッチ
CB 偶数変速段クラッチ
1 1−R同期噛合機構(選択噛合機構)
2 1−Rカップリングスリーブ
3 1−Rシフトアクチュエータ
4 第1速出力歯車
4a クラッチギヤ
5 カウンターシャフト
6 2−4同期噛合機構(選択噛合機構)
7 2−4カップリングスリーブ
8 2−4シフトアクチュエータ
9 第2速出力歯車
10 3−5同期噛合機構(選択噛合機構)
11 3−5カップリングスリーブ
12 3−5シフトアクチュエータ
13 第3速入力歯車
14 奇数変速段入力軸
15 第4速出力歯車
16 後退出力歯車
16a クラッチギヤ
17 1−Rシフト位置センサ
17a 永久磁石
17b 磁気ピックアップ
18 1−Rシフトフォーク
18aシフタ
19 シフトロッド
21 コントローラ(第1シフト荷重指令手段、第2シフト荷重指令手段、
シフトギヤイン終了位置記憶手段)
22 アクチュエータ油圧モジュール
23 警報手段
24 セレクト禁止手段

Claims (10)

  1. 複数のギヤ列を具え、ギヤ列ごとの選択噛合機構を、対応するシフトアクチュエータでシフトギヤイン終了位置へシフト動作させることにより、前記ギヤ列の1つを伝動ギヤ列として選択可能な変速機に用いられ、
    前記選択噛合機構のシフト位置変化を逐一検出して連続的に変化するセンサ検出値を出力するシフト位置センサからのセンサ検出値により、前記選択噛合機構のシフト位置を検出するようにした装置において、
    前記シフトアクチュエータが前記選択噛合機構を第1シフト荷重でシフトギヤイン終了位置へシフト動作させるよう該シフトアクチュエータに指令する第1シフト荷重指令手段と、
    該シフトギヤイン終了位置へのシフト動作後に、前記シフトアクチュエータから前記選択噛合機構へのシフト荷重を、前記第1シフト荷重よりも小さな第2シフト荷重へと低下させるよう該シフトアクチュエータに指令する第2シフト荷重指令手段と、
    前記第2シフト荷重指令時の前記センサ検出値を前記選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するシフトギヤイン終了位置記憶手段とを具備してなることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記第2シフト荷重指令手段は、前記シフトアクチュエータおよび選択噛合機構間の撓みが前記センサ検出値に影響しなくなるほど小さくなるようなシフト荷重を前記第2シフト荷重とするものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段は、所定インタバル後のイグニッションスイッチ投入時ごとに前記シフトギヤイン終了位置を記憶し直すものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  4. 請求項3に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段が前記シフトギヤイン終了位置を記憶している最中である間、前記第1シフト荷重指令手段が作動中である間、および前記第2シフト荷重指令手段が作動中である間、これら手段が作動中であることを警報する警報手段を設けたことを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  5. 変速機が、入力回転を遮断される非走行レンジと、入力回転を伝達される走行レンジとを手動選択可能であり、
    非走行レンジにおいて、前記選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置へのシフト動作、前記シフト荷重の低下、および、シフトギヤイン終了位置の記憶を行うようにした請求項3または4に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段が前記シフトギヤイン終了位置を記憶している最中である間、前記第1シフト荷重指令手段が作動中である間、および前記第2シフト荷重指令手段が作動中である間、前記非走行レンジから前記走行レンジへの手動切り替えを禁止するセレクト禁止手段を設けたことを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段は、前記第2シフト荷重指令手段が前記第2シフト荷重へのシフト荷重の低下を前記シフトアクチュエータに指令した時から、該シフトアクチュエータの応答遅れに応じて定めた設定時間の経過後における前記センサ検出値を前記選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記第2シフト荷重指令手段は、前記シフトギヤイン終了位置へのシフト動作後に、前記シフトアクチュエータから前記選択噛合機構へのシフト荷重を一旦、前記第2シフト荷重よりも更に極低減シフト荷重へと低下させるよう該シフトアクチュエータに指令した後に、前記第2シフト荷重へと増大させるよう該シフトアクチュエータに指令するものであり、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段は、シフト荷重が該第2シフト荷重へ増大した時の前記センサ検出値を前記選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  8. 請求項7に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段は、前記第2シフト荷重指令手段が前記極低減シフト荷重から前記第2シフト荷重への増大を前記シフトアクチュエータに指令した時から、該シフトアクチュエータの応答遅れに応じて定めた所定時間の経過後における前記センサ検出値を前記選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段は、前記シフトアクチュエータが前記第2シフト荷重で前記シフトギヤイン終了位置にされている間に前記センサ検出値を複数回読み込み、これら複数のセンサ検出値の平均値を選択噛合機構のシフトギヤイン終了位置として記憶するものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
  10. 前記選択噛合機構が一方向シフトギヤイン終了位置へのシフト動作で或るギヤ列を伝動ギヤ列として選択し、反対方向シフトギヤイン終了位置へのシフト動作で他のギヤ列を伝動ギヤ列として選択するものであり、
    前記シフト位置センサが、前記一方向シフト時にセンサ検出値を増大され、前記反対方向シフト時にセンサ検出値を低下されるものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置において、
    前記シフトギヤイン終了位置記憶手段は、前記シフトアクチュエータが前記第1シフト荷重指令手段および第2シフト荷重指令手段からの指令に応答し、前記選択噛合機構を一方向シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる一方向シフト動作と、反対方向シフトギヤイン終了位置へシフト動作させる反対方向シフト動作とを交互に繰り返し行わせて得られた、一方向シフトギヤイン終了位置用センサ検出値の最大値を一方向シフトギヤイン終了位置として記憶すると共に、反対方向シフトギヤイン終了位置用センサ検出値の最小値を反対方向シフトギヤイン終了位置として記憶するものであることを特徴とする変速機用選択噛合機構のシフト位置検出装置。
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