JP2009156034A - 内燃機関の燃料噴射制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、燃料が複数回に分割されて噴射される圧縮着火式内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、過渡運転時の燃焼騒音の大きさを可能な限り許容範囲に収めることを課題とする。
【解決手段】本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御システムは、実筒内酸素濃度roxcの下で発生し得る燃焼騒音の大きさ(実燃焼騒音予測値)cntempを予測するとともに目標酸素濃度の下で発生し得る燃焼騒音の大きさ(目標燃焼騒音)cntrgを予測し、それらの差が許容値を超える場合には、実筒内酸素濃度roxc下における燃料噴射パラメータと燃焼騒音の大きさとの相関関係を特定し、その相関関係に基づいて燃料噴射パラメータを補正するようにした。
【選択図】図9

Description

本発明は、圧縮着火式内燃機関の燃料噴射制御システムに関する。
従来、圧縮着火式の内燃機関の燃料噴射方法として、メイン噴射に先駆けてパイロット噴射を行う技術が知られている。このような燃料噴射方法において、筒内の酸素濃度が減少するほど、メイン噴射時期の進角、パイロット噴射量の増量、或いは噴射圧の増大のうち少なくとも1つを行う技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−129890号公報 特開2001−090595号公報 特開2001−159360号公報 特開2002−138889公報 特開2005−299530号公報
ところで、燃料噴射パラメータは、気筒内の酸素濃度(以下、「筒内酸素濃度」と称する)が目標値(以下、「目標筒内酸素濃度」と称する)に一致していることを前提に定められる。
しかしながら、内燃機関が過渡運転された場合等は、筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度から懸け離れる可能性がある。このような場合は、燃料噴射パラメータが実際の筒内酸素濃度に対して不適切になるため、燃焼騒音の大きさが許容範囲を超える虞がある。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料が複数回に分割されて噴射される圧縮着火式内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、過渡運転時の燃焼騒音の大きさを可能な限り許容範囲に収めることにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、気筒内へ噴射すべき燃料を複数回に分けて噴射する内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、内燃機関の運転条件に基づいて燃料噴射パラメータを決定する決定手段と、気筒内の実際の酸素濃度である実筒内酸素濃度を取得する第1取得手段と、内燃機関の運転条件に見合う気筒内の酸素濃度である目標筒内酸素濃度を取得する第2取得手段と、前記第1取得手段により取得された実筒内酸素濃度の下で前記決定手段により決定された燃料噴射パラメータに従って燃料噴射が行われた場合に発生する燃焼騒音を予測する予測手段と、前記第2取得手段により取得された目標筒内酸素濃度の下で前記決定手段により決定された燃料噴射パラメータに従って燃料噴射が行われた場合に発生する燃焼騒音を予測するとともに、予測された燃焼騒音を目標燃焼騒音に設定する設定手段と、前記予測手段により予測された燃焼騒音と前記設定手段により設定された目標燃焼騒音との差が許容値を超える場合に、実際の燃焼騒音が前記目標燃焼騒音に近似するように前記決定手段により決定された燃料噴射パラメータを補正する補正手段と、前記補正手段により補正された燃料噴射パラメータに従って燃料噴射弁を動作させる制御手段と、を備えるようにした。
かかる発明において、決定手段は、内燃機関の運転条件に従って燃料噴射パラメータを定める。その際、決定手段は、実筒内酸素濃度が所望の目標酸素濃度に一致していること
を前提に燃料噴射パラメータを定める。以下、決定手段により決定される燃料噴射パラメータを基本燃料噴射パラメータと称する。
ところで、加速運転時やフューエルカット運転からの復帰時等のような過渡運転時は、実筒内酸素濃度が目標酸素濃度から懸け離れる可能性がある。実筒内酸素濃度が目標酸素濃度から懸け離れている時に、基本燃料噴射パラメータに従って燃料噴射制御が行われると、燃焼騒音の大きさやスモークの発生量が許容範囲から逸脱する可能性がある。
これに対し、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御システムは、実筒内酸素濃度の下で基本燃料噴射パラメータに従って燃料噴射が行われた場合に発生し得る燃焼騒音(以下、「実燃焼騒音予測値」と称する)と、目標筒内酸素濃度の下で基本燃料噴射パラメータに従って燃料噴射が行われた場合に発生し得る燃焼騒音(目標燃焼騒音)とを比較する。両者の差が許容値を超える場合は、両者の差が許容値に収まるように基本燃料噴射パラメータが補正される。そして、燃料噴射弁は、補正後の燃料噴射パラメータに従って動作する。
かかる発明によれば、内燃機関の過渡運転時等のように実筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度と相違する場合であっても、実際の燃焼騒音を目標燃焼騒音に近似させることができる。
尚、本願発明者の知見によれば、燃料が複数回に分割されて噴射される内燃機関では、筒内酸素濃度の変化に対する燃焼騒音の変化、及び燃料噴射パラメータの変化に対する燃焼騒音の変化が単調な変化にならない場合がある。
このため、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御システムは、筒内酸素濃度と燃焼騒音との相関関係(以下、「第1相関関係」と称する)を記憶或いは演算する手段を備えるようにしてもよい。
この場合、予測手段は、実筒内酸素濃度と第1相関関係に基づいて実燃焼騒音予測値を正確に予測することができる。更に、設定手段は、目標筒内酸素濃度と第1相関関係に基づいて目標燃焼騒音を適切に設定することができる。
また、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御システムは、実筒内酸素濃度下での燃料噴射パラメータと燃焼騒音との相関関係(以下、「第2相関関係」と称する)を特定する手段を備えるようにしてもよい。
この場合、補正手段は、第2相関関係に基づいて、目標燃焼騒音を満たす燃料噴射パラメータを正確に求めることができる。
その際、第2相関関係において目標燃焼騒音を満たす燃料噴射パラメータが複数存在する可能性がある。そのような場合に、補正手段は、複数の燃料噴射パラメータのうち、スモークの発生量が最も少なくなる燃料噴射パラメータを選択してもよい。この場合、燃焼騒音の大きさを許容範囲に収めつつスモークの発生量も可及的に少なくすることができる。
尚、補正手段は、複数の燃料噴射パラメータのうち基本燃料噴射パラメータに最も近い燃料噴射パラメータを選択してもよい。この場合、燃料噴射パラメータの補正による影響(例えば、燃料圧力の脈動の変化等)を最小限に抑えることができる。
本発明にかかる燃料噴射パラメータとしては、各回の噴射量、噴射間隔、噴射時期、或
いは噴射圧力のうちの1つを例示することができる。
本発明によれば、燃料が複数回に分割されて噴射される圧縮着火式内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、過渡運転時の燃焼騒音の大きさを可能な限り許容範囲に収めることができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
<実施例1>
先ず、本発明の第1の実施例について図1〜図9に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御システムの概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。この内燃機関1は、気筒2内へ直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。
気筒2の内部(燃焼室)は、吸気通路4と連通している。吸気通路4の途中には、ターボチャージャ5のコンプレッサハウジング50とインタークーラ6が配置されている。
吸気通路4内へ流入した吸気は、コンプレッサハウジング50により圧縮される。コンプレッサハウジング50で圧縮された吸気は、インタークーラ6で冷却された後に気筒2内へ導かれる。気筒2内へ導かれた吸気は、燃料噴射弁3から噴射された燃料とともに気筒2内で着火及び燃焼される。
また、各気筒2は、排気通路7と連通している。排気通路7の途中には、タービンハウジング51と排気浄化装置8が配置されている。各気筒2内で燃焼されたガス(既燃ガス)は、排気通路7へ排出される。排気通路7へ排出された排気は、タービンハウジング51と排気浄化装置8を順次経由して大気中へ放出される。
前記排気浄化装置8は、例えば、吸蔵還元型NOx触媒および/またはパティキュレートフィルタを具備し、排気中の有害ガス成分を浄化する。
前記した吸気通路4のインタークーラ6より下流の部位と排気通路7のタービンハウジング51より上流の部位は、EGR通路9により相互に接続されている。EGR通路9の途中には、該EGR通路9を流れる排気(以下、「EGRガス」と称する)の流量を調節するEGR弁10と、該EGR通路9を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ11が配置されている。吸気通路4においてインタークーラ6より下流且つEGR通路9の接続部より上流の部位には吸気絞り弁12が配置されている。
このように構成された内燃機関1には、ECU13が併設されている。ECU13は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される電子制御ユニットである。ECU13は、エアフローメータ14、クランクポジションセンサ15、水温センサ16、空燃比センサ17、アクセルポジションセンサ18等の各種センサと電気的に接続されている。
エアフローメータ14は、コンプレッサハウジング50より上流の吸気通路4に取り付けられ、該吸気通路4に流入する空気量を測定する。クランクポジションセンサ15は、内燃機関1に取り付けられ、図示しない機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置を測定する。水温センサ16は、内燃機関1に取り付けられ、内燃機関1を循環する冷却水の
温度を測定する。空燃比センサ17は、排気通路7に取り付けられ、排気通路7を流れる排気の空燃比を測定する。アクセルポジションセンサ18は、図示しないアクセルペダルに取り付けられ、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)を測定する。
ECU13は、上記したような各種センサの測定値に基づいて、燃料噴射弁3、EGR弁10、及び吸気絞り弁12を電気的に制御する。例えば、ECU13は、本発明の要旨となる燃料噴射制御を行う。以下、本実施例における燃料噴射制御について述べる。
ECU13は、内燃機関1の運転条件(例えば、機関回転数Neとアクセル開度Accp)に従って燃料噴射パラメータ(基本燃料噴射パラメータ)を決定する。ここでいう燃料噴射パラメータは、パイロット噴射量、メイン噴射量、パイロットインターバル(パイロット噴射の間隔、および/またはパイロット噴射とメイン噴射の間隔)、メイン噴射時期、噴射圧力等を含む。
ところで、基本燃料噴射パラメータは、気筒2内の酸素濃度(筒内酸素濃度)が所望の目標酸素濃度に一致していることを前提に定められる。しかしながら、加速運転時やフューエルカット運転からの復帰時等のような過渡運転時は、実際の筒内酸素濃度(実筒内酸素濃度)が目標酸素濃度から懸け離れる可能性がある。
実筒内酸素濃度が目標酸素濃度から懸け離れている時に、基本燃料噴射パラメータに従って燃料噴射制御が行われると、燃焼騒音の大きさやスモークの発生量が許容範囲から逸脱する虞がある。
これに対し、本実施例の燃料噴射制御では、燃焼騒音の大きさやスモークの発生量が適切となるように基本燃料噴射パラメータを補正する。以下では、スモークの発生量より燃焼騒音の大きさを優先して基本燃料噴射パラメータを補正する例について述べる。これは、内燃機関1から排出されるスモークの発生量が多少増加した場合であっても、それらのスモークが排気浄化装置8において浄化されるからである。
ECU13は、実筒内酸素濃度の下で発生し得る燃焼騒音の大きさ(実燃焼騒音予測値)cntempを予測するとともに、目標酸素濃度の下で発生し得る燃焼騒音の大きさ(目標燃焼騒音)cntrgを予測し、それらの差が許容値を超える場合に燃料噴射パラメータを補正するようにした。
先ず、上記した実燃焼騒音予測値及び目標燃焼騒音の予測方法について述べる。
図2は、筒内酸素濃度と燃焼騒音との相関関係(第1相関関係)を示す図である。図2において、筒内酸素濃度以外の条件(例えば、パイロットインターバル、噴射時期、噴射量、噴射圧力等)は一定である。
図2において、燃焼騒音の大きさが極大値cnmaxを示す時の筒内酸素濃度(以下、「第1筒内酸素濃度」と称する)roxc1に対して筒内酸素濃度が低くなる領域(図2中の領域A)では、筒内酸素濃度の上昇につれて燃焼騒音が増大する。筒内酸素濃度が第1筒内酸素濃度roxc1より高く且つ第2筒内酸素濃度roxc2より低くなる領域(図2中の領域B)では、筒内酸素濃度の上昇につれて燃焼騒音が減少する。筒内酸素濃度が第2筒内酸素濃度roxc2より高くなる領域(図2中の領域C)では、前述の領域Bと同様に筒内酸素濃度の上昇につれて燃焼騒音が減少するが、その際の減少度合い(傾き)は領域Bより穏やかになる。尚、図2中のroxcminは実筒内酸素濃度が取り得る最小値を示し、roxcmaxは実筒内酸素濃度が取り得る最大値を示す。
このように、燃焼騒音の大きさは、筒内酸素濃度の増減に対して単調増加・単調減少しない。このような傾向は、パイロット噴射の回数が多くなるほど顕著となる。このため、実燃焼騒音予測値cntempや目標燃焼騒音cntrgを予測する場合には、図2に示すような第1相関関係を特定する必要がある。
第1相関関係は、燃料噴射パラメータによって相違する。このため、第1相関関係は燃料噴射パラメータ毎に予めマップ化されてもよいが、マップのデータ量が膨大になる可能性がある。
そこで、筒内酸素濃度が最小値roxcminとなる時の座標点a1、筒内酸素濃度が第1筒内酸素濃度roxc1となる時の座標点a2、筒内酸素濃度が第2筒内酸素濃度roxc2となる時の座標点a3、筒内酸素濃度が最大値roxcmaxとなる時の座標点a4を燃料噴射パラメータ毎にマップ化しておくようにしてもよい。
燃料噴射パラメータは、機関回転数Neと機関負荷(アクセル開度Accp)に相関する。このため、座標点a1〜a4は、機関回転数Neとアクセル開度Accpとをパラメータとするマップにより求められるようにしてもよい。
ECU13は、機関回転数Neとアクセル開度Accpとに基づいて4つの座標点a1,a2,a3,a4を求めると、それら座標点を線形補間することにより図2に示したような第1相関関係を導き出す。
ECU13は、第1相関関係と実筒内酸素濃度roxcとに基づいて実燃焼騒音の予測値(実燃焼騒音予測値)cntempを求めるとともに、第1相関関係と目標筒内酸素濃度roxctrgとに基づいて目標燃焼騒音cntrgを求める(図3を参照)。
実筒内酸素濃度roxcは、吸入空気量、過給圧、吸気温度、EGRガスの輸送遅れ等から推定されてもよく、或いはインテークマニフォルド又は吸気ポートに取り付けられた酸素濃度センサにより直接測定されてもよい。また、目標筒内酸素濃度roxctrgは、目標EGR率、目標吸入空気量、目標燃料噴射量等から特定されてもよい。
上記したような方法により実燃焼騒音予測値cntemp及び目標燃焼騒音cntrgが予測されると、ECU13は両者の差が許容値を超えているか否かを判別する。
実燃焼騒音予測値cntempと目標燃焼騒音cntrgとの差が許容値以下である場合は、ECU13は、基本燃料噴射パラメータに従って燃料噴射弁3を動作させる。一方、実燃焼騒音予測値cntempと目標燃焼騒音cntrgとの差が許容値を超えている場合は、ECU13は、両者の差が許容値以下となるように基本燃料噴射パラメータを補正し、補正後の燃料噴射パラメータに従って燃料噴射弁3を動作させる。
ここで、燃料噴射パラメータの補正方法について説明する。ここでは、燃料噴射パラメータとしてパイロットインターバルを利用する例について述べる。尚、以下では基本燃料噴射パラメータに対応するパイロットインターバルを基本パイロットインターバルと称する。
図4は、燃焼騒音とパイロットインターバルとの相関関係(第2相関関係)を示す図である。図4に示す第2相関関係は、実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgに一致し、且つパイロットインターバル以外の燃料噴射パラメータが一定である場合の相関関係である。
図4において、燃焼騒音の大きさが極小値cnminを示す時のパイロットインターバル(以下、「第1パイロットインターバル」と称する)aint1に対して実際のパイロットインターバルが短くなる領域(図4中の領域D)では、パイロットインターバルの増加につれて燃焼騒音が減少する。一方、実際のパイロットインターバルが第1パイロットインターバルaint1より長くなる領域(図4中の領域E)では、パイロットインターバルの増加につれて燃焼騒音が増大する。尚、図4中のaintminはパイロットインターバルが取り得る最小値を示し、aintmaxはパイロットインターバルが取り得る最大値を示す。
このように、燃焼騒音の大きさは、パイロットインターバルの変化に対して単調増加・単調減少しない。このような傾向は、パイロット噴射の回数が多くなるほど顕著となる。このため、目標燃焼騒音cntrgを満たすパイロットインターバルを特定する場合は、図4に示すような第2相関関係を特定する必要がある。
第2相関関係は、パイロットインターバル以外の条件によって相違する。このため、第2相関関係はパイロットインターバル以外の条件毎に予めマップ化されてもよいが、マップの情報量が膨大になる可能性がある。
そこで、パイロットインターバルが最小値aintminとなる時の座標点b1、パイロットインターバルが第1パイロットインターバルaint1となる時の座標点b2、パイロットインターバルが最大値aintmaxとなる時の座標点b3をパイロットインターバル以外の条件毎にマップ化しておくようにしてもよい。
ECU13は、上記したマップに基づいて3つの座標点b1,b2,b3を求めると、それら座標点を線形補間することにより図4に示したような第2相関関係を導き出す。
ところで、図4に示した第2相関関係は、実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgに一致している場合の相関関係(以下、「基本第2相関関係」と称する)である。このため、過渡運転時のように実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgと相違している場合は、基本第2相関関係をそのまま利用することはできない。
これに対し、ECU13は、前述した図2の第1相関関係に基づいて、基本第2相関関係を補正することにより、実筒内酸素濃度roxcに適合した第2相関関係(以下、「適合第2相関関係」と称する)を求める。
詳細には、ECU13は、先ず、実燃焼騒音予測値cntempが目標燃焼騒音cntrgより大きいか否かを判別する。実燃焼騒音予測値cntempが目標燃焼騒音cntrgより大きい場合は、ECU13は、基本第2相関関係を燃焼騒音の増加方向へシフトさせる。その際のシフト量は、図5に示すように、パイロットインターバルが基本パイロットインターバルaintbaseと等しくなる時の燃焼騒音の大きさが前述した実燃焼騒音予測値cntempに一致するように定められる。尚、図5中の実線は基本第2相関関係を示し、図5中の一点破線は適合第2相関関係を示す。
このようにして適合第2相関関係が特定されると、ECU13は、図6に示すように、該適合第2相関関係において目標燃焼騒音cntrgを満たすパイロットインターバル(以下、「適合パイロットインターバル」と称する)aintcomを求める。
尚、図6に示す例では、適合パイロットインターバルaintcomが2つ(図6中のaintcom1、aintcom2)存在する。このような場合は、ECU13は、2
つの適合パイロットインターバルaintcom1,aintcom2のうち基本パイロットインターバルaintbaseに近い適合パイロットインターバルaintcom2を選択する。
これは、適合パイロットインターバルaintcomが基本パイロットインターバルaintbaseから大きく懸け離れると、図示しないコモンレールにおいて燃料圧力の脈動が変化して噴射圧力や噴射量に影響を与える可能性があるからである。
一方、実燃焼騒音予測値cntempが目標燃焼騒音cntrgより小さい場合は、ECU13は、基本第2相関関係を燃焼騒音の減少方向へシフトさせる。その際のシフト量は、図7に示すように、パイロットインターバルが基本パイロットインターバルaintbaseと等しくなる時の燃焼騒音の大きさが前述した実燃焼騒音予測値cntempに一致するように定められる。尚、図7中の実線は基本第2相関関係を示し、図7中の一点破線は適合第2相関関係を示す。
このようにして適合第2相関関係が特定されると、ECU13は、図8に示すように、該適合第2相関関係において目標燃焼騒音cntrgを満たす適合パイロットインターバルaintcomを求める。
尚、図8に示す例においても、適合パイロットインターバルaintcomが2つ(図8中のaintcom3,aintcom4)存在する。この場合も前述した図6の例と同様に、基本パイロットインターバルaintbaseに近い適合パイロットインターバルaintcom3が選択される。
ECU13は、図7、図8の説明で述べたような方法により適合パイロットインターバルaintcomを選択すると、選択された基本パイロットインターバルaintbaseを適合パイロットインターバルaintcomに置き換える補正を行う。そして、ECU13は、補正後の基本パイロットインターバルaintbase(=適合パイロットインターバルaintcom)に従って燃料噴射弁3を動作させる。
以上述べた方法により燃料噴射弁3が動作させられると、燃料噴射弁3が複数回に分けて燃料を噴射する場合において、実筒内酸素濃度roxcと目標筒内酸素濃度roxctrgとが相違しても燃焼騒音が許容範囲から逸脱することを防止することができる。
以下、本実施例における燃料噴射制御の実行手順について図9に沿って説明する。図9は、本実施例におけるパイロットインターバル決定ルーチンを示すフローチャートである。このパイロットインターバル決定ルーチンは、ECU13のROMに予め記憶されているルーチンであり、ECU13によって周期的に実行される。
パイロットインターバル決定ルーチンでは、ECU13は、先ずS101において、内燃機関1の運転条件(機関回転数Ne、アクセル開度Accp)を取得する。
S102では、ECU13は、前記S101で取得された運転条件に基づいて基本パイロットインターバルaintbaseを演算する。
S103では、ECU13は、実筒内酸素濃度roxcを取得する。
S104では、ECU13は、前記S101で取得された運転条件に応じた第1相関関係(図2を参照)を特定し、該第1相関関係と前記実筒内酸素濃度roxcとに基づいて実燃焼騒音予測値cntempを予測する。
S105では、ECU13は、目標筒内酸素濃度roxctrgを取得する。
S106では、ECU13は、前記S104で特定された第1相関関係と前記S105で取得された目標筒内酸素濃度roxctrgとに基づいて目標燃焼騒音cntrgを予測する。
S107では、ECU13は、前記S104で予測された実燃焼騒音予測値cntempと前記S106で予測された目標燃焼騒音cntrgとの差(=|cntrg−cntemp|)が許容値aより大きい否かを判別する。
S107において否定判定された場合(|cntrg−cntemp|≦a)は、ECU13は、S111へ進む。S111では、ECU13は、前記S102で求められた基本パイロットインターバルaintbaseに従って燃料噴射弁3を作動させる。
一方、S107において肯定判定された場合(|cntrg−cntemp|>a)は、ECU13は、S108へ進む。S108では、ECU13は、先ず前記S101で取得された運転条件と前記S105で取得された目標筒内酸素濃度roxctrgとに基づいて基本第2相関関係(図4を参照)を特定する。続いて、ECU13は、前記S104で特定された第1相関関係に基づいて前記基本第2相関関係を補正することにより、適合第2相関関係を特定する(図5、図7を参照)。
S109では、ECU13は、前記S108で特定された適合第2相関関係と前記S106で予測された目標燃焼騒音cntrgとに基づいて適合パイロットインターバルaintcomを決定する(図6、図8を参照)。
S110では、ECU13は、前記S109で決定された適合パイロットインターバルaintcomに従って燃料噴射弁3を作動させる。
以上述べたようにECU13が図9のパイロットインターバル決定ルーチンを実行することにより、本発明にかかる決定手段、第1取得手段、第2取得手段、予測手段、設定手段、補正手段、特定手段、及び制御手段が実現される。
従って、本実施例の内燃機関の燃料噴射制御システムによれば、燃料が複数回に分割されて噴射される圧縮着火式内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、過渡運転時の燃焼騒音の大きさを許容範囲に収めることができる。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について図10〜図14に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例では、目標燃焼騒音cntrgを満たす適合パイロットインターバルaintcomが複数存在する場合に、複数の適合パイロットインターバルaintcomのうち、基本パイロットインターバルaintbaseに最も近い適合パイロットインターバルaintcomが選択される例について述べた。
これに対し、本実施例では、目標燃焼騒音cntrgを満たす適合パイロットインターバルaintcomが複数存在する場合に、複数の適合パイロットインターバルaintcomのうち、スモークの発生量が最も少なくなる適合パイロットインターバルaint
comが選択される例について述べる。
この場合、パイロットインターバルとスモークの発生量との相関関係を特定する必要がある。そこで、本実施例の内燃機関の燃料噴射制御システムでは、パイロットインターバルと燃焼騒音との相関関係を特定する方法と同様の方法を用いて、パイロットインターバルとスモークの発生量との相関関係を特定するようにした。
図10は、筒内酸素濃度とスモークの発生量との相関関係(第3相関関係)を示す図である。図10において、筒内酸素濃度以外の条件(例えば、パイロットインターバル、噴射時期、噴射量、噴射圧力等)は一定である。
図10において、スモークの発生量が極大値smkmax0を示す時の筒内酸素濃度(以下、「第3筒内酸素濃度」と称する)roxc3に対して筒内酸素濃度が低くなる領域(図10中の領域F)では、筒内酸素濃度の上昇につれてスモークの発生量が増加する。筒内酸素濃度が第3筒内酸素濃度roxc3より高くなる領域(図10中の領域G)では、筒内酸素濃度の上昇につれてスモークの発生量が減少する。
図10に示したように、スモークの発生量は、筒内酸素濃度の増減に対して単調増加・単調減少しない。このような傾向は、パイロット噴射の回数が多くなるほど顕著となる。
図10に示したような第3相関関係は、燃料噴射パラメータ毎にマップ化されているものとする。その際、筒内酸素濃度が最小値roxcminとなる時の座標点c1、筒内酸素濃度が第3筒内酸素濃度roxc3となる時の座標点c2、及び筒内酸素濃度が最大値roxcmaxとなる時の座標点c3のみが燃料噴射パラメータ毎にマップ化されるようにしてもよい。
図11は、パイロットインターバルとスモークの発生量との相関関係(第4相関関係)を示す図である。図11に示す第4相関関係は、実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgに一致し、且つパイロットインターバル以外の燃料噴射パラメータが一定である場合の相関関係である。
図11において、スモークの発生量が極大値smkmax1を示す時のパイロットインターバル(以下、「第2パイロットインターバル」と称する)aint2に対して実際のパイロットインターバルが短くなる領域(図11中の領域H)では、パイロットインターバルの増加につれてスモークの発生量が増加する。一方、実際のパイロットインターバルが第2パイロットインターバルaint2より長くなる領域(図11中の領域I)では、パイロットインターバルの増加につれてスモークの発生量が減少する。
このように、スモークの発生量は、パイロットインターバルの変化に対して単調増加・単調減少しない。このような傾向は、パイロット噴射の回数が多くなるほど顕著となる。
図11に示したような第4相関関係はパイロットインターバル以外の条件毎に予めマップ化されているものとする。その際、パイロットインターバルが最小値aintminとなる時の座標点d1、パイロットインターバルが第2パイロットインターバルaint2となる時の座標点d2、及びパイロットインターバルが最大値aintmaxとなる時の座標点d3のみがパイロットインターバル以外の条件毎にマップ化されるようにしてもよい。
ECU13は、上記したマップに基づいて3つの座標点d1,d2,d3を求めると、それら座標点を線形補間することにより図11に示したような第4相関関係を導き出す。
ところで、図11に示した第4相関関係は、実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgに一致している場合の相関関係(以下、「基本第4相関関係」と称する)である。このため、過渡運転時のように実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgと相違している場合は、基本第4相関関係をそのまま利用することはできない。
これに対し、ECU13は、前述した図10の第3相関関係に基づいて、基本第4相関関係を補正することにより、実筒内酸素濃度roxcに適合した第4相関関係(以下、「適合第4相関関係」と称する)を求める。
詳細には、ECU13は、先ず、図10の第3相関関係において筒内酸素濃度が実筒内酸素濃度roxcと等しくなる時のスモーク発生量(以下、「実スモーク発生量予測値」と称する)smktempと、筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度roxctrgと等しくなる時のスモーク発生量(以下、「目標スモーク発生量」と称する)smktrgとを求める。
ECU13は、実スモーク発生量予測値smktempと目標スモーク発生量smktrgとを比較する。実スモーク発生量予測値smktempが目標スモーク発生量smktrgより多い場合は、ECU13は、基本第4相関関係をスモーク発生量の増加方向へシフトさせる。その際のシフト量は、図12に示すように、パイロットインターバルが基本パイロットインターバルaintbaseと等しくなる時のスモーク発生量が前述した実スモーク発生量予測値smktempに一致するように定められる。尚、図12中の実線は基本第4相関関係を示し、図12中の一点破線は適合第4相関関係を示す。
このようにして適合第4相関関係が特定されると、ECU13は、目標燃焼騒音cntrgを満たす複数の適合パイロットインターバルaintcomのうち、スモークの発生量が最も少なくなる適合パイロットインターバルaintcomを選択する。
例えば、図13に示すように、目標燃焼騒音cntrgを満たす適合パイロットインターバルaintcomが2つ(図13中のaintcom1、aintcom2)存在する場合は、ECU13は、適合第4相関関係を利用して適合パイロットインターバルaintcom1におけるスモーク発生量smk1と適合パイロットインターバルaintcom2におけるスモーク発生量smk2とを求める。図13に示す例では、適合パイロットインターバルaintcom1におけるスモーク発生量smk1が適合パイロットインターバルaintcom2におけるスモーク発生量smk2より少ないため、ECU13は、適合パイロットインターバルaintcom1を選択する。
尚、スモーク発生量smk1とスモーク発生量smk2の双方が前述した目標スモーク発生量smktrgより少ない場合は、ECU13は、2つの適合パイロットインターバルaintcom1,aintcom2のうち、基本パイロットインターバルaintbaseに近い方の適合パイロットインターバル(図13の例では、aintcom2)を選択してもよい。この場合、燃焼騒音及びスモーク発生量を許容範囲に収めることができるとともに、パイロットインターバルの変更に起因した影響(コモンレールにおける燃料圧力の脈動の変化等)を最小限に抑えることができる。
以上述べた方法により適合パイロットインターバルaintcomが選択されると、実筒内酸素濃度roxcと目標筒内酸素濃度roxctrgとが相違する場合に、実際の燃焼騒音の大きさを目標燃焼騒音cntrgと同等にすることができるとともに、スモークの発生量を可及的に少なくすることができる。
以下、本実施例における燃料噴射制御の実行手順について図14に沿って説明する。図14は、本実施例におけるパイロットインターバル決定ルーチンを示すフローチャートである。図14において、前述した第1の実施例のパイロットインターバル決定ルーチン(図9を参照)と同等の処理には同一の符号が付されている。
パイロットインターバル決定ルーチンにおいて、ECU13は、S109において目標燃焼騒音cntrgを満たす適合パイロットインターバルaintcomを特定した後にS201へ進む。
S201では、ECU13は、S109で特定された適合パイロットインターバルaintcomが複数存在するか否かを判別する。
S201において肯定判定された場合は、ECU13は、S202へ進む。S202では、ECU13は、先ず前記S101で取得された運転条件に応じた第3相関関係(図10を参照)を特定する。続いて、ECU13は前記S101で取得された運転条件と前記S105で取得された目標筒内酸素濃度roxctrgとに基づいて基本第4相関関係(図11を参照)を特定する。更に、ECU13は、前記第3相関関係に基づいて前記基本第4相関関係を補正することにより、適合第4相関関係を特定する(図12を参照)。
S203では、ECU13は、前記S109で特定された複数の適合パイロットインターバルaintcomと前記適合第4相関関係とに基づいて、最もスモーク発生量が少ない適合パイロットインターバルaintcomを選択する。ECU13は、S203で選択された適合パイロットインターバルaintcomに従ってS110の処理を実行する。
また、前記S201において否定判定された場合は、ECU13は、S202及びS203の処理をスキップしてS110へ進む。
以上述べたようにECU13が図14のパイロットインターバル決定ルーチンを実行することにより、実筒内酸素濃度roxcが目標筒内酸素濃度roxctrgと相違する場合に、実際の燃焼騒音の大きさを目標燃焼騒音cntrgと同等にすることができるとともに、スモークの発生量を可及的に少なくすることができる。
尚、前述した第1及び第2の実施例では、燃料噴射パラメータとしてパイロットインターバルを例に挙げたが、メイン噴射時期、パイロット噴射量、或いは噴射圧力であってもよいことは勿論である。その場合は、ECU13は、実筒内酸素濃度roxcにおけるメイン噴射時期と燃焼騒音との相関関係(図15を参照)、実筒内酸素濃度roxcにおけるパイロット噴射量と燃焼騒音との相関関係(図16を参照)、或いは実筒内酸素濃度roxcにおける噴射圧力と燃焼騒音との相関関係(図17を参照)を特定し、特定された相関関係において目標燃焼騒音cntrgを満たす燃料噴射パラメータを求めればよい。上記した各パラメータと燃焼騒音との相関関係は、パイロットインターバルの場合と同様に、筒内酸素濃度と各パラメータとの相関関係に基づいて特定されればよい。
内燃機関の燃料噴射制御システムの概略構成を示す図である。 筒内酸素濃度と燃焼騒音の大きさとの相関関係を示す図である。 実燃焼騒音予測値と目標燃焼騒音を予測する方法を示す図である。 筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度に一致している時のパイロットインターバルと燃焼騒音の大きさとの相関関係を示す図である。 筒内酸素濃度が実筒内酸素濃度に一致している時のパイロットインターバルと燃焼騒音の大きさとの相関関係を求める第1の方法を示す図である。 第1の実施例において適合パイロットインターバルを求める方法を示す図である。 筒内酸素濃度が実筒内酸素濃度に一致している時のパイロットインターバルと燃焼騒音の大きさとの相関関係を求める第2の方法を示す図である。 第1の実施例において適合パイロットインターバルを求める他の方法を示す図である。 第1の実施例におけるパイロットインターバル決定ルーチンを示すフローチャートである。 筒内酸素濃度とスモークの発生量との相関関係を示す図である。 筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度に一致している時のパイロットインターバルとスモークの発生量との相関関係を示す図である。 筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度に一致している時のパイロットインターバルとスモークの発生量との相関関係を示す図である。 第2の実施例において適合パイロットインターバルを求める方法を示す図である。 第2の実施例におけるパイロットインターバル決定ルーチンを示すフローチャートである。 メイン噴射時期と燃焼騒音の大きさとの相関関係を示す図である。 パイロット噴射量と燃焼騒音の大きさとの相関関係を示す図である。 噴射圧力と燃焼騒音の大きさとの相関関係を示す図である。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
3・・・・・燃料噴射弁
4・・・・・吸気通路
5・・・・・ターボチャージャ
6・・・・・インタークーラ
7・・・・・排気通路
8・・・・・排気浄化装置
9・・・・・EGR通路
10・・・・EGR弁
11・・・・EGRクーラ
12・・・・吸気絞り弁
13・・・・ECU
14・・・・エアフローメータ
15・・・・クランクポジションセンサ
16・・・・水温センサ
17・・・・空燃比センサ
18・・・・アクセルポジションセンサ
50・・・・コンプレッサハウジング
51・・・・タービンハウジング

Claims (4)

  1. 気筒内へ噴射すべき燃料を複数回に分けて噴射する内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、
    内燃機関の運転条件に基づいて燃料噴射パラメータを決定する決定手段と、
    気筒内の実際の酸素濃度である実筒内酸素濃度を取得する第1取得手段と、
    内燃機関の運転条件に見合う気筒内の酸素濃度である目標筒内酸素濃度を取得する第2取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された実筒内酸素濃度の下で前記決定手段により決定された燃料噴射パラメータに従って燃料噴射が行われた場合に発生する燃焼騒音を予測する予測手段と、
    前記第2取得手段により取得された目標筒内酸素濃度の下で前記決定手段により決定された燃料噴射パラメータに従って燃料噴射が行われた場合に発生する燃焼騒音を予測するとともに、予測された燃焼騒音を目標燃焼騒音に設定する設定手段と、
    前記予測手段により予測された燃焼騒音と前記設定手段により設定された目標燃焼騒音との差が許容値を超える場合に、実際の燃焼騒音が前記目標燃焼騒音に近似するように前記決定手段により決定された燃料噴射パラメータを補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された燃料噴射パラメータに従って燃料噴射弁を動作させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  2. 請求項1において、前記第1取得手段により取得された実筒内酸素濃度下での燃料噴射パラメータと燃焼騒音との相関関係を特定する特定手段を更に備え、
    前記補正手段は、前記特定手段により特定された相関関係において前記設定手段により設定された目標燃焼騒音を満たす燃料噴射パラメータを求めることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  3. 請求項2において、前記補正手段は、前記特定手段により特定された相関関係において前記設定手段により設定された目標燃焼騒音を満たす燃料噴射パラメータが複数存在する場合に、スモークの発生量が最も少なくなる燃料噴射パラメータを選択することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、前記燃料噴射パラメータは、各回の噴射量、噴射間隔、噴射時期、或いは噴射圧力のうちの1つであることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
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