JP2009155568A - インクジェット記録用水分散体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出性に優れたインクジェット記録用水分散体の製造方法、及びその水分散体を含有するインクジェト記録用水系インクを提供する。
【解決手段】〔1〕着色剤とポリマー粒子又は着色剤を含有するポリマー粒子、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下である、水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物、水溶性界面活性剤、及び水を含有する混合物を、40℃以上に加熱処理する工程を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法、〔2〕前記〔1〕の方法によって得られたインクジェット記録用水分散体を含有するインクジェト記録用水系インクである。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット記録用水分散体の製造方法、及びその水分散体を含有するインクジェト記録用水系インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
その中でも、印字物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきている。(例えば、特許文献1〜3参照)
特許文献1には、ビニルポリマーに顔料を含有させた水系インクが開示されている。
特許文献2には、水、水溶性樹脂、アミン、水溶性有機溶剤及び顔料を主成分とし、該顔料を50℃以上で100時間以上加熱処理した後、遠心分離処理した顔料分散液を用いたインクジェット記録用インクが開示されている。
特許文献3には、物性の変化や多量の凝集異物を発生しない分散安定な、インクジェットプリンター用に好適な水系顔料分散液とするために、顔料と酸価が90以下のアルカリ可溶型樹脂分散剤と水とを含有する水系顔料分散液を加熱処理する、水系顔料分散液の製造方法が記載されている。
しかしながら、上記の顔料分散体は、吐出性において満足できるものではない。
国際公開第00/39226号パンフレット 特開平03−64376号公報 特開2000−345093号公報
本発明は、吐出性に優れたインクジェット記録用水分散体の製造方法、及びその水分散体を含有するインクジェト記録用水系インクを提供することを課題とする。
本発明者等は、着色剤とポリマー粒子とを、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下であるノニオン性有機化合物及び水溶性界面活性剤の存在下で加熱処理することにより、吐出性が向上しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔2〕を提供する。
〔1〕着色剤、ポリマー粒子、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下である、水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物、水溶性界面活性剤、及び水を含有する混合物を、40℃以上に加熱処理する工程を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
〔2〕前記〔1〕の方法によって得られたインクジェット記録用水分散体を含有する、インクジェト記録用水系インク。
本発明の製造方法によって得られたインクジェット記録用水分散体を含有するインクジェト記録用水系インクは、吐出性に優れている。
本発明のインクジェット記録用水分散体の製造方法によれば、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下で、水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物と水溶性界面活性剤との共存下で、着色剤とポリマー粒子とを加熱処理することによって、ポリマー粒子に配向した該ノニオン性有機化合物と水溶性界面活性剤の作用で、ポリマー粒子を構成するポリマーのコンフォメーションが変化し、ポリマー粒子がより安定になり、ノズルからの吐出性に優れたものになると考えられる。また、前記ノニオン性有機化合物と水溶性界面活性剤の共存によって、泡立ちを抑制することができ、ハンドリングも容易となる。
以下、本発明に用いられる各成分等について説明する。
(水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物)
本発明で用いられる、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下で、水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物(以下、単に「ノニオン性有機化合物」ともいう)は、水溶性界面活性剤との相互作用により、インクにした時の吐出性を向上させる観点から、前記最大溶解量が3g以下であり、1g以下が好ましい。下限は特にないが、0.001g以上が好ましい。
ノニオン性有機化合物の分子量は、吐出性向上の観点から、100以上が好ましく、150以上がより好ましく、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、500以下が更に好ましい。これらの観点から、ノニオン性有機化合物の分子量は、100〜2,000が好ましく、150〜1000が更に好ましく、150〜500が特に好ましい。
ノニオン性有機化合物は、2個以上の水酸基を有する化合物(ポリオール化合物)であり、好ましくは2〜6個、更に好ましくは2又は3個、特に好ましくは2個の水酸基を有している。
ノニオン性有機化合物は、好ましくは脂肪族化合物(鎖状構造)であり、更に好ましくは炭素数8〜30、より好ましくは8〜22、より好ましくは10〜22、更に好ましくは10〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基を有することが好ましい。
ノニオン性有機化合物は、吐出性向上の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等の塩生成基を有さないことが好ましい。
ノニオン性有機化合物の水100gへの溶解量が前記範囲内であれば、ノニオン性有機化合物は、エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基等のアルカンジイルオキシ基(アルキレンオキシ基)を付加していてもよい。
ノニオン性有機化合物の好適例としては、炭素数8〜30の直鎖又は分岐鎖のアルカン、アルケン又はアルキンポリオールが挙げられる。水酸基の好ましい個数については、前述の通りである。
例えば、炭素数8〜30の直鎖又は分岐鎖のアルカン、アルケン又はアルキンジオール、又はトリオール等であり、水酸基はいずれの位置にあってもよく、エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基を付加していてもよい。
炭素数8〜30のアルカン、アルケン又はアルキンジオールとしては、互いに隣接する炭素原子に各々水酸基を有するものが好ましい。吐出性向上の観点から、総炭素数は、8〜22が好ましく、10〜22がより好ましく、10〜18が更に好ましい。
具体的には、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、テトラデセンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール、2-エチル-1、3エキサンジオール(水100gへの溶解度;0.60g(20℃))である。 ジポリオール化合物は直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。
本発明において好適に使用しうるノニオン性有機化合物の市販品例としては、サーフィノール104PG50:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(水100gへの溶解量:1g未満、日信化学工業株式会社製)、サーフィノール420:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(水100gへの溶解量:1g未満、日信化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(水溶性界面活性剤)
本発明で用いられる水溶性界面活性剤は、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が10g以上、好ましくは20g以上である界面活性剤を意味する。ここで、溶解とは、目視による観察で均一で濁りがない透明であることであり、測定機器を用いた場合、その透過率は通常90%以上であり、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上である。透過率の測定は、株式会社日立製作所製の分光光度計「U-2000A Spectrophotometer」で石英セルを用いて、600nmにおける精製水の透過率を100%として測定する。
このような水溶性界面活性剤としては、通常のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、水系インクに用いることができるものであれば特に制限されない。例えば、(1)炭素数8〜22の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の高級アルコール、多価アルコール、又は芳香族アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイド(以下総称して、アルキレンオキサイドという)を付加したポリオキシアルキレンのアルキルエーテル、アルケニルエーテル、アルキニルエーテル又はアリールエーテル、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル;(2)炭素数8〜22の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を有する高級アルコールと多価脂肪酸とのエステル;(3)炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を有する、ポリオキシアルキレン脂肪族アミン;(4)炭素数8〜22の高級脂肪酸と、多価アルコールのエステル化合物又はそれにアルキレンオキサイドを付加した化合物、例えば、脂肪酸ショ糖エステル、グリセリルモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
その他に、炭素数8〜20の高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;炭素数8〜18の直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を有するアルキルサッカライド系界面活性剤;炭素数8〜20の直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を有するアルキルアミンオキサイド又はアルキルアミドアミンオキサイド;ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシ変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤;プルロニック型又はテトロニック型ブロックポリマー界面活性剤、ポリオキシアルキレンラノリンアルコール、ポリエチレンイミン誘導体等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
(i)アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩
(ii)アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩又はα−スルホ脂肪酸塩もしくはエステル。
何れも炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。
(iii)オレフィンスルホン酸塩又はアルカンスルホン酸塩。
何れも1分子中に10〜20の炭素原子を有するものが好ましい。
(iv)高級脂肪酸塩。1分子中に10〜24の炭素原子を有するものが好ましい。
また、両性界面活性剤としては、例えば、アミドアミノ酸型、カルボベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型等が挙げられる。
上記の水溶性界面活性剤の中では、インクにした時の適応性の観点からノニオン性界面活性剤が好ましい。
本発明において好適に使用しうる水溶性界面活性剤の市販品例としては、日信化学工業株式会社製のサーフィノール465、サーフィノール485、花王株式会社製のエマルゲン109P、エマール20C、アミート110等が挙げられる。
〔着色剤〕
着色剤としては特に制限はなく、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等を用いることができるが、耐水性、保存安定性及び耐擦過性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水分散体に使用する場合には、界面活性剤、ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にすることが好ましい。特に、耐滲み性、耐水性等の観点から、ポリマーの粒子中に顔料及び/又は疎水性染料を含有させることが好ましく、近年要求が強い高耐候性を発現させるためには、ポリマーの粒子中に顔料を含有させることが好ましい。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料(シリカ、炭酸カルシウム、タルク等)、自己分散顔料などを併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。また、カーボンブラックは、オゾン、硝酸、過酸化水素、窒素酸化物等の酸化剤を使用する気相又は液相酸化法、又はプラズマ処理等の表面改質法により酸化処理することもできる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料、ピロゾロン顔料等が挙げられる。
色相は特に限定されず、赤色有機顔料、黄色有機顔料、青色有機顔料、オレンジ有機顔料、グリーンオレンジ有機顔料等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
有機顔料の好適例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメントオレンジ、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる一種以上の各品番製品が挙げられる。
疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられ、これらの中では油溶性染料が好ましい。
油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック、C.I.ソルベント・イエロー、C.I.ソルベント・レッド、C.I.ソルベント・バイオレット、C.I.ソルベント・ブルー、C.I.ソルベント・グリーン、及びC.I.ソルベント・オレンジからなる群から選ばれる一種以上の各品番製品が挙げられ、オリエント化学株式会社、BASF社等から市販されている。
上記の着色剤は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
(ポリマー粒子)
本発明において、ポリマー粒子は、着色剤の分散安定性を向上させるために用いられる。
ポリマー粒子に用いるポリマーは、ポリエステル、ポリウレタン、ビニルポリマー等が挙げられるが、その分散安定性の観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマー(以下、単に「ビニルポリマー」ともいう)が好ましい。また、更なる分散安定性の向上の観点から架橋ポリマーを用いてもよい。
ポリマー粒子に用いるポリマーは、水不溶性有機化合物を含有しやすくするために、水不溶性ポリマーであることが好ましい。ここで、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
(ビニルポリマー)
ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ともいう)と、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ともいう)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ともいう)とを含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ともいう)を共重合させてなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。この水不溶性ビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位を有する。より好適なビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位、又は(a)成分由来の構成単位及び(c)成分由来の構成単位を主鎖に有し、(b)成分由来の構成単位を側鎖に有するグラフトポリマーである。
((a)塩生成基含有モノマー)
(a)塩生成基含有モノマーは、得られるポリマー粒子の分散安定性を高める観点から用いられる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられるが、特にカルボキシ基が好ましい。
塩生成基含有モノマーとしては、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。その例として、特開平9−286939号公報段落〔0022〕等に記載されているもの等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出性等の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
((b)マクロマー)
(b)マクロマーは、特にポリマー粒子が着色剤を含有した場合に、ポリマー粒子の分散安定性を高める観点から用いられる。マクロマーとしては、数平均分子量500〜100,000、好ましくは1,000〜10,000の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。なお、(b)マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(b)マクロマーの中では、ポリマー粒子の分散安定性等の観点から、片末端に重合性官能基を有する、スチレン系マクロマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。
芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーとしては、芳香族基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又はそれと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基、又は、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートであり、ヘテロ原子を含む置換基としては、ハロゲン原子、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。例えばベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられ、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、それらのマクロマーの片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、共重合される他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
(b)マクロマーは、オルガノポリシロキサン等の他の構成単位からなる側鎖を有するものであってもよい。この側鎖は、例えば下記式(1)で表される片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
CH2=C(CH3)-COOC36-〔Si(CH32O〕t-Si(CH33 (1)
(式中、tは8〜40の数を示す。)。
(b)成分として商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
((c)疎水性モノマー)
(c)疎水性モノマーは、印字濃度、分散安定性、吐出性等の向上の観点から用いられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を示す。
芳香族基含有モノマーとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、例えば、前記のスチレン系モノマー、前記の芳香族基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。ヘテロ原子を含む置換基としては、前記のものが挙げられる。
(c)成分の中では、スチレン系モノマーとしては、特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレート成分としては、特にベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
((d)水酸基含有モノマー)
モノマー混合物には、更に、(d)水酸基含有モノマー(以下「(d)成分」ともいう)が含有されていてもよい。(d)水酸基含有モノマーは、分散安定性、吐出性を更に高めるために用いられる。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、更に、(e)下記式(2)で表されるモノマー(以下「(e)成分」ともいう)が含有されていてもよい。
CH2=C(R7)COO(R8O)p9 (2)
(式中、R7は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R8は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R9は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、pは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を示す。)
(e)成分は、吐出性を更に高めるために用いられる。
式(2)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
7の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
8O基の好適例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が挙げられる。
9の好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。
(e)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(1〜30:式(2)中のpの値を示す。以下、同じ)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエーテル、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(1〜30、その中のエチレングリコール:1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、オクトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエーテルが好ましい。
商業的に入手しうる(d)、(e)成分の具体例としては、新中村化学工業株式会社の多官能性アクリレートモノマー(NKエステル)M−40G、同90G、同230G、日本油脂株式会社のブレンマーシリーズ、PE−90、同200、同350、PME−100、同200、同400、同1000、PP−500、同800、同1000、AP−150、同400、同550、同800、50PEP−300、50POEP−800B、43PAPE600B等が挙げられる。
上記(a)〜(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ビニルポリマー製造時における、上記(a)〜(e)成分のモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又は水不溶性ポリマー中における(a)〜(e)成分に由来する構成単位の含有量は、次のとおりである。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、特に着色剤との相互作用により分散安定性を高める観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度、分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜75重量%である。
(d)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、得られる分散体の吐出性の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは7〜40重量%である。
モノマー混合物中における〔(a)成分+(d)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。〔(a)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。また、〔(a)成分+(d)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
また、〔(a)成分/[(b)成分+(c)成分]〕の重量比は、分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
(ポリマーの製造)
本発明で用いられるポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
ポリマーの重量平均分子量は、分散安定性、吐出性の観点から、5,000〜50万が好ましく、1万〜40万がより好ましく、1万〜30万が更に好ましく、2万〜30万が特に好ましい。なお、ポリマーの重量平均分子量は、実施例で示す方法により測定した。
前記ポリマーは、(a)塩生成基含有モノマー由来の塩生成基を有している場合は中和剤により中和して用いる。中和剤としては、ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
塩生成基の中和度は、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価(KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
塩生成基がカチオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価(HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]}×100
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。ポリマーの酸価又はアミン価は、50〜200が好ましく、50〜150が更に好ましい。
(着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体の製造方法)
本発明の製造方法においては、分散安定性の観点から、着色剤及びポリマー粒子が、着色剤がポリマーに含有されてなる、着色剤を含有するポリマー粒子であることが好ましい。そのような水分散体の製造方法に特に限定はないが、例えば、次の工程(1)及び(2)を有する方法によれば効率的に製造することができる。
工程(1):ポリマー、有機溶媒、着色剤、水、及び必要なら中和剤を含有する混合物を分散処理して、着色剤を含有するポリマー粒子の分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去して、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体を得る工程
工程(1)では、まず、前記ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に着色剤、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、得られた有機溶媒溶液に加えて混合し、水中油型の分散体を得る方法が好ましい。混合物中、着色剤は、5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%が更に好ましく、有機溶媒は、10〜70重量%が好ましく、10〜50重量%が更に好ましく、水不溶性ポリマーは、2〜40重量%が好ましく、3〜20重量%が更に好ましく、水は、10〜70重量%が好ましく、20〜70重量%が更に好ましい。
前記ポリマーと着色剤との合計量に対する着色剤量の重量比〔着色剤/(ポリマー+着色剤)〕は、保存安定性の観点から、50/100〜90/100であることが好ましく、60/100〜85/100であることがより好ましい。
ポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましい。中和剤を用いて中和する場合の中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。中和剤としては、前記のものが挙げられる。また、ポリマーを予め中和しておいてもよい。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒及びジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。好ましくは、水100gに対する溶解量が20℃において、好ましくは5g以上、更に好ましくは10g以上であり、より具体的には、好ましくは5〜80g、更に好ましくは10〜50gのものであり、特に、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンが好ましい。
前記工程(1)における混合物の分散方法に特に制限はない。予備分散を行わずにポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、好ましくは高速攪拌混合装置等で予備分散させた後、さらに剪断応力を加えて分散を行い、着色剤を含有するポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径とするよう制御することが好ましい。工程(1)の分散は、5〜50℃が好ましく、5〜35℃が更に好ましい。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄工株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー〔プライミクス株式会社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
前記工程(2)では、得られた分散体から、公知の方法で有機溶媒を留去することで、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体を得ることができる。得られたポリマー粒子を含む水分散体中の有機溶媒は実質的に除去されていることが好ましいが、本発明の目的を損なわない限り、残存していてもよい。残留有機溶媒の量は0.1重量%以下が好ましく、0.01重量%以下であることがより好ましい。
得られた着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有するポリマーの固体分が水を主媒体とする中に分散している粒子である。ここで、着色剤を含有するポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤とポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、ポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、ポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれる。
更に、分散体の安定性を向上させる観点から、得られた着色剤を含有するポリマー粒子を構成するポリマーを架橋剤で架橋させて、着色剤を含有する架橋ポリマー粒子として用いることも好ましい。着色剤を含有する架橋ポリマー粒子の製法としては、製造し易さの観点から、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体と架橋剤とを混合してポリマーを架橋させて得る方法が好ましい。
架橋剤としては、少なくとも2個の反応性官能基を有する架橋剤、具体的には分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物:例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いることができる。
架橋の条件は、架橋剤の種類・量、触媒や溶媒の種類、反応温度、反応時間等を考慮して適宜決定することができるが、架橋のための反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、更に好ましくは1〜5時間、反応温度は、好ましくは40〜95℃である。
架橋剤の使用量は、分散体の安定性の観点から、ポリマー100重量部に対して、0.5〜15重量部が好ましく、0.75〜10重量部がより好ましく、0.8〜6重量部が更に好ましい。
(インクジェット記録用水分散体の製造方法)
本発明のインクジェット記録用水分散体は、着色剤、ポリマー粒子、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下である、水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物、水溶性界面活性剤、及び水を含有する混合物を、40℃以上で加熱処理する工程を有する方法によって製造される。
加熱処理時の混合物中の各成分の含有量は以下のとおりである。
前記ノニオン性有機化合物の含有量は、吐出性を向上させる観点から、0.1〜10重量%が好ましく、0.3〜5重量%がより好ましく、0.5〜3重量%が更に好ましい。
水溶性界面活性剤の含有量は、吐出性を向上させる観点から、0.1〜10重量%が好ましく、0.3〜5重量%がより好ましく、0.5〜3重量%が更に好ましい。
〔ノニオン性有機化合物/水溶性界面活性剤〕の重量比は、吐出性を向上させる観点から、1/3〜3/1が好ましく、1/2〜2/1がより好ましい。
ポリマー粒子の含有量は、吐出性を向上させる観点から、0.5〜20重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましく、2〜10重量%が更に好ましい。
ポリマー粒子を構成するポリマーとノニオン性有機化合物との重量比(ノニオン性有機化合物/ポリマー)は、吐出性を向上させる観点から、1/10〜2/1が好ましく、1/10〜1/1が更に好ましい。
ポリマー粒子を構成するポリマーと水溶性界面活性剤との重量比(水溶性界面活性剤/ポリマー)は、吐出性を向上させる観点から、1/10〜2/1が好ましく、1/10〜1/1が更に好ましい。
着色剤の含有量は、印字濃度の観点から、0.5〜20重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましく、2〜10重量%が更に好ましい。
混合操作は、単に、前述のアンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いた攪拌でよい。混合物の調製は、5〜35℃で行うことが好ましい。
加熱処理の温度は、吐出性及びハンドリング性の観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは50〜90℃、更に好ましくは55〜75℃である。
加熱処理の時間は、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは30分〜9時間、更に好ましくは1〜6時間である。
加熱処理は、前記水分散体を好ましくは密閉容器に入れ、静置又は攪拌下に行うことができる。40℃以上の加熱処理を行うことで、水系インクとした時の吐出性が良好となる。
これは、着色剤とポリマー粒子とを加熱処理することによって、ポリマー粒子に配向した前記ノニオン性有機化合物と水溶性界面活性剤の作用で、ポリマー粒子のポリマーのコンフォメーションが変化し、ポリマー粒子がより安定になり、ノズルからの吐出性に優れたものになると考えられる。加熱処理時には減圧していてもよい。
また、加熱処理前の混合物中には、通常、有機溶媒等は含まれていない方が好ましいが、ポリマー粒子を溶解しない有機溶媒等であれば、存在していてもよい。すなわち、混合物には本発明の目的を損なわない限り、アルキレングリコールのモノアルキルエーテル等の親水性有機溶媒、防腐剤、湿潤剤を含有していてもよい。
アルキレングリコールとしては、モノアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールが挙げられる。アルキレングリコールのアルキレン基(アルカンジイル基)としては、炭素数2〜4のアルカンジイル基、即ちエチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基等が好ましい。
湿潤剤とは、水分散体中の水の蒸散を抑制する化合物であり、水酸基が2以上のポリオール化合物(糖類を含む)である。グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール等が挙げられる。
着色剤及びポリマー粒子が、着色剤がポリマーに含有されてなる、着色剤を含有するポリマー粒子を用いる場合、着色剤を含有するポリマー粒子は、前述の製造方法により得ることができる。
着色剤を含有するポリマー粒子は、着色剤を含有する架橋ポリマー粒子であってもよいが、分散安定性の観点から、加熱前に、予め架橋したものを用いることが好ましい。
加熱処理時の混合物中、着色剤を含有するポリマー粒子の含有量は、1〜30重量%が好ましく、2〜25重量%が更に好ましい。
着色剤を含有するポリマー粒子、ノニオン性有機化合物、水溶性界面活性剤、及び水を含有する混合物は、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体とノニオン性有機化合物と水溶性界面活性剤とを混合することにより得ることができる。混合操作は前記と同じである。
本発明で得られる水分散体はそのまま水系インクとして用いてもよいが、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
得られる水分散体及び水系インクにおける、ポリマー粒子の平均粒径は、プリンターのノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.3μm、特に好ましくは0.01〜0.2μmである。なお、平均粒径は、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で測定することができる。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力する。測定濃度は、通常5×10-3重量%程度で行う。
本発明の水分散体及び水系インク中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。水分散体とは、水を主媒体として、これに着色剤が分散したものであり、水系インクとは、水を主媒体として用いたインクである。
本発明の水分散体の表面張力(20℃)は、好ましくは25〜65mN/m、更に好ましくは30〜60mN/mである。また、水系インクの表面張力(25℃)は、インクノズルからの良好な吐出性を確保する観点から、好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mである。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。なお、ポリマーの重量平均分子量の測定方法は、以下のとおりである。
(ポリマーの重量平均分子量の測定)
溶媒として、60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK-GEL、α-M×2本)、流速:1mL/min〕により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。
製造例1〜3(ポリマーA〜Cの製造)
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示す各モノマーの200部の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン60部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から75℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2009155568
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
(b)スチレンマクロマー
東亜合成株式会社製、商品名:AS−6(S)、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
(d)PP−800
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=12、末端:ヒドロキシ基):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−800
(d)PP−500
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=9、末端:ヒドロキシ基):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−500
(e)43PAPE−600B
フェノ−ルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=6、プロピレンオキシド平均付加モル数=6、末端:フェニル基):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマー43PAPE−600B
製造例4〜9(顔料含有ポリマー粒子の水分散体D〜Iの製造)
製造例1〜3で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー25部をメチルエチルケトン70部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)6.7部(中和度75%)及びイオン交換水230部加えて塩生成基を中和し、これに下記の顔料75部を加え、ディスパー翼で20℃以下にて1時間混合した後、寿工株式会社製UAM−05型(分散メディア:ジルコニア粒子、温度:20℃以下、分散メディア/分散液重量比:8/2)を用いて周速12m/sにて2時間分散処理を施した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で150MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が20%の顔料含有ポリマー粒子の水分散体を得た。
実施例1〜13(インクジェット記録用水分散体及びそれを用いた水系インクの製造)
製造例4〜9で得られた顔料含有ポリマー粒子の水分散体D〜I 80部(固形分16部)、水溶性界面活性剤1部、及びノニオン性有機化合物1部を混合し、耐熱ガラスに密閉して入れ、恒温乾燥機内で表2記載の温度にて、5時間加熱処理した。
次に、加熱処理して得られた顔料含有ポリマー粒子の水分散体41部、1.2−ヘキサンジオール2部、グリセリン17部、2−ピロリドン2部、トリエタノールアミン1部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル1部、オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製)0.6部及びイオン交換水35.4部を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより水系インクを得た。
比較例1
20℃で処理したことを除いて、実施例1と同様に行い、水分散体を製造し、水系インクを調製した。
比較例2
サーフィノール104PG50を1部を用いる代わりにイオン交換水1部を用いたことを除いて、実施例1と同様に行い、水分散体を製造し、水系インクを調整した。但し、水系インクには、イオン交換水0.25部の代わりに、サーフィノール104PG50を0.25部配合した。
比較例3
サーフィノール465を1部を用いる代わりにイオン交換水1部を用いたことを除いて、実施例1と同様に行い、水分散体を製造し、水系インクを調整した。但し、水系インクには、イオン交換水0.25部の代わりに、サーフィノール465を0.25部配合した。
得られた水系インクの吐出性を下記の方法により評価した。結果を表2に示す。
(吐出性の評価)
市販のセイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンター(品番:PX−V630、ピエゾ方式)にインクをセットし、吐出に問題ないことを確認する。普通紙Xerox4200に、普通紙/ファインモードにて連続1000枚印字し、印刷物の印字状態「ぬけ」と「曲がり」を下記の基準により評価した。
〔評価基準〕
1:印字物に「ぬけ」と「曲がり」が共にない。
2:印字物に「ぬけ」又は「曲がり」がわずかに見られる。
3:印字物に「ぬけ」又は「曲がり」が見られる。
4:印字物に「ぬけ」と「曲がり」がはっきりある。
ここで、「ぬけ」とは、吐出していないノズルがありインクが着弾しないこと、「曲がり」とは、インクが所定の位置からずれて着弾することをいう。
Figure 2009155568
なお、表2に示す顔料、化合物等の詳細は、以下のとおりである。
(顔料)
・シアン顔料:銅フタロシアニン系顔料(ピグメント・ブルー15:3)PB15:3(大日精化工業株式会社、商品名シアニンブルー4920)
・マゼンタ顔料:キナクリドン顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19、クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Hostaperm Red E5B 02)
・イエロー顔料:ジアゾ顔料(C.I.ピグメント・イエロー74〔P.Y.74〕、山陽色素株式会社製、商品名:FY7413)
・ブラック顔料:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名:#45、DBP吸油量:53ml/100g)
(ノニオン性有機化合物)
・サーフィノール104PG50(日信化学工業株式会社製):アセチレン系非イオン性界面活性剤、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール/プロピレングリコール=50/50%品。水100gへの溶解量は1g未満。
・サーフィノール420:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(日信化学工業株式会社製)。水100gへの溶解量は1g未満。
(水溶性界面活性剤)
・サーフィノール465:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(日信化学工業株式会社製、ノニオン性界面活性剤)
・サーフィノール485:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(日信化学工業株式会社製、ノニオン性界面活性剤)
・エマルゲン109P:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製、ノニオン性界面活性剤)
・アミート110:ポリオキシエチレンラウリルアミン(花王株式会社製、ノニオン性界面活性剤)
・エマール20C:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王株式会社製、アニオン性界面活性剤)
以上、上記水溶性界面活性剤の水100gへの溶解量は10g以上である。
表2から、実施例の水系インクは、比較例の水系インクに比べて、吐出性が優れていることが分かる。

Claims (8)

  1. 着色剤、ポリマー粒子、水100g(20℃)に溶解しうる最大重量が3g以下である、水酸基を2個以上有するノニオン性有機化合物、水溶性界面活性剤、及び水を含有する混合物を、40℃以上で加熱処理する工程を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
  2. 前記着色剤及び前記ポリマー粒子が、着色剤を含有するポリマー粒子である、請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  3. 〔ノニオン性有機化合物/水溶性界面活性剤〕の重量比が1/3〜3/1である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  4. ポリマー粒子を構成するポリマーとノニオン性有機化合物との重量比(ノニオン性有機化合物/ポリマー)が1/10〜2/1である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  5. 加熱処理の温度が50〜90℃である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  6. 加熱処理の時間が30分以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  7. ポリマーが、(a)塩生成基含有モノマー由来の構成単位と、(b)マクロマー由来の構成単位及び/又は(c)疎水性モノマー由来の構成単位とを含む、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られたインクジェット記録用水分散体を含有する、インクジェト記録用水系インク。
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