JP2009154290A - 接着フィルムの切断方法及び切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の切断装置1は、接着フィルム2を搬送しながら短冊状に切断する装置であり、カッタ機構10と、加熱機構(加熱手段)3等を備えている。カッタ機構10は、上刃11が軸方向に複数配列した上刃ユニット11Aと、下刃12が軸方向に複数配列した下刃ユニット12Aとからなる。加熱機構3は、カッタ機構10の上流側に配置され、送風器31と、ヒータ32と、温度センサ33と、温度制御部34等から構成されている。送風器31は、ダクト35等を介してヒータ32に接続され、加熱された熱風を接着フィルム2に直接吹き付けるように配置されている。
【選択図】図1
Description
一方、接着フィルムを製造する工程においては、接着フィルムをカッタ機構に搬送して短冊状に切断し、それぞれ狭小幅で切断された接着フィルムを巻き取るようにしている。ここでのカッタ機構は、例えば、図3に示すように、上刃11が軸方向に配列された上刃ユニット11Aと、下刃12が軸方向に配列された下刃ユニット12Aとが、互いに噛み合うように構成されている。また、特許文献1には、この種のカッタ機構を改良したスリット装置が記載されている。このスリット装置においては、上刃同士の隙間や下刃同士の隙間を、刃幅との関係から数値規定すること等により、上刃及び下刃の側圧のバランスを均一にし、切断後の接着フィルムの反りを低減するようにしている。
図4に示すように、このような接着フィルム2の変形状態の下では、特に剥離力が小さいカバーフィルム23について、横方向のずれに起因した切断面の変形のため、製品段階でカバーフィルム23を良好に剥離できないという問題や、接着フィルム2が変形する際やそのエッジ端面が擦れた際に、カバーフィルム23と接着剤層22との剛性の差等に起因して、カバーフィルム23が剥離してしまうという問題が生じる。
本実施形態の切断装置及び切断方法の対象とする接着フィルム2は、ベースフィルム21に接着剤層22が形成されその表面がカバーシー23トで被覆されたシートであれば限定されず、その接着剤層22の形成に用いられる接着剤は、熱可塑性樹脂系接着剤又は熱硬化性接着剤の何れでもよい。また、接着フィルム2は、このような接着剤に導電粒子を分散させた異方性導電フィルムでもよい(図3参照)。
図1に示すように、本実施形態の切断装置1は、接着フィルム2を搬送しながら短冊状に切断する装置であり、カッタ機構10と、加熱機構(加熱手段)3と、搬送機構4等を備えている。
温度制御部34は、ヒータ32、温度センサ33それぞれに電気的に接続され、温度センサ33が検出した信号に基づいて、ヒータ32の温度を一定に調整するように構成されている。温度センサ33は、送風器31より下流側に配置され、送風器31により加熱された接着フィルム2の加熱温度を検出するようになっている。
まず、図1に示すように、切断する前の接着フィルム2を、搬送しつつ加熱機構3により加熱する。この場合、加熱機構3においては、温度制御部34により、ヒータ32の温度を一定に保持しつつ、ヒータ32を通した熱風を接着フィルム2に直接吹き付け、その一方で、接着フィルム2の加熱温度を検出し、その検出結果に基づいて、ヒータ32を接着フィルム2の加熱に適正な温度になるように制御している。このような加熱機構3を通過した接着フィルム2は、一定の加熱温度で均一に加熱される。
本発明者等による接着フィルム2の耐熱試験の結果、50℃の温度下で3分間加熱しても、接着フィルム2の特性に変化が見られなかったため、これより緩和された条件の下、ライン速度が1〜10m/minで走行する接着フィルムに対し、接着フィルムの加熱温度が25〜50℃になるようにすれば、加熱後の接着フィルム2の特性は保証される。
なお、剥離力を増加させるためのパラメータには、加熱温度の他に、加熱時間、熱風の吹き付け面積、切断するまでの放熱量等があり、このようなパラメータは、単位時間・単位面積当たりの給熱量(kJ/(m2・s))で総括される。
カバーフィルム23又はベースフィルム21(以下、適宜「カバーフィルム23等」ともいう)の剥離力は、切断の際に生じるせん断力に抗するためのパラメータであり、カバーフィルム23等が接着剤層から分離するのに要する力である。この剥離力は、加熱温度の場合と同様、シリコン膜厚等、種々の要因によって異なり、一義的に定まらないが、切断の際にせん断力を受けた場合、接着剤層上のカバーフィルム23等がずれたり分離したりしないような抵抗力であればよい。
図2に示すように、本実施形態の切断装置1Aは、上記第1実施形態の切断装置1と加熱機構(加熱手段)3Aのみが異なる。本実施形態の加熱機構3Aは、カッタ機構10の上流側に配置された機構であって、送風器31と、ヒータ32と、温度センサ33と、温度制御部34等から構成されている点では、上記第1実施形態の加熱機構3と同様であるが、この各構成部材の配置が異なっている。すなわち、送風器31は、搬送面αの上方側で、吐出口31aを上刃11に向けて上刃ユニット11Aを横切るように配置され、温度センサ33は、送風器31の下方にあって、上刃11と接着フィルム2とで形成される空隙部分(吹き溜り部分)βの近傍に配置され、送風器31により加熱された吹き溜り部分βの雰囲気温度を検出するようになっている。送風器31及び温度センサ33は、鉛直レール37に取り付けられ、カッタ機構10の切断面に対して上下方向に、それぞれ独立して平行移動するように構成されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図3に示すように、本実施形態の切断方法においては、接着フィルム2を、上刃11に熱風を直接吹き付けることにより加熱する点が主に異なっている。この場合、加熱機構3Aにおいては、温度制御部34により、ヒータ32の温度を一定に保持しつつ、ヒータ32を通した熱風を上刃11に直接吹き付けて上刃11を直接加熱し、この加熱された上刃11と共に吹き溜り部分βに溜めた熱風により接着フィルム2を間接的に加熱し、その一方で、吹き溜り部分βの雰囲気温度を検出し、その検出結果に基づいて、ヒータ32を接着フィルム2の加熱に適正な温度になるように制御している。このような加熱機構3Aを通過した接着フィルム2は、切断する直前で吹き溜り部分βの熱風により一定の加熱温度で均一に加熱される。その直後、加熱された接着フィルム2を、カッタ機構10に搬送し、加熱された上刃11で切断する。
例えば、本発明においては、接着フィルムを適正に加熱して切断の際に切断面の変形やカバーフィルム等の剥離を防止する観点から、剥離力を定量的に増加させるためのパラメータとして、「接着フィルムの加熱温度」を用いることが好ましいが、接着フィルムの加熱温度に間接的に寄与する「熱風の温度」や「加熱された上刃の温度」でもよく、剥離力を直接パラメータとしてもよい。剥離力をパラメータとする場合、加熱前の剥離力と加熱後の剥離力との比率を「剥離力の増加率」として表すこともできる。加熱後の剥離力の測定については、実際に測定することが困難であるため、シュミレーション解析等により擬似的に求めてもよい。
11 上刃(刃)
12 下刃(刃)
2 接着フィルム
21 ベースフィルム
22 接着剤層
23 カバーフィルム
3、3A 加熱機構(加熱手段)
31 送風器
32 ヒータ
33 温度センサ
34 温度制御部
Claims (6)
- 接着剤層がベースフィルム及びカバーフィルムで被覆された接着フィルムを、複数の刃に搬送して短冊状に切断する方法において、
前記接着フィルムを切断する前に、前記接着フィルムを加熱することにより、少なくとも前記カバーフィルムの剥離力を増加させることを特徴とする接着フィルムの切断方法。 - 前記接着フィルムに熱風を直接吹き付けることにより、前記接着フィルムを加熱することを特徴とする請求項1記載の接着フィルムの切断方法。
- 前記刃に熱風を直接吹き付けることにより、前記接着フィルムを加熱することを特徴とする請求項1記載の接着フィルムの切断方法。
- 前記接着剤層が熱硬化性樹脂を含む場合、前記接着フィルムの加熱温度を、前記接着剤層が硬化しない温度にすること特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の接着フィルムの切断方法。
- 接着剤層がベースフィルム及びカバーフィルムで被覆された接着フィルムを、複数の刃が回転するように構成されたカッタ機構に搬送することにより、短冊状に切断する接着フィルムの切断装置において、
前記カッタ機構の上流側には、前記接着フィルムを加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする接着フィルムの切断装置。 - 前記加熱手段は、ヒータで加熱された熱風を前記接着フィルム又は前記刃に吹き付ける送風器と、該送風器により加熱された前記接着フィルムの加熱温度を検出する温度センサと、該温度センサからの信号に基づいて前記ヒータの温度を調整する温度制御部とから構成されていることを特徴とする請求項5記載の接着フィルムの切断装置。
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