JP2009153365A - 埋込磁石型モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁極数がP極となるロータコア8の収容孔は、略径方向に延びる径方向収容孔8aと、径方向外側に凸となる略V字形状のV字収容孔8b(一対の磁石収容部8e)とが、それぞれP/2個形成されてなる。径方向収容孔8aの磁石9とその周方向の一方に隣り合う磁石収容部8eの磁石10とで1つの磁極が構成され、前記磁石9とその周方向の他方に隣り合う磁石収容部8eの磁石10とで異なる1つの磁極が構成される。コアシート11における径方向収容孔8aと対応したP/2個の積層前径方向収容孔は、磁石収容部8eと対応した積層前磁石収容部11aと連通した連通孔11bと、連通せず積層前磁石収容部11aとの間に内側ブリッジ部8hが形成されることになる独立孔11cとからなり、各径方向収容孔8aの軸方向の一部に独立孔11c(内側ブリッジ部8h)が配置される。
【選択図】図1
Description
そして、このような埋込磁石型モータとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この埋込磁石型モータにおけるロータコアの収容孔は、略径方向に延びる径方向収容孔と、径方向外側に凸となる略V字形状のV字収容孔とが、磁極数がP極に対して、それぞれP/2個形成されてなるとともにそれらが周方向に交互に形成されてなる。又、磁石は、前記径方向収容孔内に配設されるとともに、前記V字収容孔のV字を形成する各直線に対応した各磁石収容部内にそれぞれ配設される。そして、この埋込磁石型モータでは、径方向収容孔内に配設される磁石と、その周方向の一方に隣り合う磁石収容部内に配設される磁石とで1つの磁極が構成されるとともに、径方向収容孔内に配設される磁石と、その周方向の他方に隣り合う磁石収容部内に配設される磁石とで異なる1つの磁極が構成されるようになっている。
同構成によれば、磁気抵抗を小さくしてしまう(内側ブリッジ部が形成されることになる)独立孔をコアシートに1個としたため、全体的に磁気抵抗が最も大きくなり、漏れ磁束を最も低減することができる。
ステータ1は、全体的に略円筒状に形成され、外形を形成する円筒部3の内周面から周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティース4を有したステータコア5と、各ティース4にインシュレータ(図示略)を介して集中巻にて巻回された巻線6(図1中、一部のみ2点鎖線で図示)とを備える。尚、本実施の形態では、ティース4は、12個形成されている。
上記のように構成されるロータ2では、径方向収容孔8a内に配設される磁石9と、その周方向の一方(図1中、時計回り方向)に隣り合う磁石収容部8e内に配設される磁石10とで1つの磁極(例えばS極)が構成されるとともに、径方向収容孔8a内に配設される磁石9と、その周方向の他方(図1中、反時計回り方向)に隣り合う磁石収容部8e内に配設される磁石10とで異なる1つの磁極(例えばN極)が構成されている。
(1)径方向収容孔8aの軸方向の一部に独立孔11cが配置され、磁石収容部8e内に配置される各磁石10は内側ブリッジ部8hにて径方向内側への移動が規制される。そして、径方向収容孔8aの連通孔11bが配置される部分では(内側ブリッジ部8hが形成されず)磁石収容部8e内に配置される磁石10の径方向内側への移動が規制されないものの径方向内側において径方向収容孔8a内の磁石9と磁石収容部8e内の磁石10との間に空隙が形成されるため、該部分での磁気抵抗が大きくなり、漏れ磁束を低減することができる。尚、コアシート11に例えば打ち抜き加工等で連通孔11bと独立孔11cとを形成することは(例えば、磁石10の径方向内側への移動を規制するための小さい突出部を形成する場合に比べて)容易であるため、その製造が容易となる。又、内側ブリッジ部8hは、径方向内側及び外側に配置される大きな部分(コアシート11の一部)に径方向に沿って繋がっているため、(例えば、磁石10の径方向内側への移動を規制するための小さい突出部を形成した場合に比べて)磁石10の移動を規制する方向に薄くても強度が強く、ひいては薄くできる分、磁石10を長くすることができる。
(5)V字収容孔8bのV字を形成する各直線に対応した一対の磁石収容部8eがそれぞれ独立して形成されることで、一対の磁石収容部8e間における径方向外側に径方向に延びる収容部間ブリッジ部8lが形成されることになる。これにより、磁石収容部8eとロータコア8の外周面との間に形成される外側ブリッジ部8kが収容部間ブリッジ部8lと繋がるため、(磁石収容部8e同士を連通する頂部を有するもの(即ち収容部間ブリッジ部8lが形成されないもの)に比べて)ロータコア8の強度が高まり、その変形が防止される。又、特に、コアシート11単体においては、積層前磁石収容部11a同士が連通していると(連通する頂部を有すると)、その径方向内側と径方向外側の部分が、独立孔11cが形成される部分の内側ブリッジ部8hのみで接続されるため、その剛性が低く取り扱いが困難となる虞があるが、これに比べてコアシート11の強度が高まり、その変形が防止され、取り扱いが容易となる。
・上記実施の形態では、(内側ブリッジ部8hが形成されることになる)独立孔11cは、コアシート11に1個のみ形成されるとしたが、これに限定されず、コアシート11に独立孔11cを2個以上形成してもよい。尚、この場合、コアシート11に形成される連通孔11bは、(P/2)個から独立孔11cの数を引き算した数となる。又、この場合、独立孔11c(即ち内側ブリッジ部8h)をロータコアにおいて軸方向に定期的に存在するように配置することが望ましい。
このようにすると、径方向収容孔8aの軸方向の少なくとも一部に片側連通孔11dが配置される。よって、径方向収容孔8aの片側連通孔11dが配置される部分(軸方向の少なくとも一部)では周方向に隣り合う2つの磁石収容部8eの内の1つに配置される磁石10の径方向内側への移動が規制されないものの径方向内側において径方向収容孔8a内の磁石9と磁石収容部8e内の磁石10との間に空隙が形成されるため、該部分での磁気抵抗が大きくなり、漏れ磁束を低減することができる。尚、コアシート11に例えば打ち抜き加工等で片側連通孔11dを形成することは(例えば、磁石10の径方向内側への移動を規制するための小さい突出部を形成する場合に比べて)容易であるため、その製造が容易となる。又、内側ブリッジ部8hは、径方向内側及び外側に配置される大きな部分(コアシート11の一部)に径方向に沿って繋がっているため、(例えば、磁石10の径方向内側への移動を規制するための小さい突出部を形成した場合に比べて)磁石10の移動を規制する方向に薄くても強度を強く、ひいては薄くできる分、磁石10を長くすることができる。
このようにすると、各径方向収容孔8aに一方片側連通孔11eと他方片側連通孔11fとが配置されるため、径方向収容孔8aの径方向内側で周方向に隣り合う2つの磁石収容部8e内に配置される各磁石10はそれぞれ内側ブリッジ部8hにて径方向内側への移動が規制される。そして、積層前径方向収容孔の全てが片側連通孔(一方片側連通孔11eと他方片側連通孔11f)であるため、例えば、積層前径方向収容孔のいくつかを磁気抵抗を小さくしてしまう(周方向の両方に内側ブリッジ部が形成されることになる)独立孔11cとした場合に比べて、磁気抵抗が大きくなり、漏れ磁束を低減することができる。
このロータコア8(図10及び図12参照)を構成する図11に示すコアシート11は、上記実施の形態のコアシート11における独立孔11c(図2参照)が、長孔としての連通孔11bより径方向内側に短い短孔としての短独立孔11gとされている。
このようにすると、径方向収容孔の軸方向の一部に短孔(短独立孔11g)が配置されるため、該短孔にて磁石9の径方向内側への移動が規制される。そして、径方向収容孔8aの長孔(連通孔11b)が配置される部分では磁石9の径方向内側への移動が規制されないものの長孔の径方向内側端部が磁石9と(空隙を介して)離間するため、該部分での磁気抵抗が大きくなり(磁路が遠くなり)、漏れ磁束を低減することができる。
このロータコア8(図13及び図15参照)を構成する図14に示すコアシート11は、上記別例(図4〜図6参照)のコアシート11における独立孔11c(図5参照)の1つが、径方向内側に短い短孔としての短独立孔11gとされている。
このようにすると、上記別例(図4〜図6参照)の効果に加えて、短孔(短独立孔11g)による効果(上記別例(図10〜図12)の効果)を得ることができる。
このロータコア8(図16及び図18参照)を構成する図17に示すコアシート11は、上記別例(図7〜図9参照)のコアシート11における他方片側連通孔11f(図8参照)の1つが、径方向内側に短い短孔としての短他方片側連通孔11hとされている。
このようにすると、上記別例(図7〜図9参照)の効果に加えて、短孔(短他方片側連通孔11h)による効果(上記別例(図10〜図12)の効果)を得ることができる。
このロータコア8(図19及び図21参照)を構成する図20に示すコアシート11は、上記実施の形態のコアシート11における独立孔11c(図2参照)が、規制突出部11iが形成された突出連通孔11jとされている。詳しくは、突出連通孔11jは、径方向内側で周方向に隣り合う積層前磁石収容部11aと連通しているが、前記連通孔11bの空隙であった部分の径方向内側端部に、径方向収容孔8a内の磁石9の径方向内側への移動を規制すべく、且つ径方向収容孔8a内の磁石9と当接しない位置で磁石収容部8e内の磁石10の径方向内側への移動を規制すべく径方向外側に突出した規制突出部11iが形成されている。この例における規制突出部11iは、略台形状に形成されることで、軸方向から見たその各辺に、各磁石9,10の端面が軸方向から見て点ではなく線で当接することになる。
このようにすると、径方向収容孔8aの軸方向の一部に規制突出部11iが形成された突出連通孔11jが配置される。よって、径方向収容孔8aの突出連通孔11jが配置される部分(軸方向の一部)では、各磁石9,10の移動が規制されながらも前記内側ブリッジ部8hが形成されない(ロータコア8が径方向に繋がっていない)ため、該部分での磁気抵抗が大きくなり、漏れ磁束を低減することができる。尚、コアシート11に例えば打ち抜き加工等で突出連通孔11jを形成することは(例えば、磁石9,10の径方向内側への移動を規制するための小さい突出部を形成する場合に比べて)容易であるため、その製造が容易となる。
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(ハ)請求項1〜6、及び上記(イ)、(ロ)のいずれか1つに記載の埋込磁石型モータにおいて、前記V字収容孔のV字を形成する各直線に対応した一対の前記磁石収容部がそれぞれ独立して形成されることで、一対の前記磁石収容部間における径方向外側に径方向に延びる収容部間ブリッジ部が形成されたことを特徴とする埋込磁石型モータ。
Claims (6)
- コアシートが軸方向に積層されてなり軸方向に貫通する収容孔が周方向に複数形成されたロータコアを有し、磁極数がP極となるように前記収容孔内に磁石が配設されたロータを備えた埋込磁石型モータであって、
前記収容孔は、略径方向に延びる径方向収容孔と、径方向外側に凸となる略V字形状のV字収容孔とが、それぞれP/2個形成されてなるとともにそれらが周方向に交互に形成されてなり、
前記磁石は、前記径方向収容孔内に配設されるとともに、前記V字収容孔のV字を形成する各直線に対応した各磁石収容部内にそれぞれ配設され、
前記径方向収容孔内に配設される前記磁石と、その周方向の一方に隣り合う前記磁石収容部内に配設される前記磁石とで1つの磁極が構成されるとともに、前記径方向収容孔内に配設される前記磁石と、その周方向の他方に隣り合う前記磁石収容部内に配設される前記磁石とで異なる1つの磁極が構成されるものであって、
前記コアシートにおける前記径方向収容孔と対応したP/2個の積層前径方向収容孔は、径方向内側で周方向に隣り合う前記磁石収容部と対応した積層前磁石収容部と連通した連通孔と、前記積層前磁石収容部と連通せず該積層前磁石収容部との間に内側ブリッジ部が形成されることになる独立孔とを有するものであり、
前記ロータコアは、各前記径方向収容孔の軸方向の一部に前記独立孔が配置され、前記磁石収容部内に配置される各前記磁石が前記内側ブリッジ部にて径方向内側への移動が規制されるように前記コアシートが積層されてなることを特徴とする埋込磁石型モータ。 - 請求項1に記載の埋込磁石型モータにおいて、
前記独立孔は、前記コアシートに1個のみ形成されたことを特徴とする埋込磁石型モータ。 - コアシートが軸方向に積層されてなり軸方向に貫通する収容孔が周方向に複数形成されたロータコアを有し、磁極数がP極となるように前記収容孔内に磁石が配設されたロータを備えた埋込磁石型モータであって、
前記収容孔は、略径方向に延びる径方向収容孔と、径方向外側に凸となる略V字形状のV字収容孔とが、それぞれP/2個形成されてなるとともにそれらが周方向に交互に形成されてなり、
前記磁石は、前記径方向収容孔内に配設されるとともに、前記V字収容孔のV字を形成する各直線に対応した各磁石収容部内にそれぞれ配設され、
前記径方向収容孔内に配設される前記磁石と、その周方向の一方に隣り合う前記磁石収容部内に配設される前記磁石とで1つの磁極が構成されるとともに、前記径方向収容孔内に配設される前記磁石と、その周方向の他方に隣り合う前記磁石収容部内に配設される前記磁石とで異なる1つの磁極が構成されるものであって、
少なくとも1枚の前記コアシートにおける前記径方向収容孔と対応したP/2個の積層前径方向収容孔は、径方向内側で周方向に隣り合う2つの前記磁石収容部と対応した2つの積層前磁石収容部の内の1つと連通するとともに1つと連通せず該積層前磁石収容部との間に1つの内側ブリッジ部が形成されることになる片側連通孔を有するものであり、
前記ロータコアは、各前記径方向収容孔の軸方向の少なくとも一部に前記片側連通孔が配置されるように前記コアシートが積層されてなることを特徴とする埋込磁石型モータ。 - 請求項3に記載の埋込磁石型モータにおいて、
前記積層前径方向収容孔の全てが前記片側連通孔であって、
前記片側連通孔は、周方向の一方の前記積層前磁石収容部と連通する一方片側連通孔と、周方向の他方の前記積層前磁石収容部と連通する他方片側連通孔とからなり、
前記ロータコアは、各前記径方向収容孔に前記一方片側連通孔と前記他方片側連通孔とが配置されるように前記コアシートが積層されてなることを特徴とする埋込磁石型モータ。 - コアシートが軸方向に積層されてなり軸方向に貫通する収容孔が周方向に複数形成されたロータコアを有し、磁極数がP極となるように前記収容孔内に磁石が配設されたロータを備えた埋込磁石型モータであって、
前記収容孔は、略径方向に延びる径方向収容孔と、径方向外側に凸となる略V字形状のV字収容孔とが、それぞれP/2個形成されてなるとともにそれらが周方向に交互に形成されてなり、
前記磁石は、前記径方向収容孔内に配設されるとともに、前記V字収容孔のV字を形成する各直線に対応した各磁石収容部内にそれぞれ配設され、
前記径方向収容孔内に配設される前記磁石と、その周方向の一方に隣り合う前記磁石収容部内に配設される前記磁石とで1つの磁極が構成されるとともに、前記径方向収容孔内に配設される前記磁石と、その周方向の他方に隣り合う前記磁石収容部内に配設される前記磁石とで異なる1つの磁極が構成されるものであって、
少なくとも1枚の前記コアシートにおける前記径方向収容孔と対応したP/2個の積層前径方向収容孔は、径方向内側で周方向に隣り合う前記磁石収容部と対応した積層前磁石収容部と連通するとともに、径方向内側端部に、前記径方向収容孔内に配置される磁石の径方向内側への移動を規制すべく、且つ前記径方向収容孔内に配置される磁石と当接しない位置で前記磁石収容部内に配置される前記磁石の径方向内側への移動を規制すべく径方向外側に突出した規制突出部が形成された突出連通孔を有するものであり、
前記ロータコアは、各前記径方向収容孔の軸方向の少なくとも一部に前記突出連通孔が配置されるように前記コアシートが積層されてなることを特徴とする埋込磁石型モータ。 - 請求項5に記載の埋込磁石型モータにおいて、
前記突出連通孔は、前記コアシートに1個のみ形成され、
他の前記積層前径方向収容孔は、径方向内側で周方向に隣り合う前記積層前磁石収容部と連通するとともに前記規制突出部の部分が空隙とされた連通孔であることを特徴とする埋込磁石型モータ。
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