図2は、本発明に係る画像処理装置の概略構成図である。
本実施例の画像処理装置10は、図2に示されるように、パーソナルコンピュータ11、モニタ12、マウス13及びキーボード14から構成され、カラープリンタ15が接続される。この画像処理装置10を利用して、表示装置としてのモニタ12に表示されたカラー画像の画像データを色変換して出力し、出力装置としてのカラープリンタ15により印刷させることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
本実施例の画像処理装置10は、図1に示されるように、表示部20、選択入力部21、画像データ入力部22、画像データ記憶部23、指定部24、判定式記憶部25、プロファイルデータ記憶部26、プロファイルロード部27、色判定変換部28、印刷データ送信部29及び制御部30を備えている。
表示部20は、表示装置としてのモニタ12を含んで構成され、カラー画像や各種ユーザインタフェース画面等を表示する。
選択入力部21は、マウス13及びキーボード14を含んで構成され、ユーザの操作に基づいて、各種入力情報や選択情報の入力を行う。ユーザは、例えば、印刷処理に利用するプリンタに関する設定や、入力色空間における無彩色域の指定(後述)のために、表示部20に表示されたユーザインタフェース画面を見ながら、マウス13或いはキーボード14を操作する。そして、選択入力部21が、この操作に基づいて、各種入力情報や選択情報を制御部30に入力する。
画像データ入力部22は、入力部として、表示部20に表示されたカラー画像の画像データや、図示せぬインタフェース部を介してイメージスキャナやデジタルカメラ等から受信した画像データを、入力画像データとして入力する。この入力画像データは、カラー画像の各画素に対応する入力画素信号からなるビットマップデータであり、画像データ記憶部23に入力されて記憶される。以下、入力画像データに対応するカラー画像を、入力画像と記す。
画像データ記憶部23は、揮発性メモリからなり、画像データ入力部22により入力された入力画像データを記憶する。
指定部24は、選択入力部21による入力に基づき、入力色空間における無彩色域を指定する機能を有し、図1に示されるように、色数指定部31及び判定式指定部32を有する。ここで、入力色空間とは、入力側における色再現領域を含む色空間であり、例えばRGBやCMYK、L*a*b*等が挙げられる。また、無彩色域は、色再現領域のうち無彩色と判定される色域を示す。
色数指定部31は、入力色空間の原色数としての色数を指定する機能を有する。ここで、色数とは、色空間を構成する色信号の数である。例えば、パーソナルコンピュータのモニタで多用されるRGB色空間では、光の三原色R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色信号を用いて、各色が再現される。したがって、RGB色空間の色数は「3」となる。また、プリンタ等で使用されるCMYK色空間では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の四色のトナー或いはインクを重ねることにより、各色が再現される。したがって、CMYK色空間の色数は「4」である。
色数指定部31による色数の指定は、表示部20に表示された色数指定画面を介して実行される。
図3は、色数指定画面の構成を示す説明図である。
色数指定画面40は、図3に示されるように、色数を入力するための色数入力領域41を有している。また、色数指定画面40には、色数の指定実行を選択するための「OK」ボタン42と、指定実行の中止を選択するための「キャンセル」ボタン43とが設けられている。
色数指定画面40において、ユーザがマウス13やキーボード14を操作して、色数入力領域41に例えば「3」を入力し、「OK」ボタン42を押下すると、選択入力部21は、色数を指定するための色数指定情報として、「3」を制御部30に入力する。そして、色数指定部31が、制御部30の制御に基づき、入力された色数指定情報「3」を、入力色空間の色数Nとして指定し、判定式指定部32に通知する。
判定式指定部32は、無彩色判定式を指定する機能を有する。無彩色判定式は、複数の無彩色判定構成式及び構成式間論理式を含み、後述するように、入力画像を構成する各画素が無彩色画素であるか否かを判定するために、色判定変換部28により利用される。
無彩色判定構成式は、本実施例では、条件式Li≦ai1x1+ai2x2+・・・+aiNxN≦Hiの形で指定される。ここで、それぞれの記号に付される添字iは、判定式指定部32により該無彩色判定構成式に付与される識別番号であり、また、添字Nは、色数指定部31から通知された色数指定情報であり、入力色空間の色数に対応している。
無彩色判定構成式において、x1,x2・・・xNは、判定処理の対称となる画素に対応する入力画素信号に含まれる入力色信号値である。例えば、色数N=3の場合、ビットマップデータとして画像データ入力部22により入力される入力画像データは、各画素に対応する入力画素信号(x1,x2,x3)から構成される。上記した無彩色判定構成式は、これらの入力色信号値に対する条件式となっている。ここで、記号ai1,ai2・・・aiNは、各入力色信号値x1,x2・・・xNに対して指定される重み係数である。判定式指定部32は、この無彩色判定構成式により、各入力画素信号に含まれる入力色信号値x1,x2・・・xNに対して、その一次結合式ai1x1+ai2x2+・・・+aiNxNと、該一次結合式に対する下限値Li及び上限値Hiとを指定する。
また、構成式間論理式は、例えば「1AND2」や「1OR2」のように、各無彩色判定構成式に付与される識別番号i=1、2・・・と、各無彩色判定構成式間の結合関係を示す「AND」や「OR」等の論理演算子とを含んで形成される。ここで、「1AND2」は、識別番号i=1及び2の各無彩色判定構成式を何れも満たすという条件を意味し、「1OR2」は、識別番号i=1及び2の各無彩色判定構成式の少なくとも何れか1つを満たすという条件を意味している。
判定式指定部32による無彩色判定式の指定は、表示部20に表示された判定式指定画面を介して実行される。
図4は、判定式指定画面の構成を示す説明図である。
判定式指定画面44は、図4に示されるように、識別番号iが表示される識別番号表示領域45を有すると共に、該識別番号iが付与される無彩色判定構成式に対応して、下限値Liを入力するための下限値入力領域46と、上限値Hiを入力するための上限値入力領域47と、重み係数ai1,ai2・・・aiNを入力するための係数入力領域48−1、48−2・・・とを有する。また、判定式指定画面44には、該識別番号iに対応する無彩色判定構成式の登録を選択するための「登録」ボタン49が設けられ、更に、登録済の無彩色判定構成式の一覧を表示するための一覧表示領域50が表示されている。
例えば、識別番号表示領域45に識別番号iとして「1」が表示された状態で、下限値入力領域46に下限値L1として「−1」が、上限値入力領域47に上限値H1として「1」が、それぞれ入力されると共に、各係数入力領域48−1、48−2、48−3に、重み係数a11、a12、a13として、「1」、「−1」、「0」がそれぞれ入力された後、「登録」ボタン49が押下されると、識別番号「1」と、該識別番号「1」に対応する無彩色判定構成式「(−1)≦(1)×x1+(−1)×x2+(0)×x3≦(1)」とが、一覧表示領域50に表示される(図4)。また、識別番号表示領域45に表示される識別番号iは、「1」から「2」に変更される(図4)。
更に、判定式指定画面44には、図4に示されるように、構成式間論理式を入力するための論理式入力領域51が設けられている。また、判定式指定画面44は、一覧表示領域50に表示された各無彩色判定構成式と、論理式入力領域51に入力された構成式間論理式とを、無彩色判定式として指定すべく、指定実行を選択するための「OK」ボタン52と、指定実行の中止を選択するための「キャンセル」ボタン53と、無彩色判定式の指定及び該無彩色判定式のファイル保存を選択するための「ファイル保存」ボタン54とを、それぞれ有している。
例えば、一覧表示領域50に、識別番号「1」及び該識別番号「1」に対応する無彩色判定構成式「(−1)≦(1)×x1+(−1)×x2+(0)×x3≦(1)」と、識別番号「2」及び該識別番号「2」に対応する無彩色判定構成式「(−1)≦(0)×x1+(1)×x2+(−1)×x3≦(1)」とが表示された状態で、論理式入力領域51に、構成式間論理式として「1AND2」が入力され、「OK」ボタン52が押下されると、判定式指定部32は、これら2つの無彩色判定構成式と構成式間論理式「1AND2」とを、無彩色判定式として指定し、判定式記憶部25へ送る。
尚、上記した無彩色判定式は、入力画素信号(x1,x2,x3)に含まれる各入力色信号値x1、x2及びx3が、識別番号「1」に対応する無彩色判定構成式「−1≦x1−x2≦1」と、識別番号「2」に対応する無彩色判定構成式「−1≦x2−x3≦1」とを共に満たす場合に、該入力画素信号に対応する画素が無彩色画素と判定されることを示す。また、無彩色判定式に含まれる論理式が「1OR2」であった場合、各入力色信号値x1、x2及びx3が、上記した2つの無彩色判定構成式のうち何れか1つでも満たす場合に、該入力画素信号に対応する画素が無彩色画素と判定されることを示す。
判定式記憶部25は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリからなり、判定式指定部32により指定された無彩色判定式が記憶される記憶領域である。ここで、判定式記憶部25において、揮発性メモリからなる記憶領域を一時記憶領域とし、不揮発性メモリからなる記憶領域をファイル保存領域とする。判定式指定画面44(図4)において、「OK」ボタン52が押下された場合、判定式指定部32は、指定された無彩色判定式を一時記憶領域に記憶させる。また、判定式指定画面44(図4)において、「ファイル保存」ボタン54が押下された場合、判定式指定部32は、指定された無彩色判定式をファイル保存領域にファイル保存させる。
プロファイルデータ記憶部26は、不揮発性メモリからなり、各種のプロファイルデータが予め記憶される記憶領域である。プロファイルデータ記憶部26には、例えばモニタ12やカラープリンタ15等の各出力装置の色再現領域に対応するプロファイルデータが、該出力装置の装置識別情報と、該プロファイルデータのプロファイル名とに対応させて、それぞれ記憶されている。
プロファイルロード部27は、制御部30から通知されたプロファイル名に基づいて、入力側の色再現領域に対応するプロファイルデータ、即ち入力プロファイルを、プロファイルデータ記憶部26から読み出してロードする。また、プロファイルロード部27は、制御部30から通知された装置識別情報に基づいて、出力側の色再現領域に対応するプロファイルデータ、即ち出力プロファイルを、プロファイルデータ記憶部26から読み出してロードする。そして、プロファイルロード部27は、ロードされた入力プロファイル及び出力プロファイルに基づいて、色変換処理のためのルックアップテーブルを生成する。このルックアップテーブルは、入力色空間における色信号と出力色空間における色信号との対応関係を格納するテーブルであり、後述する色判定変換部28による色変換処理実行時に参照される。
色判定変換部28は、入力画像データを色変換して変換画像データを生成する機能を有し、図1に示されるように、無彩色判定部33、判定結果記憶部34、色変換部35、黒生成部36及び変換画像データ記憶部37を有する。
色判定変換部28の無彩色判定部33、色変換部35及び黒生成部36により実行される各処理は、入力画像を構成する全ての画素に対して、主走査方向及び副走査方向に沿って順に実施される。ここで、各画素の入力画像における位置を示す位置情報を、該画素の主走査方向及び副走査方向の位置に基づいて(j,k)と記すこととする。ただし、j=1,2・・・、k=1,2・・・である。また、この位置(j,k)に対応する画素を、画素(j,k)と記すこととする。
無彩色判定部33は、判断部及び判定部として、入力画像を構成する各画素に対して、該画素が無彩色画素であるか否かを判定する機能を有する。
無彩色判定部33は、各入力画素信号に含まれる入力色信号値が、各無彩色判定構成式を満たすか否かを判定する。無彩色判定部33は、画像データ記憶部23に記憶されている入力画像データから、判定対象となる画素(j,k)に対応する入力画素信号(x1,x2,・・・,xN)の各入力色信号値x1,x2・・・xNを読み出して、これらの入力色信号値が判定式記憶部25に記憶されている各無彩色判定構成式を満たすか否かを判定する。そして、無彩色判定部33は、この判定結果を、各無彩色判定構成式の識別番号iと、判定対象画素の位置情報(j,k)とに対応させて、判定結果記憶部34に記憶させる。
判定結果記憶部34は、揮発性メモリからなり、無彩色判定部33による判定結果が記憶される記憶領域である。図5に、判定結果記憶部の一例を示す。
判定結果記憶部34には、図5に示されるように、各画素の位置を示す位置情報(j,k)と、各無彩色判定構成式の識別番号iとに対応させて、無彩色判定部33による判定結果が、「1」或いは「0」として記憶される。ここで、判定結果のデータ「1」は真、即ち対応する入力画素信号の各入力色信号値が、対応する無彩色判定構成式を満たすことを意味し、データ「0」は偽、即ち対応する入力画素信号の各入力色信号値が、対応する無彩色判定構成式を満たさないことを意味する。
例えば、図5において、位置情報(1,1)に対応する画素に対する判定結果は、識別番号i=1に対して「1」、i=2に対して「0」、i=3に対して「1」となっている。これは、この画素に対応する入力画素信号の各入力色信号値が、識別番号i=1及び3が付与された各無彩色判定構成式を満たすが、識別番号i=2が付与された無彩色判定構成式を満たさないことを示している。
また、無彩色判定部33は、判定式記憶部25から構成式間論理式を読み出して、該構成式間論理式と、判定結果記憶部34に記憶されている判定結果とに基づいて、各画素が無彩色画素であるか否かの判定を行う。無彩色判定部33は、この判定結果を、該画素の位置情報(j,k)に対応させて、判定結果記憶部34に記憶させる。
色変換部35は、入力画像データを構成する各入力画素信号の入力色信号値を、出力色空間における有彩色信号値に色変換する。本実施例では、カラープリンタ15による出力色空間としてCMYK色空間が採用される。ここで、CMYK値のうち、CMY値が有彩色信号値に対応し、K値が無彩色信号値となる。本実施例の色変換部35は、以下のように、各入力色信号値をCMY値に変換する。
色変換部35は、画像データ記憶部23に記憶されている入力画像データから、変換対象となる画素(j、k)に対応する入力画素信号の各入力色信号値を読み出す。そして、色変換部35は、プロファイルロード部27により作成されたルックアップテーブルを参照して、これらの入力色信号値をCMY値に変換する。即ち、色数Nの入力色空間において生成された入力画素信号(x1,x2,・・・,xN)が、CMY空間における変換画素信号(C,M,Y)に変換される。変換して得られた各変換画素信号(C,M,Y)からなる変換画像データは、変換画像データ記憶部37に記憶される。
黒生成部36は、各画素に対応する変換画素信号(C,M,Y)に基づいて、無彩色信号値Kを生成し、変換画素信号(C,M,Y)を出力画素信号(C´,M´,Y´,K)に変換する。
黒生成部36は、判定結果記憶部34から、対称となる画素(j,k)が無彩色画素であるか否かの判定結果を読み出す。そして、画素(j,k)が無彩色画素であった場合、黒生成部36は、該画素に対応して変換画像データ記憶部37に記憶されている変換画素信号(C,M,Y)の変換色信号値としてのCMY値を、C=M=Yとなるように変換する。即ち、黒生成部36は、CMY値の平均値A=(C+M+Y)/3を計算し、変換画素信号が(A,A,A)となるように、変換画像データ記憶部37に記憶されている各変換色信号値を平均値Aに置換する。
また、黒生成部36は、各変換画素信号を、CMY値からCMYK値へ変換する。即ち、黒生成部36は、変換画像データ記憶部37に記憶されている変換画素信号(C,M,Y)の変換色信号値C、M、Yから、無彩色信号値Kを生成する。そして、変換画素信号(C,M,Y)を、このK値を含むCMYK値からなる出力画素信号(C´,M´,Y´,K)に変換する。変換して得られた各出力画素信号からなる出力画像データは、変換画像データ記憶部37に記憶される。
変換画像データ記憶部37は、揮発性メモリからなり、変換画像データや出力画像データ等のビットマップデータを記憶する記憶領域である。変換画像データ記憶部37には、色変換部35により生成された変換画素信号(C,M,Y)の変換色信号値としてのCMY値や、黒生成部36により生成された出力画素信号(C´,M´,Y´,K)の出力色信号値としてのCMYK値が記憶される。
印刷データ送信部29は、制御部30から印刷データの送信指示と、送信先のプリンタを指定するための装置識別情報とを受け取ると、変換画像データ記憶部37から出力画像データを読み出す。そして、印刷データ送信部29は、該出力画像データを、送信先のプリンタに対応するフォーマットに変換して、印刷データを生成し、該印刷データを指定されたプリンタへ送信する。
制御部30は、図示されない一時記憶部を有し、上記した各部を制御する機能を有する。
カラープリンタ15は、画像処理装置10に接続される出力装置として、装置識別情報としてのプリンタ名「カラープリンタP」を有し、画像処理装置10から受信した印刷データに基づいて、CMYKの各色トナーを用いてカラー印刷を行う。
次に、本実施例の画像処理装置10の動作について、説明する。
ここでは、モニタ12に表示されたカラー画像をカラープリンタ15により印刷させる場合の画像処理装置10の動作について、説明する。
まず、画像処理装置10において、入力色空間と該入力色空間における無彩色域とを指定するために、入力色空間に対応する入力プロファイルが指定されると共に、無彩色判定式が設定される場合の処理の流れについて、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、本発明に係る画像処理装置の実施例1における判定式設定動作を示すフローチャート(その1)であり、図7は、本発明に係る画像処理装置の実施例1における判定式設定動作を示すフローチャート(その2)である。
ここでは、入力色空間としてRGB色空間が指定され、該RGB色空間における無彩色域を指定するための無彩色判定式として、3つの無彩色判定構成式「−1≦R−G≦1」、「−1≦G−B≦1」、「−1≦−R+B≦1」と、1つの構成式間論理式「1AND2AND3」とが設定される場合を例に、説明を行う。なお、R、G、Bは、それぞれ、RGBの各色信号に対応する入力色信号値であり、入力画像データを構成する各入力画素信号は、(x1,x2,x3)=(R,G,B)の形式で入力されるものとする。
画像処理装置10において、表示部20が、制御部30の制御に基づき、入力プロファイル及び無彩色判定式を指定するためのカラー設定画面を表示する(ステップS101)。
図8は、カラー設定画面の構成を示す説明図である。
カラー設定画面60は、図8に示されるように、入力プロファイルを選択するための入力プロファイル選択領域61を有する。また、カラー設定画面60には、無彩色判定式の作成を選択するための「判定式作成」ボタン62と、無彩色判定式のファイル指定を選択するための「ファイル指定」ボタン63と、ファイル指定する無彩色判定式のファイル名を選択するための判定式ファイル選択領域64とが設けられている。更に、カラー設定画面60には、選択された入力プロファイルの指定を実行するための「適用」ボタン65と、入力プロファイルの指定を中止するための「キャンセル」ボタン66とが表示されている。
無彩色判定式を作成して設定させる場合、ユーザは、選択入力部21を操作して、「判定式作成」ボタン62を押下する。この押下に基づき、選択入力部21は、無彩色判定式の作成を要求するための式作成要求を、制御部30に入力する(ステップS102)。
式作成要求が入力される(ステップS102)と、制御部30は、表示部20を制御して、色数指定画面40(図3)を表示させる(ステップS103)。
この色数指定画面40において、ユーザは、RGB色空間を入力色空間として指定するために、選択入力部21を操作して、色数入力領域41に色数「3」を入力させて、「OK」ボタン42を押下する。「OK」ボタン42が押下されると、選択入力部21は、制御部30を介して色数指定部31に、色数指定情報N=3を入力する(ステップS104)。色数指定部31は、入力された色数指定情報N=3を、判定式指定部32に通知する。
判定式指定部32は、通知された色数指定情報に基づき、無彩色判定式を指定するための判定式指定画面44を表示部20に表示させるべく、制御部30に該画面の表示指示を送る。制御部30は、この表示指示に基づき、通知された色数指定情報Nと同数の3つの係数入力領域48−1〜3を有する判定式指定画面44(図4)を、表示部20に表示させる(ステップS105)。
判定式指定画面44において、識別番号表示領域45には、無彩色判定構成式の識別番号iとして「1」が表示されている。ユーザは、選択入力部21を操作して、下限値入力領域46に下限値L1として「−1」を、上限値入力領域47に上限値H1として「1」を入力させる。また、係数入力領域48−1、48−2、48−3に重み係数a11、a12、a13として、それぞれ「1」、「−1」、「0」を入力させる。そして、ユーザは、選択入力部21を操作して、「登録」ボタン49を押下する。
「登録」ボタン49が押下されると、選択入力部21は、無彩色判定構成式の登録を要求するための式登録要求と、識別番号iと、入力情報Li、Hi、ai1、ai2及びai3とを、制御部30に入力する(ステップS106)。選択入力部21は、式登録要求と、識別番号i=1と、入力情報L1=−1、H1=1、a11=1、a12=−1及びa13=0とを入力する(ステップS106)。
式登録要求が入力されると、制御部30の制御に基づき、入力された識別番号iと入力情報Li、Hi、ai1、ai2及びai3とに基づいて、識別番号iを付与された無彩色判定構成式「(Li)≦(ai1)×x1+(ai2)×x2+(ai3)×x3≦(Hi)」が登録される(ステップS107)。即ち、判定式指定画面44の一覧表示領域50に、識別番号及び無彩色判定構成式「i:(Li)≦(ai1)×x1+(ai2)×x2+(ai3)×x3≦(Hi)」が、追加表示される。図4において、判定式指定画面44の一覧表示領域50には、「1:(−1)≦(1)×x1+(−1)×x2+(0)×x3≦(1)」が表示されている。また、識別番号iがi+1に更新され、判定式指定画面44の識別番号表示領域45には、識別番号「2」が表示される(ステップS107)。
続いて、ユーザは、選択入力部21を操作して、下限値入力領域46に下限値L2として「−1」を、上限値入力領域47に上限値H2として「1」を入力させ、係数入力領域48−1、48−2、48−3に重み係数a21、a22、a23として、それぞれ「0」、「1」、「−1」を入力させた後、「登録」ボタン49を押下する。
選択入力部21により、式登録要求と、識別番号i=2と、入力情報L2=−1、H2=1、a21=0、a22=1及びa23=−1とが入力される(ステップS106)と、判定式指定画面44の一覧表示領域50には、上記した識別番号i=1に対応する表示に加えて、更に、「2:(−1)≦(0)×x1+(1)×x2+(−1)×x3≦(1)」が表示される(ステップS107)。また、識別番号表示領域45には、識別番号iとして「3」が表示される(ステップS107)。
更に、ユーザは、選択入力部21を操作して、下限値入力領域46に下限値L3として「−1」を、上限値入力領域47に上限値H3として「1」を入力させ、係数入力領域48−1、48−2、48−3に重み係数a31、a32、a33として、それぞれ「−1」、「0」、「1」を入力させた後、「登録」ボタン49を押下する。
選択入力部21により、式登録要求と、識別番号i=3と、入力情報L3=−1、H3=1、a31=−1、a32=0及びa33=1とが入力される(ステップS106)と、判定式指定画面44の一覧表示領域50には、上記した識別番号i=1及び2に対応する表示に加えて、更に、「3:(−1)≦(−1)×x1+(0)×x2+(1)×x3≦(1)」が表示される(ステップS107)。また、識別番号表示領域45には、識別番号iとして「4」が表示される(ステップS107)。
次に、ユーザは、選択入力部21を操作して、構成式間論理式として「1AND2AND3」を、論理式入力領域51に入力させた後、「OK」ボタン52或いは「ファイル保存」ボタン54を押下する。
判定式指定画面44において、「OK」ボタン52が押下されると、選択入力部21は、一覧表示領域50に表示された各無彩色判定構成式と、論理式入力領域51に表示された構成式間論理式とを、無彩色判定式として指定すべく、式指定要求を入力する(ステップS108)。また、選択入力部21は、各無彩色判定構成式及び構成式間論理式に関する入力情報を、制御部30を介して判定式指定部32に入力する。
判定式指定部32は、式指定要求の入力に基づき、各無彩色判定構成式及び構成式間論理式を無彩色判定式として指定し、判定式記憶部25の一時記憶領域に記憶させる(ステップS109)。
判定式指定画面44において、「ファイル保存」ボタン54が押下されると、選択入力部21は、一覧表示領域50に表示された各無彩色判定構成式と、論理式入力領域51に表示された構成式間論理式とを、無彩色判定式として指定し、且つファイル保存すべく、式指定保存要求を入力する(ステップS110)。また、選択入力部21は、各無彩色判定構成式及び構成式間論理式に関する入力情報を、制御部30を介して判定式指定部32に入力する。
判定式指定部32は、式指定保存要求の入力に基づき、各無彩色判定構成式及び構成式間論理式を無彩色判定式として指定し、該無彩色判定式を含む判定式ファイルを生成する。そして、判定式指定部32は、該判定式ファイルにファイル名を付与して、判定式記憶部25のファイル保存領域に記憶させる(ステップS111)。
無彩色判定式が指定される(ステップS111、S113)と、表示部20は、カラー設定画面60(図8)を再度表示する(ステップS101)。
カラー設定画面60において、予めファイル保存済の無彩色判定式を指定する場合、ユーザは、選択入力部21を操作して、判定式ファイル選択領域64に所望の判定式ファイルのファイル名を表示させた後、「ファイル指定」ボタン63を押下する。この押下に基づき、選択入力部21は、判定式ファイルの指定を要求するためのファイル指定要求と、判定式ファイル選択領域64に表示されたファイル名を示すファイル名情報とを、制御部30を介して判定式指定部32に入力する(ステップS112)。
ファイル指定要求が入力される(ステップS112)と、判定式指定部32は、入力されたファイル名情報に基づき、判定式記憶部25から判定式ファイルを読み出し、該判定式ファイルに記憶されている無彩色判定構成式及び構成式間論理式を、無彩色判定式として指定する(ステップS113)。
無彩色判定式が指定される(ステップS113)と、表示部20は、カラー設定画面60(図8)を再度表示する(ステップS101)。
次に、ユーザは、入力プロファイルの指定を行うべく、選択入力部21を操作して、入力プロファイル選択領域61に所望の入力プロファイル、即ちRGB色空間に対応する入力プロファイルのプロファイル名を選択して表示させた後、「適用」ボタン65を押下する。この押下に基づき、選択入力部21は、入力プロファイルの指定を要求するための入力プロファイル指定要求と、入力プロファイル選択領域61に表示されたプロファイル名とを、制御部30に入力する(ステップS114)。
入力プロファイル指定要求及びプロファイル名が入力されると、制御部30は、入力プロファイルを指定して、該プロファイル名を記憶する(ステップS115)。これにより、画像処理装置10における判定式設定処理が終了する。
上記のように、画像処理装置10において、入力プロファイルが指定され、無彩色判定式が設定される。
ユーザは、無彩色判定構成式の重み係数を調整することにより、所望の色空間を入力色空間として指定可能となると共に、上下限値を調整することにより、該入力色空間において、従来、無彩色域とされる色域のみならず、該色域に含まれない色に対しても、無彩色と設定させることができる。
次に、入力画像を構成する各画素に対して、該画素が無彩色画素であるか否かを判定する場合の画像処理装置10の動作について、説明する。
図9は、本発明に係る画像処理装置の実施例1における無彩色判定動作を示すフローチャートである。
ここでは、上記したように、3つの無彩色判定構成式「−1≦R−G≦1」、「−1≦G−B≦1」、「−1≦−R+B≦1」及び1つの構成式間論理式「1AND2AND3」からなる無彩色判定式が予め指定されている場合を例に、説明を行う。
画像処理装置10において、画像データ記憶部23には、各画素(j,k)(j=1,2・・・、k=1,2・・・)に対応する入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)からなる入力画像データが、入力されて記憶されている。無彩色判定部33は、画素(j,k)に対する無彩色判定処理を行うべく、画像データ記憶部23から、該画素に対応する入力色信号値Rjk,Gjk,Bjkを読み出す(ステップS201)。無彩色判定部33は、例えば、入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)=(100,100,101)に対応する入力色信号値Rjk=100、Gjk=100、Bjk=101を読み出す(ステップS201)。
続いて、無彩色判定部33は、判定式記憶部25から識別番号i=1に対応する無彩色判定構成式「−1≦R−G≦1」を読み出し、入力色信号値Rjk,Gjk,Bjkがこの無彩色判定構成式を満たすか否かを判定する(ステップS202)。Rjk−Gjk=100−100=0であるので、無彩色判定部33は、画素(j,k)が識別番号i=1に対応する無彩色判定構成式を満たすと判定する(ステップS202)。
次に、無彩色判定部33は、この判定結果を判定結果記憶部34に記憶させる(ステップS203)。判定結果記憶部34には、判定対象画素の位置情報(j,k)と、無彩色判定構成式の識別番号i=1に対応して、判定結果「1」が記憶される(ステップS203)。ステップS202において、該画素が識別番号i=1の無彩色判定構成式を満たさないと判定された場合、判定結果記憶部34には、位置情報(j,k)と識別番号i=1とに対応して、判定結果「0」が記憶される(ステップS203)。
続いて、無彩色判定部33は、識別番号i=2に対応する無彩色判定構成式が判定式記憶部25に設定されているか否かを判断する(ステップS204)。設定されていると判断すると、無彩色判定部33は、この無彩色判定構成式「−1≦G−B≦1」を読み出して、入力色信号値Rjk,Gjk,Bjkが該無彩色判定構成式を満たすか否かを判定する(ステップS202)。Gjk−Bjk=100−101=−1であるので、無彩色判定部33は、画素(j,k)が識別番号i=2に対応する無彩色判定構成式を満たすと判定する(ステップS202)。
そして、無彩色判定部33は、この判定結果を判定結果記憶部34に記憶させる(ステップS203)。判定結果記憶部34には、判定対象画素の位置情報(j,k)と、無彩色判定構成式の識別番号i=2とに対応して、判定結果「1」が記憶される(ステップS203)。
次に、無彩色判定部33は、識別番号i=3に対応する無彩色判定構成式が判定式記憶部25に設定されているか否かを判断する(ステップS204)。設定されていると判断すると、無彩色判定部33は、この無彩色判定構成式「−1≦−R+B≦1」を読み出して、入力色信号値Rjk,Gjk,Bjkが該無彩色判定構成式を満たすか否かを判定する(ステップS202)。−Rjk+Bjk=−100+101=1であるので、無彩色判定部33は、画素(j,k)が識別番号i=3に対応する無彩色判定構成式を満たすと判定する(ステップS202)。
続いて、無彩色判定部33は、この判定結果を判定結果記憶部34に記憶させる(ステップS203)。判定結果記憶部34には、判定対象画素の位置情報(j,k)と、無彩色判定構成式の識別番号i=3とに対応して、判定結果「1」が記憶される(ステップS203)。
次に、無彩色判定部33は、識別番号i=4に対応する無彩色判定構成式が判定式記憶部25に設定されているか否かを判断する(ステップS204)。判定式記憶部25には、識別番号i=1〜3の無彩色判定構成式が設定され、i=4の無彩色判定構成式は設定されていないので、無彩色判定部33は、設定されていないと判断する(ステップS204)。
未判定の無彩色判定構成式が設定されていないと判断する(ステップS204)と、無彩色判定部33は、判定式記憶部25から構成式間論理式を読み出す。そして、無彩色判定部33は、判定対象の画素(j,k)に対応して判定結果記憶部34に記憶されている各判定結果が、該構成式間論理式を満たすか否かを判定する(ステップS205)。判定結果記憶部34に記憶されている判定結果は、識別番号i=1〜3に対して全て「1」となっているので、無彩色判定部33は、該画素(j,k)に対応する入力色信号値が、構成式間論理式「1AND2AND3」を満たすと判定する(ステップS205)。
この判定結果に基づき、無彩色判定部33は、該画素(j,k)が無彩色画素であると判定する(ステップS206)。そして、無彩色判定部33は、無彩色画素であるとの判定結果を、判定結果記憶部34に記憶させる(ステップS207)。これにより、画素(j,k)に対する無彩色判定処理が終了する。
上記のように、各画素の入力色信号値と、ユーザの指定に基づき設定された無彩色判定式とに基づき、該画素が無彩色画素であるか否かが判定され、判定結果が判定結果記憶部34に記憶される。
なお、ステップS205において、何れかの判定結果が「0」となっている場合、無彩色判定部33は、該画素に対応する入力色信号値が、構成式間論理式「1AND2AND3」を満たさないと判定する(ステップS205)。この判定結果に基づき、無彩色判定部33は、該画素が無彩色画素ではないと判定し(ステップS208)、判定結果を判定結果記憶部34に記憶させる(ステップS207)。
次に、画像処理装置10において、入力画像データの各入力画素信号を、出力画素信号に色変換する処理の流れについて、図10に沿って説明する。
図10は、本発明に係る画像処理装置の実施例1における色変換動作を示すフローチャートである。
ここでは、RGB色信号からCMYK色信号への色変換処理が実行される場合を例に、説明を行う。
画像処理装置10において、画像データ記憶部23には、モニタ12に表示された入力画像を構成する全ての画素(j,k)に対応して、各入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)が、入力画像データとして記憶されている。制御部30が、この入力画像データを色変換すべく色変換指示を色判定変換部28に送ると、無彩色判定部33が、画像データ記憶部23から各画素(j,k)に対応する入力色信号値Rjk,Gjk,Bjkを、主走査方向(j=1、2・・・)及び副走査方向(k=1、2・・・)に沿って順に読み出し、該入力色信号値及び無彩色判定式に基づく無彩色判定処理を、図9で説明した手順で実行する(ステップS301)。各画素に対する判定結果は、判定結果記憶部34に記憶される(ステップS301)。
未判定の画素が有る(ステップS302)場合、無彩色判定部33は、該画素に対する無彩色判定処理を実行する(ステップS301)。そして、全ての画素に対する無彩色判定処理が完了する(ステップS302)と、色変換部35が、各画素(j,k)に対して、入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)のRGB値をCMY値に変換して、変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)を生成する(ステップS303)。色変換部35は、プロファイルロード部27により作成されたルックアップテーブルを参照して、入力画素信号から変換画素信号への変換を行う(ステップS303)。生成された各変換画素信号は、変換画像データとして、変換画像データ記憶部37に記憶される(ステップS303)。
全ての画素に対する入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)から変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)への変換処理が完了する(ステップS304)と、黒生成部36が、変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)のCMY値をCMYK値に変換すべく、各画素(j、k)に対して、以下の処理を行う。
まず、黒生成部36は、画素(j、k)が無彩色画素であるか否かを判断すべく、判定結果記憶部34に記憶されている判定結果を読み出す(ステップS305)。そして、黒生成部36は、読み出した判定結果に基づいて、該画素が無彩色画素であるか否かを判断する(ステップS306)。
画素(j,k)が無彩色画素であると判断する(ステップS306)と、黒生成部36は、該画素(j,k)に対応する変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)のCMY値を読み出して、これらの平均値Ajk=(Cjk+Mjk+Yjk)/3を算出する。そして、黒生成部36は、変換画素信号のCMY値を、算出した平均値に置換して、変換画素信号を(Ajk,Ajk,Ajk)に書き換える(ステップS307)。
画素(j,k)が無彩色画素ではないと判断する(ステップS306)と、黒生成部36は、該画素に対するCMY値の置換処理(ステップS307)をスキップする。
続いて、黒生成部36は、画素(j,k)に対応する変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)のCMY値をCMYK値に変換して、出力画素信号(C´jk,M´jk,Y´jk,Kjk)を生成する(ステップS308)。変換画素信号から出力画素信号への変換は、以下のように実施される。
黒生成部36は、変換画素信号のCMY値Cjk,Mjk,Yjkから、最小値min(Cjk,Mjk,Yjk)を選択し、各CMY値とこの最小値との差に基づき、CMY値の変換を行う。即ち、出力画素信号のCMY値を、C´jk=Cjk−min(Cjk,Mjk,Yjk),Y´jk=Yjk−min(Cjk,Mjk,Yjk),M´jk=Mjk−min(Cjk,Mjk,Yjk)と算出する(ステップS308)。また、黒生成部36は、この最小値に所定の重み係数αを乗じて、無彩色信号値としてのK値を、Kjk=α×min(Cjk,Mjk,Yjk)と算出する(ステップS308)。このように算出して生成された各出力画素信号(C´jk,M´jk,Y´jk,Kjk)からなる出力画像データは、変換画像データ記憶部37に記憶される(ステップS308)。
全ての画素に対する出力画素信号(C´jk,M´jk,Y´jk,Kjk)への変換処理が完了する(ステップS309)と、画像処理装置10における色変換処理は終了する。
上記のように、入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)が出力画素信号(C´jk,M´jk,Y´jk,Kjk)に変換されて、入力色空間における入力画像データが出力色空間の出力画像データへ色変換される。
この色変換処理の実行により、無彩色判定式に基づき無彩色画素と判定された画素(j,k)に対応する入力画素信号(Rjk,Gjk,Bjk)が、CMY値からなる変換画素信号(Ajk,Ajk,Ajk)に変換された後、出力画素信号(0,0,0,Kjk)に変換され、無彩色信号として出力される。また、有彩色画素と判定された画素に対しても、CMY値からなる変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)に変換された後、該CMY値の重なり部分がK値に変換される。したがって、CMYトナーの重ねづけによるにじみの発生が抑制され、カラープリンタ15による印刷結果において、無彩色の再現性が向上される。
最後に、画像処理装置10において、モニタ12に表示されたカラー画像の画像データを入力及び色変換して、印刷データを出力する処理の流れについて、図11に示すフローチャートに沿って説明する。
図11は、本発明に係る画像処理装置の実施例1における変換出力動作を示すフローチャートである。
モニタ12におけるカラー画像の表示時に、ユーザが該カラー画像の印刷を要求すべく選択入力部21を操作すると、画像処理装置10において、選択入力部21から制御部30へ、印刷要求が入力される(ステップS401)。
この印刷要求の入力を受け、制御部30は、表示部20を制御して、印刷処理に使用するプリンタを指定するためのプリンタ指定画面を表示させる(ステップS402)。
図12は、実施例1におけるプリンタ指定画面の構成を示す説明図である。
プリンタ指定画面55は、図12に示されるように、印刷処理に使用するプリンタを選択するためのプリンタ選択領域56と、印刷処理の実行を選択するための「印刷」ボタン57と、印刷処理の実行中止を選択するための「キャンセル」ボタン58とを有する。また、プリンタ指定画面55には、印刷条件の設定を選択するための「プロパティ」ボタン59が表示されている。
ユーザは、選択入力部21を操作して、所望のプリンタのプリンタ名を、プリンタ選択領域56に表示させる。ここでは、ユーザは、カラープリンタ15に対応するプリンタ名「カラープリンタP」を、プリンタ選択領域56に表示させる。また、選択入力部21を操作して、所望の印刷条件を設定すべく「プロパティ」ボタン59を押下する。
「プロパティ」ボタン59が押下されると、選択入力部21は、印刷条件の設定を要求するための設定要求と、プリンタ選択領域56に表示されている装置識別情報としてのプリンタ名「カラープリンタP」とを、制御部30に入力する(ステップS403)。
設定要求が入力される(ステップS403)と、制御部30は、入力された装置識別情報に基づいて、選択されたプリンタにおける印刷条件を設定するための印刷条件設定画面を表示部20に表示させる。この印刷条件設定画面において、ユーザは、所望の印刷レイアウトや印刷媒体の種類等を指定して、設定させることができる。本実施例では、ユーザは、入力プロファイルの指定及び無彩色判定式の設定を行うべく、所定の操作を行って、表示部20にカラー設定画面60(図8)を表示させる。そして、画像処理装置10が、無彩色判定式を設定する判定式設定処理を、図6及び図7で説明した手順で実行する(ステップS404)。
無彩色判定式が設定され、入力プロファイルが指定される(ステップS404)と、表示部20は、制御部30の制御に基づき、プリンタ指定画面55(図13)を再度表示する(ステップS402)。このプリンタ指定画面55において、「印刷」ボタン57が押下されると、選択入力部21は、印刷実行を指示する印刷指示を入力すると共に、プリンタ選択領域56に表示されたプリンタ名「カラープリンタP」を装置識別情報として入力する(ステップS405)。
印刷指示が入力される(ステップS405)と、制御部30の制御に基づき、画像データ入力部22が、モニタ12に表示されたカラー画像を入力画像として、該入力画像の画像データ、即ち入力画像データを入力し、画像データ記憶部23に記憶させる(ステップS406)。
続いて、制御部30は、ステップS404において指定されたプロファイル名と、プリンタ指定画面55において入力された装置識別情報「カラープリンタP」とを、プロファイルロード部27に通知する。そして、プロファイルロード部27が、プロファイル名に対応するプロファイルデータを入力プロファイルとして、装置識別情報に対応するプロファイルデータを出力プロファイルとして、それぞれ、プロファイルデータ記憶部26から読み出してロードし、ルックアップテーブルを生成する(ステップS407)。
次に、制御部30は、入力画像データを出力画像データに色変換すべく色変換指示を色判定変換部28に送る。そして、色判定変換部28による色変換処理が、図10において説明した手順で実行される(ステップS408)。入力画像データの各入力画素信号(R,G,B)は出力画素信号(C,M,Y,K)に色変換されて、出力画像データが変換画像データ記憶部37に記憶される(ステップS408)。
続いて、制御部30は、印刷データ送信部29に、印刷データの送信指示及び装置識別情報「カラープリンタP」を送る。そして、印刷データ送信部29が、変換画像データ記憶部37から出力画像データを読み出して、該出力画像データをカラープリンタ15に対応するフォーマットに変換し、印刷データを生成する(ステップS409)。生成された印刷データは、印刷データ送信部29によりカラープリンタ15へ送信される(ステップS409)。これにより、画像処理装置10における画像データの変換出力処理が終了する。
上記のように、モニタ12に表示されたカラー画像の画像データが入力され、出力画像データへ色変換された後、指定されたカラープリンタ15に対応する印刷データが出力されて、カラープリンタ15へ送信される。
以上のように、本実施例の画像処理装置10は、ユーザの指定に基づいて、入力プロファイル及び無彩色判定式を設定するので、入力色空間及び該入力色空間における無彩色域の設定変更が可能となるので、各種入力手段によりカラー画像の画像データを入力して、該画像データの色変換を実行できると共に、自由に無彩色判定式を変更できる。したがって、例えば無彩色判定構成式における上下限値の設定を調整することにより、無彩色域の設定を変更可能となるので、出力装置における色再現結果にユーザの主観を反映させることができる。更に、無彩色判定式により無彩色域の指定ができるので、全ての無彩色信号値を登録して無彩色判定を行う場合と比較して、少ない記憶領域で無彩色判定の実行が可能となる。
図13は、本発明の実施例2に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
本実施例の画像処理装置70は、無彩色画素の位置を指定するための位置指定部73と、各画素の彩色情報を記憶するための彩色情報記憶部74とを備える構成が、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同様な構成を同一の符号で示し、これらについての説明を省略する。
本実施例の画像処理装置70は、図13に示されるように、表示部71、選択入力部72、画像データ入力部22、画像データ記憶部23、位置指定部73、彩色情報記憶部74、プロファイルデータ記憶部26、プロファイルロード部27、色判定変換部75、印刷データ送信部29及び制御部76を備えている。
表示部71は、表示装置としてのモニタ12(図2)を含み、カラー画像の表示を行うと共に、無彩色画素の位置を指定するための位置指定画面等の各種ユーザインタフェース画面の表示を行う。
選択入力部72は、マウス13及びキーボード14(図2)を含み、ユーザの操作に基づいて、例えば無彩色画素の位置を指定するための位置指定情報等の各種入力情報や選択情報を入力する。
図14は、位置指定画面の構成を示す説明図である。
位置指定画面80は、図14に示されるように、入力画像としてのカラー画像を表示するための入力画像表示領域81を有する。また、位置指定画面80には、入力画像表示領域81に表示される入力画像の拡大率を示す拡大率情報を入力するための拡大率入力領域82が設けられる。更に、位置指定画面80には、無彩色画素の位置を指定して登録するための「登録」ボタン83と、無彩色画素の位置指定を終了して印刷を開始するための「印刷」ボタン84ボタンと、無彩色画素の位置指定を中止するための「キャンセル」ボタン85とが表示されている。
位置指定画面80において、ユーザは、マウス13を操作して、入力画像表示領域81に表示された入力画像に対して、例えば図14のように、矩形状の閉領域を無彩色部分86として選択する。そして、無彩色部分86が選択された状態で、「登録」ボタン83が押下されると、選択入力部72は、選択された無彩色部分86の位置範囲を示す選択範囲情報を入力する。本実施例では、選択入力部72は、選択範囲情報として、無彩色部分86の左上頂点86aに位置する画素の位置情報(ja,ka)と、右下頂点86bに位置する画素の位置情報(jb,kb)とを入力する。
位置指定部73は、選択範囲情報に基づいて、入力画像に対して無彩色画素の位置を指定する機能を有する。
彩色情報記憶部74は、揮発性メモリからなり、位置指定部73による指定に基づき、入力画像を構成する各画素が無彩色画素であるか否かを示す彩色情報を記憶する記憶領域である。
位置指定部73は、入力画像の総画素数をNj×Nkとすると、彩色情報記憶部74内に、Nj×Nkバイト分の記憶領域を、彩色情報登録メモリとして確保する。ここで、Njは入力画像データの主走査方向の画素数を表し、Nkは副走査方向の画素数を示す。
また、位置指定部73は、確保した彩色情報登録メモリに、各画素に対応する彩色情報を登録する。位置指定部73による彩色情報登録メモリへの各画素の彩色情報の登録は、該画素に対応するアドレス部分にデータ「1」或いはデータ「0」を格納することにより実行される。ここで、データ「1」は該画素が無彩色画素であることを意味する彩色情報であり、データ「0」は該画素が無彩色画素ではないことを示す彩色情報である。
例えば、彩色情報記憶部74における彩色情報登録メモリの先頭アドレスをADR1とすると、位置指定部73は、入力画像の画素(j,k)に関する彩色情報を、彩色情報記憶部74におけるADR1から(k−1)×Nj+jバイトの位置に、データ「1」或いは「0」を格納させて登録する。
色判定変換部75は、本実施例では、図13に示されるように、色変換部35、黒生成部77及び変換画像データ記憶部37を有する。
黒生成部77は、各画素に対応する無彩色信号値Kを生成する機能を有し、変換画素信号(C,M,Y)を出力画素信号(C´,M´,Y´,K)に変換する。
黒生成部77は、彩色情報記憶部74の彩色情報登録メモリから、対称となる画素(j,k)に対応する彩色情報を読み出して、該彩色情報に基づき、CMY値からCMYK値への変換を行う。黒生成部77によるCMY値からCMYK値への変換処理の流れは、実施例1と同様なので、詳しい説明を省略する。
制御部76は、図示されない一時記憶部を有し、画像処理装置70の各部を制御する機能を有する。
次に、本実施例の画像処理装置70の動作について、説明する。
まず、画像処理装置70において、無彩色画素の位置が指定されて、各画素に対する彩色情報が登録される場合の処理の流れについて、図15を用いて説明する。
図15は、本発明に係る画像処理装置の実施例2における彩色情報登録動作を示すフローチャートである。
ここでは、図14に示される入力画像において、文字部分の画素が無彩色画素として指定される場合の処理の流れについて、説明を行う。
画像処理装置70において、表示部71が、制御部76の制御に基づき、無彩色画素の位置を指定するための位置指定画面80(図14)を表示する(ステップS501)。
位置指定画面80において、入力画像表示領域81には、図14に示されるように、画像データ記憶部23に記憶されている入力画像データに基づいて、入力画像が表示されている。ユーザは、この入力画像の表示を拡大させたい場合、選択入力部72を操作して、拡大率入力領域82に、所望の拡大率情報を入力させる。
位置指定画面80において、拡大率情報が入力される(ステップS502)と、表示部71は、入力された拡大率情報に基づいて、入力画像表示領域81における入力画像の表示を拡大し、位置指定画面80を再表示する(ステップS503)。
文字部分を無彩色画素として指定する場合、ユーザは、選択入力部72を操作して、文字部分を含む範囲、即ち無彩色部分86を選択した後、「登録」ボタン83を押下する。
「登録」ボタン83が押下されると、選択入力部72は、無彩色画素の位置の登録を要求するための位置登録要求を入力する(ステップS504)。また、選択入力部72は、選択された無彩色部分86の位置範囲を示す選択範囲情報として、左上頂点86aに対応する位置情報(ja,ka)と、右下頂点86bに対応する位置情報(jb,kb)とを入力する。更に、選択入力部72は、画素数情報として、入力画像の画素数Nj×Nkを入力する。入力された位置登録要求、選択範囲情報及び画素数情報は、制御部76を介して位置指定部73へ送られる。
位置登録要求が入力される(ステップS504)と、該位置登録要求、選択範囲情報及び画素数情報を受け取った位置指定部73は、まず、画素数情報に基づいて、彩色情報記憶部74に、入力画像の画素数分の記憶領域を、彩色情報登録メモリとして確保する(ステップS505)。位置指定部73は、彩色情報記憶部74内に、Nj×Nkバイト分の彩色情報登録メモリを確保する。そして、位置指定部73は、確保された彩色情報登録メモリの各バイトに、初期情報としてデータ「0」を格納させる(ステップS505)。
次に、位置指定部73は、選択範囲情報に基づいて、彩色情報登録メモリの対応するアドレスに、彩色情報「1」を上書きして格納する(ステップS506)。位置指定部73は、彩色情報登録メモリの先頭部分から((ka−1)×Nj+ja)バイト目のデータを、データ「1」に書き換える。同様に、((ka−1)×Nj+jb)バイト目までに格納されている(jb−ja+1)バイト分のデータ「0」を、それぞれ、データ「1」に書き換える。次に、(Nj+ja−jb)バイト分進み、((ka)×Nj+ja)バイト目から((ka)×Nj+jb)バイト目までに格納されている(jb−ja+1)個のデータ「0」を、それぞれ、データ「1」に書き換える。これを繰り返し、((kb−1)×Nj+ja)バイト目から((kb−1)×Nj+jb)バイト目までのデータ「0」を、それぞれ、データ「1」に書き換えると、位置指定部73による彩色情報の登録は完了する。
彩色情報の登録が完了すると、表示部71には、位置指定画面80(図14)が再度表示される(ステップS501)。
位置指定画面80において、「印刷」ボタン84が押下されると、選択入力部72は、彩色情報の登録の終了を示す登録終了指示を入力する(ステップS507)。これにより、画像処理装置70における彩色情報の登録処理が終了する。
上記のように、画像処理装置70において、無彩色画素の位置が指定され、彩色情報が登録される。
次に、画像処理装置70において、入力画像データの各入力画素信号を出力画素信号に色変換する処理の流れについて、説明する。
図16は、本発明に係る画像処理装置の実施例2における色変換動作を示すフローチャートである。
画像処理装置70において、画像データ記憶部23には、入力画像を構成する各画素(j,k)に対応して、それぞれの入力画素信号が記憶されている。制御部76は、これらの入力画素信号を変換画素信号に色変換すべく、色変換指示を色判定変換部75へ送る。この色変換指示に基づき、色変換部35が、画像データ記憶部23から各画素に対応する入力色信号値を、主走査方向(j=1、2・・・)及び副走査方向(k=1、2・・・)に沿って順に読み出し、該入力色信号をCMY値に変換して、変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)を生成し、変換画像データ記憶部37に記憶させる(ステップS303)。
全ての画素に対する入力画素信号から変換画素信号への変換処理が完了する(ステップS304)と、黒生成部77が、各変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)の有彩色信号値C、M、Yから、無彩色信号値Kを生成して、変換色信号値を出力色信号値に変換する。黒生成部77により各画素(j,k)に対して実行される処理の流れは、以下の通りである。
黒生成部77は、まず、各画素(j,k)が無彩色画素であるか否かを判断すべく、彩色情報記憶部74に対応する彩色情報が登録されているか否かを判断する(ステップS601)。彩色情報登録処理(図15)が実行され、彩色情報登録メモリが設定されている場合、黒生成部77は彩色情報が登録されていると判断する(ステップS601)。
続いて、黒生成部77は、彩色情報記憶部74に設定されている彩色情報登録メモリから、該画素(j,k)に対応する彩色情報を読み出す(ステップS602)。黒生成部77は、彩色情報登録メモリのADR1から((k−1)×Nj+j)バイト目に格納されている彩色情報を読み出す(ステップS602)。
続いて、黒生成部77は、読み出した彩色情報に基づき、該画素(j,k)が無彩色画素であるか否かを判断する(ステップS603)。彩色情報が「1」であった場合、黒生成部77は、該画素(j,k)が無彩色画素であると判断する(ステップS603)。彩色情報が「0」であった場合、黒生成部77は、該画素(j,k)が無彩色画素ではないと判断する(ステップS603)。
画素(j,k)が無彩色画素であると判断する(ステップS603)と、黒生成部77は、該画素(j,k)に対応する変換画素信号(Cjk,Mjk,Yjk)のCMY値を読み出して、これらの平均値Ajk=(Cjk+Mjk+Yjk)/3を算出した後、変換画素信号のCMY値を算出した平均値に置換して、変換画素信号を(Ajk,Ajk,Ajk)に書き換える(ステップS307)。
画素(j,k)が無彩色画素ではないと判断した場合(ステップS603)及び彩色情報が未登録であると判断した場合(ステップS601)、黒生成部77は、該画素に対する変換色信号値から平均値への置換処理(ステップS307)をスキップする。
続いて、黒生成部77は、画素(j,k)に対応する変換画素信号のCMY値をCMYK値に変換して、出力画素信号(C´jk,M´jk,Y´jk,Kjk)を生成する(ステップS308)。変換画素信号から出力画素信号への変換処理の流れは、実施例1(図10)と同一なので、説明を省略する。
全ての画素に対する出力画素信号(C´jk,M´jk,Y´jk,Kjk)への変換処理が完了する(ステップS309)と、画像処理装置70における色変換処理は終了する。
上記のように、入力画素信号が出力画素信号に変換されることにより、入力色空間で生成された入力画像データが出力色空間における出力画像データへ色変換される。
最後に、画像処理装置70において、入力画像の画像データの入力及び色変換を実行して、印刷データを出力する処理の流れについて、図17及び図18に沿って説明する。
図17は、本発明に係る画像処理装置の実施例2における変換出力動作を示すフローチャート(その1)であり、図18は、本発明に係る画像処理装置の実施例2における変換出力動作を示すフローチャート(その2)である。
画像処理装置70において、選択入力部72から制御部76へ印刷要求が入力される(ステップS401)と、制御部76は、表示部71を制御して、プリンタ指定画面を表示させる(ステップS701)。
図19は、実施例2におけるプリンタ指定画面の構成を示す説明図である。
プリンタ指定画面87は、図19に示されるように、プリンタ選択領域56と、「印刷」ボタン57と「キャンセル」ボタン58と、印刷条件の設定を選択するための「プロパティ」ボタン59とを有する。また、プリンタ指定画面87には、無彩色画素の位置の指定を選択するための「無彩色域指定」ボタン88が表示されている。
ユーザは、選択入力部72を操作して、所望のプリンタのプリンタ名をプリンタ選択領域56に表示させる。また、所望の印刷条件を設定すべく「プロパティ」ボタン59を押下する。
「プロパティ」ボタン59が押下されると、選択入力部72は、印刷条件の設定要求と、プリンタ選択領域56に表示されている装置識別情報としてのプリンタ名「カラープリンタP」とを、制御部76に入力する(ステップS403)。
設定要求が入力される(ステップS403)と、制御部76は、図示しない印刷条件設定画面を表示部71に表示させる。この印刷条件設定画面において、ユーザは、入力色空間を指定すべく、入力プロファイルのプロファイル名を選択する。そして、制御部76が、選択されたプロファイル名に基づき、入力プロファイルを指定して、プロファイル名を記憶した(ステップS702)後、表示部71にプリンタ指定画面87を再度表示させる。
プリンタ指定画面87において、「無彩色域指定」ボタン88が押下されると、選択入力部72は、無彩色画素の位置指定を要求すべく位置指定要求と、装置識別情報「カラープリンタP」とを、制御部76に入力する(ステップS703)。
位置指定要求が入力される(ステップS703)と、制御部76の制御に基づき、画像データ入力部22が入力画像データを入力し、画像データ記憶部23に記憶させる(ステップS704)。
続いて、制御部76は、記憶しているプロファイル名と、装置識別情報「カラープリンタP」とを、プロファイルロード部27に通知する。そして、プロファイルロード部27が、プロファイル名に対応するプロファイルデータを入力プロファイルとして、装置識別情報に対応するプロファイルデータを出力プロファイルとして、それぞれ、プロファイルデータ記憶部26から読み出してロードする(ステップS705)。
次に、制御部76は、無彩色画素の位置を指定すべく彩色情報登録処理を、図15で説明したように実行する(ステップS706)。
位置指定部73により彩色情報記憶部74に彩色情報が登録される(ステップS706)と、制御部76は、入力画像データを出力画像データに色変換すべく色変換指示を色判定変換部75に送る。そして、色判定変換部75による色変換処理が、図16で説明したように実行される(ステップS707)。入力画像データの各入力画素信号は出力画素信号に色変換されて、出力画像データが変換画像データ記憶部37に記憶される(ステップS707)。
出力画像データが生成されて記憶される(ステップS707)と、制御部76は、印刷データ送信部29に、印刷データの送信指示及び装置識別情報「カラープリンタP」を送る。そして、印刷データ送信部29が、出力画像データに基づき印刷データを生成し、該印刷データをカラープリンタ15へ送信する(ステップS409)。これにより、画像処理装置70における画像データの変換出力処理が完了する。
プリンタ指定画面87(図19)において、「印刷」ボタン57が押下されると、選択入力部72は、印刷指示及び装置識別情報「カラープリンタP」を入力する(ステップS405)。そして、画像データ入力部22により入力画像データが入力され(ステップS406)、プロファイルロード部27により入力プロファイル及び出力プロファイルがロードされる(ステップS407)。
続いて、制御部76が、入力画像データを出力画像データに色変換すべく色変換指示を色判定変換部75に送り、色判定変換部75による色変換処理が、図16で説明したように実行される(ステップS707)。そして、印刷データ送信部29が、出力画像データに基づき印刷データを生成し、該印刷データをカラープリンタ15へ送信する(ステップS409)と、画像処理装置70における画像データの変換出力処理が完了する。
上記のように、指定された入力プロファイルと登録された彩色情報とに基づいて、入力画像データが出力画像データに色変換された後、印刷データが生成されて出力される。
以上のように、本実施例の画像処理装置70は、各画素の入力色信号値にかかわらず、画面上に表示された入力画像に対して、領域を選択して無彩色域を指定可能となるので、操作性が向上される。また、入力色信号値が同一であっても、黒色のトナー単色により再現するか否かを、ユーザが選択可能となるので、より満足度の高い色再現結果をユーザに提供できる。