JP2009151334A - メカニカル接続型光コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光ケーブル外皮把持部材がそれを収納するスペース内で前方に移動し、光ファイバに極度の曲げを発生させ、光伝送損失を増加させる課題があった。
【解決手段】前半部に内臓光ファイバが埋め込まれた微細穴を有し後半部に接続しようとする光ケーブル内の光ファイバを保持する光ファイバ把持部を有する光ファイバフェルールと、前記光ケーブルの外皮を把持する光ケーブル外皮把持部材とが光コネクタハウジング内に配置されたメカニカル接続型光コネクタであって、前記光ケーブル外皮把持部材は前記光コネクタハウジングの設置スペース内で光ファイバの光軸方向に移動可能であり、前記光ケーブル外皮把持部材が通常位置から光ファイバの光軸方向に移動したときに通常位置に復帰させる復帰手段を設けたので、光ケーブル外皮把持部材がコネクタの前方に移動したときでも通常位置に復帰し、接続損失を増加させることがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、メカニカル接続型光コネクタに関するものである。
光ファイバの接続現場での作業性およびコストに優れた光コネクタとして、メカニカル接続型光コネクタが提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
この種のメカニカル接続型光コネクタは、図9に示すように、前半部11に内蔵光ファイバ12が埋め込まれた微細穴13を有し、後半部14に接続しようとする光ケーブル20の光ファイバ21を載置する溝15が備えられた光ファイバ保持台16を有するフェルール基板10と、光ファイバ保持台16の上に前記光ファイバ21を挟んで覆う蓋30と、図10・11に示すように、光ファイバ保持台16と蓋30とを挟んで光ファイバ21を溝内に固定させる断面C字型の締付具40とからなる光ファイバフェルールを用いるものであり、この光ファイバ保持台16と蓋30と締付具40とで、光ファイバ把持部45を構成している。
このような光コネクタは、従来の予め工場などで組み立てられる光コネクタと異なり、接続現場で簡易に光コネクタを構成できるものである。即ち、光コネクタには、予め内蔵光ファイバ12が配置されており、その端面12'は予め鏡面研磨がなされている。更にその配置も光コネクタ相互の接続時に相互の光ファイバの軸心が一致するように予め工場などて組み立てられている。このため、接続現場においては、単に接続しようとする光ファイバ21を内蔵光ファイバ12と機械的に接続(メカニカルスプライス)するのみで簡易に接続損失の少ない光コネクタを提供することができる。
また、SC(Square-shaped Snap-on Plastic Connector)コネクタ等と同様のインターフェースを持つ光コネクタ内にあらかじめ光ファイバを内蔵させておき、その内蔵光ファイバと現場で成端した光ファイバとをメカニカルスプライスすることで、簡便にSCコネクタ等と同等のインターフェースを現場組み立てることが可能な光コネクタも開発されている。
メカニカル接続型光コネクタは、このように現場においての作業性に優れた光接続方式であるが、その欠点として光ファイバ21の引っ張りに対して弱いということが挙げられる。これはメカニカルスプライスの機構上、接続される光ファイバ21が接続方向へ押し付ける機能を持たないため、光ファイバ21が固定力以上の接続後方への引っ張り力を受けて光ファイバ21の端面21'が接続位置から後退してしまった場合に、光ファイバ端面21'が再度内蔵光ファイバ12の端面12''の位置まで戻ることができないためである。
このため一般的にメカニカルスプライス方式で固定された光ファイバ21は、1kgf程度の力で引っ張られると著しく接続損失が悪化することが多い。
特開平10−123366号公報 特開平10−170756号公報 特開平10−206688号公報 特開平11−142686号公報
従って、光ケーブル用の光コネクタではその取り扱い上、1kgf〜数kgf程度の引っ張りが加わることを想定する必要がある。しかしながらこの値は一般的なメカニカルスプライス接続の引っ張り許容強度を大きく上回る数値であるため、例えばフェルール基板10の光ファイバ保持台16と蓋30とで光ファイバ21を挟む締付具40のバネの加圧力を増やしたり、光ファイバ保持台16と蓋30との長さを長くして光ファイバ21を押さえる面積を増やすなどの方法が考えられるが、光コネクタの組立作業性やコネクタ寸法上のデメリットがあり、対応するのが困難である。
そこで、図6に示すように、光ケーブル20の外皮20'をフェルール基板10と別の部材である光ケーブル外皮把持部材50によって強固に固定し、この光ケーブル外皮把持部材50をフェルール基板10またはコネクタハウジング60に設けられた光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内に収納する構造とし、かつ蓋30と光ケーブル外皮把持部材50との間に光ファイバ21がわずかな余長(たるみ)を持つ構造とする。
この構成により、光ケーブルが引っ張られた場合でも光ケーブル外皮把持部材がコネクタ(ハウジング)の設置スペース内の後方で機械的に突き当たり固定され、かつ光ファイバには若干の余長が残されているため、メカニカルスプライス部分には光ファイバに対して引っ張り力が全く加わらず、光コネクタとしての引っ張り耐久強度はコネクタを構成する部材の機械的強度に依存することになり、飛躍的に上昇する。
しかしながらこの構成においては、光ケーブル外皮把持部材設置スペース61の大きさによって以下のような課題が発生する。
即ち、図7(イ)に示すように空隙の大きさが広すぎた場合、光ケーブル外皮把持部材50が光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内で前方に移動したときに、図7(ロ)に示すように、光ケーブル外皮把持部材50と蓋30との間の光ファイバ21に与えられるたるみが増大するため、そこでの光ファイバ21の曲げ損失が無視できなくなって光コネクタとしての接続損失を悪化させることが懸念される。
逆に図8(イ)・(ロ)に示すように、その空隙の大きさが小さい場合、光ケーブル外皮把持部材50を光ケーブル外皮把持部材設置スペース61に収納する際の取り扱い性(作業性)が悪化したり、メカニカルスプライスを行う際の視認性、すなわち、光ファイバ同士が確実に接触していることを確認することが困難になるという課題がある。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、前半部に内蔵光ファイバが埋め込まれた微細穴を有し後半部に接続しようとする光ケーブル内の光ファイバを保持する光ファイバ把持部を有する光ファイバフェルールと、前記光ケーブルの外皮を把持する光ケーブル外皮把持部材とが光コネクタハウジング内に配置されたメカニカル接続型光コネクタであって、光ケーブル外皮把持部材は前記光コネクタハウジングの設置スペース内で光ファイバの光軸方向に移動可能であり、前記光ケーブル外皮把持部材が通常位置から光ファイバの光軸方向に移動したときに通常位置に復帰させる復帰手段を設けたことを特徴とする。
本発明は、上記構成により、光ケーブル外皮把持部材と光ケーブル外皮把持部材設置スペースとのクリアランスを広く取ることができ、光ケーブル外皮把持部材を容易に所定位置に配置させることができる。更に光コネクタ(ハウジング)組立後は、光ケーブル外皮把持部材がコネクタの通常位置から光ファイバの光軸方向に移動したときでも通常位置に復帰するので、接続損失を増加させることがない優れた効果を発揮することができる。
本発明の一実施例を示す要部断面図。 図1に示す実施例の要部分解構成図。 図1に示す実施例の他の分解構成図。 本発明の他の実施例を示す要部断面図。 本発明の更に他の実施例を示す要部断面図。 本発明に関連する光コネクタの構成を説明する要部断面図。 本発明に関連する他の光コネクタの構成を説明する要部断面図。 本発明に関連する更に他の光コネクタの構成を説明する要部断面図。 一般的なフェルール基板の一例を示す断面図。 一般的な光ファイバ把持部の一例を示す断面図。 一般的な光ファイバ締付具の一例を示す斜視図。
以下本発明を図示した実施例により更に詳しく説明する。図1〜3において、10、11、12、12'、12''、13、14、15、16、20、20'、21、21'、30、40、45、50、60、61は、それぞれ、図5〜7と同様に、フェルール基板、フェルール10の前半部、内蔵光ファイバ、内蔵光ファイバ12の端面、内蔵光ファイバ12の端面、微細穴、フェルール10の後半部、溝、光ファイバ保持台、光ケーブル、光ケーブル20の外皮、光ファイバ、光ファイバ21の端面、蓋、締付具、光ファイバ把持部、光ケーブル外皮把持部材、コネクタハウジング、光ケーブル外皮把持部材設置スペースである。なお、70は本発明で特徴となる後方押付部材で、光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内で光ケーブル外皮把持部材50をコネクタの後方側に押し付けるためのものである。
光ケーブル外皮把持部材50は、図3に示すように、外皮把持基材51と、その上を覆う外皮把持蓋52とで構成されている。外皮把持基材51の上面には、その長手方向に添って図示しない光ケーブルを外皮毎に収納するV溝53が形成され、更にそのV溝53の途中には段差54が形成され、この段差54がV溝に配置される光ケーブルの外皮に食い込み、光ケーブルがV溝53内でその長手方向に移動できないようになっている。また、外皮把持基材51の側面には突起55が形成され、外皮把持蓋52の側面に形成された嵌合孔56と嵌合して外皮把持蓋52が外皮把持基材51の上部で固定されるように構成されている。
本実施例のコネクタにおいては、光ケーブル外皮把持部材設置スペース61には光ケーブル外皮把持部材50がコネクタの前後方向(光ファイバの光軸方向)に十分な距離だけ移動可能なクリアランスを設けておき、かつコネクタハウジング60内に、光ケーブル外皮把持部材50を光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内の後端に押し付けるための後方押付部材70が設けられている。この後方押付部材70は本実施例においては、光ケーブル外皮把持部材設置スペース61上にかぶせて固定するコネクタハウジング蓋62に板バネ71を形成することにより行っている。
この構成により、メカニカルスプライスの接続作業時には光ケーブル外皮把持部材50が光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内で前方に移動可能であるため、光ファイバ21を溝15内に押し込み、コネクタに内蔵された内蔵光ファイバ12の端面12''と光ファイバ12の端面12'が突き当たり、光ケーブル外皮把持部材50と蓋30との間の光ファイバ21にたるみが発生することを容易に目視確認できるため、確実にコネクタ内の内蔵光ファイバ12と接続される光ファイバ21とが確実に接触して配置されて接続されたことを確認することができる。
さらに、コネクタハウジング60を組み立てた後では、光ケーブル外皮把持部材50は板バネ71による後方押付部材70によって光ケーブル外皮把持部材設置スペース61の後端に押し付けられて固定されている。このため、蓋30と光ケーブル外皮把持部材50との間の光ファイバ21はたるみが一定量に保持され、コネクタへの衝撃・振動によっても変動することがない。
すなわち、前記たるみ量を曲げ損失が無視できる範囲となるように設計することにより、メカニカルスプライス時の接続作業時に光ファイバ21のたるみによって確実に内蔵光ファイバ12の端面12''と光ファイバ21の端面21'とが接触したことを目視によって確認でき、かつコネクタハウジング組み立て後では曲げ損失が発生しない程度の微小なたるみ量を保持したまま光ケーブル外皮把持部材50が光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内に収納されるため、曲げ損失の発生も起こらず、かつ光ケーブル20の引っ張りに対しても十分な耐久性を実現することができる。
図4は図1〜2に示した実施例に比較して板バネ71が光ケーブル外皮把持部材50の前部からその後方方向に押しつけるように配置されている点が異なっている。このような構成であっても、光ケーブル外皮把持部材50を光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内でその後方に押し付けることができる。
図5は更に異なる本発明の実施例を示すものであり、後方押付部材70がコイルバネ72によって構成され、このコイルバネ72が光ケーブル外皮把持部材設置スペース61の前部と光ケーブル外皮把持部材50の前部との間に配置され、光ケーブル外皮把持部材50をその前方からその後方の方向に押しつけるようになっている点が異なっている。このような構成であっても、光ケーブル外皮把持部材50を光ケーブル外皮把持部材設置スペース61内でその後方に押し付けることができる。
10 フェルール基板
11 前半部
12 内蔵光ファイバ
12’ 端面
12'' 端面
13 微細穴
14 後半部
15 溝
16 光ファイバ保持台
20 光ケーブル
20’ 外皮
21 光ファイバ
21' 端面
30 蓋
40 締付具
45 光ファイバ把持部
50 光ケーブル外皮把持部材
51 外皮把持基材
52 外皮把持蓋
53 V溝
54 段差
55 突起
56 嵌合孔
60 コネクタハウジング
61 光ケーブル外皮把持部材設置スペース
62 コネクタハウジング蓋
70 後方押付部材
71 板バネ
72 コイルバネ

Claims (3)

  1. 前半部に内蔵光ファイバが埋め込まれた微細穴を有し後半部に接続しようとする光ケーブル内の光ファイバを保持する光ファイバ把持部を有する光ファイバフェルールと、前記光ケーブルの外皮を把持する光ケーブル外皮把持部材とが光コネクタハウジング内に配置されたメカニカル接続型光コネクタであって、光ケーブル外皮把持部材は前記光コネクタハウジングの設置スペース内で光ファイバの光軸方向に移動可能であり、前記光ケーブル外皮把持部材が通常位置から光ファイバの光軸方向に移動したときに通常位置に復帰させる復帰手段を設けたことを特徴とする光コネクタ。
  2. 前記復帰手段は前記光ケーブル外被把持部材を通常位置の方向に付勢するコイルバネであることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
  3. 前記光コネクタハウジングには、前記光ケーブル外皮把持部材が前方に移動したときに、光ファイバのたるみの状態を確認するための開口が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ。
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