JP2009151176A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材とを備え、前記トナーは少なくともバインダー樹脂、ワックス、無機微粒子を含んだ粉砕トナーであり、前記現像ローラの周速をv(mm/sec)、現像ローラの直径R(mm)、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)が、下記式(1)から(3)を満たすことを特徴とする画像形成方法。
式(1)…300≧v≧100
式(2)…10≧R≧5
式(3)…(R2/12)≧A≧(150/v)
【選択図】図1
Description
しかし、摩擦による温度上昇に対して、かぶりや縦スジを防止する案であるが、ワックスの表面露出量とメタノール濡れ性半値の関係が明確でなく、本発明のような現像ローラの直径が10mm以下の場合はワックス染み出しを起因とする固着の発生を抑制することができない。
しかし、上記の方式では、薄層形成部材と現像ローラとの摩擦により、部材が発熱してしまうとういう問題があった。また、更なる小型化のためには現像ローラの小径化が有効であるが、それに伴ない部材の発熱度合も増大し、その結果、固着が発生してしまうという問題があった。
(1)「少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材とを備え、前記トナーは少なくともバインダー樹脂、ワックス、無機微粒子を含んだ粉砕トナーであり、前記現像ローラの周速をv(mm/sec)、現像ローラの直径R(mm)、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)が、下記式(1)から(3)を満たすことを特徴とする画像形成方法;
式(1)…300≧v≧100
式(2)…10≧R≧5
式(3)…(R2/12)≧A≧(150/v)」、
(2)「前記トナーのワックス含有量が、3%以上10%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成方法」、
(3)「前記トナーが、示差熱分析(DSC)測定により得られる吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークを示す温度が65〜85℃の範囲にあることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成方法」、
(4)「前記トナーの軟化点が110℃以上140℃以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(5)「前記トナーの体積平均径が5.0μm〜10.0μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(6)「前記トナーの無機微粒子の含有量が2.0部〜4.5部であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(7)「前記無機微粒子の付着強度が30%〜80%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(8)「前記現像ローラ上のトナー付着量が7mg/cm2以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(9)「少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーを収納する部分を有し、現像ローラの直径R(mm)は10≧R≧5、現像ローラの周速v(mm/sec)は300≧v≧100を満たすプロセスカートリッジに用いられるトナーであって、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)が下記式(4)を満たすことを特徴とする一成分トナー;
式(4)…(R2/12)≧A≧(150/v)」。
(10)「少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーを収納する部分を有し、現像ローラの直径R(mm)は10≧R≧5、現像ローラの周速v(mm/sec)は300≧v≧100、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)は下記式(5)を満たしていることを特徴とする画像形成装置;
式(5)…(R2/12)≧A≧(150/v)」。
トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)がR2/12以下になると、部材の発熱によってトナー表面のワックスの溶け出す量が少なくなり、薄層形成部材への固着が発生を抑えることができる。また、150/v以上になると、定着時の分離性が維持される。線速vが300mm以下であると、発熱量が抑えられ、固着が発生しない。
ワックス添加量は3%以上10%以下であれば良好な画像が得られる。ワックス添加量が3%以上であれば、定着時の分離性が維持され、10%以下であれば、薄層形成時にワックスを起点としたトナーの割れが発生せず、固着が発生しない。
バインダー樹脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製)))等であってよいが、現像器内での耐ストレス性の観点から、ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
本発明において好ましく使用されるポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
より好ましい第1バインダー樹脂は、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂である。
より好ましい第2バインダー樹脂はビニル系ポリエステル樹脂、特にポリエステル樹脂の原料モノマーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸およびコハク酸を用い、ビニル系樹脂の原料モノマーとしてスチレンおよびブチルアクリレートを用い、両反応性モノマーとしてフマル酸を用いて得られたビニル系ポリエステル樹脂である。
一般に、ワックスの極性が低いほうが定着部材ローラとの離型性に優れている。
本発明に用いられるワックスは、極性の低い炭化水素系ワックスであり、ヘキサンに溶解するものである。添加量はトナー100重量%に対して3.0%以上10.0%以下がよく、好ましくは4.0%〜8.0%である。
本発明のトナーには、ワックスの分散を助けるワックス分散剤を含有させても良い。
ワックス分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができ、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー、エチレン・プロピレン・ブテン・スチレン・α−スチレンなどの不飽和炭化水素と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やそのエステルもしくはその無水物との共重合体、ビニル系樹脂とポリエステルとのブロック、もしくはグラフト体などが挙げられる。
上記のワックスとの相溶性の高いユニットとしては、炭素数が12以上の長鎖アルキル基や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエンとそれらの共重合体があり、樹脂との相溶性の高いユニットとしては、ポリエステル、ビニル系樹脂などが挙げられる。
本発明で使用される着色剤としては、従来からフルカラートナーの着色剤として使用されている公知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。トナー粒子中における着色剤の含有量としては全バインダー樹100重量部に対し2〜15重量部の範囲が好ましい。着色剤は、使用される第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂との混合バインダー樹脂中に分散されたマスターバッチの形態で使用されることが分散性の観点から好ましい。マスターバッチの添加量は含有される着色剤の量が上記範囲内となるような量であればよい。マスターバッチ中の着色剤含有率は20〜40重量%が好適である。
本発明のトナーにおいて、従来からフルカラートナーで使用されている公知の荷電制御剤を用いても良い。
例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。
本発明では、流動性や現像性を補助するための外添剤として無機微粒子が用いることができる。
無機微粒子の具体例としては、例えば酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、酸化チタン、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(第1バインダー樹脂の作成)
ビニル系モノマーとして、スチレン600g、アクリル酸ブチル110g、アクリル酸30g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1230g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン290g、イソドデセニル無水コハク酸250g、テレフタル酸310g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸180g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、152℃に達したときに反応を終了させた。
ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2210g、テレフタル酸850g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.5gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、107℃に達したときに反応を終了させた。
第1および第2バインダー樹脂を、それぞれ表1記載の軟化点(但しトナーの軟化点)を得るべく、第1および第2バインダー樹脂それぞれの質量部比を、30部;70部(実施例1)、80部;20部(実施例2)、60部;40部(実施例3)、40部;60部(実施例4)、60部;40部(実施例5)、60部;40部(実施例6)、60部;40部(実施例7)、95部;5部(実施例8)、5部;95部(実施例9)、60部;40部(比較例1)、40部;60部(比較例2)60部;40部(比較例3)40部;60部(比較例4)、バインダー樹脂100質量部に対して、C.I.Pigment Red 57−1を4質量部含有相当のマスターバッチ、表1記載のそれぞれの量のパラフィンワックス(融点72.5℃)、及び、バインダー樹脂合計100質量部当り1.5質量部(実施例1)、1.5質量部(実施例2)、1.5質量部(実施例3)、1.5質量部(実施例4)、1.5質量部(実施例5)、1.5質量部(実施例6)、1.5質量部(実施例7)、1.5質量部(実施例8)、1.5質量部(実施例9)、1.5質量部(比較例1)、1.5質量部(比較例2)、1.5質量部(比較例3)、1.5質量部(比較例4)のホウ素系荷電制御剤日本カーリット(株)製のLR−147をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝鉄工社製)を使用して、溶融混練した。得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチックエ業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行ない、所望の粒径、円形度の着色樹脂粒子を得た。この着色樹脂粒子1の100質量部に対して無機微粒子であるキャボジル社製TS530を所望の量(質量部)添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理しマゼンタトナー粒子を得た。トナー粒子の作製において、溶融混練前のヘンシェルミキサーの混合条件及び、混練条件を変化させ、表面ワックス露出量を調整できる。例えば、ヘンシェルミキサーの混合を強化すればワックスの粒径は小さくなり、その結果表面に露出するワックスを少なくすることができる。また、溶融混練時により低温で処理すると、樹脂に対するせん断力が上がり、ワックス粒径が小さくなり、その結果表面に露出するワックスを少なくすることができる。
図1は本発明に係る現像装置とプロセスカートリッジユニットの断面図である。
現像装置は、トナーを収容するトナー収容室(101)と、トナー収容室(101)の下方に設けられたトナー供給室(102)から構成され、トナー供給室(102)の下部には、直径5mm以上10mm以下の現像ローラ(103)と、現像ローラ(103)に当接して設けられた層規制部材(104)および供給ローラ(105)が設けられる。現像ローラ(103)は感光体ドラム(2)に接触して配置され、図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。トナー収容室(101)内にはトナー攪拌部材(106)が設けられ、反時計回りの方向で回転する。トナー攪拌部材(106)は軸方向において、その先端部が開口部近傍を通過しない部分では、回転駆動によるトナー搬送面の面積を大きくしてあり、収容されたトナーを充分に流動させ攪拌する。また、その先端部が開口部近傍を通過する部分では、回転駆動によるトナー搬送面の面積を小さくした形状をしてあり、過剰な量のトナーを開口部(107)へ導くことを防止している。開口部(107)近傍のトナーは、トナー攪拌部材(106)によって適度にほぐされ、自重によって開口部(107)を通過しトナー供給室(102)へと落下移動する。供給ローラ(105)の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、トナー供給室(102)内に運ばれてきたトナーを効率よく付着させて取り込むと共に、現像ローラ(103)との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止している。発泡材料は3乗〜14乗Ωの電気抵抗値に設定される。
・軟化点(Tm)
フローテスター(CFT−500/島津製作所社製)を用い、測定試料1.5gを秤量し、H1.0mm×φ1.0mmのダイを用いて、昇温速度3.0℃/min、予熱時間180秒、荷重30kg、測定温度範囲80〜140℃の条件で測定を行ない、上記の試料が1/2流出した時の温度をトナーの軟化点とした。
示差走査型熱量計(DSC)は、セイコーインスツル社製のDSC6200を用い、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定した。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
以下に測定方法について述べる。まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
外添処理を行なう前のトナーを1.0g計量し、n−ヘキサン7mlを加え、120rpmで1分間ロールミルで攪拌したあと、この溶液を吸引ろ過し真空乾燥でn−ヘキサンを除去して、残った成分の重量(I)(mg)を測定し、下記式(6)で表面ワックス露出量A(mg/g)を算出した。
式(6)…A=重量(I)(mg)/[トナー1.0g中のWAX含有量](g)
10倍に希釈した界面活性剤溶液30mLにトナー2gを入れ十分に馴染ませた後、超音波ホモジナイザーを用いて40Wで1分間エネルギーを与えて、トナーから分離、洗浄後、乾燥させる処理を行ない、蛍光X線分析装置を用いて処理前後のシリカの付着量の比を算出することにより得られる。蛍光X線分析は島津製作所社製波長分散型蛍光X線分析装置XRF1700を用いて上記処理により得られた乾燥トナーと処理前のトナーをそれぞれ2gに1N/cm2の力を60秒間加えてトナーペレットを作成してケイ素を検量線法により定量した。
現像ローラ上のトナーを2mm×100mmの範囲で吸引し、トラップされたトナーの質量を測定することで、単位面積あたりの付着量(mg/cm2)を得た。
リコー社製カラーレーザープリンターIPSIO CX2500を用いて印字率5%の画像を5000枚印刷後、ベタ画像を採取後スジを目視評価を行なった。評価基準を以下に示す。
○問題なし
△縦白スジあるが、品質上問題ない
×縦白スジありで、品質上問題あり
リコー製ipsio CX7500の定着機を取り外した改造機に、トナー5部とシリコーン樹脂コートキャリア95部を混合攪拌して作成した二成分現像剤を入れ、転写紙(リコー製タイプ6200Y目紙)に縦方向の先端余白3mmを有するベタ画像で、1.1±0.1mg/cm2のトナーが現像される様に調整を行ない、未定着状態の転写紙を6枚出力した。
リコー製ipsio CX2500の定着部分のみを取り出し、定着ベルトの温度およびベルト線速度を所望の値になるように改造した定着試験装置を用い、ベルト線速度125mm/secに設定して、定着ベルトの温度を140℃から190℃の範囲で10℃刻みの温度で先端余白3mmのほうから転写紙の定着を行なった。転写紙が定着ベルトに巻きついたり、定着機の出口で蛇腹のようになって詰まったりすることなく、正常に定着できた枚数によって、下記基準に基づき評価した。
○:正常に定着できた枚数が5枚以上。
△:正常に定着できた枚数が2枚以上5枚未満。
×:正常に定着できた枚数が2枚未満。
5 クリーニングブレード
7 中間転写ベルト
8 クリーニングローラ
101 トナー収容室
102 トナー供給室
103 現像ローラ
104 層規制部材
105 供給ローラ
106 トナー攪拌部材
107 開口部
108 封止シール
Claims (10)
- 少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材とを備え、前記トナーは少なくともバインダー樹脂、ワックス、無機微粒子を含んだ粉砕トナーであり、前記現像ローラの周速をv(mm/sec)、現像ローラの直径R(mm)、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)が、下記式(1)から(3)を満たすことを特徴とする画像形成方法。
式(1)…300≧v≧100
式(2)…10≧R≧5
式(3)…(R2/12)≧A≧(150/v) - 前記トナーのワックス含有量が、3%以上10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記トナーが、示差熱分析(DSC)測定により得られる吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークを示す温度が65〜85℃の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- 前記トナーの軟化点が110℃以上140℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記トナーの体積平均径が5.0μm〜10.0μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記トナーの無機微粒子の含有量が2.0部〜4.5部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記無機微粒子の付着強度が30%〜80%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記現像ローラ上のトナー付着量が7mg/cm2以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
- 少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーを収納する部分を有し、現像ローラの直径R(mm)は10≧R≧5、現像ローラの周速v(mm/sec)は300≧v≧100を満たすプロセスカートリッジに用いられるトナーであって、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)が下記式(4)を満たすことを特徴とする一成分トナー。
式(4)…(R2/12)≧A≧(150/v) - 少なくとも潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、現像ローラの周面に接し、該現像ローラ上の該トナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーを収納する部分を有し、現像ローラの直径R(mm)は10≧R≧5、現像ローラの周速v(mm/sec)は300≧v≧100、該トナーの表面ワックス露出量A(mg/g)は下記式(5)を満たしていることを特徴とする画像形成装置。
式(5)…(R2/12)≧A≧(150/v)
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