JP2009149951A - 製膜装置の膜厚調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コンベア7によって搬送される基板3に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズル39を有するインジェクタ35と、吹き付けられた原料ガスを基板3とインジェクタ35との間から排気する前後一対の排気部37と、各排気部37の外側に形成され、原料ガスを排気部37へ案内する前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47と、を有する大気圧熱CVD装置1の膜厚調整方法であって、コンベア7を停止した状態で試験基板51に膜を製膜する停止製膜工程と、膜について、コンベア7の搬送方向Lにおけるノズル39の中央位置の前後の均一性を判定する判定工程と、均一性が所定の範囲に収まるように各不活性ガス流の流量を調整する調整工程と、を備える。
【選択図】 図4
Description
基板上における主原料ガスの濃度分布の偏りが発生すると、基板全体に膜厚分布や膜質分布が生じて製膜されるので、膜特性が変化してしまい、太陽電池発電性能に分布を生じ、基板全体での太陽電池発電性能が低下するために、製品歩留まりが低下することが問題となる。
このため、基板上における主原料ガスの濃度分布の偏りが残ることになるので、均一な膜特性をもつ製品を得るには十分といえなかった。
また、試行錯誤に行うことになるので、効率的とはいえない。
本発明の製膜装置の膜厚調整方法は、コンベアによって搬送される基板に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズルを有するインジェクタと、前記吹き付けられた原料ガスを前記基板と前記インジェクタとの間から排気する前後一対の排気流路と、該各排気流路の外側に形成され、前記原料ガスを前記排気流路へ案内する不活性ガス流と、を有する製膜装置の膜厚調整方法であって、前記コンベアを停止した状態で試験体に膜を製膜する停止製膜工程と、該膜について、前記コンベアの搬送方向における前記ノズルの中央位置の前後の均一性を判定する判定工程と、前記均一性が所定の範囲に収まるように前記各不活性ガス流の流量を調整する調整工程と、を備えることを特徴とする。
一般にコンベアの基板搬送速度は原料ガスが排気流路へ向かう速度に対して十分小さいため、停止製膜による膜の均一性とコンベアによって搬送される基板での膜の均一性は同じと考えて差し支えない。停止製膜における膜厚分布がノズルの前後で同じような形となると、コンベアによって搬送される基板に作用する原料ガスの量が略均一となるので、基板全体に製膜される膜の膜特性(膜厚分布や膜質分布)を略均一とすることができる。したがって、膜性能が略均一となるので、基板全体での性能が低下することがなく、製品歩留まりを向上することができる。
また、均一性の判定は、幅方向(基板面に沿う搬送方向に直交する方向)に複数箇所で測定し、その平均値を用いるようにするのが、幅方向の変動を考慮できるので、好適である。
不活性ガス流の不活性ガスとしては、価格の面から窒素が用いられる。
この光干渉像の干渉縞における両側の外側端は、最も厚さが薄い同じ厚さの部分、すなわち、製膜された膜の外側端近傍を示しているので、この端を膜の外側端と見做してもほとんど差異は生じない。
また、試験体に製膜される膜の厚さは、ノズルから離れるにしたがい漸減するので、干渉縞の間隔は、一般に外側ほど広くなる。このため、外側から2番目の干渉縞も判定し易い。
このように、膜がある程度の厚さ形成されている部分での長さを均一性の判定に用いるので、膜の厚さが薄い最も外側のものに比べて曖昧さが少なくなる分、より精度を向上させることができる。
なお、均一性の判定は、幅方向に複数箇所で測定し、その平均値を用いるようにするのが、幅方向の変動を考慮できるので、好適である。
本発明によれば、均一性の判定にこの断面積を用いるので、均一性の判定に厚さの要素が加味されることになる。したがって、上述の長さの情報のみに基づくものよりも一層精度よく均一性を判定することができる。
なお、均一性の判定は、幅方向に複数箇所で測定し、その平均値を用いるようにするのが、幅方向の変動を考慮できるので、好適である。
また、一枚が小さくなるので、熱等による変形量が一体のものに比べて小さくなる。このため、変形に伴う割れが無くなるので、確実に製膜でき、均一性を判定することができる。
なお、試験体と膜との屈折率が近似しているものとしては、たとえば、試験体がガラスで、膜がシリカである組合せである。
これにより、基板全体に製膜される膜の膜特性(膜厚分布や膜質分布)を略均一とすることができるので、基板全体での性能が低下することがなく、製品歩留まりを向上することができる。
以下、本発明の第一実施形態に係る製膜装置の膜厚調整方法について図1から図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる膜厚調整方法を実施する大気圧熱CVD装置(製膜装置)1の全体概略構成を示す縦断面図である。
この大気圧熱CVD装置1は、透光性の基板3(たとえば:1.4m×1.1m×4mmのソーダガラス基板)上に熱CVD法により透明電極膜を製膜する。透明電極膜は、アルカリバリア膜および透明導電膜を含む。
製膜室5は、長手方向の一方の端部に入口部9が、他方の端部に出口部11が備えられている。製膜室5には、入口部9から出口部11に向けて、加熱部13と、第1チャンバ15と、第2チャンバ17と、第3チャンバ19と、第4チャンバ21と、第5チャンバ23と、第6チャンバ25と、第7チャンバ27と、水冷部29と、が順に備えられている。
出口部11には、たとえば、窒素ガスを噴出することで、製膜室5内の雰囲気が出口部11から流出することを防止する出口シール部33が備えられている。
第1チャンバ15は、原料ガスとしてTTIP(テトライソプロポキシチタニウム)ガスを通過する基板3上に送出することで、熱CVD法により基板3上にTiO2膜を形成する。
第2チャンバ17および第3チャンバ19は、それぞれ下を通過する基板3上にアルカリバリア膜を形成する。第2チャンバ17および第3チャンバ19は、原料ガスとしてSiH4ガスおよびO2ガスを通過する基板3上に送出することで、熱CVD法により基板3上にSiO2膜を形成する。
すなわち、第4チャンバ21ないし第7チャンバ27は、原料ガスとしてSnCl4ガス、H2OガスおよびHFガスをN2ガスで希釈して送出することで、熱CVD法により基板20上にFをドープされたSnO2膜を形成する。
第1チャンバ15ないし第7チャンバ27は、製膜内容に応じて適宜選択して用いられる。
コンベア7、言い換えると基板3に対向するインジェクタ35の下面には、搬送方向Lにおける略中央位置に、幅方向略全幅にわたりノズル部(ノズル)39が取り付けられている。
ノズル部39の前後部は、下方に向かい間隔が漸増するように形成され、図2の原料ガス流41に示されるように原料ガスを前方および後方に向けて噴射する。
これらの第1吹出口43A、第2吹出口43Bおよび第3吹出口43Cは、幅方向に延びるように形成され、第1吹出口43Aから前後に向かって第2吹出口43B、第3吹出口43Cの順に並んで配置されている。
第4チャンバ21(第1チャンバ15、第2チャンバ17、第3チャンバ19、第5チャンバ23、第6チャンバ25、第7チャンバ27)の前方には、原料ガス流41の搬送方向L下流側への拡散を抑制するとともに前方の排気部37へ案内する前窒素ガスカーテン(不活性ガス流)45が、後方には、原料ガス流41の搬送方向L上流側への拡散を抑制するとともに後方の排気部37へ案内する後窒素ガスカーテン(不活性ガス流)47が備えられている。
窒素ガスカーテン45,47は、他の不活性ガスを用いてもよいが、コストの点で窒素ガスが好適である。
大気圧熱CVD装置1には、装置各部の動作、運転状況を制御する制御部49が備えられている。
この膜厚調整方法は、たとえば、メンテナンスを行った後、季節の移りかわる時期等、変動が大きい時に実施される。
停止製膜は、コンベア7を停止した状態で、試験基板(試験体)51へ製膜作業を行うものである。この試験基板51は、入口シール部31、第1チャンバ15ないし第7チャンバ27、各チャンバの前後窒素ガスカーテンおよび出口シール部33の下方にそれぞれ位置するように配置されている。
このように、試験基板51は、製膜室5の内部で圧損の大きい箇所には全て配置されていることになるので、停止製膜が実際の製膜運転時と同様の気流バランスで行うことができる。
この場合、たとえば、搬送方向L中央部の2枚の分割試験基板53が製膜されるようにできる。このため、進行方向L前後端の4枚の分割試験基板53は、製膜されないので、そのままの状態で次回の停止製膜に用いることができ、また製膜された基板を前後端の4枚に使用することもできるので経済性を向上できる。
また、分割試験基板53は試験基板51よりも格段に小さくなるので、製膜作業に伴う熱等による変形量が試験基板51のそれに比べて格段に小さくなる。
このため、熱による変形に伴う割れが無くなるので、確実に製膜することができる。
具体的には、各チャンバでそれぞれ製膜された部分を対象に光干渉法を用いて光干渉像55を取得する。図5は、光干渉像55の一部を示している。
この光干渉像55を用いて図5に示すような数値を取得する。すなわち、ノズル39の搬送方向Lにおける中央位置に対応するから位置Cから最も外側の干渉縞57の外側端までの長さ、入口側膜長さLiおよび出口側膜長さLeを測る。
次いで、入口側膜長さLiと出口側膜長さLeの差Lie(=Li−Le)を計算する。この場合、幅方向の複数箇所でこの膜長差Lieを算出して、それらを平均したものを膜長差Lieとするようにしてもよい。
この膜長差Lieは、位置Cを境とした前方および後方の均一性の程度を判断、すなわち、小さいほど均一性があると判断できるので、均一性を示す指標となる。
後窒素ガスカーテン47の入口側流量Niと前窒素ガスカーテン45の出口側流量Neとの流量差Nie(=Ni−Ne)と膜長差Lieとの関係F[Lie,Nie]は、予め実機におけるパラメータスタディーによって把握している。これは、たとえば、図6に示されるように表される。
膜長差Lieが正で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Bi)には、気流のバランスは入口側に傾いていると判定する。一方、膜長差Lieが負で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Be)には、気流のバランスは出口側に傾いていると判定する。
このステップS3およびステップS4が本発明の判定工程である。
ステップS7で有りの場合、ステップS4に戻って次のチャンバの調整を行う。すなわち、上記ステップS4、ステップS5またはステップS6を対象となる全てのチャンバで繰り返し行うこととなる。
ステップS7で無しの場合、調整を終了する(ステップS8)。
このため、簡単に測定することができ、すばやい判定を行うことができる。
また、均一性を表す膜長差Lieの正負および大きさによって、前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の流量調整が一義的に、かつ、容易に行えるので、効果的かつ効率的に停止製膜の膜厚分布を均一に、言い換えると、略左右同形にすることができる。
したがって、膜性能が略均一となるので、基板3全体での性能が低下することがなく、製品歩留まりを向上することができる。
また、制御部49に図6の内容をデータとして格納し、膜長差Lieを入力すれば、前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の調整流量を算出できるようにすると、その調整流量となるように前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47を制御する機能は備えられているので、この部分、すなわち、ステップ4以降を自動化することができる。
この場合、作業員が微調整したときの前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の流量と膜長差Lieとの関係を蓄積して図6の関係を修正するようにすると、一層精度よく調整することができる。
次に、本発明の第二実施形態について図7および図8を参照して説明する。
本実施形態の基本構成は、第一実施形態と同様であるが、第一実施形態とは、気流バランスの数値化の内容が異なっている。よって、本実施形態においては、図7および図8を用いて気流バランスの数値化を説明し、その他の重複するものについては説明を省略する。
なお、第一実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、図4のフローにおけるステップS3〜ステップS6の処理内容が第一実施形態と異なる。
まず、ステップS3の気流バランスの数値化は、図7に示すような数値を取得する。
すなわち、図7に示すようにノズル39の搬送方向Lにおける中央位置に対応するから位置Cから外側から2番目の干渉縞59の外側端までの長さを計測する。このとき計測した後方である入口側膜長さliおよび前方である出口側膜長さleが均一性の判定に用いられる。
また、膜の外側は、たとえば、前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の流量のゆれによる影響を受け易いので、最も外側の干渉縞59の外側位置は場所あるいは状況により予期せぬ変動が発生する恐れ、言い換えれば、曖昧さがある。
外側から2番目の干渉縞59はある程度の厚さ形成されている部分であるので、膜の厚さが薄い最も外側の干渉縞57に比べて曖昧さが少なくなる分、流量バランスの調整精度を一層向上させることができる。
この膜長差lieは、位置Cを境とした前方および後方の均一性の程度を判断、すなわち、小さいほど均一性があると判断できるので、均一性を示す指標となる。
膜長差lieが正で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Bi)には、気流のバランスは入口側に傾いていると判定する。一方、膜長差Lieが負で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Be)には、気流のバランスは出口側に傾いていると判定する。
したがって、目標範囲Mに入る調整が容易となる。
このため、簡単に測定することができ、すばやい判定を行うことができる。
また、均一性を表す膜長差lieの正負および大きさによって、前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の流量調整が一義的に、かつ、容易に行えるので、効果的かつ効率的に停止製膜の膜厚分布を均一に、言い換えると、略左右同形にすることができる。
したがって、膜性能が略均一となるので、基板3全体での性能が低下することがなく、製品歩留まりを向上することができる。
次に、本発明の第三実施形態について図9〜図11を参照して説明する。
本実施形態の基本構成は、第一実施形態と同様であるが、第一実施形態とは、気流バランスの数値化の内容が異なっている。よって、本実施形態においては、図9〜図11を用いて気流バランスの数値化を説明し、その他の重複するものについては説明を省略する。
なお、第一実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、図4のフローにおけるステップS3〜ステップS6の処理内容が第一実施形態と異なる。
まず、ステップS3の気流バランスの数値化は、光干渉像55を用いて図9および図10に示すような数値を取得する。
すなわち、図9に示すようにノズル39の搬送方向Lにおける中央位置に対応する位置Cから入口側の膜の断面積である入口側膜厚積算面積Aiと、出口側の膜の断面積である出口側膜厚積算面積Aeとを算出する。
各干渉縞61の厚さと位置とを組み合わせると、膜厚分布MBが取得できる。
各干渉縞61の位置は目視でも決定できるが、中心部分は干渉縞61が詰まって見分け難いことになる可能性がある。
このような場合、あるいは、常時、各干渉縞61の位置は、たとえば、画像解析をして、その画像解析結果GKにおける明暗の変化によって把握するようにしてもよい。
入口側膜厚積算面積Aiおよび出口側膜厚積算面積Aeは、この膜厚分布MBに基づいて算出される。
この入口側膜厚積算面積Aiおよび出口側膜厚積算面積Aeが均一性の判定に用いられる。
したがって、第一実施形態および第二実施形態の長さの情報のみに基づくものよりも一層精度よく均一性を判定することができるので、流量バランスの調整精度を一層向上させることができる。
この場合、幅方向の複数箇所、たとえば、8箇所でこの膜厚差αを算出して、それらを平均したものを膜厚差αとする。
この膜厚差αは、位置Cを境とした前方および後方の均一性の程度を判断、すなわち、ゼロに近いほど均一性があると判断できるので、均一性を示す指標となる。
膜厚差αが正で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Bi)には、気流のバランスは入口側に傾いていると判定する。一方、膜厚差αが負で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Be)には、気流のバランスは出口側に傾いていると判定する。
このため、簡単に測定することができ、すばやい判定を行うことができる。
また、均一性を表す膜厚差αの正負および大きさによって、前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の流量調整が一義的に、かつ、容易に行えるので、効果的かつ効率的に停止製膜の膜厚分布を均一に、言い換えると、略左右同形にすることができる。
したがって、膜性能が略均一となるので、基板3全体での性能が低下することがなく、製品歩留まりを向上することができる。
次に、本発明の第四実施形態について図12から図17を参照して説明する。
本実施形態は、チャンバ間の相互干渉が大きいものを対象とする膜厚調整方法である。本実施形態を実施する大気圧熱CVD装置1の概略構成は第一実施形態で説明したものと略同じであるので、ここでは重複した説明を省略する。
したがって、第一実施形態ないし第三実施形態の各チャンバ毎の調整とは異なり、大気圧熱CVD装置1全体での調整が必要となる。
調整が開始される(ステップS21)と、まず、停止製膜が行われる(ステップS22)。このステップS22が、本発明の停止製膜工程であり、停止製膜は、具体的には、第一実施形態におけるステップS2と同様に行われる。
ここでは、第三実施形態と同様に、膜厚差αを算出することとする。なお、膜厚差αではなく、第一実施形態の膜長差Lieあるいは第二実施形態の膜長差lieを算出するようにしてもよい。
第1チャンバ15よりも入口側における窒素ガスカーテン部の窒素ガス流量である入口側流量Nm,iと、第7チャンバ27よりも出口側における窒素ガスカーテン部の窒素ガス流量である入口側流量Nm,eと、流量差Nm,ie(=Nm,i−Nm,e)と膜厚差αとの関係F[α,Nm,ie]は、予め実機におけるパラメータスタディーによって把握している。これは、たとえば、図12に示されるように表される。
膜厚差αが正で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Bi)には、全体の気流のバランスは入口側に傾いていると判定される。一方、膜厚差αが負で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Be)には、全体の気流のバランスは出口側に傾いていると判定される。
このステップS23およびステップS24が本発明の判定工程である。
これは、前後のチャンバ間の気流バランスを確認し調整するものである。したがって、前後のチャンバを一般化するために、後、すなわち、入口側(上流側)のチャンバに関連するものにnを付記し、前、すなわち、出口側(下流側)のチャンバに関係するものに(n+1)と付記する。
チャンバnと、チャンバ(n+1)と、の間に存在する窒素ガスカーテンであるチャンバnの前窒素ガスカーテン45の流量Nenおよびチャンバ(n+1)の後窒素ガスカーテン47の流量Ni(n+1)とを加えた合計流量Nn,(n+1)を算出する。
膜厚差αn,(n+1)と、合計流量Nn,(n+1)との関係G[αn,(n+1),Nn,(n+1)]は、予め実機におけるパラメータスタディーによって把握している。これは、たとえば、図13に示されるように表される。
差膜厚差αn,(n+1)が正で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Bi)には、チャンバ間の気流のバランスは相互に遠のいていると判定される。一方、膜厚差αn,(n+1)が負で、かつ、目標範囲外の場合(たとえば、点Be)には、チャンバ間の気流のバランスは相互に近づいていると判定される。
ステップS28で、相互に遠のいていると判定されると、該当チャンバ間における前窒素ガスカーテン45および後窒素ガスカーテン47の流量は減少される(ステップS30)。このとき、減少する流量は、膜厚差αn,(n+1)の大きさによって図13を元に膜厚差αn,(n+1)が目標範囲Mに入るように決定される。
ステップS31で有りの場合、ステップS28に戻って次のチャンバ間の調整を行う。すなわち、上記ステップS28、ステップS29またはステップS30を対象となる全てのチャンバ間で繰り返し行うこととなる。
ステップS32で、有の場合、ステップS22と同じ内容で、再度停止製膜を実施する(ステップS33)。次いで、ステップS23と同じ内容で、再度気流バランスの数値化を行い(ステップS34)、再度、ステップS27以降を繰り返す。
最後のステップS34で入手した膜厚差αに基づいて、ステップS24と同じ内容で、装置全体の気流バランスの内容を判定する(ステップS36)。
ステップS36で、気流バランスが出口側に傾いていると判定された場合、ステップS26と同様にして入口側である入口側流量Nm,iを減少し、出口側である出口側流量Nm,eを増加させる(ステップS38)。
ステップS36で、全体の気流バランスが目標範囲内に納まっている場合、調整作業を終了する(ステップ41)。
この管路網解析では、インジェクタ35と製膜室5の壁との間の空間(装置両脇の気流の抜け道、バイパス路)の大きさ等により変化し、気流バランス解析ではこのようなバイパス路も考慮に含めて解析している。
図17は、図16と同じ部分で、流れの方向を矢印で示している。
たとえば、上記の実施の形態においては、この発明を太陽電池の透明導電膜を製膜する大気圧熱CVD装置に適応して説明したが、ガラス板に熱線反射膜や反射防止膜等などの光学膜を製膜する開放型の熱CVD装置に適用することもでき、特に限定するものではない。
3 基板
5 製膜室
7 コンベヤ
15 第1チャンバ
17 第2チャンバ
19 第3チャンバ
21 第4チャンバ
23 第5チャンバ
25 第6チャンバ
27 第7チャンバ
31 入口シール部
33 出口シール部
35 インジェクタ
37 排気部
45 前窒素ガスカーテン
47 後窒素ガスカーテン
51 試験基板
53 分割試験基板
55 光干渉像
57,59,61 干渉縞
Claims (8)
- コンベアによって搬送される基板に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズルを有するインジェクタと、
前記吹き付けられた原料ガスを前記基板と前記インジェクタとの間から排気する前後一対の排気流路と、
該各排気流路の外側に形成され、前記原料ガスを前記排気流路へ案内する不活性ガス流と、を有する製膜装置の膜厚調整方法であって、
前記コンベアを停止した状態で試験体に膜を製膜する停止製膜工程と、
該膜について、前記コンベアの搬送方向における前記ノズルの中央位置の前後の均一性を判定する判定工程と、
前記均一性が所定の範囲に収まるように前記各不活性ガス流の流量を調整する調整工程と、を備えることを特徴とする製膜装置の膜厚調整方法。 - 前記判定工程では、前記均一性は前記膜の前記搬送方向における長さによって判定されることを特徴とする請求項1記載の製膜装置の膜厚調整方法。
- 前記判定工程では、前記膜の光干渉像を取得し、該光干渉像の干渉縞における外側端を前記膜の外側端であると見做すことを特徴とする請求項1記載の製膜装置の膜厚調整方法。
- 前記判定工程では、前記膜の光干渉像を取得し、前記均一性は該光干渉像の干渉縞における外側から2番目の干渉縞までの前記搬送方向における長さによって判定されることを特徴とする請求項1記載の製膜装置の膜厚調整方法。
- 前記判定工程では、前記膜の光干渉像を取得し、前記均一性は該光干渉像の干渉縞に基づいて算出される前記搬送方向における断面積によって判定されることを特徴とする請求項1記載の製膜装置の膜厚調整方法。
- 前記停止製膜工程では、前記インジェクタが設置される炉内における圧損が大きい箇所の全てに前記試験体が設置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製膜装置の膜厚調整方法。
- 前記試験体は、複数に分割されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製膜装置の膜厚調整方法。
- 前記試験体と前記膜との屈折率が近似している場合、前記試験体の少なくとも製膜される部分に、それと屈折率の異なる予備膜が製膜されていることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の製膜装置の膜厚調整方法。
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