JP2009149728A - ポリエーテルの製造方法 - Google Patents
ポリエーテルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009149728A JP2009149728A JP2007327277A JP2007327277A JP2009149728A JP 2009149728 A JP2009149728 A JP 2009149728A JP 2007327277 A JP2007327277 A JP 2007327277A JP 2007327277 A JP2007327277 A JP 2007327277A JP 2009149728 A JP2009149728 A JP 2009149728A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyether
- gly
- group
- formula
- derivatives
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 *N(CCC1)CCN1S(c1cccc2cnccc12)(=O)=O Chemical compound *N(CCC1)CCN1S(c1cccc2cnccc12)(=O)=O 0.000 description 1
- NMGSDTSOSIPXTN-UHFFFAOYSA-N C1CC=C=CC1 Chemical compound C1CC=C=CC1 NMGSDTSOSIPXTN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- NGOGFTYYXHNFQH-UHFFFAOYSA-N O=S(c1cccc2cnccc12)(N1CCNCCC1)=O Chemical compound O=S(c1cccc2cnccc12)(N1CCNCCC1)=O NGOGFTYYXHNFQH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Polyethers (AREA)
Abstract
Description
また、通常の抗腫瘍薬を単独で全身投与した場合には、腫瘍部位への移行選択性(腫瘍選択性)が低いために、抗腫瘍薬が全身の様々な細胞・組織・臓器に満遍なく分布してしまい、正常な細胞や組織に対しても細胞毒として作用し、嘔吐、発熱、あるいは脱毛などの副作用を極めて高率に発生させるという問題が指摘されている。そこで、抗腫瘍薬を効率的かつ選択的に腫瘍部位に移行させる技術の開発、更には到達した腫瘍部位からの制御された薬物放出を行う技術が求められてきた。
このような技術の一つとして、例えば、多糖の様な水溶性高分子に抗腫瘍薬を結合させて、抗腫瘍薬の血中からの消失を遅延させ、かつ、癌組織への指向性を高める方法が提案されている。例えば、種々の多糖に対してアドリアマイシンを結合させた複合体が開示されている例がある(特許文献1)。また、カルボキシメチルデキストランを含む種々の多糖誘導体にアンスラサイクリン系抗腫瘍薬を結合させた錯体が開示されている例もある(非特許文献1)。さらに、カルボキシアルキルデキストランポリアルコールに対してペプチドを介して薬物を結合させた複合体が開示されている例がある(特許文献2)。これらの天然由来の多糖は水酸基等の官能基を有し薬物担持能力に優れるものの、天然物であることから均一な品質のものを容易に得られないといった問題点がある。
一方、合成高分子を薬物送達用担体として用いた例としては、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)にリンカーを介し血管新生阻害薬(TNP−470)を結合させた例が報告されている(非特許文献2)。また、ポリエチレングリコール(PEG)にパクリタキセルを結合させた複合体が開示されている例がある(非特許文献3)。これらの合成高分子は生体内で分解されないという特徴があるものの、血漿増量剤などとして生体に投与されるなど、安全性の面ではハードルが低い。
(1)式(I)および式(II)で表される化合物を共重合して得られる、式(III)および式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリエーテル。
(2)下式(V)および式(VI)を構造単位として含むポリエーテルに対し、薬理作用を有する基を、薬理作用を有する基自身が有するアミノ基を介して、あるいは、アミノ基を有するリンカーを介して結合させることにより得られる式(VII)を含みかつ(V)、(VI)を構造単位として含む前記(1)に記載のポリエーテル。
(3)ポリエチレングリコール(PEG)換算重量平均分子量/PEG換算数平均分子量(Mw/Mn)が1.1〜2.7である前記(1)または(2)に記載のポリエーテル。
(4)薬理作用を有する基がリンカーと結合した基である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエーテル。
(5)リンカーがアミノ酸もしくはペプチドである前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリエーテル。
(6)リンカーがGly,Ala,Leu,Ile,Pheで示されるアミノ酸から選択または組み合わせて用いられる前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエーテル。
(7)リンカーがGly−Gly,Ala−GLy,Gly−Ala,Leu−Gly,Gly−Leu,Ile−Gly,Gly−Ile,Phe−Gly,Gly−Phe,Gly−Gly−Gly,Gly−Phe−Gly,Phe−Gly−Gly,Gly−Gly−Phe,Gly−Gly−Phe−Glyから選択される前記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリエーテル。
(8)薬理作用を有する基が分子中に官能基としてアミノ基、またはカルボキシル基、または水酸基を有する前記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリエーテル。
(9)薬理作用を有する基が抗悪性腫瘍薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、酵素阻害薬または核酸である前記(1)〜(8)のいずれかに記載のポリエーテル。
(10)抗悪性腫瘍薬がアルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍性抗生物質、微小管阻害薬、ホルモン類似薬、白金製剤、トポイソメラーゼ阻害薬、生物製剤(サイトカイン)、分子標的治療薬、非特異的免疫賦活薬およびその誘導体から選択される前記(9)に記載のポリエーテル。
(11)アルキル化薬がシクロフォスファミドなどのマスタード薬、ニムスチンなどのニトロソウレア類およびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(12)代謝拮抗薬が葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキセート、ピリミジン代謝拮抗薬である5−フルオロウラシル、プリン代謝拮抗薬の6−MPおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(13)抗腫瘍性抗生物質がアンスラサイクリン系のドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンCおよびそれらの誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(14)微小管阻害薬がタキサン系のパクリタキセル、ドセタキセルおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(15)ホルモン類似薬がタモキシフェンおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(16)白金製剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(17)トポイソメラーゼ阻害薬がトポイソメラーゼI阻害薬のイリノテカン、ノギテカンおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(18)生物製剤がインターフェロンおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(19)分子標的治療薬がイマチニブ、ゲフィチニブ、リツキシマブおよびその誘導体から選択される前記(10)に記載のポリエーテル。
(20)抗炎症薬が副腎皮質ステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬およびその誘導体から選択される前記(9)に記載のポリエーテル。
(21)副腎皮質ステロイド薬がヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾンおよびその誘導体から選択される前記(20)に記載のポリエーテル。
(22)非ステロイド性抗炎症薬がサリチル酸系のアスピリン、アントラニル系のメフェナム酸、プロピオン酸系のイブプロフェン、ロキソプロフェン、アリール酢酸系のジクロフェナク、インドメタシンおよびその誘導体から選択される前記(20)に記載のポリエーテル。
(23)抗リウマチ薬が免疫調節薬、免疫抑制薬、生物学的製剤およびその誘導体から選択される前記(9)に記載のポリエーテル。
(24)免疫調節薬が金チオリンゴ酸ナトリウム、ペニシラミン、ロベンザリットおよびその誘導体から選択される前記(23)に記載のポリエーテル。
(25)免疫抑制薬がミゾリビン、メトトレキサート、レフルノミド、タクロリムスおよびその誘導体から選択される前記(23)に記載のポリエーテル。
(26)生物学的製剤がインフリキシマブ、エタネルセプトおよびその誘導体から選択される前記(23)に記載のポリエーテル。
(27)酵素阻害薬がファスジルおよびその誘導体から選択される前記(9)に記載のポリエーテル。
(28)前記(1)〜(27)のいずれかに記載のポリエーテルを含む製剤。
(29)前記(1)におけるR2が水素又は無機塩基、または有機塩基であるポリエーテルを用いた生体内組織への薬物、遺伝子、あるいは生体内イメージング用造影剤に対する送達用担体。
(30)前記(1)におけるR2が水素又は無機塩基、または有機塩基であるポリエーテルを用いた薬剤、ペプチド、核酸または蛋白を担持あるいは固定化するための担体。
(31)前記(1)〜(27)のいずれかに記載のポリエーテルを架橋してなる構造体を疾患部位に投与することによる治療方法。
(32)薬物送達製剤の製造における前記(1)〜(27)のいずれかに記載のポリエーテルの使用。
(33)式(I)および式(II)で表される化合物をランダム共重合して、式(III)および式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルを製造する方法。
(34)重合に用いる触媒が塩基およびルイス酸から選択される前記(33)に記載のポリエーテルを製造する方法。
(35)重合に用いる触媒が水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムやナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリムプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウム−t−2−メチル−2−ブトシキドおよび三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリアルキルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリブチルアルミニウムから選択され、単独もしくは混合して使用される前記(33)に記載のポリエーテルを製造する方法。
(36)前記(1)〜(27)のいずれかに記載のポリエーテルを静脈内より生体内に投与することによる治療方法。
(37)前記(1)〜(27)のいずれかに記載のポリエーテルを疾患部位に投与することによる治療方法。
(2)本発明のポリエーテルは、ペンダント状側鎖カルボキシル基を有するためにアミド結合を利用する事により高収率で容易に薬物担持が可能となる。
(3)本発明のポリエーテルは、ペンダント状側鎖カルボキシル基を無機塩あるいは有機塩に変換することで、水に対する溶解性がより高くなり、例えば難水溶性化合物の可溶化に優れる。特に注射剤用の薬物送達用担体として有用である。
(4)本発明のポリエーテルは特に、薬物送達用担体として用いる場合は、生体に対する安全性が高い。これは、側鎖に導入された適度な量のカルボキシル基による負電荷のために、肝臓、脾臓、骨髄といった代謝臓器、副作用発現臓器への分布が軽減され、臓器障害や細胞毒性を引き起こす可能性が低減されると考えられるからである。従って、本発明のポリエーテルを医療用として用いた場合、生体との相互作用が極めて少なく安全な材料といえる。
(5)本発明のポリエーテルは特に、薬物送達用担体として用いられた場合は、担持した薬物を標的とする腫瘍臓器あるいは炎症臓器に選択的に集積させることが可能となる。
このように、カルボキシル基を有するモノマーを用いてランダム重合して得られた本発明のポリエーテルは、従来技術であるPEGに比べ様々な点において優れている。すなわち、本発明のポリエーテルは、側鎖に反応性の高いカルボキシメチル基が導入されていることから、水溶解性、水和能力、保水能力及び官能基導入能力に優れる。また、導入量が制御された側鎖カルボキシル基を有効に用いることにより、薬物等を結合させて所望の薬物含有量からなる薬物複合体を得ることが可能となる。より具体的には、アルゴン雰囲気下、THF、トルエン等の溶媒中、あるいは場合によってはDMFやDMSO等を用い水−有機溶媒の混合系、あるいは水溶液中においてペプチド合成で使用される縮合剤等の存在下で本発明のポリエーテルのカルボキシメチル基に対して薬物、ペプチド、生体イメージング用造影剤、核酸及び蛋白を結合させることが可能である。
TRENDS in Biotechnology, 24(1), 39-47 (2006)
下記式(X)で表される薬剤化合物に対して、リンカーとしてグリシン(H2N−CH2−COOH)を用いてこれらを結合すると下記式(Y)で示されるアミノ基を有する化合物となる。これを薬理活性を有する基としてポリエーテルに結合して用いることができる。
本発明のポリエーテルは極めて優れた血中滞留性及び腫瘍・炎症部位への集積性を有するので薬物送達用の担体として有用であり、本ポリエーテルからなる担体と薬物を結合させた薬物複合体は非常に有効に標的臓器に送達され、薬物の作用を発揮させることができる。また、薬物担体は、従来のPEGとは構造的に異なり側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、医薬化合物の担持能力に優れている。さらに、本発明の薬物複合体は、水に対する溶解性が特に向上していることから、難水溶性薬物等における注射剤として用いる場合に特に有用である。特に本発明の薬物複合体は、PEGを薬物送達用担体として用いた場合に比べて、1モル当たりの医薬化合物の担持能力が特に優れているため、投与される患者にとっての負担が少なくてすむ。
治療する方法に関する。さらに、該薬物複合体であるポリエーテルを架橋してなる構造体
を疾患部位に投与することにより治療する方法にも関する。
に限定されることはない。
また本実施例におけるGPCの条件は、以下のとおりである。
カラム:G4000PWXL(東ソー社製)
移動相:20%アセトニトリルin 50mM塩化リチウム
流速:0.8ml/min
カラム温度:40℃
ポンプ:L−6200(日立製作所製)
検出器:L−3300(RI:示差屈折計、日立製作所製)
化合物の分子量及び分子量分布を算出するための検量線は、スタンダードポリエチレンオキサイド(TOSOH製、重量平均分子量が2.4×104,5.00×104,1
・ 7×104,14.0×104)を用いて作成した。
以下の実施例中、共重合体(番号)は単に化合物(同番号)と記載することがある。
水素化ナトリウム(13.2g)のテトラヒドロフラン(300ml)懸濁液に氷冷下、アリルアルコール(20.4ml)のTHF溶液(THF200ml)を添加し30分間攪拌した。その後ブロモ酢酸(34.7g)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液を90分間に渡り滴下した。反応液を室温下5日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、水を加え酢酸エチルで洗浄した。その後5N塩酸でpHを2に調製し水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し粗精製物(1)26.7gを得た。
この粗精製物(1)(15g)を塩化メチレン200mlに溶解し、エタノール(11.4ml)、N−メチルモルホリン(NMM;14.2ml)及びジメチルアミノピリジン(DMAP;1.5g)を添加し、氷冷後水溶性カルボジイミド(EDC;24.2g)の塩化メチレン溶液を30分間に渡り滴下した。この反応液を室温下2日間攪拌した。反応液を飽和重曹水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し粗精製物26.3gを得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,240g,ヘキサン/エーテル5:1)により精製し表記化合物(2)(11.2g)を得た。
化合物(2)(11.0g)を塩化メチレン150mlに溶解し、氷冷下、3−クロロ過安息香酸(MCPBA;15.9g)の塩化メチレン溶液を90分間に渡り滴下した。室温で2日間攪拌し、2N水酸化ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し粗精製物(19.3g)を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,140g,ヘキサン/エーテル2:1)により精製し表記化合物(3)(11.1g)を得た。
測定条件:1H−NMR(400MHz、日本電子製JNM−LA400)、13C−NMR(150MHz、BrukerBiospin製Advance600)、GC/MS (HP製 HP5973)
1H−NMR(CDCl3):δ1.29(3H,t,J=7.2Hz),2.64(1H,dd,J=5.1,2.7Hz),2.82(1H,dd,J=5.1,4.2Hz),3.21(1H,m),3.50(1H,dd,J=11.6,6.0Hz),3.91(1H,dd,J=11.6,2.8Hz),4.14(1H,d,J=16.4Hz),4.19(1H,d,J=16.4Hz),4.23(2H,q,J=7.2Hz)
13C−NMR(CDCl3):δ14.2,44.1,50.6,61.0,68.5,72.1,170.2
MS:m/z 161[M+H]+
実施例1の粗成生物(1)(11.6g)を塩化メチレン200mlに溶解し、イソプロパノール(15.3ml)、N−メチルモルホリン(11.0ml)及びジメチルアミノピリジン(1.2g)を添加し、氷冷後水溶性カルボジイミド(18.6g)の塩化メチレン溶液を30分間に渡り滴下した。この反応液を室温下2日間攪拌した。反応液を飽和重曹水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し粗精製物22.5gを得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,240g,ヘキサン/エーテル5:1)により表記化合物(4)(9.7g)を得た。
化合物(4)(7.9g)を塩化メチレン150mlに溶解し、氷冷下、3−クロロ過安息香酸(16.1g)の塩化メチレン溶液を90分間に渡り滴下した。室温で2日間攪拌し、2N水酸化ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し粗精製物(14.5g)を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,150g,ヘキサン/エーテル2:1)により精製し表記化合物(5)(9.2g)を得た。
測定条件:1H−NMR(400MHz、日本電子製JNM−LA400)、13C−NMR(150MHz、BrukerBiospin製Advance600)、GC/MS (HP製 HP5973)
1H−NMR(CDCl3):δ1.27(6H,t,J=6.3Hz),2.63(1H,dd,J=4.9,2.7Hz),2.81(1H,dd,J=4.9,4.3Hz),3.21(1H,m),3.50(1H,dd,J=11.6,6.0Hz),3.90(1H,dd,J=11.6,2.9Hz),4.10(1H,d,J=16.4Hz),4.15(1H,d,J=16.4Hz),5.10(1H,m)
13C−NMR(CDCl3):δ21.8,44.1,50.6,68.6,72.1,169.7
MS:m/z 175[M+H]+
水素化ナトリウム(10.5g)のテトラヒドロフラン懸濁液(200ml)に氷冷下、アリルアルコール(16.3ml)のTHF溶液(THF200ml)を添加し30分間攪拌した。その後ブロモ酢酸(27.8g)のテトラヒドロフラン溶液(150ml)を60分間に渡り滴下した。反応液を室温下3日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、水を加え酢酸エチルで洗浄した。その後5N塩酸でpHを2に調製し水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し粗成生物(6)22.1gを得た。
この粗成生物(6)(22g)を塩化メチレン150mlに溶解し、ベンジルアルコール(21.6ml)、N−メチルモルホリン(20.9ml)及びジメチルアミノピリジン(1.1g)を添加し、氷冷後水溶性カルボジイミド(35.3g)の塩化メチレン溶液を60分間に渡り滴下した。この反応液を室温下2日間攪拌した。反応液を飽和重曹水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し粗精製物66.0gを得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,240g,ヘキサン/エーテル5:1)により精製し表記化合物(7)(31.5g)を得た。
化合物(7)(31.5g)を塩化メチレン200mlに溶解し、氷冷下、3−クロロ過安息香酸(28.9g)の塩化メチレン溶液を90分間に渡り滴下した。室温で2日間攪拌し、2N水酸化ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し粗精製物(38.4g)を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,150g,ヘキサン/エーテル2:1)により精製し表記化合物(8)(30.0g)を得た。
測定条件:1H−NMR(400MHz、日本電子製JNM−LA400)、13C−NMR(150MHz、BrukerBiospin製Advance600)、GC/MS (HP製 HP5973)
1H−NMR(CDCl3):2.62(1H,dd,J=4.9,2.7Hz),2.79(1H,dd,J=4.9,4.4Hz),3.20(1H,m),3.49(1H,dd,J=11.6,6.0Hz),3.91(1H,dd,J=11.6,2.8Hz),4.18(1H,d,J=16.6Hz),4.24(1H,d,J=16.6Hz),5.20(2H,s),7.31−7.39(5H)
13C−NMR(CDCl3):δ44.0,50.6,66.6,68.4,72.1,128.4−128.6,135.3,170.0
MS:m/z 223[M+H]+
実施例3と同様な条件下で、純度60%の水素化ナトリウム(22.0g)のテトラヒドロフラン懸濁液に氷冷下、アリルアルコール(20.4ml)を添加し30分間攪拌した。その後ブロモ酢酸(34.7g)のテトラヒドロフラン溶液を60分間に渡り滴下した。反応液を室温下3日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、水を加え酢酸エチルで洗浄した。その後5N塩酸でpHを2に調製し水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し粗精製物(9)26.4gを得た。
この粗精製物(9)(3.0g)を塩化メチレン50mlに溶解し、グリシン・ベンジルエステル・p−トルエンスルホン酸塩(11.4g)及びジメチルアミノピリジン(317mg)及びN−メチルモルホリン(3.7ml)を添加し、氷冷後水溶性カルボジイミド(4.0g)の塩化メチレン溶液を60分間に渡り滴下した。この反応液を室温下2日間攪拌した。反応液を飽和重曹水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し粗精製物6.8gを得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,140g,塩化メチレン/アセトニトリル=90:10)により精製し表記化合物(10)(6.2g)を得た。
化合物(10)(6.1g)を塩化メチレン100mlに溶解し、氷冷下、3−クロロ過安息香酸(4.6g)の塩化メチレン溶液を90分間に渡り滴下した。室温で2日間攪拌し、2N水酸化ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し粗精製物(8.6g)を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,140g,塩化メチレン/アセトニトリル=90:10)により精製し、再度化合物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60,120g,塩化メチレン/アセトニトリル=80:20)により精製し表記化合物(11)(5.5g)を得た。
測定条件:1H−NMR(400MHz、日本電子製JNM−LA400;;600MHz Bruker Advance600 )、13C−NMR(100MHz、日本電子社製JNM−LA400)、GC/MS(サーモエレクトロン製 Voyager)
1H−NMR(CDCl3):2.67(1H,dd,J=2.7,4.9Hz),2.82(1H,t,J=4.3,4.9),3.18(1H,m),3.49(1H,dd,J=5.9,11.6Hz)、3.87(1H,dd,J=2.6,11.6Hz),4.04(1H,d,J=15.5Hz),4.10(1H,d,J=15.5Hz),4.11(1H,d,J=5.6,18.2Hz),4.16(1H,d,J=5.6,18.2Hz),5.19(2H,s),7.32−7.40(5H)
13C−NMR(CDCl3):δ40.7,44.1,50.4,67.2,70.4,71.8,128.4−128.6,135.2,169.5,169.8
MS:m/z 280[M+H]+
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に実施例1で得られた化合物(3)10.6g、エチレンオキサイド70ml、カリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液1ml及びトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液10ml、及び溶媒としてヘキサン300mlを加え、30℃で4.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を回収し、減圧下で溶媒を除去することによって目的とするランダム共重合体(12)41gを白色固体として得た。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は、80,000であった。更に 1H−NMR分析によると、TSP(3−トリメチルシリルプロピオン酸−2,2,3,3−d4重水素化ナトリウム塩)を標準とする重水中での測定によるカルボン酸エチルエステルの導入率は、2.9mol%であった。
上記共重合体(12)10.2gを30mlジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、1N−水酸化ナトリウム溶液30mlを加えて50℃で24時間撹拌した。反応終了後、米国スペクトラポア社製透析膜(Spectra/Por2、分子量分画12,000−14,000)を用い、精製水を外液とした2日間の透析を行った。次いで、ミリポア社製メンブランフィルター(DURAPORE、0.45μm)を用いたろ過後、凍結乾燥の工程を経て、白色非晶質の目的とするエチル基が脱保護されたランダム共重合体(13)9.4gを得た。下記式においてa,bは整数を表す。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に実施例3で得られた化合物(8)9.3g、エチレンオキサイド70ml、カリウム2−メチル−2−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液1.1ml及びトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液11.1ml、及び溶媒としてヘキサン300mlを加え、25℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を回収し、減圧下で溶媒を除去することにより、目的とするランダム共重合体(14)50gを白色固体として得た。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は、39,000であった。更に1H−NMR分析によるカルボン酸ベンジルエステルの導入率は、モル比で2.0mol%であった。
上記共重合体(14)20.1gを60mlDMSOに溶解し、1N−水酸化ナトリウム溶液60mlを加えて50℃で20時間撹拌した。反応終了後、米国スペクトラポア社製透析膜(Spectra/Por2、分子量分画12,000−14,000)を用い、精製水を外液とした2日間の透析を行った。次いで、ミリポア社製メンブランフィルター(DURAPORE、0.45μm)を用いたろ過後、凍結乾燥の工程を経て、白色非晶質の目的とするベンジル基が脱保護されたランダム共重合体(15)16.0gを得た。下記式においてc,dは整数を表す。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に実施例3で得られた化合物(8)9.3g、エチレンオキサイド70ml、カリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液1ml及びトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液10ml、及び溶媒としてヘキサン300mlを加え、30℃で4.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を回収し、減圧下で溶媒を除去することにより、目的とするランダム共重合体(16)50gを白色固体として得た。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は、35,000であった。更に1H−NMR分析によるカルボン酸ベンジルエステルの導入率は、モル比で2.1mol%であった。
上記共重合体(16)20.1gを60mlDMSOに溶解し、1N−水酸化ナトリウム溶液60mlを加えて50℃で20時間撹拌した。反応終了後、米国スペクトラポア社製透析膜(Spectra/Por2、分子量分画12,000−14,000)を用い、精製水を外液とした2日間の透析を行った。次いで、ミリポア社製メンブランフィルター(DURAPORE、0.45μm)を用いたろ過後、凍結乾燥の工程を経て、白色非晶質の目的とするベンジル基が脱保護されたランダム共重合体(17)16.9gを得た。下記式においてe,fは整数を表す。
上記実施例6中の化合物(15)に関し生理食塩水を投与溶媒として、更に生理食塩水を比較対照として、化合物(15)投与量1000mg/kg、500mg/kgについて、投与液量25ml/kgの条件で6週齢BALB/c雌性マウス(各群n=5、日本エスエルシー(株)から購入)の尾静脈より0日目、3日目、6日目の3回にわたり間歇投与を行った。その結果を図4に示す。
体重減少を指標として評価を実施した。実験開始日におけるマウスの体重を100%とした場合の体重変化を評価し、10%の体重減少が起きた場合に毒性有りと判断した。その結果、投与開始日以後の10%以上の体重減少は見られず、しかも体重に関し投与後25日目における有意な差は見られず、毒性無しと判断された。図中の各ポイントは各投与群における平均体重±標準偏差(SD)を示す。図中の上向き矢印は投与日(0日目、3日目、6日目)を示す。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、Trt:トリフェニルメチル基(トリチル基)、Z:ベンジルオキシカルボニル基、Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、DMAP:N,N−ジメチルアミノピリジン、HBTU:2−(1−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウム ヘキサフルオロフォスフェート、DIPC:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、tBuOK: Potassium t-butoxide,DMSO−d6:重水素化ジメチルスルホキシド
(工程1)2’−Gly−paclitaxel塩酸塩(18)の製造
米国、ハウザー社製のパクリタキセルを原料として、パクリタキセルの2’位水酸基にアミノ酸リンカーを導入し2’−Gly−paclitaxel塩酸塩(18)を調製した。
生成物については1H−NMR及びHRMS(high-resolution mass spectrometry)により構造確認した。すなわち、Fmoc−Gly(178mg、0.6mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(73mg、0.6mmol)及びパクリタキセル(米国、HAUSER社製、427mg、0.5mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解した。次いで、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(76mg、0.6mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:独国Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=70/30)で精製し、2’−Fmoc−Gly−パクリタキセル(489mg)を得た。
この化合物(420mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、室温下ピペリジン(2ml)を加え、5分間撹拌し、溶媒を留去して、脱Fmoc化し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:アセトニトリル/塩化メチレン=80/20)で精製し、標記化合物(18)(145mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ1.01(s,3H,Me−17)1.05(s,3H,Me−16)1.52(dd,1H,J=14.6,9.2Hz,H−14b)1.51(s,3H,Me−19)1.65(t,1H,J=11.6Hz,H−6b)1.81(dd,1H,J=15.5,9.6Hz,H−14a)1.86(s,3H,Me−18)2.11(s,3H,Ac−10)2.23(s,3H,Ac−4)2.32(m,1H,H−6a)3.58(d,1H,J=7.0Hz,H−3)3.96−4.07(m,3H,GlyCH2,H−20)4.10(dd,1H,J=6.7,10.7,H−7)4.63(s,1H,OH−1)4.90(brs,1H,OH−7)4.91(dd,1H,J=4.9Hz,H−5)5.43(d,1H,J=7.0,H−2)5.46(d,1H,J=8.2Hz,H−2’)5.58(t,1H,J=8.4Hz,H−3’)5.87(t,1H,J=8.6Hz,H−13)6.30(s,1H,H−10)7.19−8.00(aromatic,15H)8.40(brs,2H,GlyNH2)9.25(d,1H,J=8.6Hz,CONH−3’)
HRMS:m/z 911.3604
(M+H)+:C49H55O15N2としての計算値 911.3602
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)をDMF5mlに溶解し、氷冷下、この溶液に本実施例(工程1)で得た、2’−Gly−パクリタキセル(18)(10mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(52mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(19)(102mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、6.1%(重量%)であった。
(工程1)2’−Ala−パクリタキセル(20)の製造
Z−Ala(145mg、0.65mmol)及び、DMAP(79mg,0.65mmol)及びパクリタキセル(427mg、0.5mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解した。次いで、DIPC(82mg、0.65mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=70/30)で精製し、2’−Z−Ala−パクリタキセル(435mg)を得た。この化合物(400mg)をジオキサン(20ml)に溶解しパラジウム−炭素触媒(200mg)を加え、水素雰囲気下、4時間撹拌し、触媒を濾去した後、減圧下で溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/5)で精製し、標記化合物(20)(220mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ1.01(s,3H,Me−17)1.03(s
,3H,Me−16)1.14(s,3H,Me−Ala)1.51(s,3H,Me−
19)1.61(dd,1H,J=15.6,9.2Hz,H−14b)1.64(t,
1H,J=12.8Hz,H−6b)1.81(s,3H,Me−18)1.88(dd
,1H,J=15.3, 9.5Hz,H−14a)2.11(s,3H,Ac−10)
2.27(s,3H,Ac−4)2.33(m,1H,H−6a)3.52(q,1H,
J=7.0Hz,H−Ala)3.60(d,1H,J=7.3Hz,H−3)4.02
(d,1H,J=15.0Hz,H−20)4.03(d,1H,J=15.0Hz,H
−20)4.12(ddd,1H,J=6.6,6.6,17.4Hz,H−7)4.6
6(s,1H,OH−1)4.91(d,1H,J=6.6,OH−7)4.92(dd
,1H,J=9.8Hz,H−5)5.35(d,1H,J=8.6,H−2’)5.4
3(d,1H,J=7.0Hz,H−2)5.64(t,1H,J=8.6Hz,H−3
’)5.87(t,1H,J=9.2Hz,H−13)6.30(s,1H,H−10)
7.20−8.00(aromatic,15H)9.17(d,1H,J=8.9Hz
,CONH−3’)
HRMS:m/z 925.3797
(M+H)+:C50H57O15N2としての計算値 925.3759
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)に対し、本実施例10(工程1)で得た、2’−Ala−パクリタキセル(20)(25mg)を用いた以外は実施例9(工程2)と同様に行い、標記化合物(21)(103mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.7%(重量%)であった。
(工程1)2’−Leu−パクリタキセル(22)の製造
Z−Leu(172mg、0.65mmol)を用いた以外は実施例10(工程1)と同
様に行い2’−Z−Leu−パクリタキセル(450mg)を得た。この化合物(400mg)をジオキサン(20ml)に溶解しパラジウム−炭素触媒(200mg)を加え、水素雰囲気下、4時間撹拌し、触媒を濾去した後、減圧下溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/5)で精製し、標記化合物(22)(280mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.66(d,3H,Me−Leu)0.70(d,3H,Me−Leu)1.01(s,3H,Me−17)1.03(s,3H,Me−16)1.26(ddd,1H,J=6.4,8.5,13.4Hz,H−Leu)1.36(ddd,1H,J=5.8,7.6,13.4Hz,H−Leu)1.51(s,3H,Me−19)1.56(dd,1H,J=15.3,9.0Hz,H−14b)1.64(m,1H,H−6b)1.67(m,1H,H−Leu)1.79(s,3H,Me−18)1.84(dd,1H,J=15.3,9.5Hz,H−14a)2.10(s,3H,Ac−10)2.25(s,3H,Ac−4)2.33(ddd,1H,J=14.7,9.5,6.4Hz,H−6a)3.38(dd,1H,J=8.6,5.8Hz,H−Leu)3.59(d,1H,J=7.0Hz,H−3)4.01(d,1H,J=16.8Hz,H−20)4.03(d,1H,J=16.8Hz,H−20)4.12(ddd,1H,J=6.9,6.9,11.0Hz,H−7)4.64(s,1H,OH−1)4.90(d,1H,J=7.0,OH−7)4.92(d,1H,J=10.1Hz,H−5)5.34(d,1H,J=9.2,H−2’)5.42(d,1H,J=7.0Hz,H−2)5.62(t,1H,J=9.0Hz,H−3’)5.86(t,1H,J=9.2Hz,H−13)6.30(s,1H,H−10)7.20−8.00(aromatic,15H)9.16(d,1H,J=8.9Hz,CONH−3’)
HRMS:m/z 967.4321
(M+H)+:C53H63O15N2としての計算値 967.4228
ポリエーテル−2’−Leu−パクリタキセル(23)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)に対し、本実施例11(工程1)で得た、2’−Leu−パクリタキセル(22)(25mg)を用いた以外は実施例9(工程2)と同様に行い、標記化合物(23)(97mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、4.0%(重量%)であった。
(工程1)2’−Ile−パクリタキセル(24)の製造
Fmoc−Ile(212mg,0.6mmol)及び、DMAP(73mg、0.6mmol)及びパクリタキセル(427mg、0.5mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解した。次いで、DIPC(76mg、0.6mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマト・グラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=70/30)で精製し、2’−Fmoc−Ile−パクリタキセル(553mg)を得た。この化合物(470mg)をDMF(10ml)に溶解し、室温下ピペリジン(2ml)を加え、5分間撹拌した後、減圧下溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/5)で精製し、標記化合物(24)(350mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.62(t,3H,J=7.5Hz,Me−Ile)0.81(d,3H,J=6.7Hz,Me−Ile)1.01(s,3H,Me−17)1.03(s,3H,Me−16)1.07(ddd,1H,J=14.4,7.3,4.9Hz,H−Ile)1.32(ddd,1H,J=13.4,7.6,4.6Hz,H−Ile)1.51(s,3H,Me−19)1.56(dd,1H,J=15.3,9.2Hz,H−14b)1.56−1.61(m,1H,H−Ile)1.64(dd,1H,J=13.7,3.1Hz,H−6b)1.79(s,3H,Me−18)1.87(dd,1H,J=15.3,9.8Hz,H−14a)2.10(s,3H,Ac−10)2.29(s,3H,Ac−4)2.33(ddd,1H,J=14.4,9.6,6.4Hz,H−6a)3.60(d,1H,J=7.3Hz,H−3)3.60−3.67(m,1H,H−Ile)4.02(d,1H,J=16.6Hz,H−20)4.03(d,1H,J=16.6Hz,H−20)4.12(ddd,1H,J=10.8,6.7,6.7Hz,H−7)4.64(s,1H,OH−1)4.90(d,1H,J=7.0,OH−7)4.92(d,1H,J=9.8Hz,H−5)5.37(d,1H,J=8.9Hz,H−2’)5.43(d,1H,J=7.3Hz,H−2)5.64(t,1H,J=8.7Hz,H−3’)5.85(dt,1H,J=0.9,9.2Hz,H−13)6.30(s,1H,H−10)7.20−8.00(aromatic,15H)9.15(d,1H,J=9.2Hz,CONH−3’)
HRMS:m/z 967.4234
(M+H)+:C53H63O15N2としての計算値 967.4228
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)に対し、本実施例12(工程1)で得た、2’−Ile−パクリタキセル(24)(30mg)を用いた以外は実施例9(工程2)と同様に行い、標記化合物(25)(92mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、2.5%(重量%)であった。
(工程1)2’−Phe−Gly−パクリタキセル塩酸塩(26)の製造
Phe−Gly(ペプチド研究所製、1.1g、5mmol)を水(2ml)、2−プロパノール(2ml)及びジエチルアミン(1.5ml)の混合溶液に溶かし、この反応液にトリチルクロライド(1.8g、6.5mmol)を徐々に加え、1時間撹拌した。反応液に水を加え、生じた沈殿を水で洗浄した。次に、沈殿に酢酸5mlを加えて酸性にした後、溶媒を減圧下留去することによりTrt−Phe−Gly1.4gを得た。得られたTrt−Phe−Gly(604mg、1.3mmol)及び、DMAP(158mg、1.3mmol)及びパクリタキセル(853mg、1.0mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解した。次いで、DIPC(164mg、1.3mmol)を加え室温下終夜撹拌した。反応溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=80/20)で精製し、2’−Trt−Phe−Gly−パクリタキセル(990mg)を得た。この化合物(800mg)を90%酢酸(10ml)で処理して脱N−トリチル化し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:独国Merck社製Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/5)で精製し、次に酢酸塩をイオン交換樹脂により塩酸塩へ変換して標記化合物(26)(450mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6);δ1.01(s,3H,Me−17)1.03(s,3H,Me−16)1.42(dd,1H,J=15.5,9.1Hz,H−14b)1.50(s,3H,Me−19)1.63(t,1H,J=12.2Hz,H−6b)1.75(dd,1H,J=12.3,9.5Hz,H−14a)1.81(s,3H,Me−18)2.12(s,3H,Ac−10)2.23(s,3H,Ac−4)2.29(ddd,1H,J=14.4,9.2,7.0Hz,H−6a)2.90(dd,1H,14.2,7.8Hz,PheCH2)3.08(dd,1H,14.4,5.2Hz,PheCH2)3.56(d,1H,J=7.0Hz,H−3)4.05−4.10(m,2H,H−7,PheCH)4.15(dd,1H,J=18.0,5.8Hz,Gly)4.61(brs,1H,OH−1)4.90(brs,1H,OH−7)4.90(d,1H,J=5.3Hz,H−5)5.38(d,1H,J=8.9Hz,H−2’) 5.41(d,1H,J=7.0Hz,H−2)5.53(t,1H,J=8.6Hz,H−3’)5.83(t,1H,J=8.8Hz,H−13)6.29(s,1H,H−10)7.16〜8.00(m,20H,aromatic)8.15(brs,2H,NH2)9.02(t,1H,J=5.8Hz,Gly−NH)9.29(d,1H,J=8.9Hz,CONH−3’)
HRMS:m/z 1058.4241
(M+H)+:C58H64O16N3としての計算値 1058.4287
ポリエーテル−2’−Phe−Gly−パクリタキセル(27)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)に対し、本実施例13(工程1)で得た、2’−Phe−Gly−パクリタキセル(26)(30mg)を用いた以外は実施例9(工程2)と同様に行い、標記化合物(27)(95mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.5%(重量%)であった。
Trt−Gly−Gly−Phe−Gly(28)の製造
(1)Phe−Gly−OBn(29)の合成
Phe−Gly・H2O(国産化学製、25g、104mmol)をパラトルニンスルホン酸1水和物(19.8g、104mmol)、ベンジルアルコール(25ml)及びトルエン(200ml)混合液に溶かし、Dean-Stark装置により5時間加熱環流する。反応後、溶媒を留去し、ジエチルエーテルを加えることで標記化合物であるPhe−Gly−OBn(29)のパラトルエンスルホン酸塩(34g)を得た。
(2)Trt−Gly−Gly(30)の合成
Gly−Gly(ペプチド研究所製、6.6g、50mmol)を精製水(20ml)、2−プロパノール(40ml)及びジエチルアミン(15ml)の混合溶液に溶かし、この反応液にトリチルクロライド(18.1g、65mmol)を徐々に加え、1時間撹拌する。反応液に精製水を加え、生じた沈殿を水で洗浄した。次に、沈澱に酢酸5mlを加えて酸性にした後、溶媒を減圧下で留去することにより標記化合物(30)13.3gを得た。
(3)Trt−Gly−Gly−Phe−Gly−OBn(31)の合成
乾燥DMF(10ml)に、Trt−Gly−Gly(30)(1.54g)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(0.52g)及びDCC(0.93g)を加え、4℃で3時間反応した。反応溶液にPhe−Gly−OBn(29)のパラトルエンスルホン酸塩(2.0g)及びN−メチルモルホリン(0.41g)を溶かしたDMF溶液(DMF10ml)を加え、4℃で15時間反応する。沈殿物を除き、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:独国Merck社製 Art No.9365,Silica gel 60,200-400mesh,溶離液:クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、標記生成物(31)(1.6g)を得た。
(4)Trt−Gly−Gly−Phe−Gly(28)の合成
化合物(31)Trt−Gly−Gly−Phe−Gly−OBn(1.3g)をDMF(20ml)に溶かし、10%パラジウム−炭素(0.5g)及び1,4−シクロヘキサジエン(0.4g)を加え、室温下30分反応する。反応液をろ過し、触媒を除き、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9365,Silica gel60,200-400 mesh,溶離液:クロロホルム/メタノール=7/1)で精製することにより、標記化合物(28)(1.1g)を得た。
Anal.Calcd for: C34H34N4O5:C,70.57;H,5.92;N,9.68
Found: C,70.03;H,6.07;N,9.67
アミノ酸分析:Phe(1)1.00,Gly(3)2.91
加水分解条件:6NHCl、110℃、22hrs
2’−Gly−Gly−Phe−Gly−パクリタキセル塩酸塩(32)の製造
実施例14で得た(28)Trt−Gly−Gly−Phe−Gly(739mg、1.3mmol)及び、DMAP(158mg、1.3mmol)及びパクリタキセル(853mg、1.0mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解した。次いで、DIPC(164mg、1.3mmol)を加え室温下4時間撹拌した。反応溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:独国Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/30)で精製し、2’−Nα−Trt−Gly−Gly−Phe−Gly−パクリタキセル(33)(1250mg)を得た。
HRMS:m/z 1414.5763
(M+H)+:C81H84O18N5としての計算値 1414.5811
この化合物(33)(1100mg)を75%酢酸(10ml)で処理して脱N−トリチル化し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=85/15/5)で精製し、次に陰イオン交換樹脂により塩酸塩へ変換して表記化合物(32)(533mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ1.00(s,3H,Me−17)1.03(s,3H,Me−16)1.42(dd,1H,J=15.4,9.2Hz,H−14b)1.49(s,3H,Me−19)1.63(brt,1H,J=12.1Hz,H−6b)1.74(dd,1H,J=15.4, 9.2Hz,H−14a)1.80(s,3H,Me−18)2.11(s,3H,Ac−10)2.23(s,3H,Ac−4)2.30(m,1H,H6a)2.72(dd,1H,J=13.9,10.2Hz,PheCH2Hb)3.02(dd,1H,J=13.9,3.8Hz,PheCH2CHa)3.52(brs,2H,GlyCH2)3.56(d,1H,J=7.2Hz,H−3)3.66(dd,1H,16.9,5.4Hz,GlyCH2b)3.84(dd,1H,16.9,5.4Hz,GlyCH2a)4.01(dd,2H,J=14.5,8.4Hz,H−20a,H−20b)4.01(2H,GlyCH2)4.09(m,1H,H−7)4.55(ddd,1H,J=10.2,8.5,3.8Hz,PheCH2CH)4.61(s,1H,OH−1)4.89(dd,1H,J=8.9,1.3Hz,H−5)4.92(brs,1H,OH−7)5.41(d,1H,J=7.2,H−2)5.43(d,1H,J=6.3Hz,H−2’)5.51(t,1H,J=8.5Hz,H−3’)5.83(t,1H,J=9.2Hz,H−13)6.29(s,1H,H−10)7.10−8.00(aromatic,20H)8.33(d,1H,PheCONH)8.51(t,1H,J=5.5Hz,GlyCONH)8.69(t,1H,J=6.0Hz,GlyCONH)9.34(d,1H,J=8.5Hz,CONH−3’)
HRMS:m/z 1172.4711
(M+H)+:C62H70O18N5としての計算値 1172.4716
Anal.Calcd for: C62H69O18N5・HCl・2.5H2O:C,59.40;H,6.
03;N,5.59.
Found: C,59.55;H,6.04;N,5.60
ポリエーテル−2’−Gly−Gly−Phe−Gly−パクリタキセル(34)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(103mg)をDMF5mlに溶解し、この溶液に実施例15で得た、2’−Gly−Gly−Phe−Gly−パクリタキセル(32)(10.3mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(53mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(34)(113mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、6.4%(重量%)であった。
20−Gly−カンプトテシン塩酸塩(35)の製造
(工程1)20−BOC−Gly−カンプトテシン(36)の製造
BOC−Gly(263mg、1.5mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(122mg、1.0mmol)及び(S)−(+)−Camptothesin(東京化成製、174mg、0.5mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解した。次いで、DIPC(189mg、1.5mmol)を加え室温で3.5時間撹拌した。反応溶液を0.1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下で留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=70/30)で精製し、20−BOC−Gly−カンプトテシン(36)(315mg)を得た。
化合物(36)(300mg)を塩化メチレン(5ml)に溶解し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA;2ml)を加え、5分間撹拌し、ついで溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=10/10/90)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(35)(214mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.97(s,3H)2.20(m,2H)4.08,4.34(dd,2H)5.32(s,2H)5.56(s,2H)7.32(s,1H)7.73(t,1H)7.88(t,1H)8.15(d,1H)8.17(d,1H)8.56(brs,2H)8.72(s,1H)
13C−NMR(DMSO−d6):7.53,30.18,38.6−40.2,50.10,66.29,77.42,95.51,118.78,127.63,127.82,128.45,128.66,129.49,130.43,131.58,144.72,145.97,147.77,152.13,156.39,166.77
ポリエーテル−20−Gly−カンプトテシン(37)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(103mg)DMF5mlに溶解し、この溶液に実施例17で得た、20−Gly−カンプトテシン塩酸塩(35)(20mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(108mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.22μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(37)(105mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.5%(重量%)であった。
20−GlyGlyPheGly−カンプトテシン塩酸塩(38)の製造
(工程1)20−TrtGlyGlyPheGly−カンプトテシン(39)の製造
実施例14で得られた(28)Trt−GlyGlyPheGly(1736mg、3mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(244mg、2mmol)及び(S)−(+)−Camptothesin(348mg、1mmol)を塩化メチレン(100ml)に溶解した。次いで、DIPC(378mg、3mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶液を0.1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下で留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=70/30)で精製し、20−TrtGlyGlyPheGly−カンプトテシン(39)(754mg)を得た。
化合物(39)(700mg)を75%酢酸(8ml)に溶解し、20分間撹拌後、溶媒を留去した。脱Trt化した化合物を陰イオン交換樹脂(バイオラッド社AG1−X8)により酢酸塩を塩酸塩に変換し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:メタノール/塩化メチレン=15/85)で精製し、標記化合物(38)(535mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.93(t,3H)2.32(m,2H)2.77,3.06(dd,dd,2H)3.27(s,2H)3.61,3.76(d,d,2H)4.11,4.21(dd,dd,2H)4.55(m,1H)5.27(s,2H)5.51(s,2H)7.15(m,1H)7.19(s,1H)7.22(m,4H)7.71(t,1H)7.87(t,1H)8.12(d,1H)8.17(d,1H)8.23(brs,1H)8.31(d,1H)8.68(s,1H)8.68(brs,2H)
13C−NMR(DMSO−d6):7.52,30.42,37.43,40.41,41.64,42.21,50.08,53.96,66.28,76.27,95.20,118.87,126.20,127.59,127.80,128.01,128.39,128.79,129.06,129.50,130.37,131.49,137.82,145.11,145.87,147.72,152.12,156.41,167.00,168.35,168.84,171.68
ポリエーテル−20−GlyGlyPheGly−カンプトテシン(40)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)をDMF(5ml)に溶解し、この溶液に実施例19で得た、20−GlyGlyPheGly−カンプトテシン塩酸塩(38)(20mg)をDMF(0.5ml)及びHBTU(100mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.22μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(40)(101mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、254nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、4.5%(重量%)であった。
21−Ala−デキサメタゾン塩酸塩(41)の製造
(工程1)21−BOC−Ala−デキサメタゾン(42)の製造
BOC−Ala(568mg、3mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(244mg、2mmol)及びデキサメタゾン(392mg、1mmol)を乾燥塩化メチレン(30ml)に溶解した。次いで、DIPC(252mg、2mmol)を加え室温で0.5時間撹拌した。反応溶液を0.1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=80/20)で精製し、21−BOC−Ala−デキサメタゾン(42)(553mg)を得た。
化合物(42)(500mg)を塩化メチレン(10ml)に溶解し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA;1ml)を加え2時間撹拌後に溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=5/15/85)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(41)(412mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.80(d,3H)0.90(s,3H)1.09(s,1H)1.33−1.79(m,4H)1.49(s,3H)1.50(d,3H)2.08−2.91(m,6H)3.35(brs,1H)4.17(m,1H)4.24(q,1H)4.95(d,1H)5.20(d,1H)5.27(s,1H)5.53(d,1H)6.01(s,1H)6.23(dd,1H)7.33(d,1H)8.46(brs,1H)
13C−NMR(DMSO−d6):15.20,16.09,16.29,23.08,27.41,30.41,32.05,33.70,35.61,35.83,43.42,47.80,48.05,48.25,69.38,70.41,90.61,101.42,124.19,129.03,152.94,167.17,169.98,185.41,204.30
ポリエーテル−21−Ala−デキサメタゾン(43)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)をDMF(5ml)に溶解した。この溶液に実施例21で得た、21−Ala−デキサメタゾン塩酸塩(41)(20mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU((100mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.22μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(43)(92mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、240nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.5%(重量%)であった。
(工程1) 20−BOC−Leu−デキサメタゾン(45)の製造 BOC−Leu・H2O(747mg、3mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(244mg、2mmol)及びデキサメタゾン(392mg、1mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解した。次いで、DIPC(252mg、2mmol)を加え室温で13時間撹拌した。反応溶液を0.1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=80/20)で精製し、20−BOC−Leu−デキサメタゾン(45)(605mg)を得た。
化合物(45)(500mg)を塩化メチレン(5ml)に溶解し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA;1ml)を加え、2時間撹拌後、溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=5/15/85)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(44)(510mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.79(d,3H)0.88(d,3H)0.89(s、3H)0.92(d,3H)1.08(m,1H)1.34−1.81(m,6H)1.49(s,3H)1.86(m,1H)2.12−2.88(m,6H)3.35(s,2H)3.44(q,1H)4.16(m,1H)4.85(d,1H)5.02(d,1H)5.17(s,1H)5.47(d,1H)6.01(s,1H)6.23(dd,1H)7.31(d,1H)
13C−NMR(DMSO−d6):15.27,16.30,21.87,23.11,23.15,24.15,27.46,30.50,32.13,33.79,35.52,35.79,43.46,43.56,48.15,48.16,52.16,68.21,70.62,90.67,101.47,124.24,129.06,153.04,167.27,175.47,185.48,204.90
ポリエーテル−21−Leu−デキサメタゾン(46)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(100mg)を水20mlに溶解し、氷冷下、この溶液にDMF5mlを加えた。この溶液に実施例23で得た、21−Leu−デキサメタゾン塩酸塩(44)(20mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(100mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.22μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(46)(97mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、240nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、4.1%(重量%)であった。
21−Ile−デキサメタゾン塩酸塩(47)の製造
(工程1)20−BOC−Ile−デキサメタゾン(48)の製造
BOC−Ile(1040mg、4.5mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(366mg、3mmol)及びデキサメタゾン(588mg、1.5mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解した。次いで、DIPC(378mg、3mmol)を加え室温で14時間撹拌した。反応溶液を0.1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:独国Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=80/20)で精製し、20−BOC−Ile−デキサメタゾン(48)(620mg)を得た。
化合物(48)(600mg)を塩化メチレン(5ml)に溶解し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA;1ml)を加え、2時間撹拌後、溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:4.0×50cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=5/15/85)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(47)(584mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.80(d,3H)0.90(s,3H)0.93(t,3H)1.03(d,3H)1.08(m,1H)1.33−1.86(m,6H)1.49(s,3H)1.50(d,1H)2.13−2.91(m,6H)4.11(d,1H)4.16(m,1H)4.99(d,1H)5.17(d,1H)5.26(s,1H)5.55(d,1H)6.01(s,1H)6.23(dd,1H)7.34(d,1H)8.44(s,1H)
13C−NMR(DMSO−d6):11.69,13.69,15.21,16.21,23.09,25.02,27.44,30.45,32.08,33.72,35.81,35.61,36.34,43.44,48.08,48.22,56.15,69.54,70.41,90.72,101.46,124.19,129.00,152.96,167.18,168.66,185.41,204.40
ポリエーテル−21−Ile−デキサメタゾン(49)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(102mg)をDMF5mlに溶解した。この溶液に実施例25で得た、21−Ile−デキサメタゾン塩酸塩(47)(20mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(100mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.22μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(49)(0.97g)を得た。本複合体の薬物の導入量は、240nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.0%(重量%)であった。
Ala−ファスジル(50)の製造
(工程1)BOC−Ala−ファスジル(51)の製造
BOC−Ala(756mg、4mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(122mg、1mmol)及び塩酸ファスジル水和物(673mg、2mmol)を乾燥塩化メチレン(30ml)に溶解した。次いで、WSCD・HCl(水溶性カルボジイミド、ペプチド研製、766mg、4mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶液を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/5)で精製し、BOC−Ala−ファスジル(51)(713mg)を得た。
化合物(51)(650mg)に対し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA、5ml)を加え10分後に溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=85/15/5)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(50)(504mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ1.30(dd,2H)1.7−2.0(2H)3.2−3.8(8H)4.3(1H)7.9(1H)8.1(2H)8.3−8.4(2H)8.5(1H)8.7(1H)9.5(1H)
13C−NMR(DMSO−d6):16.4,16.7,27.6,29.5,44.4−48.9,117.0,126.6,128.8,130.6,132.3,132.6,133.5,133.9,144.8,153.5,169.4
ポリエーテル−Ala−ファスジル(52)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(104mg)をDMF5mlに溶解した。この溶液に実施例27で得た、Ala−ファスジル(50)(10mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(52mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(52)(110mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、270nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.4%(重量%)であった。
Leu−ファスジル(53)の製造
(工程1)BOC−Leu−ファスジル(54)の製造
BOC−Leu・H2O(997mg、4mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(122mg、1mmol)及び塩酸ファスジル水和物(673mg、2mmol)を乾燥塩化メチレン(30ml)に溶解した。次いで、WSCD・HCl(水溶性カルボジイミド、ペプチド研製、766mg、4mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶液を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/メタノール/アセトニトリル=95/5/5)で精製し、BOC−Leu−ファスジル(54)(718mg)を得た。
化合物(54)(650mg)に対し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA、5ml)を加え10分後に溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=85/15/5)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(53)(525mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.9(6H)1.4−2.0(5H)3.2−3.8(8H)4.3(1H)7.9(1H)8.2(2H)8.3−8.4(2H)8.5(1H)8.7(1H)9.5(1H)
13C−NMR(DMSO−d6):21.0,21.2,23.1,23.4,27.8,29.4,40.0,45.9−48.6,117.1,126.7,128.8,130.6,132.5,132.7,133.5,133.9,144.6,153.4,169.1
ポリエーテル−Leu−ファスジル(55)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(101mg)をDMF5mlに溶解した。この溶液に実施例29で得たLeu−ファスジル(53)(10.6mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(52mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(55)(106mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、270nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.4%(重量%)であった。
Ile−ファスジル(56)の製造
(工程1)BOC−Leu−ファスジル(57)の製造
BOC−Ile(766mg、4mmol)及び、ジメチルアミノピリジン(122mg、1mmol)及び塩酸ファスジル水和物(673mg、2mmol)を乾燥塩化メチレン(30ml)に溶解した。次いで、WSCD・HCl(水溶性カルボジイミド、ペプチド研製、766mg、4mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶液を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄しその後、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:塩化メチレン/アセトニトリル=70/30)で精製し、BOC−Leu−ファスジル(57)(826mg)を得た。
化合物(57)(800mg)に対し、室温下トリフルオロ酢酸(TFA、5ml)を加え10分後に溶媒を留去した。脱BOC化した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck社製 Art No.9385,Silica gel 60,200-400 mesh,カラム:2.0×30cm、溶離液:アセトニトリル/メタノール/塩化メチレン=85/15/5)で精製し、その後陰イオン交換樹脂で処理することで、標記化合物(56)(763mg)を得た。テトラメチルシランを標準とするDMSO-d6溶媒におけるNMRデータ及び質量分析データを下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6):δ0.85(tt、3H)0.96(dd、3H)1.14(1H)1.46(1H)1.7−2.0(3H)3.2−3.8(8H)4.2(1H)7.9(1H)8.1(2H)8.3−8.4(2H)8.5(dd、1H)8.7(dd、1H)9.5(1H)
13C−NMR(DMSO−d6):11.2,14.8,22.9,27.5,29.7,35.7,35.9,44.4,45.9,46.2、46.7,47.1,47.3,49.2,53.8,117.1,126.6,128.8,130.6,132.4,132.6,133.5,133.9,144.6,153.4,168.2
MS:m/z 405[M+H]+
ポリエーテル−Ile−ファスジル(58)の製造
実施例6で得た、共重合体(15)(101mg)をDMF5mlに溶解した。この溶液に実施例29で得たIle−ファスジル(56)(10.6mg)を溶解したDMF(0.5ml)及びHBTU(52mg)を溶解したDMF(0.5ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液を透析膜(分子量カットオフ12,000−14,000、米国、スペクトラム社製)を用い、精製水に対して4℃で2日間透析した。この内液をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過した後、凍結乾燥し、表記化合物(58)(109mg)を得た。本複合体の薬物の導入量は、270nmにおける紫外吸光度及び複合体の総重量から算出したところ、3.7%(重量%)であった。
化合物(19)、(21)、(23)、(25)、(27)及び(34)の生理食塩水に対する溶解度
化合物(19)、(21)、(23)、(25)、(27)及び(34)をそれぞれ10mg量り取り、0.1mlの生理食塩水に加えたところ、加えた化合物はそれぞれ完全に溶解した。パクリタキセル換算では、化合物(19)は6.1mg/ml(生理食塩水)の溶解度であった。同様に(21)は3.7mg/ml(生理食塩水)の溶解度、(23)は4.0mg/ml(生理食塩水)の溶解度、(25)は2.5mg/ml(生理食塩水)の溶解度、(27)は3.5mg/ml(生理食塩水)の溶解度、(34)は6.4mg/ml(生理食塩水)の溶解度であった。
更に、パクリタキセル(米国、HAUSER社製)1mgは、10mlの生理食塩水に溶解しなかった。
マウス及びヒト血漿中における化合物(19)、(21)、(23)及び(25)からのパクリタキセル遊離評価実験
実施例9で得た化合物(19)、実施例10で得た化合物(21)、実施例11で得た化合物(23)及び実施例12で得た化合物(25)をそれぞれ生理食塩水に溶解し、パクリタキセルに換算した濃度が125μg/mlとなるよう調製した。これらの溶液20μlをマウス及びヒト血漿200μlにそれぞれ添加し、37℃における薬物複合体からのパクリタキセル遊離量を測定した。薬学雑誌,114,351−355(1994)記載の方法に従い、血漿中からのパクリタキセル回収を行い、HPLCにより、化合物(19)、(21)、(23)及び(25)から血漿中に遊離したパクリタキセル量を評価した。
図5及び図6には、パクリタキセル遊離の経時変化を示した。その結果、薬物複合体からのパクリタキセルの遊離速度はマウス及びヒト血漿で同じ傾向が見られた。その順序は、遊離速度の大きい順に化合物(19)>(21)>(23)>(25)であり、これはリンカーであるアミノ酸の立体障害の大きさと相関が見られた。
抗腫瘍効果の評価実験(1)
Colon26腫瘍細胞4%懸濁液を、Balb/C系の雌性マウス(6週齢)の側腹部皮下に移植し、被検化合物として実施例9で得た化合物(19)、実施例10で得た化合物(21)、実施例11で得た化合物(23)、実施例12で得た化合物(25)を生理食塩水に溶解した被検液、及びパクリタキセルをエタノール−クレモホールEL(米国、シグマ社製)−生理食塩水に溶解した被検液を、一群5匹として尾静脈内に投与した。投与量はパクリタキセル換算で50mg/kgとした。無処置群は、一群9匹とした。細胞移植後2日目に、第1回被検液を投与し、その後7日毎に、被検液を尾静脈内に合計4回投与した。マウスの腫瘍体積を測定することにより、抗腫瘍効果を判定した。無処置群及び被検液投与群の平均腫瘍体積の経時変化を示した。腫瘍体積Vは、腫瘍を外部から計測し、長径a(mm)及び短径b(mm)とするとき、下式(XI)により求めた。
抗腫瘍効果の評価実験(2)
Colon26腫瘍細胞4%懸濁液を、Balb/C系の雌性マウス(6週齢)の側腹部皮下に移植し、被検化合物として実施例16で得た化合物(34)を生理食塩水に溶解した被検液、及び対照としてパクリタキセルをエタノール−クレモホールEL(米国、シグマ社製)−生理食塩水に溶解した被検液を一群3匹として尾静脈内に投与した。投与量はパクリタキセル換算で50mg/kgとした。無処置群は、一群5匹とした。腫瘍細胞移植後2日目に、第1回被検液を投与し、その後4日毎に計7回、被検液を尾静脈内に投与した。マウスの腫瘍体積を測定し比較することにより、抗腫瘍効果を判定した。腫瘍体積Vは、腫瘍を外部から計測し、長径a(mm)及び短径b(mm)とするとき、実施例35における式(XI)により求めた。無処置群及び被検液投与群の平均腫瘍体積の経時変化を示した。
被検液投与後の、腫瘍体積の経時変化は、図8に示される通りであった。本発明による薬物複合体(34)の50mg/kg投与群の抗腫瘍効果は、パクリタキセルの50mg/kg投与群の抗腫瘍効果と比較して、有意に優れていた。
化合物(37)、(40)、(43)、(46)、(49)、(52)、(55)及び(58)の生理食塩水に対する溶解度評価
化合物(37)、(40)、(43)、(46)、(49)、(52)、(55)及び(58)をそれぞれ10mg量り取り、0.1mlの生理食塩水に加えた、加えた化合物はそれぞれ完全に溶解した。カンプトテシン換算で化合物(37)は3.5mg/ml(生理食塩水)の溶解度であった。同様に化合物(40)はカンプトテシン換算で4.5mg/ml(生理食塩水)の溶解度、化合物(43)はデキサメタゾン換算で3.5mg/ml(生理食塩水)の溶解度、化合物(46)は同様にデキサメタゾン換算で4.1mg/ml(生理食塩水)の溶解度、化合物(49)は同様にデキサメタゾン換算で3.0mg/ml(生理食塩水)の溶解度であった。更に化合物(52)はファスジル換算で3.4mg/ml(生理食塩水)の溶解度、化合物(55)はファスジル換算で3.4mg/ml(生理食塩水)の溶解度、また化合物(58)はファスジル換算で3.7mg/ml(生理食塩水)の溶解度であった。
マウス血漿中における、化合物(43)、(46)及び(49)からのデキサメタゾン遊離評価実験
実施例22で得た化合物(43)、実施例24で得た化合物(46)及び実施例26で得た化合物(49)をそれぞれ生理食塩水に溶解し、デキサメタゾン換算で80μg/mlとなるよう調製した。これらの溶液50μlをマウス血漿250μlにそれぞれ添加し、37℃におけるそれぞれの薬物複合体からのデキサメタゾン遊離量を測定した。血漿中のデキサメタゾン回収並びに定量は次のようにして行った。すなわち、血漿サンプル250μlに対し、250μlリン酸緩衝液(pH7.4)を加え、さらに内部標準として酢酸ヒドロコルチゾンを含むアセトニトリル−メタノール溶液(CH3CN/MeOH=4/1、酢酸ヒドロコルチゾン濃度=10ng/ml)を3ml加えた後遠心し、(3000rpm、10分、4℃)得られた上清700μlに、蒸留水700μlを加え、メンブランフィルター(0.4μm)にてろ過した後、HPLCにて定量した。
図9にマウス血漿中からのデキサメタゾン遊離の経時変化を示した。薬物複合体からのデキサメタゾンの遊離速度の順序は、遊離速度の大きい順に化合物(43)>(46)>(49)であり、これはリンカーであるアミノ酸の立体障害の大きさと相関が見られた。
<HPLCの条件>
カラム:Asahipak HIKARISIL C18(4.6×150mm) 流速:1.0ml/min
カラム温度:25℃
検出波長:240nm
移動相:Linear gradient
0min:20%アセトニトリル水溶液(20%CH3CN/H2O)
20min:50%アセトニトリル水溶液(50%CH3CN/H2O)
また、該ポリエーテルにアミノ酸やペプチドなどのリンカーを介して薬理活性を有する化合物を結合させて薬物複合体として用いた場合、これを生体内に投与した際に、生体組織に認識されずに薬物を標的組織に送達することが可能になる。薬物複合体は、薬物遊離速度の制御が可能であり、しかも結合前の薬物に比べ生理食塩水に対する溶解性が極めて向上し、溶解補助剤無しでの静脈内投与を可能とする。
Claims (37)
- 式(I)および式(II)で表される化合物を共重合して得られる、式(III)および式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリエーテル。
- 下式(V)および式(VI)を構造単位として含むポリエーテルに対し、薬理作用を有する基を、薬理作用を有する基自身が有するアミノ基を介して、あるいは、アミノ基を有するリンカーを介して結合させることにより得られる式(VII)を含みかつ(V)、(VI)を構造単位として含む請求項1に記載のポリエーテル。
- ポリエチレングリコール(PEG)換算重量平均分子量/PEG換算数平均分子量(Mw/Mn)が1.1〜2.7である請求項1または2に記載のポリエーテル。
- 薬理作用を有する基がリンカーと結合した基である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル。
- リンカーがアミノ酸もしくはペプチドである請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテル。
- リンカーがGly,Ala,Leu,Ile,Pheで示されるアミノ酸から選択または組み合わせて用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のポリエーテル。
- リンカーがGly−Gly,Ala−GLy,Gly−Ala,Leu−Gly,Gly−Leu,Ile−Gly,Gly−Ile,Phe−Gly,Gly−Phe,Gly−Gly−Gly,Gly−Phe−Gly,Phe−Gly−Gly,Gly−Gly−Phe,Gly−Gly−Phe−Glyから選択される請求項1〜6のいずれかに記載のポリエーテル。
- 薬理作用を有する基が分子中に官能基としてアミノ基、またはカルボキシル基、または水酸基を有する請求項1〜7のいずれかに記載のポリエーテル。
- 薬理作用を有する基が抗悪性腫瘍薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、酵素阻害薬または核酸である請求項1〜8のいずれかに記載のポリエーテル。
- 抗悪性腫瘍薬がアルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍性抗生物質、微小管阻害薬、ホルモン類似薬、白金製剤、トポイソメラーゼ阻害薬、生物製剤(サイトカイン)、分子標的治療薬、非特異的免疫賦活薬およびその誘導体から選択される請求項9に記載のポリエーテル。
- アルキル化薬がシクロフォスファミドなどのマスタード薬、ニムスチンなどのニトロソウレア類およびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 代謝拮抗薬が葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキセート、ピリミジン代謝拮抗薬である5−フルオロウラシル、プリン代謝拮抗薬の6−MPおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 抗腫瘍性抗生物質がアンスラサイクリン系のドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンCおよびそれらの誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 微小管阻害薬がタキサン系のパクリタキセル、ドセタキセルおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- ホルモン類似薬がタモキシフェンおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 白金製剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- トポイソメラーゼ阻害薬がトポイソメラーゼI阻害薬のイリノテカン、ノギテカンおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 生物製剤がインターフェロンおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 分子標的治療薬がイマチニブ、ゲフィチニブ、リツキシマブおよびその誘導体から選択される請求項10に記載のポリエーテル。
- 抗炎症薬が副腎皮質ステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬およびその誘導体から選択される請求項9に記載のポリエーテル。
- 副腎皮質ステロイド薬がヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾンおよびその誘導体から選択される請求項20に記載のポリエーテル。
- 非ステロイド性抗炎症薬がサリチル酸系のアスピリン、アントラニル系のメフェナム酸、プロピオン酸系のイブプロフェン、ロキソプロフェン、アリール酢酸系のジクロフェナク、インドメタシンおよびその誘導体から選択される請求項20に記載のポリエーテル。
- 抗リウマチ薬が免疫調節薬、免疫抑制薬、生物学的製剤およびその誘導体から選択される請求項9に記載のポリエーテル。
- 免疫調節薬が金チオリンゴ酸ナトリウム、ペニシラミン、ロベンザリットおよびその誘導体から選択される請求項23に記載のポリエーテル。
- 免疫抑制薬がミゾリビン、メトトレキサート、レフルノミド、タクロリムスおよびその誘導体から選択される請求項23に記載のポリエーテル。
- 生物学的製剤がインフリキシマブ、エタネルセプトおよびその誘導体から選択される請求項23に記載のポリエーテル。
- 酵素阻害薬がファスジルおよびその誘導体から選択される請求項9に記載のポリエーテル。
- 請求項1〜27のいずれかに記載のポリエーテルを含む製剤。
- 請求項1におけるR2が水素又は無機塩基、または有機塩基であるポリエーテルを用いた生体内組織への薬物、遺伝子、あるいは生体内イメージング用造影剤に対する送達用担体。
- 請求項1におけるR2が水素又は無機塩基、または有機塩基であるポリエーテルを用いた薬剤、ペプチド、核酸または蛋白を担持あるいは固定化するための担体。
- 請求項1〜27のいずれかに記載のポリエーテルを架橋してなる構造体を疾患部位に投与することによる治療方法。
- 薬物送達製剤の製造における請求項1〜27のいずれかに記載のポリエーテルの使用。
- 式(I)および式(II)で表される化合物をランダム共重合して、式(III)および式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルを製造する方法。
- 重合に用いる触媒が塩基およびルイス酸から選択される請求項33に記載のポリエーテルを製造する方法。
- 重合に用いる触媒が水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムやナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリムプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウム−t−2−メチル−2−ブトシキドおよび三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリアルキルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリブチルアルミニウムから選択され、単独もしくは混合して使用される請求項33に記載のポリエーテルを製造する方法。
- 請求項1〜27のいずれかに記載のポリエーテルを静脈内より生体内に投与することによる治療方法。
- 請求項1〜27のいずれかに記載のポリエーテルを疾患部位に投与することによる治療方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007327277A JP5105166B2 (ja) | 2007-12-19 | 2007-12-19 | ポリエーテルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007327277A JP5105166B2 (ja) | 2007-12-19 | 2007-12-19 | ポリエーテルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009149728A true JP2009149728A (ja) | 2009-07-09 |
JP5105166B2 JP5105166B2 (ja) | 2012-12-19 |
Family
ID=40919247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007327277A Expired - Fee Related JP5105166B2 (ja) | 2007-12-19 | 2007-12-19 | ポリエーテルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5105166B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013511539A (ja) * | 2009-11-18 | 2013-04-04 | ネクター セラピューティックス | ポリマー−薬物コンジュゲートの酸性塩形態及びアルコキシル化方法 |
CN107868243A (zh) * | 2017-12-11 | 2018-04-03 | 江苏苏博特新材料股份有限公司 | 一种氨基酸衍生化的亚磷酸减水剂的制备方法 |
WO2019151478A1 (ja) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | 国立大学法人東京大学 | 核酸送達用ポリマー化合物 |
WO2020193802A1 (en) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | Fundación De La Comunidad Valenciana Centro De Investigación Príncipe Felipe | Polymeric conjugates and uses thereof |
KR102182288B1 (ko) * | 2019-06-26 | 2020-11-24 | 주식회사 쎄코 | 약물 전달용 브러쉬 고분자 화합물 및 이의 제조방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193627A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Asahi Kasei Corp | 薬物複合体および薬物送達用担体 |
-
2007
- 2007-12-19 JP JP2007327277A patent/JP5105166B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193627A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Asahi Kasei Corp | 薬物複合体および薬物送達用担体 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013511539A (ja) * | 2009-11-18 | 2013-04-04 | ネクター セラピューティックス | ポリマー−薬物コンジュゲートの酸性塩形態及びアルコキシル化方法 |
CN107868243A (zh) * | 2017-12-11 | 2018-04-03 | 江苏苏博特新材料股份有限公司 | 一种氨基酸衍生化的亚磷酸减水剂的制备方法 |
CN107868243B (zh) * | 2017-12-11 | 2020-10-23 | 江苏苏博特新材料股份有限公司 | 一种氨基酸衍生化的亚磷酸减水剂的制备方法 |
WO2019151478A1 (ja) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | 国立大学法人東京大学 | 核酸送達用ポリマー化合物 |
WO2020193802A1 (en) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | Fundación De La Comunidad Valenciana Centro De Investigación Príncipe Felipe | Polymeric conjugates and uses thereof |
KR102182288B1 (ko) * | 2019-06-26 | 2020-11-24 | 주식회사 쎄코 | 약물 전달용 브러쉬 고분자 화합물 및 이의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5105166B2 (ja) | 2012-12-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5944836B2 (ja) | 高分子薬物送達結合体ならびにその製造および使用方法 | |
JP4420472B2 (ja) | 薬物複合体 | |
AU723442B2 (en) | Method for preparing drug complex | |
EP0916348B1 (en) | alkyldextran-polyalcohol drug complexes | |
JP5856069B2 (ja) | 新規なシチジン系代謝拮抗剤の高分子誘導体 | |
JP2002543111A (ja) | ポリマーを使用する葉酸で仲介された腫瘍細胞へのターゲッティングの増幅 | |
WO2005121181A1 (fr) | Polyethyleneglycol-oligopeptides de type branchement d'arbre multipoint et leurs derives actifs et composes | |
JPWO2009116509A1 (ja) | 生理活性物質の高分子結合体 | |
CA2529972A1 (en) | Polymeric conjugates for tissue activated drug delivery | |
WO2006115293A1 (ja) | pH応答性高分子ミセルの調製に用いる新規ブロック共重合体及びその製造法 | |
WO2000074721A1 (en) | Vitamin directed dual targeting therapy | |
JP5105166B2 (ja) | ポリエーテルの製造方法 | |
US20150320876A1 (en) | Conformations of divergent peptides with mineral binding affinity | |
Tai et al. | A novel rapamycin-polymer conjugate based on a new poly (ethylene glycol) multiblock copolymer | |
AU2017265310A1 (en) | Multi-arm polymeric targeting anti-cancer conjugate | |
KR102279429B1 (ko) | 멀티 암 표적 항암 콘쥬게이트 | |
JPH1192405A (ja) | 薬物複合体 | |
JP6799823B2 (ja) | ポリ(l−アルギニン)セグメント含有ブロック共重合体とポリアニオン性ポリマーのポリイオンコンプレックス | |
US20060263328A1 (en) | Hydrophilic polymers with pendant functional groups and method thereof | |
US20050220754A1 (en) | Vitamin directed targeting therapy | |
JP5189243B2 (ja) | 薬物複合体および薬物送達用担体 | |
CN1281270C (zh) | 多肽、其与阿霉素的结合物和基于结合物的药物组合物 | |
CN101265331B (zh) | Peg改性phpma材料及其制备方法 | |
CN106822913B (zh) | 配合物、其制备方法及水凝胶 | |
RU2493848C1 (ru) | Биодеградируемый полимерный носитель для доставки противоопухолевого лекарственного средства (варианты) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110126 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110622 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120424 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120622 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120905 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120919 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |