JP2009148459A - ビルトイン型ih調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成によって、所定レベル以上の振動が発生した場合においても加熱庫におけるドアおよび受皿をロックできるビルトイン型IH調理器を提供すること。
【解決手段】加熱庫30では、受皿38とドア37とが、左可動レール40Lおよび右可動レール40Rとともに前後移動する。右固定レール39Rの固定レール側固定金具43に形成された溝44において、可動体45が、所定レベル以上の振動が発生しないときには第1部44Aに保持される一方で、所定レベル以上の振動が発生したときには第1部44Aから離脱して第2部44Bに保持される。所定レベル以上の振動が発生したときには、右可動レール40Rの可動レール側固定金具46の垂直縁48Cが、第2部44Bに保持された可動体45に後方から当接するので、左可動レール40L、右可動レール40R、ドア37および受皿38の前方移動が阻止される。
【選択図】図6

Description

この発明は、キッチンにビルトインされるビルトイン型IH調理器に関する。
従来より、キッチンにビルトインされるビルトイン型IH調理器が知られている。たとえば、特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、トッププレート(天板に相当する。)が露出されるようにキッチンキャビネットに組み込まれる。
特許文献1に記載の誘導加熱調理器において、トッププレートの下方には、左右および後方中央に誘導加熱コイルがそれぞれ1つずつ設けられ、誘導加熱コイルの下方には、ロースター(加熱庫に相当する。)が設けられている。
ロースターには、その前面を開閉するドアと、ロースター内に収容され、被加熱物が載置される受皿とが設けられている。ドアを手前に引くことによって、受皿をロースター内から手前に引き出すことができる。
特開2002−39546号公報
たとえば、地震などの大きな振動が発生すると、その振動によって、ロースター内に収容された受皿とドアとが不意に手前に飛び出す虞がある。その場合、受皿に載置された被加熱物が床面にこぼれ落ちたり、受皿およびドアが誘導加熱調理器から外れて落下したりする不具合が生じる。
そこで、所定レベル以上の振動が発生したときにはドアおよび受皿をロックしてドアおよび受皿の前方移動を阻止する機構を誘導加熱調理器に備えることが考えられる。ただし、ロースターにおける周囲温度は比較的高いので、電気的な構成では、ロースターの熱的影響を受け、上述した振動の検知、ならびにドアおよび受皿のロックを正常に実施できない虞がある。さらに、この構成では、誘導加熱コイルで生じるノイズの影響を受けやすい。そこで、電気を用いない簡易な構成(機械的な機構)で、所定レベル以上の振動が発生した場合においてもドアおよび受皿をロックできることが望ましい。
また、ドアおよび受皿のロックを円滑に解除できることも望ましい。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、簡易な構成によって、所定レベル以上の振動が発生した場合においても加熱庫におけるドアおよび受皿をロックできるビルトイン型IH調理器を提供することを主たる目的とする。
この発明は、ドアおよび受皿のロックを円滑に解除できるビルトイン型IH調理器を提供することを別の目的とする。
請求項1記載の発明は、被加熱物を収容した容器が載置される天板と、前記天板の下側に左右に並べて配置され、前記天板の左側に載置された容器を加熱するための左加熱コイル、および、前記天板の右側に載置された容器を加熱するための右加熱コイルと、前記左加熱コイルおよび前記右加熱コイルの下方の領域を、左領域および右領域に仕切る遮熱板と、前記遮熱板で仕切られた前記左領域に形成され、前面に開口を有する加熱庫と、前記加熱庫の左右側壁の下部にそれぞれ固設された左固定レールおよび右固定レールと、前記左固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される左可動レールと、前記右固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される右可動レールと、前記左可動レールおよび前記右可動レールの前端に支持され、前記左可動レールおよび前記右可動レールとともに前後移動することによって前記加熱庫の前面開口を開閉するドアと、前記ドアと一緒に前後移動する、被加熱物が載置される受皿と、前記加熱庫内において、前記受皿に載置された被加熱物を加熱するヒータと、を備え、キッチンにビルトインされるビルトイン型IH調理器であって、前記左固定レールおよび前記右固定レールの少なくとも一方の後方部分に固定された固定レール側固定金具と、前記固定レール側固定金具に形成され、所定レベル以上の振動が発生しないときには可動体を保持する一方で前記所定レベル以上の振動が発生したときには前記可動体が離脱する上部保持部、および、前記上部保持部に対して下側へ連続しており、前記所定レベル以上の振動が発生したときに前記上部保持部から離脱した可動体を下降させて保持する下部保持部、を有する可動体案内路と、前記左可動レールおよび前記右可動レールの少なくとも一方に固定された可動レール側固定金具と、前記可動レール側固定金具に形成され、前記可動体が前記上部保持部に保持された状態では前記可動体に当接しない一方で、前記所定レベル以上の振動が発生したときには、前記ドアおよび前記受皿の前方移動を阻止するべく、前記下部保持部に保持された前記可動体に後方から当接する後方当接部と、を有することを特徴とする、ビルトイン型IH調理器である。
請求項2記載の発明は、前記可動レール側固定金具は、前記可動レール側固定金具が固定される前記左可動レールおよび前記右可動レールの少なくとも一方の後方部分に固定されていることを特徴とする、請求項1記載のビルトイン型IH調理器である。
請求項3記載の発明は、前記可動レール側固定金具には、前記下部保持部に保持された前記可動体に前記後方当接部が後方から当接している状態で前記左可動レールおよび前記右可動レールを前記ドアおよび前記受皿とともに後方へ移動させたときに、前記可動体に前方から当接して前記可動体を前記上部保持部まで移動させる前方当接部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のビルトイン型IH調理器である。
請求項4記載の発明は、前記前方当接部は、前記所定レベル以上の振動が発生したとき、前記可動体が前記上部保持部から離脱して前記下部保持部へ移動できるように、前記可動体から前方へ離間することを特徴とする、請求項3記載のビルトイン型IH調理器である。
請求項5記載の発明は、被加熱物を収容した容器が載置される天板と、前記天板の下側に左右に並べて配置され、前記天板の左側に載置された容器を加熱するための左加熱コイル、および、前記天板の右側に載置された容器を加熱するための右加熱コイルと、前記左加熱コイルおよび前記右加熱コイルの下方の領域を、左領域および右領域に仕切る遮熱板と、前記遮熱板で仕切られた前記左領域に形成され、前面に開口を有する加熱庫と、前記加熱庫の左右側壁の下部にそれぞれ固設された左固定レールおよび右固定レールと、前記左固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される左可動レールと、前記右固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される右可動レールと、前記左可動レールおよび前記右可動レールの前端に支持され、前記左可動レールおよび前記右可動レールとともに前後移動することによって前記加熱庫の前面開口を開閉するドアと、前記ドアと一緒に前後移動する、被加熱物が載置される受皿と、前記加熱庫内において、前記受皿に載置された被加熱物を加熱するヒータと、を備え、キッチンにビルトインされるビルトイン型IH調理器であって、前記左固定レールおよび前記右固定レールの少なくとも一方の後方部分に固定された固定レール側固定金具と、前記固定レール側固定金具に形成され、所定レベル以上の振動が発生しないときには可動体を保持する一方で前記所定レベル以上の振動が発生したときには前記可動体が離脱する下部保持部、および、前記下部保持部に対して上側へ連続しており、前記所定レベル以上の振動が発生したときに前記下部保持部から離脱した可動体を上昇せしめる上昇案内部、を有する可動体案内路と、前記左可動レールおよび前記右可動レールの少なくとも一方に固定された可動レール側固定金具と、前記可動レール側固定金具に形成され、前記可動体が前記下部保持部に保持された状態では前記可動体に当接しない一方で、前記所定レベル以上の振動が発生したときには、前記ドアおよび前記受皿の前方移動を阻止するべく、前記上昇案内部に位置する前記可動体に後方から当接する後方当接部と、を有することを特徴とする、ビルトイン型IH調理器である。
請求項1記載の発明によれば、このビルトイン型IH調理器の加熱庫の左右側壁の下部に左固定レールおよび右固定レールがそれぞれ固設されており、左固定レールによって左可動レールが前後方向にスライド自在に支持され、右固定レールによって右可動レールが前後方向にスライド自在に支持されている。そして、被加熱物が載置される受皿と加熱庫の前面開口を開閉するドアとが、左可動レールおよび右可動レールとともに前後移動する。
ここで、左固定レールおよび右固定レールの少なくとも一方の後方部分に固定された固定レール側固定金具には可動体案内路が形成されている。可動体案内路において、可動体が、所定レベル以上の振動が発生しないときには上部保持部に保持される一方で、所定レベル以上の振動が発生したときには上部保持部から離脱する。上部保持部から離脱した可動体は、上部保持部に対して下側へ連続する下部保持部を下降して下部保持部に保持される。
そして、左可動レールおよび右可動レールの少なくとも一方に固定された可動レール側固定金具に形成された後方当接部は、可動体が上部保持部に保持された状態では可動体に当接しないので、左可動レール、右可動レール、ドアおよび受皿の前方移動が許容される。一方で、所定レベル以上の振動が発生したときには、後方当接部が、下部保持部に保持された可動体に後方から当接するので、左可動レール、右可動レール、ドアおよび受皿の前方移動が阻止される。
つまり、このような簡易な構成によって、所定レベル以上の振動が発生した場合においても加熱庫におけるドアおよび受皿をロックすることができる。
請求項2記載の発明によれば、可動レール側固定金具は、可動レール側固定金具が固定される左可動レールおよび右可動レールの少なくとも一方の後方部分に固定されているので、可動レール側固定金具を目立たなくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、可動レール側固定金具に形成された前方当接部は、下部保持部に保持された可動体に後方当接部が後方から当接している状態で左可動レールおよび右可動レールをドアおよび受皿とともに後方へ移動させたときに、可動体に前方から当接して可動体を上部保持部まで移動させる。これにより、可動体に対する後方当接部の当接が解除されるので、左可動レール、右可動レール、ドアおよび受皿の前方移動が再び許容される。つまり、前方当接部によって、ドアおよび受皿のロックを円滑に解除することができる。
請求項4記載の発明によれば、前方当接部は、所定レベル以上の振動が発生したとき、可動体が上部保持部から離脱して下部保持部へ移動できるように、可動体から前方へ離間するので、可動体を下部保持部に確実に保持させ、後方当接部を可動体に当接させることができる。そのため、前方当接部を設けた場合であっても、所定レベル以上の振動が発生した場合においても加熱庫におけるドアおよび受皿をロックすることができる。
請求項5記載の発明によれば、このビルトイン型IH調理器の加熱庫の左右側壁の下部に左固定レールおよび右固定レールがそれぞれ固設されており、左固定レールによって左可動レールが前後方向にスライド自在に支持され、右固定レールによって右可動レールが前後方向にスライド自在に支持されている。そして、被加熱物が載置される受皿と加熱庫の前面開口を開閉するドアとが、左可動レールおよび右可動レールとともに前後移動する。
ここで、左固定レールおよび右固定レールの少なくとも一方の後方部分に固定された固定レール側固定金具には可動体案内路が形成されている。可動体案内路において、可動体が、所定レベル以上の振動が発生しないときには下部保持部に保持される一方で、所定レベル以上の振動が発生したときには下部保持部から離脱する。下部保持部から離脱した可動体は、下部保持部に対して上側へ連続する上昇案内部を上昇して上昇案内部に位置する。
そして、左可動レールおよび右可動レールの少なくとも一方に固定された可動レール側固定金具に形成された後方当接部は、可動体が下部保持部に保持された状態では可動体に当接しないので、左可動レール、右可動レール、ドアおよび受皿の前方移動が許容される。一方で、所定レベル以上の振動が発生したときには、後方当接部が、上昇案内部に位置する可動体に後方から当接するので、左可動レール、右可動レール、ドアおよび受皿の前方移動が阻止される。
つまり、このような簡易な構成によって、所定レベル以上の振動が発生した場合においても加熱庫におけるドアおよび受皿をロックすることができる。
以下では、この発明の一実施形態に係る加熱調理器1を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<加熱調理器の概要>
図1は、加熱調理器1を正面右上から見た斜視図である。図2は、図1に示す加熱調理器1の正断面図である。なお、方向について言及する場合には、図示した方向矢印を参照する(以下同様)。ここで、前側と正面側とは同じであり、後側と背面側とは同じであり、左右方向と幅方向とは同じである。
この実施形態に係る加熱調理器1は、キッチン(図示せず)にビルトインされる、いわゆるビルトイン型の誘導加熱調理器(IH調理器)である。図1に示すように、加熱調理器1は、その外殻をなすケーシング2を備えている。
ケーシング2は、平面視においてやや幅広の矩形状であり、かつ、上下方向にやや薄いボックス形状である。ケーシング2は、その主たる部分をなすフレーム3と、フレーム3の上面に設けられた天板4とを有している。
フレーム3は、ケーシング2とほぼ同じ大きさで中空のボックス形状であり、その前側上端部は、幅方向全域に亘って、左側面視で略L字形状に窪んでおり、組み付け部5とされる。組み付け部5には、キッチンに設けられた位置決めバー(図示せず)が嵌まり、これにより、加熱調理器1がキッチンに組み付けられる。
天板4は、ガラス製であって、ケーシング2の上面をなし、平面視で矩形の薄板状に形成されており、フレーム3の上面を覆っている。
天板4の後縁部の左右には、フレーム3の内部に連通する切欠きがそれぞれ設けられており、左側の切欠きは、左通風口20とされ、右側の切欠きは、右通風口21とされる。左通風口20および右通風口21のそれぞれは、カバー22によって上から覆われている。カバー22は、格子状に形成されているので、左通風口20および右通風口21は、カバー22によって覆われた状態であっても、外部に連通している(通気性を有している)。つまり、カバー22は、左通風口20および右通風口21のそれぞれを通風可能にカバーしている。
フレーム3では、天板4の下側かつ組み付け部5の後側の空間が、図2に示す上側空間6とされている。上側空間6では、前方左右と後方中央との合計3箇所の位置に、誘導加熱コイルがそれぞれ配置されており、各誘導加熱コイルは、それぞれの位置に応じて、左加熱コイル7、右加熱コイル8、中央後加熱コイル9(図1参照)と区別される。左加熱コイル7および右加熱コイル8は、左右に並べて配置されている。中央後加熱コイル9は、左加熱コイル7および右加熱コイル8の間で、かつ、左加熱コイル7および右加熱コイル8の後側に配置されている。また、左加熱コイル7および右加熱コイル8の定格出力は、ともに相対的に大きく、たとえば3kWである。これに対し、中央後加熱コイル9の定格出力は、相対的に小さく、たとえば1.6kWである。
なお、図1に示すように、天板4の上面において、左加熱コイル7、右加熱コイル8および中央後加熱コイル9のそれぞれに一致する部分には、容器(金属鍋など)の載置位置を示すための環状の囲み線が、印刷などによって表示されている。各囲み線は、それぞれの位置に応じて、左囲み線10、右囲み線11、中央後囲み線12と区別される。左囲み線10は、左加熱コイル7に対応し、天板4の左側に位置している。右囲み線11は、右加熱コイル8に対応し、天板4の右側に位置している。中央後囲み線12は、中央後加熱コイル9に対応し、天板4の後側中央に位置している。
また、フレーム3では、組み付け部5および上側空間6(図2参照)より下側の空間が、図2に示す下側空間13とされ、フレーム3の後壁へ向かって前後に延びる遮熱板14によって、左領域15と右領域16とに左右に仕切られている。左領域15は、左加熱コイル7の下方に形成された空間であり、右領域16に対して、幅方向に1.5倍程大きい。右領域16は、右加熱コイル8の下方に形成された空間である。また、遮熱板14は、例えば金属製であり、左領域15と右領域16とを熱的に遮断している。
左領域15には、ロースター17が配置されている。ロースター17内には、ヒータ49が設けられており、ロースター17内に収容された被加熱物は、ヒータ49によって加熱される。
右領域16には、左加熱コイル7、右加熱コイル8および中央後加熱コイル9を制御する制御回路基板18と、その制御回路基板18の後方に位置するファンなどの送風装置19(図1参照)とが配置されている。
また、図1に示すように、天板4の前端には、天板4に比べて一段上側へ突き出た操作部24が取り付けられている。操作部24は、組み付け部5の上方に位置にしている。操作部24の上面には、操作ダイヤル23が複数設けられている。操作ダイヤル23は、左加熱コイル7、右加熱コイル8および中央後加熱コイル9による加熱調理を行うときに操作される。
次に、この加熱調理器1の動作について説明する。
まず、被加熱物が収容された容器を、左囲み線10、右囲み線11および中央後囲み線12において対応する囲み線に収まるように(つまり、左加熱コイル7、右加熱コイル8および中央後加熱コイル9において対応する加熱コイルの上に配置されるように)、天板4の上面に載置する。
そして、操作ダイヤル23を操作する。操作ダイヤル23の操作に応じて、左加熱コイル7、右加熱コイル8および中央後加熱コイル9において対応する加熱コイルが、制御回路基板18によって駆動制御される。これに応じて、容器が、その下方にある加熱コイルの電磁誘導作用によって発熱し、容器に収容された被加熱物の加熱調理が行われる。
このとき、送風装置19が作動し、外気が右通風口21からフレーム3内に吸い込まれる。フレーム3内に吸い込まれた外気は、冷却風として、まず、下側空間13の右領域16(図2参照)に流入して制御回路基板18を冷却し、その後、上側空間6に流入して、左加熱コイル7、右加熱コイル8および中央後加熱コイル9を冷却する。そして、これらの加熱コイルを冷却した冷却風(冷却に寄与した後の空気)は、左通風口20から機外へ排出される。
また、ロースター17(図2参照)による加熱調理時において、その中で魚などの被加熱物を焼いた時に発生する煙は、左通風口20から機外へ排出される。
<ロースター>
図3は、図1において、ロースター17における引き出しユニット32を手前に引き出した状態を示す。図4は、図3における加熱調理器1を正面左上側から見た斜視図であって、受皿38が取り外された状態を示す。図5は、図4において、ドア37が取り外された状態を示す。
ロースター17は、左領域15に形成された加熱庫30(図2参照)と、ヒータ49(図3参照)と、1対のレールユニット34(図2参照)と、連結フレーム35(図5参照)と、保持フレーム36(図5参照)と、ドア37(図4参照)と、受皿38(図3参照)とを含んでいる。
図2に示すように、加熱庫30は、左領域15より一回り小さい中空のボックス状に形成されている。加熱庫30の前面は開口している(図4参照)。この開口を前面開口30Aという。加熱庫30の左右側壁の下端部は、それぞれ前後方向全域に亘って幅方向内側へ窪んでいる。以下では、加熱庫30の左側壁の下端部における窪みは、左窪み33Lとされ、加熱庫30の右側壁の下端部における窪みは、右窪み33Rとされる。図4に示すように、左窪み33Lおよび右窪み33Rの前端は、加熱庫30の前面開口30Aの下端部を幅方向において挟むように、前側に露出されている。
ヒータ49は、たとえば、シーズヒータを折り曲げることによって形成されており、通電されると発熱する。ヒータ49は、加熱庫30の天壁において、加熱庫30内に臨むように、配置されている。
図2に示すように、1対のレールユニット34のうち、一方のレールユニット34は、左レールユニット34Lとされ、左窪み33Lに配置されている。1対のレールユニット34のうち、他方のレールユニット34は、右レールユニット34Rとされ、右窪み33Rに配置されている。
各レールユニット34は、前後方向に沿って延びる2つのレールを含んでいる。これらの2つのレールは、固定レール39と可動レール40とに区別される。ここで、左レールユニット34Lにおいて、固定レール39は、左固定レール39Lと呼ばれ、可動レール40は左可動レール40Lと呼ばれる。一方、右レールユニット34Rにおいて、固定レール39は、右固定レール39Rと呼ばれ、可動レール40は右可動レール40Rと呼ばれる。
固定レール39は、左窪み33Lおよび右窪み33Rにおいて対応する窪みに固設されている。固定レール39の上端部および下端部は、前後方向における全域に亘って、加熱庫30側へ折れ曲っている。詳しくは、左固定レール39Lの上端部および下端部は、右側へ折れ曲っており、右固定レール39Rの上端部および下端部は、左側へ折れ曲っている。
可動レール40は、対応する固定レール39において折れ曲った上端部および下端部によって、上下方向から挟持されており、この状態において固定レール39に対して前後方向にスライド自在である。つまり、左可動レール40Lが、左固定レール39Lによって前後方向にスライド自在に支持されており、右可動レール40Rが、右固定レール39Rによって前後方向にスライド自在に支持されている。
図5に示すように、連結フレーム35は、左側面視において略逆L字状に折れ曲げられた金属板であり、左可動レール40Lの前端と右可動レール40Rの前端との間に架設されている。
保持フレーム36は、やや太い針金を折り曲げることによって、加熱庫30にちょうど収容され得る大きさの略矩形枠体状に形成されており、左可動レール40Lおよび右可動レール40Rの間に位置するように、連結フレーム35に取り付けられている。
図4に示すように、ドア37は、加熱庫30の前面開口30Aを塞ぎ得る大きさを有する、正面視において幅方向に長手の矩形状である。ドア37の後側面の下端部が、連結フレーム35(図5参照)に取り付けられている。換言すれば、ドア37は、連結フレーム35を介して、左可動レール40Lおよび右可動レール40Rの前端に支持されている。
ドア37の正面視における略中央部分は、透明になっており、ドア37が前面開口30Aを塞いだ状態において(図1参照)、この透明部分を介して、加熱庫30内部を覗くことができる。ドア37の下端部には、ドア37の幅方向中央に向かうに従って前側に膨出する手掛け部37Aが設けられている。
図3に示すように、受皿38は、受皿本体41と網42とを含んでいる。受皿本体41は、平面視において保持フレーム36(図4参照)よりやや大きい矩形の皿状であり、保持フレーム36に載置されており、保持フレーム36によって、浮いた状態で保持されている。網42は、金属製であって、平面視において受皿本体41とほぼ同じ大きさの矩形状である。網42の周縁部には、下方へ突出する脚42Aが複数設けられている。網42は、脚42Aが受皿本体41の窪み部分に嵌るように、受皿本体41に載置されている。網42には、被加熱物が載置される。
上述したように、可動レール40は、対応する固定レール39(図2参照)に対して前後方向にスライド自在である。そのため、可動レール40、連結フレーム35(図5参照)、保持フレーム36(図5参照)、ドア37および受皿38は、引き出しユニット32として、固定レール39に対して前後方向に一体的にスライド自在である。詳しくは、ドア37の手掛け部37Aに手を掛けて手掛け部37Aを後側へ押したり手前に引いたりすることによって、引き出しユニット32は、開位置と閉位置との間を前後方向にスライドする。
開位置にある引き出しユニット32は、図3に示すように、ドア37が加熱庫30の前面開口30Aに対して前方へ距離を隔てて配置されるように、加熱庫30の前側へ引き出されており、これにより、前面開口30Aが前側に開放されている。ここで、可動レール40の後方部分は、左窪み33Lおよび右窪み33Rにおいて対応する窪みから完全に引き出されておらず、対応する固定レール39に支持されている(図2参照)。
開位置にある引き出しユニット32を後側へ押し込み、後方移動が停止したときの引き出しユニット32の位置が、図1に示す閉位置である。閉位置にある引き出しユニット32では、ドア37が加熱庫30の前面開口30Aを完全に塞いでいる。また、可動レール40のほぼすべてが、対応する窪み(左窪み33Lまたは右窪み33R)に収容されている(図2参照)。また、受皿38が、図2に示すように、加熱庫30内に収容され、ヒータ49に対して下側から対向している。この状態でヒータ49が発熱すると、受皿38の網42に載置された被加熱物が、発熱するヒータ49によって加熱される。
このように、ドア37は、左可動レール40Lおよび右可動レール40Rとともに前後移動することによって、加熱庫30の前面開口30Aを開閉し、受皿38は、ドア37と一緒に前後移動する。
図6において、図6(a)は、右固定レール39R(可動体45が解除位置にある状態)の後方部を左前側から見た斜視図であり、図6(b)は、右可動レール40Rの後方部を左前側から見た斜視図であり、図6(c)は、右レールユニット34R(可動体45が解除位置にある状態)の左側面図であり、図6(d)は、図6(c)において、右レールユニット34Rの後方部を抜き出した図であり、図6(e)は、図6(d)において、可動体45がロック位置にある状態を示し、図6(f)は、図6(d)において、可動体45が解除位置とロック位置との間にある状態を示している。
左固定レール39Lおよび右固定レール39Rの少なくとも一方(ここでは、右固定レール39R)の後方部分には、図6(a)に示すように、固定レール側固定金具43が固定されている。
固定レール側固定金具43は、対応する固定レール39の上端部から加熱庫30側(図2参照。ここでは、右固定レール39Rの上端部から左側)へ延びて下方へ折れ曲る金属板である。固定レール側固定金具43において下方へ折れ曲った部分には、この部分を肉厚方向(幅方向)に貫通する可動体案内路としての溝44が形成されている。
溝44は、幅方向から見て、下向きに折れ曲る略逆L字形状であり、上部保持部としての第1部44Aと、下部保持部としての第2部44Bとを一体的に有している。第1部44Aは、対応する固定レール39(右固定レール39R)の上端部の近傍において、固定レール側固定金具43の後端縁近傍から略水平方向に沿って前側へ延びている。第2部44Bは、第1部44Aの後端から連続し、固定レール側固定金具43の下端縁の近傍まで、斜め前側下方へ延びている。つまり、第2部44Bは、第1部44Aに対して下側に連続している。
固定レール側固定金具43において、第1部44Aの後端部を縁取る部分を、上側移動規制部43Aとし、上側移動規制部43Aに連続して第1部44Aの下端縁を縁取る部分を、上部保持部43Bとする。そして、固定レール側固定金具43において、上部保持部43Bに連続して第2部44Bの後側周縁を縁取る部分を、ガイド部43Cとし、ガイド部43Cに連続して第2部44Bの下端部を縁取る部分を下側移動規制部43Dという。上側移動規制部43Aおよび下側移動規制部43Dは、湾曲状に形成されている。上部保持部43Bは、略水平方向に沿って前側へ延びている。ガイド部43Cは、上部保持部43Bの後端から下側移動規制部43Dまでの間を、斜め前側下方に延びている。
溝44には、可動体45が外れ不能に遊嵌されている。可動体45は、溝44の溝幅より僅かに小さい外径を有する円柱形状であり、その中心軸は、幅方向に沿って延びている。可動体45は、その一部(ここでは、左端部)が溝44に遊嵌された状態で、溝44に沿って移動可能である。具体的に、可動体45は、解除位置とロック位置との間で移動可能である。
解除位置にある可動体45は、図6(a)、図6(c)および図6(d)に示すように、溝44における第1部44Aに位置している。詳しくは、可動体45は、固定レール側固定金具43の上部保持部43B上に載置されることよって、第1部44Aに保持されており、さらに、上側移動規制部43Aに対して前側から当接している。
ロック位置にある可動体45は、図6(e)に示すように、溝44における第2部44Bに位置している。詳しくは、可動体45は、固定レール側固定金具43の下側移動規制部43Dに対して上側から当接し、第2部44Bに保持されている。
可動体45は、常態では、解除位置にある(図6(a)、図6(c)および図6(d)参照)。しかし、常態とは異なり、地震などによって所定レベル以上の振動が生じたときには、可動体45は、その振動によって、上側移動規制部43Aに対して後側へ離間して上部保持部43B上を前側へ移動し(図6(f)参照)、その後、上部保持部43Bから外れて(第1部44Aを離脱して)、ガイド部43Cを滑り落ちて(第2部44Bを下降して)、ロック位置まで移動する(図6(e)参照)。なお、解除位置からロック位置までの可動体45の移動は瞬時に行われる。
右固定レール39Rの後方部分に固定レール側固定金具43が固定されているのに対応して、図6(b)に示すように、右可動レール40Rの後方部分には、可動レール側固定金具46が固定されている。なお、左固定レール39Lに固定レール側固定金具43が設けられている場合には、左可動レール40Lの後方部分に可動レール側固定金具46が固定されている。もちろん、左固定レール39Lおよび右固定レール39Rの両方に固定レール側固定金具43が設けられている場合には、左可動レール40Lおよび右可動レール40Rの両方の後方部分に可動レール側固定金具46が固定されている。このように、可動レール側固定金具46は、可動レール側固定金具46が固定される左可動レール40Lおよび右可動レール40Rの少なくとも一方の後方部分に固定されているので、可動レール側固定金具46を正面から目立たなくすることができる。
可動レール側固定金具46は、幅方向に薄く前後方向に長手の金属板であり、可動レール40において加熱庫30に対向する面(ここでは、右可動レール40Rの左側面)に取り付けられている。可動レール側固定金具46は、前から順に、第1部47および第2部48を一体的に備えている。第1部47は、幅方向から見て、前後方向に長手の矩形状である。第2部48は、幅方向から見て鉤形状であり、第1部47から後側へ連続している。詳しくは、第2部48の上端縁は、第1部47の上端縁から連続して後側下方へ傾斜して延びてから(この部分を前方当接部としての傾斜縁48Aとする。)、略水平方向に沿って後側へ僅かに延び(この部分を水平縁48Bとする。)、上方ヘ略垂直に延びてから(この部分を後方当接部としての垂直縁48Cとする。)、湾曲しながら後側下方へ延びている。このように、幅方向から見て、第2部48には、傾斜縁48A、水平縁48Bおよび垂直縁48Cによって区画されて、下側へ窪む凹部48Dが形成されている。
右可動レール40Rが右固定レール39Rによって前後方向にスライド自在に支持された状態において、可動レール側固定金具46は、図6(c)に示すように、固定レール側固定金具43と右可動レール40Rとの間(つまり、固定レール側固定金具43より右側)に配置されている。このとき、左端部が固定レール側固定金具43の溝44に遊嵌されている可動体45の右端部と、可動レール側固定金具46の第2部48の上端縁とは、幅方向において同じ位置にある。また、幅方向から見たときに、第2部48において、傾斜縁48Aの上端は、固定レール側固定金具43の溝44における上部保持部43Bより上側にあり、垂直縁48Cの上端は、上部保持部43Bより下側にあり、水平縁48Bは、下側移動規制部43Dの下端と上下方向において同じ位置にある。
引き出しユニット32が閉位置にあるとき(図1参照)、図6(c)および図6(d)に示すように、可動レール側固定金具46の傾斜縁48Aの上端が、解除位置にある可動体45の右端部に対して前側から当接している。これにより、可動体45は、解除位置で固定され、ロック位置へ移動することができない。
この状態で引き出しユニット32を開位置へ向けて前側に引き出すと、可動レール側固定金具46では、傾斜縁48Aが可動体45に対して前側に離間し、かつ、第2部48における垂直縁48Cおよび垂直縁48Cより後側の部分が、解除位置にある可動体45に当接することなく、可動体45の下方を通過して前側へ移動する。これにより、引き出しユニット32の前方移動が許容される。
そして、引き出しユニット32が閉位置にあって可動体45が解除位置にあるときに、上述した所定レベル以上の振動が生じると、引き出しユニット32が前側へ移動し始める。これにより、可動レール側固定金具46の傾斜縁48Aが可動体45に対して前側に離間し、可動体45に対する傾斜縁48Aの当接が解除される。そのため、可動体45は、解除位置からロック位置への移動(溝44における第1部44Aから第2部44Bへの移動)が許容され、上述した振動によって、上部保持部43B上を前側へ移動し始める(図6(f)参照)。
その後、図6(e)に示すように、可動レール側固定金具46の凹部48Dと固定レール側固定金具43の下側移動規制部43Dとが幅方向に見て一致するまで引き出しユニット32が前側へ移動すると、可動体45の左端部は、固定レール側固定金具43において、上部保持部43Bを外れてガイド部43Cを滑り落ち、ロック位置まで移動する。このとき、可動体45の右端部は、可動レール側固定金具46の凹部48Dに嵌まり込み、可動レール側固定金具46の垂直縁48Cに後方から当接される。ここで、ロック位置にある可動体45は、固定レール側固定金具43の溝44から外れることができないので、可動体45に垂直縁48Cが後方から当接している可動レール側固定金具46は、それ以上前側へ移動することができない。つまり、引き出しユニット32の前方移動が阻止される。このような簡易な構成によって、所定レベル以上の振動が発生した場合においてもドア37および受皿38(図3参照)をロックすることができる。
そして、可動レール側固定金具46の傾斜縁48Aは、所定レベル以上の振動が発生したとき、上述したように、可動体45が固定レール側固定金具43の溝44において第1部44Aから離脱して第2部44Bへ移動できるように、可動体45から前方へ離間する。これにより、可動体45を第2部44Bに確実に保持させ、可動レール側固定金具46の垂直縁48Cを可動体45に当接させることができる。そのため、可動レール側固定金具46に傾斜縁48Aを設けた場合であっても、所定レベル以上の振動が発生した場合においてもドア37および受皿38をロックすることができる。
一方、このようにロック位置にある可動体45に垂直縁48Cが後方から当接している状態で、引き出しユニット32を後方へ移動させると、可動レール側固定金具46では、可動体45に対する垂直縁48Cの当接は解除され、代わりに、傾斜縁48Aが前方から可動体45に当接する。これにより、可動体45は、後側にある固定レール側固定金具43のガイド部43Cへ押し付けれ、ガイド部43Cに沿って上昇する。そして、引き出しユニット32を後側へ引き続き押し込むことにより、可動体45は、傾斜縁48Aに押圧されて上部保持部43Bまで乗り上げてから(図6(f)参照)、上側移動規制部43Aに対して前側から当接し、解除位置まで移動する(図6(c)および図6(d)参照)。
つまり、傾斜縁48Aが可動体45に前方から当接して可動体45を溝44の第1部44Aまで移動させる。これにより、可動体45に対する垂直縁48Cの当接が解除されるので、引き出しユニット32の前方移動が再び許容される。つまり、傾斜縁48Aによって、上述したドア37および受皿38のロックを円滑に解除することができる。
<変形例>
次に、変形例に係る固定レール側固定金具43および可動レール側固定金具46について説明する。
図7において、図7(a)は、変形例に係る固定レール側固定金具43が適用された右固定レール39R(可動体45が解除位置にある状態)の後方部の左側面図であり、図7(b)は、変形例に係る可動レール側固定金具46が適用された右可動レール40Rの後方部の左側面図であり、図7(c)は、変形例に係る固定レール側固定金具43および可動レール側固定金具46が適用された右レールユニット34R(可動体45が解除位置にある状態)の左側面図であり、図7(d)は、図7(c)において、右レールユニット34Rの後方部を抜き出した図であり、図7(e)は、図7(d)において、可動体45がロック位置にある状態を示している。
図7(a)に示すように、変形例に係る固定レール側固定金具43は、対応する固定レール39の上端部から加熱庫30側(図2参照。ここでは、右固定レール39Rの上端部から左側)へ延びて下方へ折れ曲る金属板である。固定レール側固定金具43において下方へ折れ曲った部分には、この部分を肉厚方向(幅方向)に貫通する可動体案内路としての溝50が形成されている。
溝50は、幅方向から見て、斜め前側上方ヘ緩やかに傾斜するように延びており、下部保持部としての第1部50Aと、第2部50Bと、第3部50Cとを一体的に有している。第1部50Aは、固定レール側固定金具43の下端部の後端縁近傍から略水平方向に沿って前側へ僅かに延びている。第2部50Bは、第1部50Aの前端から連続し、固定レール側固定金具43の上下方向半分位置よりやや下側まで、斜め前側上方へ延びている。第3部50Cは、第2部50Bの前端から連続し、固定レール側固定金具43の前端縁近傍まで、略水平方向に沿って前側へ僅かに延びている。つまり、第2部50Bおよび第3部50Cを上昇案内部とすると、この上昇案内部は、第1部50Aに対して上側に連続している。
固定レール側固定金具43において、第1部50Aの後端部を縁取る部分を、下側移動規制部51Aとし、下側移動規制部51Aに連続して第1部50Aの下端縁を縁取る部分を、下部保持部51Bとする。そして、固定レール側固定金具43において、下部保持部51Bに連続して第2部50Bの下側周縁を縁取る部分を、ガイド部51Cとし、ガイド部51Cに連続して第3部50Cの下端縁を縁取る部分を上部保持部51Dという。そして、固定レール側固定金具43において、上部保持部51Dに連続して第3部50Cの前端部を縁取る部分を、上側移動規制部51Eとする。
下側移動規制部51Aおよび上側移動規制部51Eは、湾曲状に形成されている。下部保持部51Bおよび上部保持部51Dは、略水平方向に沿って前側へ僅かに延びている。ガイド部51Cは、斜め前側上方に延び、下部保持部51Bの前端と上部保持部51Dの後端とをつないでいる。
溝50には、上述した可動体45が外れ不能に遊嵌されている。可動体45は、溝50の溝幅より僅かに小さい外径を有する円柱形状であり、その中心軸は、幅方向に沿って延びている。可動体45は、その一部(ここでは、左端部)が溝50に遊嵌された状態で、溝50に沿って移動可能である。具体的に、可動体45は、解除位置とロック位置との間で移動可能である。
解除位置にある可動体45は、図7(a)、図7(c)および図7(d)に示すように、溝50における第1部50Aに位置している。詳しくは、可動体45は、固定レール側固定金具43の下部保持部51B上に載置されることよって、第1部50Aに保持されており、さらに、下側移動規制部51Aに対して前側から当接している。
ロック位置にある可動体45は、図7(e)に示すように、溝50における第3部50Cに位置している。詳しくは、可動体45は、固定レール側固定金具43の上部保持部51D上に載置されることよって、第3部50Cに位置しており、さらに、上側移動規制部51Eに対して後側から当接している。
可動体45は、常態では、解除位置にある(図7(a)、図7(c)および図7(d)参照)。しかし、常態とは異なり、地震などによって上述した所定レベル以上の振動が生じたときには、可動体45は、その振動によって、下側移動規制部51Aに対して前側へ離間して下部保持部51B上を前側へ移動し、その後、下部保持部51Bから外れて(第1部50Aから離脱して)、ガイド部51Cを滑り上がり(第2部50Bおよび第3部50Cを上昇し)、ロック位置まで移動する(図7(e)参照)。なお、解除位置からロック位置までの可動体45の移動は瞬時に行われる。
右固定レール39Rの後方部分に、変形例に係る可動レール側固定金具46が固定されているのに対応して、図7(b)に示すように、変形例に係る可動レール側固定金具46は、右可動レール40Rの後方部分に固定されている。なお、上記した実施形態と同様に、左固定レール39Lに可動レール側固定金具46が設けられている場合には、左可動レール40Lの後方部分に可動レール側固定金具46が固定されている。もちろん、左固定レール39Lおよび右固定レール39Rの両方に固定レール側固定金具43が設けられている場合には、左可動レール40Lおよび右可動レール40Rの両方の後方部分に可動レール側固定金具46が固定されている。
変形例に係る可動レール側固定金具46は、幅方向に薄く、左側面視において前後方向に長手の矩形状の金属板であり、可動レール40において加熱庫30に対向する面(ここでは、右可動レール40Rの左側面)に取り付けられている。可動レール側固定金具46において、その後端には、下側へ突出する第1凸部52が形成され、その前端には、第1凸部52よりも下側へ突出する第2凸部53が形成されている。第1凸部52の前端縁52Aは、斜め前側下方へ傾斜しており、第2凸部53の後端縁53Aは、斜め前側下方へ傾斜している。前端縁52Aは、後方当接部として機能する。
右可動レール40Rが右固定レール39Rによって前後方向にスライド自在に支持された状態において、可動レール側固定金具46は、図7(c)に示すように、固定レール側固定金具43と右可動レール40Rとの間(つまり、固定レール側固定金具43より右側)に配置されている。このとき、左端部が固定レール側固定金具43の溝50に遊嵌されている可動体45の右端部と、可動レール側固定金具46の第1凸部52および第2凸部53とは、幅方向において同じ位置にある。また、幅方向から見たときに、第1凸部52(前端縁52A)の下端は、固定レール側固定金具43の溝50における第1部50Aより上側にあり、第3部50Cの下端(上部保持部51D)と上下方向においてほぼ同じ位置にある。一方、幅方向から見たとき、第2凸部53(後端縁53A)の下端は、第1部50Aより下方にある。
引き出しユニット32が閉位置にあるとき(図1参照)、図7(c)および図7(d)に示すように、可動レール側固定金具46の第1凸部52が、解除位置にある可動体45のより後側にあり、第2凸部53が、可動体45より前側にある。
この状態で引き出しユニット32を開位置へ向けて前側に引き出すと、可動レール側固定金具46は、前側へ移動し、このとき、第1凸部52の前端縁52Aが、解除位置にある可動体45に当接することなく、可動体45の上方を通過する。これにより、引き出しユニット32の前方移動が許容される。
そして、引き出しユニット32が閉位置にあって可動体45が解除位置にあるときに、上述した所定レベル以上の振動が生じると、可動体45は、この振動によって、上述したように、図7(e)に示すロック位置まで移動する。
そのため、引き出しユニット32が前側へ移動すると、可動レール側固定金具46の第1凸部52の前端縁52Aが、ロック位置にある可動体45に後方から当接する。ここで、ロック位置にある可動体45は、固定レール側固定金具43の溝50から外れることができず、固定レール側固定金具43の上側移動規制部51Eに押し付けられるので、可動体45に第1凸部52が後方から当接している可動レール側固定金具46は、それ以上前側へ移動することができない。つまり、引き出しユニット32の前方移動が阻止される。このような簡易な構成によって、所定レベル以上の振動が発生した場合においてもドア37および受皿38をロックすることができる。
一方、このようにロック位置にある可動体45に第1凸部52(前端縁52A)が後方から当接している状態で、引き出しユニット32を後方へ移動させると、可動体45に対する第1凸部52の当接が解除されるので、可動体45は、自重によって、固定レール側固定金具43の上側移動規制部51Eおよび上部保持部51Dから外れてガイド部51Cを滑り落ち、解除位置へ戻る(図7(c)参照)。このように可動体45が自重によって解除位置へ戻れない場合には、可動レール側固定金具46の第2凸部53の後端縁53Aを前方から可動体45に当接させてもよい。これにより、可動体45は、第2凸部53に後側へ押圧されることによって、固定レール側固定金具43の上側移動規制部51Eおよび上部保持部51Dから外れてガイド部51Cを滑り落ち、解除位置へ戻る(図7(c)参照)。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、送風装置19によって冷却風を左通風口20から強制排気しているが、送風装置19を用いずに自然排気してもよい。
加熱調理器1を正面右上から見た斜視図である。 図1に示す加熱調理器1の正断面図である。 図1において、ロースター17における引き出しユニット32を手前に引き出した状態を示す。 図3における加熱調理器1を正面左上側から見た斜視図であって、受皿38が取り外された状態を示す。 図4において、ドア37が取り外された状態を示す。 図6(a)は、右固定レール39R(可動体45が解除位置にある状態)の後方部を左前側から見た斜視図であり、図6(b)は、右可動レール40Rの後方部を左前側から見た斜視図であり、図6(c)は、右レールユニット34R(可動体45が解除位置にある状態)の左側面図であり、図6(d)は、図6(c)において、右レールユニット34Rの後方部を抜き出した図であり、図6(e)は、図6(d)において、可動体45がロック位置にある状態を示し、図6(f)は、図6(d)において、可動体45が解除位置とロック位置との間にある状態を示している。 図7(a)は、変形例に係る固定レール側固定金具43が適用された右固定レール39R(可動体45が解除位置にある状態)の後方部の左側面図であり、図7(b)は、変形例に係る可動レール側固定金具46が適用された右可動レール40Rの後方部の左側面図であり、図7(c)は、変形例に係る固定レール側固定金具43および可動レール側固定金具46が適用された右レールユニット34R(可動体45が解除位置にある状態)の左側面図であり、図7(d)は、図7(c)において、右レールユニット34Rの後方部を抜き出した図であり、図7(e)は、図7(d)において、可動体45がロック位置にある状態を示している。
符号の説明
1 加熱調理器
4 天板
7 左加熱コイル
8 右加熱コイル
13 下側空間
14 遮熱板
15 左領域
16 右領域
30 加熱庫
30A 前面開口
37 ドア
38 受皿
39L 左固定レール
39R 右固定レール
40L 左可動レール
40R 右可動レール
43 固定レール側固定金具
44 溝
44A 第1部
44B 第2部
45 可動体
46 可動レール側固定金具
48A 傾斜縁
48C 垂直縁
49 ヒータ
50 溝
50A 第1部
50B 第2部
50C 第3部
52A 前端縁

Claims (5)

  1. 被加熱物を収容した容器が載置される天板と、
    前記天板の下側に左右に並べて配置され、前記天板の左側に載置された容器を加熱するための左加熱コイル、および、前記天板の右側に載置された容器を加熱するための右加熱コイルと、
    前記左加熱コイルおよび前記右加熱コイルの下方の領域を、左領域および右領域に仕切る遮熱板と、
    前記遮熱板で仕切られた前記左領域に形成され、前面に開口を有する加熱庫と、
    前記加熱庫の左右側壁の下部にそれぞれ固設された左固定レールおよび右固定レールと、
    前記左固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される左可動レールと、
    前記右固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される右可動レールと、
    前記左可動レールおよび前記右可動レールの前端に支持され、前記左可動レールおよび前記右可動レールとともに前後移動することによって前記加熱庫の前面開口を開閉するドアと、
    前記ドアと一緒に前後移動する、被加熱物が載置される受皿と、
    前記加熱庫内において、前記受皿に載置された被加熱物を加熱するヒータと、を備え、キッチンにビルトインされるビルトイン型IH調理器であって、
    前記左固定レールおよび前記右固定レールの少なくとも一方の後方部分に固定された固定レール側固定金具と、
    前記固定レール側固定金具に形成され、所定レベル以上の振動が発生しないときには可動体を保持する一方で前記所定レベル以上の振動が発生したときには前記可動体が離脱する上部保持部、および、前記上部保持部に対して下側へ連続しており、前記所定レベル以上の振動が発生したときに前記上部保持部から離脱した可動体を下降させて保持する下部保持部、を有する可動体案内路と、
    前記左可動レールおよび前記右可動レールの少なくとも一方に固定された可動レール側固定金具と、
    前記可動レール側固定金具に形成され、前記可動体が前記上部保持部に保持された状態では前記可動体に当接しない一方で、前記所定レベル以上の振動が発生したときには、前記ドアおよび前記受皿の前方移動を阻止するべく、前記下部保持部に保持された前記可動体に後方から当接する後方当接部と、
    を有することを特徴とする、ビルトイン型IH調理器。
  2. 前記可動レール側固定金具は、前記可動レール側固定金具が固定される前記左可動レールおよび前記右可動レールの少なくとも一方の後方部分に固定されていることを特徴とする、請求項1記載のビルトイン型IH調理器。
  3. 前記可動レール側固定金具には、前記下部保持部に保持された前記可動体に前記後方当接部が後方から当接している状態で前記左可動レールおよび前記右可動レールを前記ドアおよび前記受皿とともに後方へ移動させたときに、前記可動体に前方から当接して前記可動体を前記上部保持部まで移動させる前方当接部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のビルトイン型IH調理器。
  4. 前記前方当接部は、前記所定レベル以上の振動が発生したとき、前記可動体が前記上部保持部から離脱して前記下部保持部へ移動できるように、前記可動体から前方へ離間することを特徴とする、請求項3記載のビルトイン型IH調理器。
  5. 被加熱物を収容した容器が載置される天板と、
    前記天板の下側に左右に並べて配置され、前記天板の左側に載置された容器を加熱するための左加熱コイル、および、前記天板の右側に載置された容器を加熱するための右加熱コイルと、
    前記左加熱コイルおよび前記右加熱コイルの下方の領域を、左領域および右領域に仕切る遮熱板と、
    前記遮熱板で仕切られた前記左領域に形成され、前面に開口を有する加熱庫と、
    前記加熱庫の左右側壁の下部にそれぞれ固設された左固定レールおよび右固定レールと、
    前記左固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される左可動レールと、
    前記右固定レールによって前後方向にスライド自在に支持される右可動レールと、
    前記左可動レールおよび前記右可動レールの前端に支持され、前記左可動レールおよび前記右可動レールとともに前後移動することによって前記加熱庫の前面開口を開閉するドアと、
    前記ドアと一緒に前後移動する、被加熱物が載置される受皿と、
    前記加熱庫内において、前記受皿に載置された被加熱物を加熱するヒータと、を備え、キッチンにビルトインされるビルトイン型IH調理器であって、
    前記左固定レールおよび前記右固定レールの少なくとも一方の後方部分に固定された固定レール側固定金具と、
    前記固定レール側固定金具に形成され、所定レベル以上の振動が発生しないときには可動体を保持する一方で前記所定レベル以上の振動が発生したときには前記可動体が離脱する下部保持部、および、前記下部保持部に対して上側へ連続しており、前記所定レベル以上の振動が発生したときに前記下部保持部から離脱した可動体を上昇せしめる上昇案内部、を有する可動体案内路と、
    前記左可動レールおよび前記右可動レールの少なくとも一方に固定された可動レール側固定金具と、
    前記可動レール側固定金具に形成され、前記可動体が前記下部保持部に保持された状態では前記可動体に当接しない一方で、前記所定レベル以上の振動が発生したときには、前記ドアおよび前記受皿の前方移動を阻止するべく、前記上昇案内部に位置する前記可動体に後方から当接する後方当接部と、
    を有することを特徴とする、ビルトイン型IH調理器。
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