JP2009148373A - 全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構 - Google Patents

全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は下糸を巻き付けたボビンから引き出すことなく、下糸巻から直接内釜の内部へ下糸を供給することが出来る全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構を提供する。
【解決手段】上部に針上下孔91を有する内釜9において、この針上下孔91より外釜8回転の前進側に孔94を穿つと共に、針上下位置6aより外釜8回転の後退側で針上下孔91の上方に前記壁92の上縁と概ね直交させて外釜8の回転に支障なく下糸供給パイプ11を配置し、この下糸供給パイプ11の終端11b寄りで前記内釜9の壁92の上方に切欠孔11cを形成して、前記下糸供給パイプ11の先端11aから下糸22を挿通して前記切欠孔11cら引き出し、前記内釜9に穿った孔94から内釜9の内部へと導入し、ボビンケース10に設けられた下糸導出部10aから内釜9の外部へ下糸22を引出して垂下させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、全回転式工業用ミシン釜に大量に巻き取られた糸巻から下糸を直接供給する機構に関する。
従来、全回転式工業用ミシンの下糸は、内釜へ着脱可能に装着されるボビンケース内に収納するボビンに巻き付け、ボビンケースに設けられた下糸導出部より引き出せるように構成されている。
従来の全回転式工業用ミシンの下糸はボビンに巻き付けてから使用されるため、ボビンに巻き付けて収納する下糸の長さは概ね35〜36m程と、このボビンを収納するボビンケースの内容積によって限定されてしまうことにより、長い縫製を行う場合は、途中で下糸の交換が必要になる。或いは、途中で下糸が足りなくなり空縫をするという欠点があると共に、長い縫製でなくとも、比較的頻繁に下糸を巻き付けたボビンの交換が必要であり、縫製作業の効率が悪いといった欠点があった。このようなミシンの下糸交換方法については、例えば次のような従来技術が知られている。特許文献1には、下糸ボビンを収容した交換用のボビンケースを複数保持するボビンケースマガジンを2個用意することで、ミシンを一時停止することなく時間的に余裕をもってボビンケースマガジンの交換作業を行うことができるボビン交換装置が提案されていた。
特許公開平08−280972号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑みて成されたもので、下糸をボビンに巻き付けることなく概ね10000mの長さの糸が巻き取られている糸巻から直接内釜の内部へ供給することが出来ると共に、従来通りにボビンケースに設けられている下糸導出部より内釜の外部へ引出して使用する事が可能であって、効率よく縫製作業を行うことが出来る全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構は、剣先を備え内釜の外周を回転可能な外釜と、上部に針上下孔を有しこの針上下孔の側面に壁を備える内釜において、この針上下孔より外釜回転の前進側に孔を穿つと共に、縫い針が昇降する針上下位置より外釜回転の後退側で針上下孔の上方に前記壁の上縁と概ね直交させて外釜の回転に支障なく下糸供給パイプを配置してミシンの機台に支持させ、この下糸供給パイプの終端寄りで前記内釜の壁の上方に切欠孔を形成して、前記下糸供給パイプの先端から下糸を挿通して前記切欠孔から引き出し、前記内釜に穿った孔から内釜の内部へと導入し、ボビンケースに設けられた下糸導出部から内釜の外部へ下糸を引出して垂下させることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、この全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構は、剣先を備え内釜の外周を回転可能な外釜と、上部に針上下孔を有しこの針上下孔の側面に壁を備える内釜において、この針上下孔より外釜回転の前進側に孔を穿つと共に、縫い針が昇降する針上下位置より外釜回転の後退側で針上下孔の上方に前記壁の上縁と概ね直交させて外釜の回転に支障なく下糸供給パイプを配置してミシンの機台に支持させ、この下糸供給パイプの終端寄りで前記内釜の壁の上方に切欠孔を形成したことにより、前記下糸供給パイプの先端から下糸を挿通して前記切欠孔から引き出し、前記内釜に穿った孔から内釜の内部へと導入し、ボビンケースに設けられた下糸導出部から内釜の外部へ下糸を引出して垂下させるので、この下糸供給パイプと内釜に穿った孔によってミシン釜の外部から下糸を導くことが可能となる。
請求項1に係る全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構の発明によれば、剣先を備え内釜の外周を回転可能な外釜と、上部に針上下孔を有しこの針上下孔の側面に壁を備える内釜において、この針上下孔より外釜回転の前進側に孔を穿つと共に、縫い針が昇降する針上下位置より外釜回転の後退側で針上下孔の上方に前記壁の上縁と概ね直交させて外釜の回転に支障なく下糸供給パイプを配置してミシンの機台に支持させ、この下糸供給パイプの終端寄りで前記内釜の壁の上方に切欠孔を形成したことにより、ミシンの外部から導いた下糸を前記下糸供給パイプの先端から挿通して前記切欠孔から引き出し、前記内釜に穿った孔から内釜の内部へと導入することが出来る。
これにより、前記内釜の壁の上方に形成した前記下糸供給パイプの切欠孔から引き出されて前記内釜の孔へ至る下糸は、縫い針が昇降する針上下位置より壁側となることから、縫製のスタート段階に於いて、縫い針が下降から反転して上昇するときに生ずる上糸のループを、前記下糸供給パイプの切欠孔から引き出されて前記内釜の孔へ至る下糸とは距離を隔てた側方で前記回転する外釜の剣先の爪が捕捉して掬うことが可能となり、下糸供給パイプから供給される下糸に上糸のループが絡むことなく拡張しながら内釜の周囲を縄跳びのようにすり抜けることが出来る。
又、この上糸のループが前記内釜の周囲を縄跳びのようにすり抜ける際に、内釜の表側をすり抜ける上糸のループは、前記ボビンケースに設けられた下糸導出部から内釜の外部へ下糸を引出して垂下させた下糸の糸端を掬い絡めることが出来る。
続いて上糸に付勢された張力により前記内釜の周囲を縄跳びのようにすり抜けて弛んだ上糸が引き上げられることで上糸のループが縮小しながら引き上げられる際も、前記針上下孔より外釜回転の前進側に孔を穿つと共に、縫い針が昇降する針上下位置より外釜回転の後退側で針上下孔の上方に前記壁の上縁と概ね直交させて外釜の回転に支障なく下糸供給パイプを配置してミシンの機台に支持させたことにより、前記下糸の糸端を掬い絡めて縮小しながら引き上げられる上糸のループは内釜の表裏面に沿うように移動することから下糸供給パイプの下方となる。
従って、この上糸のループは針上下孔の上方に壁と概ね直交させて配置した下糸供給パイプと内釜との間隙をすり抜けることが出来る。又、引き上げられながら縮小するこの上糸のループは、前記針上下孔より外釜回転の前進側に穿った孔から下糸を内釜の内部へ導いたことにより、前記下糸を内釜の内部へ導く孔の位置より後退側にある縫い針の上昇位置で上糸を引き上げることが出来るので、上糸のループが下糸供給パイプや下糸供給パイプから引き出されて内釜の孔へ至る下糸に絡むことを防止することが出来ると共に、上糸のループに掬い絡められた下糸の糸端のみをこの引き上げられる上糸のループによって吊り上げることが出来るので縫製を可能とすることが出来る。
前記下糸供給パイプや下糸供給パイプから引き出されて内釜の孔へ至る下糸に上糸のループが不要に絡むことなく縫製することが可能となったことにより、この下糸供給パイプによってミシン釜の外部から下糸を導くことが可能となり、この全回転式工業用ミシンを使用して縫製を行う際は、従来のようなボビンに巻き付けることで長さに限りがある下糸を使用することなく、概ね10000mの長さの糸が巻き取られている下糸巻から直接内釜の内部へ供給することが出来る。
これにより、長い縫製を行う場合は、途中で下糸の交換が必要になる。或いは途中で下糸が足りなくなり空縫をするという欠点も解消することが出来ると共に、長い縫製でなくとも、頻繁に下糸の交換を行う必要もなく、煩雑な作業を軽減し、使い易さを向上させることが出来るので、効率よく縫製作業を行うことが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図11により以下に説明する。本発明を実施するための全回転式工業用ミシンにおける実施例において、第1の実施例は外釜の上方で内釜の裏側から表側へと横断するように下糸供給パイプを配置した構成であり、第2の実施例は内釜と外釜の間隙で針上下孔の上方から内釜の表側へ向けて突き出すように下糸供給パイプを配置した構成である。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明する以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。また、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1の実施例において、図1は全回転式工業用ミシンを示す正面図であり、図2は、ミシン釜と下糸供給パイプの構成を示す分解斜視図である。図3は、縫い針が下降から反転して上昇に向かって出来た上糸のループを剣先が捕捉した状態のミシン釜を示す平面図であり、図4は、外釜がほぼ半回転した状態を示す平面図である。図5は、外釜が概ね4分の3回転した状態を示す平面図であり、図6は、外釜がほぼ1回転した平面図である。
図1において、この全回転式工業用ミシン1はフレーム2に固定された機台3に取付けられたミシン本体4と、このミシン本体4に設けられて上下に昇降する針棒5に装着された縫い針6の概ね下方に位置するようにミシン釜7が配置され、前記フレーム2に支持された図示しない駆動装置によって回転駆動を可能に構成されている。前記駆動装置の回転駆動力が伝達された図示しない釜軸に固定された前記ミシン釜7には、図示しない外釜や内釜などの要部が収納されている。また、この全回転式工業用ミシン1の外部に配置された上糸巻21と下糸巻23からそれぞれ上糸20と下糸22が繰り出されて供給される。
続いて図2の分解斜視図により、ミシン釜7と下糸供給パイプ11の構成について説明する。図2に示すこのミシン釜7は、ボビンケース10を着脱可能に収納し、その上部には縫い針6が昇降する針上下孔91を有し図示しない回転止め棒が針上下孔91を隔てる内釜9の表側9aの壁92と遊嵌することで回転しない内釜9と、前記内釜9の外周を回転しながら縫い針6の昇降によって出来る上糸20の図示しないループを捕捉して掬う上下の爪81a,81bが設けられた剣先81を備えた外釜8とで構成されている。
前記内釜9の外周上部にはこの針上下孔91より外釜8回転の前進側に孔94を穿つと共に、縫い針6が昇降する針上下位置6aより外釜8回転の後退側で、且つ針上下孔91の上方で前記外釜8の上方に前記壁92の上縁と概ね直交させて内釜9の裏側9bから表側9aへ向けた下糸供給パイプ11を配置すると共に、この下糸供給パイプ11の終端11bは前記壁92の上縁から概ね3mmほど内釜9の表側9aへ突き出すようにパイプ支持片13によって図示しないミシンの機台で外釜8の回転に支障なく支持させている。
更に、この下糸供給パイプ11の終端11b寄りには前記内釜9の壁92の上方に挿通した下糸22を引き出す切欠孔11cを形成している。これにより、図示しないミシン本体の外部から供給された下糸22は、下糸供給パイプ11の先端11aから挿通して終端11b寄りに形成された切欠孔11cから引き出し、内釜9に穿った孔94から導入してボビンケース10に設けられた下糸導出部10aから内釜9の外部へ下糸22の糸端22aを引出して垂下させることが出来る。
本実施例において、この下糸供給パイプ11は銅を素材とした直径が1.6mmの薄肉金属パイプを用いているが、一般的な全回転式工業用ミシン1においては、機台3に設けられた図示しない縫い台と前記外釜8との隙間が3mm程でしかなく、概ね直径が2.5mm未満のパイプを用いることが出来る。また、前記縫い台に配置された図示しない縫製布の送り歯の下面を幾らか削除することにより削除分だけパイプの直径を太くして下糸22の挿通を容易にすることも可能である。また、パイプ素材においては、例えばステンレス スチールを用いてパイプ磨耗を改善する。或いは硬度が高く剛性に優れた熱硬化性プラスチックを用いて下糸供給パイプ11の先端11aを漏斗状に広げた形状として、パイプ磨耗の改善と併せて下糸挿通作業を容易にすることも出来る。
次に図3のミシン釜7の平面図により、縫い針6が下降から反転して上昇に向かって出来た上糸20のループ20cを剣先81の下方となる下爪81bが捕捉して掬った状態について説明する。図3において縫い針6は外釜8の剣先81の上方にまで上昇しており、上昇位置にある縫い針6から垂下した上糸20は剣先81の下爪81bの下方を潜り下爪81bの縁で折り返して下爪81bの上方を跨ぎ図示しない上方の縫製布へと引き出されている。このとき前記下爪81bの下方となる上糸20を下方上糸20b、下爪81bの上方となる上糸20を上方上糸20aとすると、上糸20のループ20cを捕捉して掬った剣先81は、外釜8の回転に伴って前進すると共に、掬われた上糸20は下方に向く下爪81bと上爪81aとの間に挟まりながら、前記下方上糸20bは内釜9の裏側9bへ、前記上方上糸20aは内釜9の表側9aへと押し広げられながら前進する。
この図3において、針上下孔91より外釜8回転の前進側に孔94を穿つと共に、縫い針6が昇降する針上下位置6aより外釜8回転の後退側で針上下孔91の上方に前記壁92の上縁と概ね直交させて下糸供給パイプ11を外釜8の回転に支障なく配置し、この下糸供給パイプ11の終端11b寄りで前記内釜9の壁92の上方に切欠孔11cを形成したことにより、前記下糸供給パイプ11の先端11aから下糸22を挿通して前記切欠孔11cから引き出し、前記内釜9に穿った孔94から内釜9の内部へと導入することが出来る。
これにより前記内釜9の壁92の上方に形成した前記下糸供給パイプ11の切欠孔11cから引き出されて前記内釜9の孔94へ至る下糸22は、縫い針6が昇降する針上下位置6aより壁92側となることから、縫製のスタート段階に於いて、縫い針6が下降から反転して上昇するときに生ずる上糸20のループ20cを、前記下糸供給パイプ11の切欠孔11cから引き出されて前記内釜9の孔94へ至る下糸22とは距離を隔てた側方で前記回転する外釜8の下爪81bが捕捉して掬うことが可能となり、下糸供給パイプ11や下糸供給パイプ11から供給される下糸22に上糸20のループ20cが絡むことなく拡張しながら内釜9の周囲を縄跳びのようにすり抜けることが出来る。
続いて、図4は外釜8がほぼ半回転した状態を示す平面図である。前述の如く、図示しない剣先の前進に伴って内釜9の表側9aと裏側9bへと押し広げられた前記上方上糸20aと下方上糸20bにより、略U字形に内釜9を抱く上糸20のループ20cが形成され、内釜9を縄跳び状に抱いて進む。図示しない剣先が概ね内釜9の下方まで進むと上方上糸20aは内釜9の縁から外れて表側9aへと押出されることにより内釜9の底辺から離れてボビンケース10に設けられた図示しない下糸導出部から垂下している前記下糸22の糸端22aを内釜9の表側9aから抱く形のループ20cとなり、内釜9の表側9aを横切り前記下糸導出部から垂下している前記下糸22の糸端22aを抱き、これに続いて停止状態で内釜9の裏側9bから回って来る下方上糸20bを内釜9の山93の近傍で待機する状態となる。また、この時点で縫い針6の高さはミシン釜7の上方で概ね15mm程度にあり、前記内釜9を抱く上糸20のループ20cは図示しない下爪が上糸20を掬った点から回転角が概ね180度進んだ位置にある。
図5は外釜8が更に回転した状態を示す平面図で、外釜8の回転角が概ね270度に至ると、前記略U字形に内釜9を抱く上糸20は上方に向いた図示しない剣先から離脱し、内釜9の裏側9bから進んだ下方上糸20bは、上糸20に付勢された張力により弛んだ上糸20を引き上げながら前記上方上糸20aが抱いて待機している下糸22の糸端22aへと向けて進み、上方上糸20aと下方上糸20bが相まって図示しない下糸導出部から垂下していた下糸22の糸端22aを掬い絡める。このとき、内釜9の表側9aから進んだ上方上糸20aと裏側9bを進んだ下方上糸20bは、内釜の表裏面に沿うように移動することから下糸供給パイプ11の下方となる。これにより上糸20に付勢された張力により前記内釜9の外周に沿うように下糸供給パイプ11と内釜9との間隙をすり抜けながら上糸20のループ20cを縮小しつつある。
図6は、外釜8がほぼ1回転した状態を示す平面図である。縫い針6は更に上昇して図示しない縫製布の上面へ抜け、ミシン釜7からの高さは概ね20mm程度にある。上糸20に付勢された張力により上糸20のループ20cは更に縮小しながら前記下糸供給パイプ11と内釜9との間隙をすり抜けるので、下糸供給パイプ11や下糸供給パイプ11に形成した切欠孔11cから引き出され内釜9に穿った孔94へと至る下糸22に絡むことはなく、前記掬い絡めた下糸22の糸端22aを縫製布の下面へと吊り上げると縫製布の表裏面がひと針縫われた事となる。このひと針分の長さが図示しない下糸巻から供給される。続いて、縫製布がひと針分だけ前進し、縫い針6が下降する。続いて縫い針6は反転して上昇に転じて上糸20のループ20cが形成され、前述の図3の如く、剣先81がこのループ20cを捕捉して掬う。これらの動作が繰り返されることにより縫製作業は継続される。
第2の実施例は内釜と外釜の間隙で針上下孔の上方から内釜の表側へ向けて突き出すように下糸供給パイプを配置した構成である。本実施例において、図7は、ミシン釜と下糸供給パイプの構成を示す分解斜視図である。図8は、縫い針が下降から反転して上昇に向かって出来た上糸のループを剣先が捕捉した状態のミシン釜を示す平面図であり、図9は、外釜がほぼ半回転した状態を示す平面図である。図10は、外釜が概ね4分の3回転した状態を示す平面図であり、図11は、外釜がほぼ1回転した平面図である。
図7の分解斜視図により、ミシン釜7と下糸供給パイプ12の構成について説明する。図7に示すこのミシン釜7は、ボビンケース10を着脱可能に収納し、その上部には縫い針6が昇降する針上下孔91を有し図示しない回転止め棒が針上下孔91を隔てる内釜9の表側9aの壁92と遊嵌することで回転しない内釜9と、前記内釜9の外周を回転しながら縫い針6の昇降によって出来る上糸20の図示しないループを捕捉して掬う上下の爪81a,81bが設けられた剣先81を備えた外釜8とで構成されている。
前記内釜9の外周上部にはこの針上下孔91より外釜8回転の前進側に孔94を穿つと共に、前記外釜8と内釜9の間隙で内釜9の表側9aから前記針上下位置6aより外釜8回転の後退側の針上下孔91の上方へ向けて前記壁92の上縁と概ね直交させて下糸供給パイプ12を配置すると共に、この下糸供給パイプ12の先端12aは前記壁92の上縁から概ね7mmほど内釜9の表側9aへ突き出すようにパイプ支持片13によって図示しないミシンの機台で外釜8の回転に支障なく支持させている。
更に、この下糸供給パイプ12の終端12b寄りには前記内釜9の壁92の上方に挿通した下糸22を引き出す切欠孔12cを形成している。これにより、図示しないミシン本体の外部から供給された下糸22は、下糸供給パイプ12の先端12aから挿通して終端12b寄りに形成された切欠孔12cから引き出し、内釜9に穿った孔94から導入してボビンケース10に設けられた下糸導出部10aから内釜9の外部へ下糸22の糸端22aを引出して垂下させることが出来る。
次に図8のミシン釜7の平面図により、縫い針6が下降から反転して上昇に向かって出来た上糸20のループ20cを剣先81の下方となる下爪81bが捕捉して掬った状態について説明する。図8において縫い針6は外釜8の剣先81の上方にまで上昇しており、上昇位置にある縫い針6から垂下した上糸20は剣先81の下爪81bの下方を潜り下爪81bの縁で折り返して下爪81bの上方を跨ぎ図示しない上方の縫製布へと引き出されている。このとき前記下爪81bの下方となる上糸20を下方上糸20b、下爪81bの上方となる上糸20を上方上糸20aとすると、上糸20のループ20cを捕捉して掬った剣先81は、外釜8の回転に伴って前進すると共に、掬われた上糸20は下方に向く下爪81bと上爪81aとの間に挟まりながら、前記下方上糸20bは内釜9の裏側9bへ、前記上方上糸20aは内釜9の表側9aへと押し広げられながら前進する。
この図8において、針上下孔91より外釜8回転の前進側に孔94を穿つと共に、縫い針6が昇降する針上下位置6aより外釜8回転の後退側で針上下孔91の上方に前記壁92の上縁と概ね直交させて下糸供給パイプ12を外釜8の回転に支障なく配置し、この下糸供給パイプ12の終端12b寄りで前記内釜9の壁92の上方に切欠孔12cを形成したことにより、前記下糸供給パイプ12の先端12aから下糸22を挿通して前記切欠孔12cから引き出し、前記内釜9に穿った孔94から内釜9の内部へと導入することが出来る。
これにより前記内釜9の壁92の上方に形成した前記下糸供給パイプ12の切欠孔12cから引き出されて前記内釜9の孔94へ至る下糸22は、縫い針6が昇降する針上下位置6aより壁92側となる。これにより、縫製のスタート段階に於いて、縫い針6が下降から反転して上昇するときに生ずる上糸20のループ20cを、前記下糸供給パイプ12の切欠孔12cから引き出されて前記内釜9の孔94へ至る下糸22とは距離を隔てた側方で前記回転する外釜8の下爪81bが掬うことが可能となり、下糸供給パイプ12や下糸供給パイプ12から供給される下糸22に上糸20のループ20cが絡むことなく拡張しながら内釜9の周囲を縄跳びのようにすり抜けることが出来る。
続いて、図9は外釜8がほぼ半回転した状態を示す平面図である。前述の如く、図示しない剣先の前進に伴って内釜9の表側9aと裏側9bへと押し広げられた前記上方上糸20aと下方上糸20bにより、略U字形に内釜9を抱く上糸20のループ20cが形成され、内釜9を縄跳び状に抱いて進む。図示しない剣先が概ね内釜9の下方まで進むと上方上糸20aは内釜9の縁から外れて表側9aへと押出されることにより内釜9の底辺から離れてボビンケース10に設けられた図示しない下糸導出部から垂下している前記下糸22の糸端22aを内釜9の表側9aから抱く形のループ20cとなり、内釜9の表側9aを横切り前記下糸導出部から垂下している前記下糸22の糸端22aを抱き、これに続いて停止状態で内釜9の裏側9bから回って来る下方上糸20bを内釜9の山93の近傍で待機する状態となる。また、この時点で縫い針6の高さはミシン釜7の上方で概ね15mm程度にあり、前記内釜9を抱く上糸20のループ20cは図示しない下爪が上糸20を掬った点から回転角が概ね180度進んだ位置にある。
図10は外釜8が更に回転した状態を示す平面図で、外釜8の回転角が概ね270度に至ると、前記略U字形に内釜9を抱く上糸20は上方に向いた図示しない剣先から離脱し、内釜9の裏側9bから進んだ下方上糸20bは、上糸20に付勢された張力により弛んだ上糸20を引き上げながら前記上方上糸20aが抱いて待機している下糸22の糸端22aへと向けて進み、上方上糸20aと下方上糸20bが相まって図示しない下糸導出部から垂下していた下糸22の糸端22aを掬い絡める。このとき、内釜9の表側9aから進んだ上方上糸20aと裏側9bを進んだ下方上糸20bは、内釜9の表裏面に沿うように移動することから下糸供給パイプ12の下方となる。これにより上糸20に付勢された張力により前記内釜9の外周に沿うように下糸供給パイプ12と内釜9との間隙をすり抜けながら上糸20のループ20cを縮小しつつある。
図11は、外釜8がほぼ1回転した状態を示す平面図である。縫い針6は更に上昇して図示しない縫製布の上面へ抜け、ミシン釜7からの高さは概ね20mm程度にある。上糸20に付勢された張力により上糸20のループ20cは更に縮小しながら前記下糸供給パイプ12と内釜9との間隙をすり抜けるので、下糸供給パイプ12や下糸供給パイプ12の切欠孔12cから引き出され内釜9に穿った孔94へと至る下糸22に絡むことはなく、前記掬い絡めた下糸22の糸端22aを縫製布の下面へと吊り上げると縫製布の表裏面がひと針縫われた事となる。このひと針分の長さが図示しない下糸巻から供給される。続いて、縫製布がひと針分だけ前進し、縫い針6が下降する。続いて縫い針6は反転して上昇に転じて上糸20のループ20cが形成され、前述の図3の如く、剣先81がこのループ20cを捕捉して掬う。これらの動作が繰り返されることにより縫製作業は継続される。
以上のように、この全回転式工業用ミシン釜1の下糸供給機構は、前記供給された下糸22に上糸20のループ20cが不要に絡むことなく縫製することが可能となったことにより、この下糸供給パイプ11によってミシン釜7の外部から下糸22を導くことが可能となり、従来のようなボビンに巻き付けることで長さに限りがある下糸22を使用することなく、概ね10000mの長さの糸が巻き取られている下糸巻23から直接内釜9の内部へ供給することが出来ることにより、従来のように下糸22がボビンに巻きつけられる長さに限定されることなく供給することが出来る。これにより、長い縫製を行う場合は、途中で下糸22の交換が必要になる、或いは途中で下糸22が足りなくなり空縫をするという欠点も解消することが出来ると共に、長い縫製でなくとも、頻繁に下糸22の交換をする必要もなく、煩雑な作業を軽減し、使い易さを向上させることが出来るので、効率よく縫製作業を行うことが出来る。
以上、本実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、下糸供給パイプ11,12の先端11a,12aは、漏斗状に広げて下糸の挿通を容易にするなどでもよく、下糸供給パイプ11は使い易さを配慮して変更するなど前記実施例に限定されるものではなく、適宜選定すればよい。
本発明の第1の実施例に係る全回転式工業用ミシンを示す正面図である。 同上、ミシン釜と下糸供給パイプの構成を示す分解斜視図である。 同上、縫い針が下降から反転して上昇に向かって出来た上糸のループを剣先が捕捉した状態のミシン釜を示す平面図である。 同上、外釜がほぼ半回転した状態を示す平面図である。 同上、外釜が概ね4分の3回転した状態を示す平面図である。 同上、外釜がほぼ1回転した状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施例に係るミシン釜と下糸供給パイプの構成を示す分解斜視図である。 同上、縫い針が下降から反転して上昇に向かって出来た上糸のループを剣先が捕捉した状態のミシン釜を示す平面図である。 同上、外釜がほぼ半回転した状態を示す平面図である。 同上、外釜が概ね4分の3回転した状態を示す平面図である。 同上、外釜がほぼ1回転した状態を示す平面図である。
符号の説明
6 縫い針
6a 針上下位置
7 ミシン釜
8 外釜
81 剣先
81a 上爪
81b 下爪
9 内釜
9a 表側
91 針上下孔
92 壁
94 孔
10 ボビンケース
10a 下糸導出部
11 下糸供給パイプ
11a 先端
11b 終端
11c 切欠孔
13 パイプ支持片
20 上糸
22 下糸
22a 糸端

Claims (1)

  1. 剣先を備え内釜の外周を回転可能な外釜と、上部に針上下孔を有しこの針上下孔の側面に壁を備える内釜において、この針上下孔より外釜回転の前進側に孔を穿つと共に、縫い針が昇降する針上下位置より外釜回転の後退側で針上下孔の上方に前記壁の上縁と概ね直交させて外釜の回転に支障なく下糸供給パイプを配置してミシンの機台に支持させ、この下糸供給パイプの終端寄りで前記内釜の壁の上方に切欠孔を形成して、前記下糸供給パイプの先端から下糸を挿通して前記切欠孔から引き出し、前記内釜に穿った孔から内釜の内部へと導入し、ボビンケースに設けられた下糸導出部から内釜の外部へ下糸を引出して垂下させることを特徴とする全回転式工業用ミシン釜の下糸供給機構。
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