しかしながら、有機ELディスプレイは液晶ディスプレイに比較すると製造コストが高く、特に、表示画面が大きく、カラータイプの有機ELディスプレイはかなり割高のため、携帯電話機に用いられているディスプレイをカラー有機ELディスプレイによって構成しようとすると携帯電話機の製造コストが高くなるという問題がある。
特に、上記特許文献1に開示された技術によれば、メインディスプレイ(第1の表示器)以外に折り畳み構造の閉じた状態でも外部から見えるサブディスプレイ(第2の表示器)を備える携帯電話機では、表示器が1つ増える分コストアップとなる。このため、第2の表示器の表示画面の大きさを十分に確保するのが難しいという問題点がある。
また、カラー有機ELディスプレイの代わりにモノクロの有機ELディスプレイにすることでコストダウンを図ることも可能ではあるが、モノクロ表示にすると視認性が低下してしまうという問題点がある。
したがって、携帯電話機の製造コストを抑えることができるように、サブディスプレイがカラー有機EL素子を用いた表示画面の小さいものであっても、モノクロ有機EL素子を用いた視認性の低いものであっても、ユーザが所望する情報を視認性に優れた形態で提示することができる方法の実現が望まれている。
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、サブディスプレイの周辺に発光素子を補助的に設けるようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、サブディスプレイの周辺に発光素子を補助的に設け、ユーザが所望する情報に応じて発光素子を点灯するようにした携帯端末装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、音声や電子メールの受信通知機能以外の複数の機能を実行可能な携帯端末装置であって、前記各機能を実行する実行手段(例えば下記実施例では、制御回路36に相当する)と、前記実行手段により実行中の機能の中から所望の機能を選択する選択手段(例えば下記実施例では、入力部44に相当する)と、前記選択手段により選択された機能によって報知される情報に基づいて発光する発光手段(例えば下記実施例では、発光部50に相当する)と、を備え、前記発光手段は、複数の報知情報の内容に応じてそれぞれ異なる態様で発光することを特徴とする。
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる携帯端末装置において、前記実行手段により実行中の機能を表すアイコンを複数表示可能な第1の表示手段(例えば下記実施例では、メインディスプレイ42に相当する)と、前記選択手段により選択された機能を表すアイコンを表示可能な第2の表示手段(例えば下記実施例では、サブディスプレイ48に相当する)と、を備えることを特徴する。
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は、第1の筐体(例えば下記実施例では、操作側筐体101に相当する)と第2の筐体(例えば下記実施例では、表示側筐体102に相当する)とを可動連結部(例えば下記実施例では、ヒンジ機構103に相当する)で連結し、前記2つの筐体の相対位置を閉じた状態から開いた状態へあるいは開いた状態から閉じた状態へと開閉可能であり、前記第1の表示手段は、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が開いた状態で露出するように設けられ、前記第2の表示手段と発光手段は、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が閉じた状態で露出するように設けられていることを特徴とする。
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項にかかる携帯端末装置において、前記実行手段により実行中の機能に関連する情報を受信する受信手段(例えば下記実施例では、通信部12、ベースバンド部14、およびアンテナ16に相当する)を、備え、前記発光手段は、前記受信手段により受信した情報に応じてそれぞれ異なる態様で発光することを特徴とする。
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項にかかる携帯端末装置において、前記発光手段は、複数の報知内容の種類に応じて各種カラーで発光することを特徴とする。
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項にかかる携帯端末装置において、前記発光手段は、複数の報知内容の種類に応じて各種点灯点滅パターンで発光することを特徴とする。
また、本願の請求項7にかかる発明は、第1の筐体と第2の筐体と(例えば下記実施例では、操作側筐体101と表示側筐体102に相当する)を可動連結部(例えば下記実施例では、ヒンジ機構103に相当する)で連結し、前記2つの筐体の相対位置を閉じた状態から開いた状態へあるいは開いた状態から閉じた状態へと開閉可能であり、音声や電子メールの受信通知機能以外の複数の機能を実行可能な携帯端末装置であって、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が開いた状態で露出するように設けられた第1の表示手段(例えば下記実施例では、メインディスプレイ42に相当する)と、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が閉じた状態で露出するように設けられた第2の表示手段(例えば下記実施例では、サブディスプレイ48に相当する)と、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が閉じた状態で露出するように設けられた発光手段(例えば下記実施例では、発光部50に相当する)と、前記各機能を実行する実行手段(例えば下記実施例では、制御回路36に相当する)と、前記実行手段により実行中の機能の中から所望の機能を選択する選択手段(例えば下記実施例では、入力部44に相当する)と、前記実行手段により実行中の機能に関連する情報を受信する受信手段(例えば下記実施例では、通信部12、ベースバンド部14、およびアンテナ16に相当する)と、前記2つの筐体の開閉状態を検知する開閉検知手段(例えば下記実施例では、開閉検知部52に相当する)と、を備え、前記選択手段により選択された機能に関連する情報を受信した際に、前記開閉検知手段によって前記2つの筐体が閉じた状態にあると判断された場合には前記発光手段は前記情報の内容に応じてそれぞれ異なる態様で発光し、前記2つの筐体が開いた状態にあると判断された場合には前記第1の表示手段は前記情報の内容を表示し、前記選択手段により選択されない機能に関連する情報を受信した際に、前記開閉検知手段によって前記2つの筐体が閉じた状態にあると判断された場合には前記第2の表示手段は前記情報の内容を表示し、前記2つの筐体が開いた状態にあると判断された場合には前記第1の表示手段は前記情報の内容を表示することを特徴とする。
請求項1にかかる発明においては、携帯端末装置は、音声や電子メールの受信通知機能以外の複数の機能を実行可能な携帯端末装置であって、前記各機能を実行する実行手段と、前記実行手段により実行中の機能の中から所望の機能を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された機能によって報知される情報に基づいて発光する発光手段と、を備え、前記発光手段は、複数の報知情報の内容に応じてそれぞれ異なる態様で発光する。
このような構成によれば、ユーザが所望する機能によって報知される情報に基づいて発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。
また、請求項2にかかる発明のおいては、請求項1にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は、前記実行手段により実行中の機能を表すアイコンを複数表示可能な第1の表示手段と、前記選択手段により選択された機能を表すアイコンを表示可能な第2の表示手段と、を備える。
このような構成によれば、ユーザが所望する機能によって報知される情報に基づいて発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。また、ユーザが選択した機能の認識も容易となるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
また、請求項3にかかる発明のおいては、請求項2にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は、第1の筐体と第2の筐体とを可動連結部で連結し、前記2つの筐体の相対位置を閉じた状態から開いた状態へあるいは開いた状態から閉じた状態へと開閉可能であり、前記第1の表示手段は、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が開いた状態で露出するように設けられ、前記第2の表示手段と発光手段は、前記2つの筐体の少なくとも一方に前記2つの筐体が閉じた状態で露出するように設けられている。
このような構成によれば、発光手段は携帯端末装置を構成する2つの筐体が閉じた状態でも視認可能なように設けられているのでユーザが所望する機能によって報知される情報に基づいて発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。
また、第2の表示手段も携帯端末装置を構成する2つの筐体が閉じた状態でも視認可能なように設けられているのでユーザが選択した機能の認識も容易となるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
また、請求項4にかかる発明のおいては、請求項1ないし請求項3の何れか1項にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は、前記実行手段により実行中の機能に関連する情報を受信する受信手段を、備え、前記発光手段は、前記受信手段により受信した情報に応じてそれぞれ異なる態様で発光する。
このような構成によれば、ユーザが所望する機能によって受信される情報に基づいて発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。
また、請求項5にかかる発明のおいては、請求項1ないし請求項4の何れか1項にかかる携帯端末装置において、前記発光手段は、複数の報知内容の種類に応じて各種カラーで発光する。
このような構成によれば、ユーザが所望する機能によって報知される情報の種類に応じて各種カラーで発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。
また、請求項6にかかる発明のおいては、請求項1ないし請求項4の何れか1項にかかる携帯端末装置において、前記発光手段は、複数の報知内容の種類に応じて各種点灯点滅パターンで発光する。
このような構成によれば、ユーザが所望する機能によって報知される情報の種類に応じて各種点灯点滅パターンで発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。
また、請求項7にかかる発明においては、携帯端末装置は、選択された機能に関連する情報を受信した際に、2つの筐体が閉じた状態にあると判断された場合には発光手段は前記情報の内容に応じてそれぞれ異なる態様で発光し、2つの筐体が開いた状態にあると判断された場合には第1の表示手段は前記情報の内容を表示し、一方、選択されない機能に関連する情報を受信した際に、2つの筐体が閉じた状態にあると判断された場合には第2の表示手段は前記情報の内容を表示し、2つの筐体が開いた状態にあると判断された場合には第1の表示手段は前記情報の内容を表示する。
このような構成によれば、2つの筐体が閉じた状態でもユーザが所望する機能によって報知される情報に基づいて発光する発光手段は視認可能であり、ユーザは所望する情報を容易に把握することができるため、視認性に優れた表示を提供することが可能である。
図1は、本発明の実施例にかかる携帯電話機の概観を示す図である。図1(a)は待ち受け時に閉じた状態で使用される携帯電話機の概観を示し、図1(b)は通話時あるいは設定操作時に開いた状態で使用される携帯電話機の概観を示している。
図1に示すように、携帯電話機10は、マイクロホン30が配備された操作側筐体101の上端部と第1のスピーカ26が配備された表示側筐体102の下端部とがヒンジ機構103を介して互いに開閉可能に連結されており、閉じた状態で互いに対向することとなる操作側筐体101の表面と表示側筐体102の表面にはそれぞれ、入力部44とメインディスプレイ42が配設されている。
また、閉じた状態において外部に露出する表示側筐体102の背面には、サブディスプレイ48と複数の発光部50(本実施形態では3個のLED素子となる)が設けられており、操作側筐体101の上端部には、アンテナ16が突設されている。操作側筐体101と表示側筐体102の連結部には、表示側筐体102の開閉状態を検知する開閉検知部52が取り付けられている。
このように、上記実施例の携帯電話機10では、複数の発光部50が閉じた状態において外部に露出する表示側筐体102の背面に設けられており、待ち受け時に閉じた状態で使用される場合にも、発光を視認することができる。
図2は、本発明の実施例にかかる携帯電話機の構成を示すブロック図である。携帯電話機10は、通信部12、ベースバンド部14、アンテナ16、切替回路22、増幅回路24、28、32、第1スピーカ26、マイクロホン30、第2スピーカ34、制御回路36、ROM38、RAM40、メインディスプレイ42、入力部44、照明部46、サブディスプレイ48、発光部50、開閉検知部52などを備えて構成されている。
なお、制御回路36は本発明の実行手段に相当し、入力部44は本発明の選択手段に相当し、発光部50は本発明の発光手段に相当し、メインディスプレイ42は本発明の第1の表示手段に相当し、サブディスプレイ48は本発明の第2の表示手段に相当し、通信部12、ベースバンド部14、およびアンテナ16は本発明の受信手段に相当する。
また、本実施例は、携帯端末装置として携帯電話機を示すものであるが、これに限定されず、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯音楽プレーヤや携帯ゲーム機などの携帯型の端末装置であってもよい。
図2に示すように、携帯電話機10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号を、アンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
通信部12には、ベースバンド部14が接続されている。このベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により入力された電気信号は増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信メロディ等の着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22には、制御回路36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。
制御回路36は、マイクロプロセッサを主たる構成要素とし、ROM38とRAM40が接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。プログラム実行中に一時的に保持する必要の生じたデータはRAM40に保存される。
また、制御回路36は、RAM40に記憶されている各種アプリケーション(機能プログラム)を起動させて各種機能を実行する。ここで、実行される機能とは、例えば、ネットワーク上をパケット通信によって自動配信される天気情報や株価情報などを受信し、その情報をメインディスプレイ42などに表示させる天気情報受信機能である。
なお、実行される各種アプリケーション(機能プログラム)は、携帯電話機10の電源をオンにした際やタイマ起動設定により所定時刻になった際に自動的に起動されてもよいし、入力部44からの操作設定によってユーザが所望する機能を選択的に起動させてもよい。
また、RAM40には、起動される各種アプリケーション、アドレス帳や受信メールなどを記憶するだけではなく、配信されたコンテンツデータを記憶している。ここで、コンテンツデータとは、天気情報データ、株価情報データなどを含み、コンテンツデータは、所定のサーバからネットワークを介して自動配信され、配信されたコンテンツデータに対応するアプリケーション(機能プログラム)が実行されていると制御回路36の指示により通信部12を介して受信され、RAM40に記憶される。
また、RAM40には、メインディスプレイ42やサブディスプレイ48に表示されるアイコンデータを記憶するアイコンテーブルが設けられている。ここで、アイコンデータは、電池残量情報、天気情報受信中などを含み、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種機能(アプリケーション)、あるいは受信したコンテンツデータの内容を表している。
図3は、RAM40に記憶されているアイコンテーブルの一例を示している。図3の示すように、アイコンテーブルには、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種機能、あるいは受信したコンテンツデータの内容に対してアイコンの画像データが記憶されている。
具体的には、各種状態を示す情報301として「電池残量」や「メール着信」を示すアイコン、各種機能の実行中を示す情報302として「天気情報」や「株価情報」などの受信中(機能実行中)を示すアイコン、あるいは受信したコンテンツデータの一例である天気情報データの内容を示す情報303として「晴れ」や「曇り」や「雪」を示すアイコンなどが関連付けられて記憶されている。
制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号、文字などの入力、および各種設定の操作に用いるテンキーと、通話の開始を操作する通話キーと、通話の終了を操作する通話終了キーと、決定キーと、クリアキーと、上下左右移動キー、およびその他の操作キーを有している。ここで、テンキーには、0〜9の各数字入力ボタンと、♯ボタンと、*ボタン(本実施形態では12個のボタンとなる)とが含まれる。
また、全てのテンキーの表面と、テンキー周辺の筐体表面には、ユーザが接触したことを検知する接触検知センサが設けられている。この接触検知センサは、従来から知られているものであり、例えば、透明電極等が用いられている。携帯電話の筐体とキートップに配置されたこの接触検知センサは、制御回路36と電気的に接続されている。この為、ユーザが接触検知センサに触れたことを示す信号は制御回路36へ入力される。
尚、本実施例装置では、接触検知センサを筐体表面に配置しているが、筐体の裏面側やテンキーの裏面側のように筐体内部に配置しても良い。例えば、静電容量検知型の接触検知センサであれば、筐体内部に配置することが可能である。また、テンキーの裏面側一帯に接触検知センサを配置すると、キートップ上に接触検知センサを配置する構成に比べて配線が格段に簡易化される。
また、制御回路36には、メインディスプレイ42と照明部46が接続されている。メインディスプレイ42は例えばカラー液晶パネルまたはカラー有機ELパネルからなり、制御回路36の制御により、待ち受け画面、着信メッセージ、電話番号、メールその他の視覚情報を表示する。また、照明部46は例えばLED素子からなる。
そして、本実施例のメインディスプレイ42は、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種アプリケーションを表すアイコンを表示する。例えば、図1(b)に示すように、メインディスプレイ42の表示画面下部にはアイコン表示領域が設けられ、通知された状態順および起動された機能順に左から配列された「電池残量」「メール着信」「天気情報」「株価情報」に関するアイコン421が表示される。
また、制御回路36には、サブディスプレイ48と発光部50が接続されている。このサブディスプレイ48は例えばカラー有機ELパネルまたはモノクロ有機ELパネルからなり、制御回路36の制御により、待ち受け画面、着信メッセージ、時刻情報その他の視覚情報を表示する。また、発光部50は例えば、発光色の異なる複数のLED素子(本実施形態では3個のLED素子)からなる。
また、制御回路36には、開閉検知部52が接続されている。この開閉検知部52は、ユーザの操作によってヒンジ機構103の状態(操作側筐体101と表示側筐体102との相対位置)が変化して携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になったことを検知すると、開状態検知信号を制御回路36に供給する。制御回路36は、開閉検知部58からの開状態検知信号に基づいて通信部12を介して受信したコンテンツデータの内容をメインディスプレイ42、サブディスプレイ48、あるいは発光部50から出力させる。
すなわち、本実施例のメインディスプレイ42は、携帯電話機10が通信部12を介して受信するコンテンツデータとして、例えば、天気情報サーバから配信された天気情報を制御回路36が受信した際に、携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になっている場合には、受信した天気情報に含まれる天気予報データを用いて予めRAM40に記憶されているアイコンテーブルの中から天気予報データに対応するアイコンが制御回路36によって選択され、選択されたアイコンを表示する。
また、本実施例のメインディスプレイ42は、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種機能(アプリケーション)のうち、入力部44からの操作設定によってユーザが選択しなかったアイコンが表す機能、例えば、株価情報受信機能が実行されていることによって、株価情報サーバから配信された株価情報を制御回路36が受信した際に、携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になっている場合には、受信した株価情報に含まれる株価情報データを表示する。
また、本実施例のサブディスプレイ48は、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種アプリケーションを表すアイコン(メインディスプレイ42の表示画面下部に設けられたアイコン表示領域に表示されている複数のアイコン)のうち、入力部44からの操作設定によってユーザが選択した所望のアイコンを表示する。例えば、図1(a)に示すように、サブディスプレイ48の表示画面にはユーザが選択した「天気情報」に関するアイコン481が表示される。
さらに、本実施例のサブディスプレイ48は、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種機能(アプリケーション)のうち、入力部44からの操作設定によってユーザが選択しなかったアイコンが示す機能、例えば、株価情報受信機能が実行されていることによって、株価情報サーバから配信された株価情報を制御回路36が受信した際に、携帯電話機10の表示側筐体102が閉じた状態になっている場合には、受信した株価情報に含まれる株価情報データを表示する。
また、本実施例の発光部50は、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種アプリケーションのうち、入力部44からの操作設定によってユーザが選択した所望の機能(サブディスプレイ48に表示されているアイコンが表す機能)によって、所定のサーバから配信されたコンテンツデータを制御回路36が受信した際に、携帯電話機10の表示側筐体102が閉じた状態になっている場合には、そのコンテンツデータの内容に応じてそれぞれ異なる態様で発光する。
具体的には、例えば、図1(a)に示すように、ユーザの選択によって「天気情報」に関するアイコンが表示されている場合には、実行されている天気情報受信機能によってネットワーク上に自動配信されて携帯電話機10が受信する天気予報情報に応じて、発光部50の発光パターンと発光色で天気情報を表示する。
図4は、発光部50の発光パターンと発光色によって表される天気情報の一例を示している。図4に示すように、各天気情報に対して発光部が発光するパターンと色とが関連付けられて記憶されている発光制御テーブルを表している。例えば、天気情報と発光色との関係は、「晴れ:オレンジ」、「雨:ブルー」、「雪:ホワイト」となり、それぞれの発光パターンは、「▼▽▽」、「▽▼▽」、「▽▽▼」(ただし、発光部50を構成する3個のLED素子のうち、▼は発光するLED素子を示し、▽は発光しないLED素子を示している)などとなる。
この発光制御テーブルは、対応する機能プログラムが携帯電話機10にプレインストールされている場合には予めRAM40に記憶されている。あるいは、ネットワークを介してコンテンツサーバからこの機能プログラムをダウンロードする場合には、対応する発光制御テーブルを合わせてダウンロードする構成にしてもよい。
このように、制御回路36は、天気情報受信機能が実行されており、さらにこの機能によって報知される天気情報を発光部50によって確認できるように、入力部44からの操作設定によってユーザが選択した場合には、選択した機能を表すアイコンを予めRAM40に記憶されているアイコンテーブルの中から選択してサブディスプレイ48に対して表示するように制御する。
そして、天気情報サーバから、アンテナ16、通信部12およびベースバンド部14を介して天気情報を受信した際に、携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になっている場合には、受信した天気情報に含まれる天気予報データを用いて、予めRAM40に記憶されている発光制御テーブルの中から対応する発光部50の発光パターンと発光色を選択して発光部50に対して対応するパターンと色で発光するように制御する。
また、制御回路36は、実行中の機能であって、発光部50によって報知内容を確認できるようにユーザが選択しなかったその他の機能によって報知される情報については、携帯電話機10の表示側筐体102が閉じた状態になっている場合には、サブディスプレイ48に対して表示するように制御し、携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になっている場合には、メインディスプレイ42に対して表示するように制御する。
また、ユーザが選択した機能によって報知される情報についても、携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になっている場合には、メインディスプレイ42に対して表示するように制御する。
なお、天気情報サーバは、天気情報を予め設定された時間単位(例えば、1時間毎)によりネットワーク上にパケット通信によって自動配信してもよいし、携帯電話機10の制御回路36から予めユーザにより設定された時間単位(例えば、1時間毎)により、天気情報サーバに対して天気情報の送信を依頼する天気情報要求を送信するように制御することにより、天気情報サーバはこの天気情報要求に応じて天気情報を配信してもよい。
このように制御すれば、制御回路36は、携帯電話機10の表示側筐体102が閉じた状態になっている場合に、受信した天気情報に応じて発光部50の色とパターンで天気情報を表示することができるので、ユーザはメインディスプレイ42に待ち受け画面として表示される天気情報を確認することなく、容易に発光部50の色とパターンで天気情報を確認することができる。
なお、上記実施例では、発光部50として、3個のLED素子を用いて報知内容に応じて色とパターンを変えて表示する方法について説明したが、表示方法はこれに限ることなく、例えば、発光部50として、1個のマルチカラーLED素子を用いる場合には、報知内容に応じて色のみを変えて表示する方法を採用してもよい。また、1個のモノカラーLED素子を用いる場合には、報知内容に応じて発光パターン(点灯点滅パターン)のみを変えて表示する方法を採用することも可能である。
また、上記実施例では、天気情報の表示方法について説明したが、表示する情報はこれに限ることなく、定期的に報知内容が変化したりネットワークを介して配信されたりするその他の情報に適用することも可能である。
例えば、株価情報であっても本発明は同様に適用可能である。この場合、日経平均、TOPIX、あるいは特定の銘柄の株価が、予め設定した基準価格あるいは前日株価との比較によって、マイナス(下落)だと赤色、プラス(上昇)だと緑色で表示することも可能である。
また、占い情報であっても本発明は同様に適用可能である。その場合、予め生年月日を設定し、星座を選択しておけば、今日の運勢を所定の色で表示することも可能である。また、お気に入りサイト・ブログ更新情報であっても本発明は同様に適用可能である。その場合、特定のサイトやブログが更新された場合に所定の色で表示するも可能である。さらに、通話・通信料金情報であっても本発明は同様に適用可能である。その場合、毎月の使用料が所定の料金レベルとの比較によって、例えば、基準値まであと1000円までは青色、基準値まであと500円までは黄色、基準値を超えると赤色で表示することも可能である。
次に、本発明にかかる携帯電話機の表示動作について説明する。
図5は、本実施例にかかる携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
なお、図5に示す動作は制御回路36に接続されたROM40に記憶されている制御プログラムを実行することで実現される。
まず、図5に示すフローチャートの動作に移るまえに、制御回路36がRAM40に記憶されている各種アプリケーション(機能プログラム)を起動させて各種機能を実行する。なお、実行される各種アプリケーション(機能プログラム)は、携帯電話機10の電源をオンにした際やタイマ起動設定により所定時刻になった際に自動的に起動されてもよいし、ユーザが携帯電話機10の表示側筐体102を開き、入力部44からの操作設定によってユーザが所望する機能を選択的に起動させてもよい。
そして、ユーザが携帯電話機10の表示側筐体102を開き、携帯電話機10の各種状態や携帯電話機10にて実行中の各種アプリケーションを表す機能のうち、入力部44からの操作設定によってユーザが所望の機能を選択すると、制御回路36が選択した機能を表すアイコンを予めRAM40に記憶されているアイコンテーブルの中から選択してサブディスプレイ48に対して表示する。
このような状態になっている携帯電話機10に対し、図5のフローチャートにおいて、まずステップS500で、制御回路36は、アンテナ16、通信部12およびベースバンド部14を介して各種情報(コンテンツデータ)を受信したか否か判定し、受信している場合にはステップS501の処理に進み、一方、受信していない場合にはステップS500の処理に戻る。
次に、ステップS501において、制御回路36は、開閉検知部58からの開状態検知信号に基づいて、携帯電話機10の表示側筐体102が開いた状態になっているか否か判定し、表示側筐体102が開いた状態になっている場合にはステップS502の処理に進み、一方、表示側筐体102が閉じた状態になっている場合にはステップS503の処理に進む。
ステップS502の処理では、制御回路36は、受信した情報に含まれる報知データ、あるいは報知データに対応するRAM40に記憶されたアイコンを用いて、メインディスプレイ42に対して表示するように制御することによりメインディスプレイ42に所定の情報を表示し、処理を終了する。
一方、ステップS503の処理では、制御回路36は、受信した情報がすでにユーザが選択した特定の機能に関する情報であるか否か判定し、特定の機能に関する情報である場合にはステップS504の処理に進み、一方、特定の機能に関する情報でない場合にはステップS505の処理に進む。
そして、ステップS504において、制御回路36は、受信した情報に含まれる報知データを用いて、予めRAM40に記憶されている発光制御テーブルの中から対応する発光部50の発光パターンと発光色を選択して発光部50に対して対応するパターンと色で発光するように制御することにより発光部50を発光させ、処理を終了する。
一方、ステップS505において、制御回路36は、受信した情報に含まれる報知データ、あるいは報知データに対応するRAM40に記憶されたアイコンを用いて、サブディスプレイ48に対して表示するように制御することによりサブディスプレイ48に所定の情報を表示し、処理を終了する。
以上説明したように本発明にかかる携帯端末装置によれば、ユーザが所望する機能によって報知される情報に基づいて発光手段を発光することでユーザは所望する情報を容易に把握することが可能である。このため、視認性に優れた表示を提供することが可能であるとともに、携帯端末装置の製造コストを低く抑えることも可能である。また、ユーザが選択した機能の認識も容易となるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
なお、上記実施例では、携帯電話機として折り畳み型携帯電話機について説明したが、携帯電話機はこれに限ることなく、ヒンジ機構により2つの筐体が回動・開閉自在に結合された形態の携帯端末装置に適用することも可能である。例えば、スライド型の携帯電話機であっても本発明は同様に適用可能である。
また、上記実施例では、折り畳み型携帯電話機において、ヒンジ機構により2つの筐体の相対位置から携帯電話機が開いた状態であると判断したが、これに限ることはなく、携帯電話機に設けられた所定のボタン(オープンボタン)が押下されるなどによってユーザによる携帯電話機の表示側筐体を開く操作を検知した場合に携帯電話機が開いた状態であると判断してもよい。