JP2009146846A - 空気亜鉛電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気亜鉛電池の正極が封口時に変形や反りを発生し封口部が不安定になるため、封口部の正極上に位置するガスケットの変形や、正極と同時に撥水膜が延伸され撥水性低下を起こし、封口部の安定性が低下するため漏液可能性の増大を引き起こす。
【解決手段】正極線状芯材の材料引張強度を規定し、さらに線状芯材断面積が正極断面積中に占める割合を規定することにより、封口時の正極の変形および反りを抑制して安定した封口形状を得ることができる。そのため良好な耐漏液性を持った電池を提供できる。
【選択図】図2
【解決手段】正極線状芯材の材料引張強度を規定し、さらに線状芯材断面積が正極断面積中に占める割合を規定することにより、封口時の正極の変形および反りを抑制して安定した封口形状を得ることができる。そのため良好な耐漏液性を持った電池を提供できる。
【選択図】図2
Description
正極端子を兼ねる正極外装缶と、負極端子を兼ねる負極外装缶および両者間にガスケットを有し、ガスケットと正極外装缶の間に網目構造の支持体を有する極板が存在する構造の電池に関するものである。
ボタン形空気亜鉛電池は同サイズのアルカリボタン形電池や酸化銀電池と比較して高容量という特徴があり、現在主に補聴器用電源として用いられている。そのためボタン形空気亜鉛電池にとって、機器の機能を損なわないための耐漏液性や、近年デジタル化が急速に進んだ補聴器用電源としてのパルス電流負荷特性などが特に重要である。ボタン形空気亜鉛電池は、アルカリマンガン電池や酸化銀電池などの他の電池と異なり正極活物質を内包せず、正極として0.5mm程度の薄い触媒層と電解液を電池中に維持するための撥水膜を多層状に重ね、その上にガスケットを重ねケース開口部を内側にカールさせることで封口を行っている。
この正極触媒層はそれ自体が反応しないため、薄膜とした方が放電容量の面で有利である。そのため他のボタン型電池では正極材料をペレット状に成型した正極や、金属製ケースによりガスケットを圧縮し封口部分の気密性を高めているのに対して、空気亜鉛電池では封口時に基礎となる正極が非常に薄く、封口圧力を高めた場合に電池内側に向かって正極の反りが発生する。この正極の反りは電池内容積を減少させるため放電容量に悪影響を与え、また正極を構成する撥水膜が伸びることでその撥水性を低下させ、耐漏液性に悪影響を及ぼす。そのため封口時の圧力を他の電池のように高めることができない。結果としてガスケット底面は封口後もほとんど圧縮されず、封止剤の密着により気密性を保っている。
このような空気亜鉛電池の正極強度を高め、正極の反りを低減させる方法として、特許文献1に示されるとおり正極芯材として使用されるステンレス鋼のネットを圧延焼成し、正極芯材の強度を向上させる方法が提案されている。
本発明は、ステンレス鋼や鉄材など空気電池の芯材として使用する網やエキスパンドメタルの材料の引張強度を規定し、さらにそれらが正極板中に占める割合を断面積の比率で規定することにより、空気電池の芯材として必要な強度を維持し、さらに従来の空気電池よりも封口安定性を高め耐漏液性の優れた空気亜鉛電池を提供できるものである。
特開平10−92438号公報
空気亜鉛電池は他の電池と異なり、正極材料として空気中の酸素を使用し、それをマンガン酸化物や活性炭などより構成される触媒表面で反応させる。負極材料としてはアルカリ電池等に使用される亜鉛が用いられる。
正極として空気中の酸素を取り入れ発電するという特徴から、電池内部に正極活物質を保持する必要がなく、薄膜の触媒層と芯材のみが正極を構成する。触媒としては上記マンガン酸化物等の材料粉末をポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤と混合して膜状に成型された触媒を正極として使用する。正極の強度を保ち、また集電体を兼ねる芯材としてはステンレスやニッケル等の金属網やエキスパンドメタルを使用する。この触媒は正極活物質と異なりそれ自体は反応しないので、放電容量を確保するために必要な大質量を電池内部に保持する必要がなく、他の電池と比較して非常に薄いもので十分な放電特性を確保することが可能である。
しかし空気電池の正極は薄く作られているため他の電池の正極と比較して非常に変形に対して弱い。他の電池、例えばアルカリボタン電池の正極としては、二酸化マンガンとカーボンを、ポリテトラフルオロエチレンを結着剤として混合し、それに数トンの力をかけて成型したペレットを使用する。酸化銀電池やコイン型リチウム電池なども材料は異なるが成型したペレットを使用する。これらの電池の正極は成型時にすでに圧縮されており、圧縮に対して非常に強いため、このペレット上にガスケットを配置し封口を行ってもほとんど変形せず、安定した封口状態を得ることができる。
それに対して空気電池の正極は芯材の強度により保持され、また厚さも通常1mm以下の膜状のため、アルカリボタン電池などと同様の封口を行うと、正極が内側に折れ曲がり、その上に位置するガスケットも変形等により位置がずれる等の現象が発生し、安定した封口形状を得ることが難しい。
通常は反りの発生を防止するため封口時にかける力を制御し、反りが発生しないようにするためガスケットおよび正極の圧縮を十分行うことができず、主に封止剤の粘着力により耐漏液性を保っている。そのため空気亜鉛電池の場合、耐漏液特性を他のボタン型電池と比較して向上させることが困難である。
このような空気亜鉛電池の正極の反りを低減させる方法として、特許文献1に示されるとおり正極芯材として使用されるステンレス鋼のネットを圧延焼成し、正極芯材の交点を圧着する方法が提案されている。特許文献1に示される正極芯材交点の圧延焼成は、芯材の全体強度を向上させる方法として有効である。しかし、芯材の反りを防止するためには芯材交点の強度向上のみでなく、それ自体は変形しにくい正極芯材と、圧縮により容易に体積変化や崩れなどの変形を起こす正極材料の強度、体積比率、圧縮率などの物性と関係する。
例えば、芯材が正極の片側に位置し、封口時に正極の芯材側にリング状のガスケットを位置させ封口を行うと、正極中央部が初期の厚さを保ったままガスケット下部に位置する正極が圧縮され、中央部と周辺部の芯材の位置がずれ、正極の反りを引き起こす原因となる。
本発明は、芯材として使用される金属網等の線状芯材の材料引張強度と、正極の垂直な断面に占める線状芯材の断面積を規定することにより、良好な耐漏液性を得るために必要な封口強度を得ることができる正極を得、優れた耐漏液性を持った空気亜鉛電池を提供するものである。
正極の反りに寄与する芯材物性としては、引張強度の他に圧縮や曲げに対する強度が挙げられる。封口時にはガスケットにより圧縮される正極周辺部より、正極中央に向かって力が加わるため、芯材には主に圧縮応力がかかり、圧縮応力が限界を超え芯材が曲がり、正極の反りが発生する際には芯材の変形部分に引張応力が発生する。芯材として使用される金属材料などはこの圧縮応力には十分耐えるが、反りを発生させる変形に対しては引張応力に対する強度が重要となる。
また芯材上に充填される正極材料は封口時の圧縮により圧縮変形するため、正極材料中に占める芯材すなわち圧縮されない部分の割合を増加することにより、変形に対する強度を確保することができる。
上記芯材を使用することにより、封口時の正極の反りを抑制し、かつ安定した封口を得ることが可能となる。つまり封口時にケースとガスケットの間に位置する正極形状が安定することにより、封口部分全体の形状が安定し、良好な耐漏液性を安定して得ることができる。
空気亜鉛電池の場合、ガスケットとして通常はナイロン66を使用する。これは他のアルカリ電池と同様であるが、ガスケット下部と正極ケースとの間に正極を挟みこみクリンプ封口を行うため正極が変形し、さらに正極の変形によりその上に位置するガスケットや封口板の変形が助長される。正極が内側に沿った場合、その上に乗っているガスケットも内側に滑り込む。これらの変形のため、空気亜鉛電池の場合強固な安定した封口を得ることが難しい。
また正極には電解液を電池内部に保持するためPTFEなど撥水性の樹脂よりなる撥水膜を圧着しているが、正極の反りにより撥水膜も引張により変形し、撥水性の低下による漏液を伴う場合がある。
本発明に規定の芯材を使用することにより、封口時の正極の反りやガスケットの変形を防止し、耐漏液特性をさらに向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を、ボタン型空気亜鉛電池を例として図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態におけるボタン形空気亜鉛電池の断面図である。図1において、正極外装缶1は底部凹部に空気孔2を有し、上部端が開口型となる形状を有している。正極外装缶1の底部凹部内面には、空気拡散紙3、撥水膜4、正極5、及びセパレータ6が順次、積層配置されている。一方、正極外装缶1の底部凹部外面には、電池が未使用の状態では空気孔2を塞ぐようにシールテープ(図示しない)が貼付されており、このシールテープを正極外装缶1から取り外すことで、電池内部に酸素が進入し、起電反応が開始される。この正極外装缶1は、ニッケルメッキした鉄など、表面抵抗が低く、またアルカリ電解液中において腐食しない材料が用いられる。空気拡散紙3は、空気孔2から取り入れた空気を均一に拡散させており、ビニロン不織紙などの材料から構成される。撥水膜4は、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)微多孔膜からなり、電解液の電池外部への漏出を防止すると同時に正極5への酸素供給を行っている。負極外装缶7は、正極外装缶1と組み合わせて電池容器を形成するものであり、その内壁面が負極8に電気的に接する一方、外壁面は正極外装缶1の開口部を封止している。亜鉛よりなる負極8はゲル状であり、34重量%の水酸化カリウム水溶液からなる電解液に、カルボキシセルロース(ゲル化剤)、および亜鉛粉末もしくは亜鉛合金粉末を配合して調製される。負極外装缶7と、正極外装缶1との間にはポリアミド樹脂系の絶縁体を兼ねたガスケット9を介挿配置している。
正極5は金属等導電性の網またはエキスパンドメタルを線状芯材10として、二酸化マンガン焼成体と活性炭粉末を混合し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を結着剤としてシート状に成型したものに、撥水膜4を圧着した構造としている。
上記構造の空気亜鉛電池において、線状芯材10として使用する金属網等には、通常ステンレススチールSUS304等耐腐食性を持つ金属が使用される。通常断面が円形のステンレス線を網状に編んだものを使用するが、他の断面形状の線材を使用する、あるいはエキスパンドメタルを使用することも可能である。
空気亜鉛電池の場合、この正極5を、撥水膜4とともにケース1とガスケット9の間に挟み、ケース1の開口部を内側にカールさせて封口する。正極5の強度は主に芯材10による。ケース1の開口部を内側にカールさせる工程において、正極5にかかる力が過大な場合、正極5は変形により内側に反ってゆく。正極5の変形が過大な場合、電池の内部空間に正極5が入り込み、電池内容積が減少する。
したがって負極8の充填量を減少させるため放電容量が減少する。また正極5が反ることにより撥水膜4も同時に変形するため、過度の変形は正極5および撥水膜4上に亀裂を生じさせ、これら正極5および撥水膜4の撥水性を低下させる。そのため正極5および撥水膜4を電解液が通過し、ケース上に設けた空気孔2より漏液する危険性が発生する。
本発明では正極の線状芯材10として原材料の引張強度が580N/mm2以上1000N/mm2以下の金属網やエキスパンドメタルを使用する。この範囲に処理方法により引張強度を調整できる材料として、ステンレス鋼や高張力鋼などが挙げることができる。
上記物性値を持つ線状芯材10を集電体として正極5に使用し、線状芯材10の一方に平行であり、かつ正極面に垂直な面で切断した場合の正極5全体の断面積に対する芯材自体の断面積を規定することにより十分な正極強度を得ることができる。
ここで上記正極断面積と線状芯材断面積の定義を図2により規定する。正極断面積として、正極5を構成する撥水膜4部分を除き、線状芯材10と粉体等触媒物質により構成された正極5の厚さと、線状芯材10を構成する縦横2組の線状芯材のうち一方と並行で2本の線材の中央に位置し、かつ正極表面と直交する切断面11により切断される断面中最も幅が大きくなる部分の幅の積を正極断面積と規定する。例として正極5が円形の場合の正極の幅は円の直径となる。また正極5が長方形の場合、その長辺の長さとなる。
また上記により規定した正極断面中、線状芯材が占める面積を芯材断面積とする。図3に示す線状芯材断面12の面積の合計が芯材断面積とする。
本発明では上記線状芯材断面積が、正極断面積に対して13%以上25%以下を占めることを特徴とする。網の場合の正極断面積および芯材断面積を図2に規定する。またこの比率を芯材断面積比とする。
エキスパンドメタルを使用する場合にも図3のように2方向のエキスパンドメタルの金属線部分をそれぞれエキスパンドメタルの線状芯材方向13と規定し網と同様に考えることができる。
《実施例1》
実施例として、上記構造を有するボタン形空気亜鉛電池として、直径7.9mm、高さ5.4mmの形状を有する「PR48」(JIS規格)を作製し、評価を行った。ここで、空気孔2として直径0.2mmの孔を3個有する正極外装缶1を用い、撥水膜として厚さ0.1mm、空孔率20%のPTFE微多孔膜を用いた。
実施例として、上記構造を有するボタン形空気亜鉛電池として、直径7.9mm、高さ5.4mmの形状を有する「PR48」(JIS規格)を作製し、評価を行った。ここで、空気孔2として直径0.2mmの孔を3個有する正極外装缶1を用い、撥水膜として厚さ0.1mm、空孔率20%のPTFE微多孔膜を用いた。
ガスケット9はナイロン66を用い、底部厚さ0.4mm、側部厚さ0.2mmのものを使用した。
空気拡散紙3の素材は厚さ0.13mmのビニロン製不織布を用いた。正極外装缶1の上に、空気拡散紙3を配置して固定し、撥水膜4を挿入した後、ステンレス網上にマンガン酸化物40重量%、カーボン導電剤10重量%、活性炭32重量%、PTFE18重量%の重量比で混練した正極を充填し、さらにPTFE多孔体シートの撥水膜を圧着した正極を配置した。
線状芯材材料として引張強さ620N/mm2のSUS316ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、最終的に厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。ここでのメッシュは1inchあたりの線材数である。
また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
《実施例2》
実施例1と同様の線状芯材を用い、35メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は13.9%である。
実施例1と同様の線状芯材を用い、35メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は13.9%である。
《実施例3》
実施例1と同様の線状芯材を用い、60メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は23.7%である。
実施例1と同様の線状芯材を用い、60メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は23.7%である。
《実施例4》
線状芯材として直径φ0.12mmのものを用い、60メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は13.4%である。
線状芯材として直径φ0.12mmのものを用い、60メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は13.4%である。
《実施例5》
線状芯材として直径φ0.20mmのものを用い、40メッシュで編み、厚さ0.20となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は24.7%である。
線状芯材として直径φ0.20mmのものを用い、40メッシュで編み、厚さ0.20となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は24.7%である。
《実施例6》
線状芯材として直径φ0.20mmのものを用い、40メッシュで編み、厚さ0.20となるよう圧延処理を施したものを使用し、正極厚さ0.3mmとした。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は16.5%である。
線状芯材として直径φ0.20mmのものを用い、40メッシュで編み、厚さ0.20となるよう圧延処理を施したものを使用し、正極厚さ0.3mmとした。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は16.5%である。
《実施例7》
線状芯材材料として引張強さ585N/mm2のSUS304ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
線状芯材材料として引張強さ585N/mm2のSUS304ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
《実施例8》
線状芯材材料として引張強さ920N/mm2のSUS316ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
線状芯材材料として引張強さ920N/mm2のSUS316ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
《比較例1》
実施例1と同様の線状芯材を用い、30メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は11.9%である。
実施例1と同様の線状芯材を用い、30メッシュで編み、厚さ0.16となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は11.9%である。
《比較例2》
線状芯材として直径φ0.20mmのものを用い、45メッシュで編み、厚さ0.20となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は27.8%である。
線状芯材として直径φ0.20mmのものを用い、45メッシュで編み、厚さ0.20となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は27.8%である。
《比較例3》
線状芯材として直径φ0.10mmのものを用い、60メッシュで編み、厚さ0.14となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は9.3%である。
線状芯材として直径φ0.10mmのものを用い、60メッシュで編み、厚さ0.14となるよう圧延処理を施したものを使用した。その他の条件は実施例1と同様とした。このときの芯材断面積比は9.3%である。
《比較例4》
線状芯材材料として引張強さ550N/mm2のSUS316Lステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
線状芯材材料として引張強さ550N/mm2のSUS316Lステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
《比較例5》
線状芯材材料として引張強さ1100N/mm2のSUS316ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
線状芯材材料として引張強さ1100N/mm2のSUS316ステンレス鋼を用い、直径0.16mm線材を40メッシュで編み、厚さ0.16mmになるよう圧延処理を施したものを使用した。また、正極厚さは粉体を網上でシート状に成型した状態で0.20mmになるように作成した。このときの芯材断面積比は15.8%となる。
実施例、比較例及び従来例の電池を組み立てた後、温度45℃、相対湿度90%の環境下で10週間の耐漏液特性を比較した。耐漏液性評価は電池を各50個上記環境において1週間保存して、目視で封口部分および空気孔部分の電解液および電解質結晶の有無を観察し、それを10週間繰り返した。また封止剤の封口部分への漏出も同様に目視にて観察を行った。耐漏液特性の比較結果を表1に示す。表中( )内の数値は空気孔漏液の数を示す。
表1中の実施例の各例はいずれも比較例との比較において良好な耐漏液性を示している。線材の直径が異なる場合でも、編みメッシュの変更により芯材断面積比を本発明の規定値とすることにより安定した封口を得ることが可能である。また正極の厚さが異なる場合、特に正極が芯材に対して厚くなる場合には封口により正極の変形や反りが発生しやすくなるが、本発明の実施例においてはいずれの正極においても大きな変形が発生せず、十分な耐変形性を維持している。
しかし正極中の芯材断面積比が大きすぎる場合、封口時の正極圧縮に芯材が追随しないため、撥水膜に亀裂が入り正極ケースの空気孔より漏液が発生する場合がある。また引張強度が低い線状芯材を使用した場合、あるいは芯材断面積比が本発明に規定する範囲よりも低い場合は芯材強度が十分でなく、正極に反りが発生する。正極の反りの尺度として、電池を封口後に電池を分解して正極を取り出し、厚さを測定した値を表2に示す。測定には正極の直径よりも大きな測定子のダイヤルゲージを使用し、正極上の撥水膜4を分離せずに測定を行っている。
比較例1,3,4において厚さが他のものよりも厚く、これらには正極の反りが発生している。これが封口部形状を不安定にし、耐漏液性の低下を招いている。
また芯材強度に関しては、実施例8と比較例5の比較において、正極の反り、耐漏液特性ともに変化がない。実施例8に示す引張強度を得るためにはスプリングテンパ線など特殊な処理を行った線状芯材が必要とあるが、それにより引張強度を増大させても電池特性上影響はない。
本発明においては円形の断面を持つ線状芯材により構成した網を芯材に使用したが、他の断面形状、例えば楕円形の断面をもつ線状芯材を使用した場合でも同様である。またエキスパンドメタルなど編んだ構成でない芯材を使用した場合でも、前述のように2組の線より構成されていると考えることにより芯材断面積比を規定することができる。
本発明のように、正極芯材を構成する網の線状芯材強度を規定し、また正極中に占める断面積の割合を規定することで、空気亜鉛電池において優れた放電容量と安定した耐漏液性を両立することができる。これにより現在主に補聴器用途として使用されている空気亜鉛電池の高性能を維持しつつ長期信頼性を向上させることが可能となる。
1 正極外装缶
2 空気孔
3 空気拡散紙
4 撥水膜
5 正極
6 セパレータ
7 負極外装缶
8 負極
9 ガスケット
10 線状芯材
11 切断面
12 線状芯材断面
13 エキスパンドメタルの線状芯材方向
2 空気孔
3 空気拡散紙
4 撥水膜
5 正極
6 セパレータ
7 負極外装缶
8 負極
9 ガスケット
10 線状芯材
11 切断面
12 線状芯材断面
13 エキスパンドメタルの線状芯材方向
Claims (1)
- 正極端子を兼ねる正極外装缶と、負極端子を兼ねる負極外装缶とガスケットを有し、ガスケットと正極外装缶の間に、集電体を兼ねる導電性の芯材に触媒を充填した正極を挟みこむ構造の空気亜鉛電池において、正極を構成する芯材として引張強度580N/mm2以上1000N/mm2以下の線状芯材を編んだ網またはエキスパンドメタルを使用し、前記網またはエキスパンドメタルの一方の線状芯材に平行であり、かつ正極面に垂直な断面において、この正極面に垂直な断面の断面積の中で前記線状芯材部分の断面積は、前記正極面に垂直な断面の断面積全体の13%以上25%以下である空気亜鉛電池。
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JP2007325570A JP2009146846A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 空気亜鉛電池 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009146846A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017531905A (ja) * | 2014-10-16 | 2017-10-26 | スペクトラム ブランズ インコーポレイテッド | 耐座屈性集電体 |
US9935316B2 (en) | 2013-05-03 | 2018-04-03 | Jenax Inc. | Non-woven fabric current collector, method of fabricating battery using the same, and system for fabricating the same |
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2007
- 2007-12-18 JP JP2007325570A patent/JP2009146846A/ja active Pending
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US10854883B2 (en) | 2014-10-16 | 2020-12-01 | Energizer Brands, Llc | Buckling resistant current collector |
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