JP2009145160A - 原子炉用制御棒 - Google Patents

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光晴 中村
Kiyoshi Ueda
精 植田
Kosaku Tsumita
耕作 積田
Kenichi Yoshioka
研一 吉岡
Yoshiji Kano
喜二 狩野
Tomoko Tajima
智子 田嶋
Yoshinori Katayama
義紀 片山
Yuji Saito
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Abstract

【課題】応力腐食割れや電気化学的に活性化する可能性を低下させ、照射成長差異や熱膨張差異問題に留意しつつ、制御棒に隣接する燃料において制御棒を引き抜いた際に大きな出力上昇を生じる現象に対しても、反応度価値低下を抑制する。
【解決手段】先端構造材と翼結合部材とを天然組成以上にハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金製とし、翼の主要部を構成する中性子吸収材板の中性子吸収材部をハフニウムまたはジルコニウムで希釈したハフニウム・ジルコニウム合金とし、燃料集合体に面する外面をジルカロイで覆われたハフニウムとジルカロイとの複合材とし、中性子吸収材板は内部に炉水が介在できるトラップ間隙をあけて対向させ、中性子吸収材板の厚さを、制御棒を挿抜する軸方向に略一様とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、沸騰水型原子炉に用いられる原子炉用制御棒に係り、特にハフニウムを主要な中性子吸収材とする長寿命型の原子炉用制御棒に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)に用いられている長寿命型の原子炉用制御棒においては、例えば図23〜図25(特許文献1,非特許文献1参照)に示すように、制御棒200が深いU字状断面を有するステンレス鋼(SUS)製のシース201を備えている。このシース201は、その開口部では断面十字形の細長いタイロッド202の突出部に、先端では先端構造材203に、また末端では末端構造材204にそれぞれ固着し、シース201内に形成された空間に中性子吸収材である2枚のハフニウム板(板対)205を間隙(トラップ間隙)を挟んで収納保持した4枚の翼(ウイング)207によって構成されている。
このような構成の原子炉用制御棒では、2枚のハフニウム板対(以下、「中性子吸収要素」という)の間に形成される間隙は原子炉内において炉水で満たされ、その水によって中性子が減速されるので、中性子はより効果的に吸収される。このような構成の制御棒は、フラックストラップ型制御棒と称され、間隙はトラップまたはトラップ間隙と称されている。したがって、ハフニウム板間の水の働きにより高価で重量が大きいハフニウムの材料を節約することができる。
また、制御棒200を挿抜する軸方向では、挿入末端ほどハフニウム材料を節約できるため、ハフニウム板205は軸方向に多数に分割され、それぞれの板対はコマ208と呼ばれている複数の間隔保持兼荷重保持部材を介してシース201で保持されている。
このような従来の制御棒200において、各コマ208とシース201とを溶接により固定すると、溶接変形により薄いシース201は厚いハフニウム板205の方へ曲り、両者の間の間隙が無くなったり、相互に拘束し合う可能性があった。このような状態に陥った場合には、シース201とハフニウム板205の間に形成されるべき腐食生成物の占める間隙が消滅するばかりでなく、シース201とハフニウム205板の間の熱膨張差異や照射成長差異による相対変位も許さない構造となることから、ハフニウム板205より薄いシース201には過大な応力がかかる可能性が生じる。
また、従来の制御棒200では、ハフニウム板205は複数のコマ208を介して溶接によりシース201に保持する構造となっており、この溶接部はスクラム時の荷重をはじめとする運転中の各種荷重を受けることになる。このように、コマ溶接部で固定すると溶接部近傍には各種の応力を生じるため、溶接部近傍のシース201に応力腐食割れを生じる可能性があり、制御棒200の健全性低下つまり寿命減少につながる可能性がある。
しかしながら、従来の技術文献等では応力腐食割れについての提案が見られない。また、ハフニウム板205は軸方向に複数に分割され、厚さが変更されているが、多種類を準備すると製造コスト上昇に繋がり、さらに軸方向の機械的強度が不均一で下方ほど弱くなる問題があった。
ところで、シース201を構成しているステンレス鋼と中性子吸収材であるハフニウム金属とは異種金属であり、両者が近接対峙している従来の制御棒では、電気化学的にも腐食し易い条件が形成されており、腐食し易い原子炉環境ではその傾向が一層顕著である。
また、特許文献2にはシースを用いないハフニウム制御棒が開示されている。この制御棒では、ハフニウムとステンレス鋼とが溶接できない点に着目した構造が示されているが、タイロッドとしてステンレス鋼を使用する構成であり、耐蝕性や下記のブレードヒストリー問題対策に対する示唆等の開示はない。
また、長寿命型の制御棒はその長さの大部分が高出力運転中に挿入されているため、燃料集合体で中性子吸収材に隣接する部分では中性子束レベルが大幅に低下しており、燃焼が遅れ、残留する核分裂性物質の濃度が比較的高い。そのため、制御棒を引き抜いた場合に高い出力が発生し、燃料の健全性に影響を及ぼすことになる。
このような問題はブレードヒストリー問題と呼ばれており、中性子束の低下を抑制すれば、このような問題は緩和されるが、通常では制御棒反応度価値が低下し、反応度価値不足を生じる可能性がある。
特開昭63−8594号公報 特開昭58−147687号公報 1.M.Ueda,T.Tanzawa,R.Yoshioka:"CriticalExperimentonaFlux-Trap-TypeHafniumControlRodforBWRs",TransactionoftheAmericanNuclearSociety,vol.55,p.616(1987)
従来の制御棒は実用炉において、一定の満足な照射実績を重ねてきたが、応力腐食割れが比較的生じ易い構造であり、電気化学的に活性化する構成であることが明らかになった。また、原子炉内で長期間使用する場合には、照射成長差異や熱膨張差異問題に留意しつつ、制御棒に隣接する燃料において制御棒を引き抜いた際に大きな出力上昇が生じる現象(ブレードヒストリーが大きいと言う現象)においても、反応度価値低下を抑制しつつ、その問題を緩和することが望まれる。
さらに、中性子吸収材板に着目して、製造性を改良し、軸方向強度をより一様とし、コスト低減を図ることが望まれる。
本発明は、上述した応力腐食割れ、電気化学的活性度緩和、ブレードヒストリーの緩和、軸方向機械強度分布の改良、および製造性向上等を図るものであり、ハフニウムを中性子吸収材とする4枚の翼の挿入先端および末端をそれぞれ横断面十字形の先端構造材と末端構造材の各腕に結合した原子炉用制御棒において、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に間隔をあけて翼結合部材(タイクロス)により前記4枚の翼を十字形に結合し、少なくとも前記先端構造材と前記翼結合部材とを天然組成以上にハフニウム(Hf)の含有を許容するジルコニウム(Zr)合金製とし、前記翼の主要部を構成する中性子吸収材板(複合吸収材板)の中性子吸収材部をハフニウムまたはジルコニウムで希釈したハフニウム・ジルコニウム合金とし、少なくとも燃料集合体に面する外面をジルカロイで覆われたハフニウムとジルカロイとの複合材(Hf−Zry複合材)とし、前記中性子吸収材板は内部に炉水が介在できる間隙(トラップ間隙)をあけて対向させ、前記中性子吸収材板の厚さを、制御棒を挿抜する軸方向に略一様としたことを特徴とする原子炉用制御棒を提供する。
本発明では、中性子吸収材板で構成された翼の内部に、先端構造材と末端構造材を結合する上下結合棒(タイバー)を備え、中性子吸収材板は挿入先端側から末端側に向かって、または末端側から先端側に向かって摺動可能に装着される。
また、中性子吸収材板のトラップ間隙に、制御棒挿抜の軸方向のほぼ全長にわたって摺動可能な翼端補強部材を装着する。
これらの上下結合棒または翼端補強部材はハフニウム製とする。
以上の構成によれば、中性子吸収材であるハフニウムとの共存性が特に優れたジルカロイをハフニウムの被覆材、および構造材として用いているため、応力腐食割れや電気化学的な活性度が大幅に緩和される。複合吸収材板の内側の面は可能であればジルカロイで被覆されるが、困難な場合には表面研磨などにより表面積が実質的に低減されるので内側でも腐食問題は大幅に緩和される。
また、複合吸収材板とタイバーあるいは翼端補強部材とが相互に摺動可能に構成されているため、各構成要素の中性子照射に伴う照射成長の差異や熱膨張率の差異に基づく制御棒の健全性低下の問題を生じない。さらに、中性子吸収材板の厚さは制御棒を挿抜する軸方向に略一様に構成されているため、制御棒挿抜の軸方向強度分布が、従来の板厚変更方式に比べてより一様となり、タイバーあるいは翼端補強部材との摺動性が良好に保たれる。
中性子吸収材板を軸方向に一様の厚さにすると、複合吸収材板を製作する種類が一種類で済み、製造が容易になり、製造コストが大きく低減できる。なお、構造材や被覆材としてステンレス鋼よりも比重が小さいジルカロイを用いるため、必要に応じてより多くのハフニウムを使用することができ、中性子吸収効果を高めることが可能となる。
また、本発明では、原子炉用制御棒は、翼の挿入先端から吸収材部全長のうち、先端部の約15cmないし31cm(全長の1/24ないし2/24長)を必要に応じて他の部分と異なる構成とする。すなわち、先端から約1/4ないし1/2の範囲では、挿入末端側よりも横幅を広くし、外側端では挿入先端側と末端側とが一直線となるように揃える。
また、翼の挿入先端から吸収材部全長のうち、先端部の約15cmないし31cmの範囲では、前記挿入先端側1/4よりも吸収材部の横幅を狭くし、外側端では挿入先端側と末端側とが一直線となるように揃える。
この構成によれば、制御棒挿入中に出力が制御棒側面で大幅に低下するのに対し、制御棒中心軸側の一定の範囲では中性子吸収材が排除され、炉水が導入されることによって出力が大幅に回復するので、ブレードヒストリー問題が大幅に緩和される。なお、制御棒反応度価値は若干低下するが、特に重要な部分では吸収材領域の横幅は極力広く構成されるため、反応度価値の低下は効果的に抑制される。
また、本発明は、1枚のHf−Zry複合材を、等間隔で平行となるように山曲げと谷曲げを繰り返すとともに、谷曲げ部分を相互に近接させて横断面が十字形となるように構成し、少なくとも翼端部には短尺の細長いハフニウム棒(短尺ハフニウムバー)がスペーサ状に装着されている構成とする。
また、本発明は、谷曲げ部分の少なくとも一部分で軸方向に規則的かつ断続的に長孔を開け、少なくとも長孔の上下部分にジルカロイ製のタイクロスを局所的に配置して、十字形を正確に保持するとともに、機械強度を向上させる。
この構成によれば、軸方向の一定の範囲で一気に圧延製作された複合吸収材板を用いることにより、翼による照射成長率の差異が発生せず、制御棒の健全性向上に寄与することができる。また、短尺ハフニウムバーにより反応度価値の向上および、機械的強度の確保を期待することができる。短尺な構成と固定手段の工夫(中央付近でハフニウム板部に固着すること)により、照射成長差異や熱膨張差異の問題が回避される。谷曲げ部には長孔が形成され、その上下にタイクロスが設けられるが、タイクロスの取り付け作業では長孔を利用できるため製造が容易になる。
さらに、制御棒挿入中に出力が制御棒側面で大幅に低下することに対し、長孔により制御棒中心軸側の一定の範囲で中性子吸収材が排除され、炉水が導入されることによって、大幅に回復するので、ブレードヒストリー問題が大幅に緩和される。
また、本発明では、4枚のL字形に曲げられたHf−Zry複合材の曲げた部分を近接させて十字形の中心に向くように配置し、L字の両端部に短尺の細長いハフニウム棒(短尺ハフニウムバー)をスペーサ状に装着する。
また、L字状に曲げられた部分の少なくとも一部分で軸方向に規則的かつ断続的に長孔を開け、少なくとも長孔の上下部分に、ジルカロイ製のタイクロスを局所的に配置して、十字形を正確に保持するとともに、機械強度を向上させる。この構成により、製造がより容易となる。
また、本発明の原子炉用制御棒では、2枚のHf−Zry複合材の板を間隙を挟んで対向させ、挿抜方向と直角方向の両端に間隔を保持するスペーサを固着して翼を構成し、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に所定の間隔を隔ててタイクロスを用いて4枚の翼を十字形に結合する。
また、本発明では、1枚のHf−Zry複合材の板を深いU字状に曲げて間隙を構成し、少なくとも十字形の中心軸側に短尺スペーサを多数固着して翼を構成し、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に所定の間隔を隔ててタイクロスを用いて4枚の翼を十字形に結合する。
また、本発明では、1枚のHf−Zry複合材の板を円筒状に曲げて両端部を固着することにより円筒とし、この円筒を平板状に潰して、翼外端部と十字形の中心軸側の平管内側に短尺スペーサを多数固着して翼を構成し、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に所定の間隔を隔ててタイクロスを配置することにより、4枚の翼を十字形に結合する。
また、本発明では、翼を十字形の中心軸の側端部に翼開防止部材により固着する。
これらの種々の構成を得るための製造方法については、種々の方法を適用することができ、工場の設備、技術、製造コスト、照射実績、等を勘案して選択される。なお、必要に応じて内側に翼開き防止部が設けられる。
また、本発明では、翼外端部のハフニウム製スペーサが短尺棒とされ、その中央付近でHf−Zry複合材の板に固着される。
また、本発明では、翼に設けられた十字形の中心軸側のスペーサがジルカロイ製、ハフニウム製、またはハフニウム・ジルコニウム合金であり、その中央付近でHf−Zry複合材の板に固着される。
これらの構成により、照射成長差異や熱膨張差異に基づく制御棒の変形、あるいは破損が回避できる。また翼外端部のハフニウム製スペーサは、反応度価値および寿命の向上に寄与することができる。
本発明の原子炉用制御棒によれば、応力腐食割れや電気化学的に活性化する可能性を大幅に低下させ、また、原子炉内で長期間使用する場合、照射成長差異や熱膨張差異問題に留意しつつ、制御棒に隣接する燃料において制御棒を引き抜いた際に大きな出力上昇を生じる現象(ブレードヒストリーが大きいと言う現象)に対しても、反応度価値低下を抑制し、その問題を緩和することができる。さらに、中性子吸収材板に着目して、軸方向厚さを一様とすることができ、製造性を改善できるとともに、コスト低減が図れ、軸方向強度をより一様とすることで、機械的な健全性を向上することができる。
以下、本発明に係る原子炉用制御棒の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明による中性子吸収材を好適に配置する背景を核的な側面から説明するために行なった臨界実験の体系を示す説明図である。図1は原子炉内平面図であり、図2は図1の一部(B部)の拡大図である。図3(A),(B),(C)は実験により得られた結果を示す説明図である。
図1および図2に示すように、この実験では、臨界実験装置(NCA)の炉心タンク10の中で、中央に実機と横断面を等しくした十字型制御棒11を配置し、図1および図2に示すように、十字型制御棒11を取り囲むように4体の燃料集合体(チャンネルボックスはない)12を配置し、さらに炉心10が臨界になるまで、外周に対称かつ炉心横断面が正方形となるように燃料棒13を装荷した。
使用した燃料棒13は全て濃縮度2%のものであり、制御棒11の中性子吸収材には外径4.8mm、内径3.5mmのステンレス(SUS)鋼管に、ボロンカーバイド(BC)粉末を約70%の理論密度で充填した中性子吸収棒および外径が同一で反応度価値も殆ど等しいハフニウム(Hf)棒を用いた。
図3(A)の最上段に示した制御棒11aは、BC入りSUS管14と、水入りSUS管15(×印を記したもの)とを有するものである(以下、構成「a」という。)。上から2段目の制御棒11bは、Hf棒16と、水入りSUS管15(×印を記したもの)とを有するものである(以下、構成「b」という。)。上から3段目の制御棒11cは、アクリル角棒17(×印を記したもの)と、BC入りSUS管14とを有するものである(以下、構成「c」という。)。最下段の制御棒11dは、全てBC入りSUS管14を有するものである(以下、構成「d」という。)。なお、吸収棒の外側は深いU字状の横断面を有する厚さ約1.4mmのステンレス鋼製のシース18となっている。
制御棒11の中心軸付近には通常、中央構造材(タイロッド)が存在するが、この実験では、図3(B),(C)において、タイロッドが存在する通常の構成「d」、各翼ごとにタイロッド側面から3本の吸収棒を水入りSUS管と置換した構成「a」、水入りSUS管とHf棒をタイロッド側から交互に翼幅の2/3まで配置した場合の構成「b」、およびタイロッドを取り外し、水が占めるようにした構成「c」の4種の模擬制御棒について、制御棒表面の中性子束分布を銅箔放射化率として測定した。
制御棒シースの表面に密着するように銅箔をストリップ状に配置して炉心タンクに給水して炉心を臨界にし、中性子照射を行った後、炉心から取り出して切断し、個々の誘導放射能のベータ線を計測した。
図3(C)は放射能強度分布を示しており、制御棒構成の変化の影響をあまり受けない点(図中の規格化点)で規格化して示したものであり、図3(B)は通常の構成「a」の分布との比として示したものである。
銅の放射化は低エネルギ、おおよそ熱エネルギを持った中性子によって引き起こされるので、ほぼ熱中性子束の分布と見なすことができる。翼の外側端部15mm程度の範囲で急激に中性子束分布が高くなっている。
構成「d」では、タイロッド近傍で若干高くなっており、構成「c」ではタイロッドの場所を水が占めているため、非常に高くなっている。構成「a」では側面燃料棒のうち、制御棒中心軸の近傍で大幅に高くなっている。
構成「b」では広い範囲で中性子束が盛り上がっている。制御棒近傍の燃料棒の出力はこれら表面中性子束分布ほど急激な変化は生じないが、類似の変化が生じる。本発明では制御棒の反応度価値を余り低下させないで中性子束を広い範囲で高めることを目的としている。
測定結果では、好適な中性子束分布が得られた構成「b」の場合、反応度価値が最も低下したが低下率は約8%であり、許容範囲である。しかし制御棒全長もしくは全体にわたって8%の低下を起こさせるのは望ましくないので、必要な場所に限ってこの構成を採用するものとする。なお、通常の制御棒設計では制御棒全体の反応度価値の低下が10%を越えると許容できないとされている。
構成「a」では反応度価値の低下率は約3.5%であった。構成「c」では反応度価値はかえって増大した。なお、中性子束分布が特に高くなる翼の側端では中性子吸収材をなるべく多くすることによって制御棒寿命と反応度価値を高めることができる。
実機制御棒では翼のうち配列された吸収材の両端部で中性子照射量が高くなるため、長寿命型の制御棒を設計する場合には長寿命型中性子吸収材を配置すべきこと、反応度の高い制御棒を設計する場合には中性子吸収効果の高い吸収材を配置すべきことを示している。逆に翼の中央部分では吸収材の選択条件は比較的緩いことを示している。以下の実施形態においては、これらの測定値を念頭におき、好適な制御棒構成例について説明する。
[第1実施形態(図4、図5)]
図4は本発明の第1実施形態による制御棒の構成を示す説明図であり、図の右半分を縦断面で示してある。図5(A)は図4のA1−A1線断面図であり、図5(B)は図4のB1−B1線断面図であり、図5(C)は図4の図4のC1−C1線断面図である。
図4に全体構成を示すように、本実施形態の制御棒11は、制御棒挿入側(図示上側)に配置される横断面十字形の先端構造材21と、制御棒引抜き側である末端側(図示下側)に配置される横断面十字形の末端構造材22とを備えている。
先端構造材21と末端構造材22とは、中心軸23aを中心に含む縦長な横断面十字形の翼結合部材であるタイクロス23によって連結されている。先端構造材21とタイクロス23とは少なくとも、天然組成以上にハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金製となっている。
タイクロス23には4枚の翼24が横断面十字形に結合されており、各翼24の上端部は先端構造材21の下部に嵌合されて、溶接部25により先端構造材21の下端部に固着されている。各翼24は対向する2枚の板を1組として構成されており、これら2枚の板がタイクロス23の各腕部の両側面を挟む配置で設けられている。翼24の主要部は、中性子吸収材板の中性子吸収材部をハフニウムまたはジルコニウムで希釈したハフニウム・ジルコニウム合金により構成されている。翼24は全体として縦長板状のものであり、タイクロス23に向く縁部の下部側が幅狭い構成となっている。
一方、各翼24の下端部側は、一定以上の上下隙間30をあけて末端構造材22の上端部に嵌合され、上下方向に沿って摺動可能に支持されている。これにより、翼24は燃料使用時の照射成長等による膨張および収縮等が自由に行なえる構成としてある。このように、十字形の先端構造材21と末端構造材22との各4本の腕には、それぞれ翼24が結合してある。
また、各翼24の側端部には翼端補強部材として複数の短尺ハフニウムバー28が上下方向に熱膨張吸収用の隙間をあけて設けられている。これらの短尺ハフニウムバー28は、それぞれピン29により各翼24に固定されており、翼24全体の膨張および収縮に伴って翼24とともに上下方向に摺動可能となっている。
さらに、各翼24の十字形中心側の端部は、タイクロス23の各腕から突出する上下複数配置の薄板部31を挟む配置となっており、この薄板部31にピン32により固定されている。なお、図4において、各翼24を上下に溶接する溶接線41が1本示してある(実際の制御棒においては、複数本の溶接線41が形成される)。
図5(A),(B)には、図4のA1−A1線およびB1−B1に沿う上下2位置の横断面構成が示してある。翼24を構成する2枚の対向板は、それぞれ外側配置のジルカロイ板33と内側配置のハフニウム板34とを熱間圧延等により接合した複合吸収材板からなる中性子吸収材板35として構成されている。この中性子吸収材板35は、内部に炉水が介在できるトラップ間隙36をあけて対向させ、中性子吸収材板35の厚さを、制御棒を挿抜する軸方向に略一様としてある。
また、中性子吸収材板35で構成された翼24の内部には、先端構造材21と末端構造材22とを結合する上下結合棒としてのタイバー37が溶接部38,39により先端構造材21と末端構造材22とに連結されている。
なお、図3(C)に示すように、ピン32はジルカロイ板33と内側配置のハフニウム板34との間に溶接部40を介して接合されている。
このように、中性子吸収材板35は挿入先端側から末端側に向かって、または末端側から先端側に向かって摺動可能に装着されている。すなわち、中性子吸収材板のトラップ間隙36には、制御棒挿抜の軸方向のほぼ全長にわたって、摺動可能な翼端補強部材としての短尺ハフニウムバー28が装着されている。先端構造材21と末端構造材22とは、タイバー37により固着されている。この構成により、本実施形態では、従来のタイロッド(中央構造材)と異なり、4枚の翼の交点(中心軸)ではなく、翼内部の間隙(トラップ間隙36)を利用して結合されている。
タイバー37の第1の機能はタイロッドと同様に、機械的強度の維持にあるが、さらに従来のタイロッド位置を避ける構成としてある。これは、上述した図3(C)の構成「c」とすることにより、中心軸近傍の熱中性子束の低下を大幅に抑制して、制御棒挿入時に近傍の燃料棒の燃焼の遅れを抑制するためである。
また、タイバー37を翼24の内部に配置すると、その位置で水が排除されるため、中性子減速に伴う中性子吸収率が低下する。その結果、図3に示した構成「b」のような中性子吸収材排除効果が生じ、前記構成「c」の効果のみでなく、構成「b」の効果も発生させることができる。すなわち、両者は共に制御棒近傍の燃料棒の燃焼遅れを抑制する効果を発揮することができる。この効果は、翼24の内部におけるタイバー37の位置や寸法は設計条件により決定される。
本実施形態において、翼24はその外面(燃料集合体側の面)にジルカロイを0.2〜0.5mmの厚さ(目安)で被覆したハフニウム・ジルカロイ複合吸収材板(厚さ2〜2.5mm程度)としての中性子吸収材板35を2枚対向させ、翼端のスペーサ機能、補強機能および吸収材の機能を兼ねる短尺ハフニウムバー(翼端補強部材)28と、中心軸側の翼局所結合部材であるタイクロス23および翼開防止部材としてのピン32によって保持されている。すなわち、翼24の主要部は少なくとも、燃料集合体に面する外面をジルカロイで覆われたハフニウムとジルカロイとの複合材としてある。
タイクロス23は4枚の翼24を先端構造材21および末端構造材22とともに、十字形に保持する機能を有している。翼開防止部材としてのピン32はタイクロス23が存在しない位置における翼24の中心軸側の過剰の開きを防止している。
本実施形態においては、翼を構成する複合吸収材板35の厚さが制御棒挿抜軸方向に一様である。板の曲げに対する抵抗力は厚さの3乗に比例し、幅に比例することが知られており、中性子吸収能力は通常、挿入先端側の半分で大きく、末端側の半分で小さくするのが好適であることも知られている。
従来では、末端側の中性子吸収材板35の厚さを薄くする構成として実施されていたが、上述のように中性子吸収材板35を薄くした部分では強度が急激に低下することから、本実施形態では厚さを揃え、末端側の吸収能力を翼24の水平方向幅を変えることにより、構成を具体化している。翼端側については、挿入先端側と末端側とを揃えていないと、挿抜に支障を来すため、中心軸23a側から吸収材を排除する構成としてある。
これにより、図3に示した熱中性子束低下抑制作用が発揮され、制御棒近傍の燃料棒の燃焼遅れを抑制する効果が発揮される。この結果、制御棒引き抜きの際に発生する出力の急上昇が抑制され、燃料の健全性が向上することができる(ブレードヒストリー現象の緩和)。すなわち、本実施形態の構成によれば、制御棒の機械的強度が向上し、燃料の健全性を高めることができる。
さらに、本実施形態の構成によれば、複合吸収材板としての中性子吸収材板35の厚さが制御棒挿抜軸方向に一様であるため、中性子吸収材板35の種類が一種類のみでよく、製造コストも低減することができる。そして、タイバー37の厚さも全長一様であるため、摺動性が良いだけでなく、製造コストも低減することができる。なお、摺動性は熱膨張差異および照射成長差異を吸収するための機構である。
複合吸収材板としての中性子吸収材板35は全長を一体として製造し、挿入末端側では中心軸側を除去しても良いが、上下を別々に製作し、後に溶接により一体化しても良い。溶接する場合には、軸方向高さは中性子照射量が中心高さ付近から下側に向かって急に減少することを考慮して、中央高さよりも若干挿入末端側に設定することで溶接部の中性子照射量が低下し、予想しない万一の場合でも、溶接部健全性の向上を期待することができる。
中性子吸収材板35については、本実施形態においてハフニウム板34の外面にジルカロイ板33が被覆され、内面は研磨により凹凸を低減させ、実質的な表面積を減少させている。この点について、製造性の面からは両面被覆が好ましい場合があるが、翼内部のトラップ間隙36が減少し、制御棒反応度価値の面における不利益や、タイクロス23が細くなる不利益も生じる。被覆および実質的な表面積を減少する主目的は、長期間炉内使用に伴うハフニウム腐食を抑止または防止するためである。ハフニウムの腐食生成物は弱いながらも放射能を含むため、それを抑止することを考慮している。ジルカロイ腐食生成物も生じるが、その放射能は極めて弱い。
ハフニウムは高い耐蝕性を有しているが、高温水中で長期間使用すると表面に腐食生成物が発生し、何等かの起因により剥離することが判明してきた。剥離した腐食生成物は放射能を帯びている。核種は主にHf-181で半減期は43日、比較的低いエネルギのガンマ線(482,346,および133keV)を放出する。なお、半減期111日のTa−182も僅かに生成して1.2MeVのガンマ線を放出する。
BWRでは炉水の水質が初期に比べて著しく向上し、放射能レベルが著しく低下したため、弱いHf-181の放射能でも確認できるようになった。半減期が比較的短いため、外部環境に対する問題発生は想定されないが、原子炉建屋内部では今後放射能低減の目標になることが判ってきた。そこで、本実施形態では外面にはジルカロイ被覆を施し、内面ではハフニウムの表面の微細な凹凸をなるべく減らすように表面仕上げが行われている。
制御棒の外面は制御棒駆動に伴い、対面する燃料集合体のジルカロイ製チャンネルボックスと摩擦を起こし、腐食生成物が剥離する可能性があると考えられるため、外面にはジルカロイ被覆が施されている。内面の腐食生成物はスクラム時や地震時など何等かの衝撃によって剥離し、通水孔を通じて原子炉冷却水中へ混入する可能性が考えられるので、内面も表面仕上げされている。
ハフニウムやジルカロイは、金属結晶の特性が原因となって一般的に複合吸収材板35、タイバー37、および翼端補強部材である短尺ハフニウムバー28の製造工程が異なることによる中性子照射成長割合が若干異なり、照射量が多くなると制御棒の健全性に悪影響を与える可能性がある。そこで、本実施形態においては、随所にその対策が実施されている。
具体的には、本実施形態では翼24とタイバー37とが摺動可能な構成となっている。すなわち、翼24は挿入先端において、先端構造材21に溶接などの手段(なお他の手段、例えばピン止め等でも良い)で固着され、末端では末端構造材22の薄い部分を挟み込みながらスライド可能な構造となっている。そして、翼端補強部材である短尺ハフニウムバー28は短尺化され、その中央部でピン29により止められている。短尺ハフニウムバー28はピン29位置で翼24の複合吸収材板35に固着され、上下端は相対的に自由に伸縮することができる。
また、本実施形態では、中心軸23a側の翼開防止部材であるピン32およびタイクロス23は短尺のため伸縮差の問題は発生しない。万一、翼24によって伸縮に微妙な差異が発生した場合でも、タイクロス23が各翼24に1点でピン止めされているため、微小なクリアランスや回転可能性を設けるなどにより、その問題を解消できるように設計することができる。
なお、翼24とタイバー37との摺動は末端構造材22から先端構造材21に向かって、あるいは挿入側の中央部から上下に向かって伸縮させる構造とすることもできる。また、翼24については翼端補強部材としての短尺ハフニウムバー28に代えて、深いU字状の複合吸収材板を用いて製作することもできる。
[第2実施形態(図6、図7)]
図6は、本発明の第2実施形態を示す説明図であり、図6(A),(B)は制御棒の平面図である。図6(C)は図6(A)のC21−C21線断面図であり、図6(D)は1つの翼を構成する中性子吸収材板35の側面図(折曲前の全体図)である。図7(A)は図6(C)のA2−A2線断面図、図7(B)は図6(C)のB2−B2線断面図、図7(C)は図6(C)のC22−C22線断面図である。
本実施形態では、中性子吸収材板(複合吸収材板)35として、ハフニウム板34を両面からジルカロイ板33a,33bでサンドイッチ状に挟み込む構成について説明する。なお、第1実施形態と同一構成部分については説明を省略する。
図6(A)および(B)に示すように、制御棒11は平面視で十字形をなしている。この制御棒11では、図6(C)に示すように、各翼24の内部に挿抜軸方向全長に亘って2本のタイバー37a,37bが配置されている。
また、翼24の挿入側先端は先端構造材21に固着されるとともに、複合吸収材板の先端近傍に微小なクリアランスを設けて複数のピン32により固定されている。各翼24の末端側は、末端構造材22の翼24に挟まれた薄肉部の凹部42a,42bに部分挿入されており、翼24とタイバー37a,37bとの照射成長差異を吸収するようにスライドできる構造となっている。
翼端のタイバー37aには、吸収特性を大きくするためハフニウムが用いられ、中心軸側のタイバー37bには、水排除による中性子吸収効果を若干押さえるためジルコニウムが用いられている。
また、中性子吸収材板35を構成する各板材は、横方向を大きくして図面の縦横の縮尺を変えた図6(D)に全体を示すように、1点鎖線で示す折り曲げ線Oを中心として、平面視で略L字状に曲げられる。そして、L字状に曲げられた中性子吸収材板35は、例えば図6(B)に仮想線(D)として示すように、隣接する2翼の各面をそれぞれ形成するものとなっている(すなわち、4体の中性子吸収材板35により制御棒の外面が構成される)。
中性子吸収材板35の一つの翼24は、図7(A),(B),(C)に示すように、別々の複合吸収材板35の端部35cがそれぞれ対向する方向に若干曲げられ、溶接部50により固着されて閉じた構成となっている。
そして、図6(C)に示すように、一枚の複合吸収材板35の両端については、挿入先端側から全長の1/24の長さ部分43(実際の長さは15〜16cm程度であり、反応度価値をある程度低下させても支障ないことが知られている)、および末端側半分44は、中心軸側から比較的大きく切り込んで翼の幅を狭くし、先端側から1/24を除く1/4までの範囲45は反応度価値上最も大切な部分であるため、切り込み無しとし、1/4から1/2の範囲46は反応度価値とブレードヒストリー対策の両立が必要な部分であるため小規模に切り込んである。
この構成は複合吸収材板35全体として図6(D)にも示してある。複合吸収材板35の先端(図6(D)の上端)には、大幅な切り込み51が形成されており、これは図6(C)に示した「範囲43」に対応する。また、下部の切り込み51aは、図6(C)に示した「範囲44,45,46」に対応する。この構成を、反応度価値を特に要求されないでブレードヒストリー対策に活用している。翼24の制御棒中心軸側には、図示しないが、タイクロスが適切に固着されている。
また、翼開防止部材としてのピン32も必要に応じて設けられるとともに、複合吸収材板35の端部35cは制御棒挿抜で支障を来す可能性がないように、第1実施形態と同様に、若干内側へ曲げられて溶接部50により固着されている。翼24の先端は先端構造材21に対して固着され、翼24の末端は末端構造材42に固着されている。
翼端側のタイバー37aには吸収特性を大きくするためハフニウムが用いられ、中心軸側のタイバー37bには水排除による中性子吸収効果を若干押さえるためジルコニウムが用いられている。
このような構成の本実施形態においても、第1実施形態とほぼ同様の作用効果を奏することができる。なお、ジルカロイ板の幅寸法について、本実施形態では図の上方向について同一寸法を同じとしているが、設計条件によっては同一とする必要はない。この点については、以下の実施形態でも同様である。
[第3実施形態(図8、図9)]
図8は本発明の第3実施形態を示す説明図で制御棒1翼の縦側面図であり、図9(A),(B),(C)はそれぞれ図8のA3−A3線、B3−B3線、C3−C3線に沿う断面図である。
本実施形態は、第2実施形態とほぼ同様の構成を有するものであるが、摺動するタイバー37が翼端近傍に1本配置されている点および翼24の構成について差異がある。
図8に示すように、翼24の複合吸収材板である中性子吸収材板35は挿入先端の短い範囲、例えば1/24長の範囲43と挿入末端側1/2長の範囲44は、2枚の板を対向させた構成としてある。また、先端を除く挿入先端側から例えば1/2長の範囲については、第2実施形態と同様にL型の複合吸収材板である中性子吸収材板35を用いて翼を形成している。このような中性子吸収材板35に対しては、外面にジルカロイ被覆を行い、内側は表面研磨して実効的な表面積を低下させ、腐食可能面積を減少させている。
本実施形態の構成では、内側にトラップ水を排除するジルカロイ被覆が形成されていない。このため、翼を薄くしなければならない薄型制御棒と呼ばれている制御棒に対して、特に好適である。中心軸側では、短尺化された複数のスペーサ52が、原則としてそれらの各中央部でピン29により固定され、これらのピン止め部に近い場所でタイクロス23がそれぞれ固着されている。
また、図9(A),(B),(C)に示すように、翼24の外側端部53は比較的緩い角度で曲げられ、その端部53で対向する中性子吸収材板35と溶接部39により固着されている。なお、翼24の中心軸側はピン29により固着されている。
なお、中心軸側のスペーサ材としては、反応度価値を優先する場合ハフニウムを用いることにより、軽量化およびブレードヒストリー対策を優先する場合ジルカロイが用いられる。そして軸方向に段違いで重複するように構成されているのは、短尺化した場合の切れ目付近の曲げ強度の低下を防止するためである。その他の構成および作用効果等については、第1実施形態および第2実施形態と略同様である。
[第4実施形態(図10、図11)]
図10は本発明の第4実施形態を示す縦断面図である。図11(A),(B),(C)はそれぞれ、図10のA4−A4線、B4−B4線、C4−C4線に沿う断面図である。
本実施形態は、第3実施形態と略同様の構成を有するものである。異なる点は、第3実施形態では、複合吸収材板としての中性子吸収材板35がハフニウム板の外面に被覆されているのに対し、本実施形態では、図11(A),(B),(C)に示すように、複合吸収材板35がハフニウム板34を両面からジルカロイ板33,33でサンドイッチ状に被覆した構成とされている点にある。
本実施形態によれば、複合吸収材板35間のトラップ水領域を必要範囲で確保できる場合に好適であり、厚型制御棒と呼ばれている制御棒に好適である。その他の構成および作用効果等については、第3実施形態と略同様であるため説明を省略する。
[第5実施形態(図12−図16)]
図12は本発明の第5実施形態を示す縦断面である。図13(A),(B),(C)はそれぞれ、図12のA5−A5線、B5−B5線、C5−C5線に沿う断面図である。なお、図12の下端側部分の断面形状は、上端側のA5−A5線断面と同寸法および構造と同様である。ただし、同寸法および同構造とする必要はなく、若干差異があってもよく、最適寸法は設計によって決定される。
図12および図13(A),(B),(C)に示すように、本実施形態では、十字型に完成された制御棒11の構造においては、上述した実施形態と著しい差異はない。したがって、図12および図13(A),(B),(C)については説明を省略する。
本実施形態では、特に制御棒横断面構造に着目し、製造方法とブレードヒストリー対策に主眼を置いたものである。
図14は、本発明の第5実施形態におけるハフニウム板の展開図であり、4体1組で一つの制御棒を製造するための素材構成を示している。すなわち、ハフニウム板にジルカロイを被覆した素材(複合吸収材板)を示している。図14では、十字型に加工する前の孔開け加工を行った全体の状態を示している。
すなわち、この素材61は、第1実施形態で示した図6(D)の複合吸収材板である中性子吸収材板35と同一形状の複合吸収材板要素62a−62dを、4体含む一枚の板構造となっている。各複合吸収材要素62a−62dには、図12に破線で示した形状の中性子吸収板材35と同形とする孔64‥,65‥が形成されている。また、各複合吸収材板要素62a−62dには折曲げ線71(a−h)が設定されている。各孔64,65が形成されている位置の折曲げ線a,c,e,gは、例えば図の紙面上からみて谷折で折曲され、また孔のない位置の折曲げ線b,d,f,hは、例えば図の紙面上からみて山折で各直角で折曲される。
これにより、山部と谷部が形成された波板状の構成となる。この素材を、さらに折畳むことにより、上述した各実施形態で示した断面十字形の制御棒を形成することができる。
なお、図14の構成において、左右両端部に位置する板材部の幅a,bについては寸法を変えてある。これにより、最終的に組立てた素材の溶接部を翼24の端部ではなく、平面部に配置して、溶接により接合することで、作業性および製作後の強度特性を高いものとすることができる。
図15は図14に示した構成の主要部を詳細に示す説明図である。この図15に示した素材61の構成において、制御棒の全体寸法は具体的に、縦方向(挿抜方向)3.6m程度、横方向(直角方向)1m程度である。大きすぎて製造が困難な場合には、例えば縦方向の中央部付近、または図14に示した横方法のα−α線の中央とβ−βの中央を結ぶ線で切断した複合吸収材板35を後で溶接して一体化しても良い。
図14における横方法のα−α線の中央、およびβ−β線の中央で切断するのは、十字型制御棒として完成後、溶接線が山曲げ部や谷曲げ部に位置するのを避けるためである。α−β線も当然同じ思想で決められている。
素材61先端部と末端部の点線で示す位置は先端構造材の末端、および末端構造材の先端が位置する場所である。先端側から全長の例えば約1/24の部分c、および末端側半分dの長さは谷曲げ部で大幅に切り込まれており、先端から1/24を除く1/4部分eは全く切り込まれていない。先端から1/4の位置から2/4の範囲の長さは小規模に切り込まれている。
このような切り込みは反応度価値上必要な部位では切り込みを極力無くし、反応度価値を若干低下させても良い部位では、ブレードヒストリー対策と反応度価値からの要求を両立させている。この考えは本発明で一貫したものである。
先端から全長の1/24の長さの部分cは、原子炉停止中の反応度価値上の要求は低いが、制御棒緊急挿入の瞬間では、挿入速度が余り早くない場合にスクラム特性に影響を与える場合も想定されるため、第1実施形態では設けられていない。横向きの破線で示す短い棒状の部分66は、板状態では取付けられておらず、十字型になった時に取付けられる翼結合部材、すなわち十字型を確実に保持するためのタイクロスを示している。
次に、本実施形態の製造工程を示す。
薄いジルカロイで覆われたハフニウム板に前もって図14−図16に示したように加工を施す。そして、孔64,65が直線状に並ぶ間に示した線71を直角に山曲げして両端のα−αおよびβ−βを接合して溶接すると、図示しないが断面正方形のものが得られる(第1ステップ)。
直線状に並ぶ長孔64,65がある部分はその後で谷曲げする(第2ステップ)。溶接線(α−β)は、山曲げ線と谷曲げ線の間になるように配置する。溶接部は金属結晶が溶接によって変化しているため、曲り部に配置すると照射に伴う健全性劣化の原因になる可能性が考えられるためである。
第2ステップの加工により、山曲げ部は180度曲げられて制御棒翼の端部となり、谷曲げ部は90度曲げられて制御棒中心軸近傍を形成することになる。図16において山曲げ部73では、外側バーすなわち外側の短尺化された前記の翼端補強部材である端尺ハフニウムバー28がピン止めされる。谷曲げ部で軸方向に断続的に並ぶ窓状縦孔(長孔)の間の2個対の孔74には、タイクロス23がピン止め固着される。ピンにはジルカロイまたはハフニウム材が用いられる。こうして、図12および図13の状態が得られる。
図14に示したαβ間は最終的には3m以上とする必要があり、またα−α間も通常1m程度の長さとなるため、このような複合吸収材板35を複数枚製作し、図14の状態まで加工した後、軸方向に溶接で連結し、全長3mを越える長い制御棒が完成する。谷曲げされた部分の孔は制御棒軸方向に変化させる(挿入末端側ほど翼端方向への拡がりを大きくする)ことによって、第3実施形態および第4実施形態と同様の核的特性(ブレードヒストリー緩和特性)が得られる。なお、ハフニウム板部はハフニウム・ジルコニウム合金とすることもできる。
[第6実施形態(図17、図18)]
図17は本発明の第6実施形態を示す断面図であり、図18(A),(B),(C)はそれぞれ図17のA6−A6線、B6−B6線、C6−C6線に沿う断面図である。
この実施形態は制御棒横断面に着目した、製造方法とブレードヒストリー対策に主眼を置いた第2番目の実施形態であり、図12−図16の製造工程を簡素化した製造方法ということができる。
図17および図18の構成は、図12および図13の構成と略同様であるから、図17および図18の説明は省略する。
本実施形態においては、曲げ部に縦長の孔を断続的に開け、その境にタイクロス23を固着する小孔対を設けて谷曲げする。山部は最終的には翼端となる部分であり、短尺化された外側端のハフニウムバー28が取り付け孔を介してジルカロイまたはハフニウムピン29により取り付けられる。
本実施形態では、幅が通常50cm弱であるため、分割製造してもよいが、軸方向に3mを越える長さでも一体物として製造することができる。孔は挿入末端側ほど翼端に向かって拡大するように大きくするのが好適であるのは前記諸例の場合と同じである。
[第7実施形態(図19、図20)]
図19は本発明の第7実施形態による原子炉用制御棒の一翼を示す縦断面であり、図20(A),(B),(C)はそれぞれ図19のA7−A7線、B7−B7線、C7−C7線に沿う断面図である。
本実施形態は第6実施形態と略同様の構成を有している。本実施形態では図19に示すように、ハフニウム板34の一面にジルカロイ被覆33aを施し、他面を研磨して実効的な表面積を低減させた後、ジルカロイ側を外面となるように円筒形に丸めて溶接により一体化することで円筒とした後、押し潰すことにより図示の如く平管81とするものである。
そして、この円筒の直径を3種準備して図20(A),(B),(C)に示したように、平管81を制作する。平管81の中心軸側にはタイクロス23を介入させる切り込みを設け、内側の短尺スペーサ52に固着する。短尺スペーサはピン止めにより複合吸収板に固着されている。
中心軸側から平管の中心軸側までの距離は、挿入先端から例えば1/24長および末端側約半分は図(A)のように広く、1/24長から1/4長の範囲は図(B)のように最も狭く、1/4〜1/2は図(C)のように図(A)と(B)の中間とされている。
この構成は前記の各実施形態の場合と同様の思想に基づいて決定される。
[第8実施形態(図21、図22)]
図21(A)は本発明の第8実施形態による原子炉用制御棒の一翼の挿入先端側(上半分)を示す縦断面であり、図21(B)は図21(A)のB8−B8断面図である。また、図22(A)は同翼の末端側(下半分)を示す縦断面図であり、図22(B)は図22(A)のB9−B9断面図である。
本実施形態では、挿入先端側半分と末端側半分で中心軸から複合吸収材板35の端部までの距離が異なるだけで、基本的な構造は前記実施形態と同様である。
上半側では図21(A),(B)に示すように、翼24の外端部には短尺のハフニウムバー37がその中心付近でピン32により固着されており、翼24の中心軸側は短尺のハフニウム製のスペーサ91が同様に固着され、軸方向に隣接するスペーサ91の間にタイクロス23の端部が1本あるいは3本のピン32により固着されている。
照射成長差異問題解消対策としては、1本のピンを用いる方が都合の良い場合も考えられるが、3本でも適切なクリアランスを設けることによりこの問題に対応することはできる。
なお、下半側では図22(A),(B)に示すように、挿入先端側半分と末端側半分で中心軸から複合吸収材板35の端部までの距離が異なるだけであり、基本的な構造は第7実施形態と略同様である。すなわち、翼外端分には短尺のハフニウムバー37がその中心付近でピン32により固着され、翼の中心軸側は短尺のジルカロイスペーサ91が同様に固着され、軸方向に隣接するジルカロイスペーサ91の間にタイクロス23の端部が1本あるいは3本のピン32により固着されている。
照射成長差異問題解消対策としては、ピン32が1本の方が都合が良い場合も考えられるが、3本でも適切なクリアランスを設けることにより、この問題に対応することができる。
本発明を核的な側面から説明する臨界実験の体系を示す説明図(平面図)。 図1のB部を示す拡大図。 (A),(B),(C)は各々測定条件と結果を示す説明図。 本発明の第1実施形態による原子炉用制御棒を一部断面で示す側面図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第1実施形態を示す図4のA1−A1,B1−B1,C1−C1矢視断面図。 (A),(B),(C),(D)は各々本発明の第2実施形態による原子炉用制御棒を示す構成図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第2実施形態を示す図6(C)のA2−A2,B2−B2,C2−C2矢視断面図。 本発明の第3実施形態による原子炉用制御棒を示す縦断面図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第3実施形態を示す図8のA3−A3,B3−B3,C3−C3矢視断面図。 本発明の第4実施形態による原子炉用制御棒を示す縦断面図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第4実施形態を示す図10のA4−A4,B4−BC4−C4矢視断面図。 本発明の第5実施形態を示す縦断面図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第5実施形態を示す図12のA5−A5,B5−B5,C5−C5矢視横断面図。 本発明の第5実施形態における原子炉用制御棒を構成するハフニウム板の展開状態を示す全体説明図。 本発明の第5実施形態におけるハフニウム板の展開状態を示す部分説明図。 図14の要部拡大図。 本発明の第7実施形態による原子炉用制御棒を示す縦断面図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第7実施形態を示す図17のA6−A6,B6−B6,C6−C6矢視断面図。 本発明の第8実施形態による原子炉用制御棒を示す縦断面図。 (A),(B),(C)は各々本発明の第8実施形態を示す図19のA7−A7,B7−B7,C7−C7矢視断面図。 (A),(B)は各々本発明の第8実施形態による原子炉用制御棒の要部を示す縦断面図および横断面図。 (A),(B)は各々本発明の第8実施形態による原子炉用制御棒の要部を示す縦断面図および横断面図。 従来の制御棒を示す斜視図。 従来の制御棒を示す縦断面図。 従来の制御棒を示す横断面図。
符号の説明
21‥先端構造材、22‥末端構造材、23‥タイクロス、24‥翼、25‥溶接部、26‥溶接部、27‥溶接部、28‥翼短補強部材(短尺ハフニウムバー)、29‥ピン、30‥隙間、31‥薄板部、32‥ピン(翼開防止部材)、33‥ジルカロイ板、34‥ハフニウム板、35‥複合吸収材板(中性子吸収材板)、36‥トラップ間隙、37‥タイバー、38、39、40‥溶接部、41‥溶接線、42‥凹部、52‥スペーサ。

Claims (15)

  1. ハフニウムを中性子吸収材とする4枚の翼の挿入先端および末端をそれぞれ横断面十字形の先端構造材と末端構造材の各腕に結合した原子炉用制御棒において、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に間隔をあけて翼結合部材により前記4枚の翼を十字形に結合し、少なくとも前記先端構造材と前記翼結合部材とを天然組成以上にハフニウムの含有を許容するジルコニウム合金製とし、前記翼の主要部を構成する中性子吸収材板の中性子吸収材部をハフニウムまたはジルコニウムで希釈したハフニウム・ジルコニウム合金とし、少なくとも燃料集合体に面する外面をジルカロイで覆われたハフニウムとジルカロイとの複合材とし、前記中性子吸収材板は内部に炉水が介在できるトラップ間隙をあけて対向させ、前記中性子吸収材板の厚さを、制御棒を挿抜する軸方向に略一様としたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  2. 前記中性子吸収材板で構成された翼の内部に、前記先端構造材と前記末端構造材とを結合する上下結合棒を設け、前記中性子吸収材板は挿入先端側から末端側に向かって、または末端側から先端側に向かって摺動可能に装着した請求項1記載の原子炉用制御棒。
  3. 前記中性子吸収材板のトラップ間隙に、制御棒挿抜の軸方向のほぼ全長にわたって摺動可能な翼端補強部材を装着した請求項1記載の原子炉用制御棒。
  4. 前記上下結合棒または翼端補強部材をハフニウム製とした請求項2または請求項3記載の原子炉用制御棒。
  5. 前記翼の挿入先端から吸収材部全長のうち、挿入先端部側における全長の1/24ないし2/24の範囲を除き、先端から約1/4ないし1/2の範囲では、挿入末端側よりも横幅を広くし、外側端では挿入先端側と末端側とが一直線となるように揃えたことを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
  6. 前記翼の挿入先端から吸収材部全長のうち、挿入先端部側における全長の1/24ないし2/24の範囲では、前記挿入先端側1/4ないし1/2の範囲に比べて吸収材部の横幅を狭くし、外側端では挿入先端側と末端側とが一直線となるように揃えた請求項5記載の原子炉用制御棒。
  7. 1枚のハフニウム・ジルカロイ複合材を、等間隔で平行となるように山曲げと谷曲げを繰り返すとともに、前記谷曲げ部分を相互に近接させて横断面が十字形となるように構成し、少なくとも翼端部には短尺の細長いハフニウム棒をスペーサ状に装着した請求項1記載の原子炉用制御棒。
  8. 前記谷曲げ部分の少なくとも一部分で軸方向に規則的かつ断続的に長孔を開け、少なくとも長孔の上下部分にジルカロイ製のタイクロスを局所的に配置して、十字形を保持するとともに、機械強度を高める構成とした請求項7記載の原子炉用制御棒。
  9. 4枚のL字形に曲げられたハフニウム・ジルコニウム複合材の曲げた部分を近接させて十字形の中心に向くように配置し、L字の両端部に短尺の細長いハフニウム棒をスペーサ状に装着した請求項1記載の原子炉用制御棒。
  10. 前記L字状に曲げられた部分の少なくとも一部分で軸方向に規則的かつ断続的に長孔を開け、少なくとも長孔の上下部分に、ジルカロイ製のタイクロスを局所的に配置して、十字形を保持するとともに、機械強度を高める構成とした請求項9記載の原子炉用制御棒。
  11. 2枚のハフニウム・ジルコニウム複合材の板を間隙をあけて互いに対向させ、挿抜方向および直角方向の両端に間隔を保持するスペーサを固着して翼を構成し、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に所定の間隔を隔ててタイクロスを用いて前記4枚の翼を十字形に結合したことを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
  12. 1枚のハフニウム・ジルコニウム複合材の板を深いU字状に曲げて間隙を構成し、少なくとも十字形の中心軸側に短尺スペーサを複数固着して翼を構成し、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に所定の間隔をあけてタイクロスを配置し、前記4枚の翼を十字形に結合した原子炉用制御棒。
  13. 1枚のハフニウム・ジルコニウム複合材の板を円筒状に曲げてその両端部を固着することにより円筒とし、この円筒を平板状に潰して、翼外端部と十字形の中心軸側の平管内側に短尺スペーサを複数固着して翼を構成し、十字形の中心軸を中心に含み、軸方向に所定の間隔を隔ててタイクロスを配置することにより前記4枚の翼を十字形に結合した請求項1記載の原子炉用制御棒。
  14. 前記翼を、十字形の中心軸側端部の翼開防止部により固着した請求項1、2、3、5、6のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒。
  15. 翼外端部のハフニウム製スペーサを短尺棒とし、この短尺棒をその中央付近で前記ハフニウム・ジルコニウム複合材の板に固着した請求項1ないし7、請求項9、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒。
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