JP2009144803A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の削減化、組み付け作業性の向上を図る。
【解決手段】内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝12が形成され、各トラック溝12の両側でそれぞれ軸方向に延びるローラ案内面14を有する外輪10と、半径方向に突出した三本の脚軸24を有するトリポード部材20と、トリポード部材20の脚軸24に回転自在に支持される外輪10のトラック溝12に挿入されてローラ案内面14に沿って案内されるローラ30と、脚軸24とローラ30との間に配設された複数の針状ころ40とを備え、脚軸24の外周面に、針状ころ40を収容して底面23aが針状ころ40の転動面となる凹溝部23を周方向に形成し、凹溝部23の半径方向基端側に内側鍔部25を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部27を設け、鍔面25a,27aをテーパ状とし、そのテーパ角度を凹溝部23の底面23aからの開き角で90°より大きく、かつ、140°以下とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車、航空機、船舶や各種産業機械などの動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフト等に組み込まれて駆動側と従動側の二軸間で軸方向変位および角度変位を許容する摺動式等速自在継手の一種であるトリポード型等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手の一つにトリポード型等速自在継手がある(例えば、特許文献1参照)。このトリポード型等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し、しかも、軸方向の相対変位をも許容することができる構造を備えている。
図7および図8は特許文献1に開示されたトリポード型等速自在継手の構造を示す。なお、図7は継手の軸線に対する横断面を示し、図8は継手の軸線に対する縦断面を示す。
同図に示すトリポード型等速自在継手は、外側継手部材である外輪110と内側継手部材であるトリポード部材120と転動体であるローラ130とで主要部が構成されている。連結すべき駆動側と従動側の二軸の一方の軸(駆動軸)が外輪110の底部から一体的に延び、他方の軸(図示せず)がトリポード部材120と結合される。
外輪110は一端が開口した有底筒状で、その内周に軸方向に延びる三本のトラック溝112が円周方向等間隔に形成されている。トリポード部材120は円筒状のボス部122から半径方向外方に突出した三本の脚軸124を有し、これら脚軸124が外輪110のトラック溝112に挿入され、そのトラック溝112と係合してトルク伝達を行う。脚軸124には針状ころ140を介してローラ130が回転自在に外嵌され、このローラ130がトラック溝112の互いに対向する一対のローラ案内面114に沿って転動することで連結二軸間の角度変位と軸方向変位を円滑にする。
図9は図7の部分拡大図で、脚軸124、針状ころ140およびローラ130を示す。脚軸124の外周面は針状ころ140の内側転動面を構成し、ローラ130の内周面は針状ころ140の外側転動面を構成している。複数の針状ころ140は、脚軸124の外周面とローラ130の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ140は、脚軸124の付け根部に外嵌されたインナワッシャ150と半径方向内方で接すると共に、脚軸124の先端部に外嵌されたアウタワッシャ160と半径方向外方で接している。このアウタワッシャ160は、脚軸124の先端部に形成された環状溝126にサークリップ等の止め輪170を嵌合させることにより抜け止めされ、この止め輪170により、針状ころ140の半径方向移動が規制されている。
特許第3615987号公報
ところで、前述の特許文献1に開示されたトリポード型等速自在継手では、作動角をとった状態で継手の回転に伴いローラ130に対してトリポード部材120の脚軸124が相対的に半径方向移動するため、そのローラ130と脚軸124との間に介在する針状ころ140を半径方向に位置規制する必要がある。
そのため、前述したように、脚軸124の先端部に嵌合された止め輪170とアウタワッシャ160により針状ころ140を抜け止めすることでもって、その針状ころ140が飛び出して脱落することを防止するようにしている。
しかしながら、この止め輪170およびアウタワッシャ160による抜け止め構造では、針状ころ140およびローラ130等の構成部品の他に、止め輪170およびアウタワッシャ160の付属部品を必要とすることから、部品点数の増加を招くことになり、製品のコストアップとなる。
また、脚軸124とローラ130との間に針状ころ140を組み付ける際に、アウタワッシャ160を脚軸124の先端部に外嵌し、脚軸124の環状溝126に止め輪170を嵌合させる針状ころ140の抜け止め作業が必要で、組み付け作業性を向上させることが困難であった。
そこで、本発明は前述した問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、部品点数の削減化を図り、組み付け作業性の向上を図り得るトリポード型等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係るトリポード型等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝が形成され、各トラック溝の両側でそれぞれ軸方向に延びるローラ案内面を有する外側継手部材と、半径方向に突出した三本の脚軸を有するトリポード部材と、トリポード部材の脚軸に回転自在に支持されると共に外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されてローラ案内面に沿って案内されるローラと、脚軸とローラとの間に配設された複数の針状ころとを備え、脚軸の外周面に、針状ころを収容して底面が針状ころの転動面となる凹溝部を周方向に形成し、凹溝部の半径方向基端側に内側鍔部を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部を設け、内側鍔部および外側鍔部と凹溝部の底面との間に形成された鍔面をテーパ状とし、そのテーパ角度を凹溝部の底面からの開き角で90°より大きく、かつ、140°以下としたことを特徴とする。
本発明では、脚軸の外周面に、針状ころを収容して底面が針状ころの転動面となる凹溝部を周方向に形成し、その凹溝部の半径方向基端側に内側鍔部を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部を設けたことにより、従来のような止め輪やアウタワッシャを必要とすることなく、凹溝部内に収容された針状ころを内側鍔部と外側鍔部とで半径方向に位置規制することができる。
このようにして、部品点数の削減化と組み付け作業性の向上が図れて、継手が作動角をとった状態で脚軸がローラに対して相対的に半径方向移動しても、脚軸の半径方向先端側に設けられた外側鍔部により針状ころが凹溝部から飛び出して脱落することを防止でき、脚軸の外周面とローラの内周面との間で針状ころの安定した転動が可能となる。なお、この場合においても、内側鍔部は、針状ころの半径方向内方への位置規制手段としての機能を発揮する。
また、内側鍔部および外側鍔部と凹溝部の底面との間に形成された鍔面をテーパ状とし、そのテーパ角度を凹溝部の底面からの開き角で90°より大きく、かつ、140°以下としたことにより、鍔面が凹溝部の底面と直交方向に延びる形態と比較した場合、内側鍔部と外側鍔部との間で針状ころが半径方向に移動するに際して、その針状ころの端部の内側鍔部のテーパ状鍔面あるいは外側鍔部のテーパ状鍔面との接触面積が小さくなり、且つ、凹溝部の底面から内側鍔部あるいは外側鍔部と針状ころとの接触点までの距離が小さくなる。これにより、針状ころが脚軸円周方向に沿って転動する際に生じる針状ころを転動方向に倒そうとする力が小さくなるため、針状ころを円滑に転動させることができる。
なお、このテーパ角度が凹溝部の底面からの開き角で90°以下であると、凹溝部の底面から内側鍔部あるいは外側鍔部と針状ころとの接触点までの距離が大きくなり、針状ころの円滑な転動が妨げられる。逆に、テーパ角度が凹溝部の底面からの開き角で140°より大きくなると、針状ころの保持能力が小さくなる。従って、テーパ角度を凹溝部の底面からの開き角で90°より大きく、かつ、140°以下に規定したことは、針状ころを凹溝部内に確実に保持し、かつ、針状ころが脚軸円周方向に対して円滑に転動するという点で有効である。
本発明において、脚軸の凹溝部の少なくとも底面を焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工により形成することが望ましい。脚軸の凹溝部の底面は、針状ころの転動面となることから、その底面を焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工により形成すれば、その凹溝部の底面を高精度に形成することができ、針状ころの良好な転動面を確保できる。
本発明において、脚軸は、凹溝部を除いて鍛造肌であることが望ましい。ここで、トリポード部材の脚軸は鍛造により製作され、その脚軸で寸法精度が要求されるのは凹溝部であり、この凹溝部を除く部位はそれほど高い寸法精度が要求されない。そのため、脚軸の凹溝部を除いた部位の表面を鍛造肌のままにすれば、硬化処理などの加工を施す必要がないことから、製造コストの低減化が図れる。
本発明において、脚軸は、少なくとも凹溝部および内側鍔部を含む部位に表面硬化層を形成した構造が望ましい。ここで、「少なくとも凹溝部および内側鍔部を含む部位」とは、凹溝部および内側鍔部を必要最小限として、脚軸における凹溝部および内側鍔部以外の部位も含むことを意味する。この凹溝部に表面硬化層を形成すれば、凹溝部での針状ころとの転動疲労強度を向上させることができる。また、内側鍔部に表面硬化層を形成すれば、脚軸に負荷される曲げ応力に対する強度を確保できる。
本発明において、継手の常用作動角が大きい場合(例えば、6°より大きい場合)には、脚軸の凹溝部の半径方向中心位置を外側継手部材のローラ案内面の半径方向中心位置よりも半径方向外方へオフセットさせた構造が望ましい。一方、継手の常用作動角が小さい場合(例えば、6°以下の場合)には、脚軸の凹溝部の半径方向中心位置と外側継手部材のローラ案内面の半径方向中心位置とを一致させた構造が望ましい。
これは以下の理由に基づく。継手が作動角をとった状態で継手の回転に伴ってローラに対して脚軸が相対的に半径方向に移動する。この時、脚軸の移動量は、半径方向外方への移動量よりも半径方向内方への移動量の方が大きく、その半径方向内方への移動量は作動角に比例して大きくなる。
従って、継手の常用作動角が大きい場合には、脚軸の半径方向内方への移動量が大きいことから、脚軸の凹溝部の半径方向中心位置を外側継手部材のローラ案内面の半径方向中心位置よりも半径方向外方へオフセットさせることが好ましい。また、継手の常用作動角が小さい場合には、脚軸の凹溝部の偏摩耗を防止する目的から、脚軸の凹溝部の半径方向中心位置と外側継手部材のローラ案内面の半径方向中心位置とを一致させることが好ましい。
さらに、本発明において、脚軸の凹溝部の半径方向寸法を、針状ころの両端部と内側鍔部および外側鍔部との間に存在する合計隙間が、継手の常用作動角において脚軸が外側継手部材の半径方向に移動する際の最大移動量よりも大きくなるように設定することが望ましい。このようにすれば、針状ころが半径方向に移動可能な量は、継手の常用作動角において脚軸が半径方向に移動する際の最大移動量よりも大きくなることから、針状ころの端部が内側鍔部あるいは外側鍔部と接触する回数を低減でき、その結果、針状ころの回転挙動が安定するので、この等速自在継手を搭載した自動車のNVH(Noise Vibration Harshness)性能の向上に寄与する。
本発明によれば、脚軸の外周面に、針状ころを収容して底面が針状ころの転動面となる凹溝部を周方向に形成し、その凹溝部の半径方向基端側に内側鍔部を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部を設けたことにより、従来のような止め輪やアウタワッシャを必要とすることなく、凹溝部内に収容された針状ころを内側鍔部と外側鍔部とで半径方向に位置規制することができる。
このようにして、部品点数の削減化と組み付け作業性の向上が図れて、継手が作動角をとった状態で脚軸がローラに対して相対的に半径方向移動しても、脚軸の半径方向先端側に設けられた外側鍔部により針状ころが凹溝部から飛び出して脱落することを防止でき、脚軸の外周面とローラの内周面との間で針状ころの安定した転動が可能となる。
その結果、部品点数の削減化と組み付け作業性の向上と共に、安定した作動性を確保したトリポード型等速自在継手を提供できる。
図1および図2は本発明に係るトリポード型等速自在継手の実施形態を示す。なお、図1は継手の軸線に対する横断面を示し、図2は継手の軸線に対する縦断面を示す。この実施形態のトリポード型等速自在継手は、外側継手部材である外輪10と、内側継手部材であるトリポード部材20と転動体であるローラ30とで主要部が構成されている。
外輪10は、一端が開口した有底筒状でその底部中央から回転軸(例えば駆動軸)が一体的に延びている。外輪10の内周面には、軸方向に延びる三本のトラック溝12が円周方向等間隔に形成される。各トラック溝12は、その両側に互いに対向する一対のローラ案内面14を有する。ローラ案内面14は円弧状断面を有し、外輪10の軸線方向に直線状に延びる。なお、外輪10の外周面は、軽量化のため、トラック溝12間と対応する部位が減肉されて凹所18が軸方向に形成されている。
トリポード部材20は、円筒状をなすボス部22の外周面に、半径方向外方に突出した三本の脚軸24が円周方向等間隔(120°間隔)で一体形成されたものである。ボス22の軸孔に図示しない回転軸(例えば従動軸)の軸端がスプライン嵌合により連結される。各脚軸24の先端は、半径方向外方へ延びてトラック溝12の底面付近まで延在し、その外周面は一般的に円筒面とされている。
外輪10のトラック溝12のローラ案内面14と脚軸24の外周面との間に針状ころ40を介してローラ30が回転自在に配設される。ローラ30の外周面は縦断面円弧状とされ、ローラ案内面14とアンギュラ接触により二箇所で接触する場合と、サーキュラ接触により一箇所で接触する場合がある。一方、ローラ30の内周面は、円筒状に形成されている。
このトリポード部材20の脚軸24に針状ころ40を介して回転自在に装着されたローラ30が、外輪10のトラック溝12に挿入されて係合し、そのトラック溝12の互いに対向する一対のローラ案内面14に沿って転動することにより、連結二軸(駆動軸と従動軸)間の角度変位と軸方向変位を許容しながらトルク伝達を行う。
図3は図1の部分拡大図で、脚軸24、針状ころ40およびローラ30を示す。脚軸24の外周面は針状ころ40の内側転動面を構成し、ローラ30の内周面は針状ころ40の外側転動面を構成している。ローラ30の内周面と脚軸24の外周面との間に、複数の針状ころ40が単列総ころ状態で配設される。
この実施形態におけるトリポード型等速自在継手では、同図に示すように、脚軸24の外周面に、針状ころ40を収容して底面23aが針状ころ40の転動面となる凹溝部23を周方向に形成し、凹溝部23の半径方向基端側に内側鍔部25を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部27を設ける。なお、凹溝部23の底面23aと鍔面25a,27aとの間には、針状ころ40の半径方向移動をスムーズに行うため、その凹溝部23の底面23aから後退するように凹んだ逃げ29(ぬすみ)が形成されている。
この実施形態におけるトリポード型等速自在継手では、脚軸24の外周面に、針状ころ40を収容して底面23aが針状ころ40の転動面となる凹溝部23を周方向に形成し、その凹溝部23の半径方向基端側に内側鍔部25を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部27を設けたことにより、従来のような止め輪170やアウタワッシャ160(図7〜図9参照)を必要とすることなく、凹溝部23内に収容された針状ころ40を内側鍔部25と外側鍔部27とで半径方向に位置規制することができる。特に、この実施形態では、針状ころ40の端部が内側鍔部25の鍔面25aおよび外側鍔部27の鍔面27aに当接することにより、その針状ころ40の半径方向移動が規制される。
このようにして、部品点数の削減化と組み付け作業性の向上が図れて、継手が作動角をとった状態で脚軸24がローラ30に対して相対的に半径方向移動しても、脚軸24の半径方向先端側に設けられた外側鍔部27により針状ころ40が凹溝部23から飛び出して脱落することを防止でき、脚軸24の外周面とローラ30の内周面との間で針状ころ40の安定した転動が可能となる。なお、この場合においても、内側鍔部25は、針状ころ40の半径方向内方への位置規制手段としての機能を発揮する。
この実施形態において、内側鍔部25および外側鍔部27は、凹溝部23の底面23aに向けて縮径するテーパ状の鍔面25a,27aを有する構造としている。内側鍔部側の鍔面25aおよび外側鍔部側の鍔面27aと凹溝部23の底面23aとはテーパ角度α1,α2をなす。この実施形態では、角度α1とα2が同一の大きさである場合を例示しているが、異なる大きさであってもよい。
このように内側鍔部25および外側鍔部27の鍔面25a,27aをテーパ状とした構造にしたことにより、内側鍔部25と外側鍔部27との間で針状ころ40が半径方向に移動するに際して、その針状ころ40の端部が内側鍔部25のテーパ状鍔面25aあるいは外側鍔部27のテーパ状鍔面27aに当接することにより、針状ころ40の半径方向移動が規制される。
ここで、図4(A)は内側鍔部25の鍔面25aをテーパ状とした実施形態を示し、同図(B)は内側鍔部28の鍔面28aが凹溝部26の底面26aと直交方向に延びる比較形態を示す。同図(A)(B)に示すように、実施形態は比較形態よりも、針状ころ40の端部が内側鍔部25のテーパ状鍔面25aに接触する面積が小さくなり、且つ、凹溝部23の底面23aからその接触点までの距離が小さくなる(a<b)。その結果、針状ころ40が脚軸24の円周方向に転動する際に生じる針状ころ40を転動方向に倒そうとする力が小さくなるため、針状ころ40を円滑に転動させることができる。これは、図示しないが、外側鍔部27のテーパ状鍔面27aについても同様である。
なお、テーパ角度α1,α2は、凹溝部23の底面23aからの開き角で90°より大きく、かつ、140°以下、望ましくは130°に規定する。このテーパ角度α1,α2が90°以下であると、凹溝部の底面から内側鍔部あるいは外側鍔部と針状ころとの接触点までの距離が大きくなり、針状ころの円滑な転動が妨げられる。逆に、140°より大きくなると、針状ころの保持能力が小さくなる。従って、テーパ角度α1,α2を90°より大きく、かつ、140°以下に規定したことは、針状ころを凹溝部内に確実に保持し、かつ、針状ころが脚軸円周方向に対して円滑に転動するという点で有効である。
この実施形態のトリポード部材20において、脚軸24の凹溝部23の底面23aを焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工により形成する。脚軸24の凹溝部23の底面23aは、針状ころ40の転動面となることから、その底面23aを焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工により形成することにより、その凹溝部23の底面23aを高精度に形成することができ、針状ころ40の良好な転動面を確保できる。
また、脚軸24は、凹溝部23を除いて鍛造肌としている。ここで、トリポード部材20の脚軸24は鍛造により製作され、その脚軸24で寸法精度が要求されるのは凹溝部23である。このことから、前述したように脚軸24の凹溝部23の底面23aを焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工により形成することは有効な手段である。
これに対して、凹溝部23を除く部位はそれほど高い寸法精度が要求されない。そのため、脚軸24の凹溝部23を除いた部位の表面を鍛造肌のままにすれば、焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工を施す必要がないことから、製造コストの低減化が図れる。
さらに、図5に示すように、脚軸24の凹溝部23および内側鍔部25に表面硬化層nを形成する。この凹溝部23に表面硬化層nを形成したことにより、凹溝部23での針状ころ40との転動疲労強度を向上させることができる。また、脚軸24の付け根部である内側鍔部25に表面硬化層nを形成したことにより、脚軸24に負荷される曲げ応力に対する強度を確保できる。なお、この脚軸24において、凹溝部23および内側鍔部25以外の他の部位にも表面硬化層を形成するようにしてもよい。
継手が作動角をとった状態で継手の回転に伴ってローラ30に対して脚軸24が相対的に半径方向に移動する。この時、脚軸24の移動量は、半径方向外方への移動量よりも半径方向内方への移動量の方が大きく、その半径方向内方への移動量は作動角に比例して大きくなる。
従って、継手の常用作動角が大きい場合(例えば、6°より大きい場合)には、図6に示すように、脚軸24の半径方向内方への移動量が大きいことから、脚軸24の凹溝部26,23の半径方向中心位置P2を外輪10のローラ案内面14の半径方向中心位置Pよりも半径方向外方へオフセットさせればよい(オフセット量f2)。
一方、継手の常用作動角が小さい場合(例えば、6°以下の場合)には、図3に示すように、脚軸24の凹溝部23の半径方向中心位置P2と外輪10のローラ案内面14の半径方向中心位置Pとを一致させればよい。このようにすれば、脚軸24の凹溝部23の偏摩耗を防止することが可能となる。
さらに、脚軸24の凹溝部23の半径方向寸法を、針状ころ40の両端部と内側鍔部25および外側鍔部27との間に存在する合計隙間が、継手の常用作動角において脚軸24が半径方向に移動する際の最大移動量よりも大きくなるように設定する。
このようにすれば、針状ころ40が半径方向に移動可能な量は、継手の常用作動角において脚軸24が半径方向に移動する際の最大移動量よりも大きくなることから、針状ころ40の端部が内側鍔部25あるいは外側鍔部27と接触する回数を低減でき、その結果、針状ころ40の回転挙動が安定するので、この等速自在継手を搭載した自動車のNVH(Noise Vibration Harshness)性能の向上に寄与する。
なお、前述した針状ころ40の両端部と内側鍔部25および外側鍔部27との間に存在する合計隙間とは、この実施形態の場合、図3に示すように、針状ころ40が脚軸24の凹溝部23の半径方向中心位置にある状態で、針状ころ40の一方の端部と内側鍔部25のテーパ面25aとの接触点との隙間S3と針状ころ40の他方の端部と外側鍔部27のテーパ面27aとの接触点との隙間S4の合計を意味する。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るトリポード型等速自在継手の実施形態で、継手の横断面図である。 本発明に係るトリポード型等速自在継手の実施形態で、継手の縦断面図である。 図1の脚軸、針状ころおよびローラを示す要部拡大断面図である。 (A)は本発明の実施形態で内側鍔部の鍔面をテーパ状とした本発明の実施形態を示す要部拡大断面図、(B)は内側鍔部の鍔面を凹溝部の底面と直交する方向に延ばした比較形態を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態で、脚軸の凹溝部および内側鍔部に表面硬化層を形成した状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態で、脚軸の凹溝部の半径方向中心位置を外輪のローラ案内面の半径方向中心位置よりも半径方向外方へオフセット状態を示す要部拡大断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の一例で、継手の横断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の一例で、継手の縦断面図である。 図7の脚軸、針状ころおよびローラを示す要部拡大断面図である。
符号の説明
10 外側継手部材
12 トラック溝
14 ローラ案内面
20 トリポード部材
23 凹溝部
23a 底面
24 脚軸
25 内側鍔部
25a テーパ状の鍔面
27 外側鍔部
27a テーパ状の鍔面
30 ローラ
40 針状ころ

Claims (7)

  1. 内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝が形成され、各トラック溝の両側でそれぞれ軸方向に延びるローラ案内面を有する外側継手部材と、半径方向に突出した三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記トリポード部材の脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されて前記ローラ案内面に沿って案内されるローラと、前記脚軸とローラとの間に配設された複数の針状ころとを備えたトリポード型等速自在継手において、
    前記脚軸の外周面に、前記針状ころを収容して底面が針状ころの転動面となる凹溝部を周方向に形成し、前記凹溝部の半径方向基端側に内側鍔部を設けると共に半径方向先端側に外側鍔部を設け、前記内側鍔部および外側鍔部と凹溝部の底面との間に形成された鍔面をテーパ状とし、そのテーパ角度を凹溝部の底面からの開き角で90°より大きく、かつ、140°以下としたことを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 前記脚軸の凹溝部の少なくとも底面を焼入れ鋼切削加工あるいは総形研削加工により形成した請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. 前記脚軸は、凹溝部を除いて鍛造肌である請求項1又は2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記脚軸は、少なくとも凹溝部および内側鍔部を含む部位に表面硬化層を形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. 前記脚軸の凹溝部の半径方向中心位置を外側継手部材のローラ案内面の半径方向中心位置よりも半径方向外方へオフセットさせた請求項1〜4のいずれか一項に記載のトリポード型等速自在継手。
  6. 前記脚軸の凹溝部の半径方向中心位置と外側継手部材のローラ案内面の半径方向中心位置とを一致させた請求項1〜4のいずれか一項に記載のトリポード型等速自在継手。
  7. 前記脚軸の凹溝部の半径方向寸法を、針状ころの両端部と内側鍔部および外側鍔部との間に存在する合計隙間が、継手の常用作動角において前記脚軸が外側継手部材の半径方向に移動する際の最大移動量よりも大きくなるように設定した請求項1〜6のいずれか一項に記載のトリポード型等速自在継手。
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