JP2021143716A - 回転伝達用スライドスプラインシャフト、及び等速自在継手ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転の条件で使用しても振動や騒音が生じにくく、かつ、コストの低い回転伝達用スライドスプラインシャフトを提供する。【解決手段】回転伝達用スライドスプラインシャフト1は、軸方向の一端が開口する中空筒部26をもち、中空筒部26の内周に、軸方向に延びる複数のスプライン溝34が周方向に間隔をおいて形成された雌スプラインシャフト5と、複数のスプライン溝34に軸方向に摺動可能に嵌合する複数のスプライン歯37が周方向に間隔をおいて外周に形成され、スプライン歯37の径方向外端の歯先面が円筒状の面である雄スプラインシャフト4と、中空筒部26の内周の、スプライン溝34から軸方向にずれた位置に形成された環状のリング嵌合凹部に嵌め込まれ、スプライン歯37の歯先面を軸方向に摺動可能に支持する環状の歯先支持面を内周にもつインサートリング36と、を備える。【選択図】図1
Description
この発明は、回転伝達用スライドスプラインシャフト、及びその回転伝達用スライドスプラインシャフトを用いた等速自在継手ユニットに関する。
産業機械(農業機械、鉄鋼機械、建設機械等)の駆動装置には、駆動軸から従動軸に回転を伝達する装置として、駆動軸に接続される第1等速自在継手と、従動軸に接続される第2等速自在継手と、第1等速自在継手と第2等速自在継手の間をつなぐ中間軸とを有する等速自在継手ユニットが多く用いられる。この等速自在継手ユニットを用いると、駆動軸と従動軸の間に交差角が存在する配置であっても、駆動軸から従動軸に常に等しい角速度で回転を伝達することが可能である。
上記の等速自在継手ユニットとして、第1等速自在継手と第2等速自在継手の間をつなぐ中間軸の部分に伸縮可能なスライドスプラインシャフトを採用したものが知られている(非特許文献1)。この等速自在継手ユニットは、中間軸の部分が伸縮可能に構成されているので、駆動軸と従動軸の間に等速自在継手ユニットを取り付けるときに、その軸間距離に多少の変動があっても適正な状態に取り付けることが可能であり、また、使用中に駆動軸と従動軸の軸間距離が変化するような用途にも使用することが可能である。
非特許文献1の等速自在継手ユニットの中間軸として用いられているスライドスプラインシャフトは、図13に示すように、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71とからなる。雌スプラインシャフト70は、軸方向の一端が開口する中空筒部72をもち、その中空筒部72の内周に、軸方向に延びる複数のスプライン溝73が周方向に間隔をおいて形成されている。雄スプラインシャフト71の外周には、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73に軸方向に摺動可能に嵌合する複数のスプライン歯74が周方向に間隔をおいて形成されている。
ここで、雌スプラインシャフト70の中心と雄スプラインシャフト71の中心とを一致させるための、スプライン溝73とスプライン歯74の嵌合方式として、歯面合わせの方式と大径合わせの方式とがある。
歯面合わせは、図14に示すように、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73の溝側面75と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74の歯面76(歯の周方向側面)との接触により、雌スプラインシャフト70の中心と雄スプラインシャフト71の中心とを一致させる方式である。一方、大径合わせは、図15に示すように、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73の溝底77と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74の径方向外端の歯先面78との接触により、雌スプラインシャフト70の中心と雄スプラインシャフト71の中心とを一致させる方式である。
上述のようなスライドスプラインシャフトにおいて、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74は、加工コストの低減等を図るため、一般に、図14に示す歯面合わせの嵌合とされる。
等速ジョイント産業機械用、NTN株式会社、Cat.No.5603−III/J、第29−30ページ
本願の発明者は、上述のスライドスプラインシャフトを、高速回転の用途に使用することを想定したときに、スライドスプラインシャフトに作用する遠心力によって、振動や騒音が生じたり、スプライン溝やスプライン歯に異常摩耗が生じてスライドスプラインシャフトの破損につながったりするおそれがあるという課題に着眼した。
すなわち、上述のようなスライドスプラインシャフトでは、一般に、図14に示すように、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74とを、歯面合わせの方式で嵌合させている。
しかしながら、図14に示す歯面合わせの方式では、スプライン溝73の溝側面75も、スプライン歯74の歯面76も、研削等の仕上げ加工を施すことが困難な面であるため、その寸法精度を厳密に管理することが難しく、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71の間の径方向のすきま(遊び)が大きくなりやすい。そのため、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71の間に、わずかな芯ずれや折れ曲がりが生じることがある。そして、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71の間に芯ずれや折れ曲がりがあると、重心が回転中心からずれるアンバランスの状態となるので、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71を高速回転させたときに、遠心力によって振動や騒音が生じ、スプライン溝73やスプライン歯74に異常摩耗が生じるおそれがある。
そこで、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74の嵌合方式を、一般的な歯面合わせの方式から、図15に示す大径合わせの方式に変更すると、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71の間の径方向のすきま(遊び)を比較的小さく抑えることが可能となる。
しかしながら、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74とを、大径合わせの方式で嵌合させた場合、次のような問題が生じる。
すなわち、図15に示すように、雌スプラインシャフト70のスプライン溝73と、雄スプラインシャフト71のスプライン歯74とを、大径合わせの方式で嵌合させる場合、スプライン溝73の溝底77の寸法精度と、スプライン歯74の歯先面78の寸法精度とを厳密に管理することとなる。ここで、スプライン歯74の歯先面78は、円筒状の面であるため、その寸法精度を厳密に管理することは比較的容易であるが、スプライン溝73の溝底77は、その寸法精度を厳密に管理することが難しく、スプライン溝73の溝底77を高い寸法精度をもって加工するには、高い加工コストが必要となる。
また、図15に示す大径合わせの方式で、雌スプラインシャフト70と雄スプラインシャフト71の間の径方向のすきま(遊び)を小さく抑えようとした場合、スプライン溝73の溝底77と、スプライン歯74の歯先面78とが、その嵌合部分の全長にわたって面接触することとなるため、スプライン溝73とスプライン歯74の間の摺動抵抗が高くなりやすい。また、スプライン溝73の溝底77とスプライン歯74の歯先面78とが面接触すると、スプライン溝73とスプライン歯74の間にグリースやオイル等の潤滑剤が入り込みにくくなるため、スプライン溝73とスプライン歯74にフレッティング等の異常摩耗が生じるおそれもある。
そこで、この発明の課題は、高速回転の条件で使用しても振動や騒音が生じにくく、かつ、コストの低い回転伝達用スライドスプラインシャフトを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明は、軸方向の一端が開口する中空筒部をもち、前記中空筒部の内周に、軸方向に延びる複数のスプライン溝が周方向に間隔をおいて形成された雌スプラインシャフトと、前記複数のスプライン溝に軸方向に摺動可能に嵌合する複数のスプライン歯が周方向に間隔をおいて外周に形成され、前記スプライン歯の径方向外端の歯先面が円筒状の面である雄スプラインシャフトと、前記中空筒部の内周の、前記スプライン溝から軸方向にずれた位置に形成された環状のリング嵌合凹部に嵌め込まれ、前記スプライン歯の前記歯先面を軸方向に摺動可能に支持する環状の歯先支持面を内周にもつインサートリングと、を備える構成を採用した。
このようにすると、インサートリングの内周の環状の歯先支持面が、雄スプラインシャフトのスプライン歯の歯先面を支持するので、低コストに、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトとの間での芯ずれや折れ曲がりを防ぐことが可能になる。すなわち、歯先支持面は、雌スプラインシャフトとは別体に設けたインサートリングの内周の環状面なので、寸法精度を厳密に管理することが容易であり、歯先支持面と歯先面との距離を小さくすることができる。このような歯先支持面によって歯先面を支持するため、低コストに、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトとの間での芯ずれや折れ曲がりを防ぐことが可能である。したがって、回転伝達用スライドスプラインシャフトは、高速回転の条件で使用しても振動や騒音が生じにくく、かつ、コストの低いものとすることができる。
また、前記リング嵌合凹部は、前記スプライン溝から軸方向の一方にずれた位置と、他方にずれた位置との2箇所に形成され、その2箇所のリング嵌合凹部のそれぞれに前記インサートリングが取り付けられている構成を採用することができる。
このようにすると、雌スプラインシャフトのスプライン溝を間に挟んで軸方向に離れた2箇所の位置で、各インサートリングの歯先支持面が雄スプラインシャフトの歯先面を支持するため、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトの折れ曲がりを効果的に防ぐことができる。
また、前記歯先支持面は、前記スプライン溝の溝底径よりも小径の環状面を採用すると好ましい。
このようにすると、スプライン歯の歯先面とスプライン溝の溝底との間に径方向の隙間を確保することができるので、スプライン溝とスプライン歯の間にグリースやオイル等の潤滑剤が入り込みやすくなり、スプライン溝やスプライン歯に異常摩耗が生じるのを効果的に防ぐことが可能になる。
前記歯先支持面の前記歯先面に対する摺接部分の軸方向長さは、前記スプライン溝の軸方向長さよりも短くすると好ましい。
このようにすると、雌スプラインシャフトのスプライン溝と、雄スプラインシャフトのスプライン歯とを、スプライン歯の歯先面とスプライン溝の溝底とが嵌合部分の全長で面接触するような大径合わせの方式で嵌合させたものに比べて、スプライン歯の歯先面の接触面積を抑えることができるので、雌スプラインシャフトの雄スプラインシャフトの間の摺動抵抗を小さく抑えることが可能となる。
また、前記歯先支持面は、軸方向に沿って一定の内径をもつ円筒状のストレート面であり、前記インサートリングは、前記歯先支持面に軸方向に隣接し、前記歯先支持面から軸方向に遠ざかるにつれて径方向外側に傾斜するテーパ面を内周に有する構成を採用することができる。
このようにすると、回転伝達用スライドスプラインシャフトを組み立てるに際し、雄スプラインシャフトを、雌スプラインシャフトの中空筒部に嵌め込んだインサートリングに、円滑に挿入することが可能となる。すなわち、雄スプラインシャフトを、雌スプラインシャフトの中空筒部に嵌め込んだインサートリングに挿入する際に、雄スプラインシャフトの中心とインサートリングの中心の間に径方向の位置ずれがある状態であっても、インサートリングの内周のテーパ面が、雄スプラインシャフトを径方向内側に案内するので、円滑に、雄スプラインシャフトをインサートリングに挿入することが可能となる。
また、前記歯先支持面は、軸方向に沿った断面において、径方向内側に向かって膨らむ円弧状の面を採用することができる。
このようにすると、回転伝達用スライドスプラインシャフトを組み立てるに際し、雄スプラインシャフトを、雌スプラインシャフトの中空筒部に嵌め込んだインサートリングに、円滑に挿入することが可能となる。すなわち、雄スプラインシャフトを、雌スプラインシャフトの中空筒部に嵌め込んだインサートリングに挿入する際に、雄スプラインシャフトの中心とインサートリングの中心の間に径方向の位置ずれがある状態であっても、雄スプラインシャフトが、インサートリングの内周の歯先支持面の円弧状の膨らみに沿って径方向内側に案内されるので、円滑に、雄スプラインシャフトをインサートリングに挿入することが可能となる。また、インサートリングの内周の歯先支持面に対するスプライン歯の歯先面の摺接部分の軸方向長さを、特に短く抑えることができるので、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトとの間の摺動抵抗をきわめて効果的に小さく抑えることが可能である。
また、前記インサートリングの外周と前記リング嵌合凹部の内周との間に締め代が設けられている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、インサートリングの径方向の中心を、リング嵌合凹部の径方向の中心に、高い寸法精度で一致させることができる。このため、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトとの間の芯ずれを効果的に防ぐことが可能になる。
また、前記リング嵌合凹部に、前記インサートリングの軸方向の移動を規制する止め輪が装着されている構成を採用することができる。
このようにすると、インサートリングを、リング嵌合凹部に確実に保持することが可能になる。
また、前記インサートリングの外周に、前記インサートリングの外周を前記リング嵌合凹部の内周に接着して固定する接着剤が設けられている構成を採用することができる。
このようにすると、インサートリングを、リング嵌合凹部に確実に保持することが可能になる。
また、前記インサートリングの軸方向端部が、前記リング嵌合凹部の内周に溶接されている構成を採用することができる。
このようにすると、インサートリングを、リング嵌合凹部に確実に保持することが可能になる。
また、前記インサートリングは、前記歯先支持面に焼入れを施した鋼製の部材を採用すると好ましい。
このようにすると、インサートリングの内周の歯先支持面と雄スプラインシャフトのスプライン歯とが繰り返し摺動するときにも、インサートリングの歯先支持面の耐摩耗性を確保することが可能となる。
また、この発明では、上記回転伝達用スライドスプラインシャフトを用いた等速自在継手ユニットとして、以下の構成のものを併せて提供する。すなわち、第1等速自在継手と、第2等速自在継手と、前記第1等速自在継手と前記第2等速自在継手との間をつなぐこの発明の回転伝達用スライドスプラインシャフトと、を備える等速自在継手ユニットであって、前記第1等速自在継手は、前記雌スプラインシャフトに固定され、軸方向に延びる複数の第1内側トラック溝と凸球面とを外周に有する第1内輪部材と、前記凸球面と径方向に対向する凹球面と軸方向に延びる複数の第1外側トラック溝とを内周に有する第1外輪部材と、前記第1内側トラック溝と前記第1外側トラック溝のそれぞれの内面に転がり接触するように配置される複数の第1ボールと、前記複数の第1ボールを収容するポケットをもち、前記凸球面と前記凹球面とで摺動可能に支持される環状の第1ケージと、を有し、前記第2等速自在継手は、前記雄スプラインシャフトに固定され、軸方向に延びる複数の第2内側トラック溝と凸球面とを外周に有する第2内輪部材と、前記凸球面と径方向に対向する凹球面と軸方向に延びる複数の第2外側トラック溝とを内周に有する第2外輪部材と、前記第2内側トラック溝と前記第2外側トラック溝のそれぞれの内面に転がり接触するように配置される複数の第2ボールと、前記複数の第2ボールを収容するポケットをもち、前記凸球面と前記凹球面とで摺動可能に支持される環状の第2ケージと、を有する等速自在継手ユニットを提供する。
この等速自在継手ユニットは、高速回転の条件で使用しても振動や騒音が生じにくく、かつ、低コストである。
この発明の回転伝達用スライドスプラインシャフトは、インサートリングの内周の環状の歯先支持面が、雄スプラインシャフトのスプライン歯の歯先面を支持するので、低コストに、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトとの間での芯ずれや折れ曲がりを防ぐことが可能である。すなわち、歯先支持面は、雌スプラインシャフトとは別体に設けたインサートリングの内周の環状面なので、寸法精度を厳密に管理することが容易であり、歯先支持面と歯先面との距離を小さくすることができる。このような歯先支持面によって歯先面を支持するため、低コストに、雌スプラインシャフトと雄スプラインシャフトとの間での芯ずれや折れ曲がりを防ぐことが可能である。したがって、回転伝達用スライドスプラインシャフトは、高速回転の条件で使用しても振動や騒音が生じにくく、かつ、コストの低いものとすることができる。
図1に、この発明の実施形態の回転伝達用スライドスプラインシャフト1(以下、単に「スライドスプラインシャフト1」という)を用いた等速自在継手ユニットを示す。この等速自在継手ユニットは、駆動軸に接続される第1等速自在継手2と、従動軸に接続される第2等速自在継手3と、第1等速自在継手2と第2等速自在継手3の間をつなぐスライドスプラインシャフト1とを有する。
スライドスプラインシャフト1は、互いに軸方向にスライド可能にスプライン嵌合する雄スプラインシャフト4および雌スプラインシャフト5を有する。雄スプラインシャフト4には、第2等速自在継手3が取り付けられ、雌スプラインシャフト5には、第1等速自在継手2が取り付けられている。
第1等速自在継手2と第2等速自在継手3は、同一構成である。そのため、以下、第2等速自在継手3の構成のみを説明し、第1等速自在継手2の構成については、第2等速自在継手3と対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
以下の説明において、雌スプラインシャフト5および雄スプラインシャフト4の軸線と平行な方向を「軸方向」という。また、その軸線に直交する方向を「径方向」という。また、その軸線を中心とした円周方向を「周方向」という。
図2に示すように、第2等速自在継手3は、内輪部材6と外輪部材7とボール8とケージ9とを有する。内輪部材6の軸心を貫通して形成されたスプライン穴10に、雄スプラインシャフト4の端部に形成されたスプライン軸部11が嵌合し、その嵌合によって、内輪部材6が雄スプラインシャフト4に回り止めされている。また、雄スプラインシャフト4の端部の外周に装着した止め輪12によって、内輪部材6の雄スプラインシャフト4に対する軸方向移動が規制されている。内輪部材6は、スプライン穴10と止め輪12によって雄スプラインシャフト4に固定されている。
内輪部材6の外周には、凸球面13と、内側トラック溝14とが形成されている。凸球面13は、内輪部材6の中心線上に中心をもつ球形状の凸面である。内側トラック溝14は、内輪部材6の外周を軸方向に延びる溝である。内側トラック溝14は、内輪部材6の外周に、周方向に間隔をおいて複数形成されている。
外輪部材7の内周には、凸球面13と径方向に対向する凹球面15と、外側トラック溝16とが形成されている。凹球面15は、外輪部材7の中心線上に中心をもつ球形状の凹面である。外側トラック溝16は、外輪部材7の内周を軸方向に延びる溝である。外側トラック溝16は、外輪部材7の内周に、周方向に間隔をおいて複数形成されている。外輪部材7の外周にはフランジ17が固定して設けられている。フランジ17には、フランジハブ18がボルト19で着脱可能に固定されている。フランジハブ18は、図示しない駆動軸または従動軸が挿入される軸挿入穴20を有する。
内側トラック溝14および外側トラック溝16は、周方向に傾斜せずに軸方向に延びる溝を採用してもよいが、周方向に傾斜して軸方向に延びる溝を採用することも可能である。すなわち、内側トラック溝14として、周方向の一方に傾斜して軸方向に延びる溝を採用し、外側トラック溝16として、内側トラック溝14と交差するように周方向の他方に傾斜して軸方向に延びる溝を採用したクロスグルーブの構造を採用することも可能である。
ボール8は、周方向に間隔をおいて複数配置されている。各ボール8は、内側トラック溝14と外側トラック溝16の間に組み込まれている。各ボール8は、内側トラック溝14の内面と外側トラック溝16の内面とに同時に転がり接触している。
ケージ9は、外輪部材7の内周の凹球面15と、内輪部材6の外周の凸球面13との間に摺動可能に挟まれた環状部材である。ケージ9には、周方向に間隔をおいて各ボール8を収容するポケット21が複数形成されている。ポケット21は、ケージ9を径方向に貫通して形成された穴である。ポケット21は、ボール8とケージ9が周方向と軸方向の両方向に一体に移動するように各ボール8を保持している。
外輪部材7と雄スプラインシャフト4の間には、ブーツ22が装着されている。ブーツ22の内部には、第2等速自在継手3を潤滑するグリースが封入されている。ブーツ22は、外輪部材7と雄スプラインシャフト4の角度変位を許容するようにゴムまたはエラストマーで形成されている。ブーツ22の一端は、外輪部材7の外周にブーツバンド23で締め付けて固定され、ブーツ22の他端は、雄スプラインシャフト4の外周にブーツバンド24で締め付けて固定されている。雄スプラインシャフト4の外周には、ブーツバンド24の位置にブーツ溝25が形成されている。
この第2等速自在継手3は、内輪部材6と外輪部材7の間の角度変位は許容するが、内輪部材6と外輪部材7の間の軸方向のスライド運動は規制する固定式の等速自在継手である。同様に、第1等速自在継手2も、内輪部材6と外輪部材7の間の角度変位は許容するが、内輪部材6と外輪部材7の間の軸方向のスライド運動は規制する固定式の等速自在継手である。
図1に示すように、雌スプラインシャフト5は、中空筒部26と、中空筒部26の一端に固定された中実のスタブシャフト27とを有する。中空筒部26は、両端が開口するスリーブ28と、スリーブ28の端部に同軸に接続された鋼管29とで構成されている。鋼管29は、スリーブ28よりも薄い肉厚をもつ円筒状の部材である。スタブシャフト27は、鋼管29の端部に接続するフランジ部30と、第1等速自在継手2の内輪部材6のスプライン穴10にスプライン嵌合するスプライン軸部11とを有する。フランジ部30は、鋼管29の端部に溶接して固定されている。ここで、中空筒部26は軸方向の一端が開口し、軸方向の他端がスタブシャフト27で閉じた状態となっている。中空筒部26には、中空筒部26の一端の開口を通じて雄スプラインシャフト4が挿入されている。中空筒部26の開口端には、中空筒部26の内部に潤滑剤(グリースやオイルなど)を密封するシール部材31が装着されている。
図3に示すように、スリーブ28と鋼管29は、スリーブ28の端部に形成された円筒状の嵌合外周面33を、鋼管29の端部に形成された円筒状の嵌合内周面32に嵌合させ、その状態でスリーブ28と鋼管29を互いに溶接することで接続されている。
スリーブ28の内周には、軸方向に延びるスプライン溝34が形成されている。また、スリーブ28の内周には、スプライン溝34から軸方向の一方にずれた位置と、スプライン溝34から軸方向の他方にずれた位置との2箇所にリング嵌合凹部35が形成されている。2箇所のリング嵌合凹部35には、それぞれインサートリング36が嵌め込まれている。雄スプラインシャフト4の外周には、軸方向に延びる複数のスプライン歯37が形成されている。
図4に示すように、スプライン溝34は、スリーブ28の内周に周方向に間隔をおいて複数形成されている。スプライン歯37は、雄スプラインシャフト4の外周に周方向に間隔をおいて複数形成されている。各スプライン歯37は、各スプライン溝34に軸方向に摺動可能に嵌合している。
図5に示すように、各スプライン溝34は、スプライン歯37の径方向外端の歯先面38と径方向に対向する溝底39と、スプライン歯37の歯面40(歯の周方向側面)と周方向に対向する溝側面41とを有する。スプライン溝34は、溝側面41の輪郭がインボリュート曲線の形状を呈するインボリュートスプライン溝である。スリーブ28の内周の隣り合うスプライン溝34の間の部分42は、円筒状の面となっている。スプライン溝34は、内周が円筒面のスリーブ28の素材の内周に、ブローチ加工等の切削加工を施すことで形成されている。
スプライン歯37は、スプライン歯37の径方向外端の歯先面38と、スプライン歯37の周方向両側の歯面40とを有する。スプライン歯37は、歯面40の輪郭がインボリュート曲線の形状を呈するインボリュートスプライン歯である。スプライン歯37の歯先面38は、円筒面となっている。スプライン歯37は、外周が円筒面の雄スプラインシャフト4の素材の外周に、ホブ切り加工等の切削加工を施し、隣り合うスプライン歯37の間の歯溝に相当する部分を除去することで形成されている。
ここで、スプライン歯37の歯先面38とスプライン溝34の溝底39との間には、径方向の隙間が形成されている。また、隣り合うスプライン歯37の歯面40の径方向内端同士をつなぐ歯底43と、隣り合うスプライン溝34の間の円筒状の面の部分42との間にも、径方向の隙間が形成されている。また、スプライン歯37の歯面40とスプライン溝34の溝側面41の間には、周方向の隙間が形成されている。
スリーブ28は、鋼製である。スリーブ28を構成する鋼材としては、軸受鋼、浸炭鋼、炭素鋼のいずれかを使用することができる。スリーブ28の内周のうち、少なくとも、図6に示すスプライン溝34を形成した部分44には、高周波焼入れおよび焼戻しが施されている。高周波焼入れにかえて、ずぶ焼入れまたは浸炭焼入れを採用することも可能である。
図3に示すように、2箇所のリング嵌合凹部35は、それぞれ、インサートリング36をスリーブ28の軸方向外側から挿入することができるように、スリーブ28の軸方向両端に開放している。すなわち、軸方向の外側から見て、リング嵌合凹部35を遮る部位(リング嵌合凹部35の内周面よりも径方向内側に突出する部位)が無いようにリング嵌合凹部35が形成されている。2箇所のリング嵌合凹部35の内周は、それぞれインサートリング36の外周に嵌合する円筒面とされている。インサートリング36の外周とリング嵌合凹部35の内周との間には、締め代が設けられている。すなわち、インサートリング36をリング嵌合凹部35に挿入する前の状態において、インサートリング36の外径d2はリング嵌合凹部35の内径D3よりも大きい。そして、インサートリング36は、圧入や焼き嵌め等の方法によってリング嵌合凹部35に締め代をもって挿入されている。
リング嵌合凹部35の内面には、各インサートリング36のスプライン溝34から遠い側の端面に対応する位置に、止め輪溝45が形成されている。止め輪溝45には、止め輪46が装着されている。止め輪46としては、円周の一部を切り離したC形状のサークリップを使用することができる。止め輪46は、インサートリング36の端面を係止することで、インサートリング36のスプライン溝34から遠ざかる方向の軸方向移動を規制している。また、リング嵌合凹部35とスプライン溝34の間には、リング嵌合凹部35の側からスプライン溝34の側に向かって小径となる段部47が形成されている。段部47は、インサートリング36のスプライン溝34に近づく方向の軸方向移動を規制している。
図5に示すように、インサートリング36は、スプライン歯37の歯先面38を軸方向に摺動可能に支持する環状の歯先支持面48を内周に有する。歯先支持面48は、軸方向に見た形状が、全周にわたって途切れずに連続する円形の内周面である。歯先支持面48の径は、スプライン溝34の溝底径D2(スプライン溝34の溝底39の最も深い部分を共通して通る仮想円の径)よりも小径である。歯先支持面48の径d1は、スプライン歯37の歯先径D1(スプライン歯37の歯先面38の径)よりも大径である。歯先支持面48の径d1とスプライン歯37の歯先径D1との差は、スプライン溝34の溝底径D2とスプライン歯37の歯先径D1との差よりも小さい。リング嵌合凹部35の内周面の内径D3は、スプライン溝34の溝底径D2よりも大径である。
図3に示すように、歯先支持面48は、軸方向に沿って一定の内径をもつ円筒状のストレート面である。歯先支持面48の歯先面38に対する摺接部分の軸方向長さ(ここでは、スリーブ28の両端の2箇所のインサートリング36の歯先支持面48の軸方向長さl1、l2の合計)は、スプライン溝34の軸方向長さLよりも短く設定されている。図7に示すように、インサートリング36の内周には、歯先支持面48から軸方向に遠ざかるにつれて径方向外側に傾斜するテーパ面49が形成されている。
インサートリング36は、鋼製である。インサートリング36を構成する鋼材としては、軸受鋼、浸炭鋼、炭素鋼のいずれかを使用することができる。インサートリング36の内周のうち、少なくとも、図7に示す歯先支持面48の部分50には、高周波焼入れおよび焼戻しが施されている。高周波焼入れにかえて、ずぶ焼入れまたは浸炭焼入れを採用することも可能である。
このスライドスプラインシャフト1は、インサートリング36の内周の環状の歯先支持面48が、雄スプラインシャフト4のスプライン歯37の歯先面38を支持するので、低コストに、雌スプラインシャフト5と雄スプラインシャフト4との間での芯ずれや折れ曲がりを防ぐことが可能である。すなわち、歯先支持面48は、雌スプラインシャフト5とは別体に設けたインサートリング36の内周の環状面なので、寸法精度を厳密に管理することが容易であり、歯先支持面48と歯先面38との距離を小さくすることができる。このような歯先支持面48によって歯先面38を支持するため、低コストに、雌スプラインシャフト5と雄スプラインシャフト4との間での芯ずれや折れ曲がりを防ぐことが可能である。したがって、スライドスプラインシャフト1およびこのスライドスプラインシャフト1を用いた等速自在継手ユニットは、高速回転の条件で使用しても振動や騒音が生じにくく、かつ、コストの低いものとすることができる。
また、このスライドスプラインシャフト1は、雌スプラインシャフト5のスプライン溝34を間に挟んで軸方向に離れた2箇所の位置で、各インサートリング36の歯先支持面48が雄スプラインシャフト4の歯先面38を支持するため、雌スプラインシャフト5と雄スプラインシャフト4の折れ曲がりを効果的に防ぐことが可能となっている。
また、このスライドスプラインシャフト1は、歯先支持面48として、スプライン溝34の溝底径D2よりも小径の環状面を採用しているので、スプライン歯37の歯先面38とスプライン溝34の溝底39との間に径方向の隙間が確保され、スプライン溝34とスプライン歯37の間にグリースやオイル等の潤滑剤が入り込みやすくなっている。そのため、スプライン溝34やスプライン歯37に異常摩耗が生じるのを効果的に防ぐことが可能である。
また、このスライドスプラインシャフト1は、歯先支持面48の歯先面38に対する摺接部分の軸方向長さが、スプライン溝34の軸方向長さよりも短いので、雌スプラインシャフト5のスプライン溝34と、雄スプラインシャフト4のスプライン歯37とを、スプライン歯37の歯先面38とスプライン溝34の溝底39とが嵌合部分の全長で面接触するような大径合わせの方式で嵌合させたものに比べて、スプライン歯37の歯先面38の接触面積を抑えることが可能となっている。そのため、雌スプラインシャフト5と雄スプラインシャフト4との間の摺動抵抗が小さい。
また、このスライドスプラインシャフト1は、歯先支持面48から軸方向に遠ざかるにつれて径方向外側に傾斜するテーパ面49をインサートリング36の内周に形成しているので、スライドスプラインシャフト1を組み立てるに際し、雄スプラインシャフト4を、雌スプラインシャフト5の中空筒部26に嵌め込んだインサートリング36に、円滑に挿入することが可能となっている。すなわち、雄スプラインシャフト4を、雌スプラインシャフト5の中空筒部26に嵌め込んだインサートリング36に挿入する際に、雄スプラインシャフト4の中心とインサートリング36の中心の間に径方向の位置ずれがある状態であっても、インサートリング36の内周のテーパ面49が、雄スプラインシャフト4を径方向内側に案内するので、円滑に、雄スプラインシャフト4をインサートリング36に挿入することが可能である。
また、このスライドスプラインシャフト1は、インサートリング36の外周とリング嵌合凹部35の内周との間に締め代を設けているので、インサートリング36の径方向の中心を、リング嵌合凹部35の径方向の中心に、高い寸法精度で一致させることが可能である。このため、雌スプラインシャフト5と雄スプラインシャフト4との間の芯ずれを効果的に防ぐことが可能となっている。
また、このスライドスプラインシャフト1は、インサートリング36の軸方向の移動を規制する止め輪46を装着しているので、インサートリング36に大きな温度変化や激しい振動が加わる過酷な環境で使用されたときにも、インサートリング36をリング嵌合凹部35に確実に保持することが可能となっている。
また、このスライドスプラインシャフト1は、インサートリング36として、歯先支持面48に焼入れを施した鋼製の部材を採用しているので、インサートリング36の内周の歯先支持面48と雄スプラインシャフト4のスプライン歯37とが繰り返し摺動するときにも、インサートリング36の歯先支持面48の耐摩耗性を確保することが可能となっている。
図8に示すように、インサートリング36の内周の歯先支持面48は、軸方向に沿った断面において、径方向内側に向かって膨らむ円弧状の面とすることも可能である。図8において、歯先支持面48は、軸方向に沿った断面において、軸直角平面を基準にして対称な弧状の面である。インサートリング36の内周のうち、少なくとも、図8に示す歯先支持面48の円弧の頂点に対応する位置を含む部分51には、高周波焼入れおよび焼戻しが施されている。高周波焼入れにかえて、ずぶ焼入れまたは浸炭焼入れを採用することも可能である。
図8に示すように、軸方向に沿った断面において円弧状の歯先支持面48を採用すると、スライドスプラインシャフト1を組み立てるに際し、雄スプラインシャフト4を、雌スプラインシャフト5の中空筒部26に嵌め込んだインサートリング36に、円滑に挿入することが可能となる。すなわち、雄スプラインシャフト4を、雌スプラインシャフト5の中空筒部26に嵌め込んだインサートリング36に挿入する際に、雄スプラインシャフト4の中心とインサートリング36の中心の間に径方向の位置ずれがある状態であっても、雄スプラインシャフト4が、インサートリング36の内周の歯先支持面48の円弧状の膨らみに沿って径方向内側に案内されるので、円滑に、雄スプラインシャフト4をインサートリング36に挿入することが可能となる。また、インサートリング36の内周の歯先支持面48に対するスプライン歯37の歯先面38の摺接部分の軸方向長さを、特に短く抑えることができるので、雌スプラインシャフト5と雄スプラインシャフト4との間の摺動抵抗をきわめて効果的に小さく抑えることが可能である。
図7では、インサートリング36をリング嵌合凹部35に組み込むときのインサートリング36の向きの区別を不要とするため、インサートリング36を対称形状とし、歯先支持面48の両側にテーパ面49を設けているが、図9に示すように、歯先支持面48の片側にのみ、歯先支持面48から軸方向に遠ざかるにつれて径方向外側に傾斜するテーパ面49を設けることも可能である。このようにすると、インサートリング36の全長に対するテーパ面49の軸方向長さを大きくとることができるので、テーパ面49の傾斜角θを小さくすることが可能となり、雄スプラインシャフト4をインサートリング36に挿入する作業がより円滑なものとなる。図9において、テーパ面49の傾斜角θは、30度以下(好ましくは15度以下)となっている。また、図9において、インサートリング36の内周のうち、少なくとも、歯先支持面48の部分53には、高周波焼入れおよび焼戻しが施されている。高周波焼入れにかえて、ずぶ焼入れまたは浸炭焼入れを採用することも可能である。
図10、図11に示すように、インサートリング36の外周に、インサートリング36の外周を前記リング嵌合凹部35の内周に接着して固定する接着剤55が設けられている構成を採用してもよい。接着剤55は、インサートリング36の外周とリング嵌合凹部35の内周との間に入り込み、インサートリング36の外周をリング嵌合凹部35の内周に接着し、固定している。さらに、インサートリング36の外周およびリング嵌合凹部35の内周には、加工時の僅かな誤差等によって複数の極小凹部が形成されうる。このため、インサートリング36がリング嵌合凹部35の内周に締め代をもって嵌め込まれている場合でも、接着剤55はこの複数の極小凹部に入り込み、インサートリング36の外周をリング嵌合凹部35の内周に接着し、固定する。このようにすると、インサートリング36に大きな温度変化や激しい振動が加わる過酷な環境で使用されたときにも、インサートリング36をリング嵌合凹部35に確実に保持することが可能である。
また、図12に示すように、インサートリング36の軸方向端部が、リング嵌合凹部35の内周に溶接されている構成を採用することができる。インサートリング36は、リング嵌合凹部35の内周に締め代をもって嵌め込まれている。このようにしても、インサートリング36に大きな温度変化や激しい振動が加わる過酷な環境で使用されたときにも、インサートリング36をリング嵌合凹部35に確実に保持することが可能となる。
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
上記実施形態では、図1に示すように、リング嵌合凹部35は、スプライン溝34から軸方向の一方にずれた位置と、他方にずれた位置との2箇所に形成され、その2箇所のリング嵌合凹部35のそれぞれにインサートリング36が取り付けられているものとしたが、リング嵌合凹部35は、スプライン溝34から軸方向の一方にずれた位置の一か所に形成され、その一か所のリング嵌合凹部35にインサートリング36が設けられている構成を採用することもできる。
1 スライドスプラインシャフト
2 第1等速自在継手
3 第2等速自在継手
4 雄スプラインシャフト
5 雌スプラインシャフト
6 内輪部材
7 外輪部材
8 ボール
9 ケージ
13 凸球面
14 内側トラック溝
15 凹球面
16 外側トラック溝
21 ポケット
22 ブーツ
26 中空筒部
34 スプライン溝
35 リング嵌合凹部
36 インサートリング
37 スプライン歯
38 歯先面
46 止め輪
48 歯先支持面
49 テーパ面
55 接着剤
D2 溝底径
L スプライン溝の軸方向長さ
l1 歯先支持面の軸方向長さ
l2 歯先支持面の軸方向長さ
2 第1等速自在継手
3 第2等速自在継手
4 雄スプラインシャフト
5 雌スプラインシャフト
6 内輪部材
7 外輪部材
8 ボール
9 ケージ
13 凸球面
14 内側トラック溝
15 凹球面
16 外側トラック溝
21 ポケット
22 ブーツ
26 中空筒部
34 スプライン溝
35 リング嵌合凹部
36 インサートリング
37 スプライン歯
38 歯先面
46 止め輪
48 歯先支持面
49 テーパ面
55 接着剤
D2 溝底径
L スプライン溝の軸方向長さ
l1 歯先支持面の軸方向長さ
l2 歯先支持面の軸方向長さ
Claims (12)
- 軸方向の一端が開口する中空筒部(26)をもち、前記中空筒部(26)の内周に、軸方向に延びる複数のスプライン溝(34)が周方向に間隔をおいて形成された雌スプラインシャフト(5)と、
前記複数のスプライン溝(34)に軸方向に摺動可能に嵌合する複数のスプライン歯(37)が周方向に間隔をおいて外周に形成され、前記スプライン歯(37)の径方向外端の歯先面(38)が円筒状の面である雄スプラインシャフト(4)と、
前記中空筒部(26)の内周の、前記スプライン溝(34)から軸方向にずれた位置に形成された環状のリング嵌合凹部(35)に嵌め込まれ、前記スプライン歯(37)の前記歯先面(38)を軸方向に摺動可能に支持する環状の歯先支持面(48)を内周にもつインサートリング(36)と、を備える回転伝達用スライドスプラインシャフト。 - 前記リング嵌合凹部(35)は、前記スプライン溝(34)から軸方向の一方にずれた位置と、他方にずれた位置との2箇所に形成され、その2箇所のリング嵌合凹部(35)のそれぞれに前記インサートリング(36)が取り付けられている請求項1に記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記歯先支持面(48)は、前記スプライン溝(34)の溝底径(D2)よりも小径の環状面である請求項1または2に記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記歯先支持面(48)の前記歯先面(38)に対する摺接部分の軸方向長さ(l1+l2)が、前記スプライン溝(34)の軸方向長さ(L)よりも短く設定されている請求項1から3のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記歯先支持面(48)は、軸方向に沿って一定の内径をもつ円筒状のストレート面であり、
前記インサートリング(36)は、前記歯先支持面(48)に軸方向に隣接し、前記歯先支持面(48)から軸方向に遠ざかるにつれて径方向外側に傾斜するテーパ面(49)を内周に有する請求項1から4のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。 - 前記歯先支持面(48)は、軸方向に沿った断面において、径方向内側に向かって膨らむ円弧状の面である請求項1から4のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記インサートリング(36)の外周と前記リング嵌合凹部(35)の内周との間に締め代が設けられている請求項1から6のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記リング嵌合凹部(35)に、前記インサートリング(36)の軸方向の移動を規制する止め輪(46)が装着されている請求項1から7のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記インサートリング(36)の外周に、前記インサートリング(36)の外周を前記リング嵌合凹部(35)の内周に接着して固定する接着剤(55)が設けられている請求項1から7のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記インサートリング(36)の軸方向端部が、前記リング嵌合凹部(35)の内周に溶接されている請求項1から7のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 前記インサートリング(36)は、前記歯先支持面(48)に焼入れを施した鋼製の部材である請求項1から10のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト。
- 第1等速自在継手(2)と、第2等速自在継手(3)と、前記第1等速自在継手(2)と前記第2等速自在継手(3)との間をつなぐ請求項1から11のいずれかに記載の回転伝達用スライドスプラインシャフト(1)と、を備える等速自在継手ユニットであって、
前記第1等速自在継手(2)は、前記雌スプラインシャフト(5)に固定され、軸方向に延びる複数の第1内側トラック溝(14)と凸球面(13)とを外周に有する第1内輪部材(6)と、前記凸球面(13)と径方向に対向する凹球面(15)と軸方向に延びる複数の第1外側トラック溝(16)とを内周に有する第1外輪部材(7)と、前記第1内側トラック溝(14)と前記第1外側トラック溝(16)のそれぞれの内面に転がり接触するように配置される複数の第1ボール(8)と、前記複数の第1ボール(8)を収容するポケット(21)をもち、前記凸球面(13)と前記凹球面(15)とで摺動可能に支持される環状の第1ケージ(9)と、を有し、
前記第2等速自在継手(3)は、前記雄スプラインシャフト(4)に固定され、軸方向に延びる複数の第2内側トラック溝(14)と凸球面(13)とを外周に有する第2内輪部材(6)と、前記凸球面(13)と径方向に対向する凹球面(15)と軸方向に延びる複数の第2外側トラック溝(16)とを内周に有する第2外輪部材(7)と、前記第2内側トラック溝(14)と前記第2外側トラック溝(16)のそれぞれの内面に転がり接触するように配置される複数の第2ボール(8)と、前記複数の第2ボール(8)を収容するポケット(21)をもち、前記凸球面(13)と前記凹球面(15)とで摺動可能に支持される環状の第2ケージ(9)と、を有する等速自在継手ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020042911A JP2021143716A (ja) | 2020-03-12 | 2020-03-12 | 回転伝達用スライドスプラインシャフト、及び等速自在継手ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020042911A JP2021143716A (ja) | 2020-03-12 | 2020-03-12 | 回転伝達用スライドスプラインシャフト、及び等速自在継手ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021143716A true JP2021143716A (ja) | 2021-09-24 |
Family
ID=77766292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020042911A Pending JP2021143716A (ja) | 2020-03-12 | 2020-03-12 | 回転伝達用スライドスプラインシャフト、及び等速自在継手ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021143716A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116198587A (zh) * | 2023-03-20 | 2023-06-02 | 北京福田戴姆勒汽车有限公司 | 转向传动轴和具有其的车辆 |
-
2020
- 2020-03-12 JP JP2020042911A patent/JP2021143716A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116198587A (zh) * | 2023-03-20 | 2023-06-02 | 北京福田戴姆勒汽车有限公司 | 转向传动轴和具有其的车辆 |
CN116198587B (zh) * | 2023-03-20 | 2024-06-11 | 北京福田戴姆勒汽车有限公司 | 转向传动轴和具有其的车辆 |
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