JP2020051542A - ドライブシャフト - Google Patents

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祐一 淺野
Yuichi Asano
祐一 淺野
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Abstract

【課題】中間シャフト(動力伝達シャフト)が破損した際のシャフトの振れ回りを防止することが可能なドライブシャフトを提供する。【解決手段】ブーツを装着した固定式等速自在継手と、ブーツを装着した摺動式等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結する中間シャフトとを備える。中間シャフトの両端部には雄スプライン部が形成される。雄スプライン部は、等速自在継手の内側継手部材の雌スプラインとスプライン嵌合する。ブーツは、一端部が等速自在継手の外側継手部材の開口部に外嵌固定されるとともに、他端部が中間シャフトに外嵌固定されている。中間シャフトの端面に止まり穴を設ける。これによって、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフトの端部の雄スプライン部を中間シャフトの最弱部とした。【選択図】図1

Description

本発明は自動車や各種産業機械において適用される等速自在継手を用いたドライブシャフトに関し、特に車両走行中に破断したときに振れ回りを防止することを可能とした車両用ドライブシャフトに関する。
車両用ドライブシャフトは、デファレンシャルギア(以下、単にデフと呼ぶ場合がある)から駆動輪へ動力を伝達するためのもので、デフと駆動輪の相対変位を許容しながらデフから出力される回転力を等速に駆動輪に伝達することができる。
駆動輪側に固定式等速自在継手が適用され、デフ側に摺動式等速自在継手が適用される。そして、これらの等速自在継手は中間シャフトにて連結されている。固定式等速自在継手には、バーフィールド型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)があり、摺動式等速自在継手には、ダブルオフセット型(DOJ),トリポード型(TJ)、及びクロスグルーブ型(LJ)がある。
図8は、一般的なドライブシャフトを示し、このドライブシャフトは、固定式等速自在継手1と摺動式等速自在継手2とを、動力伝達シャフト(中間シャフト)Sにて連結してなるものである。この図例では、固定式等速自在継手1にバーフィールド型等速自在継手を用い、摺動式等速自在継手2に、トリポード型等速自在継手を用いている。
固定式等速自在継手1は、軸方向に延びる複数のトラック溝3が内径面4に形成された外側継手部材5と、軸方向に延びる複数のトラック溝6が外径面7に円周方向等間隔に形成された内側継手部材8と、外側継手部材5のトラック溝3と内側継手部材8のトラック溝6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール9と、外側継手部材5の内径面4と内側継手部材8の外径面7との間に介在してボール9を保持するケージ10とを備えている。
また、外側継手部材5は、トラック溝3が形成されたカップ部5aと、このカップ部5aの底壁から突設されるステム部5bとからなる。そして、ステム部5bにはスプライン(雄スプライン部)28が設けられている。
摺動式等速自在継手2は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝21を設けると共に各トラック溝21の内側壁に互いに対向するローラ案内面21aを設けた外側継手部材22と、半径方向に突出した3つの脚軸23を備えたトリポード部材24と、前記脚軸23に外嵌する内側ローラ25と、前記トラック溝21に挿入されると共に前記内側ローラ25に外嵌する外側ローラ26とを備えたものである。すなわち、この摺動式等速自在継手2は、外側ローラ26が脚軸23に対して回転自在であると共にローラ案内面21aに沿って移動可能なダブルローラタイプである。また、トリポード部材24はボス27と前記脚軸23とを備える。脚軸23はボス27の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。
また、外側継手部材22は、トラック溝21が形成されたカップ部22aと、このカップ部22aの底壁から突設されるステム部22bとからなる。そして、ステム部22bにはスプライン(雄スプライン部)29が設けられている。
固定式等速自在継手1における内側継手部材8の軸孔(雌スプライン)8aにトルク伝達可能に動力伝達シャフトSの雄スプライン部33をスプライン嵌合させ、摺動式等速自在継手2におけるトリポード部材24の軸孔(雌スプライン)24aにトルク伝達可能に動力伝達シャフトSの雄スプライン部34をスプライン嵌合させている。なお、動力伝達シャフトSの両雄スプライン部33,34の端部は、スナップリング等の止め輪35,35によりそれぞれ抜け止めされている。すなわち、軸端嵌合部の端部に周方向溝36、36が形成され、この周方向溝36、36に止め輪35,35が嵌合している。
動力伝達シャフトSと各外側継手部材5,22との間には、外部からの異物の侵入および内部からのグリースの漏洩を防止するためのブーツ40がそれぞれ装着されている。ブーツ40は、大径端部40aと、小径端部40bと、大径端部40aと小径端部40bとを連結する蛇腹部40cとからなる。ブーツ40の大径端部40aは外側継手部材5,22の開口端でブーツバンド45により締め付け固定され、その小径端部40bは動力伝達シャフトSのブーツ装着部41でブーツバンド46により締め付け固定されている。
また、デフと摺動式等速自在継手2はデフのサイドギヤのスプライン嵌合孔と摺動式等速自在継手2の外側継手部材22のステム部22bのスプライン(雄スプライン部)29とがスプライン嵌合している。
ドライブシャフトは他の部品と比較し、許容強度や寸法を細かく設定しており、車両要求性能に合せて選定すると、駆動系部品の最弱部品になる可能性がある。走行中に万が一ドライブシャフトが破損した場合、シャフトが振れ回ることによって、周辺部品に損傷を与えるような2次的な被害が引き起こされる可能性もあるため、通常、シャフトの振れ回りを発生させない手法が取られる。
そこで、従来では、ドライブシャフトのデフ側等速自在継手の外側継手部材のステム部のデフケース内の位置に最弱部を設ける方法が提案されている(特許文献1)。
特開2012−167793号公報
しかしながら、デフ側のステム部22bがデフケース内で破断した場合、デフ側の等速自在継手22は摺動することができるため、デフケースから抜け落ちる可能性がある。そのため、一般的な手法としては、等速自在継手1、2の内部またはブーツ40内のシャフトSを最弱部にし、万が一その部位が破損しても等速自在継手1、2の外側継手部材5、22とシャフトSがブーツ40によって繋がれているため、シャフトSの振れ回りを防止することができる。
また、作動角が高い場合、等速自在継手1の内部品(内側継手部材8とボール9とケージ10等の組み合わせ体)のケージ10や内側継手部材8が最弱部になる場合が多く、作動角が低い場合、ブーツ40内のシャフトSを最弱にするのが一般的である。
シャフトSの最弱部は、静的または衝撃的な捩り強度の場合、断面係数が最も小さいブーツ40内の最小径部30(図8に示すφA1部)となり、捩り疲労強度の場合、複雑な形状で応力集中しやすいスプライン33となる(図8に示すφB1部)。この場合、最小径部30の径寸法をA1とし、スプライン33の小径をB1としたときに、A1<B1である。
ここで、シャフトは捩り強度を高めるため、C(カーボン)量0.35%〜0.45%の炭素鋼を焼入れして使用することが多いのに対し、等速自在継手の外側継手部材は、トラックとボールまたはトラックとローラの接触部の寿命を確保するため、鋼材を焼入れした際に鋼の最大硬さが得られるように、シャフトよりC量を多くしたC量0.45%〜0.60%の炭素鋼を使用することが多い。
しかしながら、スプラインのような複雑な形状を有する部位は、トルク負荷時に応力が集中しやすく、C量が高くなるほど脆性的に破損し、強度が低下するため、同じ形状であればシャフトのスプライン部よりC量が多い外輪ステム部のスプライン部の方が捩り強度が低い。そのため、外側継手部材5のステム部5bのスプライン28は最弱部にならないようにシャフトSのスプライン径(小径)より大きくするのが一般的である。すなわち、外側継手部材5のステム部5bのスプライン28の小径をC1とし、シャフトSのスプライン33の小径をB1としたときに、B1<C1となる。
車両開発において、使用最大作動角が上がったり、高作動角時の要求強度が上がる場合、ドライブシャフトの等速自在継手のサイズだけ上げ、ドライブシャフトと嵌合するハブベアリングやデフは変更しないということが多い。ここで、シャフトの最弱部設計において、静的または衝撃的な捩り強度についてはシャフトのブーツ内の小径部を調整することで最弱部に設定できる。しかしながら、捩り疲労強度については、等速自在継手のサイズが大きくなることで、スプライン嵌合径が大きくなり、シャフトのスプライン径が大きくなるため、外側継手部材のステム部のスプラインより強度が上がってしまい、シャフトのスプラインを最弱部にできなくなることがある。
この場合、ステム部のスプライン径を上げるか、シャフトのスプライン径を小さくし、シャフトのスプライン部の方を低強度にする必要があるが、ステム部のスプライン径を上げるとそれと嵌合するハブベアリングやデフの設計も見直す必要があり、スプライン径を上げなくても要求強度は十分満足するのにシャフトの最弱部設計を満足させるために大幅な変更が必要になる。
一方、シャフトのスプライン径を小さくする場合、内輪の種類が嵌合径違いで何種類も増えることになり、管理工数が増える問題や、ドライブシャフト組立時に誤って異品を組み込むリスクが増えるという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、ドライブシャフトが破損した際のシャフトの振れ回りを防止する方法として、確実にシャフトを最弱部にすることが可能なドライブシャフトを提供することにある。
本発明の第1のドライブシャフトは、ブーツを装着した固定式等速自在継手と、ブーツを装着した摺動式等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結する中間シャフトとを備え、中間シャフトの両端部には雄スプライン部が形成され、各雄スプライン部は、等速自在継手の内側継手部材の雌スプラインとスプライン嵌合し、各ブーツは、一端部が等速自在継手の外側継手部材の開口部に外嵌固定されるとともに、他端部が中間シャフトに外嵌固定されているドライブシャフトであって、中間シャフトの端面に止まり穴を設け、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフトの端部の雄スプライン部を中間シャフトの最弱部としたものである。
この場合、止まり穴の長さを、中間シャフトの端面から雄スプラン部の全域に至る長さであっても、雄スプラン部の全域に至らない長さであってもよい。
本発明の第2のドライブシャフトは、ブーツを装着した固定式等速自在継手と、ブーツを装着した摺動式等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結する中間シャフトとを備え、中間シャフトの両端部には雄スプライン部が形成され、各雄スプライン部は、等速自在継手の内側継手部材の雌スプラインとスプライン嵌合し、各ブーツは、一端部が等速自在継手の外側継手部材の開口部に外嵌固定されるとともに、他端部が中間シャフトに外嵌固定されているドライブシャフトであって、中間シャフトの端部の雄スプライン部の一部において凹凸歯を有さない部位を設け、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフトの端部の雄スプライン部を中間シャフトの最弱部としたものである。
この場合、凹凸歯を有さない部位は、雄スプライン部の長手方向の一部としたものであってもよい。
本発明の第1及び第2のドライブシャフトによれば、少なくとも捩り疲労強度においては、中間シャフトの端部の雄スプライン部を中間シャフトの最弱部とし、静的または衝撃的な捩り強度においては、中間シャフトの端部の雄スプライン部またはブーツ内の小径部を最弱部としているので、トルク負荷時に最初に破断するのは中間シャフトの雄スプライン部またはブーツ内の小径部である。中間シャフトの雄スプライン部またはブーツ内の小径部が破断した場合、各等速自在継手は、外側継手部材とシャフトとがブーツを介して連結されているので、シャフトの振れ回りを防止することができる。
また、シャフトのスプライン径が大きく、外側継手部材のステム部のスプライン径と同程度であってもシャフトのスプライン部またはシャフトのブーツ内小径部を最弱にすることができる。これにより外側継手部材のステム部のスプライン径を上げる必要が無くなるため、それと嵌合するハブベアリングやデフのスプライン径を上げる必要も無くなり、従来設計のものを流用することができる。
シャフト側でスプラインの強度を調整しているため、等速自在継手の内側継手部材は多くの車両用ドライブシャフトに共通で使用することができる。また、シャフトは車両につき一品一様のため、共通で使用することは殆ど無く、形状を個別に調整しやすい部品であるので、シャフトの雄スプライン部を最弱部にするために特殊な形状とすることに何ら問題が生じない。
シャフトの両端部に部分的に孔を開ける方法は、中空シャフトを適用するよりコストを大幅に抑えることができる。捩れ角が付いたスプライン嵌合において、歯を部分的に減らす方法は、大半のスプラインの嵌合長が変わらないため、円周方向ガタが大きくなる心配が無い。
本発明によれば、シャフトの振れ回りを防止することができ、周辺部品に損傷を与えるような2次的な被害を防止できる。また、外側継手部材のステム部のスプライン径を上げる必要が無くなるため、それと嵌合するハブベアリングやデフのスプライン径を上げる必要も無くなり、従来設計のものを流用することができる。
本発明のドライブシャフトの縦断面図である。 固定式等速自在継手の縦断面図である。 摺動式等速自在継手の縦断面図である。 第1の中間シャフトを示し、(a)は一部を断面で示す固定式等速自在継手側の端部の拡大側面図であり、(b)は固定式等速自在継手側の雄スプライン部の横断面図である。 第2の中間シャフトを示し、(a)は一部を断面で示す固定式等速自在継手側の端部の拡大側面図である。 第3の中間シャフトを示し、(a)は摺動式等速自在継手側のスプラインの側面図であり、(b)は固定式等速自在継手側のスプラインの断面図である。 第4の中間シャフトを示し、(a)は摺動式等速自在継手側のスプラインの側面図であり、(b)は固定式等速自在継手側のスプラインの断面図である。 従来のドライブシャフトの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明に係るドライブシャフトを示し、このドライブシャフトは、固定式等速自在継手51と摺動式等速自在継手52とを、動力伝達シャフト(中間シャフト)50にて連結してなるものである。この図例では、固定式等速自在継手51にバーフィールド型等速自在継手を用い、摺動式等速自在継手52に、トリポード型等速自在継手を用いている。
固定式等速自在継手51は、図2に示すように、軸方向に延びる複数のトラック溝53が内径面54に形成された外側継手部材55と、軸方向に延びる複数のトラック溝56が外径面57に円周方向等間隔に形成された内側継手部材58と、外側継手部材55のトラック溝53と内側継手部材58のトラック溝56との間に介在してトルクを伝達する複数のボール59と、外側継手部材55の内径面54と内側継手部材58の外径面57との間に介在してボール59を保持するケージ60とを備えている。
また、外側継手部材55は、トラック溝53が形成されたカップ部55aと、このカップ部55aの底壁から突設されるステム部55bとからなる。そして、ステム部55bにはスプライン(雄スプライン部)55b1及び雄ねじ55b2が設けられている。雄スプライン部55b1は、周方向に沿って交互に凹部(凹条)68a及び凸部(凸条)68bからなる凹凸歯68にて構成される。
摺動式等速自在継手52は、図3に示すように、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝61を設けると共に各トラック溝61の内側壁に互いに対向するローラ案内面61aを設けた外側継手部材62と、半径方向に突出した3つの脚軸63を備えたトリポード部材64と、前記脚軸63に外嵌する内側ローラ65と、前記トラック溝61に挿入されると共に前記内側ローラ65に外嵌する外側ローラ66とを備えたものである。すなわち、この摺動式等速自在継手52は、外側ローラ66が脚軸63に対して回転自在であると共にローラ案内面61aに沿って移動可能なダブルローラタイプである。また、トリポード部材64はボス67と前記脚軸63とを備える。脚軸63はボス67の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。なお、内側ローラ65と外側ローラ66との間に針状ころ71が介在されている。
また、外側継手部材62は、トラック溝61が形成されたカップ部62aと、このカップ部62aの底壁から突設されるステム部62bとからなる。そして、ステム部62bにはスプライン(雄スプライン部)62b1が設けられている。雄スプライン部62b1は、周方向に沿って交互に凹部(凹条)69a及び凸部(凸条)69bからなる凹凸歯69にて構成される。
中間シャフト50は、図1に示すように、中間部のシャフト本体50aと、このシャフト本体50aの両端側の大径部50b、50bと、シャフト端部の雄スプライン部50c、50cと、大径部50bと雄スプライン部50cとを連結する小径軸部50d、50dとを有する。なお、大径部50bには、周方向凹溝70が設けられている。
図2に示すように、固定式等速自在継手51における内側継手部材58の軸孔(雌スプライン)58aにトルク伝達可能に動力伝達シャフト50の雄スプライン部50cをスプライン嵌合させている。また、図3に示すように、摺動式等速自在継手52におけるトリポード部材64の軸孔(雌スプライン)64aにトルク伝達可能に動力伝達シャフト50の雄スプライン部50cをスプライン嵌合させている。
雄スプライン部50cは、図4に示すうように、周方向に沿って交互に凹部(凹条)71a及び凸部(凸条)71bからなる凹凸歯71にて構成される。なお、動力伝達シャフト50の両雄スプライン部50c,50cの端部は、スナップリング等の止め輪72,72によりそれぞれ抜け止めされている。すなわち、軸端嵌合部の端部に周方向溝73、73が形成され、この周方向溝73、73に止め輪72,72が嵌合している。
動力伝達シャフト50と各外側継手部材55,62との間には、外部からの異物の侵入および内部からのグリースの漏洩を防止するためのブーツ80がそれぞれ装着されている。ブーツ80は、大径端部80aと、小径端部80bと、大径端部80aと小径端部80bとを連結する蛇腹部80cとからなる。ブーツ80の大径端部80aは外側継手部材55,62の開口端でブーツバンド85により締め付け固定され、その小径端部80bは動力伝達シャフト50のブーツ装着部(大径部)50bでブーツバンド86により締め付け固定されている。
この場合、中間シャフト50の小径軸部50dの外径をφAとし、雄スプライン部50cのスプライン径(小径)をφDとし、外側継手部材55のステム部55bの雄スプライン部55b1のスプライン径(小径)をφCとしたときに、φC≒φD>φAとしている。ところで、中間シャフト50は捩り強度を高めるため、C量(0.35〜0.45%)の炭素鋼を用いるのに対し、外側継手部材55はトラック溝53、56とボール59の接触部の寿命を確保するため、鋼材を焼入れした際に鋼の最大硬さが得られるように、中間シャフト50より多いC量(0.45〜0.55%)の炭素鋼を用いているが、スプラインのようにトルク負荷時に応力集中しやすい複雑な形状の部位はC量が高くなるほど脆性的に破損し捩り強度が低下するため、外側継手部材55のステム部55bの雄スプライン部55b1より、C量が少ない中間シャフト50の雄スプライン部50cの方が捩り強度が高く設定されることになる。
そこで、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフト50の端部の雄スプライン部50cを、中間シャフト50の最弱部となるように設定している。すなわち、中間シャフト50の一方の端面50e(固定式等速自在継手51側の端面)に、図4に示すような止まり穴90を設けている。この場合の止まり穴90が、雄スプライン部50cの全長に亘るものである。すなわち、止まり穴90は、その内径面が円筒面とされた穴本体90aと、円錐形状の底部90bとからなり、穴本体90aが雄スプライン部50cの全長に対応するものである。なお、図示省略しているが、中間シャフト50の他方の端面50e(摺動式等速自在継手52側の端面)にも、図4に示すような止まり穴90を設けている。
このように、止まり穴90を設けることによって、中間シャフト50の雄スプライン部50cにかかる応力を高め、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフト50の端部の雄スプライン部50cを、中間シャフト50の最弱部としている。なお、この止まり穴90はドリルを用いた穴開け加工にて形成することができる。
少なくとも捩り疲労強度においては、中間シャフト50の端部の雄スプライン部50cを中間シャフト50の最弱部としているので、トルク負荷時に最初に破断するのはこの最弱部である。この最弱部が破断した場合、各等速自在継手51,52は、外側継手部材55,62とシャフト50とがブーツ80,80を介して連結されているので、シャフト50の振れ回りを防止することができる。
また、シャフト50のスプライン径が大きく、外側継手部材55,62のステム部55b、62bのスプライン径と同程度であっても少なくとも捩り疲労強度はシャフト50の雄スプライン部50c、50cを最弱にすることができる。これにより外側継手部材55,62のステム部55b、62bのスプライン径を上げる必要が無くなる。それと嵌合するハブベアリングやデフのスプライン径を上げる必要も無くなり、従来設計のものを流用することができる。
シャフト側で雄スプライン部50cの強度を調整しているため、等速自在継手51,52の内側継手部材58,64は多くの車両用ドライブシャフトに共通で使用することができる。また、シャフト50は車両につき一品一様のため、共通で使用することは殆ど無く、形状を個別に調整しやすい部品であるので、シャフト50の雄スプライン部50cを最弱部にするために特殊な形状とすることに何ら問題が生じない。
ところで、図2および図3に示すように、ブーツ内部に小径軸部50dを設けることによって、静的または衝撃的な捩り強度については、この小径軸部50dを最弱部とすることができる。このため、このドライブシャフトが破損する場合、等速自在継手51,52の内部またはブーツ80,80の内部の部位が先行して破損することになる。しかしながら、このような部位が破損しても、等速自在継手51,52の外側継手部材55,62とシャフト50とがブーツ80,80によって繋がれているので、シャフト50の振れ回りを防止できる。
ところで、シャフト50の端面に止まり穴90を設ける場合、図4では、雄スプライン部50cの全長に亘るものであったが、図5に示すように、深さが雄スプライン部50cの途中に達する程度のものであってもよい。このような場合であっても、雄スプライン部50cの応力は高くなるので、止まり穴90の内径寸法と長さ寸法とを調整して、この雄スプライン部50cの捩り疲労強度において最弱部とすることができる。
雄スプライン部50cの捩り疲労強度において最弱部とするには、図6(a)(b)に示すように、雄スプライン部50cの凹凸歯の一部を部分的に無くす(減らす)ようにしてもよい。すなわち、図6(a)に示すように、周方向に沿って60°ピッチで、凹凸歯の1つの凸部を省略して、凹凸歯を有さない円弧面91を形成している。
このように、雄スプライン部50cの凹凸歯69の一部を部分的に無くすことによっても、この雄スプライン部50cの残った凹凸歯69にかかる応力を高め、少なくとも雄スプライン部50cの捩り疲労強度において最弱部とすることができる。
また、図7(a)(b)では、長手方向の一部の凹凸歯を部分的に省略し、凹凸歯を有さない円弧面を形成している。このように構成することによっても、雄スプライン部50cの残った凹凸歯にかかる応力を高め、少なくとも雄スプライン部50cの捩り疲労強度において最弱部とすることができる。
このため、図6(a)(b)や図7(a)(b)に示すように、雄スプライン部50cの凹凸歯の一部を部分的に無くすものであっても、中間シャフト50の端面に止まり穴90を設けたものと同様の作用効果を奏する。
ところで、前記実施形態では、中間シャフト50の端面に止まり穴90や、雄スプライン部50cの凹凸歯の一部を部分的に無くすものであっても、中実シャフトを用いることになる。中間シャフト50に中空シャフトを用いることが可能であるが、中空シャフトを用いれば、高コストとなったり、大径化を招くことになる。すなわち、薄い壁厚は局所座屈を生じるおそれがあり、強度的及び剛性に優れた材質を使用する必要が生じ、高コスト化を招き、座屈防止等のために、大径化を図れば、他の部品のレイアウトを困難にするおそれがある。これに対して、前記実施形態のように、中実シャフトを用いれば、同一径の中空シャフトよりも強度的及び剛性に優れたものとなり、低コスト化及び大径化防止を図ることができる。
なお、捩れ角が付いたスプライン嵌合において、凹凸歯を部分的に減らす方法は、大半がスプラインの嵌合長が変わらないため、円周方向ガタが大きくなるのを回避することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、固定式等速自在継手としては、前記実施形態では、バーフィールド型(BJ)であったが、アンダーカットフリー型(UJ)であっても、摺動式等速自在継手として、前記実施形態では、トリポード型(TJ)であったが、他のダブルオフセット型(DOJ)や及びクロスグルーブ型(LJ)であってもよい。また、
トリポード型の場合、トルク伝達部材がシングルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであってもよい。
中間シャフト50の端面に止まり穴90を設ける場合、その内径寸法及び長さ寸法(深さ寸法)を調整することによって、雄スプライン部50cの捩り疲労強度において最弱部とすることができるので、内径寸法及び長さ寸法(深さ寸法)は任意の設定となる。また、止まり穴90として、前記実施形態では、内径面が円筒面とされた穴本体90aと、円錐形状の底部90bとから構成されていたが、円錐形状の底部90bを省略して、内径面が円筒面とされた穴本体90aのみでもって構成してもよい。
また、雄スプライン部の凹凸歯を省略する場合、図6では、周方向に沿って等ピッチで、凸歯を1つ省略していたが、周方向に沿って等ピッチで2個以上の凸歯を省略するものであっても、周方向に沿って不等ピッチで1個乃至2個以上の凸歯を省略するものであってもよい。
50 中間シャフト(動力伝達シャフト)
62 外側継手部材
50c 雄スプライン部
50e 端面
51 固定式等速自在継手
52 摺動式等速自在継手
55,62 外側継手部材
55b1 雄スプライン部
58 内側継手部材
64 トリポード部材
80 ブーツ
90 止まり穴

Claims (5)

  1. ブーツを装着した固定式等速自在継手と、ブーツを装着した摺動式等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結する中間シャフトとを備え、中間シャフトの両端部には雄スプライン部が形成され、各雄スプライン部は、等速自在継手の内側継手部材の雌スプラインとスプライン嵌合し、各ブーツは、一端部が等速自在継手の外側継手部材の開口部に外嵌固定されるとともに、他端部が中間シャフトに外嵌固定されているドライブシャフトであって、
    中間シャフトの端面に止まり穴を設け、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフトの端部の雄スプライン部を中間シャフトの最弱部としたことを特徴とするドライブシャフト。
  2. 止まり穴の長さを、中間シャフトの端面から雄スプラン部の全域に至る長さとしたことを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフト。
  3. 止まり穴の長さを、中間シャフトの端面から雄スプラン部の全域に至らない長さとしたことを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフト。
  4. ブーツを装着した固定式等速自在継手と、ブーツを装着した摺動式等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結する中間シャフトとを備え、中間シャフトの両端部には雄スプライン部が形成され、各雄スプライン部は、等速自在継手の内側継手部材の雌スプラインとスプライン嵌合し、各ブーツは、一端部が等速自在継手の外側継手部材の開口部に外嵌固定されるとともに、他端部が中間シャフトに外嵌固定されているドライブシャフトであって、
    中間シャフトの端部の雄スプライン部の一部において凹凸歯を有さない部位を設け、少なくとも捩り疲労強度において、中間シャフトの端部の雄スプライン部を中間シャフトの最弱部としたことを特徴とするドライブシャフト。
  5. 凹凸歯を有さない部位は、雄スプライン部の長手方向の一部としたことを特徴とする請求項4に記載のドライブシャフト。
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