JP2009144234A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターゲット22の表面22a側であって、リング状磁石33a,33bと中心磁石34a,34bとの間には、磁気回路32a,32bから発生する磁場のうち垂直成分が0となる磁場pがリング状に形成され、各磁気回路32a,32bから発生するリング状の磁場pの短手方向における径をA、隣接する磁気回路32a,32bから発生する磁場p間のX方向における距離をB、磁場pにより生成されるプラズマのエロージョンエリアをγとすると、磁場印加手段26の片道移動距離Lを、L=A+B±γ/2に設定することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このスパッタ装置は、ターゲットの裏面側に複数の磁気回路を配置するとともに、ターゲットの表面側に基板を配置して、前記磁気回路から発生する磁場によってターゲット表面近傍にプラズマを発生させて成膜を行うものである。
ノジュールの発生原理として、まずIn2O3からなるITO膜のターゲットから飛び出した粒子の一部が、ターゲット表面に再付着する。再付着したIn2O3の粒子のうち、スパッタが行われる領域(エロージョンエリア)に付着したIn2O3の粒子のほとんどは再びスパッタされて除去することができるが、非エロージョンエリアに付着したIn2O3の粒子は、スパッタが行われずに残存する。非エロージョンエリアに残存したIn2O3の粒子や、エロージョンエリアでスパッタされずに残存してしまったIn2O3の粒子は、ターゲットの表面近傍で発生しているプラズマによりInOに還元される。InOは、絶縁性でスパッタされにくい組成を有しており、ターゲットの表面に存在するInOがエロージョンエリアに付着してしまうと、付着した箇所ではターゲットの表面がスパッタされず掘れ残ってしまう。この掘れ残った箇所がノジュールと呼ばれるものである。ノジュールが存在する箇所では、ターゲットの表面上においてアーキングやパーティクル等、表面異常の発生の原因となる。
例えば、特許文献1に示すように、ターゲットの裏面に配置された磁気回路をターゲットの裏面と平行に往復運動させるような構成が開示されている。さらに、例えば、特許文献2に示すように、磁気回路によってターゲット表面上に作られるスパッタ能力を持つプラズマ領域が、ターゲットの各部位を通過する時、各部位がプラズマ領域の中に連続して滞在する時間が1秒以上であるように、磁気回路の揺動速度を比較的低速に制御する構成が開示されている。
図10は、従来におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。なお、図10ではターゲットの長手方向に沿った上部のみを示している。また、図10中の半長円は、磁気回路から発生する磁場のうち、基板の表面に対する垂直成分が0(水平成分が最大)となる磁場p’を示している。
図10に示すように、磁気回路の片道移動距離L’が短すぎると、エロージョンエリアQ’が富士額形状となり、ターゲット22の上下部や各磁気回路間に非エロージョンエリアRが凸状に残存する。その結果、非エロージョンエリアRで発生したInOがエロージョンエリアQ’に付着してノジュールが発生し易いという問題がある。これに対して、エロージョンエリアの形状に合わせてターゲット22の形状を調整する構成等も考えられるが、エロージョンエリアQ’が図10に示すような形状の場合には、ターゲット22の形状を最適な形状に形成するには困難を極める。
また、図11に示すように、ターゲット22の上下部22bでは中央部22cに比べ、磁場p’から発生する高密度プラズマ領域が連続して通過するので、高密度プラズマ領域が滞留したものと同様の状態になる。これにより、当該部分のターゲット22が集中的にスパッタされてしまい、ターゲット22の表面の上下部22bと中央部22cとの間でスパッタ速度差が大きくなる。これにより、エロージョンの最深部から最浅部に向かう斜面においてInOが付着してノジュールが発生し易くなる傾向がある。また、ターゲット22が集中的にスパッタされることで、エロージョン断面形状が不均一となり、ターゲット22の使用効率も低下する。
この構成によれば、磁気回路の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、マグネトロンスパッタリング法による成膜時において、エロージョンエリアの上下部が直線状になり、ターゲットの非エロージョンエリアを減少させることができ、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制することができる。また、磁気回路から発生する磁場のうち基板の表面に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマは、最も高密度なプラズマであり、この高密度なプラズマによりターゲットがスパッタされる幅γの軌跡が、ターゲットの中央部で少なくとも2回以上通過することになる。これにより、ターゲットに成膜材料の粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
この構成によれば、磁気回路の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、隣接する磁気回路から発生する磁場のうち、基板の表面に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマの軌跡が3回以上通過することを防止することができる。これにより、ターゲットの表面において過剰なエロージョンを防止することができるため、エロージョンの分布が均一になり、ノジュール等のターゲット表面異常の発生をより抑制することができる。また、ターゲットの使用効率を向上させることができる。
この構成によれば、酸化物系透明導電膜を成膜する場合において、ノジュールの発生を抑制することが可能になり、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
この構成によれば、磁気回路を、第1方向に交差する第2方向に移動可能に構成することで、ターゲットの表面における非エロージョンエリアをより減少させることができる。また、ターゲットの上下部における高密度プラズマ領域の滞留を緩和することが可能になり、ターゲット上下部と中央部との間でスパッタ速度差を低減することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制することができる。また、ターゲットの使用効率を向上させることができる。
この構成によれば、磁気回路の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、マグネトロンスパッタリング法による成膜時において、エロージョンエリアの上下部が直線状になり、ターゲットの非エロージョンエリアを減少させることができ、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制することができる。また、磁気回路から発生する磁場のうち基板の表面に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマは、最も高密度なプラズマであり、この高密度なプラズマによりターゲットがスパッタされる幅γの軌跡が、ターゲットの中央部で少なくとも2回以上通過することになる。これにより、ターゲットに成膜材料の粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
(マグネトロンスパッタ装置)
図1は、本実施形態におけるマグネトロンスパッタ装置(成膜装置)の概略構成図(平面図)である。
図1に示すように、マグネトロンスパッタ装置(以下、スパッタ装置という)10は、インライン式のスパッタ装置10であって、基板Wの仕込み室11と、基板Wに対する成膜室12と、成膜された基板Wを取り出す取出し室13を備えている。仕込み室11及び取出し室13には、ロータリーポンプなどの粗引き排気手段41,43が接続され、成膜室12には、ターボ分子ポンプなどの高真空排気手段42が接続されている。本実施形態のスパッタ装置10では、基板Wを縦型に支持して仕込み室11に搬入し、粗引き排気手段41で仕込み室11を排気する。次に、高真空排気手段42で高真空排気した成膜室12に基板Wを搬送し、成膜処理を行う。成膜後の基板Wは、粗引き排気手段43により排気された取出し室13を介して外部に搬出するように構成されている。
図2に示すように、成膜室12内の幅方向における一方の壁面37側に、図示しない基板保持手段により保持された基板Wが縦型に配置されている。また、他方の壁面39側に、基板Wの表面W1と略平行にスパッタカソード機構20が縦型に配置されている。
ターゲット22は、平面視矩形状のものであり、その短手方向(X方向)を基板Wの搬送方向(長辺方向)に一致させて配置されている。またターゲット22は、その表面22aと基板Wの表面W1との間に所定の間隔を空けて対向配置されている。
ターゲット22の形成材料としては、酸化物系透明導電膜であるITO膜の成膜材料を含んでいることが好ましく、例えばIn2O3のみでもよく、In2O3に所定材料を添加したものでもよい。また、ZnO系膜、SnO2系膜からなる透明導電膜を形成するため、ターゲット22をZnOまたはSnO2に所定材料を添加したもので構成してもよい。
図3は磁場印加手段の平面図である。
図2,3に示すように、成膜室12の外方であって、バッキングプレート30の裏面側には磁場印加手段26が配置されている。磁場印加手段26は、ターゲット22の表面22a側に向けて磁場を印加するものであり、複数の磁気回路32a,32bと、各磁気回路32a,32bを連結する連結部材27とを備えている。
ヨーク36a,36bの表面には、永久磁石からなるリング状磁石33a,33bと、このリング状磁石33a,33bの内側に所定間隔を空けて配置された永久磁石からなる中心磁石34a,34bとが配置されている。リング状磁石33a,33bは、平面視長円形状のものであり、その短軸方向(X方向:第1方向)が基板Wの搬送方向に一致するように配置されている。中心磁石34a,34bは、棒状のものであり、リング状磁石33a,33bの短軸方向の中央部において、その長手方向がリング状磁石33a,33bの長軸方向に一致するように配置されている。
次に、本実施形態のスパッタ装置による成膜方法について説明する。
まず、図1に示すように、ガス供給手段44から成膜室12にスパッタガスを供給し、外部電源からバッキングプレート30を介してターゲット22にスパッタ電圧を印加する。すると、成膜室12内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、ターゲット22に衝突してITO膜の成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子を基板Wに付着させることにより、基板Wの表面W1にITO膜が形成される。本実施形態のように、インライン式のスパッタ装置10では、基板保持手段に保持された基板Wがターゲット22に対して相体移動するので、基板Wの表面W1全体に成膜を行うことができる。また、複数の基板Wを連続して長辺方向(第1方向:図2中矢印F)に移動させることにより、複数の基板Wに対して連続的に成膜を行うことができる。
しかしながら、従来の成膜方法にあっては、図10に示すように、磁気回路の片道移動距離L’が短すぎると、エロージョンエリアが富士額形状となり、ターゲット22の長手方向における上下部や各磁気回路間の対向位置に非エロージョンエリアRが凸状に残存する。その結果、非エロージョンエリアRで発生したInOがエロージョンエリアQ’に付着してノジュールが発生し易いという問題がある。
また、図11に示すように、ターゲット22の上下部22bでは中央部22cに比べ、磁場p’から発生する高密度プラズマ領域が連続して通過するので、高密度プラズマ領域が滞留したものと同様の状態になる。これにより、当該部分のターゲット22が集中的にスパッタされてしまい、ターゲット22の表面の上下部22bと中央部22cとの間でスパッタ速度差が大きくなる。これにより、エロージョンの最深部から最浅部に向かう斜面においてInOが残存してノジュールが発生し易くなる傾向がある。また、ターゲット22が集中的にスパッタされることで、エロージョン断面形状が不均一となり、ターゲット22の使用効率も低下する。
このように、ノジュールが発生すると、この部分においてアーキングやパーティクルが発生し、基板Wに形成される薄膜の膜特性が劣化するという問題がある。
図4に示すように、磁場pまたはエロージョンエリアγの軌跡が通過した領域がスパッタされる。この時、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、ターゲット22の表面22aにおいて、磁場pが少なくとも1回以上(X方向両端部では1回、中央部では2回)通過することになる。具体的には、磁場pが2回通過した領域及び磁場pが1回通過し、かつエロージョンエリアγが2回通過した領域では、深さD1までスパッタされる。また、磁場pが1回通過した領域では深さD2までスパッタされる(D2<D1)。
ここで、磁場印加手段の片道移動距離を変更した場合のターゲットのエロージョン形状のシミュレーションを行った。本試験では、まず図2に示すように、バッキングプレート30に短手方向の幅が300mmのITO膜のターゲット22を取り付け、成膜室12及び仕込み室11、取り出し室13内の真空排気を行った。そして、成膜室12(図1参照)内にArガスを5mTorr導入し、磁場印加手段を揺動させながら直流電源を用いて電力密度が4W/m2の電圧を印加して成膜を行った。
<条件1>
磁気回路の個数:2個
各磁気回路から発生するリング状の磁場の短軸方向の径A=55mm
隣接する磁気回路から発生する磁場間の距離B=50mm
磁場印加手段の片道移動距離L=100mm(L=A+B±γ/2(γ/2=20mmを満たす条件)
<条件2>
磁気回路の個数:2個
各磁気回路から発生するリング状の磁場の短軸方向の径A=55mm
隣接する磁気回路から発生する磁場間の距離B=50mm
磁場印加手段の片道移動距離L’=50mm
<条件3>
磁気回路の個数:3個
各磁気回路から発生するリング状の磁場の短軸方向の径A=55mm
隣接する磁気回路から発生する磁場間の距離B=50mm
磁場印加手段の片道移動距離L=100mm(L=A+B±γ/2(γ/2=20mmを満たす条件)
これは、図10に示すように、磁場印加手段26(図2参照)の片道移動距離L’をL’≦A+B±γ/2に設定した場合では、磁場印加手段26の移動距離が短過ぎるため、非エロージョンエリアRが発生したものと考えられる。これに伴い、ターゲット22の上下部であって、磁場印加手段26の片道移動距離L’の中間位置での磁場印加手段26の滞留時間が長くなる(図9参照)。その結果、当該部分のターゲット22が集中的にスパッタされてしまい、ターゲット22の表面22aにおけるスパッタ速度比も大きくなった。非エロージョンエリアRでは、ターゲット22に再付着するIn2O3の粒子が残存して、InOに還元される虞がある。また、スパッタ速度比が大きい程、エロージョンの最深部から最浅部に向かう斜面が急峻になり、In2O3の粒子がスパッタされ難く、スパッタされずに残存しているIn2O3の粒子がInOに還元され易い傾向がある。そして、InOがエロージョンエリアQ’に付着してノジュールが発生すると、ターゲット22の表面22aにおいてアーキングやパーティクルの発生の原因となる。
本実施形態では、図8に示すように、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、例えば磁気回路32aから発生する磁場pが、隣接する磁気回路32bから発生した磁場pの初期位置近傍に達する位置まで移動することになる。つまり、従来では非エロージョンエリアR(図10参照)となっていた領域を、磁場pまたはエロージョンエリアγが確実に通過することになる。これにより、ターゲット22におけるエロージョンエリアQの上端部が直線状となり、非エロージョンエリアを減少させることができるため、ノジュールの発生を抑制することができる。
さらに、図4に示すように、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、例えば磁気回路32aから発生する磁場pの軌跡と隣接する磁気回路32bから発生した磁場pの軌跡とが3回以上通過することを防ぐことができる。これにより、ターゲット22の表面22aにおいて過剰なエロージョンを防止することができる。
図9は、本実施形態におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。なお、図9ではターゲットの長手方向に沿った上部のみを拡大して示している。また、図9中の破線は磁場p’から発生する高密度プラズマ領域(エロージョンエリアγ)を示している。
図9に示すように、本実施形態では、磁場印加手段26の片道移動距離Lとすることで、ターゲット22の上下部22bが高密度プラズマ領域から抜け出ることができる。これにより、高密度プラズマ領域が連続して通過することを防止することができ、高密度プラズマ領域がターゲット22の同位置に滞留した状態になることがない。したがって、エロージョン断面形状が均一となり、ターゲット22の使用効率も向上する。
したがって、ノジュールの発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。
この構成によれば、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、マグネトロンスパッタリング法によるITO膜の成膜時において、ターゲット22の上下部におけるエロージョンエリアが直線状になり、ターゲット22の非エロージョンエリアを減少させることができ、ノジュールの発生を抑制することができる。つまり、磁気回路32a,32bから発生する磁場のうち基板Wの表面W1に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマは、最も高密度なプラズマであり、この高密度なプラズマによるエロージョンエリアγの軌跡がターゲット22の中央部で少なくとも2回以上通過することになる。これにより、ターゲット22の非エロージョンエリアを減少させることができ、ターゲット22にIn2O3の粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ターゲット22の表面22aにおいて、ノジュールの発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
また、図9に示すように、磁場印加手段26をY方向にも移動させることで、ターゲット22の上下部22bがより確実に高密度プラズマ領域から抜け出ることができる。これにより、ターゲット22の上下部22bにおける高密度プラズマ領域の滞留を緩和することが可能になり、ターゲット22の上下部22bと中央部22cとの間でスパッタ速度差を低減することができる。したがって、ノジュールの発生を抑制して、パーティクルやアーキングの発生の改善等ができるとともに、ターゲットの使用効率を向上させることができる。
例えば、本実施形態では、ターゲットを1つのみ配置したが、ターゲットを複数配列し、ターゲットと基板とが相対的に移動するような構成にしてもよい。また、リング状磁石の形状等は、適宜設計変更が可能である。
また、本実施形態では、ITO膜のターゲットを用いてノジュールの発生を抑制する場合について説明したが、ITO膜以外のターゲットを用いた場合において、ノジュールの発生と同様の原理で発生するターゲットの表面異常を抑制することも可能である。例えば、メタル等をスパッタする際には、上述したエロージョンエリアγ/2は磁場pを中心としてX方向に±30mm程度となる。
Claims (5)
- ターゲットの裏面側に、前記ターゲットの裏面と平行な第1方向に移動可能に構成された複数の磁気回路を配置するとともに、
前記ターゲットの表面側に基板を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜方法であって、
各磁気回路は、リング状磁石と、このリング状磁石の内側に配置されて前記ターゲットの裏面との対向面の極性が前記リング状磁石と異なる極性を有する中心磁石とを備え、前記ターゲットの表面側であって、前記リング状磁石と前記中心磁石との間には、前記磁気回路から発生する磁場のうち前記基板の表面に対する垂直成分が0となる磁場がリング状に形成され、
各磁気回路で発生する前記リング状の磁場の前記第1方向における径をA、隣接する前記磁気回路から発生するリング状の磁場間の前記第1方向における距離をB、前記垂直成分が0となる磁場から発生するプラズマによって前記ターゲットがスパッタされる前記第1方向の幅をγとすると、
前記磁気回路の前記第1方向における片道移動距離Lを、L=A+B±γ/2に設定することを特徴とする成膜方法。 - 前記磁気回路の片道移動距離Lを、L=A+B−γ/2に設定することを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
- 前記磁気回路が前記ターゲットの表面において600ガウス以上となる磁場を発生させるとともに、前記ターゲットが酸化物系透明導電膜である場合において、前記γは40mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の成膜方法。
- 前記磁気回路を、前記第1方向に交差する第2方向に移動可能に構成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法。
- ターゲットの裏面側に、前記ターゲットの裏面と平行な第1方向に移動可能に構成された複数の磁気回路が配置されるとともに、
前記ターゲットの表面側に基板が配置され、マグネトロンスパッタ法により成膜が行われる成膜装置において、
各磁気回路は、リング状磁石と、このリング状磁石の内側に配置されて前記ターゲットの裏面との対向面の極性が前記リング状磁石と異なる極性を有する中心磁石とを備え、前記ターゲットの表面側であって、前記リング状磁石と前記中心磁石との間には、前記磁気回路から発生する磁場のうち前記基板の表面に対する垂直成分が0となる磁場がリング状に形成され、
各磁気回路で発生する前記リング状の磁場の前記第1方向における径をA、隣接する前記磁気回路から発生するリング状の磁場間の前記第1方向における距離をB、前記垂直成分が0となる磁場から発生するプラズマによって前記ターゲットがスパッタされる前記第1方向の幅をγとすると、
前記磁気回路の片道移動距離Lは、L=A+B±γ/2に設定されていることを特徴とする成膜装置。
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