JP2009144234A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネトロンスパッタリング法による成膜時において、ノジュールの発生を抑制することができる成膜方法及びスパッタ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ターゲット22の表面22a側であって、リング状磁石33a,33bと中心磁石34a,34bとの間には、磁気回路32a,32bから発生する磁場のうち垂直成分が0となる磁場pがリング状に形成され、各磁気回路32a,32bから発生するリング状の磁場pの短手方向における径をA、隣接する磁気回路32a,32bから発生する磁場p間のX方向における距離をB、磁場pにより生成されるプラズマのエロージョンエリアをγとすると、磁場印加手段26の片道移動距離Lを、L=A+B±γ/2に設定することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関するものである。
従来から、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大面積のガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)膜等の酸化物系透明電導膜を均一な膜厚で、連続的に成膜するために、マグネトロンスパッタ装置(以下、スパッタ装置という)が提案されている。
このスパッタ装置は、ターゲットの裏面側に複数の磁気回路を配置するとともに、ターゲットの表面側に基板を配置して、前記磁気回路から発生する磁場によってターゲット表面近傍にプラズマを発生させて成膜を行うものである。
ところで、上述したスパッタ装置にあっては、例えばITO膜のターゲットを用いて成膜する際に、ターゲットの表面上でスパッタされず掘れ残った領域、いわゆるノジュールが発生するという問題がある。
ノジュールの発生原理として、まずInからなるITO膜のターゲットから飛び出した粒子の一部が、ターゲット表面に再付着する。再付着したInの粒子のうち、スパッタが行われる領域(エロージョンエリア)に付着したInの粒子のほとんどは再びスパッタされて除去することができるが、非エロージョンエリアに付着したInの粒子は、スパッタが行われずに残存する。非エロージョンエリアに残存したInの粒子や、エロージョンエリアでスパッタされずに残存してしまったInの粒子は、ターゲットの表面近傍で発生しているプラズマによりInOに還元される。InOは、絶縁性でスパッタされにくい組成を有しており、ターゲットの表面に存在するInOがエロージョンエリアに付着してしまうと、付着した箇所ではターゲットの表面がスパッタされず掘れ残ってしまう。この掘れ残った箇所がノジュールと呼ばれるものである。ノジュールが存在する箇所では、ターゲットの表面上においてアーキングやパーティクル等、表面異常の発生の原因となる。
そこで、ノジュールの発生を抑制するために様々な技術が知られている。
例えば、特許文献1に示すように、ターゲットの裏面に配置された磁気回路をターゲットの裏面と平行に往復運動させるような構成が開示されている。さらに、例えば、特許文献2に示すように、磁気回路によってターゲット表面上に作られるスパッタ能力を持つプラズマ領域が、ターゲットの各部位を通過する時、各部位がプラズマ領域の中に連続して滞在する時間が1秒以上であるように、磁気回路の揺動速度を比較的低速に制御する構成が開示されている。
特開平9−24180号公報 特開2000−345335号公報
近年、上述したLCDやPDPの生産性の向上・高品質化に伴い、ノジュールの更なる抑制が要請されている。
図10は、従来におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。なお、図10ではターゲットの長手方向に沿った上部のみを示している。また、図10中の半長円は、磁気回路から発生する磁場のうち、基板の表面に対する垂直成分が0(水平成分が最大)となる磁場p’を示している。
図10に示すように、磁気回路の片道移動距離L’が短すぎると、エロージョンエリアQ’が富士額形状となり、ターゲット22の上下部や各磁気回路間に非エロージョンエリアRが凸状に残存する。その結果、非エロージョンエリアRで発生したInOがエロージョンエリアQ’に付着してノジュールが発生し易いという問題がある。これに対して、エロージョンエリアの形状に合わせてターゲット22の形状を調整する構成等も考えられるが、エロージョンエリアQ’が図10に示すような形状の場合には、ターゲット22の形状を最適な形状に形成するには困難を極める。
図11は、従来におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。なお、図11ではターゲットの長手方向に沿った上部のみを拡大して示している。また、図11中の破線は磁場p’から発生する高密度プラズマ領域(エロージョンエリアγ’)を示している。
また、図11に示すように、ターゲット22の上下部22bでは中央部22cに比べ、磁場p’から発生する高密度プラズマ領域が連続して通過するので、高密度プラズマ領域が滞留したものと同様の状態になる。これにより、当該部分のターゲット22が集中的にスパッタされてしまい、ターゲット22の表面の上下部22bと中央部22cとの間でスパッタ速度差が大きくなる。これにより、エロージョンの最深部から最浅部に向かう斜面においてInOが付着してノジュールが発生し易くなる傾向がある。また、ターゲット22が集中的にスパッタされることで、エロージョン断面形状が不均一となり、ターゲット22の使用効率も低下する。
このように、ノジュールが発生すると、この部分においてアーキングやパーティクル等が発生し、基板に形成される薄膜の膜特性が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、マグネトロンスパッタリング法による成膜時において、ITO膜のターゲットのノジュールや、ノジュールと同様な他材料のターゲットの表面異常の発生を抑制することができる成膜方法及びスパッタ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の成膜方法は、ターゲットの裏面側に、前記ターゲットの裏面と平行な第1方向に移動可能に構成された複数の磁気回路を配置するとともに、前記ターゲットの表面側に基板を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜方法であって、各磁気回路は、リング状磁石と、このリング状磁石の内側に配置されて前記ターゲットの裏面との対向面の極性が前記リング状磁石と異なる極性を有する中心磁石とを備え、前記ターゲットの表面側であって、前記リング状磁石と前記中心磁石との間には、前記磁気回路から発生する磁場のうち前記基板の表面に対する垂直成分が0となる磁場がリング状に形成され、各磁気回路で発生する前記リング状の磁場の前記第1方向における径をA、隣接する前記磁気回路から発生するリング状の磁場間の前記第1方向における距離をB、前記垂直成分が0となる磁場から発生するプラズマによって前記ターゲットがスパッタされる前記第1方向の幅をγとすると、前記磁気回路の前記第1方向における片道移動距離Lを、L=A+B±γ/2に設定することを特徴とする。
この構成によれば、磁気回路の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、マグネトロンスパッタリング法による成膜時において、エロージョンエリアの上下部が直線状になり、ターゲットの非エロージョンエリアを減少させることができ、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制することができる。また、磁気回路から発生する磁場のうち基板の表面に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマは、最も高密度なプラズマであり、この高密度なプラズマによりターゲットがスパッタされる幅γの軌跡が、ターゲットの中央部で少なくとも2回以上通過することになる。これにより、ターゲットに成膜材料の粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
また、前記磁気回路の片道移動距離Lを、L=A+B−γ/2に設定することを特徴とする。
この構成によれば、磁気回路の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、隣接する磁気回路から発生する磁場のうち、基板の表面に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマの軌跡が3回以上通過することを防止することができる。これにより、ターゲットの表面において過剰なエロージョンを防止することができるため、エロージョンの分布が均一になり、ノジュール等のターゲット表面異常の発生をより抑制することができる。また、ターゲットの使用効率を向上させることができる。
また、前記磁気回路が前記ターゲットの表面において600ガウス以上となる磁場を発生させるとともに、前記ターゲットが酸化物系透明導電膜である場合において、前記γは40mmであることを特徴とする。
この構成によれば、酸化物系透明導電膜を成膜する場合において、ノジュールの発生を抑制することが可能になり、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
また、前記磁気回路を、前記第1方向に交差する第2方向に移動可能に構成することを特徴とする。
この構成によれば、磁気回路を、第1方向に交差する第2方向に移動可能に構成することで、ターゲットの表面における非エロージョンエリアをより減少させることができる。また、ターゲットの上下部における高密度プラズマ領域の滞留を緩和することが可能になり、ターゲット上下部と中央部との間でスパッタ速度差を低減することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制することができる。また、ターゲットの使用効率を向上させることができる。
一方、本発明の成膜装置は、ターゲットの裏面側に、前記ターゲットの裏面と平行な第1方向に移動可能に構成された複数の磁気回路が配置されるとともに、前記ターゲットの表面側に基板が配置され、マグネトロンスパッタ法により成膜が行われる成膜装置において、各磁気回路は、リング状磁石と、このリング状磁石の内側に配置されて前記ターゲットの裏面との対向面の極性が前記リング状磁石と異なる極性を有する中心磁石とを備え、前記ターゲットの表面側であって、前記リング状磁石と前記中心磁石との間には、前記磁気回路から発生する磁場のうち前記基板の表面に対する垂直成分が0となる磁場がリング状に形成され、各磁気回路で発生する前記リング状の磁場の前記第1方向における径をA、隣接する前記磁気回路から発生するリング状の磁場間の前記第1方向における距離をB、前記垂直成分が0となる磁場から発生するプラズマによって前記ターゲットがスパッタされる前記第1方向の幅をγとすると、前記磁気回路の片道移動距離Lは、L=A+B±γ/2に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、磁気回路の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、マグネトロンスパッタリング法による成膜時において、エロージョンエリアの上下部が直線状になり、ターゲットの非エロージョンエリアを減少させることができ、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制することができる。また、磁気回路から発生する磁場のうち基板の表面に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマは、最も高密度なプラズマであり、この高密度なプラズマによりターゲットがスパッタされる幅γの軌跡が、ターゲットの中央部で少なくとも2回以上通過することになる。これにより、ターゲットに成膜材料の粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
本発明によれば、ターゲットに成膜材料の粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ノジュール等のターゲット表面異常の発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
次に、図1〜図4に基づいて、本発明の実施形態に係る成膜装置および成膜方法について説明する。
(マグネトロンスパッタ装置)
図1は、本実施形態におけるマグネトロンスパッタ装置(成膜装置)の概略構成図(平面図)である。
図1に示すように、マグネトロンスパッタ装置(以下、スパッタ装置という)10は、インライン式のスパッタ装置10であって、基板Wの仕込み室11と、基板Wに対する成膜室12と、成膜された基板Wを取り出す取出し室13を備えている。仕込み室11及び取出し室13には、ロータリーポンプなどの粗引き排気手段41,43が接続され、成膜室12には、ターボ分子ポンプなどの高真空排気手段42が接続されている。本実施形態のスパッタ装置10では、基板Wを縦型に支持して仕込み室11に搬入し、粗引き排気手段41で仕込み室11を排気する。次に、高真空排気手段42で高真空排気した成膜室12に基板Wを搬送し、成膜処理を行う。成膜後の基板Wは、粗引き排気手段43により排気された取出し室13を介して外部に搬出するように構成されている。
また、成膜室12には、Arなどのスパッタガスを供給するガス供給手段44が接続されている。なお、ガス供給手段44からは、Oなどの反応ガスを供給することも可能である。
図2は、スパッタ装置の要部を示す断面図である。
図2に示すように、成膜室12内の幅方向における一方の壁面37側に、図示しない基板保持手段により保持された基板Wが縦型に配置されている。また、他方の壁面39側に、基板Wの表面W1と略平行にスパッタカソード機構20が縦型に配置されている。
本実施形態の基板Wは、例えば、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)、ガラス等からなる平面視略矩形状のものである。基板Wは、基板保持手段(不図示)に縦型保持されている。基板保持手段には、図示しない搬送手段が連結されており、この搬送手段により基板Wは、その長手方向(X方向:矢印F参照)に沿う方向に搬送される。
スパッタカソード機構20は、ターゲット22と磁場印加手段26とを備えている。
ターゲット22は、平面視矩形状のものであり、その短手方向(X方向)を基板Wの搬送方向(長辺方向)に一致させて配置されている。またターゲット22は、その表面22aと基板Wの表面W1との間に所定の間隔を空けて対向配置されている。
ターゲット22の形成材料としては、酸化物系透明導電膜であるITO膜の成膜材料を含んでいることが好ましく、例えばInのみでもよく、Inに所定材料を添加したものでもよい。また、ZnO系膜、SnO系膜からなる透明導電膜を形成するため、ターゲット22をZnOまたはSnOに所定材料を添加したもので構成してもよい。
なおターゲット22は、その裏面がバッキングプレート30にインジウム等のロウ材でボンディングされている。ターゲット22は、バッキングプレート30の裏面における外周部分で、絶縁プレート38を介して成膜室12の壁面39に取り付けられている。そして、ターゲット22は、バッキングプレート30を介して図示しない外部電源に接続され、負電位(カソード)に保持されている。
(磁場印加手段)
図3は磁場印加手段の平面図である。
図2,3に示すように、成膜室12の外方であって、バッキングプレート30の裏面側には磁場印加手段26が配置されている。磁場印加手段26は、ターゲット22の表面22a側に向けて磁場を印加するものであり、複数の磁気回路32a,32bと、各磁気回路32a,32bを連結する連結部材27とを備えている。
各磁気回路32a,32bは、複数のヨーク36a,36bを備えている。各ヨーク36a,36bは、高透磁率を有する板状の部材であり、その表面がバッキングプレート30の裏面と平行になるように配置されている。
ヨーク36a,36bの表面には、永久磁石からなるリング状磁石33a,33bと、このリング状磁石33a,33bの内側に所定間隔を空けて配置された永久磁石からなる中心磁石34a,34bとが配置されている。リング状磁石33a,33bは、平面視長円形状のものであり、その短軸方向(X方向:第1方向)が基板Wの搬送方向に一致するように配置されている。中心磁石34a,34bは、棒状のものであり、リング状磁石33a,33bの短軸方向の中央部において、その長手方向がリング状磁石33a,33bの長軸方向に一致するように配置されている。
これらリング状磁石33a,33bと中心磁石34a,34bとは、バッキングプレート30側の表面の極性が相互に異なるように構成されている。つまり、リング状磁石33a,33bの表面極性がN極の場合は中心磁石34a,34bの表面極性はS極に設定され、リング状磁石33a,33bの表面極性がS極の場合は中心磁石34a,34bの表面極性はN極に設定されている。なお、本実施形態ではリング状磁石33a,33bの表面極性がN極に、中心磁石34a,34bの表面極性がS極に設定されている。
これらの各リング状磁石33a,33b及び中心磁石34a,34bにより、図2に示す磁力線gで表される山型の磁界が発生する。具体的には、リング状磁石33a,33bの表面から延びる磁力線gは、ターゲット22表面に漏洩し、中心磁石34a,34bの表面に入射する。そして、磁力線gを中心にプラズマが生成され、このプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンがターゲット22に衝突して成膜材料の粒子を飛び出させるようになっている。
この時、リング状磁石33a,33bと中心磁石34a,34bとの間におけるターゲット22の表面22a側において、各磁気回路32a,32bから発生する磁場のうち基板Wの表面W1に対する垂直成分が0(水平成分が最大)となるリング状の磁場pが発生する。この磁場pで生成されるプラズマは、磁力線gの内側で生成されるプラズマのうち最も高密度なプラズマとなっており、ターゲット22が最もスパッタされるようになっている。
一方、ヨーク36a、36bの裏面には、各磁気回路32a,32bを連結する連結部材27が取り付けられている。連結部材27はモータ45に接続されており、モータ45を作動させることで磁場印加手段26がターゲット22に対して相対移動可能に構成されている。具体的には、磁場印加手段26は、ターゲット22の裏面と平行なX方向(第1方向)、つまりリング状の磁場pの短軸方向に沿って揺動可能に構成されている。さらに、磁場印加手段26は、X方向に直交するY方向(第2方向)、つまりリング状の磁場pの長軸方向に沿っても揺動可能に構成されている。なお、磁場印加手段26の幅はターゲット22の幅より小さく構成されており、ターゲット22以外がスパッタされないように構成されている。
ここで、各磁気回路32a,32bで発生する磁場pの短軸方向の径をA、隣接する磁気回路32a,32bからそれぞれ発生する磁場p間のX方向における距離をB、磁場pにより生成されるプラズマによってターゲット22がスパッタされるX方向の幅(エロージョンエリア)をγ(図2参照)とすると、磁場印加手段26のX方向における片道移動距離Lは、L=A+B±γ/2に設定に設定されている。これにより、ターゲット22の中央部において、磁場pが少なくとも2回以上通過することになる。なお、上述したエロージョンエリアγは、磁気回路32a,32bがターゲット22の表面22aにおいて600ガウス以上となる磁場を発生させるとともに、成膜材料がITO膜等の酸化物系透明導電膜である場合において、40mm程度である。つまり、磁場pを中心としてX方向に±20mm程度である。さらに、ターゲット22の表面22aにおける過剰のエロージョンを防ぐため、磁場印加手段26の片道移動距離LがL=A+B−γ/2に設定されていることがより好ましい。
(成膜方法)
次に、本実施形態のスパッタ装置による成膜方法について説明する。
まず、図1に示すように、ガス供給手段44から成膜室12にスパッタガスを供給し、外部電源からバッキングプレート30を介してターゲット22にスパッタ電圧を印加する。すると、成膜室12内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、ターゲット22に衝突してITO膜の成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子を基板Wに付着させることにより、基板Wの表面W1にITO膜が形成される。本実施形態のように、インライン式のスパッタ装置10では、基板保持手段に保持された基板Wがターゲット22に対して相体移動するので、基板Wの表面W1全体に成膜を行うことができる。また、複数の基板Wを連続して長辺方向(第1方向:図2中矢印F)に移動させることにより、複数の基板Wに対して連続的に成膜を行うことができる。
ところで、LCDやPDPの生産性の向上・高品質化に伴い、ノジュールの更なる抑制が要請されている。
しかしながら、従来の成膜方法にあっては、図10に示すように、磁気回路の片道移動距離L’が短すぎると、エロージョンエリアが富士額形状となり、ターゲット22の長手方向における上下部や各磁気回路間の対向位置に非エロージョンエリアRが凸状に残存する。その結果、非エロージョンエリアRで発生したInOがエロージョンエリアQ’に付着してノジュールが発生し易いという問題がある。
また、図11に示すように、ターゲット22の上下部22bでは中央部22cに比べ、磁場p’から発生する高密度プラズマ領域が連続して通過するので、高密度プラズマ領域が滞留したものと同様の状態になる。これにより、当該部分のターゲット22が集中的にスパッタされてしまい、ターゲット22の表面の上下部22bと中央部22cとの間でスパッタ速度差が大きくなる。これにより、エロージョンの最深部から最浅部に向かう斜面においてInOが残存してノジュールが発生し易くなる傾向がある。また、ターゲット22が集中的にスパッタされることで、エロージョン断面形状が不均一となり、ターゲット22の使用効率も低下する。
このように、ノジュールが発生すると、この部分においてアーキングやパーティクルが発生し、基板Wに形成される薄膜の膜特性が劣化するという問題がある。
そこで、本願の発明者は、X方向及びY方向に揺動可能に構成した磁場印加手段26のX方向における片道移動距離Lを、上述したL=A+B±γ/2に設定することで、ノジュールの発生を抑制できることを見出した。
図4は、図2に相当する断面図を示し、磁場印加手段の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定した場合における、エロージョン断面形状を示す説明図である。なお、図4の上半部はリング状の磁場pの平面図であり、図4の下半部がリング状の磁場pの移動によるエロージョン断面形状である。なお、図中下半部の三角形は、磁場印加手段の停止時における磁場pによるエロージョン断面形状を示している。つまり、エロージョン断面形状は、磁場pの中心位置において最も深くなり、中心位置から離れるに従って浅くなる。この三角形のX方向における幅γは、垂直成分が0となる磁場pから発生するプラズマによってターゲットがスパッタされるエロージョンエリアを表している。
図4に示すように、磁場pまたはエロージョンエリアγの軌跡が通過した領域がスパッタされる。この時、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、ターゲット22の表面22aにおいて、磁場pが少なくとも1回以上(X方向両端部では1回、中央部では2回)通過することになる。具体的には、磁場pが2回通過した領域及び磁場pが1回通過し、かつエロージョンエリアγが2回通過した領域では、深さD1までスパッタされる。また、磁場pが1回通過した領域では深さD2までスパッタされる(D2<D1)。
(シミュレーション)
ここで、磁場印加手段の片道移動距離を変更した場合のターゲットのエロージョン形状のシミュレーションを行った。本試験では、まず図2に示すように、バッキングプレート30に短手方向の幅が300mmのITO膜のターゲット22を取り付け、成膜室12及び仕込み室11、取り出し室13内の真空排気を行った。そして、成膜室12(図1参照)内にArガスを5mTorr導入し、磁場印加手段を揺動させながら直流電源を用いて電力密度が4W/mの電圧を印加して成膜を行った。
各シミュレーションにおける磁場印加手段26のX方向における片道移動距離の条件は、以下の通りである。なお、条件2は、従来の片道移動距離L’を表しており、隣接する磁気回路32a,32bから発生する磁場p間のX方向の距離Bと片道移動距離L’とを一致させている。また、条件3では、上述した実施形態の応用例として、条件1と同様の条件において磁気回路を3個用いた場合について示している。また、本シミュレーションにおける磁場印加手段26のY方向における片道移動距離は、それぞれ40mmに設定した。
<条件1>
磁気回路の個数:2個
各磁気回路から発生するリング状の磁場の短軸方向の径A=55mm
隣接する磁気回路から発生する磁場間の距離B=50mm
磁場印加手段の片道移動距離L=100mm(L=A+B±γ/2(γ/2=20mmを満たす条件)
<条件2>
磁気回路の個数:2個
各磁気回路から発生するリング状の磁場の短軸方向の径A=55mm
隣接する磁気回路から発生する磁場間の距離B=50mm
磁場印加手段の片道移動距離L’=50mm
<条件3>
磁気回路の個数:3個
各磁気回路から発生するリング状の磁場の短軸方向の径A=55mm
隣接する磁気回路から発生する磁場間の距離B=50mm
磁場印加手段の片道移動距離L=100mm(L=A+B±γ/2(γ/2=20mmを満たす条件)
図5〜7は、シミュレーション結果を示すターゲットの表面におけるエロージョン平面形状を示すスパッタ速度比の分布図であり、横軸にターゲットの短手方向(図2中X方向)の位置を示し、縦軸に長手方向(図2中Y方向)の位置を示している。なお、本シミュレーションにおいて、ターゲットの長手方向に沿う上部と下部とでは、同様のシミュレーション結果が得られたため、図5〜7ではターゲット22を長手方向に沿った上部のみを示している。また図5〜7において、同一線上で囲まれた領域は、同一のスパッタ速度比を示している。
まず図7に示すように、条件2におけるエロージョン平面形状は、X方向が130〜170mm、Y方向が−5〜70mmの範囲、つまり各磁気回路32a,32b間の対向位置におけるターゲット22の長手方向(Y方向)の上下部で、凸状の非エロージョンエリアRが確認された。また、エロージョンの最深部と最浅部とのスパッタ速度比は、100:60となった。
これは、図10に示すように、磁場印加手段26(図2参照)の片道移動距離L’をL’≦A+B±γ/2に設定した場合では、磁場印加手段26の移動距離が短過ぎるため、非エロージョンエリアRが発生したものと考えられる。これに伴い、ターゲット22の上下部であって、磁場印加手段26の片道移動距離L’の中間位置での磁場印加手段26の滞留時間が長くなる(図9参照)。その結果、当該部分のターゲット22が集中的にスパッタされてしまい、ターゲット22の表面22aにおけるスパッタ速度比も大きくなった。非エロージョンエリアRでは、ターゲット22に再付着するInの粒子が残存して、InOに還元される虞がある。また、スパッタ速度比が大きい程、エロージョンの最深部から最浅部に向かう斜面が急峻になり、Inの粒子がスパッタされ難く、スパッタされずに残存しているInの粒子がInOに還元され易い傾向がある。そして、InOがエロージョンエリアQ’に付着してノジュールが発生すると、ターゲット22の表面22aにおいてアーキングやパーティクルの発生の原因となる。
これに対して、図5に示すように、条件1におけるエロージョン平面形状は、ターゲット22におけるエロージョンエリアの上端部が直線状となっており、ターゲット22の表面22aにおいて非エロージョンエリアを減少させることができた。
図8は、磁場印加手段の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定した場合における、エロージョン平面形状を示す説明図である。なお、図8ではターゲットの長手方向に沿った上部のみを示している。また、図8中の半長円は磁気回路から発生する磁場pを示している。
本実施形態では、図8に示すように、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、例えば磁気回路32aから発生する磁場pが、隣接する磁気回路32bから発生した磁場pの初期位置近傍に達する位置まで移動することになる。つまり、従来では非エロージョンエリアR(図10参照)となっていた領域を、磁場pまたはエロージョンエリアγが確実に通過することになる。これにより、ターゲット22におけるエロージョンエリアQの上端部が直線状となり、非エロージョンエリアを減少させることができるため、ノジュールの発生を抑制することができる。
さらに、図4に示すように、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、例えば磁気回路32aから発生する磁場pの軌跡と隣接する磁気回路32bから発生した磁場pの軌跡とが3回以上通過することを防ぐことができる。これにより、ターゲット22の表面22aにおいて過剰なエロージョンを防止することができる。
また、図5に示すように、エロージョンの最深部と最浅部とのスパッタ速度比は、100:86となっており、最深部から最浅部に向かう斜面は緩やかになっている。
図9は、本実施形態におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。なお、図9ではターゲットの長手方向に沿った上部のみを拡大して示している。また、図9中の破線は磁場p’から発生する高密度プラズマ領域(エロージョンエリアγ)を示している。
図9に示すように、本実施形態では、磁場印加手段26の片道移動距離Lとすることで、ターゲット22の上下部22bが高密度プラズマ領域から抜け出ることができる。これにより、高密度プラズマ領域が連続して通過することを防止することができ、高密度プラズマ領域がターゲット22の同位置に滞留した状態になることがない。したがって、エロージョン断面形状が均一となり、ターゲット22の使用効率も向上する。
このように、エロージョン平面形状及びエロージョン断面形状がともに均一な形状になり、再付着したInの粒子の堆積を防止して、InOへの還元を防止することができた。その結果、ノジュールの発生を抑制することができた。
さらに、図6に示すように、条件3におけるエロージョン形状も、条件1と同様にターゲット22におけるエロージョンエリアの上端部が直線状となっており、ターゲット22の表面22aにおいて非エロージョンエリアを減少させることができた。また、エロージョンの最深部と最浅部とのスパッタ速度比は、100:86となっている。この結果より、1つの磁場印加手段に磁気回路を3個以上の複数個配置した場合でも、条件1と同様の効果が得られることが確認された。
また、本願の発明者は、上述したシミュレーションに基づき、シミュレーションと同様の条件で、ITO膜の成膜を行った。その結果、エロージョン平面形状は、ターゲット22におけるエロージョンエリアの上端部が直線状となり、シミュレーションに相当する結果が得られた。また、エロージョン断面形状については、条件1におけるスパッタ速度比が10.0mm:9.0mm、条件2におけるスパッタ速度比が10.0mm:5.5mmであったことから、エロージョン断面形状についても、シミュレーションに相当する結果が得られた。
このように、ターゲット22の全域に亘って非エロージョンエリアを減少させることができるため、ITO膜の成膜工程において、Inの粒子がターゲット22の表面22aに再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。また、ターゲット22の表面22aにおいて、磁場pが3回以上通過することがない。つまり、過剰なエロージョンを防ぐことができ、エロージョン平面形状及びエロージョン断面形状がともに均一な形状になる。
したがって、ノジュールの発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。
このように本実施形態によれば、各磁気回路32a,32bから発生するリング状の磁場pの短手方向における径をA、隣接する磁気回路32a,32bから発生する磁場p間のX方向における距離をB、磁場pにより生成されるプラズマのエロージョンエリアをγとすると、磁場印加手段26の片道移動距離Lを、L=A+B±γ/2に設定する構成とした。
この構成によれば、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B±γ/2に設定することで、マグネトロンスパッタリング法によるITO膜の成膜時において、ターゲット22の上下部におけるエロージョンエリアが直線状になり、ターゲット22の非エロージョンエリアを減少させることができ、ノジュールの発生を抑制することができる。つまり、磁気回路32a,32bから発生する磁場のうち基板Wの表面W1に対する垂直成分が0の磁場から生成されるプラズマは、最も高密度なプラズマであり、この高密度なプラズマによるエロージョンエリアγの軌跡がターゲット22の中央部で少なくとも2回以上通過することになる。これにより、ターゲット22の非エロージョンエリアを減少させることができ、ターゲット22にInの粒子が再付着したとしても、スパッタされて除去することができる。したがって、ターゲット22の表面22aにおいて、ノジュールの発生を抑制して、アーキングやパーティクルの発生を抑制することができる。その結果、膜特性に優れた薄膜を効率良く形成することができる。
さらに、磁場印加手段26の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定することで、隣接する磁気回路32a,32bから発生する磁場のうち、リング状の磁場pの軌跡が3回以上通過することを防止することができる。これにより、過剰なエロージョンを防ぐことができるため、ターゲット22の表面22aにおけるエロージョンの分布が均一になり、ノジュールの発生をより抑制することができる。また、ターゲット22の使用効率を向上させることができる。
また、磁場印加手段26を、X方向に直交するY方向にも揺動可能に構成した。この構成によれば、特にターゲット22の長手方向(Y方向)に沿う上下部において、非エロージョンエリアをより減少させることができる。
また、図9に示すように、磁場印加手段26をY方向にも移動させることで、ターゲット22の上下部22bがより確実に高密度プラズマ領域から抜け出ることができる。これにより、ターゲット22の上下部22bにおける高密度プラズマ領域の滞留を緩和することが可能になり、ターゲット22の上下部22bと中央部22cとの間でスパッタ速度差を低減することができる。したがって、ノジュールの発生を抑制して、パーティクルやアーキングの発生の改善等ができるとともに、ターゲットの使用効率を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本実施形態では、ターゲットを1つのみ配置したが、ターゲットを複数配列し、ターゲットと基板とが相対的に移動するような構成にしてもよい。また、リング状磁石の形状等は、適宜設計変更が可能である。
また、本実施形態では、ITO膜のターゲットを用いてノジュールの発生を抑制する場合について説明したが、ITO膜以外のターゲットを用いた場合において、ノジュールの発生と同様の原理で発生するターゲットの表面異常を抑制することも可能である。例えば、メタル等をスパッタする際には、上述したエロージョンエリアγ/2は磁場pを中心としてX方向に±30mm程度となる。
本発明の実施形態におけるマグネトロンスパッタ装置の概略構成図である。 スパッタ装置の要部を示す断面図である。 図3は磁場印加手段の平面図である。 磁場印加手段の片道移動距離LをL=A+B−γ/2に設定した場合における、エロージョン断面形状を示す説明図である。 シミュレーションの条件1の結果を示すターゲットの表面におけるエロージョン平面形状を示すスパッタ速度比の分布図である。 シミュレーションの条件2の結果を示すターゲットの表面におけるエロージョン平面形状を示すスパッタ速度比の分布図である。 シミュレーションの条件3の結果を示すターゲットの表面におけるエロージョン平面形状を示すスパッタ速度比の分布図である。 本実施形態におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。 本実施形態におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。 従来におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。 従来におけるエロージョン平面形状を示す説明図である。
符号の説明
10…スパッタ装置 22…ターゲット 22a…ターゲットの表面 32a,32b…磁気回路 33a,33b…リング状磁石 34a,34b…中心磁石 W…基板 p…リング状の磁場

Claims (5)

  1. ターゲットの裏面側に、前記ターゲットの裏面と平行な第1方向に移動可能に構成された複数の磁気回路を配置するとともに、
    前記ターゲットの表面側に基板を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜方法であって、
    各磁気回路は、リング状磁石と、このリング状磁石の内側に配置されて前記ターゲットの裏面との対向面の極性が前記リング状磁石と異なる極性を有する中心磁石とを備え、前記ターゲットの表面側であって、前記リング状磁石と前記中心磁石との間には、前記磁気回路から発生する磁場のうち前記基板の表面に対する垂直成分が0となる磁場がリング状に形成され、
    各磁気回路で発生する前記リング状の磁場の前記第1方向における径をA、隣接する前記磁気回路から発生するリング状の磁場間の前記第1方向における距離をB、前記垂直成分が0となる磁場から発生するプラズマによって前記ターゲットがスパッタされる前記第1方向の幅をγとすると、
    前記磁気回路の前記第1方向における片道移動距離Lを、L=A+B±γ/2に設定することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記磁気回路の片道移動距離Lを、L=A+B−γ/2に設定することを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記磁気回路が前記ターゲットの表面において600ガウス以上となる磁場を発生させるとともに、前記ターゲットが酸化物系透明導電膜である場合において、前記γは40mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の成膜方法。
  4. 前記磁気回路を、前記第1方向に交差する第2方向に移動可能に構成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法。
  5. ターゲットの裏面側に、前記ターゲットの裏面と平行な第1方向に移動可能に構成された複数の磁気回路が配置されるとともに、
    前記ターゲットの表面側に基板が配置され、マグネトロンスパッタ法により成膜が行われる成膜装置において、
    各磁気回路は、リング状磁石と、このリング状磁石の内側に配置されて前記ターゲットの裏面との対向面の極性が前記リング状磁石と異なる極性を有する中心磁石とを備え、前記ターゲットの表面側であって、前記リング状磁石と前記中心磁石との間には、前記磁気回路から発生する磁場のうち前記基板の表面に対する垂直成分が0となる磁場がリング状に形成され、
    各磁気回路で発生する前記リング状の磁場の前記第1方向における径をA、隣接する前記磁気回路から発生するリング状の磁場間の前記第1方向における距離をB、前記垂直成分が0となる磁場から発生するプラズマによって前記ターゲットがスパッタされる前記第1方向の幅をγとすると、
    前記磁気回路の片道移動距離Lは、L=A+B±γ/2に設定されていることを特徴とする成膜装置。
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