JP2009144197A - 銀微粒子とその製造方法、導電性膜の製造方法 - Google Patents

銀微粒子とその製造方法、導電性膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、低温焼成が可能な導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤又は接合材等の原料用に好適な平均粒子径20〜100nmの銀微粒子とその製造法および低温下において導電性膜を形成する方法に関する。
【解決手段】 平均粒子径が20〜100nmであり、粒子表面に存在する硝酸銀のアンミン錯体およびアミンの付着量が1質量%以下である銀微粒子は、硝酸銀と水溶性あるいは水可溶性であって沸点が200℃以下のアミンの1種類以上とを用いて調製した硝酸銀のアンミン錯体のメタノール溶液を、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた水−メタノール混合溶媒中に添加して還元析出させて得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低温焼成が可能な導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤又は接合材等の原料用に好適な平均粒子径20〜100nmの銀微粒子とその製造法および低温下において導電性膜を形成する方法に関する。
近年、銀微粒子は電子部品の電極や電子回路パターンを形成するための導電性ペーストの原料として多用されている。例えば、電子回路パターンは、通常、基板に銀微粒子を含有する導電性ペーストを使用して、スクリーン印刷で配線幅50μm程度のパターンを印刷した後、500℃以上の高温で焼成して形成される。
最近では、携帯電話に使われる電子部品の実装基板としてポリイミド製フレキシブル基板の他、より安価なPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムを使用する傾向にある。これらの基板の中ではポリイミド製フレキシブル基板がより耐熱性が高く、300℃程度まで加熱に耐えうるものもあるが高価である。そこで、将来はより安価なPETやPENが基板として主に使用されることが考えられるが、これらのフィルムはポリイミド製フレキシブル基板に比較して耐熱性が低く、200℃以下で使用する必要がある。そこで、これらの基板との組み合わせでは、導電性ペーストは、200℃以下の低温で焼成可能であることが要求される。
このような低温焼成が可能な導電性ペーストの銀微粒子原料としてナノメートルサイズの銀微粒子が期待されている。これは粒子の大きさをナノメートルサイズにすることで、銀微粒子の表面活性が高くなり、銀のバルクの融点よりはるかに低い温度で焼結を生じるためである。
また、ナノメートルサイズの銀微粒子は低温で焼結するとともに、一度焼結すると耐熱性が維持されるという、従来のはんだにはない性質を利用した鉛フリーのはんだ代替材料としても期待されている。
ところで、低温焼成が可能な銀微粒子として、サブミクロン以下の銀微粒子の製造方法が提案されており、ガス中蒸発法や液相法である化学的還元法、熱分解還元法などが知られている。しかし、これらの方法による銀微粒子を低温焼成用の導電性ペーストや導電性インクの原料とするにはそれぞれ問題があった。
ガス中蒸発法によれば、粒子径が10nm以下の単分散微粒子が得られるが、そのままでは凝集しやすく不安定であるため、アルキルアミン等の分散剤を加えることで、分散安定化した分散溶液として取り出されている(特許文献1:特開2002−121606号公報)。実施例を引用すると、銀と同じく導電性材料である金微粒子の分散剤としてアルキルアミンであるラウリルアミンを用いている。ラウリルアミンはその沸点が247−249℃であり、該金微粒子を用いた金属膜の調製に250℃の加熱を要している。そのため200℃以下での低温焼成が可能な導電性ペーストなどの金属微粒子原料として好適とは言い難い。また、製造するためには特別な真空装置が必要であり、簡便に金属微粒子を得る製造方法とは言い難い。
また、銀微粒子を原料に用いた導電性ペーストも調製され、230℃の低温焼成において銀のバルクに近い3.0μΩcmの比抵抗値が得られている(特許文献2:特開2004−273205号公報)。しかしながら、前記の導電性ペーストは銀微粒子に付着しているアルキルアミンをより低温で分解・飛散させる工夫が提案されているものであり、本質的な銀微粒子を考えた場合、200℃以下の低温焼成が可能な導電性ペーストの原料の銀微粒子として好適とは言い難い。
また、金属塩の熱分解法により複合金属微粒子が調製されている(特許文献3:特開2005−298921号公報)。本方法の実施例を引用すると、平均粒子径が64.3nmのスズ、銀、銅の複合金属粒子が得られており、有機成分は2−エチルヘキサン酸でありその含有量は2.2%であった。しかし、焼結には260℃の加熱が必要であり、低温焼結が可能な導電性ペーストの好適な原料とは言い難いものである。
一方、液相還元法においては高分子顔料分散剤を用いることで含有する有機物成分がより少ない銀微粒子を調製することができる。例えば、高分子顔料分散剤の存在下、硝酸銀を水反応系でアミノアルコールにより加熱還元し平均粒子径20nm程度の銀粒子を得ることが出来る。この時の高分子顔料分散剤の量は銀に対して4質量%以上である(特許文献4:特開2003−103158号公報)。しかしながら、高分子分散剤は一般的に分解温度が高く、例えば200℃の低温焼成を行った場合には、十分に有機物成分が飛散することが難しく、同時に低い比抵抗値を得ることは難しい。
また、液相還元法において銀微粒子を得る手法として、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、還元剤により析出還元して得る手法が提案されている(特許文献5:特開2006−183072号公報)。本提案では実施例において平均粒子径が30〜60nmの銀微粒子が得られている。しかしながら、一般的にナノメートルサイズの銀微粒子の低温焼結性は、銀微粒子そのものの特性とともに含有あるいは付着する有機物成分の特性に強く左右される。然るに前記特許文献には有機物成分の特性や含有量などは考慮されておらず、低温焼成が可能な導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤および接合材の原料に好適であるとは言い難いものである。
ガス中蒸発法のような特別な真空装置を用いないで、化学的還元法により簡便に銀微粒子を得る方法として、硝酸銀とアミンを出発原料にアスコルビン酸で還元する方法が提案されており、平均粒子径10nm以下の銀微粒子を得ている(特許文献6:特開2005−36309号公報)。該特許文献にはガス中蒸発法のような特別な装置が不要であり、簡便に銀微粒子を得る方法ではあるが、得られた銀微粒子に付着しているアミンを加熱により除去するためにはやはり200℃以上の加熱が必要であった。
また、粒子表面に有機金属化合物が付着している粒子径が1〜100nmの金属微粒子についての提案がなされている(特許文献7:特開2005−81501号公報)。しかし、表面に付着している有機金属化合物とその低温焼結性についての言及はなく、化学的処理による低温焼結の可能性についてもまったく触れられていない。実施例を引用すると銀微粒子を用いた金属膜を形成するときの加熱温度は250℃であり、本発明の課題である低温焼結の可能な銀微粒子とは言い難い。
別に硝酸銀のアンミン錯体が付着している平均粒子径が1〜20nmの銀微粒子が提案されている(特許文献8:特開2006−118010号公報)。該提案では分散性が良好である銀微粒子であるとともに、硝酸銀のアンミン錯体を容易に除去し、続いてその他の分散剤に置換できるとある。しかしながら、硝酸銀のアンミン錯体の除去と銀微粒子間の焼結性に関する言及は一切行われておらず、さらに実施例を引用すると、用いられているアルキルアミンはいずれも沸点が200℃より高いため、加熱による焼成時には分散剤の除去に200℃より高い温度が必要になることが容易に推測される。さらに、含まれている有機物含有量は10wt%以上であるとともに平均粒子径が20nmと小さいため焼成時の有機物の分解・飛散に伴う導電性膜の体積収縮という問題が残されている。従って、現在要求されている低温で用いることが出来る導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤および接合材の原料として好適とは言い難い。
また、Agなどの貴金属粒子の粒子表面をポリビニルピロリドンなどの表面処理剤で被覆することが提案されている(特許文献9:特開2004−43892号公報)。しかしながら、得られる銀微粒子は、低温焼成が可能な導電性ペーストおよび導電性接着剤、接合材の原料としては十分とは言い難いものである。
特開2002−121606号公報 特開2004−273205号公報 特開2005−298921号公報 特開2003−103158号公報 特開2006−183072号公報 特開2005−36309号公報 特開2005−81501号公報 特開2006−118010号公報 特開2004−43892号公報
このように、低温焼成が可能な導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤又は接合材の原料に好適な銀微粒子は知られていない。換言すれば200℃程度の低温焼成においてほとんどが分解・飛散する有機物成分を可能な限り少量含有あるいは付着し、しかも室温下で焼結や凝集を生じないほど安定であり、200℃程度の低温で焼結可能な大きさの銀微粒子は知られていなかった。さらに、最近では150℃以下の低温加熱で焼結する銀微粒子の要求も強い。
本発明の目的は、上記のような状況に対応して、低温焼成が可能な導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤あるいは接合材の原料として好適な、平均粒子径20〜100nmであり、低温焼成が可能な有機物成分を含有あるいは付着した銀微粒子とその製造法、ならびに室温下において簡便な化学反応処理を利用し導電性膜を形成する方法を提供する。
発明者は低温で分解・飛散し、焼成時に飛散量が出来るだけ少ない有機成分を含有あるいは付着しており、しかも室温下では簡便な化学反応を利用することで銀微粒子同士の焼結が進行する、導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤および接合材の原料に好適な銀微粒子を得るために誠心誠意検討した結果、ハロゲンイオンと容易にハロゲン化銀を形成することが出来る硝酸銀のアンミン錯体及びアミンが付着した銀微粒子であり、該硝酸銀のアンミン錯体を形成しているアミンと、同時に付着しているアミンの沸点が200℃以下であり、その含有量が銀に対して1質量%以下であり、平均粒子径が20〜100nmである銀微粒子であることを見出した。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均粒子径が20〜100nmであり、粒子表面に硝酸銀のアンミン錯体及びアミンが1質量%以下付着していることを特徴とする銀微粒子である。
また、本発明は、前記の硝酸銀のアンミン錯体に含まれるアミン部位及び同時に付着しているアミンがアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種類以上である銀微粒子である。
また、本発明は、硝酸銀と、水溶性又は水可溶性であって沸点が200℃以下のアミンの1種類以上とを用いて調製した硝酸銀のアンミン錯体のメタノール溶液を、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた水−メタノール混合溶媒中に添加して還元析出させ、平均粒子径20〜100nmの銀微粒子を得、次いで、銀微粒子の表面に付着した硝酸銀のアンミン錯体のアミン部位及び同時に付着しているアミンを、該アミンとは種類の異なるアミンを含む溶液中に浸漬し、硝酸銀のアンミン錯体のアミン及び同時に付着しているアミンの一部または全部を置換して調製することを特徴とする前記銀微粒子の製造方法である。
また、本発明は、溶剤中に前記銀微粒子を含む組成物である。
また、本発明は、前記銀微粒子を含む導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤あるいは接合材を用いて導電性膜を製造する方法において、ハロゲン化物イオンを銀微粒子に接触させて銀微粒子表面に付着した硝酸銀のアンミン錯体をハロゲン化銀に変換し、該ハロゲン化銀を銀微粒子表面から除去して銀微粒子同士を焼結させることを特徴とする導電性膜の製造方法である。
本発明に係る銀微粒子は、200℃以下の低温でほとんどが分解・飛散し、焼成時に飛散量が出来るだけ少ない有機成分を含有あるいは付着しており、さらに、ハロゲンイオンと接触させることで室温下においても銀微粒子同士の焼結が進行する、導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤および接合材の原料に好適な銀微粒子である。
さらに、本発明に係る銀微粒子の製造方法は、操作が簡便で特別な装置も不要なため、ナノメートルサイズの銀微粒子の製造で課題となる量産性への寄与も大きい。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
発明者らは銀微粒子の表面に、ハロゲンイオンと容易にハロゲン化銀を形成する硝酸銀のアンミン錯体及びアミンが付着しており、硝酸銀のアンミン錯体のアミン及び同時に付着しているアミンの沸点が200℃以下であり、その付着量が銀に対して1質量%以下であり、平均粒子径が20〜100nmである銀微粒子が、本特許の課題を解決することを見出した。
硝酸銀のアンミン錯体のアミンおよび同時に付着しているアミンの沸点は200℃以下が好ましい。沸点が200℃より高い場合には、低温下で焼結性を有する銀微粒子とすることが困難となる。
アミンとしてはアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミンなどである。これらはアミノ基という極性基を有しており、分子量も小さいため必然的に水溶性または水可溶性をしめすアミン群である。室温よりも沸点の低いアミンを用いる場合には、室温で取り扱うのに問題ない程度の沸点を有するアミンを用いて銀微粒子を調製した後に、沸点の低いアミンとアミン交換反応を利用して調製することができる。例えば、アミンとしてアンモニア(沸点:−33.35℃)を含む銀微粒子を調製する場合には、あらかじめブチルアミン(沸点:77℃)を用いて硝酸銀のブチルアミン錯体及び同時にブチルアミンが付着した銀微粒子を調製する。その後、アンモニア水に浸漬させた後、乾燥させることで硝酸銀のブチルアミン錯体の一部または全部あるいは同時に付着しているブチルアミンの一部または全部をアンモニアに置換させた銀微粒子を得ることが出来る。
銀微粒子に付着している硝酸銀のアンミン錯体及び同時に付着しているアミンの含有量は合計で1質量%以下である。1質量%を超えた場合、低温焼結性が低下し好ましくない。より好ましくは0.8質量%以下である。さらに好ましくは0.6質量%以下である。その下限値は0.3質量%程度である。0.3質量%未満の場合には室温下での熱的安定性に乏しくなり、微細な粒子径を保つことが難しくなる。
銀微粒子の平均粒子径は20〜100nmである。平均粒子径が20nmより小さい場合には、その微細な粒子径を安定に維持するために必要な硝酸銀のアンミン錯体のアミンおよび同時に付着しているアミンの分子量が高くなる場合や付着量が多くなってしまう。その場合、加熱時の分解・飛散温度を高く設定する必要が生じ低温焼結性を損なってしまい好ましくない。平均粒子径が100nmより大きい場合には銀微粒子の持つ表面活性が低くなり、低温焼結性が損なわれてしまう。好ましくは平均粒子径が50〜80nmである。
次に、本発明に係る銀微粒子の製造方法について述べる。
すなわち、硝酸銀と水溶性あるいは水可溶性であり沸点が200℃以下のアミンを1種類以上用いて調製した硝酸銀のアンミン錯体を、水−メタノール混合溶媒中においてアスコルビン酸またはエリソルビン酸により還元することで粒子径20〜100nmの銀微粒子を得、精製、乾燥して得ることができる。
以下、水溶性あるいは水可溶性であり沸点が200℃以下のアミンの代表としてブチルアミンを用いた例について記述するが、プロピルアミン、モノエタノールアミンなどのアミンでも同様に調製が可能である。
また、上述した硝酸銀と水溶性あるいは水可溶性であり沸点が200℃以下のアミンを1種類以上用いて調製した硝酸銀のアンミン錯体を、水−メタノール混合溶媒中においてアスコルビン酸またはエリソルビン酸により還元することを特徴とする基本的な概念が同様であれば、以下の条件に限定されるものではない。例えば、メタノールの量や水の量は、用いるアミンの溶液への溶解性、反応容器と攪拌機構によりその最適な体積比率は変化する。
はじめに、硝酸銀とブチルアミンにより硝酸銀のアンミン錯体を発熱に注意しながらメタノール溶媒中で形成させる。発熱量が多いと、硝酸銀がアミンで還元されて好ましくないので、水浴などで溶液の温度が上昇しすぎないように配慮する。硝酸銀とブチルアミンのモル比率は1:2〜1:2.5が好ましい。より好ましくは1:2〜1:2.2である。ブチルアミンの量がこの比率より多い場合には生成する銀微粒子同士が凝集する傾向にあり、少ない場合には大きな粒子が生成しやすい傾向がある。
次に、還元剤であるアスコルビン酸またはエリソルビン酸を水中に溶解させる。アスコルビン酸またはエリソルビン酸は硝酸銀に対して1.0〜2.0当量が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5当量である。アスコルビン酸またはエリソルビン酸が2当量より多い場合には、生成した銀微粒子同士が凝集した銀粉が得られる傾向がある。
還元剤を水に溶解させた後にメタノールを添加しよく混合する。
硝酸銀のアンミン錯体を形成させた溶液のメタノールの体積量をA、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた溶液中のメタノールの体積量をA、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた溶液中の水の体積量をBとした場合、A:A:Bの比率は1:0〜1:1〜3に近くなるように調製することが好ましい。この体積比率から大きくずれていたとしても低温焼成が可能な大きさの銀微粒子を得ることはできるが、大きな粒子が生成する場合や、その後の粉砕が困難と考えられる2次凝集体が得られるなど、低温焼成が可能な銀微粒子の収率が悪化する傾向にある。
続いて、硝酸銀のアンミン錯体を形成させたメタノール溶液を、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた水−メタノール溶液中に滴下する。水−メタノール溶液はできるだけよく攪拌した方が好ましい。攪拌が不十分であると、大きな粒子が生成しやすい傾向にある。
滴下するときの溶液の温度は15℃〜30℃が好ましい。より好ましくは18℃〜25℃である。この範囲より低温であるとその後の粉砕が困難な2次凝集体が得られ、この範囲より高温であると大きな粒子が生成する傾向がある。
A液とB液の滴下の方向を反対にした場合、すなわち、硝酸銀のアンミン錯体を形成させたメタノール溶液に、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた水−メタノール溶液中を滴下した場合には、銀微粒子の大きさは微細なものになるが、銀微粒子同士が房状に凝集した銀粉が得られてしまう傾向にある。
滴下終了後、1時間以上攪拌を続けたのち静置すると銀微粒子が沈降してくる。上澄み液をデカンテーションにより取り除く。続いて、メタノールおよび水を用いて精製を行い、余分な還元剤、ブチルアミン、硝酸銀などを取り除く。
生成した銀微粒子を、例えば、40℃の乾燥機で乾燥させ水分を取り除くと、平均粒子径20〜100nmであり、硝酸銀のブチルアミン錯体及びブチルアミンを1質量%以下付着した銀微粒子を得ることができる。
本発明で得られた銀微粒子について、熱分析の重量変化を図1に示す。図1において低温領域で減量している曲線(a)が付着しているブチルアミンを示し、続いて示している重量相当分(b)が硝酸銀のブチルアミン錯体を示している。熱分析の連続した減量曲線において硝酸銀のアンミン錯体と同時に付着しているアミンの各々の分解・飛散領域には明確な境はないが、これは熱分解と飛散が同時に生じているためである。しかしながら、この境が明確でないことは本発明に係る銀微粒子の低温焼結性を損なうことにはなんら影響しない。
上記方法で得られた銀微粒子を例えば25%アンモニア水の中に投入した後、水洗すると、硝酸銀のアンミン錯体のアミン部であるブチルアミンおよび同時に付着しているブチルアミンの一部または全部が置換された銀微粒子を得ることが出来る。熱分析の重量変化(図2)において減量曲線が明らかに低温側にシフトしていることが見られ、ブチルアミンがより沸点の低いアンモニアに置換していることが確認できる。
上記の方法で得られた銀微粒子(図3)を大気中、200℃で60分焼成すると、銀微粒子同士が低温加熱にもかかわらず焼結している状態が確認できる(図4)。
上記の方法で得られた銀微粒子を通常の方法でペースト化し、ガラス基板上に塗布後、飽和食塩水を添加した後、水洗する。その結果、室温下にもかかわらず銀微粒子同士の焼結と結晶成長が生じていることを確認できる(図5)。これは飽和食塩水中の塩素イオンが硝酸銀のアンミン錯体の銀イオンと塩化銀を生成し、続いて水洗により取り除かれることで、活性な銀微粒子表面が現れて銀微粒子同士が焼結あるいは結晶成長したためである。
用いるハロゲンイオン源は硝酸銀のアンミン錯体とハロゲン化物生成するものであれば特に限定されない。上記の飽和食塩水が作業上使い易いが、その他にも塩酸などの無機酸や界面活性剤などに含まれる4級アンモニウム塩に含まれるハロゲンイオンでも同様に低温焼結を生じさせうることが出来る。
次に、本発明に係る銀微粒子を含む分散液について述べる。
本発明に係る銀微粒子を含む分散液は、溶媒として、トルエン、キシレン、テルピネオール、テトラデカン、セカンダリーブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテートなどを用いることができる。
添加剤としては、エチルセルロース、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニルなどを用いることができる。
組成物中の銀微粒子の含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは10〜80重量%である。
<作用>
発明者らは銀微粒子の表面に、ハロゲンイオンと容易にハロゲン化銀を形成する硝酸銀のアンミン錯体及びアミンが付着しており、硝酸銀のアンミン錯体のアミン及び同時に付着しているアミンの沸点が200℃以下であり、その付着量が銀に対して1質量%以下であり、平均粒子径が20〜100nmである銀微粒子が、本特許の課題を解決することを見出した。
ハロゲンイオンと容易にハロゲン化銀を形成する硝酸銀のアンミン錯体とアミンが銀微粒子表面に付着することで、室温下において銀微粒子同士の焼結や結晶成長を抑えることができる。さらに、硝酸銀のアンミン錯体のアミンと、同時に付着しているアミンの沸点が200℃以下のアミンを用いることにより、低温加熱により硝酸銀のアンミン錯体とアミンを分解・飛散させうることができる。硝酸銀のアンミン錯体の分解・飛散によって現れた活性な銀微粒子の表面により、銀微粒子同士の焼結と結晶成長が進行する。
銀イオンはハロゲンイオンと容易にハロゲン化銀を形成する性質がある。本発明に係る銀微粒子を含む導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤および接合材を用いて導電性膜を形成する場合に、ハロゲンイオンと接触させることで銀微粒子に付着している硝酸銀のアンミン錯体がハロゲン化銀を形成し、該ハロゲン化銀を取り除くと銀微粒子の活性な表面が現れ、容易に焼結あるいは結晶成長が室温下において生じさせることが可能である。
また、硝酸銀のアンミン錯体と同時に銀微粒子に付着しているアミンは、銀微粒子及び硝酸銀のアンミン錯体と弱く結合しており、銀微粒子の表面活性を抑えて、銀微粒子の取り扱いを容易なものにしている。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
銀微粒子の平均粒子径は,調製した銀粒子の走査型電子顕微鏡写真(×10万倍、HITACHI製 S−4800)を撮影し、写真上100個の銀粒子の粒径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
付着している硝酸銀のアンミン錯体および同時に付着しているアミンの量は熱分析装置(Seiko Instruments Inc. 製 EXSTAR 6000 TG/DTA6300)を用い、乾燥空気を300ml/minフローした条件下、室温から550℃まで10℃/minで昇温加熱し、加熱始め(30℃)のサンプル量から減量が終了した時点(300℃)でのサンプル量を差し引いた量を、硝酸銀のアンミン錯体および同時に付着しているアミンの量として測定した。
実施例1
500mLのビーカーに硝酸銀40g、ブチルアミン(分子量:73.14、沸点:78℃)37.9g、メタノール200mLを加え、1時間攪拌しA液を調製した。別に2Lのビーカーにアスコルビン酸62.2gを取り、水400mLを加え攪拌して溶解し、続いてメタノール200mLを加えB液を調製した。
B液をよく攪拌しA液をB液に1時間20分かけて滴下した。滴下終了後、3時間30分攪拌を継続した。攪拌終了後、30分間静置し固形物を沈降させた。
上澄みをデカンテーションにより取り除いた後、ろ紙を用いて吸引ろ過した。続いて、メタノール200mLを用いて洗浄ろ過した。さらに水400mLを用いて洗浄ろ過した。得られた銀微粒子の固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し、水分を除去して銀微粒子を得た。銀微粒子は電子顕微鏡による観察から一次粒子の平均粒子径が60nmであった(図6)。
熱分析により硝酸銀のブチルアミン錯体および同時に付着しているブチルアミンの量は0.73質量%であった。
得られた銀微粒子の一部を大気中、150℃で60分間加熱し、電子顕微鏡で観察したところ、低温加熱にもかかわらず銀微粒子同士が焼結構造をとっているのが確認できた(図7)。
得られた銀微粒子の一部を、セカンダリーブチルアルコール(SBA)を用いてペースト化し、ガラス基板上に塗布した。続いて、室温下、塗布した上から飽和食塩水を添加した後、水洗を行った。電子顕微鏡により銀微粒子の状態を観察したところ、銀微粒子同士が焼結していることが確認できた(図5)
実施例2
1Lのビーカーに硝酸銀160g、ブチルアミン(分子量:73.14、沸点:78℃)151.2g、メタノール800mLを加え、2時間攪拌しA液を調製した。別に、10Lのビーカーにエリソルビン酸248.8gを取り、水2000mLを加え攪拌して溶解し、続いてメタノール800mLを加えB液を調製した。
B液をよく攪拌しA液をB液に5時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間30分攪拌を継続した。攪拌終了後、30分間静置し固形物を沈降させた。
上澄みをデカンテーションにより取り除いた後、ろ紙を用いて吸引ろ過した。続いて、メタノール500mLを用いて洗浄ろ過した。さらに水1000mLを用いて洗浄ろ過した。得られた銀微粒子の固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し、水分を除去し銀微粒子を得た。銀微粒子は電子顕微鏡による観察から、一次粒子の平均粒子径は80nmであった(図8)。
熱分析により硝酸銀のブチルアミン錯体および同時に付着しているブチルアミンの量は0.8質量%であった。
得られた銀微粒子の一部を大気中、200℃で60分間加熱し、電子顕微鏡で観察したところ、低温加熱にもかかわらず銀微粒子同士が焼結構造をとっているのが確認できた(図9)。
得られた銀微粒子を25%アンモニア水(100mL)の中に投入し、30分間攪拌した。続いて、ろ紙を用いて銀微粒子をろ取した後、十分水洗を行った。30℃の乾燥機で乾燥し銀微粒子を得た。得られた銀微粒子の熱分析を行い、ブチルアミンを用いて調製した銀微粒子の熱分析の結果と比較した(図2)。減量曲線は明らかに低温側にシフトしており、ブチルアミンあるいは硝酸銀のブチルアミン錯体の一部がより低沸点であるアンモニアに置換されたことが分かる。また、得られた銀微粒子の形状はアンモニアに置換された後もほとんど変化が確認できなかった(図10)。
アンモニアで置換して得られた銀微粒子の一部を、セカンダリーブチルアルコール(SBA)を用いてペースト化し、ガラス基板上に塗布した。続いて、室温下、塗布した上から0.01N塩酸を添加した後、水洗を行った。電子顕微鏡により銀微粒子の状態を観察したところ、銀微粒子同士が焼結していることが確認できた。
実施例3
1Lのビーカーに硝酸銀160g、ブチルアミン151.2g、メタノール800mLを加え、2時間攪拌しA液を調製した。別に10Lのビーカーにアスコルビン酸248.8gを取り、水1600mLを加え攪拌して溶解し、続いてメタノール800mLを加えB液を調製した。
B液をよく攪拌しA液をB液に5時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間30分攪拌を継続した。攪拌終了後、30分間静置し固形物を沈降させた。
上澄みをデカンテーションにより取り除いた後、ろ紙を用いて吸引ろ過した。続いて、メタノール500mLを用いて洗浄ろ過した。さらに水1000mLを用いて洗浄ろ過した。得られた銀微粒子の固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し、水分を除去して銀微粒子を得た。銀微粒子は電子顕微鏡による観察から、一次粒子の平均粒子径は65nmであった(図11)。
熱分析により硝酸銀のブチルアミン錯体および同時に付着しているブチルアミンの量は0.35質量%であった。
得られた銀微粒子の一部を大気中、100℃で60分間加熱し、電子顕微鏡で観察したところ、低温加熱にもかかわらず銀微粒子同士が焼結構造をとっているのが確認できた(図12)。
比較例1
特開2004−43892公報の第3実施形態を実施して、銀微粒子を得た。
〈第1の溶液の作製〉
純水とエタノールとを重量比で1/1の割合で混合した水性溶剤250mLに、硝酸銀12.8gを溶解したのち、アンモニア水を加えて液のpHを11.3±1となるように調整して第1の溶液を作製した。アンモニア水を加えると最初、液は褐色に濁ったが、pHが11.3になると無色透明に変化した。
〈第2の溶液の作製〉
純水とエタノールとを重量比で1/1の割合で混合した水性溶剤250mLに、還元剤としてのL−アスコルビン酸13.2gと、表面処理剤としてのポリビニルピロリドン0.6gとを溶解して第2の溶液を作製した。
〈Ag微粒子の製造〉
上記第2の溶液の液温を2℃に維持しつつ、かく拌下、第1の溶液を徐々に滴下して、Ag微粒子を還元、析出させた。
そして、析出したAg微粒子を遠心分離によって回収し、純水とエタノールとを重量比で1/1の割合で混合した水性溶剤を用いて2回、洗浄したのち乾燥させて、Ag微粒子を製造した。
得られた銀微粒子の平均粒子径は70nmであり、表面処理剤としてポリビニルピロリドンが銀に対して3.5質量%含まれていることが分かった。
得られた銀微粒子の一部を大気中、200℃で1時間加熱し、電子顕微鏡で観察したところ、銀微粒子同士の焼結は確認できなかった。よって、低温焼成が可能な導電性ペーストおよび導電性接着剤、接合材の原料に不向きな銀微粒子であることが分かった。
比較例2
500mLのビーカーに硝酸銀20gと水200mLを加え、続いてモノエタノールアミン15.8g(分子量:61.08、沸点:170℃)を少しずつ加え、硝酸銀のアンミン錯体水溶液であるA液を調製した。別に、1Lのビーカーにアスコルビン酸31.1gと水300mLに溶かしB液を調製した。
B液をよく攪拌しA液をB液に1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間30分攪拌を継続した。攪拌終了後、30分間静置し固形物を沈降させた。上澄みをデカンテーションにより取り除いた後、ろ紙を用いて吸引ろ過した。続いて、メタノール100mLを用いて洗浄ろ過した。さらに水200mLを用いて洗浄ろ過した。得られた銀微粒子の固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し、水分を除去して銀微粒子を得た。
銀微粒子は電子顕微鏡による観察から、一次粒子の平均粒子径が25μmであった。
熱分析により有機物成分が2.5質量%含まれていることが分かった。
得られた銀微粒子の一部を大気中、200℃で1時間加熱し、電子顕微鏡で観察したところ、銀微粒子同士の焼結は確認できなかった。
得られた銀微粒子の一部を、セカンダリーブチルアルコール(SBA)を用いてペースト化し、ガラス基板上に塗布した。続いて、室温下、塗布した上から飽和食塩水を添加した後、水洗を行った。電子顕微鏡により銀微粒子の状態を観察したところ、銀微粒子同士の焼結は見られなかった。
比較例3
500mLのビーカーに硝酸銀20gとメタノール200mLを加え、続いてブチルアミン18.9gを加え、硝酸銀のアンミン錯体溶液であるA液を調製した。1Lのビーカーにアスコルビン酸31.1gとメタノール300mLを混合しB液を調製した。
B液をよく攪拌しA液をB液に1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間30分攪拌を継続した。攪拌終了後、30分間静置し固形物を沈降させた。上澄みをデカンテーションにより取り除いた後、ろ紙を用いて吸引ろ過した。続いて、メタノール100mLを用いて洗浄ろ過した。さらに水200mLを用いて洗浄ろ過した。得られた銀微粒子の固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し、水分を除去して銀微粒子を得た。
銀微粒子は電子顕微鏡による観察から平均一次粒子径は30nmであったが、300〜500のnmの粉砕困難な凝集粒子であった(図13)。
比較例4
500mLのビーカーに硝酸銀20gと水200mLを加え、続いて28%アンモニア水を少しずつ加え、硝酸銀のアミン錯体水溶液であるA液を調製した。1Lのビーカーにアスコルビン酸31.1gと水300mLに溶かしB液を調製した。
B液をよく攪拌しA液をB液に1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間30分攪拌を継続した。攪拌終了後、30分間静置し固形物を沈降させた。
上澄みをデカンテーションにより取り除いた後、ろ紙を用いて吸引ろ過した。続いて、水200mLを用いて洗浄ろ過した。得られた銀微粒子の固形物を40℃の乾燥機中で乾燥し、水分を除去して銀微粒子を得た。
銀微粒子は電子顕微鏡による観察から、一次粒子の平均粒子径が5μmの粒子であった。
得られた銀微粒子の一部を大気中、200℃で1時間加熱し、電子顕微鏡で観察したところ、銀微粒子同士の焼結は確認できなかった。
得られた銀微粒子の一部を、セカンダリーブチルアルコール(SBA)を用いてペースト化し、ガラス基板上に塗布した。続いて、室温下、塗布した上から飽和食塩水を添加した後、水洗を行った。電子顕微鏡により銀微粒子の状態を観察したところ、銀微粒子同士の焼結は見られなかった。
本発明の銀微粒子は、低温焼成が可能な導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤又は接合材等の銀微粒子原料として好適であり、さらに該銀微粒子を用いることで簡便な化学反応を利用し室温下において導電性膜中を形成することが可能であり産業上極めて有用である。
本発明で得られた銀微粒子の熱分析の重量変化を示すグラフである。 一部アミンで置換された本発明に係る銀微粒子の熱分析の重量変化を示すグラフである。 本発明に係る銀微粒子の電子顕微鏡写真である。 本発明に係る銀微粒子の焼成後の電子顕微鏡写真である。 本発明に係る銀微粒子について、食塩水で添加した後の電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた銀微粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた銀微粒子について、150℃で60分間熱処理した後の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた銀微粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた銀微粒子について、200℃で60分間熱処理した後の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた銀微粒子について、アンモニアで処理した後の銀微粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた銀微粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた銀微粒子について、100℃で60分間熱処理した後の電子顕微鏡写真である。 比較例3で得られた銀微粒子の電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 平均粒子径が20〜100nmであり、粒子表面に硝酸銀のアンミン錯体及びアミンが1質量%以下付着していることを特徴とする銀微粒子。
  2. 請求項1記載の硝酸銀のアンミン錯体に含まれるアミン部位及び同時に付着しているアミンがアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種類以上である銀微粒子。
  3. 硝酸銀と、水溶性又は水可溶性であって沸点が200℃以下のアミンの1種類以上とを用いて調製した硝酸銀のアンミン錯体のメタノール溶液を、アスコルビン酸またはエリソルビン酸を溶解させた水−メタノール混合溶媒中に添加して還元析出させ、平均粒子径20〜100nmの銀微粒子を得、次いで、銀微粒子の表面に付着した硝酸銀のアンミン錯体のアミン部位及び同時に付着しているアミンを、該アミンとは種類の異なるアミンを含む溶液中に浸漬し、硝酸銀のアンミン錯体のアミン及び同時に付着しているアミンの一部または全部を置換して調製することを特徴とする請求項1または請求項2記載の銀微粒子の製造方法。
  4. 溶剤中に請求項1または請求項2記載の銀微粒子を含む組成物。
  5. 請求項1または請求項2記載の銀微粒子を含む導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤あるいは接合材を用いて導電性膜を製造する方法において、ハロゲン化物イオンを銀微粒子に接触させて銀微粒子表面に付着した硝酸銀のアンミン錯体をハロゲン化銀に変換し、該ハロゲン化銀を銀微粒子表面から除去して銀微粒子同士を焼結させることを特徴とする導電性膜の製造方法。
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