JP2009143720A - チェーン浮き上がり防止機能付きフローコンベヤ - Google Patents

チェーン浮き上がり防止機能付きフローコンベヤ Download PDF

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Abstract

【課題】チェーンに掛かる負荷を増大させることなく、コンベヤケース内に搬送物が残留することを抑制したフローコンベヤを提供する。
【解決手段】駆動スプロケット140と従動スプロケット150とに掛架された一条のチェーン130が、コンベヤケース120内を循環走行するとともに走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けてアタッチメントを具備し、該アタッチメントに固着した掻き板が、コンベヤケース120の天板122に設けられた投入口から投入された粉粒体をコンベヤケースの底板124に沿って搬送しコンベヤケース120の底板124に設けられた排出口から排出するものであって、掻き板が、底板124に対して垂直である垂直式スクレーパ132と底板124に対して傾倒した傾斜式スクレーパ131とを有していることによって、上記の課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、穀類の粉体、粒体、粉炭、食品、薬品、樹脂などの粉粒体を搬送路に沿って敷設されたコンベヤケース内を循環走行するチェーンに取り付けられた掻き板により、コンベヤケースの底板に沿って搬送し、排出口から排出するフローコンベヤに関し、特に、コンベヤケース内においてチェーンが床板から浮き上がることを防止する機能を有するフローコンベヤに関する。
一条のローラチェーンの走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けて取り付けられた掻き板が、コンベヤケース内を循環走行し、投入口から投入された粉粒体をコンベヤケースの底板に沿って搬送し、排出口から排出するフローコンベヤであって、コンベヤケース内に搬送物である粉粒体が残留することを防止するためにローラーチェーンにコンベヤケースの床板に対して垂直である複数の垂直式スクレーパを備えたフローコンベヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、大きさや形が不揃いな異形材料であっても効率よく搬送するために、循環状のローラチェーンに床板に対して傾倒した複数の傾斜式スクレーパを備えたフローコンベヤが知られている(例えば、特許文献2参照)である。
特開2006−16154号公報 特開2004−210531号公報
ところが、前記特許文献1に開示されたフローコンベヤは、ローラチェーンに固設された垂直式スクレーパが、コンベヤケースの床板を掻きながら走行するため、コンベヤケースの床板に搬送物が堆積している場合、堆積物に垂直式スクレーパが乗り上げ、ローラチェーンが浮き上がってしまいフローコンベヤの搬送効率が低下するという課題が指摘されている。そこで、ローラチェーンの浮き上がりを防止するためにコンベヤケース内の床板に沿って走行するローラチェーンを上方から押さえ込む浮き上がり防止体を複数設けることも行われているが、浮き上がり防止体によってローラチェーンを床板に押さえ込むことによって、ローラチェーンに掛かる抵抗が増加し、惹いては、ローラチェーンを循環走行させるための駆動源が過負荷状態になりフローコンベヤの運転停止を余儀なくされるという課題が懸念されている。
一方、前記特許文献2に開示されたフローコンベヤは、ローラチェーンに固設された傾斜式スクレーパが、コンベヤケースの床板を直接掻きながら走行するため、コンベヤケース内に残留する搬送物を少なくすることができるが、その分、大きな力がローラチェーンに掛かり、駆動源が大型化するなどの課題が指摘されている。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、チェーンに掛かる負荷を増大させることなく、コンベヤケース内に搬送物が残留することを抑制したフローコンベヤを提供することを目的とする。
まず、本請求項1に係る発明は、駆動スプロケットと従動スプロケットとに掛架された一条のチェーンが、コンベヤケース内を循環走行するとともに走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けてアタッチメントを具備し、該アタッチメントに固着された掻き板が、前記コンベヤケースの天板に設けられた投入口から投入された粉粒体をコンベヤケースの底板に沿って搬送し、コンベヤケースの底板に設けられた排出口から排出するフローコンベヤにおいて、前記掻き板が、前記底板に対して垂直である垂直式スクレーパと前記底板に対して傾倒した傾斜式スクレーパとを有していることによって、前記課題を解決したものである。
そして、本請求項2に係る発明は、請求項1に係るフローコンベヤにおいて、前記垂直式スクレーパが、前記底板に接触して走行し、前記傾斜式スクレーパが、前記底板との間に隙間を維持して走行することにより、前記課題をさらに解決したものである。
また、本請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係るフローコンベヤにおいて、前記傾斜式スクレーパが、前記底板に対する傾斜角度を調整可能であることにより、前記課題をさらに解決したものである。
本請求項1に係る発明によれば、駆動スプロケットと従動スプロケットとに掛架された一条のチェーンが、コンベヤケース内を循環走行するとともに走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けてアタッチメントを具備し、このアタッチメントに固着された掻き板が、コンベヤケースの天板に設けられた投入口から投入された粉粒体をコンベヤケースの底板に沿って搬送し、コンベヤケースの底板に設けられた排出口から排出するフローコンベヤにおいて、掻き板が、底板に対して垂直である垂直式スクレーパと底板に対して傾倒した傾斜式スクレーパとを有していることによって、垂直スクレーパによりコンベヤケースの床板に沿って搬送される搬送物の残留を抑制するとともに、傾斜式スクレーパが搬送物の中を走行することにより、傾斜式スクレーパに垂直方向の分力が加わりチェーンを床板に押し付ける作用が働くため、垂直スクレーパによる残留抑制効果と傾斜式スクレーパによるチェーン浮き上がり抑制効果が相乗的に作用し、きわめて高い搬送効率が実現できる。
そして、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係るフローコンベヤが奏する効果に相乗して、垂直式スクレーパが、底板に接触して走行し、傾斜式スクレーパが、底板との間に隙間を維持して走行することにより、傾斜式スクレーパと床板との間に摩擦抵抗が生じることが防止されるとともに傾斜式スクレーパに生じる前述した垂直方向の分力が底板に吸収されることなく全てチェーンに加わるため、垂直式スクレーパが残留物に乗り上がることなく、きわめて高い残留抑制効果が実現できる。
ここで、「垂直方向の分力が底板に吸収される」とは、傾斜式スクレーパに生じた垂直方向の分力としては、まだ、十分にチェーンを床板に押さえ込むだけの大きさを有しているのにも関わらず、傾斜式スクレーパが床板と接触していることにより、それ以上チェーンを床板に押さえ込むことができないことを意味している。
また、本請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に係るフローコンベヤが奏する効果に相乗して、傾斜式スクレーパが、底板に対する傾斜角度を調整可能であることにより、搬送物である粉粒体の直径や重量に応じて傾斜式スクレーパに生じる垂直方向の分力の大きさを変更することができるため、垂直スクレーパによる残留抑制効果と傾斜式スクレーパによるチェーン浮き上がり抑制効果との一層高い相乗効果を実現することができる。
本発明は、駆動スプロケットと従動スプロケットとに掛架された一条のチェーンが、コンベヤケース内を循環走行するとともに走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けてアタッチメントを具備し、このアタッチメントに固着された掻き板が、コンベヤケースの天板に設けられた投入口から投入された粉粒体をコンベヤケースの底板に沿って搬送し、コンベヤケースの底板に設けられた排出口から排出するフローコンベヤにおいて、掻き板が、底板に対して垂直である垂直式スクレーパと底板に対して傾倒した傾斜式スクレーパとを有していることによって、チェーンに掛かる負荷を増大させることなく、コンベヤケース内に搬送物が残留することを抑制するものであれば、その具体的な実施の形態は、如何なるものであっても何ら構わない。
例えば、垂直式スクレーパと傾斜式スクレーパは、交互に設置しても良いし、垂直式スクレーパ2つに対して傾斜式スクレーパ1つを設置しても良い。
本発明の一実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。
ここで、図1は本発明の実施例であるフローコンベヤの側壁板を外した状態における側面図であり、図2は、図1のII部における拡大図であり、図3は、図2を矢視III方向から見たときの上面図であり、図4は、図1のIV−IV線位置で矢印方向に見た断面図であり、図5は、掻き板の正面図であり、図6は、傾斜式スクレーパの傾斜角度の調整機構を説明する側面図である。
本発明の一実施例であるフローコンベヤ100は、図1に示すように、コンベヤケース120内に枢設された一対の駆動スプロケット140と従動スプロケット150間に掛架されコンベヤケース120内を循環走行する一条のチェーン130と、そのチェーン130の走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けて取り付けられたアタッチメントに固着された掻き板とからなる。
このフローコンベヤ100は、掻き板を取り付けたチェーン130が、コンベヤケース120内を循環走行し、コンベヤケース120の天板122に設けられた投入口120aから投入された粉粒体Mをコンベヤケース120の底板124に沿って搬送し、排出口120bから排出するものである。なお、図1において参照符号190を付した部材は、テークアップ手段であり、チェーン130に伸びが生じたとき、テークアップ手段190により従動スプロケット150を移動して張力を調整するために使用される。
また、フローコンベヤ100は、図1及び図4に示すように、チェーン130の戻り側において、チェーン130が内接するレール160と、コンベヤケース120の側壁板126、128間に適宜間隔で複数配設されたレール160を支持するレール支持部材162を有している。
チェーン130は、図3及び図4に示すように、2本のブシュ(図示略)の両端が、一対の内プレート133に穿孔されたブシュ孔(図示略)にそれぞれ圧入され、ブシュ(図示略)に遊嵌されたローラ134を有する内リンクILと、隣接した内リンクIL、ILのブシュ内に遊貫された2本のピン136の両端が、一対の内プレート133の両外側に配置された一対の外プレート135に穿孔されたピン孔(図示略)にそれぞれ圧入された外リンクOLとを有し、内リンクILと外リンクOLとがピン136により交互に屈曲可能に連結された構成を有している。
掻き板は、図2に示すように、コンベヤケース120の底板124に対して垂直である垂直式スクレーパ132と、底板124に対して傾倒した傾斜式スクレーパ131とを有している。この垂直式スクレーパ132及び傾斜式スクレーパ131は、図5に示すように中央にチェーン130が収まる切欠部Kとアタッチメントに螺設するためのボルトBが挿通する取付孔Hを有しており、コンベヤケース120の側壁板126、128間に略相当する長さのものである。この傾斜式スクレーパ131及び垂直式スクレーパ132は、図3に示すように、内リンクILを構成する一対の内プレート133の外側に一体に形成されたアタッチメント137、138に固定されることにより、チェーン130の走行方向左右両側に、チェーン長手方向に所定の間隔で取り付けられる。なお、アタッチメント137、138は、内プレート133に一体に形成する替わりに外プレート135に一体に形成しても構わない。また、一体に形成することに替えて、別体として溶接、ボルトなどで内プレート133又は外プレート135に固定しても構わない。
傾斜式スクレーパ131及び垂直式スクレーパ132は、前述したように図5に示すように同じ形状を有しており、その結果、部品管理負担及び製造コストが軽減される。さらに、アタッチメント137に傾斜式スクレーパ131を螺設した際に、図2に示すように、コンベヤケース120と傾斜式スクレーパ131の下端面との間に隙間Sが形成される。その結果、傾斜式スクレーパ131と床板124との間に摩擦抵抗が生じることが防止されるとともに傾斜式スクレーパ131が粉粒体の中を進行させることによって生じる粉粒体が傾斜式スクレーパ131を下方に押さえ込む垂直方向の分力が底板124に吸収されることなくチェーン130に加わるため、垂直式スクレーパ132が残留物に乗り上がることなく、きわめて高い残留抑制効果が実現できる。
次に傾斜式スクレーパ131の底板に対する傾斜角度を調整可能とするための手段について、図6に基づいて説明する。図6(a)は、通常の傾斜角度αを有する傾斜スクレーパ131を示している。すなわち、チェーンの内プレートに、内プレートの底辺に対して傾斜角度αを有しているアタッチメント137に直接、傾斜式スクレーパ131がボルトB及びナットNによって取り付けられている。
図6(b)は、ボルトBの頭部と傾斜式スクレーパ131との間に断面楔形をしたディスタンスピース131aを挟み、傾斜式スクレーパ131とアタッチメント137との間に同じく断面楔形をしたディスタンスピース131bを挟みディスタンスピース131aと傾斜式スクレーパ131とディスタンスピース131bの3部材を一緒にボルトBとナットNによって、アタッチメント137に螺設している。
ディスタンスピース131a、131bは、ボルトBが挿通できる挿通孔を有し傾斜式スクレーパ131の厚みと同程度の高さを有した円筒状物の側面を端面に対して交差角がβである面で切断して2つの部材に分けることによって、製造することができる。このようなディスタンスピース131a、131bによって傾斜式スクレーパ131を挟んでボルトBとナットNによってアタッチメント137に共締めすることによって、傾斜式スクレーパ131は、床板124に対して、アタッチメント137の傾斜角度α及びディスタンスピース131a、131bによって形成される傾斜角度βを減算した傾斜角度α−βを有するように設置できる。
さらに、図6(c)は、ボルトBの頭部と傾斜式スクレーパ131との間に断面楔形をしたディスタンスピース131cを挟み、傾斜式スクレーパ131とアタッチメント137との間に同じく断面楔形をしたディスタンスピース131dを挟みディスタンスピース131cと傾斜式スクレーパ131とディスタンスピース131dの3部材を一緒にボルトBとナットNによって、アタッチメント137に螺設している。
ディスタンスピース131c、131dは、前述したディスタンスピース131a、131bと同様な方法によって、製造することができる。すなわち、ボルトBが挿通できる挿通孔を有し傾斜式スクレーパ131の厚みと同程度の高さを有した円筒状物の側面を端面に対して交差角がγである面で切断して2つの部材に分けることによって、製造することができる。このようなディスタンスピース131c、131dによって傾斜式スクレーパ131を挟んでボルトBとナットNによってアタッチメント137に共締めすることによって、傾斜式スクレーパ131は、床板124に対して、アタッチメント137の傾斜角度α及びディスタンスピース131c、131dによって形成される傾斜角度γを減算した傾斜角度α−γを有するように設置できる。
このように、円筒状物の側面を切断するときの端面に対する交差角を変更することによって、傾斜式スクレーパ131の底板124に対する傾斜角度を簡単にかつ細かく調整することができ、その効果は甚大である。
また、傾斜式スクレーパ131に穿孔する取付孔Hは、傾斜式スクレーパ131を最も傾斜したときに、すなわち、図6においては、(c)の状態のときに取付用のボルトBが挿通できるようにボルトBの外径よりも大きな孔径を有している。
また、本発明のフローコンベヤのチェーンを構成する各プレート、ブシュ、ピン、ローラ、アタッチメント、傾斜式スクレーパ、垂直式スクレーパ等の各部品は、鋼鉄、ステンレスなど金属製のものとすることが好ましいが、適宜の部品を他の金属製のものにしたり合成樹脂製のものとしても構わない。
本発明の実施例であるフローコンベヤの側面図。 図1のII部における拡大図。 図2を矢視III方向から見たときの上面図。 図1のIV−IV線位置で矢印の方向に見た断面図。 掻き板の正面図。 傾斜式スクレーパの傾斜角度の調整機構を説明する側面図。
符号の説明
100 ・・・ フローコンベヤ
120 ・・・ コンベヤケース
120a・・・ 投入口
120b・・・ 排出口
122 ・・・(コンベヤケースの)天板
124 ・・・(コンベヤケースの)床板
126、128 ・・・(コンベヤケースの)側壁板
130 ・・・ チェーン
131 ・・・ 傾斜式スクレーパ
132 ・・・ 垂直式スクレーパ
133 ・・・(チェーンの)内プレート
134 ・・・(チェーンの)ローラ
135 ・・・(チェーンの)外プレート
136 ・・・(チェーンの)ピン
137、138 ・・・アタッチメント
140 ・・・ 駆動スプロケット
150 ・・・ 従動スプロケット
160 ・・・ レール
162 ・・・ レール支持部材
IL ・・・ 内リンク
OL ・・・ 外リンク

Claims (3)

  1. 駆動スプロケットと従動スプロケットとに掛架された一条のチェーンが、コンベヤケース内を循環走行するとともに走行方向に対して左右両側に所定の間隔を開けてアタッチメントを具備し、該アタッチメントに固着した掻き板が、前記コンベヤケースの天板に設けられた投入口から投入された粉粒体をコンベヤケースの底板に沿って搬送しコンベヤケースの底板に設けられた排出口から排出するフローコンベヤにおいて、
    前記掻き板が、前記底板に対して垂直である垂直式スクレーパと前記底板に対して傾倒した傾斜式スクレーパとを有していることを特徴とするフローコンベヤ。
  2. 前記垂直式スクレーパが、前記底板に接触して走行し、前記傾斜式スクレーパが、前記底板との間に隙間を維持して走行することを特徴とする請求項1記載のフローコンベヤ。
  3. 前記傾斜式スクレーパが、前記底板に対する傾斜角度を調整可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフローコンベヤ。
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