JP2004238117A - 穀物移送用スクレーパーコンベヤー。 - Google Patents

穀物移送用スクレーパーコンベヤー。 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成のチェーン支持手段および騒音防止手段を具え、運転管理が容易で、搬送効率の優れたスクレーパーコンベヤーを低廉なコストで実現する。
【解決手段】スクレーパーコンベヤーをケーシング内に設けられた穀物搬送路と、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、前記両スプロケット間に架装されてケーシング内を無限回動するチェーンと、上側を走行するチェーンに噛み合って回転してチェーン自重を支持するためのアイドラーと、下側を走行するチェーンに随伴して移動し穀物搬送路とチェーンとの間でチェーン自重を支持するための支持手段と、前記チェーンに複数装着されて搬送路上に供給された穀粒を所定量かきとり横方向に移動させるためのスクレーパーとを具えて構成するとともにチェーン自重を支持する支持手段を前記スクレーパーで構成して上記従来の課題を解決しようとするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、チェーン駆動によるスクレーパーコンベヤーに関し、詳しくは、チェーンの自重を接触部に緩衝対策を施したスクレーパーにより支持するとともにチェーンとこれを架装するスプロケットとの係合部にも緩衝手段を設けたスクレーパーコンベヤーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
米穀類を横方向に移送するいわゆるスクレーパーコンベヤーには、駆動手段としてベルトを用いるタイプ、チェーンを用いるタイプに大別されるが、ベルト式はベルトとプーリーとの摩擦により生じる磨耗粉が米穀類に混入しやすい欠点を有するため、現在ではチェーンタイプのものが主流を占めている。
従来、搬送ケース内にチェーンを巻回し、チェーンに取り付けた複数のブレード等により、穀粒を横方向に移送するものとしては特開平9−110129号その他がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のチェーンタイプの移送装置は、チェーンとスプロケットの噛合いその他運転時に発生する騒音が甚だしい。チェーン自重によるチェーンの伸び、たるみが発生しその調整に手間がかかり搬送効率がわるく、またコスト高の原因ともなっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、穀物移送用スクレーパーコンベヤーを、ケーシング内に設けられた穀物搬送路と、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、前記両スプロケット間に架装されてケーシング内を無限回動するチェーンと、上側を走行するチェーンに噛み合って回転してチェーン自重を支持するためのアイドラーと、下側を走行するチェーンに随伴して移動し穀物搬送路とチェーンとの間でチェーン自重を支持するための支持手段と、前記チェーンに複数装着されて搬送路上に供給された穀粒を所定量かきとり横方向に移動させるためのスクレーパーとを具えて構成し、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0005】
上記の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、前記スクレーパーは、先端部を搬送路に摺接させつつ穀粒を押圧移動させる押し出し板と、この押し出し板をチェーンに連結するコネクターとを有し、チェーン自重を支持する支持手段を前記押し出し板で構成することがある。
【0006】
また、上記の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、搬送路には穀物の排出開口部を設け、スクレーパー相互の間隔が前記排出開口部におけるスクレーパー進行方向長さより大となるように設定することがある。
【0007】
さらに、上記いずれかの穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、スクレーパーの押し出し板は進行方向に対して所定の傾きを有する構成となすことがある。
【0008】
またさらに、上記いずれかの穀物移送用スクレーパーコンベヤーにおいて、両スプロケットを、それぞれ対向する一対の第1および第2歯車板とこの両歯車板に挟持されチェーンの係合ローラーに当接する緩衝部で構成し、アイドラーも、それぞれ対向する一対の第1および第2歯車板とこの両歯車板に挟持されチェーンの係合ローラーに当接する緩衝部で構成するとともに、スクレーパーの押し出し板の少なくとも搬送路に摺接する部分を緩衝材で構成することがある。
【0009】
そして、上記の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、スプロケットおよびアイドラーにおける緩衝部は樹脂材で構成し、さらにスクレーパーにおける緩衝材は樹脂材で構成することがある。
【0010】
【発明の実施形態】
図面に基づいて本願発明の一実施形態を説明する。図1はスクレーパーコンベヤーの全体構成図である。 このスクレーパーコンベヤーは、ケーシング1内の底部に設けられた穀物搬送路2と、不図示の駆動源により駆動される駆動スプロケット3と、ケーシング1内で駆動スプロケット3の反対端に設けられた従動スプロケット4と、前記両スプロケット2,3間に架装されてケーシング1内を無限回動するチェーン5と、上側を走行するチェーン5に噛み合って回転してチェーン自重を支持するためのアイドラー6と、下側を走行するチェーンに随伴して移動し前記穀物搬送路2とチェーン5との間でチェーン自重を支持するための支持手段と、前記チェーン5に複数装着されて穀物搬送路2上に供給された穀粒を所定量かきとり横方向に移動させるためのスクレーパー7と、を具えている。なお、図において、Tは穀物搬送路2に形成される中途排出口からの穀粒を貯留するタンク、20は穀粒投入口、21は穀粒排出口である。
【0011】
この実施形態において、チェーン自重を支持するための支持手段は前記スクレーパー7により構成されており、スクレーパー7は図2に示すように、先端部を穀物搬送路2に摺接させつつ穀粒を押圧移動させる押し出し板8と、この押し出し板8をチェーン5に連結するコネクター9とを有している。
【0012】
この実施形態に係るスクレーパーコンベヤーは、図2に示すように穀物搬送路2には穀物の中途排出口10が設けられ、スクレーパー7相互の間隔L1は前記中途排出口10におけるスクレーパー進行方向長さL2より大となるように設定されている。すなわち、L1は120mmに、L2は100mmに設定されている。 したがって、中途排出口10において、宙吊り状態になるスクレーパー7は常に1本に制限することができ、或るスクレーパー7が中途排出口10上に在るとき、他のスクレーパー7に懸かるチェーン自重の増加分を最小限に抑制できる。
【0013】
また、実施形態に係るスクレーパーコンベヤーおいて、図3に示すように、スクレーパー7の押し出し板8と穀物搬送路2とのなす角度Aは進行方向に対して約85度の傾きを有するように設定されている。そして、スクレーパー7における押し出し板8はウレタンゴムで形成され、鉄又はステンレススチールで形成される穀物搬送路2に摺接する際の騒音を著しく低減させる。
【0014】
図4は、この実施形態に係る駆動および従動の両スプロケット3,4の構成を示す縦断面図である。
図示のように、両スプロケット3,4はそれぞれ対向する同径、同歯数の第1歯車板11および第2歯車板12とこの両歯車板に挟持されチェーン5の係合ローラーに当接する緩衝部13とから構成されている。そして、この緩衝部13はウレタンゴム、ナイロン等の合成樹脂財で形成され、スプロケットの軸部14の周りに設けられ前記第1および第2両歯車板11、12の間に挟持されている。
また、アイドラー6の構成も上記スプロケットと全く同様の構成であるので重複説明は省略する。なお、15はチェーン5に嵌り合うスプロケットの歯部である。
【0015】
図5ならびに図6は、それぞれ前記緩衝部を有するスプロケット(又はアイドラー)とチェーン5との係合における関連構成を示す側面図および縦断面図である。図において、5aはチェーン5を構成する連結板,5bは連結板5aにピン5cにより回転自在に取り付けられる係合ローラー、13はスプロケット(又はアイドラー)の前記緩衝部、15はスプロケット(又はアイドラー)の歯部である。図示のようにチェーン5と歯部15の係合時に、チェーン5の係合ローラー5bは前記緩衝部13に当接し衝撃が吸収された後、歯部15が係合ローラー5bに噛み合うようになっている。
この実施形態では、緩衝部13はウレタンゴムで形成され、係合ローラー5bとの接触時の打撃が吸収されて従来のスプロケットにチェーンが噛み合う時の金属相互が発する高騒音は生じない。
【0016】
【実施例】
実施例に係るスクレーパーコンベヤーの諸元は、以下のとおりである。
毎時搬送能力: 6000Kg
チェーン速度: 20cm/秒
穀物搬送路:
長さ: 約5メートル、 幅: 約20cm、材質:ステンレス
チェーン自重: 4.4Kg/m
スクレーパー:
設置間隔: 8.3本/m、 高さ: 約4cm、幅:約20cm
押し出し板の材質: ウレタンゴム
ただし、中途排出口上に位置したり、搬送路に所定の接触がなされない場合もあるので、チェーン自重を支持するスクレーパーの数は、1メートル当たり平均して5本と考えられる。
したがって、スクレーパー7に対するチェーン5による垂直方向の負荷は、4.4Kg/5本=880gとなる。 また、チェーン5は秒速20cmで駆動され、毎時600Kgの穀粒(この実施例では米)を搬送するから、作業時の穀物搬送路2における穀粒は1メートル当たり8.3Kg(6000/0.2m・3600秒)であり、したがって、1本当たりのスクレーパー7は、穀物搬送路2上で1.66Kg(8.3Kg/5本)の穀粒を押圧しつつ水平歩行に搬送することになる。 一方、この実施例では、スクレーパー7にあっては、図3に示すように、その押し出し板8と穀物搬送路2とのなす角度Aが進行方向に対して約85度の傾きを有するように設定されている。実験によれば、上記のような傾きを有する押し出し板8が速度20cm/秒で1.66Kgの穀物を押圧すると、押し出し板8の傾きは約60度程度となり、押し出し板8には穀粒に対する反力の分力として約377gの垂直方向上方への負荷が生じる。したがって、スクレーパー7に対するチェーン7の自重による垂直方向下方への負荷880gは相殺されて503gとなる。このように、スクレーパー7を所定角度だけ傾けることにより、チェーン自重による負荷が軽減されることになる。
【0017】
図1において、投入口20から供給される穀粒はケーシング1の底部の穀物搬送路2に堆積し、順次回動してくるスクレーパー7により穀物搬送路2上を矢符方向に移動する。このとき、スクレーパー7にはチェーン5の自重、押送する穀物粒の重量による負荷がかかり穀物搬送路2と摺接するスクレーパー7の押し出し板8の先端には大きな抵抗が生じるが、押し出し板8はウレタンゴム、ナイロン等の樹脂財で形成されているので穀物搬送路2と間の摩擦力も軽減され滑動しやすく、高騒音の発生も防止できる。
さらに、スクレーパー7には前述のように穀粒の押送に際してあたかも浮力のように垂直方向で下方からの作用力が発生するので、チェーン5の自重を支持するスクレーパー7への負荷が軽減される。
【0018】
搬送に際して、貯留タンクTに穀粒を貯める場合には、図2に示すように穀物搬送路2上の排出口10のシャッター(不図示)を開けて穀粒を落下させる。
そして、前述のように各スクレーパーの間隔は排出口より長いから、例えば、複数のスクレーパーが排出口上に宙吊り状態になり、スクレーパーによるチェーン自重の支持に支障を来たすこともない。 なお、図1で、貯留タンクを単数設置する場合を示したが、必要に応じて複数の貯留タンクを設置する。
【0019】
チェーン5は、スプロケット、アイドラーに係合して駆動されるが、チェーンがこれらスプロケット、アイドラーの歯部に噛み合う際は、まずチェーンの係合ローラーが各歯部の間の谷部に落ち込み、次いで、歯部と係合ローラーとが当接する。 そして、係合ローラーの各歯部の間の谷部への落ち込みは、双方が金属の場合、相当の打撃音が連続して発生し耐えがたい騒音となる。然るに、本願発明では、前記谷部に緩衝部を形成して金属同士の衝撃音の発生を防止しているから、従来のような耐え難い高騒音の発生がない。
【0020】
【発明の効果】
本願発明は以上説明したように、チェーン駆動によるスクレーパーコンベヤーにおいて、簡素なチェーン支持手段、チェーンとスプロケットの噛合い時に発生する騒音の防止対策手段を具備するようにしたので、運転管理が容易で、搬送効率の優れたスクレーパーコンベヤーを低廉なコストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るスクレーパーコンベヤーの全体構成図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】スクレーパーとチェーンとの関連構成を示す側面図である。
【図4】スプロケット(アイドラー)の縦断面図である。
【図5】スプロケット(アイドラー)の緩衝部とチェーンとの係合状態における関連構成を示す側面図である。
【図6】スプロケット(アイドラー)の緩衝部とチェーンとの係合状態における関連構成を示す一部断面図である。

Claims (6)

  1. ケーシング内に設けられた穀物搬送路と、駆動スプロケットと、従動スプロケットと、前記両スプロケット間に架装されてケーシング内を無限回動するチェーンと、上側を走行するチェーンに噛み合って回転してチェーン自重を支持するためのアイドラーと、下側を走行するチェーンに随伴して移動し穀物搬送路とチェーンとの間でチェーン自重を支持するための支持手段と、前記チェーンに複数装着されて搬送路上に供給された穀粒を所定量かきとり横方向に移動させるためのスクレーパーと、を具えてなることを特徴とする穀物移送用スクレーパーコンベヤー。
  2. 請求項1記載の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、前記スクレーパーは、先端部を搬送路に摺接させつつ穀粒を押圧移動させる押し出し板と、この押し出し板をチェーンに連結するコネクターとを有し、チェーン自重を支持する支持手段を前記押し出し板で構成したことを特徴とする穀物移送用スクレーパーコンベヤー。
  3. 請求項2記載の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、搬送路には穀物の排出開口部を設け、スクレーパー相互の間隔が前記排出開口部におけるスクレーパー進行方向長さより大となるように設定したことを特徴とする穀物移送用スクレーパーコンベヤー。
  4. 請求項2又は3記載の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、スクレーパーの押し出し板は進行方向に対して所定の傾きを有することを特徴とする穀物移送用スクレーパーコンベヤー。
  5. 請求項2ないし4いずれか記載の穀物移送用スクレーパーコンベヤーにおいて、両スプロケットは、それぞれ対向する一対の第1および第2歯車板とこの両歯車板に挟持されチェーンの係合ローラーに当接する緩衝部とからなり、 アイドラーは、それぞれ対向する一対の第1および第2歯車板とこの両歯車板に挟持されチェーンの係合ローラーに当接する緩衝部とからなり、
    スクレーパーの押し出し板の少なくとも搬送路に摺接する部分は、緩衝材で構成したことを特徴とする穀物移送用スクレーパーコンベヤー。
  6. 請求項5の穀物移送用スクレーパーコンベヤーおいて、スプロケットおよびアイドラーにおける緩衝部は樹脂材で構成し、さらにスクレーパーにおける緩衝材は樹脂材で構成したことを特徴とする穀物移送用スクレーパーコンベヤー。
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