JP2004210531A - フライトコンベア - Google Patents

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JP2004210531A JP2003002434A JP2003002434A JP2004210531A JP 2004210531 A JP2004210531 A JP 2004210531A JP 2003002434 A JP2003002434 A JP 2003002434A JP 2003002434 A JP2003002434 A JP 2003002434A JP 2004210531 A JP2004210531 A JP 2004210531A
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Takeshi Aoki
武 青木
Isao Oota
功 大小田
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I K ENG KK
Kawata Manufacturing Co Ltd
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I K ENG KK
Kawata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】大きさや形が不揃いな異形材料などであっても、効率よく搬送することのできるフライトコンベアを提供すること。
【解決手段】トラフ2内に、エンドレス状のローラチェーン3を、搬送通路30と戻り通路31との間が開放されるように設置して、そのローラチェーン3に複数のフライト4を所定間隔ごとに設け、各フライト4の搬送板38を、取付板37側から遊端部33に向かって、材料搬送方向下流側に向かって傾斜するように配置し、その遊端部33に、搬送壁カバー35と摺動可能に接触するゴム板34を設ける。これによって、大きさや形が不揃いな異形材料の、搬送途中においける遊端部33と搬送壁カバー35との間の噛み込みを防止するとともに、鉛直方向での搬送効率を向上させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライトコンベア、詳しくは、各種材料を搬送するためのフライトコンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のフライトが所定間隔ごとに取り付けられているエンドレス状のローラチェーンが、トラフに沿って設けられているフライトコンベアが知られている。
【0003】
このようなフライトコンベアでは、各フライト間に材料を投入して、ローラチェーンを周回移動させることにより、材料をトラフの底面と摺接させながら、そのトラフに沿って搬送するようにしている。
【0004】
また、このようなフライトコンベアでは、通常、各フライトは、ローラチェーンの移動方向に対して直交する方向に設けられ、また、トラフの底面と接触しないように、トラフの底面と対向する端部が、そのトラフの底面と所定間隔を隔てて配置されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−253523号公報(第4〜5頁、図2〜図4)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、材料、とりわけ、大きさや形が不揃いな異形材料などを搬送する場合には、フライトとトラフの底面との隙間に材料が噛み込んで、ローラチェーンの駆動力に抵抗する必要以上の負荷が不定期的にかかったり、あるいは、異音を発生させるという不具合がある。
【0006】
また、たとえば、材料を鉛直方向に搬送する場合において、フライト上に材料を、その材料の安息角以上に積載しようとすると、トラフを閉断面として形成し、エンドレス状のローラチェーンをそのトラフ内に設置して、互いに逆向きに移動する搬送側と戻り側との間に、仕切り板を設ける必要がある。
【0007】
しかし、このような仕切り板を設けると、部品点数が増加して構成が複雑となり、さらには、トラフ内のメンテナンスが非常に煩雑となる。また、材料と仕切り板との間に摺動抵抗を生じて、ローラチェーンの駆動力に抵抗する負荷がかかり、搬送効率が低下するという不具合を生じる。
【0008】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたもので、その目的とするところは、大きさや形が不揃いな異形材料などであっても、効率よく搬送することのできるフライトコンベアを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、トラフと、前記トラフに沿って設けられ、周回移動するエンドレスチェーンと、前記エンドレスチェーンに取り付けられるフライトとを備えるフライトコンベアにおいて、前記フライトは、前記エンドレスチェーンに取り付けられる側と反対側が、前記トラフと所定間隔を隔てて対向するように設けられ、前記トラフと対向する端部には、前記トラフと摺動可能に接触する弾性部材が設けられていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、フライトにおけるトラフと対向する側の端部に、トラフと摺動可能に接触する弾性部材が設けられているので、フライトとトラフとの隙間に材料が噛み込むことを防止することができる。そのため、材料の噛み込みに起因する負荷や異音の発生を防止することができ、効率的な搬送を達成することができる。また、エンドレスチェーンの周回移動により、弾性部材がトラフと摺接しても、その弾性によって、摺動抵抗が低減されるため、弾性部材およびトラフの損傷や異音の発生を防止しつつ、材料を確実に搬送することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、トラフと、前記トラフに沿って設けられ、周回移動するエンドレスチェーンと、前記エンドレスチェーンに取り付けられるフライトとを備えるフライトコンベアにおいて、前記フライトは、前記エンドレスチェーンに取り付けられる側と反対側が、前記トラフと対向するように設けられており、前記エンドレスチェーンに取り付けられる側から、前記トラフと対向する側の端部に向かって、前記エンドレスチェーンの移動方向下流側に傾斜するように配置されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、フライトが、エンドレスチェーンに取り付けられる側からトラフと対向する側の端部に向かってエンドレスチェーンの移動方向下流側に傾斜しているので、材料を鉛直方向に搬送する場合には、その傾斜している分、フライト上により多くの材料を積載することができる。そのため、フライトにおけるエンドレスチェーンが取り付けられる側に対向して仕切り板を設けなくとも、フライト上により多くの材料を積載して、効率的な搬送を達成することができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記トラフは、閉断面として形成されており、前記エンドレスチェーンは、前記トラフ内において、互いに逆向きに周回移動される一方側と他方側との間が開放されるように、設けられていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、エンドレスチェーンの一方側と他方側との間が開放されているので、それらの間に仕切り板が設けられている場合に比べて、部品点数の低減化、構成の簡易化、メンテナンスの容易化を図ることができ、また、材料と仕切り板との間で生ずる摺動抵抗をなくして、効率的な搬送を達成することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、異形材料を搬送するために用いられることを特徴としている。
【0016】
このフライトコンベアでは、大きさや形が不揃いな異形材料であっても、効率的な搬送を達成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のフライトコンベアの一実施形態を示す要部側断面図、図2は、図1の要部拡大側断面図、図3は、図1に示すフライトコンベアの要部拡大縦断面図である。
【0018】
図1において、このフライトコンベア1は、トラフ2と、トラフ2内に設けられるエンドレスチェーンとしてのエンドレス状のローラチェーン3と、ローラチェーン3に取り付けられる複数のフライト(スクレーパ)4とを備えている。
【0019】
トラフ2は、搬送開始位置Sから搬送終了位置Eまで材料を搬送できるように、材料搬送方向に沿って水平方向および上下方向(鉛直方向)に延びるように形成されており、水平方向に延びる第1水平部5および第2水平部6と、垂直方向(鉛直方向)に延び、これら第1水平部5および第2水平部6を連結する垂直部7とを備える略クランク状に形成されている。
【0020】
また、トラフ2は、図3に示すように、断面略矩形状をなし、水平方向において材料が摺擦する搬送壁8と、搬送壁8と所定間隔を隔てて対向する戻り壁9と、搬送壁8および戻り壁9の幅方向(ローラチェーン3の周回移動方向と直交する方向、以下同じ。)両端部を連結し、互いに所定間隔を隔てて対向する2つの側壁10とを備える閉断面(チャンネル)として形成されている。
【0021】
2つの側壁10は、鋼板からなり、材料輸送方向(ローラチェーン3の周回移動方向の一方側、以下同じ。)に沿って、所定間隔ごとに、これら2つの側壁10の間を連結支持する連結杆11が架設されている。
【0022】
また、各側壁10は、その高さ方向(ローラチェーン3の周回移動方向およびトラフ2の幅方向と直交する方向、以下同じ。)途中のほぼ中央部において、ローラチェーン3の搬送を案内するガイドレール12が、材料搬送方向に沿って設けられている。
【0023】
このガイドレール12は、搬送側のローラチェーン3を受け入れる搬送側レール13と、戻り側のローラチェーン3を受け入れる戻り側レール14とを備えている。
【0024】
搬送側レール13は、各側壁10において対向するように、2つ設けられており、ローラチェーン3を受け入れる間隔を高さ方向に隔てて対向配置される2つの平行な板部材が、材料搬送方向に沿って延びるように形成されている。
【0025】
戻り側レール14は、各側壁10において、各搬送側レール13の高さ方向に所定間隔を隔てて対向するように、2つ設けられており、ローラチェーン3を受け入れる間隔を高さ方向に隔てて対向配置される2つの平行な板部材が、材料搬送方向に沿って延びるように形成されている。
【0026】
そして、トラフ2は、互いに対向する側壁10が連結杆11で連結されるとともに、その間であって、各側壁10の高さ方向両端部に、搬送壁8と戻り壁9とが対向状に配置され、ねじなどにより各側壁10に固定されることにより、閉断面として形成されている。なお、搬送壁8は鋼板からなり、戻り壁8は透明な樹脂から形成されている。戻り壁8は、所定間隔ごとに分割して取り外しできるように、複数枚の戻り壁8が材料搬送方向に沿って固定されている。
【0027】
なお、図1に示すように、このトラフ2の搬送開始位置S(搬送方向上流側端部)および搬送終了位置E(搬送方向下流側端部)には、後述するフライト4の遊端部33が周回移動する軌跡に沿って、略U字状の上流側ガイド壁26および下流側ガイド壁25が、搬送壁8および戻り壁9を連結するようにそれぞれ設けられている。
【0028】
また、このトラフ2には、図1に示すように、搬送開始位置Sには、材料が投入される投入口28が、戻り壁9側に開口形成されるとともに、搬送終了位置Eには、材料が排出される排出口29が、搬送壁8側に開口形成されている。
【0029】
また、このトラフ2には、投入口28の近傍において、ローラチェーン3が噛合される2つのスプロケット17が軸方向において所定間隔を隔てて形成されている従動側回転軸15が、2つの側壁10の間に回転可能に架設されており、また、排出口29の近傍においても、ローラチェーン3が噛合される2つのスプロケット18および次に述べる駆動チェーン22が噛合されるスプロケット19が軸方向において所定間隔を隔てて形成されている駆動側回転軸16が、2つの側壁10の間に回転可能に架設されている。
【0030】
また、このトラフ2には、ローラチェーン3を駆動するための駆動装置20が設けられている。駆動装置20は、排出口29の近傍の戻り壁9に設けられるモータ21と、エンドレス状の駆動チェーン22とを備えている。
【0031】
モータ21のドライブシャフト23には、駆動チェーン22が噛合される駆動ギヤ24が設けられている。
【0032】
また、駆動チェーン22は、モータ21の駆動ギヤ24と、駆動側回転軸16のスプロケット19との間において、これらに噛合されるように巻回されている。
【0033】
また、床より高い位置に配置されているトラフ2の第2水平部6は、複数の支柱27によって支持されている。
【0034】
ローラチェーン3は、エンドレス状をなし、図3に示すように、トラフ2内において、トラフ2に沿って2つ設けられており、各ローラチェーン3は、それぞれ、各側壁10の搬送側レール13および戻り側レール14に周回移動可能に受け入れられた状態で、図1に示すように、従動側回転軸15の各スプロケット17および駆動側回転軸16の各スプロケット18にそれぞれ噛合されるように巻回されている。
【0035】
このようにローラチェーン3が巻回された状態において、図3に示すように、トラフ2内における搬送側レール13と搬送壁8との間の空間が、材料を搬送するための搬送通路30とされ、また、トラフ2内における戻り側レール14と戻り壁9との間の空間が、フライト4を戻す戻り通路31とされる。
【0036】
そして、ローラチェーン3は、トラフ2内において、この搬送通路30と戻り通路31とで、互いに逆向きに周回移動され、搬送通路30に沿って材料輸送方向に周回移動される搬送側(一方側)のローラチェーン3と、戻り通路31に沿ってフライト4の戻り方向(ローラチェーン3の周回移動方向の他方側、以下同じ。)に周回移動される戻り側(他方側)のローラチェーン3との間、つまり、トラフ2内における搬送通路30と戻り通路31との間には、仕切り板などが設けられておらず、開放されている。
【0037】
なお、トラフ2には、搬送通路30内において、次に述べるフライト4の幅方向両端部と少しの隙間を隔てて形成される2つの側壁カバー32と、次に述べるフライト4に設けられるゴム板34と摺動可能に接触する搬送壁カバー35(本発明においてトラフを構成する。)とが、搬送方向に沿って、2つの側壁10および搬送壁8にそれぞれ接合されるように設けられている。
【0038】
搬送通路30では、搬送壁カバー35が設けられることによって、次に述べるフライト4がローラチェーン3に取り付けられた状態で、そのフライト4に設けられるゴム板34が搬送壁カバー35と接触される一方、戻り通路31では、搬送壁カバー35が設けられないので、ゴム板34と戻り壁9とが非接触の状態とされる。
【0039】
また、各ローラチェーン3には、フライト4を取り付けるための取付部材36が、周回移動方向において所定間隔(たとえば、20〜70cm)を隔ててそれぞれが幅方向において対向するように複数設けられている。
【0040】
取付部材36は、略断面L字状の金具からなり、その一端がローラチェーン3のチェーンの内面において、他端が幅方向内側に突出するように、接合されている。
【0041】
フライト4は、図2および図3に示すように、より短い取付板37と、その取付板37から連続して屈曲形成されるより長い搬送板38とを一体的に備える側面視略L字状、かつ、正面視略矩形状の板(鋼板)からなり、取付板37と搬送板38との屈曲部分が、鈍角、より具体的には、95〜135°、好ましくは、100〜110°となる角度で形成されている。
【0042】
なお、取付板37および搬送板38の幅は、搬送能力に応じて適宜決定される。
【0043】
そして、各フライト4は、取付板37が材料搬送方向上流側、搬送板38が材料搬送方向下流側となるようにして、取付板37が取付部材36に、搬送方向に沿って接合されている。これによって、搬送板38は、取付板37側と反対側の遊端部33が、トラフ2の搬送壁カバー35と対向するように設けられ、取付板37側からトラフ2の搬送壁カバー35と対向する遊端部33に向かって、材料搬送方向下流側(ローラチェーン3の周回移動方向下流側)に向かって傾斜(たとえば、周回移動方向に対して、上流側から下流側に向かって95〜135°、好ましくは、100〜110°(傾斜角度は、図2においてθで示されている。))するように配置されている。
【0044】
また、フライト4は、このようにローラチェーン3に取り付けられた状態において、その遊端部33が、トラフ2の搬送壁カバー35と所定間隔(たとえば、25〜50mm)を隔てて対向するように設けられ、その遊端部33に、トラフ2の搬送壁カバー35と摺動可能に接触する弾性部材としてのゴム板34が設けられている。
【0045】
このゴム板34は、たとえば、ウレタンエラストマー含浸織布などの弾性を有する部材から、図3に示すように、正面視略矩形板状に形成されており、たとえば、その厚みが、0.6〜1.6mm、長さ(幅方向に直交する方向の長さ、以下同じ。)が、4〜15cmに形成されている。
【0046】
そして、このゴム板34は、フライト4の遊端部33とトラフ2の搬送壁カバー35との隙間よりも、遊端部33から長く突出するような(たとえば、遊端部33からの突出長さが、隙間の長さよりも5〜30mm長くなるような)状態で、その遊端部33の材料搬送方向の上流側の表面において、搬送板38の幅方向に沿って配置される固定板40との間に挟まれた状態で、その固定板40に挿通され搬送板38において固定されるボルト39によって固定されている。これによって、ゴム板34は、図2に示すように、その遊端側が材料搬送方向の下流側に向かって撓むような状態で、トラフ2の搬送壁カバー35と摺動可能に接触される。
【0047】
次に、このようなフライトコンベア1によって、材料を搬送する方法について説明する。
【0048】
このフライトコンベア1によって材料を搬送するには、図1に示すように、まず、駆動装置20のモータ21を駆動させる。そうすると、ドライブシャフト23から駆動ギヤ24を介して駆動チェーン22にその動力が伝達され、駆動チェーン22からスプロケット19を介して駆動側回転軸16にその動力が伝達され、駆動側回転軸16が回転駆動される。そうすると、この駆動側回転軸16の2つのスプロケット18に噛合されている2つのローラチェーン3が、駆動側回転軸16と従動側回転軸15との間を、トラフ2に沿って、図1で示す矢印方向に周回移動する。
【0049】
そして、搬送開始位置Sにおいて、材料を投入口28から投入すると、材料は各フライト4の間で仕切られたいずれかの空間に受け入れられ、その空間において、材料搬送方向下流側に配置されるフライト4によって材料輸送方向上流側に向けて押圧され、搬送壁カバー35および各側壁カバー32と摺擦されながら、搬送通路30内を材料輸送方向上流側に向けて搬送される。
【0050】
そして、材料搬送方向に沿って、第1水平部5、垂直部7および第2水平部6を経て、搬送終了位置Eに到達した材料は、排出口39から自重により落下し排出される。
【0051】
なお、材料の搬送を終了したフライト4は、下流側ガイド壁25に沿って逆方向に反転され、戻り通路31内を通って、第2水平部6、垂直部7および第1水平部5を経て、再び搬送開始位置Sに到達し、上流側ガイド壁26に沿って逆方向に反転された後、再び投入口28から投入される材料を材料輸送方向上流側に向けて押圧する。
【0052】
そして、このようなフライトコンベア1では、図2および図3に示すように、各フライト4の遊端部33にトラフ2の搬送壁カバー35と摺動可能に接触するゴム板34が設けられているので、所定の間隔を隔てて対向配置されるフライト4の遊端部33とトラフ2の搬送壁カバー35との隙間に、材料が噛み込むことを防止することができる。そのため、材料の噛み込みに起因する負荷や異音の発生を防止することができ、効率的な搬送を達成することができる。
【0053】
また、ローラチェーン3の周回移動により、ゴム板34がトラフ2の搬送壁カバー35と摺接しても、その弾性によって、摺動抵抗が低減されるため、ゴム板34および搬送壁カバー35の損傷や異音の発生を防止しつつ、材料を確実に搬送することができる。
【0054】
また、このフライトコンベア1では、各フライト4の搬送板38が、取付板37側から遊端部33に向かって、材料搬送方向下流側に向かって傾斜するように配置されているので、たとえば、垂直部7において材料を鉛直方向に搬送する場合には、図4に示すように、その傾斜している分、フライト4の搬送板38上により多くの材料を積載することができる。そのため、フライト4における遊端部33に対向して仕切り板を設けなくとも、フライト4上により多くの材料を積載して、効率的な搬送を達成することができる。
【0055】
すなわち、フライトコンベアにおいて、図4に示すように、材料を鉛直方向に搬送する場合には、搬送板38上には、通常(開放状態においては)、搬送する材料の安息角以上の材料を積載することができないため、より多くの材料を搬送板38に積載しようとすると、たとえば、搬送通路30と戻り通路31との間に、フライト4の遊端部33に対向する仕切り板を材料搬送方向に沿って設けて、その仕切り板によって材料の落下を堰き止める必要がある。
【0056】
しかし、そのような仕切り板を材料搬送方向に沿って設けると、たとえば、トラフ2内で搬送途中の材料が詰まった場合などにおいて、その部分を開放しようとするときに、仕切り板が邪魔になったりあるいは取り外す必要を生じ、メンテナンスが煩雑となる。また、仕切り板を設けることによって、材料と仕切り板との間で生ずる摺動抵抗により、負荷がかかり搬送効率が低下する。
【0057】
一方、このフライトコンベア1では、各フライト4の搬送板38が、取付板37側から遊端部33に向かって、材料搬送方向下流側に向かって傾斜するように配置されているので、たとえば、仮想線で示すように、各フライト4の搬送板38が、材料搬送方向と直交するように配置されている場合に比べて、材料搬送方向下流側に向かって傾斜している分、フライト4の搬送板38上により多くの材料を積載することができる。
【0058】
そのため、フライト4における遊端部33に対向して仕切り板を設けなくとも、材料を鉛直方向に搬送する場合に、フライト4上により多くの材料を積載して効率的な搬送を達成することができる。
【0059】
また、このフライトコンベア1では、このような仕切り板を設けない、つまり、搬送通路30と戻り通路31との間が開放されているので、仕切り板を設ける場合に比べて、部品点数の低減化、構成の簡易化、メンテナンスの容易化を図ることができ、また、材料と仕切り板との間で生ずる摺動抵抗をなくして、より一層効率的な搬送を達成することができる。
【0060】
より具体的には、このフライトコンベア1では、たとえば、トラフ2内で搬送途中の材料が詰まった場合には、戻り壁8が透明な樹脂で形成されていることから、その詰まった部分を目視にてすぐに見つけることができ、さらに、戻り壁8が分割可能に形成されていることから、その詰まった部分の戻り壁8を取り外すのみで、材料の詰まりを容易に解消することができる。
【0061】
そのため、このフライトコンベア1は、粉粒体などの種々の材料を効率的に輸送することができ、とりわけ、大きさや形が不揃いな異形材料や、嵩密度の低い材料の輸送に好適とされる。
【0062】
すなわち、大きさや形が不揃いな異形材料は、搬送途中において、フライト4の遊端部33と搬送壁カバー35との間に噛み込みやすいが、このフライトコンベア1では、フライト4の遊端部33に設けられるゴム板34によって、そのような噛み込みを、有効に防止することができる。
【0063】
また、嵩密度の低い(たとえば、嵩密度0.03〜0.04程度)材料は、体積あたりの重量が軽いため、とりわけ、鉛直方向での搬送において搬送効率が低下する。しかし、このフライトコンベア1では、各フライト4の搬送板38が、取付板37側から遊端部33に向かって、材料搬送方向下流側に向かって傾斜するように配置されているので、その傾斜している分、フライト4の搬送板38上により多くの材料を積載することができる。そのため、嵩密度の低い材料であっても、フライト4上により多く積載して、効率的な搬送を達成することができる。
【0064】
そのため、このフライトコンベア1は、大きさや形が不揃いな異形であって、かつ、嵩密度の低い材料、たとえば、プラスチック廃棄物などを搬送するために好適に用いることができる。
【0065】
なお、上記の説明では、戻り壁8を、透明な樹脂で分割可能に設けたが、たとえば、搬送壁8および搬送壁カバー35を、透明な樹脂で分割可能に設けてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、材料の噛み込みに起因する負荷や異音の発生を防止することができ、効率的な搬送を達成することができる。また、弾性部材およびトラフの損傷や異音の発生を防止しつつ、材料を確実に搬送することができる。
【0067】
請求項2に記載の発明によれば、フライト上により多くの材料を積載して、効率的な搬送を達成することができる。
【0068】
請求項3に記載の発明によれば、部品点数の低減化、構成の簡易化、メンテナンスの容易化を図ることができ、また、材料と仕切り板との間で生ずる摺動抵抗をなくして、効率的な搬送を達成することができる。
【0069】
請求項4に記載の発明によれば、大きさや形が不揃いな異形材料であっても、効率的な搬送を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフライトコンベアの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1の要部拡大側断面図(水平部)である。
【図3】図1に示すフライトコンベアの要部拡大縦断面図である。
【図4】図1の要部拡大側断面図(垂直部)である。
【符号の説明】
1 フライトコンベア
2 トラフ
3 ローラチェーン
4 フライト
33 フライトの遊端部
34 ゴム板
35 搬送壁カバー

Claims (4)

  1. トラフと、前記トラフに沿って設けられ、周回移動するエンドレスチェーンと、前記エンドレスチェーンに取り付けられるフライトとを備えるフライトコンベアにおいて、
    前記フライトは、前記エンドレスチェーンに取り付けられる側と反対側が、前記トラフと所定間隔を隔てて対向するように設けられ、
    前記トラフと対向する端部には、前記トラフと摺動可能に接触する弾性部材が設けられていることを特徴とする、フライトコンベア。
  2. トラフと、前記トラフに沿って設けられ、周回移動するエンドレスチェーンと、前記エンドレスチェーンに取り付けられるフライトとを備えるフライトコンベアにおいて、
    前記フライトは、前記エンドレスチェーンに取り付けられる側と反対側が、前記トラフと対向するように設けられており、前記エンドレスチェーンに取り付けられる側から、前記トラフと対向する側の端部に向かって、前記エンドレスチェーンの移動方向下流側に傾斜するように配置されていることを特徴とする、フライトコンベア。
  3. 前記トラフは、閉断面として形成されており、
    前記エンドレスチェーンは、前記トラフ内において、互いに逆向きに周回移動される一方側と他方側との間が開放されるように、設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のフライトコンベア。
  4. 異形材料を搬送するために用いられることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のフライトコンベア。
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