JP2009142929A - 数値制御旋盤のチャック開閉装置 - Google Patents

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Tomomitsu Minamiyama
朝光 南山
Katsumi Kanemoto
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Abstract

【課題】サーボモータの駆動によりチャックを開閉する数値制御旋盤のチャック開閉装置において、主軸が回転しているときでも、チャック爪ワーク把握力を一定に保持することができるようにする。
【解決手段】主軸2が回転しているとき、そのときの主軸2の回転速度を検出し、そして、チャック爪4の位置を検出し、これらの検出結果に基づいてチャック爪4が受ける遠心力を算出し、その遠心力に対抗する力をチャック爪4のワーク把握力に加えるようにサーボモータ12を回転制御する。これにより、主軸2が回転しているときにチャック爪4が遠心力を受けたとしても、設定されたワーク把握力が変動することなく一定に保持することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、数値制御旋盤のチャック開閉装置、特にワークを把握するチャック爪の開閉動作をサーボモータの駆動により行なう数値制御旋盤のチャック開閉装置に関する。
従来から、数値制御旋盤においては、サーボモータの駆動によりチャック爪の開閉動作を行なうチャック開閉装置を装備するものが知られている。
この種のチャック開閉装置は、例えば、主軸に設けられたチャック爪と、主軸と一体に回転すると共に軸方向に移動してチャック爪の開閉動作を行なうボールネジ軸と、この軸に嵌合するボールネジナットと、このナットに接続されたサーボモータとを有する。サーボモータの駆動により、ボールネジナットがボールネジ軸に対し相対的に回転し、ボールネジ軸が軸方向に移動して、チャック爪の開閉動作が行なわれる。このようなチャック爪の開閉動作は、通常、主軸が停止した状態で行なわれる。
下記特許文献1には、主軸が停止しているときに、チャック爪がワークを把握する力であるワーク把握力を設定し、その設定値に応じてサーボモータを制御してチャック爪を開閉する数値制御旋盤が記載されている。
特開2000−190113号公報
上記特許文献1のようなサーボモータの駆動によりチャック爪の開閉動作を行なう数値制御旋盤においては、主軸が停止しているときに設定されたワーク把握力でチャック爪がワークを把握することができる。しかしながら、主軸が回転することにより、チャック爪が遠心力を受けるので、設定されたワーク把握力が変動してしまうという問題があった。
本発明の目的は、サーボモータの駆動によりチャックを開閉する数値制御旋盤のチャック開閉装置であって、主軸が回転しているときでも、チャック爪のワーク把握力を一定に保持することができる数値制御旋盤のチャック開閉装置を提供することにある。
本発明は、主軸に設けられ、ワークを把握するチャック爪と、主軸と一体に回転すると共に、軸方向に移動して前記チャック爪の開閉動作を行なうボールネジ軸と、前記ボールネジ軸に嵌合し、前記ボールネジ軸に対し相対的に回転することで前記ボールネジ軸を軸方向に移動させるボールネジナットと、前記ボールネジナットを回転させるサーボモータと、を有する数値制御旋盤のチャック開閉装置において、前記チャック爪のワーク把握径を検出するワーク把握径検出手段と、主軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記検出したワーク把握径と前記検出した回転速度とに基づいて前記チャック爪が受ける遠心力を算出する遠心力算出手段と、主軸が回転しているときに、前記ボールネジ軸の回転と同期した速度で前記ボールネジナットを回転させると共に、前記ボールネジ軸と前記ボールネジナットとの間に回転位相差を発生させ前記ボールネジ軸を軸方向に移動させるように前記サーボモータを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記算出した遠心力に対抗する力を前記チャック爪のワーク把握力に加えるように前記サーボモータを制御することを特徴とする。
また、前記遠心力算出手段は、さらに、前記チャック爪の重量に基づいて遠心力を算出することができる。
本発明の数値制御旋盤のチャック開閉装置は、サーボモータの駆動によりチャックを開閉する数値制御旋盤のチャック開閉装置であって、主軸が回転しているときでも、チャック爪ワーク把握力を一定に保持することができる。
本発明に係る数値制御旋盤のチャック開閉装置の実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、数値制御旋盤のチャック開閉装置1の概略構成を示す図である。
主軸2は、主軸台(図示せず)に回転可能に支持され、主軸モータ3によって回転駆動される。主軸2は中空の軸であり、軸方向に伸びる孔にはボールネジ軸(ドローバー)5が挿入されている。主軸2の先端には、ワーク(図示せず)を把握するチャック爪4が設けられている。また、主軸2の外周には、歯車6Aが固定されており、この歯車6Aは後述する歯車6Bに噛合う。
ボールネジ軸5は、主軸2と一体に回転すると共に、主軸2に対し軸方向に移動できるように設けられている。ボールネジ軸5の端部には、マスタージョウ7を介してチャック爪4が接続されている。ボールネジ軸5が軸方向に移動すると、マスタージョウ7が径方向に回動し、チャック爪4が開閉する。
ボールネジ軸5には、ボールネジナット8が嵌合している。ボールネジナット8がボールネジ軸5に対し相対的に回転することにより、ボールネジ軸5が軸方向に移動する。ボールネジナット8の外周には、歯車9Aが固定されている。歯車9Aは、主軸2と平行なドローバー駆動軸10に固定される歯車9Bに噛合う。
ドローバー駆動軸10には、第一クラッチ11を介してサーボモータ12が接続されている。サーボモータ12は、数値制御により任意の回転速度で動作することができる。
また、ドローバー駆動軸10には、第二クラッチ13を介して歯車6Bが接続されている。歯車6Bは、前述した主軸2に固定される歯車6Aに噛合う。従来においては、主軸2が回転するとき、第二クラッチ13の接続により、主軸2がドローバー駆動軸10、そしてボールネジナット8に連結する。このような構成により、主軸2とボールネジ軸5の回転に同期してボールネジナット8が回転するので、ボールネジ軸5が軸方向に移動することなくチャック爪4の把握状態を保持することができる。
次に、主軸2に対してワークを着脱するときのチャック開閉装置1の動作について説明する。なお、ワークを着脱するときは、主軸2が停止している状態である。
サーボモータ12が動作すると、サーボモータ12の動力が第一クラッチ11を介してドローバー駆動軸10に伝達される。ドローバー駆動軸10に伝達された動力は、歯車9Bと歯車9Aを介してボールネジナット8に伝達され、ボールネジナット8が回転する。このとき、第二クラッチ13を遮断させるため、ドローバー駆動軸10から歯車6B,歯車6Aを介して主軸2への動力の伝達が防止される。主軸2が停止状態であるため、ボールネジ軸5も停止している。これにより、ボールネジナット8は、ボールネジ軸5に対して相対的に回転する。この回転により、ボールネジ軸5が軸方向に移動し、チャック爪4が開閉する。この開閉動作の詳細について次に説明する。
チャック爪4がワークを把握する場合、ボールネジ軸5がチャック爪4に対して反対側、すなわち紙面の左側に向かって移動するようにサーボモータ12を制御する。そうすると、ボールネジ軸5の移動により、マスタージョウ7が径方向の内側に向かい回動し、それに接続されたチャック爪4が径方向の内側、すなわち閉じる方向に移動しワークを把握する。一方、チャック爪4からワークを取り外す場合、ボールネジ軸5がチャック爪4側、すなわち紙面の右側に向かって移動するようにサーボモータ12を制御する。そうすると、ボールネジ軸5の移動により、マスタージョウ7が径方向の外側に向かい回動し、それに接続されたチャック爪4が径方向の外側、すなわち開く方向に移動しワークを取り外す。このように、主軸2が停止しているときにサーボモータ12を制御してボールネジ軸5を軸方向に移動させることで、ワークを着脱することができる。
本発明に係るチャック開閉装置1は、主軸2が回転しているとき、その回転によりチャック爪4が受ける遠心力に対抗する力をチャック爪4のワーク把握力に加えるようにサーボモータ12を回転制御することを特徴とする。具体的には、主軸2が回転しているときに、そのときの主軸2の回転速度とチャック爪4の位置とを検出し、これらの検出結果に基づいてチャック爪4が受ける遠心力を算出し、その遠心力に対抗する力をチャック爪4のワーク把握力に加えるようにサーボモータ12を回転制御することを特徴とする。なお、遠心力に対抗する力とは、遠心力と同等の力であって、遠心力が生じる向きと反対方向の力である。これにより、主軸2が回転しているときにチャック爪4が遠心力を受けたとしても、遠心力に対向する力をワーク把握力に加えるようにサーボモータ12を制御するので、ワーク把握力に対する遠心力の影響を無くすことができ、設定されたワーク把握力が変動することなく一定に保持することができる。
本発明に係るチャック開閉装置1の制御動作の一例について図2を用いて説明する。図2は、主軸2が回転しているときに、ワーク把握力を一定に保つようにサーボモータ12を制御する制御動作のフローチャートである。
まず、チャック爪4のワーク把握径を検出する(ステップS100)。ワーク把握径は、チャック爪4がワークを把握する部分を、主軸軸心を中心とする円弧で結んで規定される円の差し渡しの距離である。これに限らず、ワーク把握径を、軸からチャック爪4の重心までの距離で表すこともできる。このように、ワーク把握径を検出することで、チャック爪4の位置を検出することができる。
そして、主軸2の回転速度を検出する(ステップS110)。ここで、回転速度が先の検出値に対して変化しているならば、以下のステップを実施する。
検出したワーク把握径と主軸2の回転速度、それにチャック爪4とマスタージョウ7との重量に基づいてチャック爪4が受ける遠心力を算出する(ステップS120)。図3に示されるチャックを用いる場合、主軸2の回転速度によりチャック爪4が受ける遠心力は、マスタージョウ7が受ける遠心力による荷重を相殺して算出する。
Figure 2009142929
次に、チャック爪4が受ける遠心力と対抗する力をチャック爪4のワーク把握力に加えるためのボールネジ軸5の軸移動量を次式により算出する(ステップS130)。
Figure 2009142929
そして、そのボールネジ軸5の軸移動量に見合う、ボールネジ軸5とボールネジナット8の回転位相差を、式4で求めたボールネジ軸5の軸移動量をボールネジのリードLで割ることにより算出する(ステップS140)。
Figure 2009142929
サーボモータ12を加速(減速)し、ボールネジ軸5とボールネジナット8の位相を、算出した回転位相差になるまで変更する(ステップS150)。このとき、第二クラッチ13を遮断するため、主軸2とドローバー駆動軸10の間の動力の伝達が防止される。そのため、サーボモータ12の動作により発生させたボールネジ軸5とボールネジナット8の回転位相差によって、その分だけドローバー駆動軸10が軸方向に移動し、チャック爪4のワーク把握力に、遠心力に対抗する力が加わる。
本実施形態によれば、主軸2が回転しているときにチャック爪4が遠心力を受けたとしても、遠心力に対抗する力をワーク把握力に加えるようにサーボモータ12を制御するので、設定されたワーク把握力が変動することなく一定に保つことができる。
数値制御旋盤のチャック開閉装置の概略構成を示す図である。 ワーク把握力を調節するチャック開閉装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。 本実施形態のチャックの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 チャック開閉装置、2 主軸、4 チャック爪、5 ボールネジ軸、8 ボールネジナット、12 サーボモータ。

Claims (2)

  1. 主軸に設けられ、ワークを把握するチャック爪と、
    主軸と一体に回転すると共に、軸方向に移動して前記チャック爪の開閉動作を行なうボールネジ軸と、
    前記ボールネジ軸に嵌合し、前記ボールネジ軸に対し相対的に回転することで前記ボールネジ軸を軸方向に移動させるボールネジナットと、
    前記ボールネジナットを回転させるサーボモータと、
    を有する数値制御旋盤のチャック開閉装置において、
    前記チャック爪のワーク把握径を検出するワーク把握径検出手段と、
    主軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記検出したワーク把握径と前記検出した回転速度とに基づいて前記チャック爪が受ける遠心力を算出する遠心力算出手段と、
    主軸が回転しているときに、前記ボールネジ軸の回転と同期した速度で前記ボールネジナットを回転させると共に、前記ボールネジ軸と前記ボールネジナットとの間に回転位相差を発生させ前記ボールネジ軸を軸方向に移動させるように前記サーボモータを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記算出した遠心力に対抗する力を前記チャック爪のワーク把握力に加えるように前記サーボモータを制御する、
    ことを特徴とする数値制御旋盤のチャック開閉装置。
  2. 請求項1に記載の数値制御旋盤のチャック開閉装置において、
    前記遠心力算出手段は、さらに、前記チャック爪の重量に基づいて遠心力を算出することを特徴とする数値制御旋盤のチャック開閉装置。
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