JP2009142655A - 骨または脊椎にロッドを固定し、異なる直径を有する少なくとも２つのロッドとともに用いるための固定装置 - Google Patents

Abstract

【課題】骨または脊椎にロッドを固定し、異なる直径を有する少なくとも２つのロッドとともに用いるための固定装置が提供される。
【解決手段】当該固定装置は、シャフトと、ロッド１０の１つへの接続のためのヘッドとを有し、ヘッドは、シャフトに接続され、かつ基部と、通路を規定し、通路にロッドを受入れるための２つの実質的に垂直に延在する脚部６１、６２とを有する凹みと、通路にロッド１０をクランピングするための固定要素７０とを有し、固定要素および基部は各々、ロッドに接触する接触表面を有し、接触表面は異なるロッドのいずれをもクランプすることができるよう形状決めされる。
【選択図】図１０

Description

この発明は、異なる直径を有する少なくとも２つのロッドとともに用いられ得る、骨または脊椎にロッドを固定するための固定装置に関する。

脊柱の骨を安定させるために、骨に固定されることになるシャフトと、ロッドに接続されることになるヘッドとを含む固定装置が公知である。通常、ロッドはいくつかの骨固定装置を接続する。医学的適応と安定化が必要とされる脊柱の領域とに依存して、異なる直径を有するロッドが必要とされる。ロッドの直径は、３ｍｍから６ｍｍより大きい範囲にある。通常、脊柱の下側部分において用いられるロッドの直径は、脊柱の上側部分において用いられるロッドの直径よりも大きい。たとえば、図１に示されるように、脊柱の頸胸部領域では、３ｍｍから３．５ｍｍの直径を有するロッドが必要とされ、頸胸部領域と胸腰部領域の間の遷移ゾーンでは、３．５ｍｍから４．５ｍｍの直径を有するロッドが必要とされ、胸腰部領域では、通常４．５ｍｍから５．５ｍｍのロッドが必要であり、腰仙骨部領域のロッドは、５ｍｍから６．３５ｍｍの直径が必要である。

ロッドの直径ごとに、椎弓根ねじのような特定の骨固定装置が必要とされる。それらは特に、当該ロッドが挿入される凹みのサイズが互いに異なる。異なる骨固定装置を設けることで、コストが増加し、外科医にとって脊柱の手術がより複雑になってしまう。

ＵＳ５，８７３，８７８は、脊椎に取付けるためであり、かつ第１の直径を有する第１のロッドとそれより小さい第２の直径を有する第２のロッドとともに用いるための固定部材を開示する。固定部材は、固定部材のヘッドに挿入され得る挿入部材を含み、これにより、より小さい直径を有するロッドの挿入を可能にする。
ＵＳ５，８７３，８７８

この発明の目的は、異なる直径を有するいくつかのロッドとともに用いられ得る固定装置を提供することである。

この目的は、請求項１に従った固定装置によって解決される。さらなる発展例が、従属項において与えられる。

この固定装置は、異なる直径を有するロッドの如何なるものについても安全なクランピングを提供するという利点を有する。クランピング力は、ロッドの直径に依存しない。

さらにこの骨固定装置は、部品の数を最小限にするよう構成される。したがって、異なるロッドの固定を可能とするのに付加的な部品を必要としない。

この固定装置は、特に子供の側弯矯正のために用いられ得る。子供が成長すると、側弯矯正装置を適合させる必要があるかもしれない。たとえば、元々挿入されたものよりも大きな直径を有する他のロッドを用いる必要があるかもしれない。この発明に従った骨固定装置を用いると、骨固定部を脊椎に固定したままで、元々用いられたロッドを第２の手術にて取換えることが可能になる。

添付の図面を考慮して、以下の実施例の詳細な説明を参照することにより、この発明のさらなる特徴および利点が明らかになるとともに最もよく理解されるであろう。

図２から図４を参照して、この発明の第１の実施例に従った固定装置を記載する。固定装置１は、一端に先端部３を有するとともに他端にヘッド４を有するシャフト２を含む。このシャフトは、自身の少なくともある部分に骨ねじ山を含む。

ヘッド４は、先端部と反対の側上に、ロッド１０を受入れるための通路を規定するよう２つの自由脚部６，７が形成される凹み５を有する。脚部６，７には、当該通路においてロッド１０を固定するために、内側ねじ９を受入れるための内部ねじ山８が設けられる。当該ロッドは、円形または実質的に円形の断面を有する。

図４に最もよく示されるように、凹み５の傍には、２つの対向する実質的に垂直な平坦な側壁１２，１３が形成される。側壁１２，１３の距離、したがって、凹み５の幅は、当該凹みに収容されることになるロッドの最大の直径よりも若干大きくなる。そのため、当該ロッドはそこにロッド軸の方向に挿入およびガイドされ得る。凹み５の基部１１は、図４に特に示され得るように、実質的にＶ字形状の断面を有する。基部１１の底部は丸みを帯びている。当該基部１１のＶ字形状に含まれる角度αは、直径ｄを有するロッド１０が、ロッド軸と平行な方向に延在する２つの対向する線接触Ｐ１，Ｐ２にて基部に接触する角度である。

通路の中心では、図２に示されるような軸ボア１４が、凹み５のＶ字形状の基部１１が脚部６，７のいずれかの側上に設けられるように与えられる。当該軸ボア１４によって形成される内部の穴を有することで、左および右での接触を意味する複数点接触を達成することが可能になる。これは、事前に湾曲されるとともに起伏の設けられたロッドの場合に特に重要である。

脚部６，７に設けられる内部ねじ山８は、所定の長さにわたって、ヘッド４の自由端部から延在する。内部ねじ山８の近くには、アンダーカット１５が、基部１１に向かう方向に配される。図２から図４に示される実施例では、内側ねじ９は、脚部の間にねじ込まれ得る位置決めねじである。ロッド１０が挿入され、内側ねじ９がねじ込まれると、内側ねじ９は、締付けられる際にロッドに向いている下側でロッドを押付ける。したがって、内側ねじ９は、接触線Ｐ３に沿ってロッド１０に接触する。

凹み５の幅ＷおよびＶ字形状の基部１１ならびにロッド１０の直径ｄおよび内側ねじ９の長さの寸法は、ロッド１０が３つの接触線Ｐ１、Ｐ２、およびＰ３に沿ってクランプされるような寸法である。ロッドは、このようにクランプされる際には安定した位置にあり、外観部における３点固定に類似する。これにより、ロッドに沿って確実な複数線接触を達成する。接触線は、極微の細い線ではなく、巨視的に生じる接触による厚みを有する線である。これにより、ロッドの直径から独立して、安全な固定を提供する。

固定装置とともに用いられ得るロッドの直径は、ロッドが基部１１との２つの接触線をどのような場合でも有するように、幾何学的に規定される最大の直径と最小の直径との間で変動してもよい。内側ねじ９の長さは、当該内側ねじが完全にねじ込まれると、接触部Ｐ３でロッドに接触するような長さである。

固定装置およびロッドは、生体適合性材料、たとえばチタニウム、または超弾性の特性を示す合金のような金属合金のような金属、からなる。ロッドは、内側ねじが締められる
と摩擦力によって適切な位置に保持されるという点において、剛性である。

利用時にはまず、少なくとも２つの固定装置が、自身のシャフトが骨、たとえば脊椎の椎弓根、に位置する状態で固定される。次いで、臨床的応用に好適な特定の直径を有する、脊柱安定化のためのロッドが選択される。当該ロッドは凹みに挿入され、内側ねじを締めることで固定される。

図５から図８を参照して、第２の実施例を記載する。固定装置２０は、骨ねじ山と球状ヘッド２３とを有するシャフト２２を有するねじ要素２１を含む多軸の骨ねじである。球状ヘッド２３は、自身の自由端部上に、ねじ工具との係合のために機能する凹み２４を有する。

固定装置はさらに、第１の端部２６および当該第１の端部に対向する第２の端部２７を有する受入部分２５と中心軸Ｃとを含む。中央軸Ｃと同軸に、第１の端部から第２の端部から隔たったところまで延在するボア２９が設けられる。第２の端部では、直径がボア２９の直径よりも小さい開口部が設けられる。ヘッド２３は、シャフトが開口部３０を通って延在するように、旋回可能に受入部分に保持される。

受入部分はさらに、第１の端部から始まり、第２の端部の方向に延在する実質的にＵ字形状の凹み３１をさらに有する。Ｕ字形状の凹み３１を用いて、２つの自由脚部３２，３３が形成される。内部ねじ３４がこれら脚部に設けられる。

ボア２９の内側直径よりも若干小さいだけの外径を有する実質的に円筒形構造を有する圧力要素３５が設けられ、当該圧力要素は、ボアの中に導入されるとともに、その中で軸方向に動かされることが可能である。圧力要素３５は、ねじ要素２１のヘッド２３に対向する自身の下側に、半径がねじ要素の球状ヘッド２３の半径に対応する球状凹み３６を含む。その反対の側に、圧力要素は、平坦な側壁３８′，３９′を有する２つの脚部３８，３９と基部４０とを形成する凹み３７を含む。基部４０は、第１の実施例の基部１１に類似した実質的にＶ字形状である。それは、その最深点と、平坦な側壁への遷移部とでは曲線的であり得る。基部４０の側壁に含まれる角度α′は、最大の直径を有するロッドと最小の直径を有するロッドとが、ロッド軸Ｌに平行な２つの接触線Ｐ１，Ｐ２でそれぞれ基部４０に接触するように挿入され得る態様でサイズ決めされる。凹み３７の深さは、最小の直径と最大の直径との間の直径を有するすべてのロッドについて、挿入されたロッドの上側表面の上を脚部３８，３９が延在するような深さである。圧力要素はさらに、ねじ工具を用いて、ヘッド２３の凹み２４に接近するために機能する同軸ボア４１を含む。

ロッド１０の固定およびねじ要素２１のヘッド２３の固定のために、固定要素５０が設けられる。固定要素５０は、２部分の固定要素であり、受入部分２５の内部ねじ山３４と協働するとともに第２の内部ねじ５２が挿入される同軸ねじ切りボアを有する第１の外側ねじ５１を含む。第１のねじ５１は、受入部分から離れるように向いている自身の一端において、固定要素の把持を促進するための構造を有する環状突出部５１ａを含む。第１のねじ５１は、締付けられると、図７に示されるように、挿入されたロッドに触れることなく自身の下側で圧力要素の脚部３８，３９を押す。したがって、第１のねじは、圧力要素３５をヘッド２３に押付けることにより、ヘッド２３の旋回位置を固定し得る。

第２のねじ５２はロッド１０に対して作用する。異なる直径のロッドと接触できるようにするため、第２のねじはロッドに面する自身の下側に突出部５３を含み、当該突出部はたとえば円筒形であり、圧力要素の凹み３７の幅よりも小さい直径を有する。したがって、突出部５３はロッドに接触するが、圧力要素３５には接触しない。突出部５３は、異なるロッドの直径のバランスを取るよう用いられる構造である。第２の内側ねじ５２を締付
けることで、ロッド１０はヘッド２３から独立して固定され得る。

図６および図７に示されるような組立てられるとともに固定された状態において、圧力要素の基部４０は、ロッド１０がそれでもなお圧力要素の基部４０に存在するように受入部分の凹み３１の基部の上に若干突出している。

当該装置の利用は、ねじ要素の旋回位置が第１のねじと圧力要素とによって固定され得るという点が異なるだけで、第１の実施例と類似している。圧力要素の基部は次いで、最大限大きい直径と最小限小さい直径との間の望ましい直径を有するロッドのための台座部として機能する。

図９ａ）から図９ｄ）は、直径が大きくなるロッド１０，１０′，１０″，および１０″′の固定を概略的に示す。各々の場合におけるロッドは、２つの点、または三次元的に見ると２つの接触線上にて、基部上に存在する。上から見ると、それらは突出部５３によってロッドに接触する固定要素の内側ねじによってクランプされる。したがって、各ロッドは３点クランピングに似た安定したクランピング位置にある。これにより、最大限大きい直径と最小限小さい直径との間の任意の直径のロッドの利用が可能になる。

図１０ａ）から図１０ｄ）は、圧力要素および固定要素が第２の実施例とは異なる、増大する直径を有するロッド１０，１０′，１０″および１０″′の固定を概略的に示す。圧力要素６０は、挿入されたロッドの上側表面の上に延在しない脚部６１，６２を有する。固定要素７０は、第２の実施例に従った、受入部分２５の内側ねじ山３４との位置決めねじ協働部の形態を取る単一の部分の固定要素である。この固定要素はロッドに対して作用する突出部７５を有する。この実施例を用いると、ヘッド２３およびロッド１０は同時に固定される。

図１１ａ）および図１１ｂ）は、それぞれ基部１１または４０の形状の修正例を示す。Ｖ字を形成する側壁が平坦ではなく湾曲する。図１１ａでは、基部は凹面をなす側壁を有し、図１１ｂでは、基部は凸面をなす側壁を有する。この修正例でも、ロッドは２つの接触線に沿って基部に存在する。

記載された実施例の修正例が可能である。たとえば、ロッドが存在する基部と、ロッドが挿入される凹みの側壁との間に、段差または傾斜した表面のような領域が存在し得る。

多軸ねじは、最上部積載ねじとして示される。すなわち、ねじ要素は受入部分の第１の端部または最上部から挿入される。しかしながら、それは底部積載ねじとしても設計され得る。すなわち、ねじ要素は、第２の端部、すなわち底部から、挿入のために設計された受入部分に挿入され得る。

３線固定が逆になる、すなわち２つの線が固定要素の下側に形成されるとともに、１つの接触点または線が基部に形成されるということも考えられ得る。異なる実施例の特徴の組合せも可能である。

脊柱の異なる領域において異なる直径のロッドを用いる脊柱安定化装置とともに、脊柱の概略図を示す図である。 第１の実施例に従った固定装置の斜視分解図を示す図である。 組立てられた状態にある図２の骨固定装置の斜視図を示す図である。 組立てられた状態にある図３の固定装置の断面図を示し、当該断面はロッド軸に対して垂直に沿った図である。 第２の実施例に従った固定装置の斜視分解図を示す図である。 組立てられた状態にある図５の固定装置の斜視図を示す図である。 図６の固定装置の部分断面図を示す図であり、当該断面はロッド軸に垂直であるとともに固定装置の中心を通る面において取られる図である。 図７の固定装置の圧力要素の側面図を示す図である。 図７の固定装置の圧力要素の断面図を示す図であり、当該断面はロッド軸に垂直な面で取られる図である。 図７の固定装置の圧力要素の上面図を示す図である。 図７の固定装置の圧力要素の側面図を示す図である。 図８ａ）から図８ｄ）に示される圧力要素におけるロッドのクランピングを概略的に示し、ある直径を有するロッドが用いられる図である。 図８ａ）から図８ｄ）に示される圧力要素におけるロッドのクランピングを概略的に示し、ある直径を有するロッドが用いられる図である。 図８ａ）から図８ｄ）に示される圧力要素におけるロッドのクランピングを概略的に示し、ある直径を有するロッドが用いられる図である。 図８ａ）から図８ｄ）に示される圧力要素におけるロッドのクランピングを概略的に示し、ある直径を有するロッドが用いられる図である。 図１０ａ）〜図１０ｄ）は、修正された実施例の圧力要素におけるある直径を有するロッドのクランピングを概略的に示す図である。 ロッドの台座部の修正された実施例を示す図である。 ロッドの台座部の修正された実施例を示す図である。

符号の説明

１，２０ 固定装置、 ２，２２ シャフト、 １０ ロッド、 ４，２５ ヘッド、
１１，４０ 基部、 ６，７，３２，３３，３８，３９ 脚部、 ５，３１ 凹み、 ５２，７０ 固定要素、 １１，４０，５３，７３ 接触表面。

Claims (12)

1. 骨または脊椎にロッドを固定し、異なる直径を有する少なくとも２つのロッドとともに用いるための固定装置であって、
   当該固定装置（１；２０）は、シャフト（２；２２）と、前記ロッド（１０）の１つへの接続のためのヘッド（４；２５）とを有し、
   前記ヘッド（４；２５）は、前記シャフト（２；２２）に接続され、かつ基部（１１；４０）と、通路を規定し、前記通路にロッドを受入れるための２つの実質的に垂直に延在する脚部（６，７；３２，３３；３８，３９）とを有する凹み（５；３１）と、
   前記通路に前記ロッド（１０）をクランピングするための固定要素（５２；７０）とを有し、
   前記固定要素および前記基部は各々、前記ロッドに接触する接触表面（１１；４０；５３；７３）を有し、接触表面は異なるロッドのいずれをもクランプすることができるよう形状決めされる、固定装置。
2. 前記接触表面（１１；４０；５３；７３）は、ロッドが３つの接触線（Ｐ１；Ｐ２；Ｐ３）に沿ってクランプされるように形状決めされる、請求項１に記載の固定装置。
3. ３つの接触線のうちの２つ（Ｐ１；Ｐ２）は基部に位置し、１つ（Ｐ３）は固定要素に位置する、請求項２に記載の固定装置。
4. 固定要素（５２；７０）は、ロッドに面する自身の側上に突出部（５３；７３）を有し、当該突出部は異なる直径のロッドと接触できるようにサイズ決めされる、請求項１から請求項３の１つに記載の固定装置。
5. 基部（１１；４０）の断面は実質的にＶ字形状である、請求項１から請求項４の１つに記載の固定装置。
6. Ｖ字形状を形成する基部の側壁は湾曲する、請求項５に記載の固定装置。
7. 接触表面（１１；４０；５３；７３）は、段差のない態様で、異なる直径を有する複数のロッドをクランプするよう形状決めされる、請求項１から請求項６の１つに記載の固定装置。
8. ヘッド（４）およびシャフト（２）は一軸的に接続される、請求項１から請求項７の１つに記載の固定装置。
9. シャフト（２２）はヘッド（２５）に旋回可能に接続され、ヘッドに対するシャフトの角度位置を固定するとともにロッドのために基部（４０）を含む圧力要素（３５）が設けられる、請求項１から請求項７の１つに記載の固定装置。
10. ロッド（１０）は実質的に円形の断面を有する、請求項１から請求項９の１つに記載の固定装置。
11. 要素は、生体適合性金属または金属合金のような、生体適合性材料からなる、請求項１から請求項１０の１つに記載の固定装置。
12. 基部（１１；４０）は、脚部の両側上に位置する２つの領域においてそれぞれ接触表面を提供するための内部穴（１４）を含む、請求項１から請求項１１の１つに記載の固定装置。

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