JP2009142481A - 化粧ブラシ用毛材および化粧ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも肌へ満遍なく塗布することができるとともに、これら化粧料の保持性、離脱性および耐久性に優れ、且つ獣毛に匹敵する肌触りと柔軟性を兼ね備えた化粧ブラシ用毛材およびこの化粧ブラシを提供する。
【解決手段】75〜99重量%のポリブチレンテレフタレートと、1〜25重量%のナイロン6・10および/またはナイロン6・12との混合物を溶融紡糸して得られるモノフィラメントからなるブリッスルであって、このブリッスルはストレート部と、その少なくとも一端に形成された尖鋭なテーパー部とを有し、かつ前記テーパー部表面には複数の微細凹部が形成されていることを特徴とする化粧ブラシ用毛材。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも肌へ満遍なく均一に塗布することができると共に、これら化粧料の保持性、離脱性に優れ、且つ獣毛に匹敵する肌触りと柔軟性および耐久性を兼ね備えた化粧ブラシ用毛材およびこの化粧ブラシ用毛材を少なくとも一部に使用した化粧ブラシに関するものである。
従来、化粧ブラシ用毛材としては、獣毛および合成樹脂製毛材が多用されてきた。このうち、獣毛を使用した化粧ブラシは、化粧料の保持性や離脱性に優れるため化粧料を肌に満遍なく塗布することができるばかりか、柔軟性を有するため、使用時の肌触りが良好であった。しかし、近年の動物愛護の風潮により獣毛の入手が困難となりつつあり、さらに動物性アレルギーを発症する可能性があるため、獣毛からなる化粧ブラシを使用できない場合もあった。
一方、合成樹脂製毛材は、容易に加工することができ、獣毛に比べ工業的な大量生産が可能で、さらには動物性アレルギーを発症しにくいなどの利点があるが、化粧ブラシとして使用した場合には、獣毛を使用した化粧ブラシに比べて化粧料の保持性や離脱性が低く、使用時の肌触りが良くないなどの問題を抱えていた。
これらの問題を解決するために、これまでに様々な改良手法が検討されており、たとえば合成繊維の束状集合体の少なくとも一端を液中で分解または溶解処理して尖鋭端を形成した繊維であり、この繊維が横断面に複数の凹部と、中心から外側に向かって徐々に細くなる複数の凸部を有している獣毛調先鋭化合成繊維(例えば、特許文献1参照)が知られているが、この繊維は、円断面毛材に比べて化粧料の保持性、離脱性の向上効果に多くが期待できないばかりか、液体化粧料の塗布性は良好なものの、粉体化粧料を使用する場合の塗布性を十分に満足できないという問題があった。
上記の欠点を補うものとしては、粉末化粧料の高補足性改良を目的としては、例えば、先端方向にテーパー状の先細部を有するブラシ用毛材であって、かつ、該テーパー部の表面全体に1〜20μmの凹凸を設けてなるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)製のモノフィラメントからなるブラシ毛材(例えば、特許文献2参照)が知られているが、この毛材においては肌へ化粧を施す際に、毛材へ応力が掛かりテーパー部分に形成された凹凸部から毛折れが発生することにより、塗布性能および触感が低下してしまい、耐久性に劣るばかりか、粉体化粧料の塗布性は良好なものの、液体化粧料を使用する場合の塗布性を十分に満足できないという問題点があった。
つまり、従来技術による合成樹脂製毛材では、化粧ブラシ用毛材とした場合に、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく均一に肌へ塗布することができず、獣毛に匹敵する柔軟性と肌触りおよび耐久性を十分兼ね備えたものではないことから、化粧ブラシとしての十分な性能を発揮するものではなく、これらの特性を全て満足する化粧ブラシ毛材の実現が強く求められているのが実状であった。
特開昭56−043472号公報 特開2006−141991号公報
本発明は上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく均一に肌へ塗布することができると共に、これら化粧料の保持性、離脱性および耐久性に優れた化粧ブラシ用毛材および化粧ブラシを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、75〜99重量%のポリブチレンテレフタレートと、1〜25重量%のナイロン6・10および/またはナイロン6・12との混合物を溶融紡糸して得られるモノフィラメントからなるブリッスルであって、このブリッスルはストレート部と、その少なくとも一端に形成された尖鋭なテーパー部とを有し、かつ前記テーパー部表面には複数の微細凹部が形成されていることを特徴とする化粧ブラシ用毛材が提供される。
なお、本発明の化粧ブラシ用毛材においては、
前記テーパー部および微細凹部がいずれも溶剤処理によって形成されたものであること、
前記モノフィラメントの繊維軸方向に波形状が連続形成されており、この波形状は、前記ストレート部の平均直径30〜200倍の波長と、前記ストレート部の平均直径の70倍以下の波高とを有すること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの件を満たした場合には、さらに優れた性能を発揮する。
また、本発明の化粧ブラシは、前記化粧ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したものであり、化粧用として優れた性能を有する化粧ブラシとなる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく肌へ塗布することができると共に、これら化粧料の保持性、離脱性および耐久性に優れた化粧ブラシ用毛材および化粧ブラシを得ることができる。
以下、本発明の化粧ブラシ用毛材について図1に従って説明する。
図1は本発明の化粧ブラシ用毛材の一例を示す拡大側面図であり、1はストレート部、2は尖鋭なテーパー部、3は微細凹部、Lは波形状の波長、Hは波高を示している。
図1に示したように、本発明の化粧ブラシ用毛材は、モノフィラメントからなるブリッスルを基本構造とし、このブリッスルはストレート部1と、その少なくとも一端に形成された尖鋭なテーパー部2とを有し、かつ前記テーパー部2の表面には複数の微細凹部3が形成されていることを特徴としている。
そして、本発明の化粧ブラシ用毛材1が、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく肌に塗布することを可能とするためには、本発明の化粧ブラシ用毛材1を構成するモノフィラメントが、75〜99重量%のポリブチレンテレフタレートと、1〜25重量%のナイロン6・10および/またはナイロン6・12との混合物からなることが必要である。
ポリブチレンテレフタレートとナイロン6・10および/またはナイロン6・12との配合組成は、ポリブチレンテレフタレートが75〜99重量%、好ましくは90〜98重量%と、ナイロン6・10および/またはナイロン6・12が1〜25重量%、好ましくは2〜10重量%との合計が100重量%となる割合である。ここで、ナイロン6・10および/またはナイロン6・12の割合が上記の範囲未満では、微細凹部を形成することができず、化粧料の保持率低下につながる。逆に上記の範囲を越えると、カットブリッスルのテーパー部表面に形成する凹部の面積が広くなり、また深さが深くなりすぎることにより、化粧料の持ち込みが過大となり塗布効果を満足しなくなるばかりか、化粧ブラシ用毛材の耐久性が低下してしまうため好ましくない。
本発明の化粧ブラシ用毛材1を構成する合成樹脂の主成分としては、アルカリまたは酸により加水分解し、テーパー部2および微細凹部3が容易に形成できるという理由から、特にポリブチレンテレフタレートが好ましく使用される。なお、ここで使用するポリブチレンテレフタレートは、ポリブチレンテレフタレート以外の成分として、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステルを少割合であれば含有することができる。
一方、本発明の化粧ブラシ用毛材1を構成する合成樹脂の第2成分としては、ナイロン6・10および/またはナイロン6・12が使用されるが、ここで使用するナイロン6・10および/またはナイロン6・12は、さらにナイロン6、ナイロン66、あるいはこれらを主体とする共重合体、例えばナイロン6・66などを少割合であれば含有することができる。
なお、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、上記のポリブチレンテレフタレート、ナイロン6・10および/またはナイロン6・12は、耐熱剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、抗菌剤、蛍光増白剤、染料および顔料などの慣用の各種添加剤を任意に含有することができる。
また、上記添加剤と共に、研磨剤または磨き剤、具体的には、クレー、シリカ、炭酸カルシウムまたはアパタイトおよびそれらの混合物を含むこともできる。
本発明の化粧ブラシ用毛材を形成するモノフィラメントの断面形状については、特に制限するものではなく、具体的には、円形、または四角形、六角形などの多角形、さらは、四葉形、六葉形、八葉形などの多葉形などが挙げられるが、化粧ブラシ用毛材には微細凹部を形成したときに液体化粧料および粉体化粧料の保持性のほか離脱性も要求されるため、そのバランスに優れるとの理由から、中でも円形断面形状であることが好ましい。
なお、本発明の化粧ブラシ用毛材を構成するモノフィラメントの直径は、化粧ブラシの種類や用途に応じて適宜変えることができ、特に限定するものではないが、化粧ブラシ用としては、一般には断面の直径が0.030〜0.250mm、さらには0.050〜0.200mmの範囲であることが好ましい。
次に、本発明の化粧ブラシ用毛材が、液体化粧料および粉体化粧料の保持性と離脱性に優れる毛材であるためには、化粧ブラシ用毛材を構成するブリッスルの少なくとも一端に形成された尖鋭なテーパー部を有することが必要である。なお、テーパー部の長さは、化粧ブラシの種類や用途に応じて適宜変えることができ、特に限定するものではない。
さらに、本発明の化粧ブラシ用毛材の化粧料の保持性を高め、かつこれら化粧料を均一に満遍なく肌へ塗布することができるようにするためには、テーパー部の表面に複数の微細凹部形成することが必要である。これら複数の微細凹部は、公知の方法を用い毛材表面をアルカリなどの薬液にて溶解させテーパー部を形成する際に、このテーパー部からナイロン6・10および/またはナイロン6・12の少なくとも一部が脱落することにより、テーパー部と同時に形成することができる。
なお、ここで形成される微細凹部の大きさについては特に制限しないが、通常は口径が10〜20μm、深さが5〜20μm程度である。
さらにまた、本発明の化粧ブラシ用毛材が、より良好な肌触りと柔軟性を持つ毛材であるためには、図1に示したように、ブリッスルを構成するモノフィラメントの繊維軸方向に波形状が連続形成されていることが好ましい。
この波形状は、その波長Lがモノフィラメント平均直径の30〜200倍、且つ波高Hがモノフィラメント平均直径の70倍以下であることが好ましく、さらには、波長Lがモノフィラメント平均直径の40〜100倍、且つ波高Hがモノフィラメント平均直径の50倍以下であることが好ましい。この理由は、波長Lがモノフィラメント平均直径の30〜200倍から外れた場合には、化粧ブラシの肌触りが悪くなるばかりか、液体化粧料および粉体化粧料の保持性と離脱性のバランスが崩れた化粧ブラシとなりやすいからである。なお、上記の範囲であれば、化粧ブラシの種類や用途に応じて適宜その波長Lや波高Hを変えることも可能である。
次に、本発明の化粧ブラシ用毛材の製造方法について説明する。
まず、本発明の化粧ブラシ用毛材を構成するモノフィラメントからなるブリッスルは、例えば、ポリブチレンテレフタレートとナイロン6・10および/またはナイロン6・12のほか、必要に応じて各種添加剤を所定量分散混合した後、公知の溶融紡糸機に供給し、糸の断面形状に対応するノズルから溶融押出した後、冷却および延伸工程を経て製造することができる。
次に、得られたモノフィラメントに対し、必要に応じて繊維軸方向に波形状が付与される。モノフィラメントに波形状を付与する方法としては、公知の方法、例えば、1対からなる所定形状のギヤの間にモノフィラメントを通過させて波形状を付与するなどの方法が挙げられる。
そして、波形状が付与されたモノフィラメントを所望の長さに切断してブリッスルを形成し、このブリッスルはテーパー部および微細凹部を形成するためにさらに加工される。ブリッスルの少なくとも一端にテーパー部および微細凹部を形成する方法としては、例えば、ブリッスルを複数本束ねた集束体を作製し、これをテープ等で周囲を保護したブリッスル束の片方または両方を、アルカリ液などの薬液に浸漬させて尖鋭状に溶解する方法が挙げられる。また、このようにしてテーパー部を形成する際には、毛材表面のポリブチレンテレフタレートが溶解し、同時にナイロン6・10および/またはナイロン6・12が脱落することにより、微細凹部を併せて形成することができる。
上記の製造方法により得られた化粧ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用した本発明の化粧ブラシは、公知の方法にて製造することができ、化粧ブラシ自体の製造方法については特に限定されない。
以上、説明したとおり、本発明の化粧ブラシ用毛材は、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく肌に塗布することができるとともに、それら化粧料の保持性と離脱性および耐久性に優れ、且つ獣毛に匹敵する肌触りと柔軟性を兼ね備えたものであるため、本発明の化粧ブラシを毛材の少なくとも一部に使用した化粧ブラシは、これらの特性をすべて十分に発揮し、その実用性が極めて高いものである。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、本発明の化粧ブラシ用毛材の評価方法については、次の通り行った。すなわち、実施例に示す化粧ブラシ用毛材を化粧ブラシ用の駒に入れ、穂先を整えた上で金属製筒に化粧ブラシ用毛材を差し込み、金属製筒へ柄を取り付けることにより、毛丈35mm、束径20mmのフェースブラシを作製し、以下の方法で性能評価を実施した。
〔化粧料の塗布性能〕
1.液体化粧料
作成したフェースブラシを使用し、成人女性30人に対して液体化粧料(コーセー:Fasio スーパーフィット&ステイ リキッドファンデーション)を使用して、実際に化粧してもらい、その塗布性能について、回答を得た。なお、判断基準は以下の通り行った。
A・・フェースブラシが化粧料を十分に含み、肌に満遍なく均一に塗布することができた、
B・・フェースブラシが化粧料を十分に含むが、肌に塗布する場合の均一性をやや欠いていた、
C・・フェースブラシが化粧料を十分に含まず、肌に塗布した場合に塗布斑を生じた。
2.粉体化粧料
上記と同様に、粉体化粧料(コーセー:Fasio クリスタルステイ フェイスパウダーUV)を使用して、実際に化粧してもらい、その塗布性能について、回答を得た。なお、判断基準は以下の通り行った。
A・・化粧料の保持性および離脱性にすぐれ、肌に満遍なく均一に塗布することができた、
B・・化粧料の保持性および離脱性がやや劣るが実用上問題ない性能であった、
C・・化粧料の保持性および離脱性が劣り、肌に満遍なく均一に塗布することができなかった。
なお、液体化粧料および粉体化粧料の塗布性能がいずれもAおよび/またはBの場合を塗布性能合格と判断した。
〔肌触り〕
上記の化粧料塗布性能評価と同時に液体化粧料と粉体化粧料を使用した場合でのフェースブラシの肌触りについても回答を得た。なお、判断基準は以下の通り行った。
1・・柔軟であり獣毛に匹敵する肌触りであった、
2・・獣毛より劣るが良好な肌触りであった、
3・・特によい肌触りではないが実用上問題なかった、
4・・柔軟性および弾力性が不足し、肌への刺激が感じられ、肌触りがやや悪かった、
5・・柔軟性および弾力性が不足し、肌への刺激が顕著であり、肌触りが悪かった。
〔ブラシ耐久性〕
ステンレス板上で化粧ブラシを垂直固定し、負荷500g、振幅15cmで振幅速度45往復/分の条件で化粧ブラシを720分間摺動運動させ、摺動運動前後の毛丈をノギスで計測し、式100×(lo―l)/loから変形率を求めた。なお、loは摺動運動前の毛丈長さ、lは摺動運動後の毛丈長さをそれぞれ示す。また、判定基準は以下の通りとした。
A・・変形率が8%以下、
B・・変形率が8〜15%、
C・・変形率が15〜25%、
D・・変形率が25%以上。
〔実施例1〕
十分に予備脱湿乾燥したポリブチレンテレフタレート(東レ(株)製トレコン1100S、以下PBTという)97重量%と、ナイロン6・10樹脂(東レ(株)製アミランCM2001、以下ナイロン6・10という)3重量%とを撹拌混合した後、押出型紡糸機へ供給し、加熱溶融された樹脂組成物を円形断面形状のノズルから押出し、直ちに水中で冷却固化せしめて未延伸糸を得た。さらに得られた未延伸糸を温水中および乾熱浴中で延伸することにより、直径0.1mmの円断面モノフィラメントを得た。
引き続き、この円断面モノフィラメントを加温しながら、1対のギヤの間を連続的に通過させることによって、円断面モノフィラメントの繊維軸方向に波形状を付与した。最終製品での波長がモノフィラメント平均直径の75倍、且つ波高がモノフィラメント平均直径の15倍となるように設定した。
次に、波形状を付与した円断面モノフィラメントを複数本に束ね、その束の周囲に紙テープを巻いて必要な長さにカットしてブリッスルとした後、切断端部を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させて円断面モノフィラメントの先端部に尖鋭状のテーパー部と複数の微細凹部を形成することにより、化粧ブラシ用毛材を得た。
そして得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔実施例2〕
実施例1において、PBTを90重量%とナイロン6・10を10重量%との配合割合に変更した以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔実施例3〕
実施例2において、ナイロン6・10を、ナイロン6・12(Degussa社製D22、以下ナイロン6・12という)に変更したこと以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔実施例4〕
実施例1において、波形状の波長をモノフィラメント平均直径の150倍、波高をモノフィラメント平均直径の20倍に変更した以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔実施例5〕
実施例1において、波形状を有しない以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔比較例1〕
実施例1において、PBTを55重量%とナイロン6・10を45重量%との配合割合に変更した以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔比較例2〕
実施例3において、PBTを55重量%とナイロン6・12を45重量%との配合割合に変更した以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔比較例3〕
実施例1において、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する時間を短縮することにより、微細凹部のみを形成し、テーパー部を形成しない以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔比較例4〕
実施例1において、PBTを100重量%に変更し、微細凹部および波形状を形成していない以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用してフェースブラシを作製した。
〔比較例5〕
実施例1において、ナイロン6・10を100重量%変更し、テーパーおよび微細凹部を形成していない以外は、同様の方法で化粧ブラシ用毛材を作製し、得られた化粧ブラシ用毛材を使用して化粧ブラシを作製した。
Figure 2009142481
表1の結果から明らかなように、本発明の化粧ブラシ用毛材を使用したフェースブラシ(実施例1〜5)は、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく肌に塗布することができた。つまり、化粧料が過不足なく毛材に十分保持されるとともに、塗布した際にはその殆どが離脱し、肌に満遍なく均一付着し、獣毛を使用した化粧ブラシと同等の塗布性能を示した。また、肌触りと柔軟性および耐久性に優れており、獣毛に匹敵する毛材であると評価された。
これに対して、本発明の条件を満足しない化粧ブラシ用毛材を使用したフェースブラシは、塗布性能および肌触りが欠けたものとなり、例えば、ナイロン6・10および/またはナイロン6・12とポリブチレンテレフタレートの組成比率が本発明の条件を満たさない化粧ブラシ用毛材(比較例1、2)は、ナイロン樹脂の含有量が多く、アルカリ溶液により毛材先端が尖鋭状に溶解されると、毛材に含有されているナイロン6・10および/またはナイロン6・12が溶解と同時に毛材から脱落する量が多く、テーパー部表面の凹凸部が粗くなるために、液体化粧料および粉体化粧料の保持が過多になり、肌に塗布する際にも化粧料の離脱が過多となり塗布性能が不十分なものであった。さらに毛材毛先の毛折れ、毛切れがおこり、耐久性に劣るものであった。
また、微細凹部およびテーパー部が本発明の条件を満たさない化粧ブラシ用毛材(比較例3、4、5)は、液体化粧料および粉体化粧料の保持性が低いために塗布性能が十分なものではなく、ブラシ先端部分も扇状に広がり耐久性に劣るものであった。さらには肌触りも十分なものではなかった。
このように比較例のフェースブラシは、いずれも液体化粧料および粉体化粧料の保持性と離脱性に乏しく、獣毛に匹敵する肌触りと柔軟性を兼ね備えていない。また、毛材耐久性もブラシが広がったり、毛先が折れたり、切断したために、化粧ブラシとして十分な性能を発揮するものではなかった。
本発明の化粧ブラシ用毛材は、液体化粧料および粉体化粧料のいずれをも満遍なく肌に塗布することができるとともに、これら化粧料の保持性と離脱性および耐久性に優れ、且つ獣毛に匹敵する肌触りと柔軟性を兼ね備えたものであるため、本発明の化粧ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用した化粧ブラシは、これらの特性を全て十分に発揮し、その実用性は極めて高いものである。
本発明の化粧ブラシ用毛材の一例を示す拡大側面図である。
符号の説明
1 ストレート部
2 テーパー部
3 微細凹部
L 波長
H 波高

Claims (4)

  1. 75〜99重量%のポリブチレンテレフタレートと、1〜25重量%のナイロン6・10および/またはナイロン6・12との混合物を溶融紡糸して得られるモノフィラメントからなるブリッスルであって、このブリッスルはストレート部と、その少なくとも一端に形成された尖鋭なテーパー部とを有し、かつ前記テーパー部の表面には複数の微細凹部が形成されていることを特徴とする化粧ブラシ用毛材。
  2. 前記テーパー部および微細凹部が、いずれも溶剤処理によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧ブラシ用毛材。
  3. 前記ブリッスルの繊維軸方向に波形状が連続形成されており、この波形状は、前記ストレート部の平均直径の30〜200倍の波長と、前記ストレート部の平均直径の70倍以下の波高とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の化粧ブラシ用毛材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする化粧ブラシ。
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