JP2009140463A - 返戻金計算システム - Google Patents

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Abstract

【課題】賃貸不動産入居者の家賃の支払いに関する処理を行うシステムに関し、入居者の家賃の滞納状況に応じて返戻金の金額を変動させることができる返戻金計算システムを提供することを目的とする。
【解決手段】賃貸管理システム10は、返戻金計算システム200を含む。返戻金計算システム200は、カレンダーデータ221、個別情報データ222、契約台帳223、月別滞納明細224、滞納入金日別明細225、および預かり予算226をデータベースとして格納し、これらに基づいて退去する入居者への返戻金の金額を算出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、賃貸不動産における金銭の支払いに関連する処理を行うシステムに関し、とくに退去時に支払われるべき返戻金に関連する処理を行うシステムに関する。
賃貸不動産における家賃の支払いを管理するコンピュータシステムが知られている。従来の家賃管理用コンピュータシステムの例は、特許文献1に記載される。なお、不動産賃貸契約において、入居者が退去する際になんらかの名目で返戻金が支払われることになっている場合がある。
特開2007−58550号公報
しかしながら、従来のシステムでは、入居者の家賃の滞納状況を記録することができなかった。このため、入居者が退去する際に、家賃の滞納状況に応じて返戻金の金額を変動させることができず、そのようなビジネスモデルを実現することができなかった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、入居者の家賃の滞納状況に応じて返戻金の金額を変動させることができる返戻金計算システムを提供することを目的とする。
上述の問題点を解決するため、この発明に係る返戻金計算システムは、賃貸不動産入居者の家賃の支払いに関する処理を行う、返戻金計算システムであって、返戻金計算システムは、入居者の家賃の支払いの滞納に関する情報を記録し、返戻金計算システムは、入居者が賃貸不動産から退去する際に入居者に支払われるべき返戻金の金額を、滞納に関する情報に基づいて算出することを特徴とする。
滞納に関する情報は、入居者のそれぞれに関連する顧客コードと、入居者が支払いを滞納した滞納回数とを含む滞納履歴データであり、返戻金計算システムは、返戻金の金額を算出する際に、顧客コードに基づいて滞納履歴データを検索することによって、入居者の滞納回数を取得し、滞納回数が1以上である場合は、返戻金の金額を0とし、滞納回数が0である場合は、入居者が賃貸不動産に入居していた期間に基づいて返戻金の金額を算出してもよい。
この発明に係る返戻金計算システムは、入居者の滞納状況に関する情報を格納し、これを参照して退去時の返戻金の金額を算出するので、入居者の滞納履歴に応じて返戻金の金額を変動させることができる。これによって、入居者の滞納履歴に応じて返戻金の金額を変動させるビジネスモデルが実現される。
実施の形態1.
図1に、この発明の実施の形態1に係る返戻金計算システム200を含む賃貸管理システム10の構成を示す。賃貸管理システム10は、不動産会社が入居者の管理を行う業務に関連する処理を実行する入居管理システム100と、入居者が退去する際に返戻される返戻金の額を計算する返戻金計算システム200と、入居者が自身に関連する情報を閲覧あるいは編集するための処理を実行するWebサーバ300とを含む。また、賃貸管理システム10は、不動産会社の複数の営業店にそれぞれ設置される営業所端末20と、入居者がそれぞれ使用する入居者PC30とを含む。
入居管理システム100、返戻金計算システム200、Webサーバ300、営業所端末20、および入居者PC30は、周知の構成を有するコンピュータであり、演算を行う演算手段であるCPUと、情報を格納するための磁気ディスクおよび半導体メモリを含む記憶手段と、入力装置であるキーボードおよびマウスと、出力装置であるディスプレイおよびプリンタと、ネットワークに対する入力装置と出力装置とを兼ねるネットワークインタフェースとを備える。また、これらのコンピュータは、それぞれの記憶手段に格納されたプログラムを実行することによって、本明細書に記載するすべての機能を実現する。
入居管理システム100は、たとえば大型汎用機またはホストコンピュータと呼ばれるコンピュータである。また、入居者PC30およびWebサーバ300は、互いにHTTPプロトコルに従って通信する機能を有する。ここで、Webサーバ300は、ASP(Active Server Page:アクティブサーバページ)機能を有し、入居者PC30からの要求に応じて動的にHTMLファイルを生成し、これを入居者PC30に送信することができる。
入居管理システム100、返戻金計算システム200、およびWebサーバ300は、互いに通信可能に接続されている。また、入居管理システム100と、営業所端末20のそれぞれとは、通信可能に接続されている。さらに、Webサーバ300と、入居者PC30のそれぞれとは、インターネット40を介して通信可能に接続されている。
入居管理システム100の記憶手段は、図2に示す情報をデータベースとして記憶し格納する。格納されるデータベースは、マスタ121と、項目ルールマスタ122と、原状回復標準原価マスタ123と、実際原価マスタ124とを含む。これらのデータベースの構成は、それぞれ、図4、図5、図6、および図7に示される。
同様に、返戻金計算システム200の記憶手段は、図3に示す情報をデータベースとして記憶し格納する。格納されるデータベースは、カレンダーデータ221と、個別情報データ222と、契約台帳223と、月別滞納明細224と、滞納入金日別明細225と、預かり予算226とを含む。これらのデータベースの構成は、それぞれ、図8、図9、図10、図11、図12、および図13に示される。なお、個別情報データ222に含まれる顧客コードは、契約台帳223、月別滞納明細224、滞納入金日別明細225、および預かり予算226に含まれるコードと関連付けられている。
以上のような構成を有する賃貸管理システム10の動作を、以下に説明する。
まず、返戻金計算システム200の動作を説明する。
図14は、返戻金の計算に関して返戻金計算システム200が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、外部からの返戻金算出指示に応じて開始される。ここで、外部からの指示は、入居管理システム100からの指示、Webサーバ300からの指示、および返戻金計算システム200の運用担当者からの指示を含む。
まず、返戻金計算システム200は、外部から、返戻金算出指示の対象となる入居者に関連する顧客コードを取得する(ステップS1)。この顧客コードは、返戻金算出指示を出した外部の手段から取得される。たとえば、入居管理システム100によって送信されるか、Webサーバ300によって送信されるか、または返戻金計算システム200の運用担当者によって入力される。このステップS1で取得した顧客コードを、以下では「処理中の顧客コード」と呼ぶ。
次に、返戻金計算システム200は、処理中の顧客コードに関連する入居期間を算出する(ステップS2)。ここで、返戻金計算システム200は、顧客コードに基づいて個別情報データ222(図9)および契約台帳223(図10)を検索し、その顧客コードに関連する契約期間の開始日および終了日、またはその顧客コードに関連する入居日および退去日を取得した後、これらに基づいて入居期間を算出する。
次に、返戻金計算システム200は、処理中の顧客コードに関連する滞納履歴が存在するかどうかの判定を行う(ステップS3)。この判定は、顧客コードに基づいて月別滞納明細224(図11)および滞納入金日別明細225(図12)を検索し、該当するデータが存在するかどうかを調べることによってなされる。
ステップS3において滞納履歴が存在すると判定された場合、返戻金計算システム200は、返戻金の金額を算出する(ステップS4)。この算出は、保証料および返金料率に基づいてなされる。ここで、保証料および返金料率の算出は、ステップS2で算出された入居期間と、カレンダーデータ221(図8)、個別情報データ222(図9)、契約台帳223(図10)、月別滞納明細224(図11)、滞納入金日別明細225(図12)、および預かり予算226(図13)のうち処理中の顧客コードに関連するデータとに基づいて行われる。なお、ステップS4では、滞納履歴の内容に応じて返金料率が縮小され、返戻金の金額が減額される。
ステップS3において滞納履歴が存在しないと判定された場合、返戻金計算システム200は、返戻金の金額を算出する(ステップS5)。この算出は、保証料および返金料率に基づいてなされる。ここで、保証料および返金料率の算出は、ステップS2で算出された入居期間と、カレンダーデータ221(図8)、個別情報データ222(図9)、契約台帳223(図10)、月別滞納明細224(図11)、滞納入金日別明細225(図12)、および預かり予算226(図13)のうち処理中の顧客コードに関連するデータとに基づいて行われる。なお、ステップS5では、上述のステップS4と異なり、返金料率は縮小されない。
ステップS4またはS5において返戻金の金額が算出されると、返戻金計算システム200は、算出された金額を外部に出力する(ステップS6)。この出力は、返戻金算出指示を出した外部の手段に応じてなされる。たとえば、入居管理システム100に対して送信するか、Webサーバ300に対して送信するか、または返戻金計算システム200の運用担当者に対して出力する。
次に、営業所端末20および入居管理システム100の動作を説明する。
まず、営業所端末20は、営業店の従業員から、返戻金算出指示と、その指示の対象となる入居者の顧客コードの入力を受け付ける。営業所端末20はこれに応じて、入居管理システム100に、返戻金算出指示と顧客コードとを送信する。入居管理システム100はこれらを受信し、さらにこれらを返戻金計算システム200に送信する。ここで、返戻金計算システム200は上述のように返戻金の金額を算出して入居管理システム100に送信するので、入居管理システム100はこれを受信し、さらにこれを営業所端末20に送信する。営業所端末20はこれを受信し、さらにこれを営業店の従業員に対して出力する。
なお、営業所端末20および入居管理システム100は、従来の入居管理システムが通常有する処理機能も有する。たとえば、入居管理システム100は、家賃計上処理を実行する。この家賃計上処理は、初期費用については日割計上なし、契約開始日から日割計上開始、契約終了日で日割計上終了とする。対象項目は、家賃、共益費、固定費、変動費科目、水道代、ガス代、リース代、および浄水器代を含む。
実際の運用において、ある不動産の入居者が退去する場合、営業所の従業員は、その入居者の顧客コードを営業所端末20に入力するとともに、返戻金算出指示を与える。なお、この返戻金算出指示は、従業員からの特別の入力である必要はなく、たとえば退去日が入力されたことをもって返戻金算出指示が入力されたものとしてもよい。上述の処理の後、営業所端末20は、返戻金の金額をたとえばディスプレイに出力する。このようにして営業所の従業員は退去する入居者への返戻金の金額を知ることができる。
次に、入居者PC30およびWebサーバ300の動作を説明する。
まず、入居者PC30は、入居者から、返戻金算出指示および入居者自身の顧客コードの入力を受け付ける。入居者PC30はこれに応じて、Webサーバ300に、返戻金算出指示と顧客コードとを送信する。Webサーバ300はこれらを受信し、さらにこれらを返戻金計算システム200に送信する。ここで、返戻金計算システム200は上述のように返戻金の金額を算出してWebサーバ300に送信するので、Webサーバ300はこれを受信し、さらにこれを入居者PC30に送信する。入居者PC30はこれを受信し、さらにこれを入居者に対して出力する。
実際の運用において、ある不動産の入居者が返戻金の金額を知りたいと思った場合、入居者は、まず入居者PC30を操作してWebサーバ300に対する入力インタフェース画面を表示させ、これに自分の顧客コードを入力するとともに、返戻金算出指示を与える。上述の処理の後、入居者PC30は、返戻金の金額をたとえばディスプレイに出力する。このようにして各入居者は、自身が退去すると仮定した場合の返戻金の金額を知ることができる。
上記のように動作する返戻金計算システム200によって、以下に説明するような滞納家賃保証事業が可能となる。
図15は、返戻金計算システム200を運用する滞納家賃保証事業者の事業形態を示す概略図である。
賃貸人が管理する不動産に入居者が入居し、その際に賃貸借契約が締結される。ここで、入居者が本来支払うべき家賃をなんらかの都合によって支払えなくなる場合が考えられる。このような場合に備え、入居者は、滞納家賃保証事業者と滞納家賃の保証委託契約を締結するとともに、滞納家賃保証事業者に保証料を支払う。この際、滞納家賃保証事業者は賃貸借契約における連帯保証人となり、賃貸人に対して滞納家賃の支払いを保証する。
家賃の滞納が発生した場合、滞納家賃保証事業者は、保証委託契約に基づき、滞納された家賃を賃貸人に支払う。また、これに応じて月別滞納明細224および滞納入金日別明細225が周知の方法によって作成または更新される。
入居者が退去する際、滞納家賃保証事業者は、営業所端末20を操作し、上述の処理によってその入居者への返戻金を算出する。ここで、優良な入居者、たとえば滞納履歴のない入居者に対しては、ステップS5(図14)によって返戻金が算出され、比較的高額の返戻金が支払われる。また、そうでない入居者に対しては、ステップS4によって返戻金が算出され、滞納履歴に応じて比較的低額の返戻金が支払われるか、または返戻金は支払われない。
以上のように、賃貸管理システム10によれば、返戻金計算システム200が月別滞納明細224および滞納入金日別明細225を格納し、これらを参照して退去する入居者への返戻金の金額を算出するので、入居者の滞納履歴に応じて返戻金の金額を変動させることができる。すなわち、優良な入居者に対しては比較的高額の返戻金、そうでない入居者に対しては比較的低額の返戻金とすることができ、入居者が家賃を滞納せず支払うよう促すことができる。また、返戻金の算出は返戻金計算システム200によって自動的に行われるので、運用者による計算作業が不要となり、業務を効率化することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、返戻金計算システムの構成および動作を一部変更するものである。以下、実施の形態1との相違点を説明する。
図1に、この発明の実施の形態2に係る返戻金計算システム201を含む賃貸管理システム11の構成を示す。賃貸管理システム11は、不動産会社が入居者の管理を行う業務に関連する処理を実行する入居管理システム101と、入居者が退去する際に返戻される返戻金の額を計算する返戻金計算システム201と、入居者が自身に関連する情報を閲覧あるいは編集するための処理を実行するWebサーバ301とを含む。
返戻金計算システム201の記憶手段は、図16に示す情報をデータベースとして記憶し格納する。格納されるデータベースのうち、カレンダーデータ221と、個別情報データ222と、月別滞納明細224と、預かり予算226とは、実施の形態1の返戻金計算システム200(図3)と同一である。
返戻金計算システム201に格納される情報は、実施の形態1における契約台帳223を含まず、この代わりに契約台帳223’を含む。契約台帳223’の構成を図17に示す。契約台帳223’は、実施の形態1の契約台帳223(図10)の内容に加え、各入居者を表す顧客コードに関連する保証料の金額を表す値を含む。なお、簡明のため、図10に示される項目の一部を図17では省略する。
また、返戻金計算システム201に格納される情報は、実施の形態1における滞納入金日別明細225を含まず、この代わりに弁済請求データ明細225’を含む。弁済請求データ明細225’の構成を図18に示す。弁済請求データ明細225’は、入居者が滞納した家賃等に関連して滞納家賃保証事業者が賃貸人に支払いを行った際の、滞納に関する明細データを含む。また、弁済請求データ明細225’では、図18に示される項目に加え、各明細コードに対して、営業所コード、レコード区分、役割、単位、および月合計が関連付けられている。
さらに、返戻金計算システム201に格納される情報は、退去連絡情報227、滞納履歴データ228、および返戻テーブル229を含む。
図19は、入居者から連絡される退去予定日を管理する、退去連絡情報227の構成を示す。退去連絡情報227では、退去予定の連絡があった入居者について、その入居者を表す顧客コードに、退去予定日およびその連絡日が関連付けられている。
図20は、入居者ごとの家賃の支払いの滞納に関する情報を記録する、滞納履歴データ228の構成を示す。滞納履歴データ228では、各入居者について、これまで家賃等を滞納した回数と、それぞれの滞納が発生した日とが関連付けられている。なお、滞納が発生した日は、たとえば弁済請求データ明細225’(図18)における弁済日と対応するものである。
図21は、入居期間と保証料返金料率との関係を表す返戻テーブル229の構成を示す。返戻テーブル229では、退去する入居者が入居していた期間と、その期間に対応して変動する保証料の返金料率とが関連付けられている。
以上のような構成を有する賃貸管理システム11の動作を、以下に説明する。
まず、図22および図23を用いて、返戻金計算システム201の動作を説明する。図22は、家賃等の滞納が発生し、賃貸人から滞納分の弁済請求があった場合に返戻金計算システム201が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、返戻金計算システム201は、入居管理システム101から弁済請求データを受信する(ステップS11)。この弁済請求データは、家賃等を滞納した入居者の顧客コードと、滞納の科目明細と、弁済金額とを含む。
次に、返戻金計算システム201は、ステップS11で受信した弁済請求データに基づいて、弁済請求データ明細225’を更新する(ステップS12)。この際、返戻金計算システム201は各弁済請求ごとに明細コードを決定し、受信した情報を明細コードに関連付ける。たとえば、顧客コード1234を有する入居者が、家賃および水道料金を滞納し、その弁済請求が2003年2月7日になされ、その弁済金額が10万円である場合、図18の明細コード10001に対応する行が作成される。
次に、返戻金計算システム201は、ステップS11で受信した弁済請求データに基づいて、滞納履歴データ228を更新する(ステップS13)。この際、返戻金計算システム201は、該当の顧客コードについて、滞納回数を1だけ増加するとともに、弁済請求データを受信した日付をリストに追加する。たとえば、顧客コード1234を有する入居者について2003年2月7日および3月7日に弁済請求データが受信され、顧客コード1235を有する入居者および1236を有する入居者については弁済請求データを受信していない場合、滞納履歴データ228は図20に示す内容となる。
以上のようにして、返戻金計算システム201は弁済請求データの受信に伴う処理を実行する。
図23は、入居者が退去する際に、返戻金の計算に関して返戻金計算システム201が実行する処理の流れを説明するフローチャートであり、実施の形態1における図14のフローチャートに対応する。
ステップS21〜S23は、図14におけるステップS1に対応する。まず、返戻金計算システム201は、入居管理システム101から、退去連絡データを受信する(ステップS21)。退去連絡データは、退去する入居者の顧客コードと、退去が予定されている日付である退去予定日と、退去する旨の連絡を受け付けた日付である退去連絡日とを含む。
次に、返戻金計算システム201は、ステップS21で受信した退去連絡データに基づいて、退去連絡情報227を更新する(ステップS22)。たとえば、顧客コード1234を有する入居者が2008年3月31日付けで退去する予定であるという連絡が2008年2月20日にあった場合、図19の顧客コード1234に対応する行が作成される。
次に、返戻金計算システム201は、ステップS21で受信した退去連絡データに基づいて、契約台帳223’を更新する(ステップS23)。この際、返戻金計算システム201は、処理中の顧客コードに退去予定日を関連付けて記憶する。図17は、顧客コード1234を有する入居者および1235を有する入居者についてはすでに退去連絡があり、退去予定日が関連付けられているが、顧客コード1236を有する入居者についてはまだ退去連絡がなく、退去予定日が関連付けられていない状態を表す。
次に、返戻金計算システム201は、処理中の顧客コードに関連する入居期間を算出する(ステップS24)。このステップは、図14のステップS2に対応する。ここで、返戻金計算システム201は、顧客コードに基づいて契約台帳223’を検索し、その顧客コードに関連する入居日および退去予定日を取得した後、これらに基づいて入居期間を算出する。たとえば、図17の例では、顧客コード1234については入居期間が2年6ヶ月であり、顧客コード1235については入居期間が2年4ヶ月となる。
次に、返戻金計算システム201は、処理中の顧客コードに関連する滞納履歴が存在するかどうかの判定を行う(ステップS25)。このステップは、図14のステップS3に対応する。返戻金計算システム201は、顧客コードに基づいて滞納履歴データ228(図20)を検索し、滞納回数を取得する。滞納回数が0である場合は滞納履歴が存在しないと判定し、0でない場合(すなわち1以上である場合)は滞納履歴が存在すると判定する。
ステップS25において滞納履歴が存在すると判定された場合、返戻金計算システム201は、返戻金の金額を0に決定する(ステップS26)。このステップは図14のステップS4に対応する。
ステップS25において滞納履歴が存在しないと判定された場合、返戻金計算システム201は、返戻金の金額を算出する(ステップS27)。このステップは図14のステップS5に対応する。ここで、返戻金計算システム201は、ステップS24で算出された入居期間に基づいて返戻テーブル229(図21)を検索し、返金料率を取得する。たとえば、顧客コード1235については入居期間が2年4ヶ月であるので、返金料率は10%となる。さらに、返戻金計算システム201は顧客コードに基づいて契約台帳223’を検索して保証料を取得し、保証料に返金料率を掛けたものを返戻金の金額とする。顧客コード1235については保証料が90,000円であるので、返戻金の金額はその10%の9,000円となる。
ステップS26またはS27において返戻金の金額が決定されると、返戻金計算システム201は、決定された金額を入居管理システム101に出力する(ステップS27)。このステップは図14のステップS6に対応する。
実際の作業の流れは次のようになる。
ある不動産に入居者が入居すると、返戻金計算システム201は、入居管理システム101からデータを受信することによって、またはオペレータからの直接の入力を受けることによって、契約台帳223’にその入居者に対応する行を作成する。ここで、保証料としては、たとえば家賃の60%に相当する金額が入力される。この保証料は、滞納家賃保証委託契約に基づいて決定され、入居時に一度だけ入居者から滞納家賃保証事業者に支払われるものである。なお、返戻金計算システム201は契約台帳223’に家賃の金額を表すデータを記憶してもよく、これに応じて保証料を自動的に計算してもよい。
各入居者の入居期間中、不動産会社が家賃等の支払い状況をチェックし、滞納が発生した場合には滞納家賃保証事業者に対して弁済請求を行う。これに伴い、入居管理システム101から返戻金計算システム201に弁済請求データが送信され、図22に示す処理によって滞納履歴データ228(図20)が更新される。
ある入居者が退去する場合、営業所の従業員は、退去する入居者の顧客コードと、退去予定日と、退去の連絡を受けた日とを、営業所端末20に入力する。これは実施の形態1における返戻金算出指示の入力に対応する。営業所端末20はこれらの入力を受け付けるとともに入居管理システム101に送信する。
入居管理システム101はこれらを受信し、さらにこれらを返戻金計算システム201に送信する。
返戻金計算システム201は、上述の図23のフローチャートに従って返戻金の金額を算出して入居管理システム101に送信する。ここで、たとえば顧客コードが1234であった場合、返戻金計算システム201はこの入居者に滞納履歴があると判定し、返戻金額を0円とする。また、顧客コードが1235であった場合、返戻金計算システム201はこの入居者に滞納履歴がないと判定し、返戻金を9,000円とする。
返戻金計算システム201は、このように決定した返戻金額を入居管理システム101に送信する。入居管理システム101はこれを受信し、さらにこれを営業所端末20に送信する。営業所端末20はこれを受信し、さらにこれを営業店の従業員に対して出力する。このようにして営業所の従業員は退去する入居者への返戻金の金額を知ることができる。
以上のように、賃貸管理システム11によれば、返戻金計算システム201が滞納履歴データ228を格納し、これを参照して退去する入居者への返戻金の金額を算出するので、入居者の滞納履歴に応じて返戻金の金額を決定することができる。すなわち、滞納履歴のない優良な入居者に対しては返戻金を支払い、滞納履歴のある入居者に対しては返戻金を支払わないとすることができ、入居者が家賃を滞納せず支払うよう促すことができる。また、返戻金計算システム201は各入居者の入居期間に基づいて返金料率を決定するので、入居期間に応じた保証料を差し引いた額とすることができる。また、返戻金の算出は返戻金計算システム201によって自動的に行われるので、運用者による計算作業が不要となり、業務を効率化することができる。
なお、実施の形態2において、返戻金計算システム201は弁済請求に対する支払いを行う機能を有してもよい。たとえば、返戻金計算システム201は銀行等金融機関のコンピュータと通信可能に接続されていてもよく、図22のステップS12またはその前後において、金融機関のコンピュータに対して弁済請求データに基づく支払いを指示してもよい。この指示は、たとえば、その金融機関における滞納家賃保証事業者の口座から、その金融機関または他の金融機関における不動産会社の口座へ、弁済金額を振り込む旨の指示とすることができる。
また、実施の形態2において、返戻金計算システム201は弁済請求の取り消しを行う機能を有してもよい。たとえば、入居管理システム101またはオペレータから明細コードの入力を受けつけ、これに応じて、弁済請求データ明細225’(図18)の該当する行を削除したり、滞納履歴データ228(図20)の該当する滞納日を削除するとともに該当する顧客コードの滞納回数を1だけ減少させる機能を有してもよい。このような機能により、より柔軟な運用が可能となり、不動産会社および滞納家賃保証事業者の利便性が向上する。
また、実際の運用では、たとえば家賃支払いの約定日が毎月27日である場合、約定日後に一定の弁済猶予期間を設けて弁済請求日を翌月7日とし、さらにその後に一定の取消可能期間を設けて最終期限を翌月10日とすることができる。この場合、ある月の7日に弁済請求データが送信され滞納履歴データ228(図20)が更新された後であっても、同月10日までに入居者からの支払いが確認された場合、不動産会社が滞納家賃保証事業者に弁済請求を取り消す旨の連絡を行い、これに伴って弁済請求が取り消され、返戻金計算システム201は一旦記録された滞納履歴を削除することができる。
この発明の実施の形態1および2に係る返戻金計算システムを含む賃貸管理システムの構成を示す。 実施の形態1の入居管理システムの記憶手段が記憶する情報を示す。 実施の形態1の返戻金計算システムの記憶手段が記憶する情報を示す。 図2のマスタの構成を示す。 図2の項目ルールマスタの構成を示す。 図2の原状回復標準原価マスタの構成を示す。 図2の実際原価マスタの構成を示す。 図3のカレンダーデータの構成を示す。 図3の個別情報データの構成を示す。 図3の契約台帳の構成を示す。 図3の月別滞納明細の構成を示す。 図3の滞納入金日別明細の構成を示す。 図3の預かり予算の構成を示す。 実施の形態1の返戻金計算システムの処理の流れを説明するフローチャートである。 図1の返戻金計算システムを運用する滞納家賃保証事業者の事業形態を示す概略図である。 この発明の実施の形態2に係る入居管理システムの記憶手段が記憶する情報を示す。 図16の契約台帳の構成を示す。 図16の弁済請求データ明細の構成を示す。 図16の退去連絡情報の構成を示す。 図16の滞納履歴データの構成を示す。 図16の返戻テーブルの構成を示す。 図16の返戻金計算システムが弁済請求データを受信した際の処理の流れを説明するフローチャートである。 図16の返戻金計算システムが退去連絡データを受信した際の処理の流れを説明するフローチャートである。
符号の説明
10,11 賃貸管理システム、20 営業所端末、30 入居者PC、40 インターネット、100,101 入居管理システム、200,201 返戻金計算システム、221 カレンダーデータ、222 個別情報データ、223,223’ 契約台帳、224 月別滞納明細(入居者の家賃の支払いの滞納に関する情報)、225 滞納入金日別明細(入居者の家賃の支払いの滞納に関する情報)、225’ 弁済請求データ明細、226 預かり予算、227 退去連絡情報、228 滞納履歴データ(入居者の家賃の支払いの滞納に関する情報)、229 返戻テーブル、300,301 Webサーバ。

Claims (2)

  1. 賃貸不動産入居者の家賃の支払いに関する処理を行う、返戻金計算システムであって、
    前記返戻金計算システムは、前記入居者の前記家賃の支払いの滞納に関する情報を記録し、
    前記返戻金計算システムは、前記入居者が前記賃貸不動産から退去する際に前記入居者に支払われるべき返戻金の金額を、前記滞納に関する情報に基づいて算出する
    ことを特徴とする、返戻金計算システム。
  2. 前記滞納に関する情報は、前記入居者のそれぞれに関連する顧客コードと、前記入居者が支払いを滞納した滞納回数とを含む滞納履歴データであり、
    前記返戻金計算システムは、前記返戻金の金額を算出する際に、前記顧客コードに基づいて前記滞納履歴データを検索することによって、前記入居者の前記滞納回数を取得し、
    前記滞納回数が1以上である場合は、前記返戻金の金額を0とし、
    前記滞納回数が0である場合は、前記入居者が前記賃貸不動産に入居していた期間に基づいて前記返戻金の金額を算出する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の返戻金計算システム。
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