JP2014067078A - 有価証券取引システム、有価証券取引方法、証券サーバ及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】顧客に納得感を与えることができる有価証券取引システム等を提供することである。
【解決手段】証券サーバ3は、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する(S21)。反対売買の執行が成立した場合、証券サーバ3は、売買益があるか否かを判定し(S22)、売買益がある場合(S22のYes)、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される売買手数料の課金処理を行う。売買益がない場合(S22のNo)、証券サーバ3は、売買手数料を無料とする。
【選択図】図15
【解決手段】証券サーバ3は、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する(S21)。反対売買の執行が成立した場合、証券サーバ3は、売買益があるか否かを判定し(S22)、売買益がある場合(S22のYes)、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される売買手数料の課金処理を行う。売買益がない場合(S22のNo)、証券サーバ3は、売買手数料を無料とする。
【選択図】図15
Description
本発明は、顧客がインターネット等を介して株券等の有価証券取引を行う際に利用する有価証券取引システム等に関するものである。
現在、証券会社等は、様々なサービスを考案している。考案されているサービスの一例として、例えば、特許文献1及び特許文献2がある。
特許文献1には、祖父母から孫へ、年間の贈与枠の範囲内で、長期間定額の積立によって為される贈与を投資信託で運用処理するメインフレーム1と、投資信託の運用状況を、祖父母PC3と孫&父PC4にウェブ上で個別専用に提供するウェブサイト2とを有する資産贈与システムが開示されている。
また、特許文献2には、寄付先IDを取得した端末3が、寄付用に資産の運用益を管理するサーバ1にアクセスし、サーバ1が、寄付口座を設定する処理と、複数の投資信託を組み合わせて投資の割合を設定する処理と、寄付の割合を設定する処理を実行し、更に寄付金額を演算して寄付先に振り込む処理を行う特定ファンド指定配分システムが開示されている。
ところで、現実に運用されている有価証券取引システムでは、有価証券取引による売買損が生じたときでも、従量制又は固定制の手数料体系に従い、顧客から手数料を徴収する。しかしながら、売買損が生じたときに手数料が徴収されることに対して、納得できない顧客も多い。そのような顧客は、売買損+支払手数料という二重の損失の確定を敬遠することにより、いわゆる「塩漬け」(=評価損が発生している銘柄を売却せずに保有し続けること)の状態にしてしまう。塩漬けの状態は、行動ファイナンス等の観点から考えると、冷静な判断が出来にくくなっている状態と言える。そして、このような状態では、更なる価格変動により、顧客の評価損が拡大してしまうリスクがあり、顧客にとって望ましくない。
また、特許文献1の贈与や特許文献2の寄付の仕組みを株式取引の売買益に適用する場合、評価益が発生している間、贈与や寄付を実行する機会があると言える。しかしながら、評価益が発生している間に贈与や寄付が実行されず、逆にそのまま値下がりしてしまうと、贈与や寄付をしたいという考えが絵に描いた餅に終わってしまう。尚、特許文献1及び特許文献2に記載の仕組みは、あくまでも投資信託に関するものであり、株取引に直接適用することはできない。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、顧客に納得感を与えることができる有価証券取引システム等を提供することである。また、本発明の目的は、顧客に納得感を与えた上で、冷静な判断が出来にくくなっている状態を生まれにくくして、冷静な判断を促す仕組みを有する有価証券取引システム等を提供することである。ひいては、本発明の目的は、顧客、贈与及び寄付等を受ける第三者、並びに、証券会社の全員にとって望ましい有価証券取引システム等を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される有価証券取引システムであって、前記証券サーバは、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の課金処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とする手数料課金手段と、を具備することを特徴とする有価証券取引システムである。第1の発明の有価証券取引システムによって、顧客に納得感を与えることができ、顧客数の増加につながる。ひいては、証券会社等の収益にも貢献する。
第1の発明における前記証券売買受付手段は、更に、前記端末から、有価証券の反対売買閾値を受け付け、前記執行指示手段は、前記顧客が保有している有価証券の価格が、前記反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示することが望ましい。これによって、顧客に納得感を与えた上で、冷静な判断が出来にくくなっている状態を生まれにくくし、顧客が寄付、贈与等を適切に実行することを助けることができる。
また、第1の発明における前記証券売買受付手段は、前記反対売買閾値の設定可能範囲を予め記憶し、前記反対売買閾値の入力制限を行うことが望ましい。例えば、反対売買閾値が大き過ぎる場合、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超えることがほとんど発生しなくなってしまい、冷静な判断が出来にくくなっている状態を解消し難くなる。そこで、証券売買受付手段が、反対売買閾値の設定可能範囲を予め記憶し、反対売閾値の入力制限を行うことにより、本発明の仕組みが実質的に機能しなくなる売買閾値が設定されるのを防ぐことができ、冷静な判断が出来にくくなっている状態を解消し易くすることが望ましい。
また、第1の発明は、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに、前記証券サーバと接続される銀行サーバが、前記端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与及び/又は寄付に関する贈与先及び/又は寄付先の指定を受け付けるとともに、売買益から前記売買手数料を除いた金額に対する贈与割合及び/又は寄付割合の指定を受け付ける銀行受付手段、を具備し、前記証券サーバは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、前記贈与割合及び/又は前記寄付割合に応じた贈与額及び/又は寄付額を、前記顧客の証券口座から、前記銀行サーバが管理する前記顧客の銀行口座に送金する第1送金手段、を更に具備し、前記銀行サーバは、前記贈与額及び/又は前記寄付額を、前記顧客の銀行口座から、前記贈与先の銀行口座及び/又は前記寄付先の銀行口座に送金する第2送金手段、を更に具備することが望ましい。これによって、株取引の売買益についても、贈与や寄付の仕組みを提供することができる。
また、第1の発明における前記執行指示手段は、前記顧客が保有している有価証券の銘柄単位の時価が、前記反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示することが望ましい。一般に、個別の売買取引ごとの取得単価を判断基準とするよりも、平均取得単価を判断基準とする方がシンプルであり、分かり易いということが言える。従って、時価が反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示するという仕組みを導入することによって、顧客の利便性や分かり易さを損なうことがない。
また、第1の発明における前記証券サーバは、有価証券の銘柄、及び前記執行指示手段によって有価証券の反対売買の執行が指示される価格を主キーとする反対売買価格リストを作成する作成手段、を更に具備し、前記執行指示手段は、前記反対売買価格リストに基づき、有価証券の反対売買の一括執行を指示することが望ましい。これによって、反対売買を遅滞なく執行することができる。
また、第1の発明における前記証券サーバは、有価証券に関する過去の一定期間におけるボラティリティ値を算出する算出手段、を更に具備し、前記証券売買受付手段は、前記ボラティリティ値と、予め設定される固定値との小さい方の値を、前記反対売買閾値の設定可能範囲の上限値とすることが望ましい。これによって、市場環境や銘柄固有の特性等に応じて、顧客の最適なリスク管理を実現することができる。
また、第1の発明における前記銀行サーバは、前記顧客ごとに、前記寄付先、前記寄付額、及び前記第2送金手段による送金日の一覧を出力する出力手段、を更に具備することが望ましい。これによって、顧客は、寄付に付随する税務関係の申請書類を作成し易くなり、更に、顧客に納得感を与えることができる。
また、第1の発明における前記証券サーバは、前記執行指示手段によって指示される売買の執行を、取引所取引、自己取引、及び私設取引所取引のいずれにおいて行うかを判定する判定手段、を更に具備することが望ましい。これによって、取引コストを極小化することができるので、証券会社等の収益を確保することができる。また、取引コストの削減分を、売買益に応じた売買手数料に還元すれば、更に、顧客に納得感を与えることができる。
第2の発明は、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される有価証券取引システムにおける有価証券取引方法であって、前記端末が、有価証券の売買に関する注文を、前記証券サーバに送信するステップと、前記証券サーバが、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受信するステップと、前記証券サーバが、有価証券の売買の執行を指示するステップと、前記証券サーバが、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の決済処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とするステップと、を含むことを特徴とする有価証券取引方法である。第2の発明の有価証券取引方法によって、顧客に納得感を与えることができ、顧客数の増加につながる。ひいては、証券会社等の収益にも貢献する。
第3の発明は、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末とネットワークを介して接続される証券サーバであって、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の決済処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とする手数料課金手段と、を具備することを特徴とする証券サーバである。第3の発明の証券サーバによって、第1の発明の有価証券取引システムを構築し、第2の発明の有価証券取引方法を実行することができる。
第4の発明は、コンピュータを、ネットワークを介して接続され、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の決済処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とする手数料課金手段と、して機能させるためのプログラムである。第4の発明のプログラムをコンピュータにインストールすることによって、第2の発明の証券サーバを得ることができる。
第5の発明は、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される有価証券取引システムであって、前記証券サーバは、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、を具備し、前記証券売買受付手段は、更に、前記端末から、有価証券の反対売買閾値を受け付け、前記執行指示手段は、前記顧客が保有している有価証券の価格が、前記反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示することを特徴とする有価証券取引システムである。第5の発明の有価証券取引システムによって、顧客に納得感を与えた上で、冷静な判断が出来にくくなっている状態を生まれにくくし、顧客が寄付、贈与等を適切に実行することを助けることができる。
第6の発明は、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに、前記証券サーバと接続される銀行サーバとによって構成される有価証券取引システムであって、前記証券サーバは、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、を具備し、前記銀行サーバは、前記端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与に関する贈与先の指定を受け付けるとともに、売買益から前記売買手数料を除いた金額に対する贈与割合の指定を受け付ける銀行受付手段、を具備し、前記証券サーバは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、前記贈与割合に応じた贈与額を、前記顧客の証券口座から、前記銀行サーバが管理する前記顧客の銀行口座に送金する第1送金手段、を更に具備し、前記銀行サーバは、前記贈与額を、前記顧客の銀行口座から、前記贈与先の銀行口座に送金する第2送金手段、を更に具備することを特徴とする有価証券取引システムである。第6の発明の有価証券取引システムによって、株取引の売買益についても、贈与の仕組みを提供することができる。
第7の発明は、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに、前記証券サーバと接続される銀行サーバとによって構成される有価証券取引システムであって、前記証券サーバは、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、を具備し、前記銀行サーバは、前記端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される寄付に関する寄付先の指定を受け付けるとともに、売買益から前記売買手数料を除いた金額に対する寄付割合の指定を受け付ける銀行受付手段、を具備し、前記証券サーバは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、前記寄付割合に応じた寄付額を、前記顧客の証券口座から、前記銀行サーバが管理する前記顧客の銀行口座に送金する第1送金手段、を更に具備し、前記銀行サーバは、前記寄付額を、前記顧客の銀行口座から、前記寄付先の銀行口座に送金する第2送金手段、を更に具備することを特徴とする有価証券取引システムである。第7の発明の有価証券取引システムによって、株取引の売買益についても、寄付の仕組みを提供することができる。
本発明により、顧客に納得感を与えることができる。また、顧客に納得感を与えた上で、冷静な判断が出来にくくなっている状態を解消し、冷静な判断を促すことができる。ひいては、顧客、証券会社等、並びに、贈与及び寄付等を受ける第三者の全員にとって望ましい有価証券取引システム等を提供することができる。また、結果として、手数料の値下げ競争から一定の距離を置くことができる。
<本発明の実施形態の説明>
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。最初に図1及び図2を参照しながら、本発明の実施形態における有価証券取引システム1の基本構成について説明する。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。最初に図1及び図2を参照しながら、本発明の実施形態における有価証券取引システム1の基本構成について説明する。
図1は、有価証券取引システムの概要を示す図である。図1に示すように、有価証券取引システム1は、少なくとも、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末2と、端末2とネットワーク9aを介して接続される証券サーバ3と、によって構成される。ここで、証券サーバ3は、証券業務を担う証券会社等の企業(以下、簡略化して「証券会社等」とする。)のサーバであって、証券受付サーバ3a、証券事務サーバ3b、取引指示サーバ3c、証券分析サーバ3d、及び取引執行サーバ3e等の総称である。また、ネットワーク9aは、例えば、インターネット等である。
また、有価証券取引システム1は、更に、端末2とネットワーク9aを介して接続されるとともに、証券サーバ3とネットワーク9bを介して接続される銀行サーバ4を含んでも良い。ここで、銀行サーバ4は、為替業務を担う銀行や信託銀行等の企業(以下、簡略化して「銀行等」とする。)のサーバであって、銀行受付サーバ4a、及び銀行事務サーバ4b等の総称である。また、ネットワーク9bは、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用線ネットワーク等である。
証券受付サーバ3aは、端末2からの要求を受け付けて、必要な処理を行い、要求に対する応答として、顧客とのインタフェースの役割を果たす各種画面データを端末2に返信する。端末2からの要求データには、顧客が端末2を介して入力したデータも含まれる。証券受付サーバ3aは、例えば、有価証券の売買に関する注文等を受け付ける。
証券事務サーバ3bは、証券会社等の事務に関する各種データを記憶し、他の装置からの要求に対する応答として、データを更新したり、検索結果を返信したりする。証券事務サーバ3bは、例えば、有価証券の売買に関する注文の情報等を記憶する。
取引指示サーバ3cは、他の装置からの要求、又は予め定められている実行条件に基づき、有価証券の売買の執行を指示する。売買の執行自体は、証券業務を担う企業が所有する専用のサーバや、有価証券取引所が所有する専用のサーバ(以下、「取引執行サーバe」という。)が実行する。
証券分析サーバ3dは、他の装置からの要求、又は予め定められている実行条件に基づき、有価証券の取引に関する統計データを算出する。証券分析サーバ3dは、例えば、有価証券に関する過去の一定期間におけるボラティリティ値を算出する。ここで、ボラティリティ値とは、有価証券の騰落率の変動量を表す値である。
銀行受付サーバ4aは、証券受付サーバ3aと連携し、端末2からの要求を受け付けて、必要な処理を行い、要求に対する応答として、顧客とのインタフェースの役割を果たす各種画面データを端末2に返信する。端末2からの要求データには、顧客が端末2を介して入力したデータも含まれる。銀行受付サーバ4aは、例えば、贈与や寄付の送金に関する指示等を受け付ける。
銀行事務サーバ4bは、銀行等の為替事務に関する各種データを記憶し、他の装置からの要求に対する応答として、データを更新したり、検索結果を返信したりする。銀行事務サーバ4bは、例えば、為替事務(特に、贈与や寄付の送金)に関する情報等を記憶する。
図1に示す端末2、証券サーバ3(証券受付サーバ3a、証券事務サーバ3b、取引指示サーバ3c、証券分析サーバ3d、及び取引執行サーバ3e)、並びに銀行サーバ4(銀行受付サーバ4a、及び銀行事務サーバ4b)は、コンピュータによって実現されるものである。コンピュータは、メインフレーム、サーバ用コンピュータ、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット型PC等の総称である。
図1では、証券サーバ3の機能を分かり易く説明する為に、4つのサーバに分けて図示している。同様に、銀行サーバ4の機能を分かり易く説明する為に、2つのサーバに分けて図示している。しかしながら、物理的なコンピュータの筐体数や接続先は、図1に示す例に限られず、自由に構成することができる。例えば、証券受付サーバ3a及び銀行受付サーバ4aは、複数のサーバ用コンピュータ、及び負荷分散装置(ロードバランサ)によって構成されても良い。また、証券事務サーバ3b及び銀行事務サーバ4bは、データベース管理システム(DBMS:DataBase Management System)のミドルウエアがインストールされている複数のコンピュータによって構成されても良い。また、取引指示サーバ3c、証券分析サーバ3d、及び取引執行サーバ3eは、外部サーバ(有価証券取引所が所有するサーバや、有価証券情報を提供する会社が所有するサーバ等)と直接接続されていても良い。
図2は、コンピュータのハードウエア構成図である。尚、図2のハードウエア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
コンピュータは、制御部11、記憶部12、通信制御部13、入力部14、表示部15等が、バス16を介して接続される。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス16を介して接続された各装置を駆動制御し、コンピュータが行う後述する処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部12は、HDD(ハードディスクドライブ)等であり、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
通信制御部13は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク9a、9b間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク9a、9bを介して、他の装置間との通信制御を行う。ネットワーク9a、9bは、有線、無線を問わない。
入力部14は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部14を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部15は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。尚、入力部14及び表示部15は、タッチパネルディスプレイのように、一体となっていても良い。バス16は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
次に、図3〜図10を参照しながら、本発明の実施形態における有価証券取引システム1において用いられる主要なデータについて説明する。図3〜図10では、データの意味を分かり易くする為に、論理的な纏まりを1つの「テーブル」と称している。「テーブル」に記憶されるデータは、DBMSによって管理されても良いし、単なるファイルであっても良い。また、図3〜図10に示す単一のテーブルの内容を、複数のテーブルに分割して記憶しても良いし、図3〜図10に示す複数のテーブルの内容を、単一のテーブルに纏めて記憶しても良い。尚、図3〜図10に示すデータは、有価証券取引システムにおいて用いられる主要なデータのみであり、図示しないデータを用いることもある。
図3は、設定情報テーブル20の一例を示す図である。設定情報テーブル20は、証券会社等の社員等が設定する情報を記憶するテーブルである。設定情報テーブル20は、売買益に対する手数料率21、反対売買閾値設定可能範囲22等を含む。設定情報テーブル20は、例えば、証券事務サーバ3bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
本発明の実施形態では、証券会社等は、顧客に対して、有価証券の反対売買時に売買益がある場合のみ、反対売買に対する売買手数料を課金する。売買益に対する手数料率21は、この売買手数料を決めるためのパラメータである。つまり、証券事務サーバ3bは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、例えば、「売買益の金額×売買益に対する手数料率21」を、売買手数料として算出する。尚、反対売買の元となる売買に対する売買手数料(通常取引であれば買付に対する売買手数料)については、無料であっても良いし、有料であっても良い。買付に対する売買手数料を無料とすると、より顧客の納得感が得られると考えられる。
ここで、「反対売買の元となる売買」とは、反対売買の元となる売買が有価証券の買いの場合、反対売買は、有価証券の売りとなる。
本発明の実施形態では、売買手数料の算出方法を、前述した「売買益の金額×売買益に対する手数料率21」の計算式を用いる例に限らない。本発明の実施形態では、証券事務サーバ3bは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される売買手数料の課金処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、売買手数料を無料とする、という課金処理を行えば良い。そこで、例えば、売買益に対する手数料率21は、一定の値ではなく、累進課金(売買益の金額が大きくなれば、次第に料率を大きくする課金形態)であっても良い。また、例えば、設定情報テーブル20には、売買益に対する手数料率21に代えて、手数料の金額を記憶するようにしても良い。手数料の金額を記憶する場合も、累進課金としても良い。
本発明の実施形態では、証券受付サーバ3aは、端末2から、有価証券の反対売買閾値を受け付ける。そして、取引指示サーバ3cは、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する(以下、「自動決済機能」という。)。反対売買閾値設定可能範囲22は、端末2から受け付ける反対売買閾値の設定可能範囲を示すパラメータである。証券受付サーバ3aは、反対売買閾値設定可能範囲22に基づき、端末2からの反対売買閾値の入力制限を行う。
図3に示す例では、売買益に対する手数料率21が「10%」、反対売買閾値設定可能範囲22が「20%以下」となっている。反対売買閾値が大き過ぎる場合、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超えることがほとんど発生しなくなってしまい、塩漬けの状態を自動的に回避できなくなる。そこで、反対売買閾値設定可能範囲22の上限値(図3の例では「20%」)を設定する。
図4は、証券口座情報テーブル30の一例を示す図である。証券口座情報テーブル30は、端末2から入力される顧客の情報と、証券事務サーバ3bが自動的に設定する情報と、を記憶するテーブルである。証券口座情報テーブル30は、証券口座番号31、顧客属性情報32等を含む。証券口座情報テーブル30は、例えば、証券事務サーバ3bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
証券口座番号31は、顧客ごとに割り当てられる証券口座の番号である。顧客は、証券口座番号31によって一意に識別される。証券口座番号31は、顧客からの口座開設要求に対して、証券事務サーバ3bが自動的に設定する。
顧客属性情報32は、顧客の氏名、住所、年齢等の属性情報である。顧客属性情報32は、顧客からの口座開設要求時、顧客から提供される情報である。尚、顧客属性情報32については、証券受付サーバ3aは、端末2からの変更要求を受け付けるようにしても良い。
図4に示す例では、証券口座番号31が「S10001」となっている。顧客属性情報32は、本発明の説明には不必要な情報であるため、省略する。
図5は、銀行口座情報テーブル40の一例を示す図である。銀行口座情報テーブル40は、端末2から入力される顧客の情報と、銀行事務サーバ4bが自動的に設定する情報と、を記憶するテーブルである。銀行口座情報テーブル40は、銀行口座番号41、顧客属性情報42等を含む。銀行口座情報テーブル40は、例えば、銀行事務サーバ4bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
銀行口座番号41は、顧客ごとに割り当てられる銀行口座の番号である。顧客は、銀行口座番号41によって一意に識別される。銀行口座番号41は、顧客からの口座開設要求に対して、銀行事務サーバ4bが自動的に設定する。
顧客属性情報42は、顧客の氏名、住所、年齢等の属性情報である。顧客属性情報42は、顧客からの口座開設要求時、顧客から提供される情報である。尚、顧客属性情報42については、銀行受付サーバ4aは、端末2からの変更要求を受け付けるようにしても良い。
図5に示す例では、銀行口座番号41が「B9001」となっている。顧客属性情報42は、本発明の説明には不必要な情報であるため、省略する。
図6は、口座紐付情報テーブル50の一例を示す図である。口座紐付情報テーブル50は、同一顧客の証券口座番号及び銀行口座番号を紐付けるための情報を記憶するテーブルである。口座紐付情報テーブル50は、証券口座番号51、銀行口座番号52等を含む。口座紐付情報テーブル50は、例えば、証券事務サーバ3bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
証券口座番号51は、証券口座情報テーブル30の証券口座番号31と同様である。また、銀行口座番号52も、銀行口座情報テーブル40の銀行口座番号41と同様である。
図6に示す例では、証券口座番号51が「S10001」、銀行口座番号52が「B90001」となっている。
図7は、注文情報テーブル60の一例を示す図である。注文情報テーブル60は、顧客からの注文に関する情報を記憶するテーブルである。注文情報テーブル60は、証券口座番号61、注文日62、銘柄コード63、注文区分64、売買区分65、注文株数66、注文単価67、反対売買閾値68、反対売買基準単価種別69、約定区分691等を含む。注文情報テーブル60は、例えば、証券事務サーバ3bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
証券口座番号61は、証券口座情報テーブル30の証券口座番号31と同様である。注文日62は、顧客からの注文を受け付けた日である。銘柄コード63は、売買対象となる有価証券(例えば、株券)の銘柄を示すコードである。有価証券は、銘柄コード63によって一意に識別される。銘柄コード63は、証券受付サーバ3aが端末2から受け付ける。
注文区分64は、注文が、(1)「新規」(新規の注文)、(2)「顧客反対」(顧客による任意の反対売買注文)、(3)「自動反対」(自動決済機能による反対売買注文)、のいずれであるかを示す区分コードである。(1)「新規」(新規の注文)は、反対売買の元となる売買注文であり、通常取引であれば、買い注文である。(2)「顧客反対」(顧客による任意の反対売買注文)は、顧客指示による指値又は成行の反対売買注文であり、通常取引であれば、指値又は成行の売り注文である。(3)「自動反対」(自動決済機能による反対売買注文)は、自動決済機能によって算出される閾値価格を指値とする反対売買注文であり、通常取引であれば、指値の売り注文である。
注文区分64が(1)「新規」及び(2)「顧客反対」の注文は、端末2から受け付ける。一方、注文区分64が(3)「自動反対」の注文は、自動決済機能によって自動的に登録される。
売買区分65は、買い注文又は売り注文のいずれであるかを示す区分コードである。注文株数66は、銘柄コード63によって示される銘柄の注文株数である。注文単価67は、銘柄コード63によって示される銘柄の注文単価である。注文単価67は、指値取引の場合のみ記憶される。注文株数66及び注文単価67は、証券受付サーバ3aが端末2から受け付ける。
反対売買閾値68は、銘柄コード63によって示される銘柄の反対売買閾値である。反対売買閾値68は、証券受付サーバ3aが端末2から受け付ける。反対売買閾値68は、取引指示サーバ3cによって参照される。そして、前述した通り、取引指示サーバ3cは、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値68によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する。
反対売買基準単価種別69は、同一銘柄に対する複数の売買取引が行われた場合、反対売買の執行を判定する基準価格として、個別の売買取引ごとの取得単価を用いるのか、それとも、同一銘柄に対する全ての売買取引の取得単価を平均した単価(以下、「平均取得単価」という。)を用いるのか、を示すフラグである。反対売買基準単価種別69は、証券受付サーバ3aが端末2から受け付ける。
反対売買基準単価種別69の意義について説明する。一般に、顧客は、同一銘柄に対する複数の売買取引を行うと、平均取得単価を判断基準として反対売買の意思決定を行う。これは、個別の売買取引ごとの取得単価を判断基準とするよりも、平均取得単価を判断基準とする方がシンプルであり、分かり易いことが主な理由と考えられる。そこで、本発明の実施形態においても、顧客が、平均取得単価に対する反対売買閾値を設定できるようにする。つまり、顧客が、端末2を介して、反対売買基準単価種別69を「平均」とする選択を行った場合、証券受付サーバ3aは、反対売買閾値68として、個別の売買取引ごとの値ではなく、同一銘柄に対する全ての売買取引の値を受け付ける。そして、取引指示サーバ3cは、顧客が保有している有価証券の銘柄単位の時価が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する。
顧客が反対売買基準単価種別69を「平均」とする選択を行った場合の具体例について、図7の例に沿って説明する。証券口座番号61が「S10001」の顧客は、注文日62が「11/2」の注文において、銘柄コード63を「9999」、反対売買閾値68を「10%」としたものとする。この時点では、銘柄コード63が「9999」の注文は1件だけなので、反対売買基準単価種別69は自動的に「個別」が設定される。次に、証券口座番号61が「S10001」の顧客は、注文日62が「11/7」の注文において、銘柄コード63を「9999」としたものとする。銘柄コード63が「9999」の注文が2件になったので、証券受付サーバ3aは、反対売買基準単価種別69として「平均」も選択可能とする。そして、顧客が、反対売買基準単価種別69として「平均」を選択すると、証券受付サーバ3aは、2件目の注文の反対売買閾値68を、受付済みの注文における反対売買閾値68の値(図7では「10%」)と同一にする。顧客が、反対売買閾値68の値を変更できるようにしても良いが、あくまでも2件の注文の値は同一とする。
約定区分691は、未約定又は約定済のいずれであるかを示す区分コードである。約定区分691は、新規にレコードが追加されるときには「未約定」である。注文が約定し、後述する約定情報テーブル80にレコードが追加されると、約定区分691は、「約定済」に更新される。約定区分691が「約定済」の注文については、売買の執行対象とならない。尚、約定区分691を設けることに代えて、注文が約定したときに、注文情報テーブル60から対象のレコードを削除するようにしても良い。
図7に示す1件目の例では、証券口座番号61が「S10001」、注文日62が「11/1」、銘柄コード63が「9998」、注文区分64が「新規」、売買区分65が「買い」、注文株数66が「1000」、注文単価67が「300」、反対売買閾値68が「20%」、反対売買基準単価種別69が「個別」、約定区分691が「約定済」となっている。
図8は、贈与寄付情報テーブル70の一例を示す図である。贈与寄付情報テーブル70は、銀行口座番号71、注文日72、銘柄コード73、第1贈与先口座番号74、第1贈与先贈与割合75、第1寄付先口座番号76、第1寄付先寄付割合77等を含む。贈与寄付情報テーブル70は、例えば、銀行事務サーバ4bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
銀行口座番号71は、銀行口座情報テーブル40の銀行口座番号41と同様である。注文日72は、注文情報テーブル60の注文日62と同様である。銘柄コード73は、注文情報テーブル60の銘柄コード63と同様である。
第1贈与先口座番号74は、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与に関する1つ目の贈与先の銀行口座番号である。第1贈与先贈与割合75は、第1贈与先口座番号74に係る、売買益から売買手数料を除いた金額に対する贈与割合である。第1贈与先口座番号74及び第1贈与先贈与割合75は、銀行受付サーバ4aが端末2から受け付ける。顧客が複数の贈与先を指定する場合、贈与寄付情報テーブル70には、贈与先の数に応じて、第2贈与先口座番号及び第2贈与先贈与割合、第3贈与先口座番号及び第3贈与先贈与割合、・・・、というように、データが追加される。
第1寄付先口座番号76は、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される寄付に関する1つ目の寄付先の銀行口座番号である。第1寄付先寄付割合77は、第1寄付先口座番号76に係る、売買益から売買手数料を除いた金額に対する寄付割合である。第1寄付先口座番号76及び第1寄付先寄付割合77は、銀行受付サーバ4aが端末2から受け付ける。顧客が複数の寄付先を指定する場合、贈与寄付情報テーブル70には、寄付先の数に応じて、第2寄付先口座番号及び第2寄付先寄付割合、第3寄付先口座番号及び第3寄付先寄付割合、・・・、というように、データが追加される。
本発明の実施形態における有価証券取引システム1では、株取引の売買益について自動取引による贈与や寄付を実現するために、銀行受付サーバ4aが、端末2から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与及び/又は寄付に関する贈与先及び/又は寄付先の指定を受け付けるとともに、売買益から売買手数料を除いた金額に対する贈与割合及び/又は寄付割合の指定を受け付ける。また、証券事務サーバ3bは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、贈与割合及び/又は寄付割合に応じた贈与額及び/又は寄付額を、顧客の証券口座から、銀行事務サーバ4bが管理する顧客の銀行口座に送金する。そして、銀行事務サーバ4bは、贈与額及び/又は寄付額を、顧客の銀行口座から、贈与先の銀行口座及び/又は寄付先の銀行口座に送金する。
つまり、本発明の実施形態における有価証券取引システム1では、有価証券の反対売買時に売買益がある場合のみ、贈与や寄付を実行する。これは、利益が出たうちの幾許かを寄付や贈与にまわしたいという考え方に基づく。
また、本発明の実施形態における有価証券取引システム1では、贈与割合や寄付割合を、売買益から売買手数料等諸経費を除いた金額に対する割合として受け付ける。これは、売買益がある場合、有価証券の反対売買時に顧客の資産が増加していることになる為、増加した範囲内であれば、顧客は気持ち良く贈与や寄付を行うことができると考えられるからである。
図8に示す1件目の例では、銀行口座番号71が「B90001」、注文日72が「11/1」、銘柄コード73が「9998」、第1贈与先口座番号74が「B90002」、第1贈与先贈与割合75が「30%」、第1寄付先口座番号76が「−」(値なし)、第1寄付先寄付割合77が「−」となっている。
図9は、約定情報テーブル80の一例を示す図である。約定情報テーブル80は、証券口座番号81、約定日82、銘柄コード83、売買区分84、約定株数85、約定単価86等を含む。約定情報テーブル80は、例えば、証券事務サーバ3bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
証券口座番号81は、証券口座情報テーブル30の証券口座番号31と同様である。約定日82は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が約定された日である。銘柄コード83は、注文情報テーブル60の銘柄コード63と同様である。
売買区分84は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買の区分である。約定株数85は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が約定された株数である。約定単価86は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が約定された単価である。
図9に示す1件目の例では、証券口座番号81が「S10001」、約定日82が「11/1」、銘柄コード83が「9998」、約定株数85が「1000」、約定単価86が「300」となっている。
図10は、保有情報テーブル90の一例を示す図である。保有情報テーブル90は、現時点において顧客が保有している株式に関する情報と自動決済機能に関する情報を記憶する。保有情報テーブル90には、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が約定された後、約定情報テーブル80及び注文情報テーブル60の一部の情報が引き継がれる。保有情報テーブル90は、証券口座番号91、売買日92、銘柄コード93、保有株数94、取得単価95、反対売買閾値96、平均取得単価97、反対売買基準単価種別98、自動決済機能区分99等を含む。保有情報テーブル90は、例えば、証券事務サーバ3bの記憶部12に記憶され、他のサーバから閲覧可能な状態とする。
証券口座番号91は、証券口座情報テーブル30の証券口座番号31と同様である。売買日92は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が執行された日である。銘柄コード93は、注文情報テーブル60の銘柄コード63と同様である。
保有株数94は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が執行された株数であり、現時点において顧客が保有している株数である。取得単価95は、注文情報テーブル60に記憶されている注文に係る売買が執行された単価であり、個別の取引ごとの単価である。
反対売買閾値96は、注文情報テーブル60の反対売買閾値68と同様である。平均取得単価97には、反対売買基準単価種別98が「平均」であり、かつ同一銘柄に対する複数の売買取引が執行されている場合、執行済の全ての売買取引の平均取得単価が記憶される。反対売買基準単価種別98は、注文情報テーブル60の反対売買基準単価種別69と同様である。
自動決済機能区分99は、自動決済機能による自動反対売買の注文について、未注文又は注文済のいずれであるかを示す区分コードである。保有情報テーブル90に登録されているデータについては、自動決済機能によって、反対売買の注文が行われる。自動決済機能区分99は、新規にレコードが追加されるときには「未注文」である。自動決済機能によって反対売買の注文が行われ、注文情報テーブル60にレコードが追加されると、自動決済機能区分99は、「注文済」に更新される。
図10に示す1件目の例では、証券口座番号91が「S10001」、売買日92が「11/1」、銘柄コード93が「9998」、保有株数94が「1000」、取得単価95が「300」、反対売買閾値96が「20%」、平均取得単価97が「−」、反対売買基準単価種別98が「個別」、自動決済機能区分99が「注文済」となっている。
次に、図11〜図15を参照しながら、本発明の実施形態における有価証券取引システム1において実行される主要な処理について説明する。
図11は、新規注文時の処理の流れを示すフローチャートである。図11では、設定情報テーブル20のデータが登録済とする。また、注文を行う顧客に対して、証券口座情報テーブル30、銀行口座情報テーブル40、及び口座紐付情報テーブル50のデータが登録済とする。そして、図11に示す処理の結果、顧客が端末2を介して入力する情報が、注文情報テーブル60及び贈与寄付情報テーブル70に記憶される。
図11に示すように、端末2の制御部11は、入力部14を介して顧客から選択される新規の注文情報を入力し、顧客の証券口座番号とともに、証券受付サーバ3aに送信する(S1)。証券受付サーバ3aの制御部11は、注文情報を証券事務サーバ3bに送信し、証券事務サーバ3bの制御部11が、記憶部12に記憶されている注文情報テーブル60を更新する(S2)。
S1において受け付けられる注文情報は、注文情報テーブル60における銘柄コード63、注文区分64、売買区分65、注文株数66、注文単価67、反対売買閾値68、反対売買基準単価種別69等である。証券事務サーバ3bの制御部11は、注文日を特定し、証券受付サーバ3aから受信する証券口座番号及び注文情報に基づいて、注文情報テーブル60を更新する。
注文情報テーブル60の更新について説明する。図7に示す例では、1件目〜3件目が新規の注文情報である。新規の注文情報の場合、注文区分64が「新規」となる。また、反対売買閾値68及び反対売買基準単価種別69の値が登録される。また、約定区分691が「未約定」として登録される(説明の都合上、図7では、既に「約定済」となっている。)。
次に、端末2の制御部11は、入力部14を介して顧客から選択される「贈与及び寄付を行うか否かの情報」に基づき、顧客が贈与及び寄付を行うか否かを判定する(S3)。顧客が贈与及び寄付を行わない場合(S3のNo)、注文時の処理は終了する。顧客が贈与或いは寄付、又は贈与及び寄付のいずれかを行う場合(S3のYes)、端末2の制御部11は、その旨を証券受付サーバ3aに送信する。これに対して、証券受付サーバ3aの制御部11は、銀行口座への遷移処理を行う(S4)。具体的には、証券受付サーバ3aの制御部11は、顧客の証券口座番号、注文日及び銘柄コードとともに、顧客が贈与或いは寄付、又は贈与及び寄付のいずれかを行う旨を銀行受付サーバ4aに送信する。
銀行受付サーバ4aの制御部11は、口座紐付情報テーブル50を参照し、証券受付サーバ3aから受信する顧客の証券口座番号に対応する銀行口座番号を特定する。そして、銀行受付サーバ4aの制御部11は、銀行口座番号、注文日及び銘柄コードを含む贈与寄付設定画面を端末2に送信する(S5)。
尚、S4及びS5は、説明を分かり易くする為に簡略化して図示している。実際には、証券受付サーバ3aの制御部11は、端末2に対して、銀行口座に遷移することの同意画面を送信し、同意する旨を端末2から受信することによって、遷移処理を開始する。また、銀行受付サーバ4aの制御部11は、銀行口座番号を端末2から受信することによって、贈与寄付設定画面を端末2に送信する。
次に、端末2の制御部11は、入力部14を介して顧客から選択される贈与寄付情報を入力し、銀行口座番号、注文日及び銘柄コードとともに、銀行受付サーバ4aに送信する(S6)。銀行受付サーバ4aの制御部11は、銀行口座番号、注文日及び銘柄コードとともに、贈与寄付情報を銀行事務サーバ4bに送信し、銀行事務サーバ4bの制御部11が、記憶部12に記憶されている贈与寄付情報テーブル70を更新する(S7)。
S6において受け付けられる贈与寄付情報は、贈与寄付情報テーブル70における第1贈与先口座番号74及び第1贈与先贈与割合75等、並びに、第1寄付先口座番号76及び第1寄付先寄付割合77等である。銀行事務サーバ4bの制御部11は、銀行受付サーバ4aから受信する銀行口座番号、注文日及び銘柄コード、並びに贈与寄付情報に基づいて、贈与寄付情報テーブル70を更新する。尚、贈与寄付情報は、S6において入力される必要はなく、予め入力されていても良い。つまり、銀行事務サーバ4bの制御部11は、予め入力されている贈与寄付情報を取得して、後述する処理を実行しても良い。
図12は、新規注文の売買執行時の処理の流れを示すフローチャートである。図12では、図11に示す新規注文時の処理が実行済とする。つまり、顧客が端末2を介して入力する新規の注文情報や贈与寄付情報が、注文情報テーブル60及び贈与寄付情報テーブル70に記憶済とする。そして、図12に示す処理の結果、取引指示サーバ3cが売買の執行を指示し、売買の執行に関する情報が、保有情報テーブル90に記憶される。
図12に示すように、取引指示サーバ3cの制御部11は、新規注文に関する売買の執行を取引執行サーバeに指示する(S11)。取引執行サーバeの制御部11は、新規注文に関する売買を執行する(S12)。売買の執行が成立した場合(約定した場合)、証券事務サーバ3bの制御部11は、約定に関する情報を取引執行サーバeから受信し、注文情報テーブル60、約定情報テーブル80、保有情報テーブル90を更新する(S13)。
取引執行サーバeから受信する情報は、約定に関する情報(約定日、銘柄コード、売買区分、約定株数、約定単価)である。証券事務サーバ3bの制御部11は、保有情報テーブル90に登録する残りの情報については、注文情報テーブル60を参照する。具体的には、注文情報テーブル60における反対売買閾値68、反対売買基準単価種別69を参照する。また、証券事務サーバ3bの制御部11は、必要に応じて、平均取得単価を算出する。
注文情報テーブル60の更新について説明する。図7に示す例では、1件目〜3件目が新規の注文情報である。証券事務サーバ3bの制御部11は、これら3件分の約定区分691を「約定済」(図7では既に更新されている。)とする。
約定情報テーブル80の更新について説明する。図9に示す例では、1件目〜3件目が新規の注文に関する約定情報である。証券事務サーバ3bの制御部11は、約定に関する情報(約定日、銘柄コード、売買区分、約定株数、約定単価)を受信し、約定情報テーブル80に登録する。
保有情報テーブル90の更新について説明する。図10に示す例では、1件目〜3件目が新規の注文に関する保有情報である。証券事務サーバ3bの制御部11は、約定に関する情報(約定日、銘柄コード、売買区分、約定株数、約定単価)と、注文情報テーブル60における反対売買閾値68及び反対売買基準単価種別69と、必要に応じて算出される平均取得単価とを、保有情報テーブル90に登録する。また、証券事務サーバ3bの制御部11は、自動決済機能区分99を「未注文」(説明の都合上、図10では、既に「注文済」に更新されている。)とする。
図13は、自動反対売買注文時の処理の流れを示すフローチャートである。図13では、保有情報テーブル90にデータが登録済とする。そして、図13に示す処理の結果、約定情報テーブル80に登録されているデータに対する自動反対売買注文の情報が、注文情報テーブル60に記憶される。
図13に示すように、証券事務サーバ3bの制御部11は、保有情報テーブル90を参照し、自動決済機能区分99が「未注文」のデータ、すなわち自動反対売買の未注文データを取得し(S21)、記憶部12に記憶されている注文情報テーブル60、保有情報テーブル90を更新する(S22)。
注文情報テーブル60の更新について説明する。図7に示す例では、4件目〜7件目が自動決済機能による反対売買の注文情報である。自動決済機能による反対売買の注文情報の場合、注文区分64が「自動反対」となる。注文株数66及び注文単価67の値は、必要に応じて算出されて、登録される。例えば、4件目の注文単価67=保有情報テーブル90の1件目の取得単価95「300」×(100%+反対売買閾値96「20%」)=360である。また、5件目の注文単価67=保有情報テーブル90の1件目の取得単価95「300」×(100%−反対売買閾値96「20%」)=240である。反対売買閾値68及び反対売買基準単価種別69の値は登録されない。
次に、保有情報テーブル90の更新について説明する。証券事務サーバ3bの制御部11は、自動決済機能区分99を「注文済」(図10では既に更新されている。)とする。
図14は、顧客反対売買注文時の処理の流れを示すフローチャートである。図14では、反対売買注文を行う顧客に対して、保有情報テーブル90にデータが登録済とする。そして、図14に示す処理の結果、顧客が端末2を介して入力する情報が、注文情報テーブル60に記憶される。
図14に示すように、端末2の制御部11は、入力部14を介して顧客から選択される反対売買の注文情報を入力し、顧客の証券口座番号とともに、証券受付サーバ3aに送信する(S31)。証券受付サーバ3aの制御部11は、注文情報を証券事務サーバ3bに送信し、証券事務サーバ3bの制御部11が、記憶部12に記憶されている注文情報テーブル60を更新する(S32)。
注文情報テーブル60の更新について説明する。図7に示す例では、8件目が顧客による反対売買の注文情報である。顧客による反対売買の注文情報の場合、注文区分64が「顧客反対」となる。また、注文株数66及び注文単価67は、端末2から受信するデータが登録される。ここで、指値の注文の場合、顧客は、反対売買閾値を超えない範囲内において、売買価格を指定することができる。
図15は、反対売買執行時の処理の流れを示すフローチャートである。図15では、図13に示す自動反対売買注文時の処理又は図14に示す顧客反対売買注文時の処理が実行済とする。つまり、反対売買注文が、注文情報テーブル60に記憶済とする。そして、図15に示す処理の結果、取引指示サーバ3cによって反対売買の執行が指示され、証券事務サーバ3bによって課金処理が行われるとともに、証券事務サーバ3b及び銀行事務サーバ4bの連携によって、贈与や寄付に関する送金が行われる。
図15に示すように、取引指示サーバ3cの制御部11は、保有情報テーブル90を参照し、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値96によって定まる閾値価格の範囲を超える場合、顧客によって指定されている指値に達している場合、又は顧客によって成行の注文がなされている場合には、有価証券の反対売買の執行を取引執行サーバeに指示する(S41)。取引執行サーバeの制御部11は、反対売買を執行する(S42)。反対売買の執行が成立した場合(約定した場合)、証券事務サーバ3bの制御部11は、注文情報テーブル60、約定情報テーブル80、保有情報テーブル90を更新する(S43)。
注文情報テーブル60の更新について説明する。証券事務サーバ3bの制御部11は、注文区分64が「自動反対」又は「顧客反対」のデータの中で約定したデータの約定区分691を「約定済」とする。例えば、図7に示す4件目、5件目、及び8件目のデータは、同一の証券口座番号61、同一の銘柄コード63、及び同一の売買区分65に対する注文である。これらのうちいずれか1つの注文が約定した場合、それ以外の2つのデータに対しても、約定区分691を「約定済」とする。つまり、証券事務サーバ3bの制御部11は、同一の証券口座番号61、同一の銘柄コード63、及び同一の売買区分65に対する注文のうち、いずれか1つの注文が成立したら、これら一群の注文を売買の執行対象とならないようにする。
約定情報テーブル80の更新について説明する。証券事務サーバ3bの制御部11は、反対売買の約定に関する情報(約定日、銘柄コード、売買区分、約定株数、約定単価)を受信し、約定情報テーブル80に登録する。
保有情報テーブル90の更新について説明する。証券事務サーバ3bの制御部11は、反対売買の約定に関する情報(約定日、銘柄コード、売買区分、約定株数、約定単価)を受信し、該当するレコードを削除したり、保有株数94を削減したりする。
次に、証券事務サーバ3bの制御部11は、約定情報テーブル80から約定結果を取得し、売買益があるか否かを判定する(S44)。
売買益がある場合(S44のYes)、証券事務サーバ3bの制御部11は、手数料を算出し、課金処理を行い、S46に進む(S45)。具体的には、証券事務サーバ3bの制御部11は、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される売買手数料の課金処理を行う。
売買益がない場合(S44のNo)、証券事務サーバ3bの制御部11は、売買手数料を無料とし、処理を終了する。
S46では、証券事務サーバ3bの制御部11は、贈与寄付情報テーブル70を参照し、贈与及び/又は寄付の設定があるか否か判定する。
贈与及び/又は寄付の設定がある場合(S46のYes)、証券事務サーバ3bの制御部11は、贈与割合及び/又は寄付割合に応じた贈与額及び/又は寄付額を、顧客の証券口座から、銀行事務サーバ4bが管理する顧客の銀行口座に振り替える(S47)。
これに対して、銀行事務サーバ4bの制御部11は、証券事務サーバ3bによって送金された贈与額及び/又は寄付額を、顧客の銀行口座から、贈与先の銀行口座及び/又は寄付先の銀行口座に送金する(S48)。送金が完了すると、銀行事務サーバ4bの制御部11は、送金が完了した旨を証券事務サーバ3bに送信する。証券事務サーバ3bの制御部11は、送金が完了した旨を受信すると、反対売買執行時の処理を終了する。
<本発明の実施形態による作用効果>
1.本発明の実施形態における有価証券取引システムは、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される。証券サーバは、端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段(証券受付サーバ)と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段(取引指示サーバ)と、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される売買手数料の課金処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、売買手数料を無料とする手数料課金手段(証券事務サーバ)と、を具備する。これによって、顧客に納得感を与えることができ、顧客数の増加につながる。ひいては、証券会社等の収益にも貢献する。より具体的には、従来の手数料体系とは異なる、新しい手数料体系とすることによって、手数料の値下げ競争と一定の距離を置くことができる。また、売買益がないときに手数料を支払う必要がない、というこれまでにない価値観が、新しい需要を創造することも期待できる。
1.本発明の実施形態における有価証券取引システムは、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される。証券サーバは、端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段(証券受付サーバ)と、有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段(取引指示サーバ)と、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される売買手数料の課金処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、売買手数料を無料とする手数料課金手段(証券事務サーバ)と、を具備する。これによって、顧客に納得感を与えることができ、顧客数の増加につながる。ひいては、証券会社等の収益にも貢献する。より具体的には、従来の手数料体系とは異なる、新しい手数料体系とすることによって、手数料の値下げ競争と一定の距離を置くことができる。また、売買益がないときに手数料を支払う必要がない、というこれまでにない価値観が、新しい需要を創造することも期待できる。
2.本発明の実施形態における証券売買受付手段(証券受付サーバ)は、更に、端末から、有価証券の反対売買閾値を受け付ける。そして、執行指示手段(取引指示サーバ)は、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する。これによって、顧客に納得感を与えた上で、冷静な判断が出来にくくなっている状態を解消し、冷静な判断を促すことができる。
3.本発明の実施形態における証券売買受付手段(証券受付サーバ)は、反対売買閾値の設定可能範囲を予め記憶し、反対売買閾値の入力制限を行う。例えば、反対売買閾値が大き過ぎる場合、顧客が保有している有価証券の価格が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超えることがほとんど発生しなくなってしまい、冷静な判断が出来にくくなっている状態を解消し難くなる。そこで、証券売買受付手段(証券受付サーバ)が、反対売買閾値の設定可能範囲を予め記憶し、反対売買閾値の入力制限を行うことにより、冷静な判断が出来にくくなっている状態を解消し易くすることが望ましい。
4.本発明の実施形態における有価証券取引システムの構成には、端末とネットワークを介して接続されるとともに、証券サーバと接続される銀行サーバも含まれる。銀行サーバは、端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与及び/又は寄付に関する贈与先及び/又は寄付先の指定を受け付けるとともに、売買益から売買手数料を除いた金額に対する贈与割合及び/又は寄付割合の指定を受け付ける銀行受付手段(銀行受付サーバ)、を具備する。また、証券サーバは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、贈与割合及び/又は寄付割合に応じた贈与額及び/又は寄付額を、顧客の証券口座から、銀行サーバが管理する顧客の銀行口座に送金する第1送金手段(証券事務サーバ)、を更に具備する。また、銀行サーバは、贈与額及び/又は寄付額を、顧客の銀行口座から、贈与先の銀行口座及び/又は前記寄付先の銀行口座に送金する第2送金手段(銀行事務サーバ)、を更に具備する。これによって、株取引の売買益についても、贈与や寄付の仕組みを提供することができる。資産運用から生まれる利益は、給与収入等の就労所得と異なる感覚があると考えられる為、売買益の一部を自動的に贈与や寄付に回すという仕組みによって、顧客は、無理なく、手間無く、気持ち良く、贈与や寄付を行うことができる。
5.本発明の実施形態における執行指示手段(取引指示サーバ)は、顧客が保有している有価証券の銘柄単位の時価が、反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する。これによって、顧客の利便性や分かり易さを損なうことがなく、更に、顧客に納得感を与えることができる。
6.本発明の実施形態における証券売買受付手段(証券受付サーバ)は、有価証券の反対売買後の取扱方法について、継続又は終了のいずれかの選択を受け付け、執行指示手段(取引指示サーバ)は、証券売買受付手段(証券受付サーバ)によって受け付けられる有価証券の反対売買後の取扱方法が継続の場合には、反対売買後に再反対売買の執行を指示する。これによって、同一銘柄を保有し続けたい顧客にとっても、利便性を損なうことがなく、更に、顧客に納得感を与えることができる。
7.プライマリーマーケット(発行市場)は、投資をした資金が発行体に還流する、まさに直接金融のマーケットである。一方、従来のセカンダリーマーケット(流通市場)は、投資家から別の投資家に流れているだけの世界である。本発明の実施形態によれば、セカンダリーマーケットにおいて、資金が別の投資家だけでなく、他の経済主体(例えば、贈与先や寄付先)に資金が直接流れるという、新しい直接金融マーケットを具現化することができる。特に、セカンダリーマーケットの時価総額が拡大していく過程において、資金がマーケット参加の投資家以外の経済主体に流れていく規模が拡大する。例えば、外国為替証拠金取引(FX:Foreign eXchange)のようなゼロサム取引(参加者の利益の合計=0が成り立つ取引)のマーケットの場合、株式等の証券市場と比べて社会的意義が相対的に低いと考えられている。そこで、本発明の実施形態における贈与や寄付の仕組みをFXに適用すれば、社会的意義を持たせていくことも期待できる。
<変形例1>
前述の説明では、図3の設定情報テーブル20に記憶される反対売買閾値設定可能範囲22を、証券会社等の社員が設定するものとしている。変形例1では、証券分析サーバ3dの制御部11は、有価証券に関する過去の一定期間におけるボラティリティ値を算出する。そして、証券分析サーバ3dの制御部11は、ボラティリティ値と、予め設定される固定値との小さい方の値を、反対売買閾値設定可能範囲22の上限値とし、設定情報テーブル20に設定する。証券受付サーバ3aの制御部11は、証券分析サーバ3dによって設定される値を用いて、反対売買閾値の入力制限を行う。つまり、証券受付サーバ3aの制御部11は、ボラティリティ値と、予め設定される固定値との小さい方の値を、反対売買閾値の設定可能範囲の上限値とする。
前述の説明では、図3の設定情報テーブル20に記憶される反対売買閾値設定可能範囲22を、証券会社等の社員が設定するものとしている。変形例1では、証券分析サーバ3dの制御部11は、有価証券に関する過去の一定期間におけるボラティリティ値を算出する。そして、証券分析サーバ3dの制御部11は、ボラティリティ値と、予め設定される固定値との小さい方の値を、反対売買閾値設定可能範囲22の上限値とし、設定情報テーブル20に設定する。証券受付サーバ3aの制御部11は、証券分析サーバ3dによって設定される値を用いて、反対売買閾値の入力制限を行う。つまり、証券受付サーバ3aの制御部11は、ボラティリティ値と、予め設定される固定値との小さい方の値を、反対売買閾値の設定可能範囲の上限値とする。
変形例1の処理の詳細及び意義について説明する。証券分析サーバ3dの制御部11は、過去t期間における各銘柄の騰落率Rx(x=1〜n)を元に、t期間騰落率の標準偏差を求め、tの平方根を乗じ、各銘柄の変動があったと認識すべき値(=ボラティリティ値)を求める。
このボラティリティ値は、各銘柄の変動性が高まっている局面においては大きな値となり、変動性が小さな局面においては相対的に小さな値となる。このボラティリティ値を用いることによって、銘柄ごとの変動性の特性差も反映することになるので、冷静な投資判断を促すことが可能となる。
但し、一般の投資家(本発明の実施形態が想定している顧客)にとっては、損益の判定基準を絶対的な水準とした方が、投資家の心象にも合致していることが多い。例えば、変動性が大きい時期又は変動性が大きい銘柄に対して、反対売買閾値を「40%」のように大きな値としてしまうと、投資家の心象に合致しているとは言い難い。
そこで、証券会社等の社員等が設定する固定値と、算出されるボラティリティ値とのいずれか小さい方の値を、反対売買閾値の設定可能範囲の上限値とすることが望ましい。具体的には、以下のような数式となる。
ここで、Tmax:反対売買閾値の設定可能範囲の上限値、K:証券会社等の社員等が設定する固定値、μ:騰落率Rx(x=1〜n)の平均、である。
このように、変形例1では、市場環境や銘柄固有の特性等に応じて、顧客の最適なリスク管理を実現することができる。
<変形例2>
前述の説明では、図15のS21において、取引指示サーバ3cの制御部11が、保有情報テーブル90を参照するものとしている。変形例2では、取引指示サーバ3cの制御部11は、有価証券の銘柄を示す銘柄コード、及び反対売買の執行が指示される価格(以下、「反対売買価格」という。)を主キーとする反対売買価格リストを作成し、反対売買価格リストに基づき、有価証券の反対売買の一括執行を指示する。反対売買価格リストには、主キーとなる銘柄コード及び反対売買価格の他に、主キーごとに、反対売買の執行が指示される株数(以下、「反対売買株数」という。)が含まれる。
前述の説明では、図15のS21において、取引指示サーバ3cの制御部11が、保有情報テーブル90を参照するものとしている。変形例2では、取引指示サーバ3cの制御部11は、有価証券の銘柄を示す銘柄コード、及び反対売買の執行が指示される価格(以下、「反対売買価格」という。)を主キーとする反対売買価格リストを作成し、反対売買価格リストに基づき、有価証券の反対売買の一括執行を指示する。反対売買価格リストには、主キーとなる銘柄コード及び反対売買価格の他に、主キーごとに、反対売買の執行が指示される株数(以下、「反対売買株数」という。)が含まれる。
変形例2の処理の詳細及び意義について説明する。本発明の実施形態では、注文に関する売買が成立すると、即座に、自動決済機能における反対売買のトリガーとなる価格が定まる。そして、本発明の実施形態では、各銘柄の価格が反対売買価格に超えた場合に遅滞なく執行されることが求められる。
そこで、取引指示サーバ3cの制御部11は、前述した通り、反対売買価格リストを作成しておき、記憶部12に記憶しておく。そして、取引指示サーバ3cの制御部11は、各銘柄の価格が、反対売買価格リストに記憶されている反対売買価格に接近した際、反対売買価格を指値として、反対売買株数に応じた一括執行を指示する。
このように、変形例2では、反対売買を遅滞なく執行することができる。
<変形例3>
前述の説明では、売買の執行先の判定処理について言及していない。売買の執行先としては、取引所取引、自己取引、及び私設取引所取引等が考えられる。変形例3では、取引指示サーバ3cの制御部11は、売買の執行を、取引所取引、自己取引、及び私設取引所取引のいずれにおいて行うかを判定する。
前述の説明では、売買の執行先の判定処理について言及していない。売買の執行先としては、取引所取引、自己取引、及び私設取引所取引等が考えられる。変形例3では、取引指示サーバ3cの制御部11は、売買の執行を、取引所取引、自己取引、及び私設取引所取引のいずれにおいて行うかを判定する。
変形例3の処理の詳細及び意義について説明する。本発明の実施形態では、売買益がない場合、売買手数料を無料とする。このことを合理的に(証券会社等にとって過大な不利益とならないように)実現するために、取引所取引の手数料のように、取引ごとに手数料が発生することを極力回避する必要がある。そこで、売買益がない場合、いわゆる損切りの売買を行う場合等において、取引指示サーバ3cの制御部11が、選択的に、自己取引又は私設取引所取引に対して取引の指示を行うことによって、取引ごとの取引コストを極小化することができる。
売買の執行先の判定ロジックとしては、例えば、以下の3通りが考えられる。
(1)第1の判定ロジック・・・損切りの売りである、が成り立つならば、自己取引又は私設取引所取引を執行先とする。
(2)第2の判定ロジック・・・損切りの売りである、及び、自己取引又は私設取引所取引において該当銘柄の流動性がある(つまり、一定期間内に取引があり、値が付いている。)、が成り立つならば、自己取引又は私設取引所取引を執行先とする。
(3)第3の判定ロジック・・・損切りの売りである、自己取引又は私設取引所取引において該当銘柄の流動性がある(つまり、一定期間内に取引があり、値が付いている。)、及び、自己取引又は私設取引所取引での値付けが取引所取引+手数料以下である、が成り立つならば、自己取引又は私設取引所取引を執行先とする。
(1)第1の判定ロジック・・・損切りの売りである、が成り立つならば、自己取引又は私設取引所取引を執行先とする。
(2)第2の判定ロジック・・・損切りの売りである、及び、自己取引又は私設取引所取引において該当銘柄の流動性がある(つまり、一定期間内に取引があり、値が付いている。)、が成り立つならば、自己取引又は私設取引所取引を執行先とする。
(3)第3の判定ロジック・・・損切りの売りである、自己取引又は私設取引所取引において該当銘柄の流動性がある(つまり、一定期間内に取引があり、値が付いている。)、及び、自己取引又は私設取引所取引での値付けが取引所取引+手数料以下である、が成り立つならば、自己取引又は私設取引所取引を執行先とする。
このように、変形例3では、取引コストを極小化することができるので、証券会社等の収益を確保することができる。また、取引コストの削減分を、売買益に応じた売買手数料に還元すれば、更に、顧客に納得感を与えることができる。
<変形例4>
前述の説明では、寄付を行った後の事務処理について言及していない。変形例4では、銀行事務サーバ4bの制御部11は、少なくとも、寄付先、寄付額、及び顧客の銀行口座から寄付先の銀行口座に送金した送金日等を含む一覧(以下、「寄付一覧」という。)を出力する。銀行事務サーバ4bの制御部11は、端末2からの要求に応じて、ネットワーク9aを介して、寄付一覧を端末2の表示部15に表示しても良い。また、銀行事務サーバ4bの制御部11は、定期的に、寄付一覧を図示しない外部装置に出力しても良い。この場合、外部装置が、図示しない印刷装置等に寄付一覧を出力し、印刷装置等が寄付一覧を印刷する。印刷された寄付一覧は、郵送にて顧客に送られる。
前述の説明では、寄付を行った後の事務処理について言及していない。変形例4では、銀行事務サーバ4bの制御部11は、少なくとも、寄付先、寄付額、及び顧客の銀行口座から寄付先の銀行口座に送金した送金日等を含む一覧(以下、「寄付一覧」という。)を出力する。銀行事務サーバ4bの制御部11は、端末2からの要求に応じて、ネットワーク9aを介して、寄付一覧を端末2の表示部15に表示しても良い。また、銀行事務サーバ4bの制御部11は、定期的に、寄付一覧を図示しない外部装置に出力しても良い。この場合、外部装置が、図示しない印刷装置等に寄付一覧を出力し、印刷装置等が寄付一覧を印刷する。印刷された寄付一覧は、郵送にて顧客に送られる。
このように、変形例4では、顧客は、寄付に付随する税務関係の申請書類を作成し易くなり、更に、顧客に納得感を与えることができる。具体的には、顧客は、寄付一覧と、寄付先から入手する領収書(税額控除のための必要書類)との突合せが可能となる。
<変形例5>
前述の説明では、寄付先の選択処理について言及していない。変形例5では、銀行事務サーバ4bの制御部11は、寄付先のリストを予め記憶しておき、端末2に寄付先のリストを送信することによって、顧客が任意に選択する仕組みを提供する。
前述の説明では、寄付先の選択処理について言及していない。変形例5では、銀行事務サーバ4bの制御部11は、寄付先のリストを予め記憶しておき、端末2に寄付先のリストを送信することによって、顧客が任意に選択する仕組みを提供する。
顧客は、寄付先を複数選択しても良いし、1つも選択しなくても良い。また、顧客は、寄付先ごとに利益に対する寄付割合を設定することができる。また、顧客は、寄付先ごとに、年間寄付額の上限を設定することができる。また、顧客は、寄付に関する設定内容を変更することができる。
寄付先は、例えば、地方公共団体や学校法人等が考えられる。寄付先は、カテゴリ(地方公共団体、大学、高校、プロスポーツ、動物園等)ごとに、複数存在することが望ましい。地方公共団体や学校法人等にとっては、資金調達手段を多様化することができるというメリットがある。また、証券会社等にとっても、社会的責任を果たすことができる。
<変形例6>
前述の説明では、寄付の仕組みの付属機能について言及していない。変形例6では、銀行受付サーバ4aの制御部11は、例えば、寄付を行っている顧客の端末2に対して、各SNS(Social Network Service)において利用可能な壁紙やアイコン等を提供する。例えば、壁紙やアイコンには、「私は○○県を応援しています。」、「私は○○大学を応援しています。」等のように、寄付先が明示されているものであっても良い。また、銀行受付サーバ4aの制御部11は、例えば、寄付を呼びかけやすい投稿補助機能を有するプログラム等を提供しても良い。
前述の説明では、寄付の仕組みの付属機能について言及していない。変形例6では、銀行受付サーバ4aの制御部11は、例えば、寄付を行っている顧客の端末2に対して、各SNS(Social Network Service)において利用可能な壁紙やアイコン等を提供する。例えば、壁紙やアイコンには、「私は○○県を応援しています。」、「私は○○大学を応援しています。」等のように、寄付先が明示されているものであっても良い。また、銀行受付サーバ4aの制御部11は、例えば、寄付を呼びかけやすい投稿補助機能を有するプログラム等を提供しても良い。
<変形例7>
前述の説明では、贈与の仕組みの付属機能について言及していない。贈与先の銀行口座番号は、基本的に、有価証券取引システム1の銀行サーバ4が管理する銀行の口座番号とする。これによって、顧客の子供や孫等の口座も開設されることになり、ファミリー化を推進することができる。
前述の説明では、贈与の仕組みの付属機能について言及していない。贈与先の銀行口座番号は、基本的に、有価証券取引システム1の銀行サーバ4が管理する銀行の口座番号とする。これによって、顧客の子供や孫等の口座も開設されることになり、ファミリー化を推進することができる。
顧客は、贈与先を複数選択しても良いし、1つも選択しなくても良い。また、顧客は、贈与先ごとに贈与割合を設定することができる。また、顧客は、贈与先ごとに、年間贈与額の上限を設定することができる。また、顧客は、贈与に関する設定内容を変更することができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る有価証券取引システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………有価証券取引システム
2………端末
3(3a、3b、3c、3d、3e)………証券サーバ(証券受付サーバ、証券事務サーバ、取引指示サーバ、証券分析サーバ、取引執行サーバ)
4(4a、4b)………銀行サーバ(銀行受付サーバ、銀行事務サーバ)
9a、9b………ネットワーク
20………設定情報テーブル
30………証券口座情報テーブル
40………銀行口座情報テーブル
50………口座紐付情報テーブル
60………注文情報テーブル
70………贈与寄付情報テーブル
80………約定情報テーブル
90………保有情報テーブル
2………端末
3(3a、3b、3c、3d、3e)………証券サーバ(証券受付サーバ、証券事務サーバ、取引指示サーバ、証券分析サーバ、取引執行サーバ)
4(4a、4b)………銀行サーバ(銀行受付サーバ、銀行事務サーバ)
9a、9b………ネットワーク
20………設定情報テーブル
30………証券口座情報テーブル
40………銀行口座情報テーブル
50………口座紐付情報テーブル
60………注文情報テーブル
70………贈与寄付情報テーブル
80………約定情報テーブル
90………保有情報テーブル
Claims (15)
- 有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される有価証券取引システムであって、
前記証券サーバは、
前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、
有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、
有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の課金処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とする手数料課金手段と、
を具備する
ことを特徴とする有価証券取引システム。 - 前記証券売買受付手段は、更に、前記端末から、有価証券の反対売買閾値を受け付け、
前記執行指示手段は、前記顧客が保有している有価証券の価格が、前記反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する
ことを特徴とする請求項1に記載の有価証券取引システム。 - 前記証券売買受付手段は、前記反対売買閾値の設定可能範囲を予め記憶し、前記反対売買閾値の入力制限を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の有価証券取引システム。 - 前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに、前記証券サーバと接続される銀行サーバが、
前記端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与及び/又は寄付に関する贈与先及び/又は寄付先の指定を受け付けるとともに、売買益から前記売買手数料を除いた金額に対する贈与割合及び/又は寄付割合の指定を受け付ける銀行受付手段、
を具備し、
前記証券サーバは、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、前記贈与割合及び/又は前記寄付割合に応じた贈与額及び/又は寄付額を、前記顧客の証券口座から、前記銀行サーバが管理する前記顧客の銀行口座に送金する第1送金手段、を更に具備し、
前記銀行サーバは、前記贈与額及び/又は前記寄付額を、前記顧客の銀行口座から、前記贈与先の銀行口座及び/又は前記寄付先の銀行口座に送金する第2送金手段、を更に具備する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有価証券取引システム。 - 前記執行指示手段は、前記顧客が保有している有価証券の銘柄単位の時価が、前記反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する
ことを特徴とする請求項2に記載の有価証券取引システム。 - 前記証券サーバは、有価証券の銘柄、及び前記執行指示手段によって有価証券の反対売買の執行が指示される価格を主キーとする反対売買価格リストを作成する作成手段、を更に具備し、
前記執行指示手段は、前記反対売買価格リストに基づき、有価証券の反対売買の一括執行を指示する
ことを特徴とする請求項2又は請求項5に記載の有価証券取引システム。 - 前記証券サーバは、有価証券に関する過去の一定期間におけるボラティリティ値を算出する算出手段、を更に具備し、
前記証券売買受付手段は、前記ボラティリティ値と、予め設定される固定値との小さい方の値を、前記反対売買閾値の設定可能範囲の上限値とする
ことを特徴とする請求項3に記載の有価証券取引システム。 - 前記銀行サーバは、前記顧客ごとに、前記寄付先、前記寄付額、及び前記第2送金手段による送金日の一覧を出力する出力手段、を更に具備する
ことを特徴とする請求項4に記載の有価証券取引システム。 - 前記証券サーバは、前記執行指示手段によって指示される売買の執行を、取引所取引、自己取引、及び私設取引所取引のいずれにおいて行うかを判定する判定手段、を更に具備する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の有価証券取引システム。 - 有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される有価証券取引システムにおける有価証券取引方法であって、
前記端末が、有価証券の売買に関する注文を、前記証券サーバに送信するステップと、
前記証券サーバが、前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受信するステップと、
前記証券サーバが、有価証券の売買の執行を指示するステップと、
前記証券サーバが、有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の決済処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とするステップと、
を含む
ことを特徴とする有価証券取引方法。 - 有価証券の売買を行う顧客が利用する端末とネットワークを介して接続される証券サーバであって、
前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、
有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、
有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の決済処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とする手数料課金手段と、
を具備する
ことを特徴とする証券サーバ。 - コンピュータを、
ネットワークを介して接続され、有価証券の売買を行う顧客が利用する端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、
有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、
有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、売買益に応じて、反対売買に対する売買手数料を算出し、算出される前記売買手数料の決済処理を行い、有価証券の反対売買時に売却益がない場合には、前記売買手数料を無料とする手数料課金手段と、
して機能させるためのプログラム。 - 有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、によって構成される有価証券取引システムであって、
前記証券サーバは、
前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、
有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、
を具備し、
前記証券売買受付手段は、更に、前記端末から、有価証券の反対売買閾値を受け付け、
前記執行指示手段は、前記顧客が保有している有価証券の価格が、前記反対売買閾値によって定まる閾値価格の範囲を超える場合には、有価証券の反対売買の執行を指示する
ことを特徴とする有価証券取引システム。 - 有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに、前記証券サーバと接続される銀行サーバとによって構成される有価証券取引システムであって、
前記証券サーバは、
前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、
有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、
を具備し、
前記銀行サーバは、
前記端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される贈与に関する贈与先の指定を受け付けるとともに、売買益から前記売買手数料を除いた金額に対する贈与割合の指定を受け付ける銀行受付手段、
を具備し、
前記証券サーバは、
有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、前記贈与割合に応じた贈与額を、前記顧客の証券口座から、前記銀行サーバが管理する前記顧客の銀行口座に送金する第1送金手段、
を更に具備し、
前記銀行サーバは、
前記贈与額を、前記顧客の銀行口座から、前記贈与先の銀行口座に送金する第2送金手段、
を更に具備する
ことを特徴とする有価証券取引システム。 - 有価証券の売買を行う顧客が利用する端末と、前記端末とネットワークを介して接続される証券サーバと、前記端末と前記ネットワークを介して接続されるとともに、前記証券サーバと接続される銀行サーバとによって構成される有価証券取引システムであって、
前記証券サーバは、
前記端末から、有価証券の売買に関する注文を受け付ける証券売買受付手段と、
有価証券の売買の執行を指示する執行指示手段と、
を具備し、
前記銀行サーバは、
前記端末から、有価証券の反対売買時に売買益がある場合に実行される寄付に関する寄付先の指定を受け付けるとともに、売買益から前記売買手数料を除いた金額に対する寄付割合の指定を受け付ける銀行受付手段、
を具備し、
前記証券サーバは、
有価証券の反対売買時に売買益がある場合には、前記寄付割合に応じた寄付額を、前記顧客の証券口座から、前記銀行サーバが管理する前記顧客の銀行口座に送金する第1送金手段、
を更に具備し、
前記銀行サーバは、
前記寄付額を、前記顧客の銀行口座から、前記寄付先の銀行口座に送金する第2送金手段、
を更に具備する
ことを特徴とする有価証券取引システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012209796A JP2014067078A (ja) | 2012-09-24 | 2012-09-24 | 有価証券取引システム、有価証券取引方法、証券サーバ及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012209796A JP2014067078A (ja) | 2012-09-24 | 2012-09-24 | 有価証券取引システム、有価証券取引方法、証券サーバ及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014067078A true JP2014067078A (ja) | 2014-04-17 |
Family
ID=50743449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012209796A Pending JP2014067078A (ja) | 2012-09-24 | 2012-09-24 | 有価証券取引システム、有価証券取引方法、証券サーバ及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014067078A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017047589A1 (ja) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | 明人 川上 | 電子商取引仲介装置、電子商取引仲介方法、及びプログラム |
JP7545866B2 (ja) | 2020-10-28 | 2024-09-05 | 株式会社Nttドコモ | 情報処理装置 |
-
2012
- 2012-09-24 JP JP2012209796A patent/JP2014067078A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017047589A1 (ja) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | 明人 川上 | 電子商取引仲介装置、電子商取引仲介方法、及びプログラム |
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