JP2009139346A - 放射線検出センサおよび放射線検出センサユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路基板2の検出素子設置面の配線部21とワイヤ配線部3との接続位置と、回路基板2の信号処理部設置面の配線部21と信号処理部4との接続位置と、が回路基板2の表裏でそれぞれが略一致することで信号経路を短縮した放射線検出センサ100とした。また、このような放射線検出センサ100を搭載した放射線検出センサユニットとした。
【選択図】図5
Description
半導体型放射線検出装置は、シリコン(Si)などの半導体に放射線を入射させ、放射線の電離作用によって発生した電荷を電荷増幅型アンプによって増幅した信号を用いて放射線を検出する装置である。半導体型放射線検出装置は、比較的小型のポケット線量計等の放射線検出装置として用いられる。この理由としては、素子を形成するウエハサイズなどの制約、素子大面積化により静電容量が増大して電気特性が悪化する、等の原因から大面積化には適しないからである。換言すれば、大型物品の汚染検出を可能とする半導体型放射線検出装置は存在しなかった。
光シンチレータ301は、入射した放射線の消費エネルギーに応じた光に変換し、この光を出射する。この光は図11のガイド309により誘導されつつ光電子倍増管302へ入射する。
光電子倍増管302はこの光を電気的なパルス信号に変換して出力する。光電子倍増管302には高電圧印加用の高電圧電源303から電源供給されており、信号処理に充分高電圧なパルス信号とする。
比較器305は、パルス信号に含まれるノイズ成分を除去して信号成分のみ取り出す機能を有するものであり、基準電位発生器306から入力される基準電圧とパルス信号とを比較し、基準電圧未満のパルス信号をノイズ成分として除去し、基準電圧以上のパルス信号を通過させて整形パルス信号を生成する。
演算処理部308は、入力されたカウントデータに基づいて演算処理を行い、線量率や線量当量率などを算出し、図示しないディスプレイに表示させる。
従来技術のシンチレータ型放射線検出装置300はこのようなものである。
さらに、入射放射線の個々の電気的パルス信号に対してその波高に応じた重み付けを行って線量率や線量当量率等の工学値を求める測定機器等が実用されている。
さらにまた、放射線検出装置に係る他の従来技術として、例えば、特許文献2(特開平7−306270号公報;発明の名称「放射線検出器および放射線検出方法」)がある。この放射線測定装置でも、特許文献1の図24で示すように、シンチレータに対して複数の光電子増倍管を採用して大型の測定装置とするものである。
さらに、このような放射線検出センサを複数用いてさらなる大型の検出対象に適用可能な半導体型の放射線検出センサユニットを提供することにある。
検出素子設置面と信号処理部設置面という表裏2層にまたがる配線部が形成される回路基板と、
回路基板の検出素子設置面の配線部に電気的に接続されるようにm×n(m,nはそれぞれ2以上の自然数)のマトリクス状に並べて配置されるm×n個の放射線検出素子と、
回路基板の検出素子設置面の配線部とm×n個の放射線検出素子とが電気的に接続されるm×n個のワイヤ配線部と、
回路基板の信号処理部設置面の配線部と電気的に接続されるm×n個の信号処理部と、
を備え、
回路基板の検出素子設置面の配線部とワイヤ配線部とのm×n個の接続位置と、回路基板の信号処理部設置面の配線部と信号処理部とのm×n個の接続位置と、は回路基板の表裏でそれぞれが略一致することを特徴とする。
請求項1に記載された放射線検出センサにおいて、
前記放射線検出素子は、
P型半導体とN型半導体とを接合した検出部と、
検出部のP型半導体の側に形成される回路基板側電極と、
検出部のN型半導体の側に形成される検出面側電極と、
を備え、
検出面側電極は外側に面してワイヤ配線部と電気的に接続され、また、回路基板側電極は検出素子設置面の配線部と電気的に接続されることを特徴とする。
請求項2に記載された放射線検出センサにおいて、
前記検出部は、P型半導体として結晶シリコン層と、N型半導体としてアモルファスシリコン層と、を備えることを特徴とする。
請求項2または請求項3に記載された放射線検出センサにおいて、
前記検出部は、N型半導体の周囲を囲むようにガードリング層を備えることを特徴とする。
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記放射線検出素子は、その検出面側電極の面積が20mm□〜30mm□であることを特徴とする。
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記信号処理部は、放射線検出素子から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力するプリアンプ回路であることを特徴とする。
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記信号処理部は、
放射線検出素子から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力するプリアンプ回路と、
プリアンプ回路からの整形パルス信号を増幅してパルス電圧信号を出力するリニアアンプ回路と、
を備えることを特徴とする。
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記信号処理部は、
放射線検出素子から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力するプリアンプ回路と、
プリアンプ回路からの整形パルス信号を増幅してパルス電圧信号を出力するリニアアンプ回路と、
リニアアンプ回路からのパルス電圧信号のうち所定の電圧以上のパルス電圧信号を選択して出力する比較回路と、
比較回路で選択されたパルス電圧信号をカウントしてパルスカウントデータを出力するカウンタ回路と、
を備えることを特徴とする。
請求項8に記載された放射線検出センサにおいて、
m×n個の信号処理部とそれぞれ接続され、信号処理部からのパルスカウントデータに基づいて被ばく量を演算して被ばく量データを生成するMPUを備えることを特徴とする。
ベース回路基板と、
ベース回路基板の一方の面に複数個がマトリクス状に並べて配置される請求項1〜請求項7の何れか一項に記載された放射線検出センサと、
を備え、
i×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)個がマトリクス状に並べて配置される検出面側電極は、隣接する二個の検出面側電極の辺の間隔が略一致するように放射線検出センサが位置決めされつつ配置されることを特徴とする。
ベース回路基板と、
ベース回路基板の一方の面に複数個がマトリクス状に並べて配置される請求項8に記載された放射線検出センサと、
を備え、
i×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)個がマトリクス状に並べて配置される検出面側電極は、隣接する二個の検出面側電極の辺の間隔が略一致するように放射線検出センサが位置決めされつつ配置されることを特徴とする。
請求項11に記載の放射線検出センサユニットにおいて、
m×;n個の信号処理部と接続され、それぞれの信号処理部からのパルスカウントデータに基づいて全体の被ばく量を演算して全体被ばく量データを生成するMPUを備えることを特徴とする。
ベース回路基板と、
ベース回路基板の一方の面に複数個がマトリクス状に並べて配置される請求項9に記載された放射線検出センサと、
を備え、
i×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)個がマトリクス状に並べて配置される検出面側電極は、隣接する二個の検出面側電極の辺の間隔が略一致するように放射線検出センサが位置決めされつつ配置されることを特徴とする。
請求項13に記載の放射線検出センサユニットにおいて、
放射線検出センサと同数個のMPUと接続され、それぞれのMPUからの被ばく量データに基づいて全体的な被ばく量を演算して全体被ばく量データを生成する中央処理装置を備えることを特徴とする。
さらに、このような放射線検出センサを複数用いてさらなる大型の検出対象に適用可能な半導体型の放射線検出センサユニットを提供することができる。
放射線検出センサ100は、図1,図2に示すように、4個の放射線検出素子1、1枚の回路基板2、4個のワイヤ配線部3、4個の信号処理部4、1個のMPU5を備えている。4個の放射線検出素子1が1枚の回路基板2の一方の面に配置され、また、4個の信号処理部4と1個のMPU5が1枚の回路基板2の他方の面に配置される。それぞれ一個づつの放射線検出素子1、ワイヤ配線部3、信号処理部4の一組が電気的に接続されており、放射線検出素子1からの検出信号を用いて信号処理部4が信号処理を行う。そして、MPU5が演算処理を行う。
放射線検出素子1は、図3で示すように、平板状の形状を有している。放射線検出素子1の断面構造は、図4で示すように、大別して、検出部11、回路基板側電極12、検出面側電極13を備えている。
P層111は、P型半導体である。
N層112は、N型半導体である。
ここで上から見ると、N層112は、P層111をなすP型半導体により周りを□状に囲まれている。
P層111とN層112との形成方法であるが、例えば、P型半導体である結晶シリコン基板上に、酸化被膜によりN層112を形成する箇所が開放されたパターンを形成し、P(リン)を蒸着して、電気炉等にて熱拡散処理を施すPN接合を行ってP型半導体の上に数十um程度のN型半導体を形成し、酸化被膜を除去して完成する。P層111はこのP型半導体(P型シリコン)であり、N層112はこのN型半導体(N型シリコン)である。
N−層114は、不純物濃度が低く(つまり電気抵抗値が高い)N型半導体である。N−層114は、オーミックをとるためのものである。
検出面側電極13は、N型半導体の側に形成されるものであり、具体的にはこの検出部11のN層112に接するように形成される。
放射線検出素子1は、このようなものである。
このような回路基板2の検出素子設置面の配線部21に電気的に接続されるように縦2個×横2個のマトリクス状に並べて計4個の放射線検出素子1が配置される。
4個の信号処理部4の接続部4aは、回路基板2の信号処理部設置面の配線部21と電気的に接続される。1個の信号処理部4は、コンデンサ41、増幅回路42、基準電圧回路43、比較回路44、カウンタ回路45をそれぞれ1個づつ備える。なお、信号処理部4の信号処理については後述する。
m×n個のワイヤ配線部3は、回路基板2の検出素子設置面の配線部21とm×n個の放射線検出素子1とを電気的に接続する。
m×n個の信号処理部4は、回路基板2の信号処理部設置面の配線部21とを電気的に接続する。
そして、回路基板2の検出素子設置面の配線部21とワイヤ配線部3とのm×n個の接続位置と、回路基板2の信号処理部設置面の配線部21と信号処理部4とのm×n個の接続位置と、を図5で示すように回路基板2の表裏において、上から見て略一致させており、全ての放射線検出素子1から信号処理部4までのm×n個の経路を極力短くするというものである。
図6で示すように、電源電圧50により放射線検出素子1に電圧を印加する。回路基板側電極12には、下側の配線部21により接地されて0Vが、また、検出面側電極13には、ワイヤ配線部3からプラス電圧が、それぞれ印加される(以下、逆バイアスをかけるという)。
このような、空乏層領域に放射線が入射すると、空乏層内で共有結合されている電子が弾き飛ばされ、電子と正孔のペア(電子正孔対)ができる。電子はプラス電界が形成されている検出面側電極13側へ、正孔はマイナス電界が印加されている回路基板側電極12に移動する。この電子と正孔との流れが電流となる。発生した電子(以下、パルス状の電流信号)は、ワイヤ配線部3から出力されることとなる。
放射線検出センサ100は、これらノイズ低減の効果が相乗的に相俟って、低いエネルギー領域の信号まで正しく検出することができるセンサとしている。
プリアンプ回路は、放射線検出素子1およびコンデンサ41から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力する。
リニアアンプ回路は、プリアンプ回路からの整形パルス信号を増幅してパルス電圧信号を出力する。パルス電圧信号は比較回路44へ出力される。
カウンタ回路45は、比較回路44で選択され、被ばく量に比例したパルス電圧信号をカウントしてパルスカウントデータを出力する。
信号処理部4はこのようなパルスカウントデータをMPU5へ出力する。
例えば、先の形態の放射線検出センサ100からMPU5を除去した構成とし、4個の信号処理部4は遠隔地にあるMPU5と接続されて上記のような被ばく量データを得るようにしても良い。
そしてマトリクス状に並べて配置される検出面側電極13は、隣接する二個の検出面側電極13の辺の間に間隔が略一致するようにすれば、放射線検出センサユニット200の全面で場所による偏りが生じることなく検出できるように、放射線検出センサ100が位置決めされる。このように構成することで、大面積の放射線検出領域を有する放射線検出センサユニット200とすることができる。
また、従来技術のようにシンチレータからの光を有効に集めて光電子倍増管に入力するための複雑な光学系構造体が不要であり、シンプルな構成、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
さらにまた、必要な個数の放射線検出センサをマトリクス状に並べることによって、任意広さの大面積な放射線検出センサユニットを実現することが可能である。
1:放射線検出素子
11:検出部
111:P層
112:N層
113:N+層
114:N−層
12:回路基板側電極
13:検出面側電極
2:回路基板
21:配線部
3:ワイヤ配線部
4:信号処理部
4a:接続部
41:コンデンサ
42:増幅回路
43:基準電圧回路
44:比較回路
45:カウンタ回路
5:MPU
6:中央処理部
50:電源電圧
200:放射線検出センサユニット
Claims (14)
- 検出素子設置面と信号処理部設置面という表裏2層にまたがる配線部が形成される回路基板と、
回路基板の検出素子設置面の配線部に電気的に接続されるようにm×n(m,nはそれぞれ2以上の自然数)のマトリクス状に並べて配置されるm×n個の放射線検出素子と、
回路基板の検出素子設置面の配線部とm×n個の放射線検出素子とが電気的に接続されるm×n個のワイヤ配線部と、
回路基板の信号処理部設置面の配線部と電気的に接続されるm×n個の信号処理部と、
を備え、
回路基板の検出素子設置面の配線部とワイヤ配線部とのm×n個の接続位置と、回路基板の信号処理部設置面の配線部と信号処理部とのm×n個の接続位置と、は回路基板の表裏でそれぞれが略一致することを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項1に記載された放射線検出センサにおいて、
前記放射線検出素子は、
P型半導体とN型半導体とを接合した検出部と、
検出部のP型半導体の側に形成される回路基板側電極と、
検出部のN型半導体の側に形成される検出面側電極と、
を備え、
検出面側電極は外側に面してワイヤ配線部と電気的に接続され、また、回路基板側電極は検出素子設置面の配線部と電気的に接続されることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項2に記載された放射線検出センサにおいて、
前記検出部は、P型半導体として結晶シリコン層と、N型半導体としてアモルファスシリコン層と、を備えることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項2または請求項3に記載された放射線検出センサにおいて、
前記検出部は、N型半導体の周囲を囲むようにガードリング層を備えることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記放射線検出素子は、その検出面側電極の面積が20mm□〜30mm□であることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記信号処理部は、放射線検出素子から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力するプリアンプ回路であることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記信号処理部は、
放射線検出素子から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力するプリアンプ回路と、
プリアンプ回路からの整形パルス信号を増幅してパルス電圧信号を出力するリニアアンプ回路と、
を備えることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載された放射線検出センサにおいて、
前記信号処理部は、
放射線検出素子から出力されたパルス状の電流信号を整形して整形パルス信号を出力するプリアンプ回路と、
プリアンプ回路からの整形パルス信号を増幅してパルス電圧信号を出力するリニアアンプ回路と、
リニアアンプ回路からのパルス電圧信号のうち所定の電圧以上のパルス電圧信号を選択して出力する比較回路と、
比較回路で選択されたパルス電圧信号をカウントしてパルスカウントデータを出力するカウンタ回路と、
を備えることを特徴とする放射線検出センサ。 - 請求項8に記載された放射線検出センサにおいて、
m×n個の信号処理部とそれぞれ接続され、信号処理部からのパルスカウントデータに基づいて被ばく量を演算して被ばく量データを生成するMPUを備えることを特徴とする放射線検出センサ。 - ベース回路基板と、
ベース回路基板の一方の面に複数個がマトリクス状に並べて配置される請求項1〜請求項7の何れか一項に記載された放射線検出センサと、
を備え、
i×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)個がマトリクス状に並べて配置される検出面側電極は、隣接する二個の検出面側電極の辺の間隔が略一致するように放射線検出センサが位置決めされつつ配置されることを特徴とする放射線検出センサユニット。 - ベース回路基板と、
ベース回路基板の一方の面に複数個がマトリクス状に並べて配置される請求項8に記載された放射線検出センサと、
を備え、
i×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)個がマトリクス状に並べて配置される検出面側電極は、隣接する二個の検出面側電極の辺の間隔が略一致するように放射線検出センサが位置決めされつつ配置されることを特徴とする放射線検出センサユニット。 - 請求項11に記載の放射線検出センサユニットにおいて、
m×n個の信号処理部と接続され、それぞれの信号処理部からのパルスカウントデータに基づいて全体の被ばく量を演算して全体被ばく量データを生成するMPUを備えることを特徴とする放射線検出センサユニット。 - ベース回路基板と、
ベース回路基板の一方の面に複数個がマトリクス状に並べて配置される請求項9に記載された放射線検出センサと、
を備え、
i×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)個がマトリクス状に並べて配置される検出面側電極は、隣接する二個の検出面側電極の辺の間隔が略一致するように放射線検出センサが位置決めされつつ配置されることを特徴とする放射線検出センサユニット。 - 請求項13に記載の放射線検出センサユニットにおいて、
放射線検出センサと同数個のMPUと接続され、それぞれのMPUからの被ばく量データに基づいて全体的な被ばく量を演算して全体被ばく量データを生成する中央処理装置を備えることを特徴とする放射線検出センサユニット。
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