JP2009138721A - 車両駆動制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両駆動制御システムにおいて、車両が走行する際に、振動抑制と燃費向上とを両立させることを可能とすることである。
【解決手段】車両駆動制御システム10は、エンジン40と回転電機50とが搭載される車体12と、車体12に対しサスペンション14,15を介して支持される車軸30と、車軸30の両側に配置され路面8に接触するタイヤ20,21と、制御部100とを含んで構成される。制御部100は、タイヤに掛るトルクの変動を算出して路面状態を推定する路面状態推定モジュール102と、推定された路面状態に基いて制振動制御を優先するか低燃費制御を優先するかの選択を行う制振・低燃費選択モジュール104と、推定された路面状態に応じてアクティブサスペンション制御を行うサスペンション制御モジュール106とを含んで構成される。
【選択図】図1
【解決手段】車両駆動制御システム10は、エンジン40と回転電機50とが搭載される車体12と、車体12に対しサスペンション14,15を介して支持される車軸30と、車軸30の両側に配置され路面8に接触するタイヤ20,21と、制御部100とを含んで構成される。制御部100は、タイヤに掛るトルクの変動を算出して路面状態を推定する路面状態推定モジュール102と、推定された路面状態に基いて制振動制御を優先するか低燃費制御を優先するかの選択を行う制振・低燃費選択モジュール104と、推定された路面状態に応じてアクティブサスペンション制御を行うサスペンション制御モジュール106とを含んで構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は車両駆動装置に係り、特に駆動源としてエンジンを含む車両の駆動制御を行う車両駆動制御システムに関する。
エンジン等の駆動源によってタイヤを駆動するとき、タイヤは路面から反力を受けるので、駆動源のトルクの変動を生じさせ、エンジン等の駆動源自体のトルク変動に対しノイズとなる。エンジン等の駆動源のトルク変動は、振動抑制、エンジンの失火判断等に用いられるので、路面状態によるトルク変動を正しく評価することが望まれる。
例えば、特許文献1には、モータやエンジン等の駆動源のトルク変動に伴いドライブシャフトのねじれ等に起因して発生する駆動系の振動を抑制する駆動力制御装置として、固定ゲインによるフィードバック制御ではなく、変速比の変化等の制御対象の変化に対応する方法が開示されている。ここでは、モータ回転角速度、ドライブシャフトである駆動軸の回転角速度、実変速比等を用いて、モータからドライブシャフトまでの制御対象モデルについての運動方程式を立てて、ドライブシャフトのトルク、路面反力トルク等を求めることが述べられている。
また、特許文献2には、電気自動車の駆動装置として、電動機回転数センサと駆動輪回転数センサとを用い、車両の等価慣性モーメントとタイヤの慣性モーメントの和、駆動系シャフトとタイヤの粘性係数を合成した値、駆動系シャフトとタイヤのバネ定数を合成した値から、駆動系シャフトとタイヤの剛性を考慮したねじり振動についてのモデルの状態方程式を立てることが開示されている。
従来技術によれば、適当な運動方程式を立てることで、タイヤが路面から受けるトルクを求めることができる。これによって、例えば、タイヤが路面から受けるトルクのノイズの影響を少なくしながら振動抑制制御を行うことができる。
振動抑制を行うには、例えば、燃料噴射量、空気量、点火時期、排気ガスの吸気ガスへの帰還比であるEGR等のエンジン制御パラメータを変更してトルクを増減させることが行われる。一般的に、振動抑制のためにエンジン制御パラメータを変更すると、燃費が悪くなる傾向にある。すなわち、振動抑制と燃費向上とは相反することが多い。このように、タイヤが路面から受けるトルクの見積りは、振動抑制に役立てられているが、燃費改善のためには用いられていない。
本発明の目的は、車両が走行する際に、振動抑制と燃費向上とを両立させることを可能とする車両駆動制御システムを提供することである。
本発明は、車両が走行する路面状態がある程度悪いと、ユーザはそのことによって生じる車両の振動は路面によるものであって、エンジン等の駆動源の振動によるものではないと考えるだろうという事実に基いている。すなわち、路面状態がある程度悪いと判断されるときは、エンジン等の駆動源の振動抑制制御よりも、低燃費制御を優先しても、ユーザは違和感を覚えない。一方で、路面状態が良好であると、車両の振動はエンジン等の駆動源の振動であるとユーザは考えるので低燃費制御よりも駆動源の振動抑制制御を優先することが好ましい。
そこで、本発明に係る車両駆動制御システムは、少なくともエンジンを含む駆動源と、駆動源における回転軸であるインプットシャフトに接続されタイヤを駆動する車軸と、駆動源から車軸に至る構成要素の作動状態量を検出し、予め設定された標準状態量と比較して、車両が走行する路面状態を推定する路面状態推定手段と、推定された路面状態に基いて、エンジンについて振動抑制制御または低燃費制御のいずれかを優先して実行することを選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、インプットシャフトの回転角度であるインプットシャフト回転角度を検出する手段と、車軸の回転速度である車軸回転速度を検出する車軸速度センサと、を備え、路面状態推定手段は、インプットシャフト回転角度と車軸回転速度とに基いて、タイヤと車軸とインプットシャフトとを含む系に関する運動方程式を用いてタイヤに掛るトルクを求める手段を有し、求められたタイヤに掛るトルクと、予め設定された標準的トルクとに基いて、路面状態を推定することが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、インプットシャフトの回転角度であるインプットシャフト回転角度を検出する手段を備え、路面状態推定手段は、インプットシャフト回転角度に基いて、車軸の回転変動量を求める手段を有し、求められた車軸の回転変動量と、予め設定された標準的車軸回転変動量とに基いて、路面状態を推定することが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、駆動源として回転電機を含み、インプットシャフト回転角度検出手段は、回転電機の回転角度に基いてインプットシャフトの回転角度を検出することが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、駆動源として回転電機を含み、回転電機は車軸駆動用電動機と発電用電動機とを含み、さらに、インプットシャフトと車軸駆動用電動機と発電用電動機との間に設けられたプラネタリギヤ機構と、プラネタリギヤ比と車軸用電動機の回転角度と発電用電動機の回転角度とに基いてインプットシャフトの回転角度を求める手段と、を備え、路面状態推定手段は、求められたインプットシャフトの回転角度からインプットシャフトの回転変動量を求める手段を有し、求められたインプットシャフトの回転変動量と、予め設定された標準的インプットシャフト回転変動量とに基いて、路面状態を推定することが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、エンジンのクランクシャフトとインプットシャフトとの間に設けられるダンパ機構と、インプットシャフトの回転角度であるインプットシャフト回転角度を検出する手段と、クランクシャフトの回転角度であるクランク角度を検出する手段と、を備え、路面状態推定手段は、インプットシャフト回転角度とクランク角度とに基いて、ダンパ機構の捩れ角度を求める手段を有し、求められたダンパ機構の捩れ角度と、予め設定された標準的ダンパ捩れ角度とに基いて、路面状態を推定することが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、駆動源として回転電機を含み、回転電機は車軸駆動用電動機と発電用電動機とを含み、さらに、インプットシャフトと車軸駆動用電動機と発電用電動機との間に設けられたプラネタリギヤ機構と、プラネタリギヤ比と車軸用電動機の回転角度と発電用電動機の回転角度とに基いてインプットシャフトの回転角度を求める手段と、を備え、路面状態推定手段は、求められたインプットシャフトの回転角度とクランク角度とに基いて、ダンパ機構の捩れ角度を求めることが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、車両の速度または駆動源の駆動力を検索キーとして、駆動源から車軸に至る構成要素の標準状態量を格納する記憶装置を備えることが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、路面状態推定手段は、検出された構成要素の作動状態量について特定の周波数成分を抽出するフィルタ手段を含み、フィルタ手段を経た作動状態量に基いて、路面状態を推定することが好ましい。
また、本発明に係る車両駆動制御システムにおいて、選択手段は、エンジン制御パラメータを変更することで、振動抑制制御または低燃費制御のいずれかを優先して実行することが好ましい。
上記構成により、車両駆動制御システムは、駆動源から車軸に至る構成要素の作動状態量を検出し、予め設定された標準状態量と比較して、車両が走行する路面状態を推定する。そして、推定された路面状態に基いて、エンジンについて振動抑制制御または低燃費制御のいずれかを優先して実行することを選択する。例えば、車両が走行する路面状態がある程度悪いときに低燃費制御を優先させ、路面状態が良好であるときに駆動源の振動抑制制御を優先することができる。このようにして、振動抑制と燃費向上とを両立させることができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、インプットシャフト回転角度と車軸回転速度とに基いて、タイヤと車軸とインプットシャフトとを含む系に関する運動方程式を用いてタイヤに掛るトルクを求め、求められたタイヤに掛るトルクと、予め設定された標準的トルクとに基いて、路面状態を推定する。例えば、求められたトルクが標準的トルクよりも大きいときに、路面状態が標準的なものより悪いと判断することができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、インプットシャフト回転角度に基いて、車軸の回転変動量を求め、求められた車軸の回転変動量と、予め設定された標準的車軸回転変動量とに基いて、路面状態を推定する。例えば、車軸回転変動量が標準的な車軸回転変動量よりも大きいときに、路面状態が標準的なものより悪いと判断することができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、駆動源に回転電機を含むときは、回転電機の回転角度に基いてインプットシャフトの回転角度を検出する。したがって、インプットシャフトの回転角度検出のための特別なセンサ等を必要としない。
また、車両駆動制御システムにおいて、駆動源に回転電機を含み、回転電機は車軸駆動用電動機と発電用電動機とを含むときは、プラネタリギヤ機構のプラネタリギヤ比と、車軸用電動機の回転角度と、発電用電動機の回転角度とに基いてインプットシャフトの回転角度を求め、求められたインプットシャフトの回転角度からインプットシャフトの回転変動量を求め、求められたインプットシャフトの回転変動量と、予め設定された標準的インプットシャフト回転変動量とに基いて、路面状態を推定する。例えば、インプットシャフトの回転変動量が標準的なものよりも大きいときに、路面状態が標準的なものより悪いと判断することができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、インプットシャフト回転角度とクランク角度とに基いて、ダンパ機構の捩れ角度を求め、求められたダンパ機構の捩れ角度と、予め設定された標準的ダンパ捩れ角度とに基いて、路面状態を推定する。例えば、ダンパ機構の捩れ角度が標準的捩れ角度よりも大きいときに、路面状態が標準的なものより悪いと判断することができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、駆動源に回転電機を含み、回転電機は車軸駆動用電動機と発電用電動機とを含むときは、プラネタリギヤ機構のプラネタリギヤ比と、車軸用電動機の回転角度と、発電用電動機の回転角度とに基いてインプットシャフトの回転角度を求め、求められたインプットシャフトの回転角度とクランク角度とに基いて、ダンパ機構の捩れ角度を求める。すなわち、2つの回転電機の回転角度と、クランク角度とから、ダンパ機構のねじれ角度を容易に求めることができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、車両の速度または駆動源の駆動力を検索キーとして、駆動源から車軸に至る構成要素の標準状態量を格納する記憶装置を備える。これによって、駆動源から車軸に至る構成要素の標準状態量を車両走行状態に応じて容易に読み出すことができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、検出された構成要素の作動状態量について特定の周波数成分を抽出するフィルタ手段を含み、フィルタ手段を経た作動状態量に基いて、路面状態を推定する。これによって、車両の振動に影響を及ぼす周波数成分のみを用いることができ、路面状態の推定を効果的に行うことができる。
また、車両駆動制御システムにおいて、選択手段は、エンジン制御パラメータを変更することで、振動抑制制御または低燃費制御のいずれかを優先して実行するので、振動抑制と燃費向上とを両立させることができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、車両の駆動源として、エンジンと回転電機とを含むものとして説明するが、エンジンを少なくとも含むものであればよく、例えば、駆動源としてエンジンのみを含む一般的車両を対象とするものであってもよい。エンジンのみを含む一般的車両を対象とするときは、動力分配機構としてのプラネタリ機構を省略でき、また、インプットシャフトの回転角度の検出手段としては、インプットシャフトに設けられている回転センサを用いるものとできる。
また、以下では、回転電機として、車軸駆動用電動機と発電用電動機の2台を備える車両について説明するが、モータの機能と発電機の機能とを有する1台の回転電機のみを備える車両であってもよい。また、以下では、エンジンと、2台の回転電機との間の動力分配をプラネタリギヤで行うものとしたが、これ以外の動力分配方式を用いるものであってもよい。例えば、クラッチ機構を用いて動力分配を行うものであってもよい。また、以下では、インプットシャフトとクランクシャフトとの間にダンパ機構が設けられるものとしたが、ダンパ機構を省略し、代わりに流体継手を用いてもよく、あるいはインプットシャフトとクランクシャフトとを直結するものとしてもよい。また、以下では、駆動系として、1つの駆動軸、2つのタイヤについて述べるが、勿論4輪駆動方式の車両であってもよい。また、エンジンとして4気筒方式を図示するが、勿論これ以外の気筒数であってもよい。
図1は、車両駆動制御システム10の構成を示す図である。車両駆動制御システム10は、エンジン40と回転電機50とが搭載される車体12と、車体12に対しサスペンション14,15を介して支持される車軸30と、車軸30の両側に配置され路面8に接触するタイヤ20,21と、制御部100とを含んで構成される。
エンジン40は、回転電機50とともに車両の駆動源を構成する内燃機関である。エンジン40は、エンジン制御パラメータによってその作動を制御することができる。エンジン制御パラメータとしては、燃料噴射量、空気量、点火時期、排気ガスの吸気ガスへの帰還比であるEGR等があるが、図1では、代表的に、空気量と燃料噴射量の比である空燃比(AFR)42とEGR44とが示されている。上記のように、AFR42、EGR44等のエンジン制御パラメータは、エンジンECU90を介して制御部100によって制御される。エンジン制御パラメータの詳細については後述する。
回転電機50は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(M/G)であって、電力が供給されるときはモータとして機能し、制動時には発電機として機能する三相同期型回転電機である。回転電機50は2台の電動機で構成され、一方は発電用電動機52で、他方は車軸駆動用電動機54である。回転電機50の作動は、M/GECU92を介して制御部100によって制御される。エンジン40と発電用電動機52と車軸駆動用電動機54の間の動力分配については、プラネタリ機構60のところで後述する。
車体12は、車両の骨格を成すもので、例えば、フレームと複数のビーム等で構成され、その上に各種の構成要素が搭載されるものである。図1の例では、エンジン40、回転電機50の他に、エンジン40のエンジン制御パラメータに相当する空燃比制御要素(AFR)42とEGR44、プラネタリ機構60、ダンパ機構70、歯車機構72、インプットシャフト32、クランクシャフト34等が示されている。
このように、車両は、エンジン40と回転電機50を駆動源として、駆動されるタイヤ20,21まで、多くの構成要素を経て動力が伝達される。図2は、駆動源からタイヤまでの構成要素についてその構成を示す図である。以下では、図1と同様の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
ここで、上記のように、車両の駆動源としては、エンジン40と回転電機50が用いられ、回転電機50は、発電用電動機52と車軸駆動用電動機54とに区別される。そして、駆動輪としては、タイヤ20,21が示されている。
エンジン40は、ここでは4気筒がクランクシャフト34に接続される。クランクシャフト34は、ダンパ機構70を介してインプットシャフト32と接続される。換言すれば、エンジン40の動力は、ダンパ機構70を介してインプットシャフト32に伝達される。
ダンパ機構70は、一方側にエンジン40のクランクシャフト34が接続され、他方側にインプットシャフト32が接続され、例えば動力変動の際の衝撃を和らげる機能を有する緩衝装置である。動力変動等に起因するダンパ機構70の捩れは、クランクシャフト34の回転角度とインプットシャフト32の回転角度を比較することで求めることができる。
インプットシャフト32は、駆動源の回転軸であって、プラネタリ機構60に接続される。プラネタリ機構60は、エンジン40と発電用電動機52と車軸駆動用電動機54との間で動力分配を行う機能を有する遊星歯車機構である。図3に、プラネタリ機構60に関する部分を抜き出して示した。以下では、図1と同様の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
プラネタリ機構60は、サンギヤ62とプラネタリギヤ64とリングギヤ68とから構成される。そして、サンギヤ62は発電用電動機(M/G1)52の出力軸に接続され、プラネタリギヤ64はキャリア66を介してインプットシャフト32に接続され、リングギヤ68には車軸駆動用電動機54の出力軸に接続される。
この構成により、プラネタリギヤ比をρとして、エンジンの動力が1:ρの比でM/G1(52)とM/G2(54)とに動力分配される。これによって、発電用電動機52は、エンジン40からプラネタリ機構60によって分配された動力によって発電を行い、発電された電力は図示されていない蓄電装置に充電され、さらに車両用機器と車軸駆動用電動機54に供給される。また、車軸駆動用電動機54の動力は、エンジン40との間でプラネタリ機構60によって動力分配された分を合わせて、リングギヤ68から歯車機構72を介して車軸30に伝達される。
歯車機構72は、適当な減速歯車比を有する歯車列で構成され、リングギヤ68の出力を所定の減速比で減速し、車軸30に設けられる差動歯車に動力を伝達する機能を有する。
車軸30は、ドライブシャフトとも呼ばれる駆動軸であり、その両端にタイヤ20,21が配置される。こうして、駆動源であるエンジン40と回転電機50の動力がプラネタリ機構60によって分配され、歯車機構72を介して車軸30を回転駆動し、駆動輪であるタイヤ20,21が路面に対し回転して、車両を移動駆動させる。
再び図1に戻り、車体12と車軸30との間にはサスペンション14,15が設けられる。サスペンション14,15は、タイヤ20,21が路面8から受ける衝撃を緩和する機能を有する。サスペンション14,15としては、機械的なバネ及び緩衝器で構成することもできるが、例えばアクチュエータによって流体圧を制御し、これによって車体12と車軸30との間で振動等を緩和するアクティブサスペンションとすることができる。図1では、そのようなアクティブサスペンションとしてサスペンション14,15が示されている。アクティブサスペンションであるサスペンション14,15の作動は、サスペンションコントローラ94を介して制御部100によって制御される。
また、車体12には、クランクシャフト34の回転角度を検出するクランク角度センサ80、M/G1の回転角度を検出するM/G1回転角度センサ82、M/G2の回転角度を検出するM/G2回転角度センサ84、車体12の上下移動を検出する上下移動検出センサ88が搭載される。M/G1回転角度センサ82、M/G2回転角度センサ84は、例えばレゾルバ等で構成することができる。これらの各センサの検出データは適当な信号線で、制御部100に伝送される。
車軸30には、その両側に配置されるタイヤ20,21の近傍に車軸の回転速度を検出する車軸速度センサ86,87が設けられる。車軸速度センサ86,87の検出データは適当な信号線で、制御部100に伝送される。
以上で、制御部100の内容を除いて各要素の説明を行ったので、ここで、エンジン制御パラメータについて説明する。図4は、エンジン40について1つの気筒周りの構成を示す図である。以下では、図1と同様の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。エンジン40は、吸気−燃焼−排気のサイクルによって、シリンダ110の内部をピストン112が直線往復運動して動力を発生する内燃機関である。なお、その直線往復運動は、クランクシャフト34に伝達されて回転運動に変換される。
エンジン40のシリンダ110には、吸気管120と排気管122が設けられ、吸気管120の入口側には、供給空気量を調整するスロットル118及びエアフローメータが設けられ、シリンダ110側には燃料を噴射する燃料噴射弁116が設けられる。AFR42は、エンジン制御パラメータである空燃比=供給空気量/燃料噴射量を意味しているが、ここでは具体的に、制御部100の制御の下で空燃比を制御する機能を有する要素を指している。図4の例では、スロットル118を駆動するアクチュエータと、燃料噴射弁116のアクチュエータ部分等がその要素に対応する。
排気管122から吸気管120には、戻り管が設けられ、その途中に排気ガスの戻り量を調整する弁が設けられる。EGR44は、排気ガスの吸気ガスへの帰還比を意味しているが、ここでは具体的に、制御部100の制御の下で、排気ガスの吸気ガスへの帰還比を制御する要素を指している。図4の場合には、戻り管に設けられた弁がその要素で、その弁の開度がEGR44に対応する。
図5は、AFRを変化させたときのエンジンについて燃費と振動の変化の様子を示す模式図である。ここでは、横軸にAFRをとり、縦軸に燃費と振動をとり、AFRをリッチからリーンに変化させたときの燃費の良悪の変化、振動の大小の変化が示されている。ここで示されるように、振動を小さく抑制するときは燃費が悪化し、逆に燃費を小さく抑制するとき、すなわち燃費を良くするときには振動が大きくなる。なお、AFRが燃焼限界を超えて過ぎてリーンとなると、燃費が却って悪化するので、通常はこのような状態になることを避けて制御が行われる。
図6はEGR、すなわち帰還用の弁の開度率を変化させたときのエンジンについて燃費と振動の変化の様子を示す模式図である。ここでは、横軸にEGR率、つまり帰還用の弁の開度率をとってある。この場合も、振動を小さく抑制するときは燃費が悪化し、逆に燃費を小さく抑制して燃費を良くするときは振動が大きくなる。図5、図6に示されるように、エンジン制御パラメータを変化させるとき、燃費向上と振動抑制とは相反する特性を示す。
再び図1に戻り、制御部100は、上記のように、各センサと接続され、また、エンジンECU90、M/GECU92、サスペンションコントローラ94と接続される。また、制御部100は記憶装置96と接続される。
記憶装置96は、プログラム等を記憶する機能を有するほか、ここでは特に、トルク変動閾値に関するマップ98が記憶される。ここでトルク変動閾値とは、タイヤに掛るトルク変動に対し所定の基準に従って許容される閾値であり、具体的には、タイヤに掛るトルク変動に対し、ユーザがこの程度あるならば、低燃費制御を優先させてエンジンの振動が増加しても目立たないだろうと考える閾値である。すなわち、タイヤに掛るトルク変動をTvとし、Tv>トルク変動閾値のときは低燃費制御を優先させることができ、Tv≦トルク変動閾値のときはエンジンの振動抑制制御を優先させるものとするときの閾値である。かかる閾値は、実験的に、あるいは経験的な基準に基いて定めることができる。
図7は、車速に対するトルク変動閾値の様子を模式的に示す図である。ここで示されるように、車速が高速であるほどトルク変動閾値が大きくなる。図8は、車両の駆動源による駆動力に対するトルク変動閾値の様子を模式的に示す図である。ここで示されるように、駆動力が大きい、すなわちアクセル開度が大きいほどトルク変動閾値が大きくなる。記憶装置96には、図7、図8に示されるようなマップ98が記憶される。
マップ98は、車両の速度または駆動源の駆動力を検索キーとして、トルク変動閾値が読み出せるものであるので、同様な機能を有するものであれば、換算表、数式等であってもよい。
制御部100は、図1に示される各要素の作動等を制御して、車両全体の駆動に関する制御を行う機能を有するが、ここでは特に、エンジンの低燃費制御と制振制御とを両立させながら車両駆動を行う機能を有する。制御部100は、タイヤに掛るトルクの変動を算出し手路面状態を推定する路面状態推定モジュール102と、推定された路面状態に基いて制振動制御を優先するか低燃費制御を優先するかの選択を行う制振・低燃費選択モジュール104と、推定された路面状態に応じてアクティブサスペンション制御を行うサスペンション制御モジュール106とを含んで構成される。かかる機能はソフトウェアによって実現され、具体的には車両駆動制御プログラムの対応する部分を実行することで実現される。かかる機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
上記構成の作用、特に制御部100の各機能について図9のフローチャートを用いて説明する。図9は、エンジンの低燃費制御と制振制御とを両立させながら車両駆動を行う手順を示すフローチャートで、各手順は、車両駆動制御プログラムの対応する部分の各処理手順に相当する。
手順の最初は、回転電機50の回転角度θmgと回転角速度ωmgを取得する(S10)。具体的には、車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転角度を検出するM/G2回転角度センサ84の検出値を取得し、これをθmgとし、その時間微分からωmgを取得する。
次に車軸30の回転角度θvと回転角速度ωvを取得する(S12)。具体的には、車軸速度センサ86,87の検出値のうち、少なくとも一方の値を取得し、これに基いてωvを取得し、その時間積分からθvを取得する。あるいは、車軸速度センサ86,87の2つの検出値を得て、その平均値に基いてωvとθvを取得するものとしてもよい。
このようにして、θmg,ωmg,θv,ωvが取得されると、タイヤ20,21の慣性モーメントIv、ドライブシャフトである車軸30の減衰係数Cds、車軸30のバネ定数Kdsを用いて、タイヤ20,21に掛る慣性項、減衰項、バネ項を計算する(S14,S16,S18)。これらからタイヤ20,21に掛るトルクTvとして、Tv=Iv(dω/dt)+Cds(ωv−ωmg)+Kds(θv−θmg)が計算される(S20)。
ここで、Tvの変動は、タイヤ20,21に掛るトルクTvの変動を表すことになる。すなわち、タイヤに掛るトルクTvの変動は、タイヤ20,21に掛るトルクTvの標準的な状態からの変動を示すことになる。このようにして、タイヤに掛るトルク変動Tvの大きさで、タイヤ20,21が路面から受けるトルクの大きさが評価でき、路面状態を推定することができる。ここまでの手順は、制御部100の路面状態推定モジュール102の機能によって実行される。
ここで、トルク変動閾値が取得される(S28)。具体的には、車両の車速あるいは駆動力を検索キーとして記憶装置96のマップ98を検索し、該当するトルク変動閾値を取得する。そして、取得されたトルク変動閾値とタイヤに掛るトルク変動Tvとが比較される(S30)。
比較の結果、Tv>トルク変動閾値のときは、低燃費制御を優先させる(S32)。Tv≦トルク変動閾値のときはエンジンの振動抑制制御を優先させる(S34)。この選択の基準の設定は、車両が走行する路面状態がある程度悪いと、ユーザはそのことによって生じる車両の振動は路面によるものであって、エンジン等の駆動源の振動によるものではないと考えるだろうという事実に基いている。すなわち、Tvが大きくて、路面状態がある程度悪いと判断されるときは、エンジン等の駆動源の振動抑制制御よりも、低燃費制御を優先しても、ユーザは違和感を覚えない。一方で、Tvが小さくて、路面状態が良好であると、車両の振動はエンジン等の駆動源の振動であるとユーザは考えるので低燃費制御よりも駆動源の振動抑制制御を優先することが好ましい。その区別として、予め実験的、あるいは経験的に設定されたトルク変動閾値を用いる。
S32,S34の選択が行われると、図5、図6で説明したように、燃費と振動の層反する特性において、低燃費制御優先の場合は、AFRをリッチ側の大きな値とし、あるいはEGR率を多い値とする制御を行う。また、制振制御優先の場合には、AFRをリーン側の小さな値とし、あるいはEGR率を少ない値とする制御を行う。このようにすることで、低燃費と制振とを両立させながら車両駆動を行うことができる。S32,S34の実行の後は、再びS10に戻り、上記の手順が繰り返される。S28からS34までの手順は、制御部100の制振・低燃費選択モジュール104の機能によって実行される。
図10は、S20で取得されたトルク変動Tvの時間変化と、トルク変動閾値との関係を説明する図である。図10の横軸は時間で、縦軸はトルク変動Tvである。トルク変動閾値の範囲は破線で示されている。ここで示されるように、時刻t1以前は、トルク変動Tvが小さく、トルク変動閾値の範囲内である。このようにトルク変動Tvが小さいときは、燃費を犠牲にして、制振制御を優先する。時刻t1の後は、トルク変動Tvが大きくなり、路面状態が悪くなったことが示されている。ここで、トルク変動Tvがトルク変動閾値の範囲を超えているので、この場合には、低燃費制御を優先する。そのためにさらに振動が増加しても、ユーザはエンジン40の振動が増加したとは考えないと予想されるからである。
図11は、トルク変動Tvの算出結果にフィルタ演算処理を施す例を示す図である。フィルタ演算処理としては、ユーザの体感に影響する振動の周波数を通すバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタを用いることが好ましい。一般的には、約1Hzから約5Hz程度の周波数を通し、これ以外の高周波成分の周波数を通さないフィルタ処理とすることが好ましい。
また、S20のトルク変動Tvの結果を用いて、サスペンションコントローラ94を介し、サスペンション14,15のバネ定数あるいは減衰係数を変化させ、路面状態に適合したサスペンション状態とすることができる。かかる制御は、制御部100のサスペンション制御モジュール106の機能によって実行される。
このようにして、回転電機回転角度と車軸回転速度とに基いて、タイヤと車軸と回転電機とに関する運動方程式を用いてタイヤに掛るトルクを求め、予め設定された標準的な状態と比較して路面状態を推定し、これに基いて、低燃費制御と制振制御の優先順位を選択することができる。
上記では、路面状態の推定に、タイヤと車軸と回転電機とに関する運動方程式を用い、タイヤに掛るトルクを求め、これを標準状態と比較することで行った。上記のように、車両においては、駆動源からタイヤに至るまで多くの構成要素があり、タイヤに掛るトルクの変動に相当する変化がこれらの構成要素においても生じる。したがって、車両駆動源から車軸に至る構成要素の作動状態量を検出し、予め設定された標準状態量と比較して、車両が走行する路面状態を推定することができる。以下では、図1の符号を用いて説明する。
ダンパ機構70は、インプットシャフト32と、エンジン40のクランクシャフト34との間に設けられるので、この間の角度変化、つまりダンパ機構の捩れ角度に基いて、路面状態を推定することができる。
ダンパ機構70の捩れ角度は、クランクシャフト34の回転角度と、インプットシャフト32の回転角度の差から求められる。クランクシャフト34の回転角度は、クランク角度センサ80の検出値を取得することで得ることができる。インプットシャフト32の回転角度は、発電用電動機(M/G1)52の回転角度θmg1と、車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転角度θmg2と、プラネタリ機構60のプラネタリギヤ比ρとから算出することができる。すなわち、インプットシャフト32の回転角度をθiとして、θi=(ρ/ρ+1)×θmg1+(1/ρ+1)×θmg2で計算される。
このようにして算出されたインプットシャフト32の回転角度と、別途取得されたクランクシャフト34の回転角度との差から、ダンパ機構70の捩じれ角度が計算される。計算されたダンパ機構70の捩じれ角度は、タイヤ20,21を介して路面状態の影響を受け、図10のトルク変動と同様な時間変化を示す。したがって、ダンパ機構70の捩じれ角度に基いて、路面状態を推定することができる。
そして、図10で説明したと同様に、ダンパ機構70の標準的なねじり角度に基いてねじり角度閾値を定め、計算されたねじり角度とねじり角度閾値との比較によって、低燃費制御と制振制御との間の優先順位の選択を行うことができる。すなわち、ユーザが、車両の振動がエンジンの振動のためでなく路面状態によるものであると感じるときのねじり角度を実験的、あるいは経験的に定めてこれをねじり角度閾値とする。そして、計算されたねじり角度がねじり角度閾値を超えるときは低燃費制御を優先させる。また、計算されたねじり角度がねじり角度閾値以下のときは制振制御を優先させる。このようにして、ダンパ機構70のねじり角度を用いて、路面状態を推定し、低燃費制御と制振制御とを両立させることができる。
また、路面状態の影響を受ける車軸の回転変動は、回転電機の出力軸の回転変動を生じさせるので、回転電機の回転変動によって、路面状態を推定することができる。以下では、図1の符号を用いて説明する。ここでは、回転電機50のうち、車軸駆動用電動機(M/G2)54について、その回転変動をM/G2回転角度センサ84の検出値に基いて算出する。回転変動は、回転角度の脈動でもよいが、回転数変動でもよい。計算された車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転変動は、タイヤ20,21を介して路面状態の影響を受け、図10のトルク変動と同様な時間変化を示す。したがって、車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転変動に基いて、路面状態を推定することができる。
そして、図10で説明したと同様に、車軸駆動用電動機(M/G2)54の標準的な回転変動に基いて回転変動閾値を定め、計算された回転変動と回転変動閾値との比較によって、低燃費制御と制振制御との間の優先順位の選択を行うことができる。すなわち、ユーザが、車両の振動がエンジンの振動のためでなく路面状態によるものであると感じるときの回転変動を実験的、あるいは経験的に定めてこれを回転変動閾値とする。そして、計算された回転変動が回転変動閾値を超えるときは低燃費制御を優先させる。また、計算された回転変動が回転変動閾値以下のときは制振制御を優先させる。このようにして、車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転変動を用いて、路面状態を推定し、低燃費制御と制振制御とを両立させることができる。
また、回転電機50の回転変動に基いて車軸30の回転変動を計算で求めることができる。この計算で求められた車軸30の回転変動に基いて、路面状態を推定することができる。もっとも、車軸速度センサ86,87の検出値を用いてその平均値から車軸30の回転変動を求めるものとしてもよい。得られた車軸30の回転変動は、上記の車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転変動と同様な時間変化を示す。したがって、車軸30の回転変動に基いて、路面状態を推定することができる。車軸30の回転変動について閾値を設けて、これを用いて低燃費制御と制振制御との間の優先順位の選択を行うことができることも同様である。
また、インプットシャフト32の回転変動によって、路面状態を推定することができる。インプットシャフト32の回転角度θiは、発電用電動機(M/G1)52の回転角度θmg1と、車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転角度θmg2と、プラネタリ機構60のプラネタリギヤ比ρとから、θi=(ρ/ρ+1)×θmg1+(1/ρ+1)×θmg2で計算されるので、これに基いてインプットシャフト32の回転変動を計算することができる。得られたインプットシャフト32の回転変動は、上記の車軸駆動用電動機(M/G2)54の回転変動と同様な時間変化を示す。したがって、インプットシャフト32の回転変動に基いて、路面状態を推定することができる。インプットシャフト32の回転変動について閾値を設けて、これを用いて低燃費制御と制振制御との間の優先順位の選択を行うことができることも同様である。
8 路面、10 車両駆動制御システム、12 車体、14,15 サスペンション、20,21 タイヤ、30 車軸、32 インプットシャフト、34 クランクシャフト、40 エンジン、50 回転電機、52 発電用電動機、54 車軸駆動用電動機、60 プラネタリ機構、62 サンギヤ、64 プラネタリギヤ、66 キャリア、68 リングギヤ、70 ダンパ機構、72 歯車機構、80 クランク角度センサ、82 M/G1回転角度センサ、84 M/G2回転角度センサ、86,87 車軸速度センサ、88 上下移動検出センサ、90 エンジンECU、92 M/GECU、94 サスペンションコントローラ、96 記憶装置、98 マップ、100 制御部、102 路面状態推定モジュール、104 制振・低燃費選択モジュール、106 サスペンション制御モジュール、110 シリンダ、112 ピストン、116 燃料噴射弁、118 スロットル、120 吸気管、122 排気管。
Claims (10)
- 少なくともエンジンを含む駆動源と、
駆動源における回転軸であるインプットシャフトに接続されタイヤを駆動する車軸と、
駆動源から車軸に至る構成要素の作動状態量を検出し、予め設定された標準状態量と比較して、車両が走行する路面状態を推定する路面状態推定手段と、
推定された路面状態に基いて、エンジンについて振動抑制制御または低燃費制御のいずれかを優先して実行することを選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
インプットシャフトの回転角度であるインプットシャフト回転角度を検出する手段と、
車軸の回転速度である車軸回転速度を検出する車軸速度センサと、
を備え、
路面状態推定手段は、
インプットシャフト回転角度と車軸回転速度とに基いて、タイヤと車軸とインプットシャフトとを含む系に関する運動方程式を用いてタイヤに掛るトルクを求める手段を有し、
求められたタイヤに掛るトルクと、予め設定された標準的トルクとに基いて、路面状態を推定することを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
インプットシャフトの回転角度であるインプットシャフト回転角度を検出する手段を備え、
路面状態推定手段は、
インプットシャフト回転角度に基いて、車軸の回転変動量を求める手段を有し、
求められた車軸の回転変動量と、予め設定された標準的車軸回転変動量とに基いて、路面状態を推定することを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項2または請求項3に記載の車両駆動制御システムにおいて、
駆動源として回転電機を含み、
インプットシャフト回転角度検出手段は、回転電機の回転角度に基いてインプットシャフトの回転角度を検出することを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
駆動源として回転電機を含み、
回転電機は車軸駆動用電動機と発電用電動機とを含み、さらに、
インプットシャフトと車軸駆動用電動機と発電用電動機との間に設けられたプラネタリギヤ機構と、
プラネタリギヤ比と車軸用電動機の回転角度と発電用電動機の回転角度とに基いてインプットシャフトの回転角度を求める手段と、
を備え、
路面状態推定手段は、
求められたインプットシャフトの回転角度からインプットシャフトの回転変動量を求める手段を有し、
求められたインプットシャフトの回転変動量と、予め設定された標準的インプットシャフト回転変動量とに基いて、路面状態を推定することを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
エンジンのクランクシャフトとインプットシャフトとの間に設けられるダンパ機構と、
インプットシャフトの回転角度であるインプットシャフト回転角度を検出する手段と、
クランクシャフトの回転角度であるクランク角度を検出する手段と、
を備え、
路面状態推定手段は、
インプットシャフト回転角度とクランク角度とに基いて、ダンパ機構の捩れ角度を求める手段を有し、
求められたダンパ機構の捩れ角度と、予め設定された標準的ダンパ捩れ角度とに基いて、路面状態を推定することを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項6に記載の車両駆動制御システムにおいて、
駆動源として回転電機を含み、
回転電機は車軸駆動用電動機と発電用電動機とを含み、さらに、
インプットシャフトと車軸駆動用電動機と発電用電動機との間に設けられたプラネタリギヤ機構と、
プラネタリギヤ比と車軸用電動機の回転角度と発電用電動機の回転角度とに基いてインプットシャフトの回転角度を求める手段と、
を備え、
路面状態推定手段は、
求められたインプットシャフトの回転角度とクランク角度とに基いて、ダンパ機構の捩れ角度を求めることを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
車両の速度または駆動源の駆動力を検索キーとして、駆動源から車軸に至る構成要素の標準状態量を格納する記憶装置を備えることを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
路面状態推定手段は、
検出された構成要素の作動状態量について特定の周波数成分を抽出するフィルタ手段を含み、フィルタ手段を経た作動状態量に基いて、路面状態を推定することを特徴とする車両駆動制御システム。 - 請求項1に記載の車両駆動制御システムにおいて、
選択手段は、エンジン制御パラメータを変更することで、振動抑制制御または低燃費制御のいずれかを優先して実行することを特徴とする車両駆動制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007319214A JP2009138721A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | 車両駆動制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007319214A JP2009138721A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | 車両駆動制御システム |
Publications (1)
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JP2009138721A true JP2009138721A (ja) | 2009-06-25 |
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JP2007319214A Withdrawn JP2009138721A (ja) | 2007-12-11 | 2007-12-11 | 車両駆動制御システム |
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JP (1) | JP2009138721A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020029148A (ja) * | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 日産自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御方法およびハイブリッド車両の制御装置 |
-
2007
- 2007-12-11 JP JP2007319214A patent/JP2009138721A/ja not_active Withdrawn
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JP2020029148A (ja) * | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 日産自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御方法およびハイブリッド車両の制御装置 |
JP7203534B2 (ja) | 2018-08-22 | 2023-01-13 | 日産自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御方法およびハイブリッド車両の制御装置 |
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