JP2009136092A - 電動車両の歯車打音軽減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速中か、加速中か、定速走行か、前進走行か、後進走行かを問わず、あらゆる走行条件で、伝動系の歯車打音を軽減し得るようにする。
【解決手段】t1にブレーキペダル踏力Bppを0にし、t2にアクセルペダルをアクセル開度APO一定となるよう踏み込む発進加速時に、APO対応の要求トルクTcと、モータトルク方向の噛合歯面間ギャップをなくす補助トルクTaとの大きい方をモータトルクTmとする。よって発進当初Tm=Taとなって歯車打音を軽減し得る。VSPの上昇につれTaがVSP=0時の最大値Tmaから漸減するため、発進後TmはVSPの上昇につれ低下する。Tm=Tcになるt3に至ると、Tmは通常制御によりAPO対応要求トルクTcと同じにされる。t2〜t3中、TcおよびTm間の差分トルクを前輪ブレーキユニットに指令してブレーキ力Tbを発生させることで、車両の駆動トルクはTcに一致し続け、運転者に違和感を与えることはない。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動モータからの回転を歯車伝動ユニットにより車輪に伝達して走行可能で、車輪をブレーキユニットにより制動可能な電動車両に関し、特に、該電動車両の歯車電動ユニット内において生ずる歯車打音を軽減装置に関するものである。
電動車両としては、電動モータのみを動力源とする電気自動車のほかに、動力源として電動モータおよび内燃機関などのエンジンを具え、これらを車両の走行状態に応じて選択使用、若しくは併用するようにした、所謂ハイブリッド車両がある。
しかし何れの車両にあっても、電動モータからの回転を歯車伝動ユニットにより車輪に伝達して走行する電気走行中、モータ回転数が低い低車速時に、電動モータのコギングトルクなどのトルク変動により、電動モータの角速度変化と、これにより駆動される車輪の角速度変化との間にずれを生ずる。
これら電動モータおよび駆動車輪間における角速度変化のずれは、歯車伝動ユニットを構成する歯車組の噛合歯間ギャップを詰めた後において噛合歯同士の衝突音(歯車打音)を生じさせ、噛合歯同士の衝突に伴って電動モータの振動を惹起する。
車両減速中における歯車打音対策としては従来、例えば特許文献1に記載のごとく、車両減速中の制動力に応じ電動モータにより車輪に所定のクリープトルクを付与し、これにより車両減速中、歯車伝動ユニット内における歯車組の噛合歯同士を車両走行方向において相互に押し付け合い、噛合歯間ギャップを詰めた状態に保っておくことで、歯車打音や電動モータの振動を抑制する技術が提案されている。
特開2003−065106号公報
しかし、上記従来の提案技術を用いた対策は、車両減速中、停車状態に至るまでの間における歯車打音対策であり、それ以外の加速走行時や、一定車速での低速走行時に発生する歯車打音や電動モータの振動に対して有効でなく、これら加速走行時や、一定車速での低速走行時に発生する歯車打音や電動モータの振動を抑制することができない。
また上記従来の提案技術では、車両の前進減速中、停車するまでの間、電動モータにより車輪に前進方向のクリープトルクを付与して歯車組の噛合歯同士を車両走行(前進)方向において相互に押し付け合わせるため、
停車状態に至った時は歯車組が後進方向において噛合歯間ギャップを持って相互に噛合していることとなる。
従って、停車後の発進が後進である場合、歯車組の噛合歯間ギャップを詰めた後に伝動が開始されることになり、この伝動開始時に歯車打音および電動モータの振動を惹起して、上記の問題解決を実現することができない。
更に上記従来の提案技術では、車両の減速中にもかかわらず、電動モータにより車輪に前進方向のクリープトルク(駆動方向トルク)を付与することから、
運転者は、減速操作を行っているのに、操作通りの減速度が発生しないとか、逆に加速度が発生するといった違和感を覚える懸念がある。
本発明は、上記の実情に鑑み、車両減速中や前進中は勿論、その他、加速中や、定速走行中や、後進中や、発進時を含むあらゆる走行条件のもとで有効に歯車打音を軽減可能であり、且つ、当該歯車打音の軽減を運転者に違和感を与えることなく実現可能な電動車両の歯車打音軽減装置を提案し、これにより、上記従来の提案技術による諸問題や懸念を解消することを目的とする。
この目的のため、本発明による電動車両の歯車打音軽減装置は、請求項1に記載のごとく、
電動モータからの回転を歯車伝動ユニットにより車輪に伝達して走行可能で、該車輪をブレーキユニットにより制動可能な電動車両を前提とし、
少なくとも前記電動モータの発生トルク方向における前記歯車伝動ユニットの噛合歯面間ギャップをなくすのに必要な補助トルクと、車両の運転状態に応じた要求トルクとの大きい方を電動モータの出力トルクとし、
車両の駆動トルクが前記要求トルクに一致するよう、この要求トルクおよびモータ出力トルク間の差分トルクを車両に制動力または駆動力として付加するよう構成したことを特徴とするものである。
上記した本発明による電動車両の歯車打音軽減装置によれば、
電動モータにより歯車伝動ユニットを介し車輪を駆動しての走行中、電動モータの発生トルク方向における歯車伝動ユニットの噛合歯面間ギャップをなくすのに必要な補助トルクと、車両の運転状態に応じた要求トルクとの大きい方を電動モータの出力トルクとするから、
電動モータの出力トルクが補助トルクよりも小さくなることがなく、従って、歯車伝動ユニットが噛合歯面間ギャップのない状態で伝動を行うことができ、歯車打音や電動モータの振動を抑制することができる。
しかも上記の作用が、車両減速中や前進中は勿論のこと、その他、加速中や、定速走行中や、後進中や、発進時を含むあらゆる走行条件のもとで奏し得られることから、如何なる走行条件のもとでも、歯車打音や電動モータの振動を抑制するという上記の作用効果を達成することができる。
そして発進時も上記の作用が得られることから、停車後の発進方向が停車前の車両進行方向と逆である場合においても、歯車打音や電動モータの振動を抑制するという前記の作用効果を達成することができる。
更に、車両の駆動トルクが要求トルクに一致するよう、要求トルクおよびモータ出力トルク間の差分トルクを車両に制動力または駆動力として付加するため、
歯車打音や電動モータの振動を抑制するという目的で上記のごとく補助トルクおよび要求トルクの大きい方を電動モータの出力トルクとするモータ出力トルク制御を行っても、車両の駆動トルクを終始要求トルクに一致させ得ることとなり、運転者の操作を越えた加減速度変化を生じさせることがなく、加速中における加速が過大なものになるとか、減速中における減速が過大なものになるといった違和感を運転者に与える懸念を払拭することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる歯車打音軽減装置を具えた前輪駆動式電動車両のパワートレーン、およびその制御系を示し、
1は電動車両の車体、2FL,2FRは左右前輪、2RL,2RRは左右後輪、3Fは動力源としての電動モータ、4Fは歯車伝動ユニットとしてのディファレンシャルギヤ装置付きギヤボックスである。
図1に示す電動車両のパワートレーンにおいては、電動車両を前輪駆動車とするために、車体1の前端に電動モータ3Fを横置きに搭載し、その出力軸(図示せず)をギヤボックス4Fおよびその内部におけるディファレンシャルギヤ装置(図示せず)を介して左右前輪2FL,2FRの駆動車軸5FL,5FRに駆動結合する。
電動モータ3Fの回転は、ギヤボックス4Fにより減速され、その後、ギヤボックス4F内の図示せざるディファレンシャルギヤ装置により、左右前輪2FL,2FRの駆動車軸5FL,5FRに分配出力され、これら車軸5FL,5FRにより左右前輪2FL,2FRが駆動されることで車両を走行させることができるものとする。
左右前輪2FL,2FRおよび左右後輪2RL,2RRにそれぞれブレーキユニット6FL,6FRおよび6RL,6RRを設け、これらブレーキユニット6FL,6FRおよび6RL,6RRを作動させて車両を減速、停車させることができるものとする。
電動モータ3Fは、車載バッテリ7の直流電力を直流-交流変換用のインバータ8Fにより交流電力に変換されて供給され、この交流電力により駆動されるが、
この駆動時における電動モータ3Fのモータ出力トルクは、モータコントローラ9がインバータ8Fを介して上記の交流電力を加減することにより制御するものとする。
ここで電動モータ3Fのモータ出力トルク指令値は、車両コントローラ10がこれを決定してモータコントローラ9へ送信し、
モータコントローラ9は当該モータ出力トルク指令値を受信してインバータ8Fを制御することにより、当該インバータ8Fから電動モータ3Fへの交流電力を、モータ出力トルクが上記の指令値となるよう加減するものとする。
このためインバータ8Fには、電動モータ3Fのモータ回転数Nmを検出するモータ回転センサ11Fからの信号と、電動モータ3Fの温度を検出する温度センサ12Fからの信号とを入力する。
車両コントローラ10は、上記電動モータ3Fのモータ出力トルク制御のほかに、ブレーキユニット6FL,6FR,6RL,6RRの作動を介した制動力制御や、左右前輪2FL,2FR(必要に応じ左右後輪2RL,2RR)の舵角制御など、その他諸々の車両用制御をも行うが、これらの制御系については図面の煩雑を避けるため省略した。
これら制御を実行するため車両コントローラ10には、
車速VSPを検出する車速センサ13からの信号と、
ステアリングホイール(図示せず)の操舵角θを検出する操舵角センサ14からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
ブレーキペダル(図示せず)の踏力Bppを検出するブレーキペダル踏力センサ16からの信号と、
運転者が希望する車両の運転モードに応じて操作するモードスイッチ17からの信号と、
車体1の鉛直軸線周りにおける回転運動情報であるヨーレートφを検出するヨーレートセンサ18からの信号と、
車体1の横加速度Gyを検出する横Gセンサ19からの信号と、
車体1の前後加速度Gxを検出する前後Gセンサ20からの信号とを入力する。
車両コントローラ10は、これら入力情報にもとづき図2の制御プログラムを実行して、本発明が狙いとする歯車打音軽減制御を行う。
先ずステップS1において、上記した各センサの検出データを読み込み、次のステップS2では、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要な歯車打音軽減制御範囲内での運転か否かをチェックする。
この歯車打音軽減制御範囲は、図3に例示する電動モータ3Fのモータ運転範囲内に描いて示すと、ハッチングを付したような領域として表され、電動モータ3Fの発生トルク方向(加速方向および減速方向)におけるギヤボックス(歯車伝動ユニット)4Fの噛合歯面間ギャップをなくすのに必要なモータトルクである補助トルクTa(モータ回転数Nmに応じて決まる)により規定される。
補助トルクTaとしては、図3の第1象限における前進加速時の補助トルクTaと、第2象限における後進加速時の補助トルクTaと、第3象限における後進減速時の補助トルクTaと、第4象限における前進減速時の補助トルクTaとが存在し、
何れの補助トルクTaもモータ回転数Nm(車速VSP)の低下につれて大きくなり、これら補助トルクTaの変化特性を表す特性線により囲まれた領域が歯車打音軽減制御範囲である。
運転点が、図3にX1で示すように歯車打音軽減制御範囲内のものとなるモータ回転数Nm(車速VSP)およびモータトルクTm(前輪駆動力)の組み合わせである場合、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要な運転状態であり、運転点が歯車打音軽減制御範囲外のものとなるモータ回転数Nm(車速VSP)およびモータトルクTm(前輪駆動力)の組み合わせである場合、歯車打音が発生せずそれを軽減する制御が不要な運転状態であることを意味する。
ちなみに上記の目的にかなう補助トルクTaは、電動モータ3Fの回転イナーシャおよびモータトルク変動に応じて定め、電動モータ3Fのトルク変動による回転角速度変化が前輪2FL,2FRの回転角速度を上回るようなモータトルクTmの値であり、
図3の第1象限における前進加速時の補助トルクTa、第2象限における後進加速時の補助トルクTa、第3象限における後進減速時の補助トルクTa、および、第4象限における前進減速時の補助トルクTaの何れも、モータ回転数Nm(車速VSP)の低下につれて大きくなり、モータ回転数Nm(車速VSP)=0の時における補助トルクTaの最大値Tma,Tmdは電動モータ3Fのトルク変動最大値よりも大きい。
また、図3の第1象限における前進加速時の補助トルクTaと、第4象限における前進減速時の補助トルクTaとが0になる時のモータ回転数Nmf、および、第2象限における後進加速時の補助トルクTaと、第3象限における後進減速時の補助トルクTaが0になる時のモータ回転数Nmr、つまり、歯車打音軽減制御範囲を規定する電動モータ3Fの上限回転数(歯車打音軽減制御範囲を規定する上限車速)は、前輪2FL,2FRの回転角速度と電動モータ3Fの角速度変化量との比が、電動モータ1回転あたりのロータ部におけるギヤの歯数比以下になるようなものとする。
図2のステップS2で現在の運転状態が、図3にハッチングを付して示した歯車打音軽減制御範囲内での運転でないと判定する場合は、歯車打音が発生せずそれを軽減する制御も不要であるから制御をステップS3に進め、通常の制御を実行して図2のループから離脱する。
ステップS2で現在の運転状態が、例えば図3に運転点X1で示すモータ回転数Nm(車速VSP)およびモータトルクTm(駆動力)の組み合わせとなる運転状態で、歯車打音軽減制御範囲内の運転であると判定する場合は、制御をステップS4に進めて、車速VSPおよびアクセル開度APOまたはブレーキペダル踏力Bppなどから求め得る車両の運転状態に応じた要求トルクTcと、補助トルクTaとを比較し、Tc<Taか否かをチェックする。
要求トルクTcが補助トルクTaよりも小さい(Tc<Ta)ということは、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要であるが、要求トルクTcが補助トルクTa以上である(Tc≧Ta)ということは、歯車打音が発生せずそれを軽減する制御も不要である。
従って、ステップS4でTc<Taに非ず、Tc≧Tasであると判定するときは、制御をステップS5に進め、通常の制御を実行して図2のループから離脱する。
ステップS4においてTc<Taであると判定するときは、歯車打音が発生することから、制御を順次ステップS6およびステップS7に進めて、以下の歯車打音軽減制御を実行する。
ステップS6においては、ステップS4で対比した要求トルクTcおよび補助トルクTaのうち大きい方の補助トルクTaを電動モータ3Fの出力トルクTmとすべく、電動モータ3Fの出力トルクTmを変更するよう指令する。
つまり車両コントローラ10は、かように変更したモータ出力トルクTm=Taをモータコントローラ9に指令し、モータコントローラ9はインバータ8Fを介して電動モータ3Fの出力トルクTmを当該変更した値となるよう制御する。
かように補助トルクTaと要求トルクTcとの大きい方を電動モータ3Fの出力トルクTmとすることで(電動モータ3Fの出力トルクTmを補助トルクTaまで上昇させることで)、電動モータ3Fの出力トルクTmが補助トルクTaよりも小さくなることがなく、従って、ギヤボックス4F(歯車伝動ユニット)が噛合歯面間ギャップのない状態で伝動を行うことができ、歯車打音や電動モータ3Fの振動を抑制することができる。
しかも、運転状態が図3の歯車打音軽減制御範囲内のどこにあっても、つまり、図3の第1象限における前進加速中、第2象限における後進加速中、第3象限における後進減速中、第4象限における前進減速中、前進および後進での定速走行中を含む如何なる走行条件のもとでも、上記の作用が同様に実行されることから、
あらゆる走行条件のもとで、歯車打音や電動モータの振動を抑制するという上記の作用効果を達成することができる。
そして、図3の歯車打音軽減制御範囲が停車状態を含み、当該停車状態からの発進時も上記の作用が同様に実行されることとなり、停車後の発進方向が停車前の車両進行方向と逆である場合においても、歯車打音や電動モータの振動を抑制するという前記の作用効果を達成することができる。
ところで上記モータ出力トルク変更制御によれば、電動モータ3Fの出力トルクTmを補助トルクTaまで上昇させることから、前進走行中であれ、後進走行中であれ、運転状態に対して加速中であれば過剰加速となり、減速中であれば過剰減速となって、運転者に違和感を与える懸念がある。
そこで本実施例においては、図2のステップS7において、車両の駆動トルクが要求トルクTcに一致するよう、この要求トルクTcおよびモータ出力トルクTm間の差分トルクを車両に制動力または駆動力として付加すべく、当該差分トルクを前輪ブレーキユニット6FL,6FRに指令した後、図2の制御ループを終了する。
これにより前輪ブレーキユニット6FL,6FRは上記の差分トルクだけ制動力を増大されたり、低下されることとなり、
歯車打音や電動モータの振動を抑制するという目的で上記のごとく補助トルクTaおよび要求トルクTcの大きい方を電動モータ3Fの出力トルクTmとするモータ出力トルク制御を行っても、車両の駆動トルクを終始要求トルクに一致させ得ることとなり、運転者の操作を越えた加減速度変化を生じさせることがなく、加速中における加速が過大なものになるとか、減速中における減速が過大なものになるといった違和感を運転者に与える上記の懸念を払拭することができる。
上記した本実施例の歯車打音軽減作用を、図4,5に基づき以下に付言する。
図4は、瞬時t1に踏み込み状態だったブレーキペダルを釈放してその踏力Bppを0にし、瞬時t2にアクセルペダルを踏み込んだ後アクセル開度APOを一定に保って、車両を停車状態から発進させる場合における発進加速時の動作タイムチャートである。
この発進加速中は図2につき前述した歯車打音軽減制御によりモータ出力トルクTmが、アクセル開度APOに対応した要求トルクTcと、補助トルクTaとの大きい方と同じ値にされるから(ステップS6)、発進加速当初モータ出力トルクTmは補助トルクTaと同じ値になって、歯車打音の軽減を図ることができる。
一方、瞬時t2の加速操作開始により車速VSPは図示のごとくに0から上昇するが、加速操作開始時t2では車速VSP=0であるため、モータ出力トルクTmは補助トルクTaの最大値Tma(図3参照)にされる。
発進後の車速(VSP)上昇につれ補助トルクTaが図3に示すごとく最大値Tmaから漸減することから、発進後はモータ出力トルクTmがTmaから車速VSPの上昇につれ補助トルクTaの低下とともに図示のごとく低下する。
そして、上記のごとく補助トルクTaと同じ値にされてきたモータ出力トルクTmがアクセル開度(APO)対応の要求トルクTcまで低下する瞬時t3に至ると、図2のステップS4がステップS6からステップS5へと選択を切り替える結果、モータ出力トルクTmは図示のごとくアクセル開度(APO)対応の要求トルクTcと同じにされる。
加速操作開始瞬時t2からTm=Tcなる瞬時t3までの間は、図2のステップS4がステップS6を経由してステップS7を選択するから、このステップS7において、要求トルクTcおよびモータ出力トルクTm間の差分トルク(モータ出力トルクTmのハッチング部分)が車両に制動力(図4が加速時のタイムチャートであるため)として付加されるよう、当該差分トルクを前輪ブレーキユニット6FL,6FRに指令して、ブレーキペダル踏力Bpp=0にもかかわらずブレーキ力Tbを図4にハッチングを付して示すごとくに発生させる。
これにより車両の駆動トルクは、モータ出力トルクTmを要求トルクTcよりも大きな補助トルクTaと同じ値にする歯車打音軽減制御にもかかわらず、要求トルクTcに一致し続けられ、
加速走行中における加速が、運転者の加速操作を越えた加速度変化を伴ったものになる違和感を回避することができる。
図5は、瞬時t1に踏み込み状態だったアクセルペダルを釈放してアクセル開度APOを0にし、瞬時t2にブレーキペダルを踏み込んでその踏力Bppを一定に保ち、車速VSPが図示の時系列変化をもって低下するよう車両を減速・停車させる場合における減速時の動作タイムチャートである。
制動開始時t2には車速VSPが、図3にNmfで示すモータ回転数相当の車速よりも高車速であって、図3に示す歯車打音軽減制御範囲外での運転状態であるから、車速VSPがNmf相当車速になる瞬時t3までの間は、モータ出力トルクTmは回生制動を行うべく制動側のトルクとなり、この回生制動で、ブレーキペダル踏力Bppに応じた要求制動力の全てを賄いきれない不足分(Bpp相当要求制動力−回生制動力)を、前輪ブレーキユニット6FL,6FRの作動によるブレーキ力Tbで補うことによって要求制動力を実現する。
車速VSPがNmf相当車速に低下した瞬時t3以後は、図3に示す歯車打音軽減制御範囲内での運転状態であるから、モータ出力トルクTmが、電動モータ3Fに対する要求トルクTc(回生制動トルク)と、制動側補助トルクTaとの大きい方と同じ値にされる結果(ステップS6)、
瞬時t3以後モータ出力トルクTmは図5に示すごとく制動側補助トルクTaに同じ値となる。
なお制動側補助トルクTaは、図3の第4象限におけるように車速VSPの低下につれ大きくなるから、瞬時t3以後減速が進むにつれモータ出力トルクTmは制動側に増大する。
かかるモータ出力トルクTmの制動側への増大により歯車打音の軽減を図ることができる。
また、上記したモータ出力トルクTmの制動側への増大に伴い、ステップS7(図2)での制御により前輪ブレーキユニット6FL,6FRのブレーキ力Tbは、図5に示すごとくモータ出力トルクTmの制動側への増大分だけ低下される。
つまり、ステップS7では要求トルクTcおよびモータ出力トルクTm間の差分トルクを車両に駆動力(図5が減速時のタイムチャートであるため)として付加すべく、当該差分トルクを前輪ブレーキユニット6FL,6FRに指令するため、ブレーキ力Tbは図示のごとくモータ出力トルクTmの制動側への増大分だけ低下される。
これにより車両の制動トルクは、モータ出力トルクTmを要求トルクTc(回生制動トルク)よりも大きな制動側の補助トルクTaと同じ値にする歯車打音軽減制御にもかかわらず、ブレーキペダル踏力Bpp相当の要求制動トルクに一致し続けられ、
減速走行中における減速が、運転者の減速操作を越えた減速度変化を伴ったものになる違和感を回避することができる。
なお、車速VSPが0になる停車完了瞬時t4の後も若干時間、モータ出力トルクTmを停車完了瞬時t4での値に保持しておき、減速時車体ノーズダイブ(前のめり)現象が解放される途中における車体の一時的な逆方向車体姿勢変化(ゆり戻し)を防止するようになすのが良い。
図6は、本発明の他の実施例になる歯車打音軽減装置を具えた全輪駆動式電動車両のパワートレーン、およびその制御系で、図中、図1におけると同様の部分を同一符号にて示し、その重複説明を避けた。
図6に示す電動車両のパワートレーンにおいては、電動車両を全輪駆動車とするために、左右前輪2FL,2FRの駆動系を図1におけると同様な構成とし、左右後輪2RL,2RRも左右前輪と同様な系により駆動する構成にする。
これがため、後輪用動力源としての電動モータ3R、および、後輪用歯車伝動ユニットとしてのディファレンシャルギヤ装置付きギヤボックス4Rを設ける。
電動モータ3Rは、車体1の後端に横置きに搭載し、その出力軸(図示せず)をギヤボックス4Rおよびその内部におけるディファレンシャルギヤ装置(図示せず)を介して左右後輪2RL,2RRの駆動車軸5RL,5RRに駆動結合する。
電動モータ3Rの回転は、ギヤボックス4Rにより減速され、その後、ギヤボックス4R内の図示せざるディファレンシャルギヤ装置により、左右後輪2RL,2RRの駆動車軸5RL,5RRに分配出力され、これら車軸5RL,5RRにより左右後輪2RL,2RRが駆動されることで、左右前輪2FL,2FRの駆動との共働により車両を走行させるものとする。
電動モータ3Rは、車載バッテリ7の直流電力を直流-交流変換用のインバータ8Rにより交流電力に変換されて供給され、この交流電力により駆動されるが、
この駆動時における電動モータ3Rのモータ出力トルクは、モータコントローラ9がインバータ8Rを介して上記の交流電力を加減することにより制御するものとする。
ここで電動モータ3Rのモータ出力トルク指令値は、車両コントローラ10がこれを決定してモータコントローラ9へ送信し、
モータコントローラ9は当該モータ出力トルク指令値を受信してインバータ8Rを制御することにより、当該インバータ8Rから電動モータ3Rへの交流電力を、モータ出力トルクが上記の指令値となるよう加減するものとする。
このためインバータ8Rには、電動モータ3Rのモータ回転数Nmを検出するモータ回転センサ11Rからの信号と、電動モータ3Rの温度を検出する温度センサ12Rからの信号とを入力する。
車両コントローラ10は、前輪2FL,2FRに対して図2の制御プログラムを実行することにより前記した実施例におけると同様なモータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を介した歯車打音軽減制御を行うと同時に、後輪2RL,2RRに対しても図2の制御プログラムを実行することにより、前輪2FL,2FRにおけると同様なモータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を介した歯車打音軽減制御を行う。
しかし、本実施例のように左右前輪2FL,2FRの制駆動系と、後輪2RL,2RRの制駆動系とが独立している電動車両にあっては、図3の歯車打音軽減制御範囲内における運転状態にあるとき、前輪用電動モータ3Fと後輪用電動モータ3Rとが共に補助トルクTa以上の出力トルクを発生する運転条件でないと、前輪用ギヤボックス4Fおよび後輪用ギヤボックス4Rの双方で前記した歯車打音軽減効果を発揮し得ない。
ところで前後輪個別駆動車両においては、前後輪駆動力最適配分制御などを実施するのが常套であり、要求トルクTcによっては、歯車打音軽減制御範囲内における運転状態であっても、前輪用電動モータ3Fおよび後輪用電動モータ3Rの一方とか、双方が、補助トルクTa以上の出力トルクを発生し得ないことがあり、この場合、対応する車輪側の駆動系に対する歯車打音軽減制御が有効でなく、当該駆動系で歯車打音が発生するのを禁じ得ず、前記実施例の作用効果を確実には達成し得ない。
このような場合においても歯車打音を確実に軽減し得るようにするために本実施例では、図示を省略したが以下のような歯車打音軽減制御を行うものとする。
つまり、前輪駆動系および後輪駆動系に対する前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御の結果、前輪電動モータ3Fおよび後輪電動モータ3Rの少なくとも一方のモータ出力トルクTmが補助トルクTa未満となる場合は、
前輪電動モータ3Fおよび後輪電動モータ3Rのうち何れか一方のモータ出力トルクを、モータ回転数対応の制動側補助トルクとし、他方のモータ出力トルクを、モータ回転数対応の駆動側補助トルクとし、
即ち前後輪電動モータ3F,3R間で相互逆向きの補助トルク対応のトルクを発生させ、これにより、前輪駆動系および後輪駆動系の双方で歯車打音軽減効果が達成されるようになす。
ところで、上記のモータ出力トルク制御による歯車打音軽減制御だと、前後輪でモータ出力トルクが相殺されて要求トルクTcを発生させ得ない。
そこで本実施例においては、減速運転中であれば前後輪電動モータ3F,3Rのうち制動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算することにより、また、加速運転中であれば前後輪電動モータ3F,3Rのうち駆動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算することにより、車両の駆動トルクを要求トルクTcに一致させる。
かかるトルクの加算により、上記のモータ出力トルク制御による歯車打音軽減制御によっても、前後輪でモータ出力トルクが相殺されることなく、要求トルクTcを発生させることができ、運転操作と異なる加減速の発生に伴う違和感をなくすことができる。
なお、減速運転中で上記のごとく制動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算する場合は、この代わりに、制動側電動モータに係わる車輪のブレーキユニットを作動させることにより、車両の駆動トルクを要求トルクTcに一致させても、減速運転操作と異なる減速度の発生に伴う違和感をなくすという作用効果を達成し得るのは言うまでもない。
しかし、ブレーキユニットの作動は低応答で、制御精度が悪いため、制動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算して行うモータ出力トルク制御の方が好ましいのは勿論である。
図7は、本発明の更に他の実施例になる歯車打音軽減装置を具えた全輪個別駆動式電動車両のパワートレーン、およびその制御系で、図中、図1におけると同様の部分を同一符号にて示し、その重複説明を避けた。
図7に示す電動車両のパワートレーンにおいては、全輪を個別に駆動するために、
左右前輪2FL,2FRの動力源として電動モータ3FL,3FR、また歯車伝動ユニットとしてギヤボックス4FL,4FR を設け、
左右後輪2RL,2RRの動力源として電動モータ3RL,3RR、また歯車伝動ユニットとしてギヤボックス4RL,4RR を設ける。
電動モータ3FLは、その出力軸(図示せず)をギヤボックス4FLを介して左前輪2FLに駆動結合し、
電動モータ3FRは、その出力軸(図示せず)をギヤボックス4FRを介して右前輪2FRに駆動結合し、
電動モータ3RLは、その出力軸(図示せず)をギヤボックス4RLを介して左後輪2RLに駆動結合し、
電動モータ3RRは、その出力軸(図示せず)をギヤボックス4RRを介して右後輪2RRに駆動結合する。
電動モータ3FLの回転はギヤボックス4FLにより減速されて左前輪2FLの駆動に供され、
電動モータ3FRの回転はギヤボックス4FRにより減速されて右前輪2FRの駆動に供され、
電動モータ3RLの回転はギヤボックス4RLにより減速されて左後輪2RLの駆動に供され、
電動モータ3RRの回転はギヤボックス4RRにより減速されて右後輪2RRの駆動に供され、
これら左右前輪2FL,2FRおよび左右後輪2RL,2RRの全輪が個別に駆動されて車両を走行させるものとする。
電動モータ3FL,3FR,3RL,3RRはそれぞれ、共通な車載バッテリ7の直流電力を対応する直流-交流変換用のインバータ8FL,8FR,8RL,8RR により交流電力に変換されて供給され、この交流電力により駆動されるが、
この駆動時における電動モータ3FL,3FR,3RL,3RRのモータ出力トルクは、共通なモータコントローラ9がインバータ8FL,8FR,8RL,8RRを介して上記の交流電力を加減することにより制御するものとする。
ここで電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR のモータ出力トルク指令値は、車両コントローラ10がこれらを決定して共通なモータコントローラ9へ送信し、
この共通なモータコントローラ9は、当該モータ出力トルク指令値を受信して個々のインバータ8FL,8FR,8RL,8RRを制御することにより、当該インバータ8FL,8FR,8RL,8RR から電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR への交流電力を、モータ出力トルクが上記の指令値となるよう加減するものとする。
このためインバータ8FL,8FR,8RL,8RR には、電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR のモータ回転数Nm(簡便のため同じ符号で示した)を検出するモータ回転センサ11FL,11FR,11RL,11RR からの信号を入力する。
車両コントローラ10は、各車輪2FL,2FR,2RL,2RRに対して図2の制御プログラムを実行することにより前記したモータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を介した歯車打音軽減制御を行う。
しかし、本実施例のように各車輪2FL,2FR,2RL,2RRの制駆動系が全く独立した電動車両にあっては、図3の歯車打音軽減制御範囲内における運転状態にあるとき、各車輪の電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR の全てが共に補助トルクTa以上の出力トルクを発生する運転条件でないと、各車輪のギヤボックス4FL,4FR,4RL,4RR の全てで前記した歯車打音軽減効果を発揮し得ない。
ところで全輪個別駆動車両においては、各輪駆動力最適配分制御などを実施するのが常套であり、要求トルクTcによっては、歯車打音軽減制御範囲内における運転状態であっても、各車輪の電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR のいずれかが、補助トルクTa以上の出力トルクを発生し得ないことがあり、電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR の1つでも補助トルクTa以上の出力トルクを発生し得ない場合、対応する車輪の駆動系に対する歯車打音軽減制御が有効でなく、当該駆動系で歯車打音が発生するのを禁じ得ず、前記実施例の作用効果を確実には達成し得ない。
このような場合においても歯車打音を確実に軽減し得るようにするために本実施例では、図示を省略したが以下のような歯車打音軽減制御を行うものとする。
つまり、各車輪の駆動系に対する前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御の結果、電動モータ3FL,3FR,3RL,3RR の1つでも補助トルクTa以上の出力トルクを発生し得ない場合は、
一方の対角位置にある車輪(左前輪および右後輪、または、右前輪および左後輪)の電動モータのモータ出力トルクをそれぞれモータ回転数対応の制動側補助トルクとし、他方の対角位置にある車輪(右前輪および左後輪、または、左前輪および右後輪)の電動モータのモータ出力トルクをそれぞれモータ回転数対応の駆動側補助トルクとし、
即ち、一方の対角位置にある車輪用の電動モータと、他方の対角位置にある車輪用の電動モータとの間で相互逆向きの補助トルク対応のトルクを発生させ、これにより、各車輪2FL,2FR,2RL,2RRの全てで歯車打音軽減効果が達成されるようになす。
なお、この作用効果を達成するのに本実施例のごとく、一方の対角位置にある車輪用の電動モータと、他方の対角位置にある車輪用の電動モータとの間で相互逆向きの補助トルク対応のトルクを発生させる場合、当該トルクが車両にヨーモーメントを付与することがなくて走行安定性の悪化を伴うことなく上記の歯車打音軽減効果を達成することができる。
ところで、本実施例のように一方の対角位置にある車輪用の電動モータと、他方の対角位置にある車輪用の電動モータとの間で相互逆向きの補助トルク対応のトルクを発生させる歯車打音軽減制御だと、全輪に係わるモータ出力トルクが相殺されて要求トルクTcを発生させ得ない。
そこで本実施例においては、減速運転中であれば電動モータ3FL,3FR,3RL,3RRのうち制動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算することにより、また、加速運転中であれば駆動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算することにより、車両の駆動トルクを要求トルクTcに一致させる。
かかるトルクの加算により、上記のモータ出力トルク制御による歯車打音軽減制御によっても、全輪に係わるモータ出力トルクが相殺されることなく、要求トルクTcを発生させることができ、運転操作と異なる加減速の発生に伴う違和感をなくすことができる。
なお、減速運転中で上記のごとく制動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算する場合は、この代わりに、制動側電動モータに係わる車輪のブレーキユニットを作動させることにより、車両の駆動トルクを要求トルクTcに一致させても、減速運転操作と異なる減速度の発生に伴う違和感をなくすという作用効果を達成し得るのは言うまでもない。
しかし、ブレーキユニットの作動は低応答で、制御精度が悪いため、制動側電動モータの出力トルクに要求トルクTcを加算して行うモータ出力トルク制御の方が好ましいのは言うまでもない。
車両コントローラ10が実行する歯車打音軽減制御は、図2に示すようなものの代わりに、図8に示すようなもの、または、図9に示すようなもの、或いは、図10に示すようなもの、更には、図11に示すようなものとすることができる。
図8に示す歯車打音軽減制御は、図2に対しステップS11〜ステップS13を追加し、ステップS5でのモータ出力トルク制御およびステップS6での差分トルク付加制御に対して実行条件を付加したものである。
ステップS4で要求トルクTcが補助トルクTaよりも小さい(Tc<Ta)と判定した時、つまり、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要である時、ステップS11において車速VSP=0の停車状態か否かを、また、ステップS12においてブレーキユニットが作動された制動状態か否かをそれぞれチェックする。
ステップS11およびステップS12において、車速VSP=0でない走行中と判定したり、車速VSP=0の停車状態であっても、ブレーキユニットが作動されていなくて発進意志があると判断した場合に限り、ステップS6でのモータ出力トルク制御およびステップS7での差分トルク付加制御を介した前記歯車打音軽減制御を実行することとし、
ステップS11およびステップS12において、車速VSP=0の停車状態で、且つ、ブレーキユニットを作動させた制動状態であると判定した場合、つまり、発進意志のない停車状態であると判定した場合は、制御をステップS13に進めてステップS6およびステップS7を実行しないこととし、このステップS13において上記の歯車打音軽減制御を停止させる。
かかる発進意志のない停車状態では、電動モータが駆動されないため歯車打音を発生することがないことから歯車打音軽減制御が不要であり、
本実施例のように発進意志のない停車状態で歯車打音軽減制御を停止させることにより、無駄な歯車打音軽減制御を行わせないようにすることができ、無駄に電動モータが出力トルク制御されてエネルギーが浪費されるのを回避することができる。
図9に示す歯車打音軽減制御は、図8においてステップS12をステップS14に置換したものである。
ステップS4で要求トルクTcが補助トルクTaよりも小さい(Tc<Ta)と判定した時、つまり、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要である時、ステップS11において車速VSP=0の停車状態か否かを、また、ステップS14において駐車ブレーキが作動されたり、駐車(P)レンジが選択されている駐車状態か否かをそれぞれチェックする。
ステップS11およびステップS14において、車速VSP=0でない走行中と判定したり、車速VSP=0の停車状態であっても駐車状態でなくて発進が可能であると判断した場合に限り、ステップS6でのモータ出力トルク制御およびステップS7での差分トルク付加制御を介した前記歯車打音軽減制御を実行することとし、
ステップS11およびステップS14において、車速VSP=0で、且つ、駐車状態であると判定した場合は、制御をステップS13に進めてステップS6およびステップS7を実行しないこととし、このステップS13において上記の歯車打音軽減制御を停止させる。
かかる駐車状態では、電動モータが駆動されないため歯車打音を発生することがないことから歯車打音軽減制御が不要であり、
本実施例のように駐車状態で歯車打音軽減制御を停止させることにより、無駄な歯車打音軽減制御を行わせないようにすることができ、無駄に電動モータが出力トルク制御されてエネルギーが浪費されるのを回避することができる。
図10に示す歯車打音軽減制御は、図8においてステップS11およびステップS12をステップS15に置換したものである。
ステップS4で要求トルクTcが補助トルクTaよりも小さい(Tc<Ta)と判定した時、つまり、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要である時、ステップS15においてバッテリ7の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が設定値SOCs未満に低下したか否かをチェックする。
ここで設定値SOCsは、歯車打音軽減制御(モータ出力トルク制御)によりバッテリ蓄電状態SOCが更に低下すると車両の走行距離が問題になるほど短くなるSOCの限界値とする。
ステップS15でバッテリ蓄電状態SOCが設定値SOCs未満に低下したと判定するまでの間は、車両の走行距離が問題になることがないから、ステップS6でのモータ出力トルク制御およびステップS7での差分トルク付加制御を介した前記歯車打音軽減制御を実行する。
しかし、ステップS15でバッテリ蓄電状態SOCが設定値SOCs未満に低下したと判定した後は、車両の走行距離が問題になるほど短くなることから、
制御をステップS13に進めてステップS6およびステップS7を実行しないこととし、このステップS13において上記の歯車打音軽減制御を停止させる。
よって本実施例によれば、車両の走行距離が問題になるほど短くなるバッテリ蓄電状態SOCであるのに歯車打音軽減制御(モータ出力トルク制御)を強行してしまう愚を避けることができ、走行距離の確保を優先させた歯車打音軽減制御を具現化することができる。
図11に示す歯車打音軽減制御は、図8においてステップS12をステップS16に置換し、ステップS17を追加したものである。
ステップS4で要求トルクTcが補助トルクTaよりも小さい(Tc<Ta)と判定した時、つまり、歯車打音が発生してそれを軽減する制御が必要である時、ステップS11において車速VSP=0の停車状態か否かを、また、ステップS16において前進自動変速(D)レンジまたは後進走行(R)レンジが選択されているか否かをそれぞれチェックする。
ステップS11およびステップS16において、車速VSP=0でない走行中と判定したり、車速VSP=0の停車状態であっても走行レンジであるDレンジまたはRレンジが選択されていると判断した場合、ステップS17においてブレーキを非作動にしているか否かをチェックする。
ステップS11、ステップS16およびステップS17で、車速VSP=0でない走行中と判定したり、車速VSP=0の停車状態であっても走行(Dレンジ、または、Rレンジ)が選択されていると判定し、且つ、ブレーキを非作動にしていると判定する場合に限り、
ステップS6でのモータ出力トルク制御およびステップS7での差分トルク付加制御を介した前記歯車打音軽減制御を実行する。
かようにすることで歯車打音軽減制御が、走行中とか、走行(Dレンジ、または、Rレンジ)を選択してブレーキを非作動にした発進操作時のように、歯車打音軽減制御を必要とする状態の時に限り実行することとなり、バッテリの消費を最小限にすることができる。
ステップS11およびステップS16において、車速VSP=0の停車状態であり、且つ、走行(Dレンジ、または、Rレンジ)が選択されていない非走行レンジ選択中であると判定する場合は、制御をステップS13に進めてステップS6およびステップS7を実行しないこととし、このステップS13において上記の歯車打音軽減制御を停止させる。
かかる非走行レンジ選択中の停車状態においては、電動モータが駆動されないため歯車打音を発生することがないことから歯車打音軽減制御が不要であり、
本実施例のように非走行レンジ選択中の停車状態において歯車打音軽減制御を停止させることにより、無駄な歯車打音軽減制御を行わせないようにすることができ、無駄に電動モータが出力トルク制御されてエネルギーが浪費されるのを回避することができる。
なお図8〜11における、歯車打音軽減制御(ステップS6およびステップS7)の実行条件は、これらの図に示す組み合わせ以外の要領で組み合わせて用いることができるのは言うまでもない。
また上記では電動車両が、図1に示すような前輪駆動車両である場合とか、図6に示すような前後輪個別駆動式全輪駆動車両である場合とか、図7に示すような全輪個別駆動車両である場合につき、本発明による歯車打音軽減制御装置を説明したが、本発明による歯車打音軽減制御装置はこれら電動車両に限らず、図12に例示するごときその他の駆動方式を持った電動車両や、それ以外の任意の駆動方式を持った電動車両にも同様の考え方により適用することができる。
図12(a)に示す電動車両は、図6の電動車両から前輪駆動系を除去した型式のもので、左右後輪2RL,2RRを共通な電動モータ3Rにより、それぞれの車軸5RL,5RRを介して駆動するようにした後輪駆動式の電動車両である。
図12(b) に示す電動車両は、左右前輪を2FL,2FRを共通なエンジン21および電動モータ3Fにより、トランスアクスル22((歯車伝動ユニット))および車軸5FL,5FRを介して駆動するようにした前輪駆動式の電動車両である。
図12(c) に示す電動車両は、左右前輪を2FL,2FRを共通なエンジン21および電動モータ3Fにより、トランスアクスル22(歯車伝動ユニット)および車軸5FL,5FRを介して駆動し、左右後輪2RL,2RRを共通な電動モータ3Rにより、それぞれの車軸5RL,5RRを介して駆動するようにした全輪駆動式の電動車両である。
図12(d) に示す電動車両は、左右後輪2RL,2RRをこれら左右後輪内における個々の電動モータ3RL,3RR により駆動するようにした後輪駆動式の電動車両である。
なお図示しなかったが、左右後輪2RL,2RRと電動モータ3RL,3RRとの間は、図7におけるギヤボックス4RL,4RRと同様なギヤボックスを介して駆動結合する。
図12(e) に示す電動車両は、左右前輪2FL,2FRをこれら左右前輪内における個々の電動モータ3FL,3FR により駆動するようにした前輪駆動式の電動車両である。
なお図示しなかったが、左右前輪2FL,2FRと電動モータ3FL,3FRとの間は、図7におけるギヤボックス4FL,4FRと同様なギヤボックスを介して駆動結合する。
図12(f) に示す電動車両は、左右後輪2RL,2RRを車体上における個々の電動モータ3RL,3RR により車軸5RL,5RRを介して駆動するようにした後輪駆動式の電動車両である。
なお図示しなかったが、左右後輪車軸5RL,5RR と電動モータ3RL,3RRとの間は、図7におけるギヤボックス4RL,4RRと同様なギヤボックスを介して駆動結合する。
図12(g) に示す電動車両は、左右前輪2FL,2FRを車体上における個々の電動モータ3FL,3FR により車軸5FL,5FRを介して駆動するようにした前輪駆動式の電動車両である。
なお図示しなかったが、左右前輪車軸5FL,5FR と電動モータ3FL,3FRとの間は、図7におけるギヤボックス4FL,4FRと同様なギヤボックスを介して駆動結合する。
図12(h) に示す電動車両は、左右前輪2FL,2FRを車体上における個々の電動モータ3FL,3FR により車軸5FL,5FRを介して駆動すると共に、左右後輪2RL,2RRを車体上における個々の電動モータ3RL,3RR により車軸5RL,5RRを介して駆動するようにした全輪駆動式の電動車両である。
なお図示しなかったが、左右前輪車軸5FL,5FR と電動モータ3FL,3FRとの間は、図7におけるギヤボックス4FL,4FRと同様なギヤボックスを介して駆動結合し、左右後輪車軸5RL,5RR と電動モータ3RL,3RRとの間は、図7におけるギヤボックス4RL,4RRと同様なギヤボックスを介して駆動結合する。
図12(i)に示す電動車両は、左右前輪2FL,2FRを図1,6におけると同様な前輪駆動系により、つまり、共通な電動モータ3Fにより車軸5FL,5FRを介して駆動するようになし(図1,6におけるギヤボックス4Fは省略した)、
左右後輪2RL,2RRを図12(d)におけると同様な後輪駆動系により、つまり、個々の電動モータ3RL,3RR により、図7におけるギヤボックス4RL,4RRと同様なギヤボックスを介して駆動するようにした全輪駆動式の電動車両である。
本発明の一実施例になる歯車打音軽減装置を具えた前輪駆動式電動車両のパワートレーン、およびその制御系を示す概略系統図である。 図1における車両コントローラが実行する歯車打音軽減用の制御プログラムを示すフローチャートである。 車輪駆動用電動モータの運転範囲と、歯車打音制御範囲とを示す領域線図である。 図2の制御プログラムによる歯車打音軽減制御の動作を、加速運転中である場合について示す動作タイムチャートである。 図2の制御プログラムによる歯車打音軽減制御の動作を、減速運転中である場合について示す動作タイムチャートである。 本発明の他の実施例になる歯車打音軽減装置を具えた前後輪個別駆動型全輪駆動式電動車両のパワートレーン、およびその制御系を示す概略系統図である。 本発明の更に他の実施例になる歯車打音軽減装置を具えた全輪個別駆動式電動車両のパワートレーン、およびその制御系を示す概略系統図である。 図1における車両コントローラが実行する歯車打音軽減制御プログラムの他の例を示す、図2と同様なフローチャートである。 図1における車両コントローラが実行する歯車打音軽減制御プログラムの更に他の例を示す、図2と同様なフローチャートである。 図1における車両コントローラが実行する歯車打音軽減制御プログラムの別の例を示す、図2と同様なフローチャートである。 図1における車両コントローラが実行する歯車打音軽減制御プログラムの更に別の例を示す、図2と同様なフローチャートである。 本発明による歯車打音軽減制御装置を適用可能な、他の駆動型式を持った電動車両を示し、 (a)は、後輪駆動式電動車両を示す概略平面図、 (b)は、前輪ハイブリッド駆動式電動車両を示す概略平面図、 (c)は、前輪ハイブリッド駆動、後輪モータ駆動式電動車両を示す概略平面図、 (d)は、後輪個別駆動式電動車両を示す概略平面図、 (e)は、前輪駆動式電動車両を示す概略平面図、 (f)は、後輪車載モータ個別駆動式電動車両を示す概略平面図、 (g)は、前輪車載モータ個別駆動式電動車両を示す概略平面図、 (h)は、全輪車載モータ個別駆動式電動車両を示す概略平面図、 (i)は、前輪車載モータ共通駆動、後輪個別駆動式電動車両を示す概略平面図である。
符号の説明
1 車体
2 車輪
3 電動モータ
4 ギヤボックス(歯車伝動ユニット)
5 車軸
6 ブレーキユニット
7 バッテリ
8 インバータ
9 モータコントローラ
10 車両コントローラ
11 モータ回転センサ
12 モータ温度センサ
13 車速センサ
14 操舵角センサ
15 アクセル開度センサ
16 ブレーキペダル踏力センサ
17 モードスイッチ
18 ヨーレートセンサ
19 横Gセンサ
20 前後Gセンサ
21 エンジン
22 トランスアクスル(歯車伝動ユニット)

Claims (15)

  1. 電動モータからの回転を歯車伝動ユニットにより車輪に伝達して走行可能で、該車輪をブレーキユニットにより制動可能な電動車両において、
    少なくとも前記電動モータの発生トルク方向における前記歯車伝動ユニットの噛合歯面間ギャップをなくすのに必要な補助トルクと、車両の運転状態に応じた要求トルクとの大きい方を電動モータの出力トルクとし、
    車両の駆動トルクが前記要求トルクに一致するよう、この要求トルクおよびモータ出力トルク間の差分トルクを車両に制動力または駆動力として付加するよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  2. 請求項1に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記差分トルクを車両に制動力として付加する差分トルク付加制御を、前記ブレーキユニットの作動により行うよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  3. 電動車両が、前後輪をそれぞれ個々の前輪電動モータおよび後輪電動モータにより駆動されて走行可能で、これら前輪電動モータおよび後輪電動モータに対し個々に、前記モータ出力トルク制御および前記差分トルク付加制御を行うものである、請求項1に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記前輪電動モータおよび後輪電動モータに対するモータ出力トルク制御および差分トルク付加制御の結果、これら前輪電動モータおよび後輪電動モータの少なくとも一方のモータ出力トルクが前記補助トルク未満となる場合、前記前輪電動モータおよび後輪電動モータの一方のモータ出力トルクをモータ回転数対応の制動側補助トルクとし、他方のモータ出力トルクをモータ回転数対応の駆動側補助トルクとし、
    減速運転中ならこれら電動モータのうち制動側電動モータの出力トルクに前記要求トルクを加算することにより、また、加速運転中なら駆動側電動モータの出力トルクに前記要求トルクを加算することにより、車両の駆動トルクを前記要求トルクに一致させるよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  4. 請求項3に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記制動側電動モータの出力トルクに前記要求トルクを加算する代わりに、制動側電動モータに係わる車輪のブレーキユニットを作動させることにより、車両の駆動トルクを前記要求トルクに一致させるよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  5. 電動車両が、各車輪を個々の電動モータにより駆動されて走行可能で、これら各電動モータに対し個々に、前記モータ出力トルク制御および前記差分トルク付加制御を行うものである、請求項1に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記各電動モータに対する前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御の結果、これら電動モータの少なくとも1のモータ出力トルクが前記補助トルク未満となる場合、一方の対角位置にある車輪の電動モータのモータ出力トルクをそれぞれモータ回転数対応の制動側補助トルクとし、他方の対角位置にある車輪の電動モータのモータ出力トルクをそれぞれモータ回転数対応の駆動側補助トルクとし、
    減速運転中ならこれら電動モータのうち制動側電動モータの出力トルクに前記要求トルクを加算することにより、また、加速運転中なら駆動側電動モータの出力トルクに前記要求トルクを加算することにより、車両の駆動トルクを前記要求トルクに一致させるよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  6. 請求項5に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記制動側電動モータの出力トルクに前記要求トルクを加算する代わりに、制動側電動モータに係わる車輪のブレーキユニットを作動させることにより、車両の駆動トルクを前記要求トルクに一致させるよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を低車速領域でのみ実行するよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  8. 請求項7に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を実行する低車速領域の上限車速に対応する電動モータの上限回転数は、車輪の回転角速度と電動モータの角速度変化量との比が、電動モータ1回転あたりのロータ部におけるギヤの歯数比以下となるものであることを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  9. 請求項7または8に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記補助トルクが低車速ほど大きいものであることを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記補助トルクの最大値が前記電動モータのトルク変動最大値よりも大きいものであることを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記補助トルクの設定範囲を電動モータの回転イナーシャおよびモータトルク変動に応じて定めたことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を停車時は実行しないよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    運転者による駐車意志を表す操作があるとき、前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を実行しないよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    前記電動モータのバッテリ蓄電状態が設定値未満である間、前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を実行しないよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の歯車打音軽減装置において、
    運転者による車両発進意志を表す操作があるとき、前記モータ出力トルク制御および差分トルク付加制御を開始させるよう構成したことを特徴とする電動車両の歯車打音軽減装置。
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