JP2009134024A - 撮像装置および情報コード読取装置 - Google Patents

撮像装置および情報コード読取装置 Download PDF

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丈也 杉田
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【課題】光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることができることはもとより、適切な画質の、ノイズの影響が小さい良好な復元画像を得ることが可能なことはもとより、製造が容易で、取り付け精度を必要とせず、反射の影響も抑止でき、画像の方向によりコントラストが異なることがない撮像装置および情報コード読取装置を提供する。
【解決手段】1次画像を形成する光学系210および撮像素子220と、1次画像を高精細な最終画像に形成する画像処理装置240とを含み、光学系210は、光波面変調素子が光軸に対して回転対称な形状であり、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つように形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、撮像素子を用い、光学系を備えた撮像装置および情報コード読取装置に関するものである。
近年急峻に発展を遂げている情報のデジタル化に相俟って映像分野においてもその対応が著しい。
特に、デジタルカメラに象徴されるように撮像面は従来のフィルムに変わって固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されているのが大半である。
このように、撮像素子にCCDやCMOSセンサを使った撮像レンズ装置は、被写体の映像を光学系により光学的に取り込んで、撮像素子により電気信号として抽出するものであり、デジタルスチルカメラの他、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal DigitalAssistant)、画像検査装置、自動制御用産業カメラ等に用いられている。
図29は、一般的な撮像レンズ装置の構成および光束状態を模式的に示す図である。
この撮像レンズ装置1は、光学系2とCCDやCMOSセンサ等の撮像素子3とを有する。
光学系は、物体側レンズ21,22、絞り23、および結像レンズ24を物体側(OBJS)から撮像素子3側に向かって順に配置されている。
撮像レンズ装置1においては、図29に示すように、ベストフォーカス面を撮像素子面上に合致させている。
図30(A)〜(C)は、撮像レンズ装置1の撮像素子3の受光面でのスポット像を示している。
また、位相板により光束を規則的に分散し、デジタル処理により復元させ被写界深度の深い画像撮影を可能にする等の撮像装置が提案されている(たとえば非特許文献1,2、特許文献1〜5参照)。
また、伝達関数を用いたフィルタ処理を行うデジタルカメラの自動露出制御システムが提案されている(たとえば特許文献6参照)。
また、CCD、CMOSなどの画像入力機能を持った装置においては、たとえば風景など、所望の映像とともに、バーコード等の近接静止画像を読み取ることが、極めて有用であることが多い。
バーコードの読み取りは、たとえば第一の例としてレンズを繰り出すオートフォーカスでピントを合わせる技術や、第二の例として深度拡張技術としては、たとえばカメラにおいてF値を絞ることで被写界深度を広げて固定ピントとしているものがある。
"Wavefront Coding;jointly optimized optical and digital imaging systems",Edward R.Dowski,Jr.,Robert H.Cormack,Scott D.Sarama. "Wavefront Coding;A modern method of achieving high performance and/or low cost imaging systems",Edward R.Dowski,Jr.,Gregory E.Johnson. USP6,021,005 USP6,642,504 USP6,525,302 USP6,069,738 特開2003−235794号公報 特開2004−153497号公報
上述した各文献にて提案された撮像装置においては、その全ては通常光学系に上述の位相板を挿入した場合のPSF(Point−Spread−Function)が一定になっていることが前提であり、PSFが変化した場合は、その後のカーネルを用いたコンボリューションにより、被写界深度の深い画像を実現することは極めて難しい。
したがって、単焦点でのレンズではともかく、ズーム系やAF系などのレンズでは、その光学設計の精度の高さやそれに伴うコストアップが原因となり採用するには大きな問題を抱えている。
換言すれば、従来の撮像装置においては、適正なコンボリューション演算を行うことができず、ワイド(Wide)時やテレ(Tele)時のスポット(SPOT)像のズレを引き起こす非点収差、コマ収差、ズーム色収差等の各収差を無くす光学設計が要求される。
しかしながら、これらの収差を無くす光学設計は光学設計の難易度を増し、設計工数の増大、コスト増大、レンズの大型化の問題を引き起こす。
また、上記技術では、画像復元処理後の画像はアウトフォーカスとなるに伴い、復元結果が良好ではなくなる。
これはアウトフォーカス時のOTFが一定であれば良好な復元結果となるのであるが、現実問題OTFは劣化してくる。そして、復元処理を行ってもボカして復元するという工程上、完全には復元しない。
そのため、良好な復元画を得ることが困難である。
また、深度拡張光学系において、位相変調素子は、特許文献5等に開示されているように3次や5次の多項式で表され、光軸に対して回転非対称な形状の提案がなされている。
しかしながら、回転非対称な形状の位相変調素子は、製造の難易度が高い、固体撮像素子に対して回転方向の取り付け精度が必要である、位相変調素子による反射の影響がでる、画像の方向によりコントラストが異なる、といった問題がある。
本発明は、光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることができることはもとより、適切な画質の、ノイズの影響が小さい良好な復元画像を得ることが可能なことはもとより、製造が容易で、取り付け精度を必要とせず、反射の影響も抑止でき、画像の方向によりコントラストが異なることがない撮像装置および情報コード読取装置を提供することにある。
本発明の第1の観点の撮像装置は、レンズと光波面変調素子を含む光学系と、前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、を有し、前記光学系は、前記光波面変調素子の変調面が光軸に対して回転対称な形状であり、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を有する。
好適には、前記光波面変調素子の変調面の焦点距離が、光学系全体の焦点距離の絶対値に対して大きい。
好適には、前記変調面を含む光波面変調素子の焦点距離が、光学系全体の焦点距離の絶対値に対して大きい。
好適には、前記光学系は、絞りを含み、当該絞りは前記光波面変調素子の近傍に配置されている。
好適には、前記光波面変調素子により、被写体分散画像が形成され、前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理部を有する。
本発明の第2の観点の情報コード読取装置は、情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、レンズと光波面変調素子を含む光学系と、前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、を有し、前記光学系は、前記光波面変調素子の変調面が光軸に対して回転対称な形状であり、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を有する。
本発明によれば、光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることができことはもとより、適切な画質の、ノイズの影響が小さい復元画像を得ることができることはもとより、製造が容易で、取り付け精度を必要とせず、反射の影響も抑止でき、画像の方向によりコントラストが異なることがない。
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報コード読取装置の一例を示す外観図である。
図2(A)〜(C)は、情報コードの例を示す図である。
図3は、図1の情報コード読取装置に適用可能な撮像装置の構成例を示すブロックである。
なおここでは、本実施形態の撮像装置が適用可能な装置として、情報コード読取装置を例示している。
本実施形態に係る情報コード読取装置100は、図1に示すように、本体110がケーブル111を介して図示しない電子レジスタ等の処理装置と接続され、たとえば読み取り対象物120に印刷された反射率の異なるシンボル、コード等の情報コード121を読み取り可能な装置である。
読み取り対象の情報コードとしては、たとえば図2(A)に示すような、JANコードのような1次元のバーコード122と、図2(B)および(C)に示すようなスタック式のCODE49、あるいはマトリックス方式のQRコードのような2次元のバーコード123が挙げられる。
本実施形態に係る情報コード読取装置100は、本体110内に、図示しない照明光源と、図3に示すような撮像装置200とが配置されている。
撮像装置200は、後で詳述するように、光学系に光波面変調素子を適用し、光波面変調素子により光束を規則的に分散し、デジタル処理により復元させ被写界深度の深い画像撮影を可能にする波面収差制御光学系システム、あるいは深度拡張光学系システム(DEOS:Depth Expantion Optical System)というシステムを採用し、JANコードのような1次元のバーコードとQRコードのような2次元のバーコードのような情報コードを的確に高精度で読み取ることが可能に構成されている。
情報コード読取装置100の撮像装置200は、図3に示すように、光学系210、撮像素子220、アナログフロントエンド部(AFE)230、画像処理装置240、カメラ信号処理部250、画像表示メモリ260、画像モニタリング装置270、操作部280、および制御装置290を有している。
図4は、本実施形態に係る光学系を形成する撮像レンズユニットの基本構成を示す図である。
光学系210Aは、被写体物体OBJを撮影した像を撮像素子220に供給する。また、光学系210Aは、物体側から順に、第1レンズ211、第2レンズ212、第3レンズ213、絞り214、第4レンズ215、第5レンズ216が配置されている。
本実施形態の光学系210Aは、第4レンズ215と第5レンズ216が接続されている。すなわち、本実施形態の光学系210Aのレンズユニットは、接合レンズを含んで構成されている。
そして、本実施形態の光学系210Aは、光波面変調素子を適用した光学系として構成されている。
本実施形態においては、光波面変調素子(たとえば位相変調素子)を用いることにより物体距離に応じたOTFの変化を、光波面変調素子を持たない光学系よりも小さくする深度拡張光学系に対し、光波面変調素子の最適化を行う。
本実施形態においては、光波面変調素子の光波面変調面(たとえば位相変調面)は、光軸に対して回転対称で、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つように形成されている。
なお、本実施形態において、ディフォーカスに対する低周波および高周波とは次のように定義する。
使用する固体撮像素子(撮像素子220)の画素ピッチから決まるナイキスト周波数の半分以上の周波数を高周波、半分より低い周波数を低周波とする。
ただし、ナイキスト周波数は下記の通りに定義する。
ナイキスト周波数=1/(固体撮像素子の画素ピッチ×2)
光波面変調素子の光波面変調面を光軸に対して回転対称とすることで、製造が容易で、回転方向の取り付け精度も厳しくなく、さらには反射の影響が少なくて、画像の方向によるコントラストの違いも無くなる。
そして、光波面変調素子の光波面変調面が、ディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つことにより、物体距離に応じたOTFの変化を極めて小さくする作用を持たせることが可能となる。
また、図4の下方に光波面変調面を形成する前と後の球面収差の変化を示しているが、光波面変調面を絞り214の近傍に、あるいは光波面変調面自身に絞り機能を持たせることにより、光波面変調面のみを最適化することで、物体が画面の中心に写る場合も周辺に写る場合も均一な画質とすることが可能となり、撮像装置の最終出力画像信号として性能の高い固定焦点レンズとすることができる。
図5は、光波面変調素子を持たない通常の光学系のディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFを示す図である。
図6は、本実施形態に係る光波面変調素子を持つ光学系のディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFを示す図である。
光波面変調素子を待たない通常の光学系においては、図5に示すように、ディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置のずれはわずかである。
これに対して、本実施形態に係る光波面変調素子を持つ光学系においては、図6に示すうに、ディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つよう形成されている。
これにより、本実施形態の光学系は、通常の光学系よりも物体距離に応じたOTFの変化を小さくする作用を持たせることが可能となり、被写界深度を増大させることが可能となる。
また、本実施形態においては、光波面変調素子の光波面変調面の焦点距離の絶対値が、光学系210全体の焦点距離に対して大きい。
あるいは、変調面を含む光波面変調素子の焦点距離の絶対値が、光学系全体の焦点距離に対して大きい。
換言すれば、光波面変調素子の光波面変調面におけるパワーを光学系210の全体のパワーよりも弱くする。
あるいは、光波面変調面を備えたパワーを、光学系210全体のパワーよりも弱くする。
これにより、画像の中心部から周辺部にかけて均一なOTFとすることが可能となる。
また、光波面変調面の焦点距離の絶対値が、光学系全体の焦点距離に対して次の関係を持つことが望ましい。
(数1)
|fphase|/ftotal ≧ 2
ただし、fphaseは光波面変調面の焦点距離を、ftotalは光学系全体の焦点距離を示している。
なお、本実施形態において、光波面変調素子の焦点距離とは、光波面変調面または光波面変調面を有するレンズの焦点距離を意味するものとする。
ここで、光学系における光波面変調素子の有無、光波面変調面の焦点距離の絶対値の大小に応じたスポット像について図7〜図10に関連付けて考察する。
これらの図において縦軸はディフォーカス量、横軸は像高を示している。
図7は、光波面変調素子を持たない一般的な光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。
ピントの合った位置ではスポット像は小さいが、ピント位置から離れるに従ってスポット像が徐々に大きくなる。
すなわち、この光学系は、光波面変調素子を持たないため物体距離に応じてスポット像が大きく変化する。
図8は、光波面変調素子を備えた光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。
この光学系においては、光波面変調素子の作用で物体距離に応じたスポット像の変化は小さい。
図9は、光波面変調素子の焦点距離の絶対値が小さい光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。
この光学系においては、光波面変調素子の焦点距離の絶対値が小さいため、画面中心と周辺でスポット像の大きさの差が大きい。
図10は、光波面変調素子の焦点距離の絶対値が大きい光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。
この光学系においては、光波面変調面もしくは光波面変調素子の焦点距離の絶対値が大きいため、画面中心と周辺でスポット像の大きさの差が小さい。
上述したように、本実施形態においては、光波面変調素子の光波面変調面は、光軸に対して回転対称で、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つように形成されている。
次に、ディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つ変調面を実現するのに好適な、光波面変調素子の変調面の形状の例について述べる。
本実施形態においては、光波面変調素子の光波面変調面は、光波面変調機能を持つ場合と持たない場合の形状の差分である位相形状が、光軸に対して回転対称で、かつ光軸中心部分から周辺部分かけて、少なくとも一つの変曲点を持った形状とすることにより、物体距離に応じたOTFの変化を小さくする作用を持ちつつ、スポット像を小さくすることが可能となる。
あるいは、本実施形態においては、光波面変調素子の光波面変調面は、光波面変調機能を持つ場合と持たない場合の形状の差分である位相形状が、光軸に対して回転対称で、かつ光軸中心部分から周辺部分に向かって単調増加もしくは単調減少するように形成される。
位相形状を、光軸に対して回転対称とすることで、製造が容易で、回転方向の取り付け精度も厳しくなく、さらには反射の影響が少なくて、画像の方向によるコントラストの違いも無くなる。
位相形状を、光軸中心部分から周辺部分かけて少なくとも一つの変曲点を持った形状、あるいは光軸中心部分から周辺部分に向かって単調増加もしくは単調減少とすることで、物体距離に応じたOTFの変化を極めて小さくすることができる。
図11は、各光学系の光波面変調面の位相形状を示す図である。また、図12は、位相形状について説明するための図である。
図11および図12において、Aで示す線が光波面変調素子を持たない形状を、Bで示す線が光波面変調素子を持ちかつ変曲点がある場合の形状を、Cで示す線が光波面変調素子を持つが変曲点がなく、単調増加する場合の形状を示している。
そして、本実施形態において、位相形状とは、図12に示すように、光波面変調素子を付加しない形状に対する光波面変調素子の形状の差分を持つ形状である。
なお、図11および図12の縦軸の数値は、像面での対角像高を1としたスポット位置を示す。具体的には、図13に示すように、中心スポット位置が(0,0)となり、垂直上方の端部が(0,1)となる。なお、図13のAは撮像素子、Bはイメージサイクルを示す。
光波面変調面の位相形状が中心から周辺にかけて少なくとも一つの変曲点を持ち、あるいは光軸中心部分から周辺部分に向かって単調増加もしくは単調減少とすることで、物体距離に応じたOTFの変化を極めて小さくすることができる。
また、光学系210全体の焦点距離に対して、光波面変調面の焦点距離を大きくすることで、画像の中心部から周辺部にかけて均一なOTFとすることが可能となる。
また、光学系210全体の焦点距離に対して、光波面変調面を備えた光波面変調素子(レンズ)の焦点距離を大きくすることで、画像の中心部から周辺部にかけて均一なOTFとすることが可能となる。
また、本発明の光波面変調面を回転対称な形状にすることにより、鏡筒に光波面変調素子を組み込む際に、光軸方向を中心に回転させて調整させる必要がなく、レンズと同様に配設することができ、製造工程が容易になる。
また、偽像を抑えて、自然なボケ味のまま深度を拡張することができる。
以上、本実施形態に係る光学系の特徴的な構成、機能、効果について説明した。
以下に、撮像素子、画像処理部等の他の構成部分の構成、機能について説明する。
撮像素子220は、例えば、図4に示すように、第5レンズ216側から、ガラス製の平行平面板(カバーガラス)221と、CCDあるいはCMOSセンサ等からなる撮像素子の撮像面222が順に配置されている。
撮像光学系210Aを介した被写体OBJからの光が、撮像素子220の撮像面222上に結像される。
なお、撮像素子220で撮像される被写体分散像は、光波面変調面213aにより撮像素子220上ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像である。
そして、本実施形態においては、画像処理装置240にてフィルタ処理を加えることにより物体間の距離の解像を補完することができるように構成されている。
この光学系210Aについては、後でさらに詳述する。
そして、図3に示すように撮像素子220は、光学系210で取り込んだ像が結像され、結像1次画像情報を電気信号の1次画像信号FIMとして、アナログフロントエンド部230を介して画像処理装置240に出力するCCDやCMOSセンサからなる。
図3においては、撮像素子220を一例としてCCDとして記載している。
アナログフロントエンド部230は、タイミングジェネレータ231、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ232と、を有する。
タイミングジェネレータ231では、撮像素子220のCCDの駆動タイミングを生成しており、A/Dコンバータ232は、CCDから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像処理装置240に出力する。
信号処理部の一部を構成する画像処理装置(二次元コンボリューション手段)240は、前段のAFE230からくる撮像画像のデジタル信号を入力し、二次元のコンボリューション処理を施し、後段のカメラ信号処理部(DSP)250に渡す。
画像処理装置240、制御装置290の露出情報に応じて、光学的伝達関数(OTF)に対してフィルタ処理を行う。なお、露出情報として絞り情報を含む。
画像処理装置240は、撮像素子220による複数の画像に対して、光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを向上させ、物体距離に応じた光学的伝達関数(OTF)の変化をなくすようにフィルタ処理(たとえばコンボリューションフィルタ処理)を行う機能を有し、複数の物体距離に依存しながらも、深い被写界深度を得る。また、画像処理装置240は、最初のステップでノイズ低減フィルタリングを施す機能を有する。
画像処理装置240は、光学的伝達関数(OTF)に対してフィルタ処理を行いコントラストを改善する処理を施す機能を有する。
画像処理装置240の処理については後でさらに詳述する。
カメラ信号処理部(DSP)250は、カラー補間、ホワイトバランス、YCbCr変換処理、圧縮、ファイリング等の処理を行い、メモリ260への格納や画像モニタリング装置270への画像表示等を行う。
制御装置290は、露出制御を行うとともに、操作部280などの操作入力を持ち、それらの入力に応じて、システム全体の動作を決定し、AFE230、画像処理装置240、DSP250、絞り213等を制御し、システム全体の調停制御を司るものである。
以下、本実施形態の光学系、画像処理装置の構成および機能について具体的には説明する。
次に、画像処理装置240のフィルタ処理について説明する。
本実施形態においては、光学系210により収束される光束を規則正しく分散する。このように光波面変調素子を挿入することにより、撮像素子220上ではピントのどこにも合わない画像を実現する。
換言すれば、光学系210によって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)を形成している。
前述したように、この規則的に分散した画像をデジタル処理により、光学系210を移動させずにピントの合った画像に復元する手段を波面収差制御光学系システム、あるいは深度拡張光学系システム(DEOS:Depth Expantion Optical System)といい、この処理を画像処理装置240において行う。
ここで、DEOSの基本原理について説明する。
図14に示すように、被写体の画像fがDEOS光学系Hに入ることにより、g画像が生成される。
これは、次のような式で表される。
(数2)
g=H*f
ただし、*はコンボリューションを表す。
生成された画像から被写体を求めるためには、次の処理を要する。
(数3)
f=H-1*g
ここで、Hに関するカーネルサイズと演算係数について説明する。
ズームポジションをZPn,ZPn−1・・・とする。また、それぞれのH関数をHn,Hn−1、・・・・とする。
各々のスポット像が異なるため、各々のH関数は、次のようになる。
Figure 2009134024
この行列の行数および/または列数の違いをカーネルサイズ、各々の数字を演算係数とする。
ここで、各々のH関数はメモリに格納しておいても構わないし、PSFを物体距離の関数としておき、物体距離によって計算し、H関数を算出することによって任意の物体距離に対して最適なフィルタを作るように設定できるようにしても構わない。また、H関数を物体距離の関数として、物体距離によってH関数を直接求めても構わない。
本実施形態においては、図3に示すように、光学系210からの像を撮像素子220で受像して、絞り開放時には画像処理装置240に入力させ、光学系に応じた変換係数を取得して、取得した変換係数をもって撮像素子220からの分散画像信号より分散のない画像信号を生成するように構成している。
本実施形態においては、DEOSを採用し、高精細な画質を得ることが可能で、しかも、光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることが可能となっている。
画像処理装置240は、上述したように、撮像素子220による1次画像FIMを受けて、フィルタによるコンボリューション処理によって被写界深度を拡張する処理等を施して高精細な最終画像FNLIMを形成する。
画像処理装置140のMTF補正処理は、たとえば図15の曲線Aで示すように、本質的に低い値になっている1次画像のMTFを、空間周波数をパラメータとしてエッジ強調、クロマ強調等の後処理にて、図15中曲線Bで示す特性に近づく(達する)ような補正を行う。
図15中曲線Bで示す特性は、たとえば本実施形態のように、波面形成用光学素子を用いずに波面を変形させない場合に得られる特性である。
なお、本実施形態における全ての補正は、空間周波数のパラメータによる。
本実施形態においては、図15に示すように、光学的に得られる空間周波数に対するMTF特性曲線Aに対して、最終的に実現したいMTF特性曲線Bを達成するためには、それぞれの空間周波数に対し、図16に示すようにエッジ強調等の強弱を付け、元の画像(1次画像)に対して補正をかける。
たとえば、図15のMTF特性の場合、空間周波数に対するエッジ強調の曲線は、図16に示すようになる。
すなわち、空間周波数の所定帯域内における低周波数側および高周波数側でエッジ強調を弱くし、中間周波数領域においてエッジ強調を強くして補正を行うことにより、所望のMTF特性曲線Bを仮想的に実現する。
このように、実施形態に係る撮像装置200は、基本的に、1次画像を形成する光学系210および撮像素子220と、1次画像を高精細な最終画像に形成する画像処理装置140からなり、光学系システムの中に、波面成形用の光学素子を新たに設けるか、またはガラス、プラスチックなどのような光学素子の面を波面成形用に成形したものを設けることにより、結像の波面を変形(変調)し、そのような波面をCCDやCMOSセンサからなる撮像素子220の撮像面(受光面)に結像させ、その結像1次画像を、画像処理装置240を通して高精細画像を得る画像形成システムである。
本実施形態では、撮像素子220による1次画像は深度が非常に深い光束条件にしている。そのために、1次画像のMTFは本質的に低い値になっており、そのMTFの補正を画像処理装置240で行う。
ここで、本実施形態における撮像装置200における結像のプロセスを、波動光学的に考察する。
物点の1点から発散された球面波は結像光学系を通過後、収斂波となる。そのとき、結像光学系が理想光学系でなければ収差が発生する。波面は球面でなく複雑な形状となる。幾何光学と波動光学の間を取り持つのが波面光学であり、波面の現象を取り扱う場合に便利である。
結像面における波動光学的MTFを扱うとき、結像光学系の射出瞳位置における波面情報が重要となる。
MTFの計算は結像点における波動光学的強度分布のフーリエ変換で求まる。その波動光学的強度分布は波動光学的振幅分布を2乗して得られるが、その波動光学的振幅分布は射出瞳における瞳関数のフーリエ変換から求まる。
さらにその瞳関数はまさに射出瞳位置における波面情報(波面収差)そのものからであることから、その光学系210を通して波面収差が厳密に数値計算できればMTFが計算できることになる。
したがって、所定の手法によって射出瞳位置での波面情報に手を加えれば、任意に結像面におけるMTF値は変更可能である。
本実施形態においても、波面の形状変化を波面形成用光学素子で行うのが主であるが、まさにphase(位相、光線に沿った光路長)に増減を設けて目的の波面形成を行っている。
そして、目的の波面形成を行えば、射出瞳からの射出光束は、幾何光学的なスポット像からわかるように、光線の密な部分と疎の部分から形成される。
この光束状態のMTFは空間周波数の低いところでは低い値を示し、空間周波数の高いところまでは何とか解像力は維持している特徴を示している。
すなわち、この低いMTF値(または、幾何光学的にはこのようなスポット像の状態)であれば、エリアジングの現象を発生させないことになる。
つまり、ローパスフィルタが必要ないのである。
そして、画像処理装置240でMTF値を低くしている原因のフレアー的画像を除去すれば良いのである。それによってMTF値は著しく向上する。
次に、本実施形態および従来光学系のMTFのレスポンスについて考察する。
図17は、従来の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンス(応答)を示す図である。
図18は、光波面変調素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。
また、図19は、本実施形態に係る撮像装置のデータ復元後のMTFのレスポンスを示す図である。
図からもわかるように、光波面変調素子を有する光学系の場合、物体が焦点位置から外れた場合でもMTFのレスポンスの変化が光波面変調素子を挿入してない光学系よりも少なくなる。
この光学系によって結像された画像を、コンボリューションフィルタによる処理によって、MTFのレスポンスが向上する。
図18に示した、光波面変調素子を持つ光学系のOTFの絶対値(MTF)はナイキスト周波数において0.1以上であることが好ましい。
なぜなら、図19に示した復元後のOTFを達成するためには復元フィルタでゲインを上げることになるが、センサのノイズも同時に上げることになる。そのため、ナイキスト周波数付近の高周波ではできるたけゲインを上げずに復元を行うことが好ましい。
通常の光学系の場合、ナイキスト周波数でのMTFが0.1以上あれば解像する。
したがって、復元前のMTFが0.1以上あれば復元フィルタでナイキスト周波数でのゲインを上げずに済む。復元前のMTFが0.1未満であると、復元画像がノイズの影響を大きく受けた画像になるため好ましくない。
画像処理装置240の構成および処理について説明する。
画像処理装置240は、図3に示すように、生(RAW)バッファメモリ241、二次元コンボリューション演算部242、記憶手段としてのカーネルデータ格納ROM243、およびコンボリューション制御部244を有する。
コンボリューション制御部244は、コンボリューション処理のオンオフ、画面サイズ、カーネルデータの入れ替え等の制御を行い、制御装置290により制御される。
また、カーネルデータ格納ROM243には、図20、図21、または図22に示すように予め用意されたそれぞれの光学系の点像強度分布(PSF)により算出されたコンボリューション用のカーネルデータが格納されており、制御装置290によって露出設定時に決まる露出情報を取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。
なお、露出情報には、絞り情報が含まれる。
図20の例では、カーネルデータAは光学倍率(×1.5)、カーネルデータBは光学倍率(×5)、カーネルデータCは光学倍率(×10)に対応したデータとなっている。
また、図21の例では、カーネルデータAは絞り情報としてのFナンバ(2.8)、カーネルデータBはFナンバ(4)に対応したデータとなっている。
また、図22の例では、カーネルデータAは物体距離情報が100mm、カーネルデータBは物体距離が500mm、カーネルデータCは物体距離が4mに対応したデータとなっている。
図23は、制御装置290の露出情報(絞り情報を含む)により切り替え処理のフローチャートである。
まず、露出情報(RP)が検出されコンボリューション制御部244に供給される(ST101)。
コンボリューション制御部244においては、露出情報RPから、カーネルサイズ、数値演係数がレジスタにセットされる(ST102)。
そして、撮像素子220で撮像され、AFE230を介して二次元コンボリューション演算部242に入力された画像データに対して、レジスタに格納されたデータに基づいてコンボリューション演算が行われ、演算され変換されたデータがカメラ信号処理部250に転送される(ST103)。
以下に画像処理装置240の信号処理部とカーネルデータ格納ROMについてさらに具体的な例について説明する。
図24は、信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第1の構成例を示す図である。なお、簡単化のためにAFE等は省略している。
図24の例は露出情報に応じたフィルタカーネルを予め用意した場合のブロック図である。
画像処理装置240が露出情報検出部253から露出設定時に決まる露出情報を取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。二次元コンボリューション演算部242においては、カーネルデータを用いてコンボリューション処理を施す。
図25は、信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第2の構成例を示す図である。なお、簡単化のためにAFE等は省略している。
図25の例は、画像処理装置240の最初にノイズ低減フィルタ処理のステップを有し、フィルタカーネルデータとして露出情報に応じたノイズ低減フィルタ処理ST1を予め用意した場合のブロック図である。
露出設定時に決まる露出情報を露出情報検出部253より取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。
二次元コンボリューション演算部242においては、前記ノイズ低減フィルタ処理1ST1を施した後、カラーコンバージョン処理ST2によって色空間を変換、その後カーネルデータを用いてコンボリューション処理(OTF復元フィルタ処理)ST3を施す。
再度ノイズ低減フィルタ処理2ST4を行い、カラーコンバージョン処理ST5によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、再度のノイズ処理ST4は省略することも可能である。
図26は、信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第3の構成例を示す図である。なお、簡単化のためにAFE等は省略している。
図26の例は、露出情報に応じたOTF復元フィルタを予め用意した場合のブロック図である。
露出設定時に決まる露出情報を露出情報検出部253より取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。
二次元コンボリューション演算部242は、ノイズ低減フィルタ処理1ST11、カラーコンバージョン処理ST12の後に、前記OTF復元フィルタを用いてコンボリューション処理ST13を施す。
再度ノイズ低減フィルタ処理2ST14を行い、カラーコンバージョン処理ST15によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、ノイズ低減フィルタ処理ST11、ST14は、いずれか一方のみでもよい。
図27は、信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第4の構成例を示す図である。なお、簡単化のためにAFE等は省略している。
図27の例は、ノイズ低減フィルタ処理のステップを有し、フィルタカーネルデータとして露出情報に応じたノイズ低減フィルタを予め用意した場合のブロック図である。
なお、再度のノイズ処理ST4は省略することも可能である。
露出設定時に決まる露出情報を露出情報検出部253より取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。
二次元コンボリューション演算部242においては、ノイズ低減フィルタ処理1ST21を施した後、カラーコンバージョン処理ST22によって色空間を変換、その後カーネルデータを用いてコンボリューション処理ST23を施す。
再度、露出情報に応じたノイズ低減フィルタ処理2ST24を行い、カラーコンバージョン処理ST25によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、ノイズ低減フィルタ処理ST21は省略することも可能である。
以上は露出情報のみに応じて二次元コンボリューション演算部242においてフィルタ処理を行う例を説明したが、たとえば被写体距離情報、ズーム情報、あるいは撮影モード情報と露出情報とを組み合わせることにより適した演算係数の抽出、あるいは演算を行うことが可能となる。
図28は、被写体距離情報と露出情報とを組み合わせる画像処理装置の構成例を示す図である。
撮像装置200Aは、図28に示すように、コンボリューション装置401、カーネル・数値演算係数格納レジスタ402、および画像処理演算プロセッサ403を有する。
この撮像装置200Aにおいては、物体概略距離情報検出装置500から読み出した被写体の物体距離の概略距離に関する情報および露出情報を得た画像処理演算プロセッサ403では、その物体離位置に対して適正な演算で用いる、カーネルサイズやその演算係数をカーネル・数値演算係数格納レジスタ402に格納し、その値を用いて演算するコンボリューション装置401にて適正な演算を行い、画像を復元する。
本例においては、主被写体までの距離を、距離検出センサを含む物体概略距離情報検出装置500により検出し、検出した距離に応じて異なる画像補正の処理を行うことにように構成されている。
上記の画像処理はコンボリューション演算により行うが、これを実現するには、たとえばコンボリューション演算の演算係数を共通で1種類記憶しておき、焦点距離に応じて補正係数を予め記憶しておき、この補正係数を用いて演算係数を補正し、補正した演算係数で適正なコンボリューション演算を行う構成をとることができる。
この構成の他にも、以下の構成を採用することが可能である。
焦点距離に応じて、カーネルサイズやコンボリューションの演算係数自体を予め記憶しておき、これら記憶したカーネルサイズや演算係数でコンボリューション演算を行う構成、焦点距離に応じた演算係数を関数として予め記憶しておき、焦点距離によりこの関数より演算係数を求め、計算した演算係数でコンボリューション演算を行う構成等、を採用することが可能である。
図28の構成に対応付けると次のような構成をとることができる。
変換係数記憶手段としてのカーネル・数値演算係数格納レジスタ402に被写体距離に応じて少なくとも位相板に相当する樹脂レンズに起因する収差に対応した変換係数を少なくとも2以上予め記憶する。画像処理演算プロセッサ403が、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置500により生成された情報に基づき、カーネル・数値演算係数格納レジスタ402から被写体までの距離に応じた変換係数を選択する係数選択手段として機能する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置401が、係数選択手段としての画像処理演算プロセッサ403で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
または、前述したように、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ403が、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置500により生成された情報に基づき変換係数を演算し、カーネル・数値演算係数格納レジスタ402に格納する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置401が、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ403で得られカーネル・数値演算係数格納レジスタ402に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
または、補正値記憶手段としてのカーネル・数値演算係数格納レジスタ402に光学系210のズーム位置またはズーム量に応じた少なくとも1以上の補正値を予め記憶する。この補正値には、被写体収差像のカーネルサイズを含まれる。
そして、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置500により生成された距離情報に基づき、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ403が、補正値記憶手段としてのカーネル・数値演算係数格納レジスタ402から被写体までの距離に応じた補正値を選択する。
変換手段としてのコンボリューション装置401が、第2変換係数記憶手段としてのカーネル・数値演算係数格納レジスタ402から得られた変換係数と、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ403により選択された補正値とに基づいて画像信号の変換を行う。
以上説明したように、本実施形態によれば、1次画像を形成する光学系210および撮像素子220と、1次画像を高精細な最終画像に形成する画像処理装置240とを含み、光学系210は、光波面変調素子の光波面変調面が光軸に対して回転対称な形状であり、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つように形成されていることから、以下の効果を得ることができる。
光波面変調面を光軸に対して回転対称な形状とし、光波面変調素子を持たない一般的な光学系よりも球面収差を大きく発生させることにより、光波面変調素子を持たない一般的な光学系よりも物体距離に応じたOTFの変化を極めて小さくすることが可能となる。
また、中央部分から周辺部分にかけて、位相形状がディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を持つように形成されることにより、物体距離に応じたOTFの変化を小さくする作用を持ちつつ、スポット像を小さくすることが可能となる。
また、本実施形態においては、光学系210全体の焦点距離に対して、光波面変調面の焦点距離を大きくすることで、画像の中心部から周辺部にかけて均一なOTFとすることが可能となる。
また、光学系210全体の焦点距離に対して、光波面変調面を備えた光波面変調素子(レンズ)の焦点距離を大きくすることで、画像の中心部から周辺部にかけて均一なOTFとすることが可能となる。
そして、光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることができることはもとより、適切な画質の、ノイズの影響が小さい良好な復元画像を得ることが可能なことはもとより、製造が容易で、取り付け精度を必要とせず、反射の影響も抑止でき、画像の方向によりコントラストが異なることがない撮像装置を実現することができる。
また、コンボリューション演算時に用いるカーネルサイズやその数値演算で用いられる係数を可変とし、図3に示す操作部280等の入力により知り、適性となるカーネルサイズや上述した係数を対応させることにより、倍率やディフォーカス範囲を気にすることなくレンズ設計ができ、かつ精度の高いコンボリュ−ションによる画像復元が可能となる利点がある。
また、難度が高く、高価でかつ大型化した光学レンズを必要とせずに、かつ、レンズを駆動させること無く、自然な画像を得ることができる利点がある。
そして、本実施形態に係る撮像装置200は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストを考慮されたDEOSの光学システムに使用することが可能である。
また、光学系210の構成を簡単化でき、製造が容易となり、コスト低減を図ることができる。
ところで、CCDやCMOSセンサを撮像素子として用いた場合、画素ピッチから決まる解像力限界が存在し、光学系の解像力がその限界解像力以上であるとエリアジングのような現象が発生し、最終画像に悪影響を及ぼすことは周知の事実である。
画質向上のため、可能な限りコントラストを上げることが望ましいが、そのことは高性能なレンズ系を必要とする。
しかし、上述したように、CCDやCMOSセンサを撮像素子として用いた場合、エリアジングが発生する。
現在、エリアジングの発生を避けるため、撮像レンズ装置では、一軸結晶系からなるローパスフィルタを併用し、エリアジングの現象の発生を避けている。
このようにローパスフィルタを併用することは、原理的に正しいが、ローパスフィルタそのものが結晶でできているため、高価であり、管理が大変である。また、光学系に使用することは光学系をより複雑にしているという不利益がある。
以上のように、時代の趨勢でますます高精細の画質が求められているにもかかわらず、高精細な画像を形成するためには、従来の撮像レンズ装置では光学系を複雑にしなければならない。複雑にすれば、製造が困難になったりし、また高価なローパスフィルタを利用したりするとコストアップにつながる。
しかし、本実施形態によれば、ローパスフィルタを用いなくとも、エリアジングの現象の発生を避けることができ、高精細な画質を得ることができる。
また、図20、図21、および図22のカーネルデータ格納ROMに関しても、光学倍率、Fナンバやそれぞれのカーネルのサイズ、物体距離の値に対して用いられるものとは限らない。また用意するカーネルデータの数についても3個とは限らない。
本発明の実施形態に係る情報コード読取装置の一例を示す外観図である。 情報コードの例を示す図である。 図1の情報コード読取装置に適用される撮像装置の構成例を示すブロックである。 本実施形態に係る光学系を形成する撮像レンズユニットの基本構成例を示す図であって、本実施形態に係る光学系において光波面変調素子を備えたレンズと絞りに隣接した面での光波面変調を実現する構成例を示す図である。 光波面変調素子を持たない通常の光学系のディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFを示す図である。 本実施形態に係る光波面変調素子を持つ光学系のディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFを示す図である。 光波面変調素子(位相変調素子)を持たない一般的な光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。 変曲点を持たない光波面変調素子を備えた光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。 光波面変調素子の焦点距離が小さい光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。 光波面変調素子の焦点距離が大きい光学系のスポット像のディフォーカス変化を示す図である。 各光学系の光波面変調面の位相形状を示す図である。 位相形状について説明するための図である。 図5および図6の縦軸について説明するための図である。 DEOSの原理を説明するための図である。 本実施形態に係る画像処理装置におけるMTF補正処理を説明するための図である。 本実施形態に係る画像処理装置におけるMTF補正処理を具体的に説明するための図である。 従来の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンス(応答)を示す図である。 光波面変調素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。 本実施形態に係る撮像装置のデータ復元後のMTFのレスポンスを示す図である。 カーネルデータ格納ROMの格納データの一例(光学倍率)を示す図である。 カーネルデータ格納ROMの格納データの他例(Fナンバ)を示す図である。 カーネルデータ格納ROMの格納データの他例(Fナンバ)を示す図である。 露出制御装置の光学系設定処理の概要を示すフローチャートである。 信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第1の構成例を示す図である。 信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第2の構成例を示す図である。 信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第3の構成例を示す図である。 信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第4の構成例を示す図である。 被写体距離情報と露出情報とを組み合わせる画像処理装置の構成例を示す図である。 一般的な撮像レンズ装置の構成および光束状態を模式的に示す図である。 図29の撮像レンズ装置の撮像素子の受光面でのスポット像を示す図であって、(A)は焦点が0.2mmずれた場合(Defocus=0.2mm)、(B)が合焦点の場合(Best focus)、(C)が焦点が−0.2mmずれた場合(Defocus=−0.2mm)の各スポット像を示す図である。
符号の説明
200・・・撮像装置、210・・・光学系、211・・・第1レンズ、212・・・第2レンズ、213・・・第3レンズ、214・・・絞り、215・・・第4レンズ、220・・・撮像素子、230・・・アナログフロントエンド部(AFE)、240・・・画像処理装置、250・・・カメラ信号処理部、280・・・操作部、290・・・制御装置、242・・・二次元コンボリューション演算部、243・・・カーネルデータ格納ROM、244・・・コンボリューション制御部。

Claims (6)

  1. レンズと光波面変調素子を含む光学系と、
    前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、を有し、
    前記光学系は、
    前記光波面変調素子の変調面が光軸に対して回転対称な形状であり、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を有する
    撮像装置。
  2. 前記光波面変調素子の変調面の焦点距離が、光学系全体の焦点距離の絶対値に対して大きい
    請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記変調面を含む光波面変調素子の焦点距離が、光学系全体の焦点距離の絶対値に対して大きい
    請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記光学系は
    絞りを含み、当該絞りは前記光波面変調素子の近傍に配置されている
    請求項1から3のいずれか一に記載の撮像装置。
  5. 前記光波面変調素子により、被写体分散画像が形成され、
    前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理部を有する
    請求項1から4のいずれか一に記載の撮像装置。
  6. 情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
    レンズと光波面変調素子を含む光学系と、
    前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、を有し、
    前記光学系は、
    前記光波面変調素子の変調面が光軸に対して回転対称な形状であり、かつディフォーカスに対する低周波および高周波のMTFのピーク位置が異なる特性を有する
    情報コード読取装置。
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