JP2009130098A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アモルファスシリコン層を形成する装置内で、トレンチゲート電極に対向する領域の半導体結晶構造を歪ませることが可能な製造方法を提案する。
【解決手段】 第1導電型不純物を含む第1半導体層22の表面に、第2導電型不純物を含む第2半導体層24が積層されている半導体ウェハ23を用意する工程と、半導体ウェハ23の第2半導体層24の表面から、第2半導体層24を貫通して第1半導体層22に達するトレンチ8を形成する工程と、少なくともトレンチ8が充填されるまで、半導体ウェハ23の表裏両面にアモルファスシリコン層12,26を形成する工程と、アモルファスシリコン層12,26で被覆された半導体ウェハ23の表裏両面に、多結晶シリコン層2を形成してアモルファスシリコン層12,26を多結晶シリコン層12,26に改質する工程を備えている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、トレンチゲート電極を利用して一対の主電極間の抵抗を制御する半導体装置の製造方法に関する。特に、トレンチゲート電極に対向しており、トレンチゲート電極にオン電圧を印加したときに導電型が反転してチャネルが形成される領域の結晶構造に歪を発生させておくことによって、チャネル抵抗を低下させる半導体装置の製造方法に関する。
トレンチゲート電極にオン電圧を印加したときに導電型が反転してチャネルが形成される領域の結晶構造に歪を発生させておくと、チャネル抵抗を低下させることができる。
特許文献1に、この種の半導体装置の製造方法が開示されている。特許文献1では、プレーナゲート電極を有する半装体装置40を製造する。特許文献1の技術では、図9に模式的に示すように、n型半導体ウェハ30の露出面にアモルファスシリコン層36を形成する。この工程では、減圧CVD装置を使用するため、n型半導体ウェハ30の表裏両面にアモルファスシリコン層36が形成される。次に、図10に示すように、アモルファスシリコン層36をエッチングし、後にプレーナゲート電極32となる範囲のアモルファスシリコン層36のみを残存させる。この工程では、エッチング装置を使用する。次に、図11に示すように、半導体装置40の全体を加熱する。加熱工程では、加熱炉を使用する。すると、残存しているアモルファスシリコン層36が多結晶シリコン層に改質され、プレーナゲート電極32が形成される。アモルファスシリコン層36は、多結晶シリコン層に改質されるときに、体積が減少して収縮する。このために、n型半導体ウェハ30のうち、プレーナゲート電極32に対向しているとともにプレーナゲート電極32にオン電圧を印加したときにp型に反転してチャネルが形成される領域Aに圧縮応力が作用する。領域Aのみに局所的に圧縮応力が作用する結果、n型半導体ウェハ30の結晶構造が領域Aにおいて歪む。
特許文献1の技術で製造された半導体装置40では、n型半導体ウェハ30の結晶構造が歪んでいる領域Aにpチャネルが形成される。圧縮応力によって結晶構造が歪んでいる領域Aではホール(正孔)の移動度が上昇する。このために、特許文献1の技術で製造された半導体装置40では、チャネル抵抗が低下する。なお、本明細書で「アモルファスシリコンを加熱する」という場合は、アモルファスシリコンが多結晶シリコンに改質される温度にまで加熱することをいう。
特許文献2の技術では、p型半導体ウェハにnチャネルを形成する。そのためにp型半導体ウェハの露出面に多結晶シリコン層を形成する。この工程では、減圧CVD装置を使用するため、p型半導体ウェハの表裏両面に多結晶シリコン層が形成される。次に、多結晶シリコン層をエッチングし、後にプレーナゲート電極となる範囲の多結晶シリコン層のみを残存させる。この工程では、エッチング装置を使用する。次に、残存した多結晶シリコン層に、質量数の大きい不純物(砒素やアンチモン)をイオン注入する。すると、多結晶シリコン層がアモルファスシリコン層に改質される。次に、半導体装置の全体を加熱する。加熱工程では、加熱炉を使用する。すると、残存しているアモルファスシリコン層が多結晶シリコン層に改質され、プレーナゲート電極が形成される。質量数の大きい不純物をイオン注入したアモルファスシリコン層は、多結晶シリコン層に改質されるときに、体積が増大して拡大する。このために、p型半導体ウェハのうち、プレーナゲート電極に対向しているとともにプレーナゲート電極にオン電圧を印加したときにn型に反転してチャネルが形成される領域に引張応力が作用する。局所的に引張応力が作用する結果、チャネル形成領域におけるp型半導体ウェハの結晶構造が歪む。
特許文献2の技術で製造された半導体装置では、p型半導体ウェハの結晶構造が歪んでいる領域にnチャネルが形成される。引張応力によって結晶構造が歪んでいる領域では電子の移動度が上昇する。このために、特許文献2の技術で製造された半導体装置では、チャネル抵抗が低下する。
特開2002−93921号公報 特開2004−172389号公報
図12に示すように、半導体ウェハ30の表裏両面にアモルファスシリコン層36が形成されている状態で加熱すると、半導体ウェハ30の表面のみならず、半導体ウェハ30の裏面にも応力が加えられ(特許文献1の場合には圧縮応力が発生し、特許文献2の場合には引張応力が発生する)、局所的な応力によって半導体の結晶構造を歪ませることができない。そのために、図10、図11に示しているように、エッチングしてアモルファスシリコン層の残存範囲を調整する工程が必要とされ、その後に熱処理する必要が生じる。
前記したように、従来の製造方法では、半導体ウェハの表裏両面にアモルファスシリコン層を形成する工程と、アモルファスシリコン層をエッチングする工程と、アモルファスシリコン層を加熱する工程が必要とされる。すなわち、従来の製造方法では、半導体ウェハを、減圧CVD装置とエッチング装置と加熱炉の順に移動させる必要がある。特許文献2の技術では、さらにイオン注入装置を用いて不純物をイオン注入する必要もある。
トレンチゲート電極を有する半導体装置50を製造する場合も同様である。例えば図13に示すように、トレンチ38を充填するとともに、表裏両面がアモルファスシリコン層36で被覆されている半導体ウェハ30を加熱してアモルファスシリコン層36を多結晶シリコン層に改質すると、半導体ウェハ30の表面のみならず、半導体ウェハ30の裏面にも応力が加えられる。その結果、トレンチ38の両サイドにあってチャンネルを形成する領域Bに居所的に集中する応力を発生させることができない。チャンネルを形成する領域Bの半導体結晶構造を歪ませることができない。そのため、図14に示すように、熱処理をするのに先立って、アモルファスシリコン層36をエッチングしておく工程が必要とされる。
従来の技術では、アモルファスシリコン層を形成する工程と、アモルファスシリコン層をエッチングする工程と、アモルファスシリコン層を加熱する工程が必要とされ、そのために、半導体ウェハを加工装置から別の加工装置に移動させなければならない。そのために、半導体装置の製造に多くの工程と長時間を必要とし、半導体装置の製造コストを押し上げている。
本発明では、アモルファスシリコン層を形成する装置内で、トレンチゲート電極に対向する領域の半導体結晶構造を歪ませることが可能な製造方法を提案する。
本発明の製造方法では、アモルファスシリコンを多結晶シリコンに改質させるときに、トレンチに充填されているアモルファスシリコン以外のアモルファスシリコン層が体積変化することを拘束する。すなわち、トレンチに充填されているアモルファスシリコンだけが体積変化することを許容される状態をつくりだす。その結果、チャネルが形成される領域の半導体構造に、局所的に集中する応力を発生させることができる。チャネルが形成される領域の半導体結晶構造を歪ませることができる。アモルファスシリコン層の残存範囲を調整する工程を省略することができる。
本発明で提供する製造方法は、第1導電型不純物を含む第1半導体層の表面に、第2導電型不純物を含む第2半導体層が積層されている半導体ウェハを用意する工程と、その半導体ウェハの第2半導体層の表面から、第2半導体層を貫通して第1半導体層に達するトレンチを形成する工程と、少なくともそのトレンチが充填されるまで、半導体ウェハの表裏両面にアモルファスシリコン層を形成する工程と、そのアモルファスシリコン層で被覆された半導体ウェハの表裏両面に、多結晶シリコン層を形成して前記アモルファスシリコン層を多結晶シリコン層に改質する工程を備えている。
アモルファスシリコン層と多結晶シリコン層が接している状態でアモルファスシリコン層を多結晶シリコンに改質すると、アモルファスシリコン層の体積変化を抑制することができる。上記の製造方法では、半導体ウェハの表裏両面において、アモルファスシリコン層と多結晶シリコン層が接している。そのため、半導体ウェハの表裏両面には応力が加えられることがない。それに対して、トレンチに充填された部分のアモルファスシリコン層は、直接的には多結晶シリコンと接していない。そのため、トレンチに充填された部分のアモルファスシリコン層は、多結晶シリコンに改質されるときに体積変化することができる。トレンチに充填された部分のアモルファスシリコンに対向する領域の半導体ウェハに、局所的な応力を加えることができる。すなわち、半導体ウェハの表裏両面には応力を加えることなく、チャネルが形成される領域に局所的に集中する応力を加えることができる。その結果、チャネルが形成される領域における半導体ウェハの結晶構造を歪ませることができる。多結晶シリコン層はアモルファスシリコン層を形成する装置で形成することができることから、アモルファスシリコン層を形成する装置内で、トレンチゲート電極に対向する領域の半導体結晶構造を歪ませることができる。
本発明の製造方法では、アモルファスシリコン層を形成する工程と、多結晶シリコン層を形成する工程を、同一の処理装置内で連続して実施することが好ましい。
半導体ウェハの表裏両面にアモルファスシリコン層を形成する装置(例えば減圧CVD装置)では、その装置内の温度を高くすることによって、多結晶シリコン層を形成することもできる。そのため、アモルファスシリコン層で被覆された半導体ウェハの表裏両面に多結晶シリコン層を形成するときに、アモルファスシリコン層が多結晶シリコンに改質される現象と、アモルファスシリコン層の表面に多結晶シリコン層が形成される現象が同時におこる。アモルファスシリコン層を形成する工程と、多結晶シリコン層を形成する工程は、シリコンを供給する温度を変化させるだけで実施することができる。双方の工程を同一の処理装置内で連続して実施すれば、半導体装置の製造時間を大幅に短縮することができる。
本発明によると、アモルファスシリコン層を形成する装置内で、トレンチゲート電極に対向する領域の半導体結晶構造を歪ませることができる。半導体装置の製造工程を大幅に短縮することができる。
実施例の主要な特徴を列記する。
(特徴1) 減圧CVD装置内で、アモルファスシリコン層を形成する工程と、多結晶シリコン層を形成する工程を連続して実施する。すなわち、減圧CVD装置内から半導体ウェハと取り出さずに、アモルファスシリコン層と多結晶シリコン層を形成する。
(特徴2) アモルファスシリコン層を形成するに先立って、半導体ウェハの表面に絶縁膜を形成する。
(特徴3) アモルファスシリコン層が多結晶シリコンに改質されるときに、その体積が減少する。
(第1実施例)
図面を参照し、本実施例の半導体装置について説明する。図1は、半導体装置10の部分断面図を示しており、図2は、半導体ウェハをダイシングした後の1つの半導体装置10の断面図を示している。なお、図1は、図2のI−I線に沿った断面図を示し、図2は、図1のII−II線に沿った断面図を示している。図1の範囲Xはスイッチング素子として機能する範囲を示しており、範囲Yはスイッチング素子として機能しない範囲(半導体装置10の端部であって、周辺耐圧構造が形成されている範囲)を示している。以下では主に範囲Xの構造について説明する。
本実施例の半導体装置10は、pチャネル型のMOSFETである。すなわち、ホールをキャリアとする半導体装置である。ドレイン電極20の表面に、ドリフト層(第1半導体層)22が形成されている。ドリフト層22はシリコンで形成されており、p型(第1導電型の一例)の不純物を含んでいる。ドリフト層22の表面に、ボディ領域(第2半導体層)24が形成されている。ボディ領域24はシリコンで形成されており、n型(第2導電型の一例)の不純物を含んでいる。ボディ領域24内のボディ領域24の表面に臨む範囲に、ソース領域6が形成されている。ソース領域6はp型の不純物を高濃度に含んでいる。p型のソース領域6とp型のドリフト層22は、n型のボディ領域24によって分断されている。ソース領域6はソース電極4に接続されている。
ボディ領域24内のボディ領域24の表面に臨む範囲に、ボディコンタクト領域16が形成されている。ボディコンタクト領域16はn型の不純物を高濃度に含んでいる。ボディコンタクト領域16はソース電極4に接続されている。ボディコンタクト領域16によって、ボディ領域24とソース電極4の接触抵抗を小さくしている。ボディ領域24がソース電極4に接続していることによって、ボディ領域24内の電位を安定化させることができる。ドリフト領域22とボディ領域24の間に安定した空乏層を形成することができる。なお、ドリフト領域22と、ボディ領域24と、ソース領域6と、ボディコンタクト領域16は半導体ウェハ23内に形成されている。
ボディ領域24の表面からボディ領域24を貫通してドリフト層22に達するトレンチ8が形成されている。トレンチ8内に、ゲート絶縁膜14を介してゲート電極12が充填されている。ゲート電極12は多結晶シリコンで形成されている。後述するが、ゲート電極12を形成している多結晶シリコンはトレンチ8に充填された時点ではアモルファスシリコンであり、後に多結晶シリコンに改質されたものである。ゲート電極12は、ゲート絶縁膜14を介して、ソース領域6、ボディ領域24及び一部のドリフト層22に対向している。ゲート電極12とソース電極4の間に、絶縁膜15が形成されている。そのため、ゲート電極12とソース電極4は電気的に絶縁されている。
ボディ領域24及びドリフト層22のうち、ゲート電極12に対向する領域(チャネル領域)18では、シリコンの結晶構造が歪んでいる。より詳しくいうと、チャネル領域18にのみ局所的に圧縮応力が加えられ、シリコンの結晶構造が歪んでいる。そのため、チャネル領域18の結晶構造が歪んでいない半導体装置と比べ、半導体装置10ではキャリア(正孔)の移動度が高い。そのため、チャネル領域18の結晶構造が歪んでいない半導体装置と比べ、半導体装置10はチャネル抵抗が小さい。チャネル領域18の結晶構造が歪んでいる理由については後述する。
なお、範囲Yでは、ゲート絶縁膜14が、半導体ウェハ23の表面にまで伸びて形成されている。さらに、半導体ウェハ23の表面に、ゲート絶縁膜14を介して第1電極26が形成されている。第1電極26は多結晶シリコンであり、ゲート電極12に接続している。第1電極26を形成している多結晶シリコンは、半導体ウェハ23の表面に形成された時点ではアモルファスシリコンであり、後に多結晶シリコンに改質されたものである。第1電極26の表面に、第2電極2が形成されている。第2電極2も多結晶シリコンである。第2電極2を形成している多結晶シリコンは、第1電極26の表面に形成された時点から多結晶シリコンである。第1電極26を形成している多結晶シリコンの粒径は、第2電極2を形成している多結晶シリコンの粒径よりも大きい。ソース電極4と、第1電極26と第2電極2は、電気的に絶縁されている。
上記したように、図2は、半導体ウェハをダイシングした後の1つの半導体装置10を示している。また、図2では、ゲート絶縁膜14の図示を省略しており、半導体装置10におけるゲート電極12の配置のみを図示している。なお、図面の明瞭化のため、ゲート電極12のハッチングを省略している。
図2に示すように、ゲート電極12は、ストライプ状に形成されており、各々のゲート電極12の端部が接続されている。なお、ゲート電極12は、半導体装置10の表面に露出していない(図1も参照)。半導体装置10の表面の一部に、第2電極2(図1も参照)が露出している。第2電極2にゲートパッド(図示省略)を介して電圧を印加すると、全てゲート電極12に同一の電圧を印加することができる。
本実施例の半導体装置10では、ゲート電極12は、ソース領域6とボディ領域24と一部のドリフト層22に対向している。しかしながら、ゲート電極12は、ソース領域6とドリフト層22の間を分離しているボディ領域24にさえ対向していればよい。
また、第1電極26の表面に第2電極2が形成されており、第2電極2が半導体装置10の表面に露出している。しかしながら、第1電極26が半導体装置10の表面に露出していてもよい。すなわち、半導体装置10の表面に、ゲート電極12に電圧を印加する構造(電極)が露出していればよい。
なお、ドリフト層22とドレイン電極20の間に、p型不純物を高濃度に含むドレイン領域が形成されていてもよい。ドレイン電極20と半導体ウェハ23の電気的接続を良好にすることができる。
(半導体装置10の製造方法)
図3から図8を参照し、半導体装置10の製造方法を説明する。なお、ここでは、主にゲート電極12の製造方法について詳細に説明する。
まず、図3に示すように、p型不純物を含む半導体層(第1半導体層)22の表面に、n型不純物を含む半導体層(第2半導体層)24が積層された半導体ウェハ23を用意する。半導体ウェハ23の製造方法については省略する。
次に、図4に示すように、半導体ウェハ23の第2半導体層24の表面から、第2半導体層24を貫通して第1半導体層22に達するトレンチ8を形成する。トレンチ8は、まず半導体ウェハ23の表面に開口を有するマスク層(図示省略)を形成し、そのマスク層の表面から半導体ウェハ23の露出している範囲を異方性エッチングすることによって形成することができる。
次に、図5に示すように、CVD法を利用して、半導体ウェハ23の表面とトレンチ8内に絶縁膜14を形成する。
次に、図6に示すように、減圧CVD装置(図示省略)内で、半導体ウェハ23の露出面にアモルファスシリコン層12、26を形成(成膜)する。アモルファスシリコン層12、26は半導体ウェハ23の露出面の全面に形成される。そのため、図6では、半導体ウェハ23の表面のみならず、半導体ウェハ23の裏面にもアモルファスシリコン層26が形成されている。このとき、少なくともトレンチ8が充填されるまで、半導体ウェハ23の露出面(表裏両面)にアモルファスシリコン層12、26を形成する。図15に示すように、トレンチ8が充填される前にアモルファスシリコン層12、26の形成を停止してはいけない。この理由ついては後述する。
なお図6では、トレンチ8内のアモルファスシリコン層には符号12を付し、半導体ウェハ23の表裏両面に形成されているアモルファスシリコン層26と区別している。トレンチ8内のアモルファスシリコン層12は、後にゲート電極12(図1を参照)になる。なお、アモルファスシリコン層12、26を形成するときの減圧CVD装置内の温度は、およそ530℃に調整されている。
次に、図7に示すように、アモルファスシリコン層26の表面に、多結晶シリコン層2を形成する。多結晶シリコン層2を形成するときの減圧CVD装置内の温度は、およそ620℃である。そのため、アモルファスシリコン層12、26が、多結晶シリコンに改質される。アモルファスシリコン層12、26が多結晶シリコンに改質されるときに、それらの体積が減少しようとする。しかしながら、アモルファスシリコン層26は多結晶シリコン層2に接しているため、アモルファスシリコン層26が多結晶シリコンに改質されるときに、その体積は変化しない。その結果、半導体ウェハ23の表裏両面には、応力が加えらない
それに対して、アモルファスシリコン層12は多結晶シリコン層2に直接的には接していない。そのため、アモルファスシリコン層12が多結晶シリコンに改質されるときに、その体積が減少して収縮する。その結果、半導体ウェハ23のアモルファスシリコン層12に対向している領域(図1の領域18に相当する)に、圧縮応力が作用する。図1の半導体装置10では、チャネル領域18の結晶構造を歪ませることができる。以下の説明では、多結晶シリコンに改質された後のアモルファスシリコン層12、26を、多結晶シリコン層12、26と称すことがある。
なお、本実施例では、アモルファスシリコン層12、26を形成する工程(図6の工程)と、多結晶シリコン層2を形成する工程(図7の工程)を、同一の処理装置(減圧CVD装置)内で連続して実施している。より具体的にいうと、減圧CVD装置内の温度を530℃にしてアモルファスシリコン層12、26を形成した後、減圧CVD装置内の温度を620℃に上げ、アモルファスシリコン層12、26の表面にアモルファスシリコン層12、26と同じ材料の層2を形成している。620℃でアモルファスシリコン層12、26と同じ材料の層2を形成するということは、多結晶シリコンの層2を形成することを意味している。すなわち、アモルファスシリコン層12、26と多結晶シリコン層2は、半導体ウェハ23の表裏両面に供給される材料が異なるのではなく、それらの層12、26、2が半導体ウェハ23の表裏両面に供給されるときの温度が異なるだけである。
ここで、半導体ウェハ23の露出面にアモルファスシリコン層12、26を形成するとき(図6を参照)に、少なくともトレンチ8が充填されるまで、半導体ウェハ23の露出面にアモルファスシリコン層12、26を形成する理由について説明する。すなわち、図15に示すように、トレンチ8が充填される前にアモルファスシリコン層12、26の形成を停止してはいけない理由について説明する。
図16に示すように、トレンチ8が充填される前にアモルファスシリコン層12、26の形成を停止し、その後、多結晶シリコン層2を形成すると、トレンチ8の側壁に形成されているアモルファスシリコン層12と多結晶シリコン層2が接触してしまう。そのため、トレンチ8の側壁に形成されているアモルファスシリコン層12が多結晶シリコンに改質されるときに、その体積が変化しない。その結果、半導体ウェハ23のゲート電極12に対向する領域に、圧縮応力を作用させることができない。すなわち、図1の半導体装置10のチャネル領域18の結晶構造を歪ませることができない。チャネル抵抗の小さい半導体装置10を得ることができない。そのため、図6に示すように、少なくともトレンチ8が充填されるまで、半導体ウェハ23の露出面にアモルファスシリコン層12、26を形成しなくてはいけない。
アモルファスシリコン層12、26と多結晶シリコン層2を形成したら、図8に示すように、ゲート電極12、第1電極26及び第2電極2以外の多結晶シリコン層26、2を除去する。ここでは、多結晶シリコン層2の表面に、開口を有するマスク層(図示省略)を形成し、その後、そのマスク層の表面から多結晶シリコン層2と多結晶シリコン層26を異方性エッチングすることによって、ゲート電極12、第1電極26及び第2電極2を形成することができる。
次に、ソース領域6、ボディコンタクト領域16を形成する。その後、半導体ウェハ23の領域Xにおいて表面に露出している絶縁膜14を除去し、ゲート電極12の露出している表面に絶縁膜15を形成する。その後、半導体ウェハ23の表面にソース電極4を形成し、さらに半導体ウェハ23の裏面にドレイン電極20を形成することによって、図1に示す半導体装置10を得ることができる。なお、ソース領域6、ボディコンタクト領域16、ソース電極4及びドレイン電極20の製造方法については省略する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記実施例では、pチャネル型のMOSFETについて説明した。しかしながら、本発明の技術は、nチャネル型のMOSFETにも適用することもできる。すなわち、第1導電型がn型であり、第2導電型がp型の半導体装置でもよい。nチャネル型のMOSFETの場合、アモルファスシリコンが多結晶シリコンに改質されるときに、その体積が増加し拡大するようにすればよい。例えば質量数の大きな不純物を含むアモルファスシリコン層を形成しておいてからそのアモルファスシリコン層を改質すると、ゲート電極が膨張して、チャネル領域に引張応力を発生させることができる。
本発明の技術は、MOSFETのみに適用されるものではない。例えばIGBT等に適用することもできる。トレンチゲート電極を有する半導体装置であれば、その種類は限定されるものではない。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の半導体装置の断面図(図2のI−I線に沿った断面図)を示す。 図1のII−II線に沿った断面図を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程を示す。 従来のプレーナゲート型半導体装置の製造工程を示す。 従来のプレーナゲート型半導体装置の製造工程を示す。 従来のプレーナゲート型半導体装置の製造工程を示す。 従来のプレーナゲート型半導体装置の製造工程を短縮した場合の不具合を説明する図を示す。 従来のトレンチゲート型半導体装置の製造工程を短縮した場合の不具合を説明する図を示す。 従来のトレンチゲート型半導体装置の製造工程を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程において、好ましくない製造工程を実施したときの不具合を説明する図を示す。 第1実施例の半導体装置の製造工程において、好ましくない製造工程を実施したときの不具合を説明する図を示す。
符号の説明
4:ソース電極
6:ソース領域
8:トレンチ
10:半導体装置
12:トレンチ電極
14:ゲート絶縁膜
16:ボディコンタクト領域
18:チャネル領域
20:ドレイン電極
22:ドリフト層
24:ボディ領域

Claims (2)

  1. トレンチゲート電極を有する半導体装置の製造方法であり、
    第1導電型不純物を含む第1半導体層の表面に、第2導電型不純物を含む第2半導体層が積層されている半導体ウェハを用意する工程と、
    その半導体ウェハの前記第2半導体層の表面から、前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達するトレンチを形成する工程と、
    少なくとも前記トレンチが充填されるまで、前記半導体ウェハの表裏両面にアモルファスシリコン層を形成する工程と、
    前記アモルファスシリコン層で被覆された半導体ウェハの表裏両面に、多結晶シリコン層を形成して前記アモルファスシリコン層を多結晶シリコン層に改質する工程と、
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記アモルファスシリコン層を形成する工程と、前記多結晶シリコン層を形成する工程を、同一処理装置内で連続して実施することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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